【実施例】
【0029】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0030】
実施例1〜6及び比較例1〜8:
表1に示す組成および下記製法にてエアゾール型日焼け止め化粧料を調製した。得られた化粧料に対して下記の方法により評価し、結果を併せて表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】
A:成分(1)〜(3)および(6)〜(8)を加熱溶解する。
B:Aに成分(4)〜(5)および(9)、(10)を混合した後、(11)を均一に分散させる。
C:成分(12)〜(16)を混合し、Bに添加し乳化を行い、原液を得た。
D:Cで得られた原液9gを透明ガラス製およびアルミ製の耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG0.15 21gを耐圧容器に充填し、エアゾール型日焼け止め化粧料を得た。
【0033】
(評価方法1:結晶の析出)
実施例1〜6及び比較例1〜8のエアゾール組成物を、透明ガラス製の耐圧容器に充填し、経時安定性の加速試験として−20℃で2週間放置後、25℃に戻したサンプルの結晶析出の有無を目視で確認した。
[判定基準]
(判定):(評価)
○ : 結晶析出が認められない。
× : 結晶析出が認められる。
【0034】
(評価方法2:目詰まりのなさ)
実施例1〜6及び比較例1〜8のエアゾール組成物を、アルミ製の耐圧容器(仕様;ステム:0.4m径、ハウジング:0.8×0.55mm径、ボタン:0.5mm径)に充填し、5℃および40℃にそれぞれ1ヶ月保管したサンプルを室温に戻し、25℃において10秒間隔で噴射し、最後まで使用したときの噴霧性について、下記の評価基準で評価した。
[判定基準]
(判定):(評価)
○ : 最後まで均一な噴霧状態にて使用できた。
× : 噴霧状態が不均一で、途中で目詰まりを起こして使用できなくなった。
【0035】
(評価方法3:透明性)
実施例1〜6及び比較例1〜8のエアゾール組成物30gを、アルミ製の耐圧容器に充填し、10cmの黒色毛束に15cm離れた位置から3秒間噴射し、直後の仕上がり状態を目視で観察した。
[判定基準]
(判定):(評価)
○ : 透明に仕上がる。
× : 白っぽさが目立つ。
【0036】
(評価方法4:ベタつきのなさ)
化粧品評価専門パネル20名に、実施例1〜6及び比較例1〜8のエアゾール組成物を左前腕に3秒間噴霧した後、手で伸ばして使用してもらい、使用中から使用後にかけての「ベタつきのなさ」について、各自が下記の評価基準に従って5段階評価し、サンプル毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を下記の判定基準に従って判定した。
[評価基準]
(評点):(結果)
5点 : 非常に良好
4点 : 良好
3点 : 普通
2点 : やや不良
1点 : 不良
[判定基準]
(判定):(評点の平均点)
◎ : 4.5〜5.0点
○ : 3.5〜4.5点未満
△ : 2.0〜3.5点未満
× : 1.0〜2.0点未満
【0037】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜6のエアゾール型日焼け止め化粧料は、いずれもビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの析出がみられず、低温においても、高温においても、安定性に優れたものであり、感触上もベタつきのない、使用性に優れたものであった。
これに対し、成分(B)の代わりに異なるエステル油を配合した比較例1〜3はビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの結晶析出が認められ、安定性上問題のあるものであり、トリエチルヘキサノインおよびオクタン酸セチルに関しては、感触上も劣るものであった。成分(B)が多い比較例4は、ベタつきがあり感触上劣るものであった。成分(C)を配合していない比較例5は、結晶の析出が認められ、成分(C)が多い比較例6は、感触上劣るものであった。成分(A):成分(B)+(C)の含有比が外れる場合は、結晶の析出が認められ、安定性上問題のあるものであった。
以上の結果より、本発明の各成分を組み合わせることにより、安定性に優れ、ベタつきのないエアゾール型日焼け止め料を得られることが示された。
【0038】
実施例7:エアゾール型日焼け止め料
(原液成分) (%)
1.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
3
2.ジカプリン酸プロピレングリコール 30
3.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.5
4.デカメチルシクロペンタシロキサン 5
5.フェノキシエタノール 0.3
6.セスキステアリン酸ソルビタン 0.25
7.PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.5
8.疎水化処理微粒子酸化チタン (注1) 5
9.フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 3
10.トリエタノールアミン 1.68
11.ジプロピレングリコール 5
12.精製水 38.77
(注1)微粒子酸化チタンMTY-110M3S (テイカ株式会社製)
【0039】
(製造方法)
A:成分(8)を適量の成分(2)および成分(7)で分散する。
B:成分(1)〜(3)を加熱溶解する。
C:Aに成分(4)〜(6)およびBを混合し、均一に分散させる。
D:成分(9)〜(12)を混合し、Cに添加して乳化し、原液を得る。
E:Dで得られた原液6gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG0.15 24gを耐圧容器に充填し、エアゾール型日焼け止め化粧料を得た。
【0040】
実施例7は、噴射直後はエアゾールの付着部分が白っぽく見えるが、すぐに透明化し、また、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの析出が認められず、目詰まりもなく、感触上ベタつきのないエアゾール型日焼け止め料であった。
【0041】
実施例8:エアゾール型日焼け止め料
(原液成分) (%)
1.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
3
2.ジカプリル酸プロピレングリコール 25
3.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.5
4.ポリシリコーン−15 3
5.安息香酸アルキル(C12−C15) 5
6.セバシン酸ジイソプロピル (注2) 5
7.ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30 0.2
8.ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2 0.1
9.PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.2
10.シリコーン被覆微粒子酸化亜鉛 (注3) 5
11.フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 3
12.トリエタノールアミン 1.68
13.エタノール 15
14.精製水 26.32
(注2)IPSE (日本精化株式会社製)
(注3)FINEX−50S−LP2 (堺化学社製)
【0042】
(製造方法)
A:成分(1)〜(3)を加熱溶解する。
B:Aに成分(4)〜(10)を混合し、均一に分散させる。
C:成分(11)〜(14)を混合し、Bに添加し、乳化する。
D:Cで得られた原液9gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG0.15 21gを耐圧容器に充填し、エアゾール型日焼け止め化粧料を得た。
【0043】
実施例8は、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの析出が認められず、感触上ベタつきのないエアゾール型日焼け止め料であった。
【0044】
実施例9:エアゾール型日焼け止め料
(原液成分) (%)
1.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
3
2.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル (注4)
1
3.ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロピレングリコール 20
4.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 10
5.ジメチコン (注5) 5
6.セバシン酸ジエチルヘキシル (注6) 5
7.ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30 0.25
8.PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.25
9.エタノール 15
10.精製水 40.5
(注4)UVINUL A PLUS (BASF社製)
(注5)SH200C FLUID 6CS(東レ・ダウコーニング社製)
(注6)Neosolue−EHS (日本精化株式会社製)
【0045】
(製造方法)
A:成分(1)〜(4)を加熱溶解する。
B:Aに成分(5)〜(8)を混合し、均一に分散させる。
C:成分(9)〜(10)を混合し、Bに添加し、乳化する。
D:Cで得られた原液9gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG0.15 15gおよびジメチルエーテル 6gを耐圧容器に充填し、エアゾール型日焼け止め化粧料を得た。
【0046】
実施例9は、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの析出が認められず、感触上ベタつきのないエアゾール型日焼け止め料であった。
【0047】
実施例10:エアゾール型日焼け止め料
(原液成分) (%)
1.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
3
2.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル (注4)
3.3
3.ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロピレングリコール 40
4.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.5
5.ポリシリコーン−15 3
6.ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30 0.25
7.PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.25
8.フェノキシエタノール 0.5
9.ポリメチルシルセスキオキサン 5
10.ジプロピレングリコール 5
11.メチルパラベン 0.15
12.精製水 32.05
【0048】
(製造方法)
A:成分(1)〜(4)を加熱溶解する。
B:Aに成分(5)〜(8)を混合した後、(9)を均一に分散させる。
C:成分(10)〜(12)を混合し、Bに添加し乳化を行い、原液を得た。
D:Cで得られた原液9gを透明ガラス製およびアルミ製の耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG0.15 21gを耐圧容器に充填し、エアゾール型日焼け止め化粧料を得た。
【0049】
実施例10は、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンの析出が認められず、感触上ベタつきのないエアゾール型日焼け止め料であった。