特許第6255178号(P6255178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6255178
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/06 20120101AFI20171218BHJP
   B65B 9/22 20060101ALN20171218BHJP
【FI】
   B65B9/06
   !B65B9/22
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-144236(P2013-144236)
(22)【出願日】2013年7月10日
(65)【公開番号】特開2015-16885(P2015-16885A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年7月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 文一
(72)【発明者】
【氏名】中丸 万美
【審査官】 長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−126457(JP,A)
【文献】 特表2005−511415(JP,A)
【文献】 実開昭57−103830(JP,U)
【文献】 特開平04−087914(JP,A)
【文献】 実公昭46−016638(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/06
B65B 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘム部が形成された帯状の包装材料が供給口から供給され、該包装材料の両端縁を重ね合せて筒状とする製袋器と、
筒状となった前記包装材料に対し、該包装材料に供給される物品のピッチに応じた間隔で幅方向にシールとカットを行うトップシール装置と、を備え、
前記製袋器において、少なくとも原反ロールが配置されている側に位置し、該原反ロールから供給される前記包装材料を曲げるための一対のコーナー部が、前記ヘム部が通る位置からずれるようにして形成されていることを特徴とする、
包装機。
【請求項2】
筒状に製袋された前記包装材料の内面を案内するガイド部材を備えることを特徴とする、
請求項1に記載の包装機。
【請求項3】
前記ガイド部材は、前記包装材料の断面の大きさや形に応じてサイズを調整するサイズ調整機構を備えることを特徴とする、
請求項2に記載の包装機。
【請求項4】
前記ガイド部材は、前記物品から離隔した位置に配置されていることを特徴とする、
請求項2又は3に記載の包装機。
【請求項5】
少なくとも前記ガイド部材と前記トップシール装置との間には、前記包装材料に沿って物品支持装置が設けられ、
前記物品支持装置は、
前記搬送方向の送り方向に走行する走行面と、
当該走行面に前記包装材料を吸着する吸着機構と、を備えることを特徴とする、
請求項2〜4のいずれかに記載の包装機。
【請求項6】
前記ガイド部材が、前記包装材料の内側にガスを送り込むノズルを備えることを特徴とする、
請求項2〜5のいずれかに記載の包装機。
【請求項7】
前記製袋器は、前記包装材料を底面の先端縁で搬送方向に折り曲げながら受け入れることを特徴とする、
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘム部付きの包装材料で物品を包装する包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
食品や日用品などの物品をピロー包装するラインでは、物品がピロー包装機に次々と供給され、フィルムなどの包装材料によって個別にピロー包装されてピロー包装体が製造される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ピロー包装機の製袋器には、物品が順次供給されることに合わせて、原反からフィルムが順次繰り出されることで連続して供給され、筒状に製袋される。次いで、センターシール装置において、互いに重ねられた包装材料における幅方向の両端縁(センターシール部)が、一対のバーシーラーで挟み込まれながら加熱された後、プレスローラで加圧されることで、センターシール(縦シール)される。それから、トップシール装置において、物品の長さに応じたピッチ毎に、包装材料の幅方向にトップシール(横シール)とカットが行われ、ピロー包装体が製造される。
【0004】
製袋器に供給される原反フィルムは、斜め上方又は斜め下方から物品に合流するように連続して供給されて、製袋器の先端で物品の搬送方向に折り曲げられると同時に筒状に製袋される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5038846号公報(図1参照)
【特許文献2】特開2009−012819号公報(図1参照)
【特許文献3】特開2007−091305号公報(図2及び図3参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ヘム部(縁部)付きの包装材料(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)を製袋する場合、製袋器の先端において、当該製袋器の左右の隅(コーナー)にヘム部が位置することとなり、包装材料が蛇行して安定した製袋を行うことができないという問題がある。また、不安定な状態のままトップシールを行うと、物品の上下(筒状に製袋された包装材料の天井面と底面)に配置された左右のヘムの位置が互いにずれた状態でシールされてしまう恐れがある。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、ヘム部付きの包装材料を蛇行させず、正確に包装することができる包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、ヘム部が形成された帯状の包装材料が供給口から供給され、該包装材料の両端縁を重ね合せて筒状とする製袋器と、筒状となった前記包装材料に対し、該包装材料に供給される物品のピッチに応じた間隔で幅方向にシールとカットを行うトップシール装置と、を備え、前記製袋器において、少なくとも原反ロールが配置されている側に位置し、該原反ロールから供給される前記包装材料を曲げるための一対のコーナー部が、前記ヘム部が通る位置からずれるようにして形成されていることを特徴とする、包装機である。
【0009】
本発明によれば、製袋器の供給口は、ヘム部が通る位置からずれるようにしてコーナー部が形成されているので、ヘム部が、コーナー部からずれるように供給口で曲げられる。このため、包装材料を蛇行させずに安定した製袋を行うことができる。結果として、物品を正確に包装することができる。
【0010】
(2)本発明はまた、筒状に製袋された前記包装材料の内面を案内するガイド部材を備えることを特徴とする、上記(1)に記載の包装機である。
【0011】
上記発明によれば、包装材料を安定した状態で送ることができる。
【0012】
(3)本発明はまた、前記ガイド部材は、前記包装材料の断面の大きさや形に応じてサイズを調整するサイズ調整機構を備えることを特徴とする、上記(2)に記載の包装機である。
【0013】
上記発明によれば、サイズ調整機構を備えているので、異なった包装サイズに対応することができる。
【0014】
(4)本発明はまた、前記ガイド部材は、前記物品から離隔した位置に配置されていることを特徴とする、上記(2)又は(3)に記載の包装機である。
【0015】
ところで、包装体のデザイン性、ユーザーの要望などにより、物品の高さに対して充分に高い包装体(物品の上部に空間を有する包装体)の仕様がある。上記発明によれば、このような仕様であっても、物品を正確に包装することができる。
【0016】
(5)本発明はまた、少なくとも前記ガイド部材と前記トップシール装置との間には、前記包装材料に沿って物品支持装置が設けられ、前記物品支持装置は、前記搬送方向の送り方向に走行する走行面と、当該走行面に前記包装材料を吸着する吸着機構と、を備えることを特徴とする、上記(2)〜(4)のいずれかに記載の包装機である。
【0017】
ところで、ガイド部材をトップシール装置の直近まで配置してしまうと、トップシール時に、ガイド部材によって包装材料に傷が入ってしまう。逆に、ガイド部材における搬送方向の長さが短く、ガイド部材とトップシール装置との間隔が長い場合、トップシール時に左右のヘム部が幅方向に位置ずれしてしまう恐れがある。上記発明によれば、物品支持装置によって、トップシール装置の直近まで包装材料を吸着保持することができる。このため、ヘム部の位置ずれを起こさせずにトップシールすることができる。また、トップシール時には、吸着保持されていた包装材料が物品支持装置から離れるため、物品支持装置により包装材料に傷をつけることがない。
【0018】
(6)本発明はまた、前記ガイド部材が、前記包装材料の内側にガスを送り込むノズルを備えることを特徴とする、上記(2)〜(5)のいずれかに記載の包装機である。
【0019】
上記発明によれば、ノズルからガスが送り込まれるので、物品の大きさに対して充分に大きい包装体(内部に空間を有する包装体)の仕様であっても、包装時に潰れることが防止されるので、正確に包装することができる。
(7)本発明はまた、前記製袋器は、前記包装材料を底面の先端縁で搬送方向に折り曲げながら受け入れることを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の包装機である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の上記(1)〜()に記載の包装機によれば、ヘム付きの包装材料を蛇行させず、正確に包装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係るピロー包装機の概略図である。
図2】包装材料の裏面の斜視図である。
図3】包装体の外観斜視図である。
図4】製袋器の上面図である。
図5】製袋器の正面図である。
図6】製袋器を上流側から視た側面図である。
図7】ヘム部の本数が異なる別の形態の包装材料を上流側から視た断面図であり、(A)はヘム部が2本の包装材料を正ピロー包装機で包装する場合を示し、(B)はヘム部が3本の包装材料を正ピロー包装機で包装する場合を示し、(C)はヘム部が1本の包装材料を逆ピロー包装機で包装する場合を示す。
図8】別の形態のガイド部材を上流側から視た側面図であり、(A)はノズルが1つの場合を示し、(B)は一対のノズルがガイド部材の上面の溝に埋め込まれている場合を示し、(C)は一対の孔がガイド部材の内部に形成されている場合を示し、(D)は一対の溝がガイド部材の内部に組み込まれている場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るピロー包装機1の構成について説明する。図1は、ピロー包装機1の概略図である。なお、本図及び以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、本図及び以降の各図において、部材の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
【0023】
図1に示されるピロー包装機1は、食品や日用品などの物品XA1を順次包装するラインで使用される。このピロー包装機1は、物品供給装置2と、包装材料供給装置3と、包装機本体4と、を備えている。
【0024】
これらピロー包装機1の各部は、制御ユニット(図示省略)によって統括的に制御される。制御ユニットは、CPU、RAM、及びROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
【0025】
物品供給装置2は、物品XA1を等間隔で搬送すると共に、下流の包装機本体4に当該物品XA1を順次供給する。この物品供給装置2は、オーバーヘッドコンベアから構成される。具体的に、物品供給装置2は、搬送面5と、この搬送面5上の物品XA1を側方からガイドするサイドガイド(図示省略)と、駆動用のスプロケット(図示省略)と、従動用のスプロケット6と、これらスプロケットに引っ掛けられて走行する環状のチェーン7と、このチェーン7に等間隔のピッチで取り付けられた複数のフィンガー8と、動力源となるサーボモータ(図示省略)と、を備えている。
【0026】
駆動用のスプロケットは、サーボモータの駆動によって回転する。従動用のスプロケット6は、チェーン7の走行によって、駆動用のスプロケットに連動して回転する。チェーン7は、駆動用のスプロケットの回転によって循環するように走行する。複数のフィンガー8は、チェーン7の走行によって、搬送面5上を走行する。これにより、複数のフィンガー8は、搬送面5上の物品XA1を押送して包装機本体4に送り出す。
【0027】
包装材料供給装置3は、原反ロールYB1を保持する原反軸9を備えている。原反軸9は、駆動モータ(図示省略)によって回転するように設けられ、原反ロールYB1を保持する。そして、包装材料供給装置3は、原反軸9に保持されている原反ロールYB1から、順次帯状に繰り出されたフィルムなどの包装材料YA1を連続して包装機本体4に供給する。なお、原反ロールYB1から包装材料YA1を繰り出す方法として、上述のような原反駆動式の方法を採用する代わりに、フィードローラを別途設け、当該フィードローラを動かして包装材料YA1を引き出すフィードローラ駆動式の方法を採用してもよい。
【0028】
ここで、図2を用いて、包装材料YA1の構成について説明する。図2は、包装材料YA1の裏面の斜視図である。
【0029】
図2に示されるように、包装材料YA1は、4本のヘム部HE1,HE2,HE3,HE4を有する。4本のヘム部HE1〜HE4は、包装材料YA1の長手方向に沿って互いに間隔を置いて形成されている。そして、包装材料YA1の幅方向の両端縁ED1,ED2は、ピロー包装機1によって、互いに重ねられてセンターシール部を構成する。また、4本のヘム部HE1〜HE4は、それぞれ、上下左右の四つ角を構成する。
【0030】
図1に戻って説明する。包装機本体4は、物品供給装置2から供給される物品XA1を、包装材料供給装置3から供給される包装材料YA1で包装する。具体的に、包装機本体4は、製袋器10と、第一の搬送装置11と、ピンチローラ12と、センターシール装置13と、第一の物品支持装置14と、トップシール装置(エンドシール装置)15と、第二の搬送装置16と、第二の物品支持装置17と、などを備えている。
【0031】
製袋器10は、包装材料供給装置3から供給される包装材料YA1を、幅方向の両端縁ED1,ED2が互いに重なるように断面が多角形状の筒状に製袋する。また、製袋器10は、物品供給装置2から供給される物品XA1を、筒状に製袋される包装材料YA1に供給する。これにより、物品XA1は、筒状に製袋される包装材料YA1に包まれる。なお、製袋器10は、本発明の要部であり、詳しくは後述する。
【0032】
第一の搬送装置11は、製袋器10の下流に設けられている。この第一の搬送装置11は、製袋器10で包装材料YA1に包まれた物品XA1を、搬送面(符号省略)に載せてトップシール装置15に向けて搬送するベルトコンベアである。そして、第一の搬送装置11は、トップシール装置15のボックスモーションに合わせて、搬送面を搬送方向に伸縮させる。
【0033】
また、第一の搬送装置11は、搬送面に物品XA1を吸着させる吸着機構として機能する吸引ポンプ(図示省略)を備えている。そして、搬送面には、多数の孔部が形成され、バキュームコンベアを構成する。これにより、包装材料YA1に包まれた物品XA1は、吸引ポンプが動作することで、搬送面の多数の孔部に吸着されてより確実に搬送力が与えられ、トップシール装置15に向けて搬送される。
【0034】
ピンチローラ12は、製袋器10より下流であって第一の搬送装置11の上方に設けられている。このピンチローラ12は、互いに重なる包装材料YA1の両端縁ED1,ED2(センターシール部)を挟み込んで、当該センターシール部に搬送力を付与する。
【0035】
センターシール装置13は、ピンチローラ12より下流であって第一の搬送装置11の上方に設けられている。具体的に、センターシール装置13は、一対のバーシーラー13aと、プレスローラ13bと、を備えている。このセンターシール装置13は、一対のバーシーラー13aでセンターシール部を挟んで加熱する。そして、センターシール装置13は、加熱されたセンターシール部をプレスローラ13bで圧着してセンターシールする。
【0036】
第一の物品支持装置14は、センターシール装置13より下流であって第一の搬送装置11の上方に設けられている。具体的に、第一の物品支持装置14は、搬送方向に沿って、すなわち包装材料YA1の送り方向に走行する走行面(符号省略)を有する上部コンベア14aと、走行面に物品XA1を吸着させる吸着機構として機能する吸引ポンプ(図示省略)と、を備えている。そして、上部コンベア14aの走行面には、多数の孔部が形成され、バキュームコンベアを構成する。これにより、包装材料YA1に包まれた物品XA1は、吸引ポンプが動作することで、走行面の多数の孔部に吸着されてより確実に搬送力が与えられ、トップシール装置15に向けて搬送される。そして、第一の物品支持装置14は、トップシール装置15のボックスモーションに合わせて、搬送面を搬送方向に伸縮させる。
【0037】
トップシール装置15は、上下一対のトップシーラ15a,15bを所定の軌跡で公転移動させる周知のボックスモーションにより、物品XA1の長さに応じたピッチ毎に、包装材料YA1の幅方向にトップシール(エンドシール、横シール)とカットを行う。これにより、図3に示されるピロー包装体ZA1が製造される。なお、トップシール装置15の詳細は、例えば特開平09−286413号公報を参照されたい。
【0038】
第二の搬送装置16は、トップシール装置15より下流に設けられている。この第二の搬送装置16は、トップシール装置15で仕上がったピロー包装体ZA1を、搬送面(符号省略)に載せて次工程に向けて搬送するベルトコンベアである。そして、第二の搬送装置16は、トップシール装置15のボックスモーションに合わせて、搬送面を搬送方向に伸縮させる。
【0039】
また、第二の搬送装置16は、搬送面に物品XA1を吸着させる吸着機構として機能する吸引ポンプ(図示省略)を備えている。そして、搬送面には、多数の孔部が形成され、バキュームコンベアを構成する。これにより、包装材料YA1に包まれた物品XA1は、吸引ポンプが動作することで、搬送面の多数の孔部に吸着されてより確実に搬送力が与えられ、次工程に向けて搬送される。
【0040】
第二の物品支持装置17は、トップシール装置15より下流であって第二搬送装置16の上方に設けられている。具体的に、第二の物品支持装置17は、搬送方向に沿って走行する走行面(符号省略)を有する上部コンベア17aと、走行面に物品XA1を吸着させる吸着機構として機能する吸引ポンプ(図示省略)と、を備えている。そして、上部コンベア17aの走行面には、多数の孔部が形成され、バキュームコンベアを構成する。これにより、ピロー包装体ZA1は、吸引ポンプが動作することで、走行面の多数の孔部に吸着されてより確実に搬送力が与えられ、次工程に向けて搬送される。そして、第二の物品支持装置17は、トップシール装置15のボックスモーションに合わせて、搬送面を搬送方向に伸縮させる。
【0041】
次に、図4図5及び図6を用いて、製袋器10の構成などについて説明する。図4は、製袋器10の上面図である。図5は、製袋器10の正面図である。図6は、製袋器10を上流側から視た側面図である。
【0042】
図4図6に示される製袋器10は、ステンレスなどの一枚又は複数の金属プレートを屈曲若しくは湾曲させて、又は複数の金属プレートを溶接することで成形される。この製袋器10の上流側は、包装材料YA1が供給されて当該包装材料YA1を受け入れると共に、当該包装材料YA1に供給される物品XA1を受け入れる供給口10aを構成する。具体的に、製袋器10は、底面20と、一対の側面21,22と、一対の天面23,24と、などを備えている。底面20は、平坦な面を構成する。そして、底面20は、一対の側面21,22の各々との接続部分に、包装材料YA1を曲げるための一対のコーナー部(符号省略)が形成されている。この底面20の幅Wは、一対のコーナー部同士の間隔を意味する。そして、底面20の幅Wは、包装体ZA1の幅D(図3参照)よりも大きく設定されている。すなわち、底面20の幅Wは、包装材料YA1における内側2本のヘム部HE2,HE3の外側の縁同士の間隔Dよりも大きく設定されている。すなわち、一対のコーナー部は、ヘム部HE2,HE3が通る位置からずれるようにして、製袋器10(の供給口10a)に形成されている。このような製袋器10は、下方から物品XA1に合流するように連続して供給される包装材料YA1を、底面20の先端縁20aで搬送方向に折り曲げながら受け入れる。そして、製袋器10は、受け入れた包装材料YA1を、物品XA1を包み込むように搬送方向に沿ってヘム部HE1〜HE4で折り曲げて幅方向の両端縁ED1,ED2を互いに重ねて筒状に製袋する。なお、本実施形態では、筒状の製袋器10の場合を例に説明したが、本発明の製袋器は、実開昭54−165263号公報の図2に示されるように、上方が開口したコの字状のものであってもよい。
【0043】
包装機本体4は、さらに、ガイド部材30と、このガイド部材30が備える一対のノズル31と、から構成される。ガイド部材30は、製袋器10の内側を貫通する平板であり、水平に設けられている。このガイド部材30は、包装材料YA1の内側2本のヘム部HE2,HE3の内側の縁同士の間隔Fに対応した幅を有する。そして、ガイド部材30は、物品XA1の上方に、当該物品XA1から離隔して位置するように、図示を省略するアームによって固定されている。すなわち、ガイド部材30は、物品XA1よりも、包装材料YA1の幅方向の両端縁ED1,ED2が互いに重ねられる側に設けられている。結果、ガイド部材30は、物品XA1と共に包装材料YA1に包み込まれる。すなわち、ガイド部材30は、筒状に製袋された包装材料YA1の内側において、重ね合わせた両端縁ED1,ED2から正逆周方向に数えてそれぞれ1本目のヘム部HE1,HE4を案内するものといえる。要するに、ガイド部材30は、筒状に製袋された包装材料YA1の内面を案内するものといえる。一対のノズル31は、ガイド部材30の下方の両脇に設けられており、ガイド部材30と一体となって、物品XA1と共に包装材料YA1に包み込まれる。これら一対のノズル31は、包装材料YA1に包み込まれる空間にエア又は不活性ガスなどのガスを送り込む。結果、筒状の包装材料YA1内にガスが充填される。
【0044】
このように、ピロー包装機1によれば、斜め下方から供給される包装材料YA1を、内側2本のヘム部HE2,HE3の外側の縁同士の間隔Dより広い幅Wを有する製袋器10の平坦な底面20の先端縁20aで折り曲げながら受け入れるので、内側2本のヘム部HE2,HE3が平坦な底面20の先端縁20aで折り曲げられる。これにより、製袋器10の左右の隅にヘム部HE2,HE3が位置することが防止される。このため、包装材料YA1を蛇行させずに安定した製袋を行うことができる。結果として、物品XA1を正確に包装することができる。
【0045】
そして、ガイド部材30によって筒状の包装材料YA1の搬送方向の直角方向(幅方向)の位置が規制されるため、製袋器10の底面20の幅Wが包装材料ZA1の幅Dよりも大きく設定されていても、上下に配置された左右のヘム部HE2,HE3の位置を互いに一致した状態にすることができる。
【0046】
ところで、包装体のデザイン性、ユーザーの要望などにより、物品XA1の高さに対して充分に高い包装体(物品の上部に空間を有する包装体)の仕様がある。上記のピロー包装機1によれば、このような仕様であっても、物品XA1を正確に包装することができる。
【0047】
ところで、仮に、ガイド部材30をトップシール装置15の直近まで配置してしまうと、トップシール時に、ガイド部材30によって包装材料YA1に傷が入ってしまう。逆に、ガイド部材30における搬送方向の長さが短く、ガイド部材30とトップシール装置15との間隔が長い場合、トップシール時に左右のヘム部HE2,HE3が幅方向に位置ずれしてしまう恐れがある。上記のピロー包装機1によれば、ガイド部材30によって搬送方向の直角方向(幅方向)において所定の位置に位置決めされた筒状の包装材料YAを、第一の物品支持装置14によってトップシール装置15の直近まで吸着保持することができる。このため、上下のヘム部HE2,HE3の位置を合わせてトップシールすることができる。また、トップシール時には、吸着保持されていた包装材料YA1が第一の物品支持装置14から離れるため、第一の物品支持装置14により包装材料YA1に傷をつけることがない。
【0048】
そして、一対のノズル31からガスが送り込まれるので、物品XA1の大きさに対して充分に大きい包装体(内部に空間を有する包装体)の仕様であっても、包装時に潰れることが防止されるので、正確に包装することができる。
【0049】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0050】
すなわち、上記実施形態において、各構成の位置、大きさ、長さ、形状、材質、向きなどは適宜変更できる。例えば、ヘム部の数は、4本に限定されず、1本〜3本であってもよい。また、ヘム部の数は、4本以上でもよく、例えば、5本や6本でもよい。ヘム部が少なくとも2本形成されている場合には、製袋器10の包装材料YA1を安定させることができ、ヘム部の位置ずれを防止することができる。
【0051】
ここで、図7を用いて、ヘム部の本数が異なる別の形態の包装材料を製袋する場合を説明する。図7は、ヘム部の本数が異なる別の形態の包装材料を上流側から視た断面図である。図7(A)は、ヘム部HE5,HE6が2本の包装材料YA2を、正ピロー包装機で製袋する場合を示す。図7(B)は、ヘム部HE7,HE8,HE9が3本の包装材料YA3を、正ピロー包装機で製袋する場合を示す。図7(C)は、ヘム部HE10が1本の包装材料YA4を、逆ピロー包装機で製袋する場合を示す。
【0052】
一つ目の別の形態を説明する。図7(A)に示されるように、2本のヘム部HE5,HE6が形成された包装材料YA2を、物品XA1の下方でセンターシールする正ピロー包装機で製袋する場合、2本のヘム部HE5,HE6は、筒状に製袋された包装材料YA2における上側の両脇であって、ガイド部材30の外側に位置する。なお、図7(A)及び次に説明する図7(B)においては、製袋器の図示を省略して図面を簡略化する。
【0053】
この場合、ヘム部HE5,HE6からずれた位置にコーナー部が形成される製袋器10及びガイド部材30によって、包装材料YA2の蛇行が防止される。
【0054】
二つ目の別の形態を説明する。図7(B)に示されるように、3本のヘム部HE7,HE8,HE9が形成された包装材料YA3を、物品XA1の下方でセンターシールする正ピロー包装機で製袋する場合、2本のヘム部HE7,HE8は、筒状に製袋された包装材料YA3における上側の両脇であって、ガイド部材30の外側に位置する。そして、残りの1本のヘム部HE9は、筒状に製袋された包装材料YA3における下側の一方の脇であって、製袋器のコーナー部の内側に位置する。
【0055】
この場合、一つ目の別の形態と同様の効果に加え、上下に配置され、包装材料YA3の幅方向の位置が一致するヘム部HE7,HE9同士のずれがないように包装することができるという効果を奏する。
【0056】
三つ目の別の形態を説明する。図7(C)に示されるように、1本のヘム部HE10が形成された包装材料YA4を、物品XA4の上方でセンターシールする逆ピロー包装機で、上方が開口したコの字状の製袋器40を用いて製袋する場合、ヘム部HE10は、筒状に製袋された包装材料YA4における下側の中心に位置する。
【0057】
この場合、ヘム部HE10からずれた位置にコーナー部が形成される製袋器10によって、包装材料YA4の蛇行が防止される。
【0058】
あるいは、上記実施形態において、製袋器10は、下方から供給される包装材料YA1を受け入れているが、本発明は、これに限定されず、上方から供給される包装材料YA1を受け入れる態様であってもよい。この場合、包装材料YA1の幅方向の両端縁ED1,ED2は、物品XA1の下方で互いに重ねられることになる。
【0059】
あるいは、上記実施形態において、ガイド部材30は一枚の平板であるが、当該ガイド部材30は、自身を補強する補強部(曲げ加工、リブなど)を有するようにしてもよい。
【0060】
あるいは、上記実施形態において、ガイド部材30は、一枚の平板であり一定の寸法に固定されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明のガイド部材は、幅方向の寸法を調整する寸法調整機構を備えるようにして、物品XA1やピロー包装体ZA1の寸法に応じてガイド部材の幅方向の寸法を調整するようにしてもよい。幅方向の寸法調整機構の有無を比較した場合、当該寸法調整機構を備えていない1本もののガイド部材を備えた逆ピロー包装機の場合、センターシール部に被包装物を噛み込んでしまうという問題が防止される。あるいは、本発明のガイド部材は、包装材料YA1の断面の大きさや形に応じてサイズを調整するサイズ調整機構を備えるようにしてもよい。この場合、異なった包装サイズに対応することができる。
【0061】
あるいは、上記実施形態において、一対のノズル31がガイド部材30の下方両脇に設けられている場合を例に説明したが、本発明のノズルの数や配置はこれに限定されるものではない。
【0062】
ここで、図8を用いて、別の形態のガイド部材を説明する。図8(A)は、ノズル31が1つの場合を示す。図8(B)は、一対のノズル31がガイド部材32の上面の溝32aに埋め込まれている場合を示す。図8(C)は、一対の孔33aがガイド部材33の内部に形成されている場合を示す。図8(D)は、一対の溝32aがガイド部材34の内部に組み込まれている場合を示す。
【0063】
一つ目の別の形態を説明する。図8(A)に示されるように、1つのノズル31は、ガイド部材30の下方の中央に設けられている。なお、ノズル31の数は、3つ以上であってもよい。
【0064】
二つ目の別の形態を説明する。図8(B)に示されるように、ガイド部材32は、ガイド部材30よりも厚みがある。このガイド部材32は、その上面に、流れ方向(図面における前後方向)に沿った一対の溝32aが形成されている。一対のノズル31、及びこれら一対のノズル31にガスを供給する一対のチューブ(図示省略)は、ガイド部材32の上面に形成された一対の溝32aにそれぞれ埋め込まれている。
【0065】
三つ目の別の形態を説明する。図8(C)に示されるように、ガイド部材33は、ガイド部材30よりも厚みがある。このガイド部材33には、例えばガンドリルによって、流れ方向に沿った一対の孔(キリ穴)33aが形成されている。これら一対の孔33aはノズルとして機能する。
【0066】
四つ目の別の形態を説明する。図8(D)に示されるように、ガイド部材34は、上記ガイド部材32の上に、シール材35を介してフタ36を被せたものである。これにより、一対の溝32aは、四角穴として、ガイド部材34の内部に組み込まれている。これら一対の溝32aはノズルとして機能する。
【0067】
あるいは、上記実施形態では、物品供給装置2がオーバーヘッドコンベアから構成される場合を例に説明したが、本発明における物品供給装置はこれに限定されず、フィンガーコンベア、ベルトコンベア、プレートコンベアなど、その他のコンベアから構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 ピロー包装機(包装機)
10,40 製袋器
14 第一の物品支持装置
15 トップシール装置
20 底面(面)
20a 先端縁
30,32,33,34 ガイド部材
31 ノズル
XA1 物品
YA1,YA2,YA3,YA4 包装材料
HE1,HE2,HE3,HE4,HE5,HE6,HE7,HE8,HE9,HE10 ヘム部
ED1,ED2 両端縁
D,F 間隔
W 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8