特許第6255271号(P6255271)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6255271受信装置、受信方法、送信装置、及び、送信方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6255271
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】受信装置、受信方法、送信装置、及び、送信方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/6334 20110101AFI20171218BHJP
   H04N 21/4623 20110101ALI20171218BHJP
   H04H 60/15 20080101ALI20171218BHJP
   H04H 60/23 20080101ALI20171218BHJP
   H04H 60/82 20080101ALI20171218BHJP
   H04B 1/16 20060101ALI20171218BHJP
【FI】
   H04N21/6334
   H04N21/4623
   H04H60/15
   H04H60/23
   H04H60/82
   H04B1/16 Z
【請求項の数】20
【全頁数】62
(21)【出願番号】特願2014-26224(P2014-26224)
(22)【出願日】2014年2月14日
(65)【公開番号】特開2015-154238(P2015-154238A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(72)【発明者】
【氏名】北原 淳
(72)【発明者】
【氏名】北里 直久
(72)【発明者】
【氏名】山岸 靖明
【審査官】 堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−208107(JP,A)
【文献】 特開2010−268091(JP,A)
【文献】 特開2012−156712(JP,A)
【文献】 特開2008−092432(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0050070(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0183211(US,A1)
【文献】 国際公開第2008/013287(WO,A1)
【文献】 "Digital Video Broadcasting (DVB); IP Datacast over DVB-H: Service Purchase and Protection",ETSI TS 102 474,フランス,2009年11月,V1.2.1,第22−40頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/6334
H04B 1/16
H04H 60/15
H04H 60/23
H04H 60/82
H04N 21/4623
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
IP(Internet Protocol)伝送方式を用いたデジタル放送の放送波を受信する受信部と、
前記放送波によって、前記IP伝送方式のプロトコルの階層における第1の階層で伝送される第1の制御信号に応じて取得される第1の記述子に含まれる第1の鍵を用い、前記第1の階層よりも上位の階層となる第2の階層で伝送される第2の制御信号に応じて取得される第2の記述子に含まれる第2の鍵を復号する第1の復号部と、
復号された前記第2の鍵を用い、前記放送波から得られるストリームに含まれる特定のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントを復号する第2の復号部と
を備え
前記第1の記述子は、サービスの契約状況を示す第1の契約情報を含み、
前記第2の記述子は、サービスごとの前記第2の鍵の提供状況を示す第2の契約情報を含み、
前記第1の契約情報と前記第2の契約情報とを対応付けることで得られる前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵の提供状況に基づき、サービスプラットフォーム単位、放送局単位、サービス単位、又はコンポーネント単位で提供される、前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵が特定される
受信装置。
【請求項2】
前記第1の制御信号は、前記第1の記述子を取得するためのロケーション情報が記述された第1のシグナリング情報を伝送し、
前記第2の制御信号は、前記第2の記述子を取得するためのロケーション情報が記述された第2のシグナリング情報を伝送し、
前記第1のシグナリング情報に記述されたロケーション情報に従い、前記第1の記述子が取得され、
前記第2のシグナリング情報に記述されたロケーション情報に従い、前記第2の記述子が取得される
請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記第1の記述子は、前記第1の制御信号、通信網、又は、NRT(Non-RealTime)放送を利用して伝送され、
前記第2の記述子は、前記第2の制御信号、通信網、NRT放送、又は、前記コンポーネントを利用して伝送される
請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記暗号化の方式は、CAS(Conditional Access System)方式に準じており、
前記第1の記述子は、EMM(Entitlement Management Message)であり、
前記第2の記述子は、ECM(Entitlement Control Message)であり、
前記第1の鍵は、第3の鍵で暗号化されている
請求項1乃至3のいずれかに記載の受信装置。
【請求項5】
前記EMMに含まれる前記第1の契約情報のティアビットと、前記ECMに含まれる前記第2の契約情報のティアビットとが対応付けられることで、サービスプラットフォーム単位、放送局単位、サービス単位、又はコンポーネント単位で提供される、前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵が特定される
請求項4に記載の受信装置。
【請求項6】
前記EMMと前記ECMには、特定のグループを識別するためのグループIDがさらに含まれる
請求項4又は5に記載の受信装置。
【請求項7】
複数のEMM又は複数のECMの中から、前記グループIDにより識別される特定のグループのEMM又はECMが用いられる
請求項6に記載の受信装置。
【請求項8】
第1のサービスと、前記第1のサービスに関連した第2のサービスが提供されており、
前記第1のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントは、前記第1のサービスのECMから取得される前記第2の鍵を用いて復号され、
前記第2のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントは、前記第1のサービスのECM又は前記第2のサービスのECMから取得される前記第2の鍵を用いて復号される
請求項4に記載の受信装置。
【請求項9】
前記IP伝送方式のプロトコルの階層のうち、前記第2の階層は、IP層よりも上位の階層となり、
各サービスを構成する暗号化されたコンポーネントと、前記第2の制御信号には、共通のIPアドレスが割り当てられる
請求項1乃至8のいずれかに記載の受信装置。
【請求項10】
受信装置の受信方法において、
前記受信装置が、
IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波を受信し、
前記放送波によって、前記IP伝送方式のプロトコルの階層における第1の階層で伝送される第1の制御信号に応じて取得される第1の記述子に含まれる第1の鍵を用い、前記第1の階層よりも上位の階層となる第2の階層で伝送される第2の制御信号に応じて取得される第2の記述子に含まれる第2の鍵を復号し、
復号された前記第2の鍵を用い、前記放送波から得られるストリームに含まれる特定のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントを復号する
ステップを含み、
前記第1の記述子は、サービスの契約状況を示す第1の契約情報を含み、
前記第2の記述子は、サービスごとの前記第2の鍵の提供状況を示す第2の契約情報を含み、
前記第1の契約情報と前記第2の契約情報とを対応付けることで得られる前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵の提供状況に基づき、サービスプラットフォーム単位、放送局単位、サービス単位、又はコンポーネント単位で提供される、前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵が特定される
受信方法。
【請求項11】
各種のサービスを構成する1又は複数のコンポーネントを取得する第1の取得部と、
第1の鍵及びサービスの契約状況を示す第1の契約情報を含む第1の記述子を取得するための第1の制御信号と、第2の鍵及びサービスごとの前記第2の鍵の提供状況を示す第2の契約情報を含む第2の記述子を取得するための第2の制御信号を取得する第2の取得部と、
前記第1の鍵により暗号化される前記第2の鍵を用い、前記コンポーネントを暗号化する暗号化部と、
特定のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントと、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号とからなるストリームを含むIP伝送方式を用いた放送波であって、前記IP伝送方式のプロトコルの階層における第1の階層で前記第1の制御信号が伝送され、前記第1の階層よりも上位の階層となる第2の階層で前記第2の制御信号が伝送される放送波を送信する送信部と
を備え
前記第1の契約情報と前記第2の契約情報とを対応付けることで得られる前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵の提供状況に基づき、サービスプラットフォーム単位、放送局単位、サービス単位、又はコンポーネント単位で提供される、前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵が特定される
送信装置。
【請求項12】
前記第1の制御信号は、前記第1の記述子を取得するためのロケーション情報が記述された第1のシグナリング情報を伝送し、
前記第2の制御信号は、前記第2の記述子を取得するためのロケーション情報が記述された第2のシグナリング情報を伝送する
請求項11に記載の送信装置。
【請求項13】
前記第1の記述子は、前記第1の制御信号、通信網、又は、NRT放送を利用して伝送され、
前記第2の記述子は、前記第2の制御信号、通信網、NRT放送、又は、前記コンポーネントを利用して伝送される
請求項12に記載の送信装置。
【請求項14】
前記暗号化の方式は、CAS方式に準じており、
前記第1の記述子は、EMMであり、
前記第2の記述子は、ECMであり、
前記第1の鍵は、第3の鍵で暗号化されている
請求項11乃至13のいずれかに記載の送信装置。
【請求項15】
前記EMMに含まれる前記第1の契約情報のティアビットと、前記ECMに含まれる前記第2の契約情報のティアビットとが対応付けられることで、サービスプラットフォーム単位、放送局単位、サービス単位、又はコンポーネント単位で提供される、前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵が特定される
請求項14に記載の送信装置。
【請求項16】
前記EMMと前記ECMには、特定のグループを識別するためのグループIDがさらに含まれる
請求項14又は15に記載の送信装置。
【請求項17】
複数のEMM又は複数のECMの中から、前記グループIDにより識別される特定のグループのEMM又はECMが用いられる
請求項16に記載の送信装置。
【請求項18】
第1のサービスと、前記第1のサービスに関連した第2のサービスが提供されており、
前記第1のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントは、前記第1のサービスのECMから取得される前記第2の鍵を用いて復号され、
前記第2のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントは、前記第1のサービスのECM又は前記第2のサービスのECMから取得される前記第2の鍵を用いて復号される
請求項14に記載の送信装置。
【請求項19】
前記IP伝送方式のプロトコルの階層のうち、前記第2の階層は、IP層よりも上位の階層となり、
各サービスを構成する暗号化されたコンポーネントと、前記第2の制御信号には、共通のIPアドレスが割り当てられる
請求項11乃至18のいずれかに記載の送信装置。
【請求項20】
送信装置の送信方法において、
前記送信装置が、
各種のサービスを構成する1又は複数のコンポーネントを取得し、
第1の鍵及びサービスの契約状況を示す第1の契約情報を含む第1の記述子を取得するための第1の制御信号と、第2の鍵及びサービスごとの前記第2の鍵の提供状況を示す第2の契約情報を含む第2の記述子を取得するための第2の制御信号を取得し、
前記第1の鍵により暗号化される前記第2の鍵を用い、前記コンポーネントを暗号化し、
特定のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントと、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号とからなるストリームを含むIP伝送方式を用いた放送波であって、前記IP伝送方式のプロトコルの階層における第1の階層で前記第1の制御信号が伝送され、前記第1の階層よりも上位の階層となる第2の階層で前記第2の制御信号が伝送される放送波を送信する
ステップを含み、
前記第1の契約情報と前記第2の契約情報とを対応付けることで得られる前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵の提供状況に基づき、サービスプラットフォーム単位、放送局単位、サービス単位、又はコンポーネント単位で提供される、前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵が特定される
送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、受信装置、受信方法、送信装置、及び、送信方法に関し、特に、IP伝送方式を用いたデジタル放送において、その運用形態に応じてコンテンツを保護することができるようにした受信装置、受信方法、送信装置、及び、送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各国のデジタル放送の規格では、伝送形式としてMPEG2-TS(Moving Picture Experts Group phase 2-Transport Stream)方式が採用されている(例えば、特許文献1参照)。今後は、通信の分野で用いられているIP(Internet Protocol)パケットをデジタル放送に用いたIP伝送方式を導入することで、より高度なサービスを提供することが想定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−156712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、デジタル放送では、限定受信システム(CAS:Conditional Access System)などのコンテンツを保護するための技術が採用されている。一方、IP伝送方式を用いたデジタル放送においては、より高度なサービスを提供するための運用形態を利用できるようになることが想定されているが、そのような運用形態に対応したコンテンツ保護に関する技術方式は確立されていない。
【0005】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、IP伝送方式を用いたデジタル放送において、その運用形態に応じてコンテンツを保護することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の第1の側面の受信装置は、IP(Internet Protocol)伝送方式を用いたデジタル放送の放送波を受信する受信部と、前記放送波によって、前記IP伝送方式のプロトコルの階層における第1の階層で伝送される第1の制御信号に応じて取得される第1の記述子に含まれる第1の鍵を用い、前記第1の階層よりも上位の階層となる第2の階層で伝送される第2の制御信号に応じて取得される第2の記述子に含まれる第2の鍵を復号する第1の復号部と、復号された前記第2の鍵を用い、前記放送波から得られるストリームに含まれる特定のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントを復号する第2の復号部とを備え、前記第1の記述子は、サービスの契約状況を示す第1の契約情報を含み、前記第2の記述子は、サービスごとの前記第2の鍵の提供状況を示す第2の契約情報を含み、前記第1の契約情報と前記第2の契約情報とを対応付けることで得られる前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵の提供状況に基づき、サービスプラットフォーム単位、放送局単位、サービス単位、又はコンポーネント単位で提供される、前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵が特定される受信装置である。
【0007】
前記第1の制御信号は、前記第1の記述子を取得するためのロケーション情報が記述された第1のシグナリング情報を伝送し、前記第2の制御信号は、前記第2の記述子を取得するためのロケーション情報が記述された第2のシグナリング情報を伝送し、前記第1のシグナリング情報に記述されたロケーション情報に従い、前記第1の記述子が取得され、前記第2のシグナリング情報に記述されたロケーション情報に従い、前記第2の記述子が取得されるようにすることができる。
【0008】
前記第1の記述子は、前記第1の制御信号、通信網、又は、NRT(Non-RealTime)放送を利用して伝送され、前記第2の記述子は、前記第2の制御信号、通信網、NRT放送、又は、前記コンポーネントを利用して伝送されるようにすることができる。
【0009】
前記暗号化の方式は、CAS(Conditional Access System)方式に準じており、前記第1の記述子は、EMM(Entitlement Management Message)であり、前記第2の記述子は、ECM(Entitlement Control Message)であり、前記第1の鍵は、第3の鍵で暗号化されているようにすることができる。
【0010】
前記EMMに含まれる前記第1の契約情報のティアビットと、前記ECMに含まれる前記第2の契約情報のティアビットとが対応付けられることで、サービスプラットフォーム単位、放送局単位、サービス単位、又はコンポーネント単位で提供される、前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵が特定されるようにすることができる。
【0011】
前記EMMと前記ECMには、特定のグループを識別するためのグループIDがさらに含まれるようにすることができる。
【0012】
複数のEMM又は複数のECMの中から、前記グループIDにより識別される特定のグループのEMM又はECMが用いられるようにすることができる。
【0013】
第1のサービスと、前記第1のサービスに関連した第2のサービスが提供されており、前記第1のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントは、前記第1のサービスのECMから取得される前記第2の鍵を用いて復号され、前記第2のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントは、前記第1のサービスのECM又は前記第2のサービスのECMから取得される前記第2の鍵を用いて復号されるようにすることができる。
【0014】
前記IP伝送方式のプロトコルの階層のうち、前記第2の階層は、IP層よりも上位の階層となり、各サービスを構成する暗号化されたコンポーネントと、前記第2の制御信号には、共通のIPアドレスが割り当てられるようにすることができる。
【0015】
受信装置は、独立した装置であってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックであってもよい。
【0016】
本技術の第1の側面の受信方法は、本技術の第1の側面の受信装置に対応する受信方法である。
【0017】
本技術の第1の側面の受信装置、及び、受信方法においては、IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波が受信され、前記放送波によって、前記IP伝送方式のプロトコルの階層における第1の階層で伝送される第1の制御信号に応じて取得される第1の記述子に含まれる第1の鍵を用い、前記第1の階層よりも上位の階層となる第2の階層で伝送される第2の制御信号に応じて取得される第2の記述子に含まれる第2の鍵が復号され、復号された前記第2の鍵を用い、前記放送波から得られるストリームに含まれる特定のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントが復号される。また、前記第1の記述子には、サービスの契約状況を示す第1の契約情報が含まれ、前記第2の記述子には、サービスごとの前記第2の鍵の提供状況を示す第2の契約情報が含まれ、前記第1の契約情報と前記第2の契約情報とを対応付けることで得られる前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵の提供状況に基づき、サービスプラットフォーム単位、放送局単位、サービス単位、又はコンポーネント単位で提供される、前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵が特定される。
【0018】
本技術の第2の側面の送信装置は、各種のサービスを構成する1又は複数のコンポーネントを取得する第1の取得部と、第1の鍵及びサービスの契約状況を示す第1の契約情報を含む第1の記述子を取得するための第1の制御信号と、第2の鍵及びサービスごとの前記第2の鍵の提供状況を示す第2の契約情報を含む第2の記述子を取得するための第2の制御信号を取得する第2の取得部と、前記第1の鍵により暗号化される前記第2の鍵を用い、前記コンポーネントを暗号化する暗号化部と、特定のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントと、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号とからなるストリームを含むIP伝送方式を用いた放送波であって、前記IP伝送方式のプロトコルの階層における第1の階層で前記第1の制御信号が伝送され、前記第1の階層よりも上位の階層となる第2の階層で前記第2の制御信号が伝送される放送波を送信する送信部とを備え、前記第1の契約情報と前記第2の契約情報とを対応付けることで得られる前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵の提供状況に基づき、サービスプラットフォーム単位、放送局単位、サービス単位、又はコンポーネント単位で提供される、前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵が特定される送信装置である。
【0019】
前記第1の制御信号は、前記第1の記述子を取得するためのロケーション情報が記述された第1のシグナリング情報を伝送し、前記第2の制御信号は、前記第2の記述子を取得するためのロケーション情報が記述された第2のシグナリング情報を伝送するようにすることができる。
【0020】
前記第1の記述子は、前記第1の制御信号、通信網、又は、NRT放送を利用して伝送され、前記第2の記述子は、前記第2の制御信号、通信網、NRT放送、又は、前記コンポーネントを利用して伝送されるようにすることができる。
【0021】
前記暗号化の方式は、CAS方式に準じており、前記第1の記述子は、EMMであり、前記第2の記述子は、ECMであり、前記第1の鍵は、第3の鍵で暗号化されているようにすることができる。
【0022】
前記EMMに含まれる前記第1の契約情報のティアビットと、前記ECMに含まれる前記第2の契約情報のティアビットとが対応付けられることで、サービスプラットフォーム単位、放送局単位、サービス単位、又はコンポーネント単位で提供される、前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵が特定されるようにすることができる。
【0023】
前記EMMと前記ECMには、特定のグループを識別するためのグループIDがさらに含まれるようにすることができる。
【0024】
複数のEMM又は複数のECMの中から、前記グループIDにより識別される特定のグループのEMM又はECMが用いられるようにすることができる。
【0025】
第1のサービスと、前記第1のサービスに関連した第2のサービスが提供されており、前記第1のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントは、前記第1のサービスのECMから取得される前記第2の鍵を用いて復号され、前記第2のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントは、前記第1のサービスのECM又は前記第2のサービスのECMから取得される前記第2の鍵を用いて復号されるようにすることができる。
【0026】
前記IP伝送方式のプロトコルの階層のうち、前記第2の階層は、IP層よりも上位の階層となり、各サービスを構成する暗号化されたコンポーネントと、前記第2の制御信号には、共通のIPアドレスが割り当てられるようにすることができる。
【0027】
送信装置は、独立した装置であってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックであってもよい。
【0028】
本技術の第2の側面の送信方法は、本技術の第2の側面の送信装置に対応する送信方法である。
【0029】
本技術の第2の側面の送信装置、及び、送信方法においては、各種のサービスを構成する1又は複数のコンポーネントが取得され、第1の鍵及びサービスの契約状況を示す第1の契約情報を含む第1の記述子を取得するための第1の制御信号と、第2の鍵及びサービスごとの前記第2の鍵の提供状況を示す第2の契約情報を含む第2の記述子を取得するための第2の制御信号が取得され、前記第1の鍵により暗号化される前記第2の鍵を用い、前記コンポーネントが暗号化され、特定のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントと、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号とからなるストリームを含むIP伝送方式を用いた放送波であって、前記IP伝送方式のプロトコルの階層における第1の階層で前記第1の制御信号が伝送され、前記第1の階層よりも上位の階層となる第2の階層で前記第2の制御信号が伝送される放送波が送信される。また、前記第1の契約情報と前記第2の契約情報とを対応付けることで得られる前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵の提供状況に基づき、サービスプラットフォーム単位、放送局単位、サービス単位、又はコンポーネント単位で提供される、前記特定のサービスに対応した前記第2の鍵が特定される。
【発明の効果】
【0030】
本技術の第1の側面及び第2の側面によれば、IP伝送方式を用いたデジタル放送において、その運用形態に応じてコンテンツを保護することができる。
【0031】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】IP伝送方式のデジタル放送のプロトコルスタックを示す図である。
図2】IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波の信号と、IP伝送方式のID体系との関係を示す図である。
図3】IP伝送方式のデジタル放送の放送波の構成を示す図である。
図4】IP伝送方式におけるLLSの構成を示す図である。
図5】IP伝送方式におけるSCSの構成を示す図である。
図6】SGDUの構造を示す図である。
図7】シグナリング情報の構造を示す図である。
図8】暗号化されたコンポーネントの復号時のシグナリング情報の関係(EMM:LLS(Network,NRT),ECM:SCS)を示す図である。
図9】暗号化されたコンポーネントの復号時のシグナリング情報の関係(EMM:LLS(Network,NRT),ECM:Component)を示す図である。
図10】アジャンクトサービスを利用する場合における、暗号化されたコンポーネントの復号時のシグナリング情報の関係(EMM:LLS(Network,NRT),ECM:Component)を示す図である。
図11】SCTのシンタックスを示す図である。
図12】CA Descriptorのシンタックスを示す図である。
図13】CATのシンタックスを示す図である。
図14】EMMのシンタックスを示す図である。
図15】SPTのシンタックスを示す図である。
図16】AdjunctServiceDescriptorのシンタックスを示す図である。
図17】ECMのシンタックスを示す図である。
図18】EMMをLLSから取得する場合の運用例を示す図である。
図19】EMMをネットワーク上のサーバから取得する場合の運用例を示す図である。
図20】CASの基本構造を示す図である。
図21】ISOベースメディアファイルフォーマットにおけるファイルのボックス構造を木構造で表した図である。
図22】受信機側で行われるスクランブル鍵(Ks)の復号のタイミングを示す図である。
図23】サービスと鍵階層モデル1の構造を示す図である。
図24】サービスと鍵階層モデル2の構造を示す図である。
図25】サービスと鍵階層モデル3の構造を示す図である。
図26】サービスと鍵階層モデル4の構造を示す図である。
図27】サービスと鍵階層モデル5の構造を示す図である。
図28】CAS関連情報(EMM:LLS,ECM:SCS)の全体を体系的に表した図である。
図29】CAS関連情報(EMM:LLS,ECM:SCS)の全体を体系的に表した図である。
図30】CAS関連情報(EMM:Network,ECM:SCS)の全体を体系的に表した図である。
図31】CAS関連情報(EMM:LLS,ECM:Component)の全体を体系的に表した図である。
図32】CAS関連情報(EMM:LLS,ECM:NRT)の全体を体系的に表した図である。
図33】ECMのティアビットで視聴可否を確認する場合のCAS関連情報の全体を体系的に表した図である。
図34】ECMのグループIDで視聴可否を確認する場合のCAS関連情報の全体を体系的に表した図である。
図35】複数のEMM系列を提供する場合のCAS関連情報の全体を体系的に表した図である。
図36】アジャンクトサービス提供時にメインサービスのECMを使用する場合のCAS関連情報の全体を体系的に表した図である。
図37】アジャンクトサービス提供時にアジャンクトサービスのECMを使用する場合のCAS関連情報の全体を体系的に表した図である。
図38】CAS方式以外の他のスクランブル方式の適用例を示す図である。
図39】本技術を適用した放送通信システムの一実施の形態の構成を示す図である。
図40】本技術を適用した送信装置の一実施の形態の構成を示す図である。
図41】本技術を適用した受信装置の一実施の形態の構成を示す図である。
図42】送信処理を説明するフローチャートである。
図43】初期スキャン時EMM取得処理を説明するフローチャートである。
図44】イベント発火時EMM取得処理を説明するフローチャートである。
図45】EMM取得処理の詳細な内容を説明するフローチャートである。
図46】選局処理を説明するフローチャートである。
図47】メインサービスコンポーネント取得処理の詳細な内容を説明するフローチャートである。
図48】ECM取得処理の詳細な内容を説明するフローチャートである。
図49】アジャンクトサービス出現処理を説明するフローチャートである。
図50】アジャンクトサービスコンポーネント取得処理の詳細な内容を説明するフローチャートである。
図51】コンピュータの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。ただし、説明は以下の順序で行うものとする。
【0034】
1.IP伝送方式によるデジタル放送の概要
2.シグナリング情報の詳細
(1)シグナリング情報の構造
(2)LLS,SCSのデータ構造
3.運用例
4.サービスと鍵階層モデル
5.CAS関連情報
6.他のスクランブル方式の適用例
7.放送通信システムの構成
8.各装置で実行される具体的な処理の流れ
9.コンピュータの構成
【0035】
<1.IP伝送方式によるデジタル放送の概要>
【0036】
(プロトコルスタック)
図1は、IP伝送方式のデジタル放送のプロトコルスタックを示す図である。
【0037】
図1に示すように、最も下位の階層は、物理層(Physical Layer)とされ、サービス(チャンネル)のために割り当てられた放送波の周波数帯域がこれに対応する。物理層に隣接する上位の階層は、BBPストリーム(Base Band Packet Stream)を挟んでIP層とされる。BBPストリームは、IP伝送方式における各種のデータを格納したパケットを含むストリームである。
【0038】
IP層は、TCP/IPのプロトコルスタックにおけるIP(Internet Protocol)に相当するものであり、IPアドレスによりIPパケットが特定される。IP層に隣接する上位階層はUDP層とされ、さらにその上位の階層は、RTP,FLUTE/ALC(Asynchronous Layered Coding)とされる。すなわち、IP伝送方式のデジタル放送においては、UDP(User Datagram Protocol)のポート番号が指定されたパケットが送信され、例えばRTP(Real-time Transport Protocol)セッションやFLUTE(File Delivery over Unidirectional Transport)セッションが確立されるようになされている。なお、FLUTEの詳細は、RFC3926として規定されている。
【0039】
FLUTE/ALCに隣接する上位階層は、fMP4(Fragmented MP4)とされ、さらに、RTP,fMP4に隣接する上位階層は、ビデオデータ(Video)、オーディオデータ(Audio)、字幕データ(Closed Caption)等とされる。すなわち、ビデオデータやオーディオデータを、ストリーム形式で伝送する場合には、RTPセッションが利用され、ビデオデータやオーディオデータを、ファイル形式で伝送する場合には、FLUTEセッションが利用される。
【0040】
また、FLUTE/ALCの上位階層は、NRTコンテンツ(NRT Content),ESG,SCSとされ、NRTコンテンツ,ESG,SCSは、FLUTEセッションにより伝送される。NRTコンテンツは、NRT(Non-RealTime)放送で伝送されるコンテンツであって、受信機のストレージに一旦蓄積された後で再生が行われる。なお、NRTコンテンツは、コンテンツの一例であって、他のコンテンツのファイルがFLUTEセッションにより伝送されるようにしてもよい。ESG(Electronic Service Guide)は、電子サービスガイドである。
【0041】
SCS(Service Channel Signaling)は、サービス単位のシグナリング情報であって、FLUTEセッションにより伝送される。例えば、SCSとしては、USD(User Service Description),MPD(Media Presentation Description),SDP(Session Description Protocol),SPT(Service Parameter Table),ECM(Entitlement Control Message)が伝送される。
【0042】
LLS(Low Layer Signaling)は、低レイヤのシグナリング情報であって、BBPストリーム上で伝送される。例えば、LLSとしては、SCT(Service Configuration Table),SAT(Service Association Table),CAT(Conditional Access Table),EMM(Entitlement Management Message),EAT(Emergency Alerting Table),RRT(Region Rating Table)が伝送される。
【0043】
(IP伝送方式におけるID体系)
図2は、IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波の信号と、IP伝送方式のID体系との関係を示す図である。
【0044】
図2に示すように、所定の周波数帯域(6MHz)を有する放送波(放送ネットワーク(Network))には、ネットワークID(以下、「network_id」、「networkId」とも記述する)が割り当てられている。各放送波には、BBPストリームID(以下、「BBP_stream_id」、「BBPStreamId」とも記述する)により識別される、1又は複数のBBPストリームが含まれている。BBPストリームは、BBPヘッダとペイロードからなる複数のBBPパケットにより構成される。
【0045】
各BBPストリームには、サービスID(以下、「service_id」、「ServiceId」とも記述する)により識別される1又は複数のサービス(Service)が含まれている。各サービスは、1又は複数のコンポーネント(Component)から構成されている。各コンポーネントは、例えば、ビデオデータやオーディオデータ、字幕データ等の番組を構成する情報である。
【0046】
このように、IP伝送方式のID体系として、MPEG2-TS方式で用いられているネットワークID(network_id),トランスポートストリームID(transport_stream_id),サービスID(service_id)の組み合わせ(以下、「トリプレット(Triplet)」という。)に対応する構成を採用し、このトリプレットによって、放送ネットワーク内のBBPストリーム構成とサービス構成が示される。ただし、IP伝送方式のID体系においては、トランスポートストリームIDの代わりに、BBPストリームIDが用いられる。
【0047】
これにより、現在広く普及しているMPEG2-TS方式との整合をとることができるため、例えば、MPEG2-TS方式からIP伝送方式への移行時のサイマルキャストに容易に対応することが可能となる。
【0048】
(IP伝送方式の放送波の構成)
図3は、IP伝送方式のデジタル放送の放送波の構成を示す図である。
【0049】
図3に示すように、所定の周波数帯域(6MHz)を有する放送波(図中の「Network」)には、複数のBBPストリームが伝送されている。また、各BBPストリームには、NTP(Network Time Protocol)、複数のサービスチャンネル(Service Channel)、電子サービスガイド(ESG Service)、及び、LLSが含まれる。ただし、NTP,サービスチャンネル,電子サービスガイドは、UDP/IPのプロトコルに従って伝送されるが、LLSは、BBPストリーム上で伝送される。また、NTPは、時刻情報であって、複数のサービスチャンネルで共通のものとなる。
【0050】
各サービスチャンネルには、ビデオデータやオーディオデータ等のコンポーネント(Component)と、SPTやSDP等のSCSが含まれる。また、各サービスチャンネルには、共通のIPアドレスが付与されており、このIPアドレスを用いて、1又は複数のサービスチャンネルごとに、コンポーネントや制御信号などをパッケージ化することができる。なお、図3において、ネットワーク(Network)、BBPストリーム(BBP Stream)、及び、コンポーネント(Component)は、図2に対応しているが、サービスチャンネル(Service Channel)は、図2のサービス(Service)に対応するものである。
【0051】
(LLSの構成)
図4は、IP伝送方式におけるLLSの構成を示す図である。
【0052】
図4に示すように、BBPパケットは、BBPヘッダとペイロードから構成される。BBPストリームによりIPパケットを伝送する場合には、ペイロードの部分がIPパケットとなる。
【0053】
また、BBPストリームによりLLSを伝送する場合には、BBPヘッダの次にLLSが配置される。LLSとしては、例えば、XML(Extensible Markup Language)形式で記述されたSCTやSAT等が配置されるが、そのデータの一部のXMLフラグメント(XML fragment)をLLS本体として、SGDUヘッダが付加される。これにより、SCTやSATは、SGDUコンテナ(Service Guide Delivery Unit Container)により伝送されることになる。
【0054】
BBPヘッダには、2ビットのタイプ情報が含まれており、そのタイプ情報によって、BBPパケットがIPパケットであるか、LLSであるかを区別することができる。
【0055】
(SCSの構成)
図5は、IP伝送方式におけるSCSの構成を示す図である。
【0056】
図5に示すように、例えば、ビデオデータやオーディオデータを、ストリーム形式で伝送する場合には、RTPセッションが利用されるため、BBP,IP,UDP,RTPの各ヘッダがペイロードに付加される。また、fMP4やESG,NRTコンテンツ等のファイルデータを、ファイル形式で伝送する場合には、FLUTEセッションが利用されるため、BBP,IP,UDP,LCTの各ヘッダがペイロードに付加される。さらに、NTPは、UDP層の上位階層となるため、BBP,IP,UDPの各ヘッダの次に配置される。
【0057】
SCSは、FLUTEセッションを利用して伝送されるため、BBP,IP,UDP,LCTの各ヘッダの次に配置される。SCSとしては、例えば、SPTやSDP等が配置されるが、そのデータの一部のSDPフラグメント(SDP fragment)をSCS本体として、SGDUヘッダが付加される。これにより、SDPは、SGDUコンテナにより伝送されることになる。なお、SCS本体として配置されるのは、SDPフラグメントに限らず、例えば、XML形式で記述されたSPTのXMLフラグメント(XML fragment)を配置して、SGDUコンテナにより伝送することができる。
【0058】
(SGDUの構造)
図6は、図4及び図5で説明したSGDUの構造を示す図である。なお、SGDUは、OMA(Open Mobile Alliance)の規格として採用されている。
【0059】
図6に示すように、SGDU(Service Guide Delivery Unit)は、ヘッダ情報(Unit Header)とペイロード(Unit Payload)から構成される。また、SGDUでは必要に応じて、拡張部(extension)が配置される。
【0060】
ヘッダ情報には、フラグメントの数(例えば、1)に応じて、フラグメントIDとフラグメントバージョンが配置される。フラグメントIDは、フラグメント識別を示す。例えば、フラグメントIDにより、シグナリング情報(例えばMPDやSDP)などが識別される。また、フラグメントバージョンは、フラグメントのバージョン番号を示す。
【0061】
ペイロードには、XMLフラグメント(XML fragment)及びSDPフラグメント(SDP fragment)の少なくとも一方の実データが配置される。すなわち、ヘッダ情報により指定された数に応じたフラグメントのデータがペイロードに配置されることになる。ここでは、例えば、XMLフラグメントとSDPフラグメントの両方のフラグメントが配置されるようにするなど、ペイロードに配置される複数のフラグメントの組み合わせは任意である。また、ここには、フラグメントの符号化のタイプを示すフラグメントエンコードタイプが実データとともに配置される。
【0062】
また、拡張部を配置する場合には、拡張部のタイプ情報が拡張データとともに配置される。また、ヘッダ情報に、オフセット値を指定することで、拡張部の位置を示すことができる。フィルタリング情報格納部には、フィルタリングに関する情報が格納される。
【0063】
<2.シグナリング情報の詳細>
【0064】
(1)シグナリング情報の構造
図7は、シグナリング情報の構造を示す図である。
【0065】
図7に示すように、BBPストリーム上で伝送されるLLS(Low Layer Signaling)としては、例えば、SCT,SAT,CAT,EMM,EAT,RRTが伝送される。
【0066】
SCT(Service Configuration Table)は、MPEG2-TS方式で用いられているトリプレットに相当するID体系を採用し、このトリプレットによって、放送ネットワーク内のBBPストリーム構成とサービス構成が示される。また、SCTには、サービス単位の属性・設定情報としてのIPアドレス等の情報、ESG(Electronic Service Guide)やSCSにアクセスするためのbootstrap情報などが含まれる。
【0067】
SAT(Service Association Table)は、BBPストリームごとのオンエア中のサービスを示す。SATによって、特定のサービスがオンエア中(放送中)であるかどうかを判定することができる。
【0068】
CAT(Conditional Access Table)は、EMMの取得に関する情報(以下、「EMM取得情報」という。)が記述されたCA記述子(CA_Descriptor)を含んでいる。EMM(Entitlement Management Message)は、ワーク鍵(Kw)と受信機の契約情報等を含んでいる。なお、EMMは、CA_Descriptorの記述内容に従って取得されるため、LLS以外から取得される場合がある。また、CA_Descriptorは、CATではなく、SCTに記述される場合がある。
【0069】
EAT(Emergency Alerting Table)は、緊急告知に関する情報を含んでいる。RRT(Region Rating Table)は、レーティング情報を含んでいる。
【0070】
また、図7に示すように、FLUTEセッションにより伝送されるSCS(Service Channel Signaling)としては、例えば、USD,MPD,SDP,SPT,ECMが伝送される。
【0071】
USD(User Service Description)は、MPDとSDPを参照するための情報を含んでいる。MPD(Media Presentation Description)は、サービス単位で伝送されるコンポーネントごとのセグメントURL(Uniform Resource Locator)などの情報を含んでいる。
【0072】
SDP(Session Description Protocol)は、サービス単位のサービス属性、コンポーネントの構成情報、コンポーネント属性、コンポーネントのフィルタ情報、コンポーネントのロケーション情報などを含んでいる。
【0073】
SPT(Service Parameter Table)は、サービスとコンポーネントのレベルで規定された各種のパラメータを含んで構成される。また、SPTは、ECMの取得に関する情報(以下、「ECM取得情報」という。)が記述されたCA記述子(CA_Descriptor)を含んでいる。ECM(Entitlement Control Message)は、ワーク鍵(Kw)を用いて暗号化されたスクランブル鍵(Ks)と契約情報等を含んでいる。なお、ECMは、CA_Descriptorの記述内容に従って取得されるため、SCS以外から取得される場合がある。
【0074】
なお、以下の説明では、スクランブル鍵(Ks)を用い、コンポーネントをスクランブルすることを「暗号化」ともいう。また、スクランブル鍵(Ks)を用い、暗号化されたコンポーネントを、デスクランブルすることを「復号」ともいう。
【0075】
次に、図8乃至図10を参照して、暗号化されたコンポーネントの復号時における、各シグナリング情報の関係について説明する。なお、図8乃至図10において、LLS,SCS,ESGは、SGDUコンテナに格納されて伝送される。また、SCSやESG,ビデオやオーディオのコンポーネントはFLUTEセッションで伝送される。
【0076】
(暗号化されたコンポーネントの復号時の各シグナリング情報の関係)
図8は、暗号化されたコンポーネントの復号時における、各シグナリング情報の関係を示す図である。
【0077】
SCTは、例えば、伝送周期が1秒とされ、初期スキャン時に取得されるか、あるいはインターネット上のサーバから取得される。また、SATは、例えば、伝送周期が100ミリ秒とされ、サービスの選局時などに取得される。
【0078】
SCTは、トリプレットにより放送ネットワーク内のBBPストリーム構成とサービス構成を示している。SCTには、network_idのほか、BBP_stream_idにより識別されるBBPストリームループが配置される。BBPストリームループ内には、ESG_bootstrap情報のほか、service_idにより識別されるサービスループが配置される。サービスループ内にはさらに、各サービスのIPアドレスやSCS_bootstrap情報が配置される。
【0079】
SCTのESG_bootstrap情報に従い、FLUTEセッションで伝送されている、番組タイトルや開始時刻などの情報を含むESGが取得される。また、図示はしていないが、SCTには、物理層(Physical Layer)に関する情報等も含まれており、それらが選局情報(初期スキャン情報)として用いられる。
【0080】
SATは、オンエア中のサービスを示している。SCTとSATは、service_idにより紐付けられており、特定のサービスがオンエア中であるかどうかを判定することができる。また、EATは、緊急告知に関する情報を含んでいる。RRTは、レーティング情報を含んでいる。
【0081】
CATのCA_Descriptor(EMM取得情報)には、ロケーション情報(Location)が記述されており、このロケーション情報に従い、LLSやNRT,インターネット上のEMMサーバからEMMを取得することができる。
【0082】
特定のサービスが選局されると、SCTのSCS_bootstrap情報に従い、FLUTEセッションで伝送されている、当該サービスのSCSが取得される。ここでは、SCSとして、USD,MPD,SDP,SPT,ECMが取得される。USDは、MPD,SDPと関連付けられている。これらのMPDとSDPを用い、FLUTEセッションで伝送されるビデオやオーディオのコンポーネントを取得することができる。ただし、ビデオやオーディオのコンポーネントは、暗号化され、メディアセグメント単位で伝送されている。
【0083】
SPTのCA_Descriptor(ECM取得情報)には、ロケーション情報が記述されており、このロケーション情報に従い、SCSからECMが取得される。ECMのスクランブル鍵(Ks)は、EMMのワーク鍵(Kw)を用いて復号することができるので、当該スクランブル鍵(Ks)を用い、暗号化されたビデオやオーディオのコンポーネントを、復号することができる。
【0084】
また、図9に示すように、ECMは、SCSの代わりに、コンポーネントを利用して伝送することができる。この場合、SPTには、CA_Descriptor(ECM取得情報)のロケーション情報として、コンポーネントを示す情報が指定されるので、FLUTEセッションでコンポーネントとともに伝送されるECMが取得される。そして、このようにして取得されたECMのスクランブル鍵(Ks)を、EMMのワーク鍵(Kw)を用いて復号し、それにより得られたスクランブル鍵(Ks)を用い、暗号化されたコンポーネントを復号することができる。
【0085】
さらに、図10に示すように、メインのサービスに関連した関連従属サービス(以下、「アジャンクトサービス」という。)が提供される場合、SPTには、後述するAdjunct Service Descriptor(以下、「ASD」とも記述する。)が記述される。このAdjunct Service Descriptorには、アジャンクトサービスのトリプレットが記述されているので、当該サービスのMPDとSDPを用い、FLUTEセッションで伝送されるアジャンクトサービスを構成するコンポーネントを取得することができる。ただし、アジャンクトサービスのコンポーネントは暗号化されているため、ECMのスクランブル鍵(Ks)を、EMMのワーク鍵(Kw)を用いて復号し、当該スクランブル鍵(Ks)を用い、暗号化されたコンポーネントを復号することになる。
【0086】
なお、図8乃至図10の例では、ECMをSCS又はコンポーネントを利用して伝送する手法を説明したが、ECMの伝送手法は、それらの手法に限らず、例えば、インターネット上のECMサーバから取得するか、あるいは、NRT(Non-RealTime)放送を利用してもよい。また、図10のSPTのAdjunct Service Descriptorは、Associated Service Descriptorと記述される場合がある。
【0087】
(2)LLS,SCSのデータ構造
(SCTのシンタックス)
図11は、SCT(Service Configuration Table)のシンタックスを示す図である。SCTは、例えば、XML等のマークアップ言語により記述される。なお、図11等のシンタックスにおいて、要素と属性のうち、属性には「@」が付されている。また、インデントされた要素と属性は、その上位の要素に対して指定されたものとなる。
【0088】
図11に示すように、Sct要素は、networkId属性、name属性、及び、BBPStream要素の上位要素となる。networkId属性には、物理チャンネル単位の放送局のネットワークIDが指定される。name属性には、物理チャンネル単位の放送局の名称が指定される。
【0089】
BBPStream要素には、1又は複数のBBPストリームに関する情報が指定される。BBPStream要素は、bbpStreamId属性、payloadType属性、name属性、ESGBootstrap要素、physicalParameters要素、CA_Descriptor要素、及び、Service要素の上位要素となる。
【0090】
bbpStreamId属性には、BBPストリームIDが指定される。BBPストリームを複数配置する場合には、BBPストリームIDにより識別する。payloadType属性には、BBPストリームのペイロードタイプが指定される。このペイロードタイプとしては、例えば、"ipv4","ipv6","ts"などが指定される。"ipv4"は、IPv4(Internet Protocol version 4)であることを示す。"ipv6"は、IPv6(Internet Protocol Version 6)であることを示す。"ts"は、TS(Transport Stream)であることを示す。name属性には、BBPストリームの名称が指定される。
【0091】
ESGBootstrap要素には、ESGへのアクセス情報が指定される。ESGBootstrap要素は、ESGProvider要素の上位要素となる。ESGProvider要素には、ESGのプロバイダごとに、ESGに関する情報が指定される。ESGProvider要素は、providerName属性、ESGBroadcastLocation要素、及び、ESGBroadbandLocation要素の上位要素となる。
【0092】
providerName属性には、ESGのプロバイダの名称が指定される。ESGBroadcastLocation要素は、ESGが放送を利用して伝送される場合に、networkId属性、BBPStreamId属性、及び、ESGServiceId属性(トリプレット)によりESGサービスを指定する。networkId属性には、ESGサービスを伝送するネットワークのネットワークIDが指定される。BBPStreamId属性には、ESGサービスを伝送するBBPストリームのBBPストリームIDが指定される。ESGServiceId属性には、ESGサービスのサービスIDが指定される。
【0093】
ESGBroadbandLocation要素は、ESGが通信を利用して伝送される場合に、ESGurl属性により、そのESGのファイルにアクセスするためのURLを指定する。
【0094】
physicalParameters要素には、物理層のパラメータに関する情報が指定される。physicalParameters要素は、modulation属性、及び、frequencey属性の上位要素となる。modulation属性には、変調方式が指定される。frequencey属性には、6MHzの帯域を選局するときの周波数が指定される。
【0095】
CA_Descriptor要素には、CA Descriptor(図12)が配置される。なお、詳細は後述するが、このCA Descriptorには、EMM取得情報が指定される。
【0096】
Service要素には、1又は複数のサービスに関する情報が指定される。Service要素は、serviceId属性、serviceType属性、hidden属性、hiddenGuide属性、shortName属性、longName属性、accessControl属性、SourceOrigin要素、SCSbootstrap要素、及び、AdjunctServiceDescriptor要素の上位要素となる。
【0097】
serviceId属性には、サービスIDが指定される。サービスを複数配置する場合には、サービスIDにより識別する。serviceType属性には、サービスのタイプ情報が指定される。このタイプ情報としては、例えば、"tv","audio","data","nrt","esg","adjunct-nrt","adjunct-shared"が指定される。"tv"はテレビジョン(Television)、"audio"は音声サービス、"data"はデータサービス、"nrt"はNRTサービス、"esg"はESGサービス、"adjunct-nrt"と"adjunct-shared"(shared)は、アジャンクトサービスであることをそれぞれ示している。
【0098】
hidden属性とhiddenGuide属性には、サービスIDにより識別されるサービスが、隠されたサービスであるかどうかが指定される。これらの属性値として"on"が指定された場合、当該サービスは非表示とされる。また、これらの属性値として"off"が指定された場合、当該サービスは表示される。例えば、hidden属性として"on"が指定された場合、当該サービスは、リモートコントローラの操作により選局できないようになる。また、例えば、hiddenGuide属性として"on"が指定された場合、当該サービスは、ESGには表示されないことになる。
【0099】
shortName属性とlongName属性には、サービスIDにより識別されるサービスの名称が指定される。ただし、shortName属性では、7文字以内でサービスの名称を指定しなければならない。accessControl属性には、サービスIDにより識別されるサービスが暗号化されているかどうかが指定される。accessControl属性として"on"が指定された場合には、当該サービスが暗号化されていることを示し、"off"が指定された場合には、当該サービスが暗号化されていないことを示している。
【0100】
SourceOrigin要素には、サービスを識別するための情報が指定される。SourceOrigin要素は、country属性、originalNetworkId属性、bbpStreamId属性、及び、serviceId属性の上位要素となる。country属性には、国コードが指定される。originalNetworkId属性には、オリジナルネットワークIDが指定される。オリジナルネットワークIDは、放送ネットワークを識別するためのIDであって、当該サービスの再送信を行う場合でも、同一の値が用いられる。bbpStreamId属性には、BBPストリームIDが指定される。serviceId属性には、サービスIDが指定される。すなわち、国コード、オリジナルネットワークID、BBPストリームID、及び、サービスIDによって、各サービスに対して、固有のIDを割り当てることができる。
【0101】
SCSBootstrap要素には、サービスチャンネルへのアクセス情報が指定される。SCSBootstrap要素は、sourceIPAddress属性、destinationIPAddress属性、portNum属性、及び、tsi属性の上位要素となる。sourceIPAddress属性とdestinationIPAddress属性には、サービスを伝送する送信元(source)と宛先(destination)のIPアドレスが指定される。portNum属性には、SCSを伝送するポート番号が指定される。tsi属性には、SCSを伝送するFLUTEセッションにおけるTSIが指定される。
【0102】
AdjunctServiceDescriptor要素には、アジャンクトサービスに関する情報が指定される。AdjunctServiceDescriptor要素は、networkId属性、bbpStreamId属性、及び、serviceId属性の上位要素となる。networkId属性には、アジャンクトサービスのネットワークIDが指定される。bbpStreamId属性には、アジャンクトサービスのBBPストリームIDが指定される。serviceId属性には、アジャンクトサービスのサービスIDが指定される。
【0103】
なお、出現数(Cardinality)であるが、"1"が指定された場合にはその要素又は属性は必ず1つだけ指定され、"0..1"が指定された場合には、その要素又は属性を指定するかどうかは任意である。また、"1..n"が指定された場合には、その要素又は属性は1以上指定され、"0..n"が指定された場合には、その要素又は属性を1以上指定するかどうかは任意である。これらの出現数の意味は、後述する他のシンタックスでも同様とされる。
【0104】
(CA Descriptorのシンタックス)
図12は、CA(Conditional Access) Descriptorのシンタックスを示す図である。CA Descriptorは、例えば、XML等のマークアップ言語により記述される。
【0105】
CA_Descriptor要素は、Service_platform_ID属性、CA_SystemId属性、groupId属性、及び、Location要素の上位要素となる。
【0106】
Service_platform_ID属性には、サービスプラットフォームIDが指定される。CA_SystemId属性には、CA(Conditional Access)方式のIDが指定される。
【0107】
groupId属性には、EMM又はECMを識別するためのグループIDが指定される。ただし、1つのEMMが複数のサービスに利用され、1つのECMが複数のコンポーネントに利用される場合がある。
【0108】
Location要素には、EMM又はECMの取得先を示す情報(EMM取得情報又はECM取得情報)が指定される。Location要素は、LocationType属性及びLocationUri属性の上位要素となる。
【0109】
LocationType属性には、EMMの取得先タイプ、又は、ECMの取得先タイプが指定される。また、LocationUri属性には、EMM又はECMの取得先のURI(Uniform Resource Identifier)が指定される。
【0110】
EMMの取得先タイプとしては、"LLS","Network","NRT"などが指定される。"LLS"は、EMMがLLSで伝送されていることを示す。
【0111】
LLSによる伝送の場合、例えば、SGDUに記述されたEMMであることを示すDescriptor IDと、受信機IDにより自分宛のEMMだけをフィルタリングを行うことで、EMMを取得することになる。さらに、SGDUのヘッダ情報に配置されるバージョン情報を用いてフィルタリングを行い、EMMの更新を検知した場合に、新しいEMMを取得して保存することができる。
【0112】
"Network"は、EMMが通信網を利用して伝送されていることを示す。通信による伝送の場合、例えば、HTTPS GET request/responseなどを用いて、EMMを取得することができる。リクエストには受信機IDなどを指定して自分宛のEMMを取得する。なお、EMMを取得するタイミングは任意であるが、例えば受信機の電源オン時、週1回や月1回の定時などの運用が想定される。
【0113】
"NRT"は、EMMがNRTセッションを利用して伝送されていることを示す。NRTによる伝送の場合、ATSC Standard A/103 Non-Real-Time Content Delivery、又は、ATSCで今後規格化が予定されているノンリアルタイムコンテンツ配信規格に従い、EMMを取得することになる。
【0114】
また、ECMの取得先のタイプとしては、"SCS","Network","NRT","component box"などが指定される。"SCS"は、ECMがSCSで伝送されていることを示す。
【0115】
SCSによる伝送の場合、SGDUに記述されたECMであることを示すDescriptor IDを用いてフィルタリングを行うことで、ECMを取得することになる。さらに、SGDUのヘッダ情報に配置されるバージョン情報を用いてフィルタリングを行い、ECMの更新を検知した場合に、新しいECMを取得して保存することができる。
【0116】
"Network"は、ECMが通信網を利用して伝送されていることを示す。通信による伝送の場合、例えば、HTTPS GET request/responseなどを用いて、ECMを取得することができる。ただし、リクエストの際には、Kw_IDを指定する。
【0117】
"NRT"は、ECMがNRTセッションを利用して伝送されていることを示す。NRTによる伝送の場合、ATSC Standard A/103 Non-Real-Time Content Delivery、又は、ATSCで今後規格化が予定されているノンリアルタイムコンテンツ配信規格に従い、ECMを取得することになる。
【0118】
"component box"は、ECMがコンポーネント(のメタデータボックス)を利用して伝送されていることを示す。コンポーネント(のメタデータボックス)による伝送の場合、CE(Common Encryption)規格に従い、pssh boxのデータ領域から、ECMを取得することができる。
【0119】
なお、EMM又はECMの取得先タイプは、1以上指定され、例えば上述したタイプをすべて指定することも可能である。
【0120】
(CATのシンタックス)
図13は、CAT(Conditional Access Table)のシンタックスを示す図である。CATは、例えば、XML等のマークアップ言語により記述される。
【0121】
CAT要素は、CA_Descriptor要素の上位要素となる。CA_Descriptor要素には、CA Descriptor(図12)が配置される。CA Descriptorには、EMM取得情報が指定される。
【0122】
(EMMのシンタックス)
図14は、EMM(Entitlement Management Message)のシンタックスを示す図である。EMMは、例えば、XML等のマークアップ言語により記述される。
【0123】
EMM要素は、Kw_ID属性、Kw属性、契約情報要素、有効期限属性、servicePlatform_ID属性、EMM_group_ID属性、及び、serviceNumber属性の上位要素となる。
【0124】
Kw_ID属性には、ワーク鍵IDが指定される。Kw属性には、ワーク鍵(Kw)が指定される。ただし、このワーク鍵(Kw)は、マスタ鍵(Km)で暗号化されている。
【0125】
契約情報要素には、受信機が契約しているサービスの情報が指定される。契約情報要素は、ティアビット属性及びECM_group_ID属性の上位要素となる。ティアビット属性には、受信機の契約内容に応じたティアビットが指定される。また、ECM_group_ID属性には、受信機の契約内容に応じたサービスごとのグループIDが指定される。
【0126】
有効期限属性には、EMMの有効期限を示す情報が指定される。servicePlatform_ID属性には、サービスプラットフォームIDが指定される。EMM_group_ID属性には、EMMが属するグループのグループIDが指定される。serviceNumber属性には、サービスごとに割り当てられた番号が指定される。
【0127】
(SPTのシンタックス)
図15は、SPT(Service Parameter Table)のシンタックスを示す図である。SPTは、例えば、XML等のマークアップ言語により記述される。
【0128】
図15に示すように、Spt要素は、serviceId属性、spIndicator属性、ProtocolVersionDescriptor要素、NRTServiceDescriptor要素、CapabilityDescriptor要素、IconDescriptor要素、ISO639LanguageDescriptor要素、ReceiverTargetingDescriptor要素、AdjunctServiceDescriptor要素、ContentAdvisoryDescriptor要素、CA_Descriptor要素、及び、Component要素の上位要素となる。
【0129】
serviceId属性には、サービスIDが指定される。spIndicator属性には、サービスIDにより識別されるサービスごとに、暗号化されているかどうかが指定される。spIndicator属性として"on"が指定された場合には、当該サービスが暗号化されていることを示し、"off"が指定された場合には、当該サービスが暗号化されていないことを示している。
【0130】
ProtocolVersionDescriptor要素には、データのサービスがどのようなサービスであるかを示すための情報が指定される。NRTServiceDescriptor要素には、NRTサービスに関する情報が指定される。CapabilityDescriptor要素には、NRTサービスの提供を受ける受信機に要求される機能(キャパビリティ)に関する情報が指定される。
【0131】
IconDescriptor要素には、NRTサービスで用いられるアイコンの取得先を示す情報が指定される。ISO639LanguageDescriptor要素には、NRTサービスの言語コードが指定される。ReceiverTargetingDescriptor要素には、NRTサービスのターゲット情報が指定される。
【0132】
AdjunctServiceDescriptor要素には、アジャンクトサービスに関する情報が指定される。ContentAdvisoryDescriptor要素には、レーティングリージョンに関する情報が指定される。
【0133】
CA_Descriptor要素には、CA Descriptor(図12)が配置される。CA Descriptorには、ECM取得情報が指定される。
【0134】
SPTにおいては、上述したこれらのDescriptor要素により、サービスレベルでの各種のパラメータが規定される。また、以下のComponent要素により、コンポーネントレベルでの各種のパラメータが規定される。
【0135】
Component要素は、componentId属性、componentEncription属性、TargetedDeviceDescriptor要素、ContentAdvisoryDescriptor要素、VideoParameters要素、AudioParameters要素、CaptionParameters要素、CA_Descriptor要素、及び、ECM_DeliveryFlag要素の上位要素となる。
【0136】
componentId属性には、コンポーネントIDが指定される。
【0137】
componentEncription属性には、コンポーネントIDにより識別されるコンポーネントごとに、暗号化されているかどうかが指定される。componentEncription属性として"on"が指定された場合には、当該コンポーネントが暗号化されていることを示し、"off"が指定された場合には、当該コンポーネントが暗号化されていないことを示している。TargetedDeviceDescriptor要素には、ターゲットの装置に関する情報が指定される。ContentAdvisoryDescriptor要素には、コンポーネント単位での、レーティング情報が指定される。
【0138】
VideoParameters要素には、ビデオのパラメータが指定される。例えば、VideoParameters要素には、ビデオデータの符号化方式として、AVC(Advanced Video Coding)が用いられている場合には、AVCVideoDescriptor要素が指定され、HEVC(High Efficiency Video Coding)が用いられている場合には、HEVCVideoDescriptor要素が指定される。
【0139】
AudioParameters要素には、オーディオのパラメータが指定される。例えば、AudioParameters要素には、オーディオデータの符号化方式として、MPEG4AAC(Advanced Audio Coding)が用いられている場合には、MPEG4AACAudioDescriptor要素が指定され、AC3(Audio Code number 3)が用いられる場合には、AC3AudioDescriptor要素が指定される。
【0140】
CaptionParameters要素には、字幕のパラメータが指定される。
【0141】
CA_Descriptor要素には、CA Descriptor(図12)が配置される。CA Descriptorには、ECM取得情報が指定される。
【0142】
ECM_DeliveryFlag要素には、複数のNRTセッションのうち、ECMが伝送されているNRTを示すフラグが指定される。ECMが伝送されるNRTには、ECM_DeliveryFlag要素として、"true"が指定され、ECMが伝送されていないNRTには、"false"が指定される。
【0143】
なお、図15において、ProtocolVersionDescriptor要素、NRTServiceDescriptor要素、CapabilityDescriptor要素、IconDescriptor要素、ISO639LanguageDescriptor要素、及び、ReceiverTargetingDescriptor要素は、NRTサービス用に規定されるものである。
【0144】
次に、図15のSPTに記述されるDescriptor要素の詳細構造について説明する。ここでは、それらのDescriptor要素を代表して、AdjunctServiceDescriptor要素について説明する。
【0145】
(AdjunctServiceDescriptorのシンタックス)
図16は、AdjunctServiceDescriptorのシンタックスを示す図である。AdjunctServiceDescriptorは、例えば、XML等のマークアップ言語により記述される。
【0146】
ASD要素には、アジャンクトサービスに関する情報が指定される。ASD要素は、Network_ID属性、BBP_Stream_Id属性、Service_Id属性、及び、SelectionFlg属性の上位要素となる。Network_ID属性には、ネットワークIDが指定される。BBP_Stream_Id属性には、BBPストリームIDが指定される。Service_Id属性には、サービスIDが指定される。すなわち、アジャンクトサービスはトリプレットにより指定されることになる。
【0147】
SelectionFlg属性には、復号に用いるECMを伝送するチャンネルに関する情報が指定される。このチャンネルとしては、例えば、"main"又は"adjunct"が指定される。"main"は、メインサービスのECMを用い、復号を行うことを示している。また、"adjunct"は、アジャンクトサービスのECMを用い、復号を行うことを示している。
【0148】
(ECMのシンタックス)
図17は、ECM(Entitlement Control Message)のシンタックスを示す図である。ECMは、例えば、XML等のマークアップ言語により記述される。
【0149】
ECM要素は、Kw_ID属性、KsNumber属性、Ks_ID属性、Ks属性、契約情報属性、servicePlatform_ID属性、serviceNumber属性、及び、date属性の上位要素となる。
【0150】
Kw_ID属性には、ワーク鍵IDが指定される。KsNumber属性には、スクランブル鍵(Ks)の数(N)が指定される。Ks_ID属性には、スクランブル鍵IDが指定される。Ks属性には、スクランブル鍵(Ks)が指定される。すなわち、KsNumber属性で指定されるスクランブル鍵(Ks)の数に応じて、スクランブル鍵IDとスクランブル鍵(Ks)が配置される。ただし、スクランブル鍵(Ks)は、ワーク鍵(Kw)で暗号化されている。
【0151】
契約情報属性には、ECMが対象とする契約情報が指定される。この契約情報としては、例えば、ティアビットとグループIDが指定される。
【0152】
servicePlatform_ID属性には、サービスプラットフォームIDが指定される。serviceNumber属性には、サービスごとに割り当てられた番号が指定される。date属性には、ECMの有効期限を示す日時が指定される。
【0153】
<3.運用例>
次に、図18乃至図22を参照して、LLSとSCSにより伝送されるシグナリング情報を用いたコンテンツの保護に関する具体的な運用例について説明する。
【0154】
(EMMをLLSから取得する場合の運用例)
図18は、EMMをLLSから取得する場合の運用例を示す図である。
【0155】
図18において、放送局(放送事業者)の送信機は、IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波によって、各サービスを構成するコンポーネントとともに、LLSやSCSなどの制御信号を伝送している。ただし、当該デジタル放送では、上述した図2のID体系が採用されている。また、コンテンツの保護のため、コンポーネントは、スクランブル鍵(Ks)により暗号化されている。
【0156】
図18に示すように、各家庭等に設置された受信機は、初期スキャン時などにLLSを取得する。LLSにはCATとEMMが伝送されているので、例えばCATのCA_Descriptor(EMM取得情報)のロケーション情報に従い、LLSで伝送されているEMMを取得する。受信機は、LLSから取得したEMMを保存する。
【0157】
その後、受信機は、ユーザの選局操作等に応じて、特定のサービスの選局処理を行い、当該サービスのSCSを取得する。SCSには、USD,MPD,SDP,SPT,ECMが伝送されているので、受信機は、USD,MPD,SDP,SPTを用い、選局された特定のサービスを構成する暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)を取得する。また、受信機は、SPTのCA_Descriptor(ECM取得情報)のロケーション情報に従い、SCSからECMを取得する。受信機は、SCSから取得したECMと、保存しているEMMを用い、暗号化されたコンポーネント用のスクランブル鍵(Ks)を取得する。
【0158】
そして、受信機は、当該スクランブル鍵(Ks)を用い、選局された特定のサービスを構成する暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)を復号して、レンダリング処理を行うことで、その映像と音声を出力することができる。
【0159】
以上のように、図18の運用例では、LLSから取得されるEMMと、SCSから取得されるECMを用い、スクランブル鍵(Ks)が取得され、当該スクランブル鍵(Ks)を用い、暗号化されたコンポーネントが復号されることになる。
【0160】
(EMMをネットワーク上のサーバから取得する場合の運用例)
図19は、EMMをネットワーク上のサーバから取得する場合の運用例を示す図である。
【0161】
図19において、放送局の送信機は、IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波によって、各サービスを構成するコンポーネントとともに、LLSやSCSなどの制御信号を伝送している。ただし、当該デジタル放送では、上述した図2のID体系が採用されている。また、コンテンツの保護のため、コンポーネントは、スクランブル鍵(Ks)により暗号化されている。さらに、インターネット上のEMMサーバ(Server)によって、EMMが提供されている。
【0162】
図19に示すように、各家庭等に設置された受信機は、初期スキャン時などにLLSを取得する。LLSにはCATが伝送されているので、CATのCA_Descriptor(EMM取得情報)のロケーション情報に従い、インターネット上のEMMサーバにアクセスして、EMMを取得する。受信機は、EMMサーバから取得したEMMを保存する。
【0163】
その後、受信機は、ユーザの選局操作等に応じて、特定のサービスの選局処理を行い、当該サービスのSCSを取得する。SCSには、USD,MPD,SDP,SPT,ECMが伝送されているので、受信機は、USD,MPD,SDP,SPTを用い、選局された特定のサービスを構成する暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)を取得する。また、受信機は、SPTのCA_Descriptor(ECM取得情報)のロケーション情報に従い、SCSからECMを取得する。受信機は、SCSから取得したECMと、保存しているEMMを用い、暗号化されたコンポーネント用のスクランブル鍵(Ks)を取得する。
【0164】
そして、受信機は、当該スクランブル鍵(Ks)を用い、選局された特定のサービスを構成する暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)を復号して、レンダリング処理を行うことで、その映像と音声を出力することができる。
【0165】
以上のように、図19の運用例では、インターネット上のEMMサーバから取得されるEMMと、SCSから取得されるECMを用い、スクランブル鍵(Ks)が取得され、当該スクランブル鍵(Ks)を用い、暗号化されたコンポーネントが復号されることになる。
【0166】
なお、図18図19の運用例は一例であって、上述したように、EMMとECMは、CA_Descriptorのロケーション情報(LocationTypeやLocationUri)に従い、NRTなどから取得されるようにしてもよい。また、EMM取得情報としてのCA_Descriptorは、CATの代わりに、SCTに記述するようにしてもよい。
【0167】
(CASの基本構造)
次に、上述した運用例におけるコンテンツの保護の詳細な内容について説明する。図20は、CAS(Conditional Access System)の基本構造を示す図である。なお、図20において、時間の方向は、図中の左から右側に進行するものとする。
【0168】
CASにおいては、放送局の送信機で、特定のサービスを構成するコンポーネント(Video,Audio)がスクランブル鍵(Ks)を用いて暗号化(Enc)される一方、各家庭等に設置された受信機で暗号化されたコンポーネントがスクランブル鍵(Ks)を用いて復号(Dec)されて、ユーザに提示される。
【0169】
また、送信機から受信機には、受信機の識別単位(例えばデバイスID)の関連情報としてEMM(Entitlement Management Message)と、各受信機で共通となる関連情報としてECM(Entitlement Control Message)が伝送される。
【0170】
EMMは、マスタ鍵(Km)を用いて暗号化(Enc)されたワーク鍵(Kw)と各ユーザの契約情報を伝送するものである。ただし、ワーク鍵(Kw:Work Key)は、スクランブル鍵(Ks)を暗号化(Enc)するための鍵である。また、マスタ鍵(Km:Master Key)は、ワーク鍵(Kw)を暗号化(Enc)するための鍵である。
【0171】
ECMは、ワーク鍵(Kw)を用いて暗号化されたスクランブル鍵(Ks)を伝送するものである。ただし、スクランブル鍵(Ks:Scramble Key)は、コンポーネントを暗号化(Enc)するための鍵である。また、スクランブル鍵(Ks)は、所定の時間ごとに更新されるものであって、例えば数秒に1回更新される。
【0172】
このように、送信機から受信機にEMMとECMが伝送されるので、受信機では、マスタ鍵(Km)を用いてEMMを復号することで、ワーク鍵(Kw)と契約情報が取得される。また、受信機では、送信機から伝送されるECMのうち、契約情報が一致するECMを、ワーク鍵(Kw)を用いて復号することで、スクランブル鍵(Ks)が取得される。これにより、受信機では、当該スクランブル鍵(Ks)を用い、暗号化されたコンポーネントを復号(Dec)することができる。
【0173】
なお、各コンポーネント(Video,Audio)は、メディアセグメント(MS:Media Segment)単位で伝送される。図20に示すように、各メディアセグメントは、moofとmdatから構成される。moof(movie fragment box)は、フラグメントの制御情報を示す。また、mdat(media data box)は、フラグメントのメディアデータ本体を示す。
【0174】
すなわち、ビデオのメディアセグメントの系列では、各メディアセグメントのmdatにビデオデータが配置され、moofには、そのビデオデータのトラック単位の制御情報が配置される。また、オーディオのメディアセグメントの系列では、各メディアセグメントのmdatにオーディオデータが配置され、moofには、そのオーディオデータのトラック単位の制御情報が配置される。
【0175】
ところで、このメディアセグメントは、ISO/IEC 14496-12で規定されているISOベースメディアファイルフォーマット(ISO Base Media File Format)の規格に準じており、本技術を適用したコンテンツの保護方式では、このISOベースメディアファイルフォーマットとCE(Common Encryption)をベースとするファイルフォーマットを用いている。
【0176】
図21には、ISOベースメディアファイルフォーマットにおけるファイルのボックス構造を木構造で表しているが、moov boxのtenc boxと、moof boxのpssh boxが、CE(Common Encryption)拡張ボックスとされる。ここで、pssh boxには、例えば、フラグメントのファイルを復号するためのKs_ID,pssh boxのシステムID(使用するDRMタイプを特定するためのID)を示すCA_System_ID,CA_Descriptor,ECMの実体データが配置される。
【0177】
ただし、CA_Descriptor(ECM取得情報)のLocationTypeが、コンポーネントのメタボックス(component box)以外の場合には、ECMの実体データは配置されないことになる。なお、moov(movie box)は、メディアセグメント(Media Segment)とは別に伝送されるイニシャライゼイションセグメント(Initialization Segment)を構成する、全体の制御情報が格納されるボックスとなる。
【0178】
ここで、図22を参照して、図20の受信機側で行われるスクランブル鍵(Ks)の復号のタイミングの詳細を説明する。なお、図22において、時間の方向は、図中の左から右側に進行するものとする。
【0179】
図22において、moofのschmのscheme_type="cenc"は、CE(Common Encryption)を使用していることを示している。
【0180】
また、4つのメディアセグメントを図示しているが、先頭から1つ目と2つ目のメディアセグメントのmoofのpsshには、Ks_ID=1が指定されており、対応するmdatに格納されたコンポーネントのデータが、Ks_ID=1のスクランブル鍵(Ks)で復号されることを示している。また、先頭から3つ目と4つ目のメディアセグメントのmoofのpsshには、Ks_ID=2が指定されており、対応するmdatに格納されたコンポーネントのデータが、Ks_ID=2のスクランブル鍵(Ks)で復号されることを示している。
【0181】
受信機では、LLSから得られるCATのCA_Descriptor(EMM取得情報)のロケーション情報に従い、LLSなどからEMMが取得され、保存される。また、特定のサービスのSCSから得られるSPTのCA_Descriptor(ECM取得情報)のロケーション情報に従い、SCSからECMが取得される。このECMには、スクランブル鍵(Ks)として、スクランブル鍵(even key)と、スクランブル鍵(odd key)の2種類の鍵が含まれており、保存しているEMMのワーク鍵(Kw)を用いて復号される。
【0182】
ここで、例えば、スクランブル鍵(even key)は、現在の暗号化されたコンポーネントを復号するための鍵である。また、例えば、スクランブル鍵(odd key)は、次の暗号化されたコンポーネントを復号するための鍵である。すなわち、これらのスクランブル鍵(Ks)を交互に利用していくことにより、コンポーネントを復号する鍵を変えることが可能となる。ただし、最新のECMには、現在ライブで放送されているサービスを構成する暗号化されたコンポーネントを復号するためのスクランブル鍵(Ks)が必ず格納される。また、順次使用するスクランブル鍵(Ks)の格納数は、KsNumberで指定される。
【0183】
すなわち、先頭から1つ目と2つ目のメディアセグメントのmdatに格納されたコンポーネントのデータは、Ks_ID=1となるスクランブル鍵(even key)により復号され、先頭から3つ目と4つ目のメディアセグメントのmdatに格納されたコンポーネントのデータは、Ks_ID=2となるスクランブル鍵(odd key)により復号されることになる。なお、その次に取得されるECMには、Ks_ID=2となるスクランブル鍵(odd key)と、Ks_ID=3となるスクランブル鍵(even key)が含まれている。
【0184】
<4.サービスと鍵階層モデル>
次に、図23乃至図17を参照して、各放送局が提供するサービスと、そのサービスを構成する暗号化されたコンポーネントを復号するためのスクランブル鍵(Ks)との関係を、複数の階層モデルを用いて説明する。
【0185】
(1)サービスと鍵階層モデル1
図23は、サービスと鍵階層モデル1の構造を示す図である。
【0186】
図23のサービスと鍵階層モデル1では、ある1つのサービスプラットフォーム(Service Platform)上で、放送局(Broadcaster)1乃至M(Mは1以上の整数)が、1又は複数のサービス(Service)を提供する場合におけるサービスとスクランブル鍵(Ks)の関係を表している。
【0187】
図23において、サービスは、メジャーとマイナーのチャンネル(CH)により表されており、例えば、放送局1は、サービス1(1.1CH)のみを提供しているが、放送局2は、サービス2(CH2.1)とサービス2(CH2.2)の2つのサービスを提供している。
【0188】
EMMのティアビット(tier bits)は、対象の受信機が各サービスを登録しているか否かを示している。「0」又は「1」であるビットのうち、登録しているサービスに対応するビットは「1」となる。基本的に1つのサービスに対しては1つのティアビットが割り当てられるが、1つのサービスに対して複数のティアビットを割り当てることもできる。図23においては、放送局3のサービス3(CH3.1)には、2つのティアビットが割り当てられており、例えば、同一のサービス内で契約形態が異なる運用を行うことができる。
【0189】
ECMのティアビット(tier bits)は、EMMのティアビットと1対1で対応付けられており、どのサービスに属するコンポーネント(Component)のスクランブル鍵(Ks)を提供しているかを示している。図23では、放送局1乃至Mが提供するサービス1乃至Mに対して、Ks_ID(X1,X2)により特定される、共通のスクランブル鍵(Ks)が提供されており、当該スクランブル鍵(Ks)を用いて、各サービスの暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)が復号される。
【0190】
なお、図23のサービスと鍵階層モデル1においては、Ks_IDとして、現在値(present)としてのX1と、それに続く値(follow)としてのX2を例示したが、Ks_IDは時間ごとに変化するものであり、例えば、X1を開始値として、X2,X3,X4・・・のように時間とともに変化する。また、図23においては、放送局1乃至Mは、コンポーネントを暗号化して運用を行っているが、放送局Nはコンポーネントを暗号化せずに運用を行っており、受信機では、サービスN(N.1CH)が選局された場合には、サービスNを構成するコンポーネントの暗号化を解く必要がない。
【0191】
(2)サービスと鍵階層モデル2
図24は、サービスと鍵階層モデル2の構造を示す図である。
【0192】
図24のサービスと鍵階層モデル2では、ある1つのサービスプラットフォーム上で、放送局1乃至Mが、1又は複数のサービスを提供するに際して、サービスごとに異なるスクランブル鍵(Ks)を提供する場合におけるサービスとスクランブル鍵(Ks)の関係を表している。
【0193】
図24においては、サービスごとに異なるECMが提供されている。すなわち、EMMのティアビットにおいて、1つ目のビットは、放送局1が提供するサービス1(1.1CH)に、2つ目のビットは、放送局2が提供するサービス2(2.1CH)にそれぞれ割り当てられており、それらのサービスごとに、異なるECMが提供されることになる。
【0194】
例えば、サービス1を契約している受信機では、例えば放送又は通信網を介して、1つ目のビットが「1」となったEMMが取得される。また、当該受信機においては、初期スキャン情報を用い、サービス1を選局することで、サービス1のSCSからECMを取得することができる。このサービス1のECMのティアビットにおいては、1つ目のビットが「1」となって、EMMのティアビットと対応しており、サービス1のコンポーネント用のスクランブル鍵(Ks)を取得することができる。すなわち、サービス1に対しては、Ks_ID(X1,X2,・・・)により特定されるスクランブル鍵(Ks)が提供されており、当該スクランブル鍵(Ks)を用い、サービス1の暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)が復号される。
【0195】
同様に、例えば、サービス2を契約している受信機においては、2つ目のビットが「1」となったEMMが取得され、さらに、サービス2が選局されることで、サービス2のSCSからECMが取得される。このサービス2のECMのティアビットでは、2つ目のビットが「1」となって、EMMのティアビットと対応しており、サービス2のコンポーネント用のスクランブル鍵(Ks)(Ks_ID=Y1,Y2,・・・)を順次取得して、サービス2の暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)を復号することができる。
【0196】
なお、図24のサービスと鍵階層モデル2において、Ks_IDは、サービス単位でユニークな値であればよく、仮に、サービス1のECMにおけるKs_ID(=X1)と、サービス2のECMにおけるKs_ID(=Y1)とが同一の値となった場合でも、その上位のIPアドレスによって、それらの値を判別することが可能である。
【0197】
(3)サービスと鍵階層モデル3
図25は、サービスと鍵階層モデル3の構造を示す図である。
【0198】
図25のサービスと鍵階層モデル3では、ある1つのサービスプラットフォーム上で、放送局1乃至Mが、1又は複数のサービスを提供するに際して、コンポーネントを複数のグループに分ける場合におけるサービスとスクランブル鍵(Ks)の関係を示している。
【0199】
図25においては、同一のサービス内で、グループごとに異なるECMが提供されている。すなわち、EMMのティアビットにおいて、1つ目のビットは、放送局1が提供するサービス1(1.1CH)に割り当てられ、当該サービス1に対して、グループIDが異なる複数のECMが提供されることになる。
【0200】
例えば、サービス1において、無料の基本サービスと、有料のプレミアムサービスを提供する場合に、基本サービスのコンポーネント用のスクランブル鍵(Ks)を取得するためのグループ1のECMと、プレミアムサービスのコンポーネント用のスクランブル鍵(Ks)を取得するためのグループ2のECMをそれぞれ用意する。そして、受信機では、ティアビットと契約グループIDで、利用可能なコンポーネントのフィルタリングが行われ、基本契約の受信機では、サービス1のSCSから、グループ1のECMのみが取得されるが、プレミアム契約の受信機においては、グループ1のECMだけでなく、グループ2のECMも取得される。
【0201】
すなわち、サービス1の基本サービスに対しては、Ks_ID(X11,X12,・・・)により特定されるスクランブル鍵(Ks)が提供されており、当該スクランブル鍵(Ks)を用い、基本サービスの暗号化されたコンポーネント(Video primary,Audio primary)が復号される。また、サービス1のプレミアムサービスに対しては、Ks_ID(X21,X22,・・・)により特定されるスクランブル鍵(Ks)が提供されており、当該スクランブル鍵(Ks)を用い、プレミアムサービスの暗号化されたコンポーネント(Audio secondary)が復号される。例えば、プレミアムサービスとして、22.2chの音声を暗号化されたコンポーネントとして提供することで、プレミアム契約をしている受信機のみが、より臨場感のある音声の出力を行うことができる。
【0202】
なお、図25のサービスと鍵階層モデル3において、グループ1とグループ2は、同一のサービスとなるので、Ks_IDのユニーク性を保つことができる。
【0203】
(4)サービスと鍵階層モデル4
図26は、サービスと鍵階層モデル4の構造を示す図である。
【0204】
図26のサービスと鍵階層モデル4では、ある1つのサービスプラットフォーム上で、放送局1乃至Mが、1又は複数のサービスを提供するに際して、複数のEMM系列を提供する場合におけるサービスとスクランブル鍵(Ks)の関係を示している。
【0205】
図26においては、1つのサービスプラットフォームにおいて、複数のEMM系列が提供されている。すなわち、EMMがグループ1とグループ2に分けられており、放送局1乃至Mが提供するサービスには、グループ1のEMM、放送局11乃至Nが提供するサービスには、グループ2のEMMが割り当てられている。
【0206】
グループ1のEMMの系列では、例えば、放送局1が提供するサービス1において、グループごとに異なるECMが提供されている。受信機では、ティアビットと契約グループIDによる利用可能なコンポーネントのフィルタリングが行われ、例えば基本契約がなされている場合、グループ1のECMのKs_ID(X11,X12,・・・)により特定されるスクランブル鍵(Ks)を用い、基本サービスの暗号化されたコンポーネント(Video primary,Audio primary)が復号される。また、受信機では、例えばプレミアム契約がなされている場合、グループ2のECMのKs_ID(X21,X22,・・・)により特定されるスクランブル鍵(Ks)を用い、プレミアムサービスの暗号化されたコンポーネント(Audio secondary)が復号される。
【0207】
一方、グループ2のEMMの系列では、ECMのティアビットは、EMMのティアビットと1対1で対応付けられており、Ks_ID(Y11,Y12,・・・)により特定されるスクランブル鍵(Ks)を用い、例えば、放送局11が提供するサービス11の暗号化されたコンポーネント(Video primary,Audio primary)が復号される。
【0208】
このように、図26のサービスと鍵階層モデル4では、複数のEMM系列を提供することができることから、例えば、EMM系列を地域ごとに分けたり、あるいは無料と有料などの契約形態で分けたりして、様々な運用形態に対応させることができる。
【0209】
(5)サービスと鍵階層モデル5
図27は、サービスと鍵階層モデル5の構造を示す図である。
【0210】
図27のサービスと鍵階層モデル5では、複数のサービスプラットフォーム上の放送局が並行してサービスを提供する場合におけるサービスとスクランブル鍵(Ks)の関係を示している。
【0211】
図27においては、プラットフォームAと、プラットフォームBが存在している。プラットフォームAでは、放送局1乃至Mによって、サービス1乃至Mが提供されており、プラットフォームAのEMMとECMは、1対1で対応付けられている。これにより、例えば、Ks_ID(X1,X2,・・・)により特定されるスクランブル鍵(Ks)を用いて、放送局1が提供するサービス1の暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)が復号される。
【0212】
また、プラットフォームBでは、放送局11乃至Nによって、サービス11乃至Nが提供されており、プラットフォームBのEMMとECMは、1対1で対応付けられている。これにより、例えば、Ks_ID(Y1,Y2,・・・)により特定されるスクランブル鍵(Ks)を用いて、放送局11が提供するサービス11の暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)が復号される。
【0213】
このように、図27のサービスと鍵階層モデル5では、複数のサービスプラットフォームが並行してサービスを提供することができるので、例えば、ATSC(Advanced Television Systems Committee)が管理するデジタルテレビ放送と、ケーブルテレビによる有線放送で、プラットフォームを分けるといった運用なども可能となる。
【0214】
<5.CAS関連情報>
次に、図28乃至図37を参照して、上述したCASに関連する情報(以下、「CAS関連情報」という。)における各情報の関係について説明する。
【0215】
(1−a)CAS関連情報(EMM:LLS,ECM:SCS)
図28は、CAS関連情報(EMM:LLS,ECM:SCS)の全体を体系的に表した図である。
【0216】
図28のCAS関連情報では、SCTに、CA_Descriptor(EMM取得情報)を配置して、EMMはLLSで伝送している。また、SPTに、CA_Descriptor(ECM取得情報)を配置して、ECMはSCSで伝送している。なお、グループはすべて同一のグループに属しているものとする。
【0217】
図28において、SCTのCA_Descriptorには、locationType=LLSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、LLSで伝送されているEMMが取得されて、保存される。その後、選局処理が行われ、特定のサービスのSCSが取得されると、SPTのCA_Descriptorには、locationType=SCSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、SCSで伝送されているECMが取得される。
【0218】
また、ECMから、特定のサービスの暗号化されたコンポーネントに対して、Ks_IDにより関連付けられたスクランブル鍵(Ks)が取得されるが、ワーク鍵(Kw)で暗号化されているので、保存していたEMMのワーク鍵(Kw)を用い、スクランブル鍵(Ks)を復号する。このようにして得られるスクランブル鍵(Ks)を用いて、特定のサービスの暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)が復号される。
【0219】
(1−b)CAS関連情報(EMM:LLS,ECM:SCS)
図29は、CAS関連情報(EMM:LLS,ECM:SCS)の全体を体系的に表した図である。
【0220】
図29のCAS関連情報では、CATに、CA_Descriptor(EMM取得情報)を配置して、EMMはLLSで伝送している。また、SPTに、CA_Descriptor(ECM取得情報)を配置して、ECMはSCSで伝送している。なお、グループはすべて同一のグループに属しているものとする。
【0221】
図29において、CATのCA_Descriptorには、locationType=LLSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、LLSで伝送されているEMMが取得されて、保存される。その後、選局処理が行われ、特定のサービスのSCSが取得されると、SPTのCA_Descriptorには、locationType=SCSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、SCSで伝送されているECMが取得される。
【0222】
また、ECMから、特定のサービスの暗号化されたコンポーネントに対して、Ks_IDにより関連付けられたスクランブル鍵(Ks)が取得されるが、ワーク鍵(Kw)で暗号化されているので、保存していたEMMのワーク鍵(Kw)を用い、スクランブル鍵(Ks)を復号する。このようにして得られるスクランブル鍵(Ks)を用いて、特定のサービスの暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)が復号される。
【0223】
(1−c)CAS関連情報(EMM:Network,ECM:SCS)
図30は、CAS関連情報(EMM:Network,ECM:SCS)の全体を体系的に表した図である。
【0224】
図30のCAS関連情報では、CATに、CA_Descriptor(EMM取得情報)を配置して、EMMは通信網を利用して伝送している。また、SPTに、CA_Descriptor(ECM取得情報)を配置して、ECMはSCSで伝送している。なお、グループはすべて同一のグループに属しているものとする。
【0225】
図30において、CATのCA_Descriptorには、locationType=Networkが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、インターネット上のEMMサーバにアクセスし、EMMが取得されて、保存される。その後、選局処理が行われ、特定のサービスのSCSが取得されると、SPTのCA_Descriptorには、locationType=SCSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、SCSで伝送されているECMが取得される。
【0226】
また、ECMから、特定のサービスの暗号化されたコンポーネントに対して、Ks_IDにより関連付けられたスクランブル鍵(Ks)が取得されるが、ワーク鍵(Kw)で暗号化されているので、保存していたEMMのワーク鍵(Kw)を用い、スクランブル鍵(Ks)を復号する。このようにして得られるスクランブル鍵(Ks)を用いて、特定のサービスの暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)が復号される。
【0227】
(1−d)CAS関連情報(EMM:LLS,ECM:Component)
図31は、CAS関連情報(EMM:LLS,ECM:Component)の全体を体系的に表した図である。
【0228】
図31のCAS関連情報では、CATに、CA_Descriptor(EMM取得情報)を配置して、EMMはLLSで伝送している。また、SPTに、CA_Descriptor(ECM取得情報)を配置して、ECMはコンポーネントに指定している。なお、グループはすべて同一のグループに属しているものとする。
【0229】
図31において、CATのCA_Descriptorには、locationType=LLSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、LLSで伝送されているEMMが取得されて、保存される。その後、選局処理が行われ、特定のサービスのSCSが取得されると、SPTのCA_Descriptorには、locationType=component boxが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、コンポーネントに指定されたECMが取得される。すなわち、CA_Descriptor(ECM取得情報)のlocationTypeに、component boxが指定されているので、moof boxのpssh boxに配置されたECMの実体データが取得されることになる。
【0230】
また、ECMから、特定のサービスの暗号化されたコンポーネントに対して、Ks_IDにより関連付けられたスクランブル鍵(Ks)が取得されるが、ワーク鍵(Kw)で暗号化されているので、保存していたEMMのワーク鍵(Kw)を用い、スクランブル鍵(Ks)を復号する。このようにして得られるスクランブル鍵(Ks)を用いて、特定のサービスの暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)が復号される。
【0231】
(1−e)CAS関連情報(EMM:LLS,ECM:NRT)
図32は、CAS関連情報(EMM:LLS,ECM:NRT)の全体を体系的に表した図である。
【0232】
図32のCAS関連情報では、SCTに、CA_Descriptor(EMM取得情報)を配置して、EMMはLLSで伝送している。また、SPTに、CA_Descriptor(ECM取得情報)を配置して、ECMはNRTセッションを利用して伝送している。なお、グループはすべて同一のグループに属しているものとする。
【0233】
図32において、SCTのCA_Descriptorには、locationType=LLSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、LLSで伝送されているEMMが取得されて、保存される。その後、選局処理が行われ、特定のサービスのSCSが取得される。ここで、SPTのコンポーネントループには、ビデオ用のCA_Descriptorと、オーディオ用のCA_Descriptorには、locationType=NRTが指定されている。また、NRT1には、ECM_DeliveryFlag=TRUEが指定され、NRT2には、ECM_DeliveryFlag=FALSEが指定されているので、複数のNRTセッションのうち、NRT1のセッションからECMが取得される。
【0234】
また、ECMから、特定のサービスの暗号化されたコンポーネントに対して、Ks_IDにより関連付けられたスクランブル鍵(Ks)が取得されるが、ワーク鍵(Kw)で暗号化されているので、保存していたEMMのワーク鍵(Kw)を用い、スクランブル鍵(Ks)を復号する。このようにして得られるスクランブル鍵(Ks)を用いて、特定のサービスの暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)が復号される。
【0235】
(2)CAS関連情報(ECMのティアビットで視聴可否を確認)
図33は、ECMのティアビットで視聴可否を確認する場合のCAS関連情報の全体を体系的に表した図である。
【0236】
図33のCAS関連情報では、CATに、CA_Descriptor(EMM取得情報)を配置して、EMMはLLSで伝送している。また、SPTのコンポーネントループに、CA_Descriptor(ECM取得情報)を指定し、ECMのティアビットで、コンポーネントごとの視聴可否を確認できるようにしている。
【0237】
図33において、CATのCA_Descriptorには、locationType=LLSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、LLSで伝送されているEMMが取得されて、保存される。その後、選局処理が行われ、特定のサービスのSCSが取得される。SPTのコンポーネントループには、2つのCA_Descriptorが配置されており、これらのコンポーネントごとのCA_Descriptorを用い、ECMを取得することができる。
【0238】
ここで、EMMには、契約情報のティアビットとして、tier bit="11"が指定されている。また、ECMの契約情報のティアビットであるが、一方のECMには、tier bit="01"が指定され、他方のECMには、tier bit="10"が指定されている。受信機は、それらのティアビットを用い、利用可能なコンポーネントのフィルタリングを行い、一方のECM(tier bit="01")から得られるスクランブル鍵(Ks)を用いて、暗号化されたコンポーネント(Video)を復号するとともに、他方のECM(tier bit="10")から得られるスクランブル鍵(Ks)を用いて、暗号化されたコンポーネント(Audio2)を復号する。
【0239】
例えば、EMMの契約情報のティアビットにおいて、左から1つ目のビットがプレミアム契約を表し、左から2つ目のビットが基本契約を表しているとすれば、図33のEMMでは、tier bit="11"が設定されているので、対象の受信機は、基本契約のほかに、プレミアム契約を行っていることになる。また、例えば、EMMの契約情報のティアビットとして、tier bit="01"が設定されている場合には、対象の受信機は、基本契約のみを行っていることになる。
【0240】
これにより、基本契約の受信機では、ビデオの映像に同期してオーディオ1の音声(例えば、5.1chの音声)が出力される。一方、プレミアム契約の受信機では、ビデオの映像に同期してオーディオ2の音声(例えば、22.2chの音声)が出力され、例えば、より臨場感のある音声を提供することが可能となる。
【0241】
なお、各ECMから取得されるスクランブル鍵(Ks)は、ワーク鍵(Kw)で暗号化されているので、保存していたEMMのワーク鍵(Kw)を用いて復号されてから、使用されることになる。
【0242】
(3)CAS関連情報(ECMのグループIDで視聴可否を確認)
図34は、ECMのグループIDで視聴可否を確認する場合のCAS関連情報の全体を体系的に表した図である。
【0243】
図34のCAS関連情報では、CATに、CA_Descriptor(EMM取得情報)を配置して、EMMはLLSで伝送している。また、SPTのコンポーネントループに、CA_Descriptor(ECM取得情報)を指定し、ECMのグループIDでコンポーネントの視聴可否を確認できるようにしている。
【0244】
図34において、CATのCA_Descriptorには、locationType=LLSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、LLSで伝送されているEMMが取得されて、保持される。その後、選局処理が行われ、特定のサービスのSCSが取得される。SPTのコンポーネントループには、2つのCA_Descriptorが配置されており、これらのCA_Descriptorを用い、ECMを取得することができる。
【0245】
ここで、EMMには、契約情報のティアビットとして、tier bit="01"が指定されている。また、ECMの契約情報のティアビットとグループIDであるが、一方のECMには、tier bit="01",group_ID="1"が指定され、他方のECMには、tier bit="01",group_ID="2"が指定されている。受信機は、それらのティアビットとグループIDを用い、利用可能なコンポーネントのフィルタリングを行い、一方のECM(tier bit="01",group_ID="1")から得られるスクランブル鍵(Ks)を用いて、暗号化されたコンポーネント(Video,Audio1)を復号するとともに、他方のECM(tier bit="01",group_ID="2")から得られるスクランブル鍵(Ks)を用いて、暗号化されたコンポーネント(Audio2)を復号することができる。
【0246】
例えば、EMMの契約情報のティアビットにおいて、左から2つ目のビットがサービスAに割り当てられ、左から1つ目のビットがサービスBに割り当てられているとすれば、図34のEMMでは、tier bit="01"が設定されているので、対象の受信機は、サービスAにのみ加入していることになる。これにより、サービスAに加入している受信機では、ビデオの映像に同期して、オーディオ1又はオーディオ2の音声が出力されることになる。
【0247】
なお、各ECMから取得されるスクランブル鍵(Ks)は、ワーク鍵(Kw)で暗号化されているので、保存していたEMMのワーク鍵(Kw)を用いて復号されてから、使用されることになる。
【0248】
(4)CAS関連情報(複数のEMM系列を提供)
図35は、複数のEMM系列を提供する場合のCAS関連情報の全体を体系的に表した図である。
【0249】
図35のCAS関連情報では、CATに、CA_Descriptor(EMM取得情報)を配置して、複数のEMM系列をLLSで伝送している。また、各EMM系列には、それぞれ異なるグループIDが指定されている。
【0250】
図35において、CATのCA_Descriptor(group_ID="1")には、locationType=LLSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、LLSで伝送されているグループ1のEMMが取得される。また、CATのCA_Descriptor(group_ID="2")には、locationType=LLSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、LLSで伝送されているグループ2のEMMが取得される。そして、受信機は、グループ1のEMMと、グループ2のEMMを保存する。
【0251】
そして、グループ1のEMMの系列では、SPTのCA_Descriptor(group_ID(EMM)="1")を用い、ECM(group_ID(EMM)="1")を取得することができる。そして、ECM(group_ID(EMM)="1")のスクランブル鍵(Ks)を、保存していたグループ1のEMM(group_ID(EMM)="1")のワーク鍵(Kw)を用いて復号し、当該スクランブル鍵(Ks)を用い、特定のサービスの暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)が復号される。
【0252】
一方、グループ2のEMMの系列では、SPTのCA_Descriptor(group_ID(EMM)="2")を用い、ECM(group_ID(EMM)="2")を取得することができる。そして、ECM(group_ID(EMM)="2")のスクランブル鍵(Ks)を、保存していたグループ2のEMM(group_ID(EMM)="2")のワーク鍵(Kw)を用いて復号し、当該スクランブル鍵(Ks)を用い、特定のサービスの暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)が復号される。
【0253】
なお、CA_Descriptor(group_ID(EMM)="1")が記述されたSPTと、CA_Descriptor(group_ID(EMM)="2")が記述されたSPTは、異なるトリプレットが指定された別サービスのSCSから取得される。
【0254】
(5−a)CAS関連情報(アジャンクトサービス提供時にメインサービスのECMを使用)
図36は、アジャンクトサービス提供時にメインサービスのECMを使用する場合のCAS関連情報の全体を体系的に表した図である。
【0255】
図36のCAS関連情報では、CATに、CA_Descriptor(EMM取得情報)を配置して、EMMはLLSで伝送している。また、メインサービス(Main Service)に関連したアジャンクトサービス(Adjunct Service)が提供されている。例えば、アジャンクトサービスとしては、ロバストなオーディオサービスが提供される。さらに、メインサービスとアジャンクトサービスのSPTには、CA_Descriptor(ECM取得情報)が配置され、ECMはSCSで伝送されている。
【0256】
図36において、CATのCA_Descriptorには、locationType=LLSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、LLSで伝送されているEMMが取得されて、保存される。その後、選局処理が行われ、メインサービスのSCSが取得されると、メインサービスのSPTのCA_Descriptorには、locationType=SCSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、SCSで伝送されているECMが取得される。
【0257】
また、アジャンクトサービスが提供されているため、メインサービスのSPTのASD(Adjunct Service Descriptor)のトリプレットに従い、アジャンクトサービスのSCSが取得される。ここで、アジャンクトサービスのSPTのCA_Descriptorには、locationType=SCSが指定されているが、メインサービスのSPTのASDのselectionFlagには、"main"が指定されているため、アジャンクトサービスにおいても、メインサービスのECMが用いられる。
【0258】
すなわち、メインサービスの暗号化されたコンポーネントと、アジャンクトサービスの暗号化されたコンポーネントは、メインサービスのECMから取得された同一のスクランブル鍵(Ks)を用いて復号されることになる。なお、メインサービスのECMから取得されるスクランブル鍵(Ks)は、ワーク鍵(Kw)で暗号化されているので、保存していたEMMのワーク鍵(Kw)を用いて復号されてから、使用されることになる。
【0259】
(5−b)CAS関連情報(アジャンクトサービス提供時にアジャンクトサービスのECMを使用)
図37は、アジャンクトサービス提供時にアジャンクトサービスのECMを使用する場合のCAS関連情報の全体を体系的に表した図である。
【0260】
図37のCAS関連情報では、CATに、CA_Descriptor(EMM取得情報)を配置して、EMMはLLSで伝送している。また、メインサービス(Main Service)に関連したアジャンクトサービス(Adjunct Service)が提供されている。例えば、アジャンクトサービスとしては、ロバストなオーディオサービスが提供される。さらに、メインサービスとアジャンクトサービスのSPTには、CA_Descriptor(ECM取得情報)が配置され、ECMはSCSで伝送されている。
【0261】
図37において、CATのCA_Descriptorには、locationType=LLSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、LLSで伝送されているEMMが取得されて、保存される。その後、選局処理が行われ、メインサービスのSCSが取得されると、メインサービスのSPTのCA_Descriptorには、locationType=SCSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、SCSで伝送されているECMが取得される。
【0262】
また、アジャンクトサービスが提供されているため、メインサービスのSPTのASD(Adjunct Service Descriptor)のトリプレットに従い、アジャンクトサービスのSCSが取得される。ここで、アジャンクトサービスのSPTのCA_Descriptorには、locationType=SCSが指定され、かつ、メインサービスのSPTのASDのselectionFlagには、"adjunct"が指定されているため、アジャンクトサービスにおいては、アジャンクトサービスのSCSから取得されるECMが用いられる。
【0263】
したがって、メインサービスの暗号化されたコンポーネントは、メインサービスのECMから取得されたスクランブル鍵(Ks)を用いて復号される。一方、アジャンクトサービスの暗号化されたコンポーネントは、アジャンクトサービスのECMから取得されたスクランブル鍵(Ks)を用いて復号される。すなわち、メインサービスの暗号化されたコンポーネントと、アジャンクトサービスの暗号化されたコンポーネントは、異なるスクランブル鍵(Ks)を用いて復号されることになる。なお、メインサービスとアジャンクトサービスのECMから取得されるスクランブル鍵(Ks)は、ワーク鍵(Kw)で暗号化されているので、保存していたEMMのワーク鍵(Kw)を用いて復号されてから、使用されることになる。
【0264】
<6.他のスクランブル方式の適用例>
ところで、上述した説明では、CAS(Conditional Access System)方式に準じたスクランブル方式について説明したが、本技術は、CAS方式以外の他のスクランブル方式にも適用することができる。
【0265】
図38は、他のスクランブル方式の適用例を示す図である。
【0266】
CAS方式においては、ワーク鍵(Kw)をEMM(Entitlement Management Message)で伝送し、ワーク鍵(Kw)を用いて暗号化されたスクランブル鍵(Ks)をECM(Entitlement Control Message)で伝送していたが、これらのEMMとECMを汎用的な記述子(Descriptor)とすることで、他のスクランブル方式にも対応できるようにする。
【0267】
すなわち、図38に示すように、EMMとECMの代わりに、汎用的なDescriptor1とDescriptor2を定義して、CA_Descriptorのロケーション情報を用いて参照できるようにする。ただし、Descriptor1とDescriptor2には、各スクランブル方式に応じたコンテンツの保護に関する情報が記述される。また、CAS方式であるか、あるいは他のスクランブル方式であるかは、CA_DescriptorのCA_SystemIdを用いて判別される。
【0268】
具体的には、例えば、LLSのCAT(又はSCT)のCA_Descriptorには、locationType=LLSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、LLSで伝送されているDescriptor1が取得される。また、例えば、SCSのSPTのCA_Descriptorには、locationType=SCSが指定されているので、locationUriの示すURIに従い、SCSで伝送されているDescriptor2が取得される。そして、Descriptor1とDescriptor2に記述されたコンテンツの保護に関する情報に基づいて、暗号化されたコンポーネント(Video,Audio)が復号されることになる。
【0269】
このように、他のスクランブル方式を用いた場合でも、LLSのCAT(又はSCT)のCA_Descriptorを基点として、Descriptor1を取得するとともに、SCSのSPTのCA_Descriptorを基点として、Descriptor2を取得することができる。なお、受信機では、SGDUのヘッダ情報を用いて、Descriptor1やDescriptor2をフィルタリングすることができる。
【0270】
<7.放送通信システムの構成>
【0271】
(放送通信システムの構成例)
図39は、本技術を適用した放送通信システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【0272】
図39に示すように、放送通信システム1は、送信装置10、受信装置20、及び、EMMサーバ50、及び、ECMサーバ60から構成される。また、受信装置20と、EMMサーバ50、及び、ECMサーバ60は、インターネット90を介して相互に接続されている。
【0273】
送信装置10は、テレビ番組等の放送コンテンツを、IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波によって送信する。なお、放送コンテンツは、ビデオやオーディオ等のコンポーネントから構成され、各コンポーネントは、暗号化されている。また、送信装置10は、コンポーネントとともに、制御信号(図7のシグナリング情報)を、デジタル放送の放送波で送信する。
【0274】
なお、送信装置10は、上述した送信機に相当するものである。
【0275】
受信装置20は、送信装置10から送信される放送信号を受信する。受信装置20は、放送信号から得られる制御信号に基づいて、ビデオやオーディオ等のコンポーネントを取得する。そして、受信装置20は、暗号化されたコンポーネントを復号し、テレビ番組等の放送コンテンツの映像や音声を出力する。
【0276】
なお、受信装置20は、上述した受信機に相当するものである。また、受信装置20は、ディスプレイやスピーカを含んで単体として構成されるようにしてもよいし、テレビジョン受像機やビデオレコーダ等に内蔵されるようにしてもよい。
【0277】
EMMサーバ50は、放送コンテンツの復号に用いられるEMMを管理しており、インターネット90を介してEMMを提供する。受信装置20は、放送信号から得られる制御信号に基づいて、インターネット90を介してEMMサーバ50にアクセスして、EMMを取得し、暗号化されたコンポーネントの復号に用いる。
【0278】
ECMサーバ60は、放送コンテンツの復号に用いられるECMを管理しており、インターネット90を介してECMを提供する。受信装置20は、放送信号から得られる制御信号に基づいて、インターネット90を介してECMサーバ60にアクセスして、ECMを取得し、暗号化されたコンポーネントの復号に用いる。
【0279】
なお、図39の放送通信システム1の構成では、送信装置10が放送コンテンツを送信するとして説明したが、インターネット90上に、放送済の放送番組や公開済みの映画などの通信コンテンツをストリーミング配信可能な配信サーバ(不図示)を設けるようにしてもよい。この場合、受信装置20は、制御信号に基づいて、インターネット90を介して配信サーバからストリーミング配信される、ビデオやオーディオなどの暗号化されたコンポーネントを復号して、通信コンテンツの映像や音声を出力することになる。
【0280】
放送通信システム1は、以上のように構成される。次に、図40乃至図41を参照して、図39の放送通信システム1を構成する各装置の詳細な構成について説明する。
【0281】
(送信装置の構成例)
図40は、本技術を適用した送信装置の一実施の形態の構成を示す図である。
【0282】
図40に示すように、送信装置10は、ビデオデータ取得部111、ビデオエンコーダ112、オーディオデータ取得部113、オーディオエンコーダ114、ファイルデータ取得部115、ファイル処理部116、スクランブラ117、制御信号取得部118、制御信号処理部119、Mux120、及び、送信部121から構成される。
【0283】
ビデオデータ取得部111は、ストリーム形式のデータを伝送する場合には、内蔵するストレージや外部のサーバ、カメラ等から、コンポーネントとしてのビデオデータを取得し、ビデオエンコーダ112に供給する。ビデオエンコーダ112は、ビデオデータ取得部111から供給されるビデオデータを、MPEG等の符号化方式に準拠して符号化し、スクランブラ117に供給する。
【0284】
オーディオデータ取得部113は、ストリーム形式のデータを伝送する場合には、内蔵するストレージや外部のサーバ、マイクロフォン等から、コンポーネントとしてのオーディオデータを取得し、オーディオエンコーダ114に供給する。オーディオエンコーダ114は、オーディオデータ取得部113から供給されるオーディオデータを、MPEG等の符号化方式に準拠して符号化し、スクランブラ117に供給する。
【0285】
ファイルデータ取得部115は、ファイル形式のデータを伝送する場合には、内蔵するストレージや外部のサーバ等から、例えば、ビデオやオーディオのコンポーネント、NRTコンテンツ、アプリケーション等のファイルデータを取得し、ファイル処理部116に供給する。
【0286】
ファイル処理部116は、ファイルデータ取得部115から供給されるファイルデータに対して、所定のファイル処理を施し、スクランブラ117に供給する。例えば、ファイル処理部116は、ファイルデータ取得部115により取得されたファイルデータを、FLUTEセッションにより伝送するためのファイル処理を行う。
【0287】
スクランブラ117には、ビデオエンコーダ112からのビデオデータ、オーディオエンコーダ114からのオーディオデータ、ファイル処理部116からのファイルデータなどのコンポーネントが供給される。スクランブラ117は、スクランブル鍵(Ks)を用い、それらのコンポーネントを暗号化し、Mux120に供給する。
【0288】
制御信号取得部118は、内蔵するストレージや外部のサーバ等から、制御信号(図7のシグナリング情報)を取得し、制御信号処理部119に供給する。例えば、この制御信号には、EMMとECMが含まれており、ECMには、スクランブラ117がコンポーネントの暗号化に用いたスクランブル鍵(Ks)が、EMMのワーク鍵(Kw)で暗号化されている。
【0289】
制御信号処理部119は、制御信号取得部118から供給される制御信号に対して、所定の信号処理を施し、Mux120に供給する。例えば、制御信号処理部119は、制御信号取得部118により取得されたSCSに対して、FLUTEセッションにより伝送するための信号処理を施す。
【0290】
Mux120は、スクランブラ117からの暗号化されたコンポーネントと、制御信号処理部119からの制御信号を多重化してIP伝送形式のBBPストリームを生成し、送信部121に供給する。送信部121は、Mux120から供給されるBBPストリームを、放送信号(放送波)として、アンテナ122を介して送信する。
【0291】
なお、図40の送信装置10の構成では、Mux120の前段にスクランブラ117が設けられているが、スクランブラ117は、Mux120の後段に設けるようにしてもよい。
【0292】
(受信装置の構成例)
図41は、本技術を適用した受信装置の一実施の形態の構成を示す図である。
【0293】
図41に示すように、受信装置20は、チューナ212、Demux213、制御部214、入力部215、NVRAM216、デスクランブラ217、ビデオデコーダ218、ビデオ出力部219、オーディオデコーダ220、オーディオ出力部221、ファイル処理部222、ストレージ223、及び、通信I/F224から構成される。
【0294】
チューナ212は、制御部214からの制御に従い、アンテナ211により受信された放送信号から、選局が指示されたサービスの放送信号を抽出して復調し、その結果得られるIP伝送形式のBBPストリームを、Demux213に供給する。
【0295】
Demux213は、制御部214からの制御に従い、チューナ212から供給されるIP伝送形式のBBPストリームを、ビデオデータ、オーディオデータ、ファイルデータ、及び、制御信号(図7のシグナリング情報)に分離する。Demux213は、ビデオデータ、オーディオデータ、ファイルデータなどの暗号化されたコンポーネントを、デスクランブラ217に供給する。また、Demux213は、制御信号を、制御部214に供給する。
【0296】
制御部214は、Demux213又はファイル処理部222から供給される制御信号(図7のシグナリング情報)に基づいて、受信装置20を構成する各部の動作を制御する。例えば、制御部214は、制御信号(SCTやCAT,SPTなど)に基づいて、EMM及びECMを取得して解析し、その解析結果に従い、デスクランブラ217で実行される、暗号化されたコンポーネントの復号処理を制御する。
【0297】
また、制御部214は、入力部215からのユーザの操作に応じた操作信号に基づいて、各部の動作を制御する。NVRAM216は、不揮発性メモリであって、制御部214からの制御に従い、各種のデータを記録する。例えば、制御部214は、初期スキャン時などに、制御信号(SCTなど)から得られる初期スキャン情報(選局情報)を、NVRAM216に記録する。そして、制御部214は、NVRAM216に記録された初期スキャン情報に基づいて、チューナ212で実行される選局処理を制御する。
【0298】
デスクランブラ217は、制御部214からの制御に従い、Demux213から供給される、ビデオデータ、オーディオデータ、ファイルデータなどの暗号化されたコンポーネントを復号する。デスクランブラ217は、復号されたコンポーネントのうち、ビデオデータをビデオデコーダ218、オーディオデータをオーディオデコーダ220、ファイルデータをファイル処理部222にそれぞれ供給する。
【0299】
ビデオデコーダ218は、制御部214からの制御に従い、デスクランブラ217から供給されるビデオデータを、例えばビデオエンコーダ112(図40)に対応する復号方式で復号して、ビデオ出力部219に供給する。ビデオ出力部219は、制御部214からの制御に従い、ビデオデコーダ218から供給されるビデオデータを、後段のディスプレイ(不図示)に出力する。これにより、ディスプレイには、例えば、テレビ番組の映像などが表示される。
【0300】
オーディオデコーダ220は、制御部214からの制御に従い、デスクランブラ217から供給されるオーディオデータを、例えばオーディオエンコーダ114(図40)に対応する復号方式で復号して、オーディオ出力部221に供給する。オーディオ出力部221は、制御部214からの制御に従い、オーディオデコーダ220から供給されるオーディオデータを、後段のスピーカ(不図示)に供給する。これにより、スピーカからは、例えば、テレビ番組の映像に同期した音声が出力される。
【0301】
ファイル処理部222には、デスクランブラ217から復号されたコンポーネント(メディアセグメント)が供給される。ファイル処理部222は、制御部214からの制御に従い、FLUTEセッションで伝送されるメディアセグメントからコンポーネント(ファイルデータ)を復元し、ストレージ223に蓄積する。また、ファイル処理部222は、制御部214からの制御に従い、コンポーネント(ファイルデータ)として復元されたビデオデータをビデオデコーダ218に、オーディオデータをオーディオデコーダ220に供給することで、それらのデータが復号され、例えばテレビ番組の映像と音声が出力される。
【0302】
また、ファイル処理部222は、制御部214からの制御に従い、FLUTEセッションで伝送される制御信号を復元し、制御部214に供給する。
【0303】
通信I/F224は、制御部214からの制御に従い、インターネット90を介してEMMサーバ50にアクセスして、EMMを取得する。通信I/F224は、取得されたEMMを、制御部214に供給する。また、通信I/F224は、制御部214からの制御に従い、インターネット90を介してECMサーバ60にアクセスして、ECMを取得する。通信I/F224は、取得されたECMを、制御部214に供給する。
【0304】
なお、図41の受信装置20の構成では、ディスプレイやスピーカが外部に設けられている構成となっているが、受信装置20がディスプレイやスピーカを有する構成を採用してもよい。また、図41の受信装置20の構成では、ストレージ223は内蔵されているとして説明したが、外付けのストレージを用いるようにしてもよい。さらに、図41の受信装置20の構成では、Demux213の後段にデスクランブラ217が設けられているが、デスクランブラ217は、Demux213の前段に設けるようにしてもよい。
【0305】
<8.各装置で実行される具体的な処理の流れ>
次に、図42乃至図50のフローチャートを参照して、図39の放送通信システム1を構成する各装置で実行される具体的な処理の流れについて説明する。
【0306】
(送信処理)
まず、図42のフローチャートを参照して、図40の送信装置10により実行される送信処理について説明する。
【0307】
ステップS1においては、ストリーム形式のデータを送信するかどうかが判定される。ステップS1において、ストリーム形式のデータを送信すると判定された場合、処理は、ステップS2に進められる。
【0308】
ステップS2において、ビデオデータ取得部111は、コンポーネントとしてのビデオデータを取得し、ビデオエンコーダ112に供給する。ステップS3において、ビデオエンコーダ112は、ビデオデータ取得部111から供給されるビデオデータを符号化し、スクランブラ117に供給する。
【0309】
ステップS4において、オーディオデータ取得部113は、コンポーネントとしてのオーディオデータを取得し、オーディオエンコーダ114に供給する。ステップS5において、オーディオエンコーダ114は、オーディオデータ取得部113から供給されるオーディオデータを符号化し、スクランブラ117に供給する。
【0310】
なお、ステップS1において、ストリーム形式のデータを送信しないと判定された場合、ステップS2乃至S5の処理はスキップされ、処理は、ステップS6に進められる。ステップS6においては、ファイル形式のデータを送信するかどうかが判定される。ステップS6において、ファイル形式のデータを送信すると判定された場合、処理は、ステップS7に進められる。
【0311】
ステップS7において、ファイルデータ取得部115は、例えば、ビデオやオーディオのコンポーネントとしてのファイルデータを取得し、ファイル処理部116に供給する。ステップS8において、ファイル処理部116は、ファイルデータ取得部115から供給されるファイルデータに対して、所定のファイル処理を施し、スクランブラ117に供給する。
【0312】
なお、ステップS6において、ファイル形式のデータを送信しないと判定された場合、ステップS7乃至S8の処理はスキップされ、処理は、ステップS9に進められる。すなわち、ステップS1乃至S8の処理によって、ストリーム形式のデータ(コンポーネント)、又は、ファイル形式のデータ(コンポーネント)が、スクランブラ117に供給されることになる。
【0313】
ステップS9において、スクランブラ117は、スクランブル鍵(Ks)を用い、コンポーネントを暗号化するスクランブル処理を行う。このスクランブル処理では、ストリーム形式のデータを送信する場合には、ビデオエンコーダ112からのビデオデータと、オーディオエンコーダ114からのオーディオデータが暗号化される。また、このスクランブル処理では、ファイル形式のデータを送信する場合には、ファイル処理部116からのファイルデータが暗号化される。スクランブル処理によって暗号化されたコンポーネントは、Mux120に供給される。
【0314】
ステップS10において、制御信号取得部118は、制御信号(図7のシグナリング情報)を取得し、制御信号処理部119に供給する。ステップS11において、制御信号処理部119は、制御信号取得部118から供給される制御信号に対し、所定の信号処理を施し、Mux120に供給する。
【0315】
ステップS12において、Mux120は、スクランブラ117からの暗号化されたコンポーネントと、制御信号処理部119からの制御信号を多重化してIP伝送形式のBBPストリームを生成し、送信部121に供給する。
【0316】
ステップS13において、送信部121は、Mux120から供給されるBBPストリームを放送信号として、アンテナ122を介して送信する。そして、ステップS13の処理が終了すると、送信処理は終了する。以上、送信処理について説明した。
【0317】
(初期スキャン時EMM取得処理)
次に、図43のフローチャートを参照して、図41の受信装置20により実行される初期スキャン時EMM取得処理について説明する。
【0318】
ステップS101において、ユーザにより初期スキャン操作が実行されると、ステップS102において、チューナ212は、制御部214からの制御に従い、周波数スキャン処理を実行する。この周波数スキャン処理によって取得された初期スキャン情報(選局情報)は、NVRAM216に保存される。
【0319】
ステップS103において、制御部214は、Demux213から供給されるSCT又はCATのCA_Descriptor(EMM取得情報)を取得し、NVRAM216に保存する。また、ステップS104において、制御部214は、CA_Descriptorに記述されているCA_SystemIdを確認する。
【0320】
ステップS105において、制御部214は、CA_Descriptorに記述されているCA_SystemIdに、CAS方式のIDが指定されているかどうかを判定する。
【0321】
ステップS105において、CA_SystemIdに、CAS方式のIDが指定されていると判定された場合、処理は、ステップS106に進められる。ステップS106において、制御部214は、各部の動作を制御して、EMM取得処理を実行する。この初期スキャン時のEMM取得処理によって、LSSやNRTなどから、EMMが取得されることになる。なお、EMM取得処理の詳細な内容は、図45のフローチャートを参照して後述する。
【0322】
一方、ステップS105において、CA_SystemIdに、CAS方式のIDが指定されていないと判定された場合、処理は、ステップS107に進められる。ステップS107において、制御部214は、各部の動作を制御して、他のスクランブル方式のライセンス取得処理を実行する。すなわち、上述した図38で説明したように、本技術は、CAS方式以外の他のスクランブル方式にも適用可能であるため、他のスクランブル方式が用いられた場合には、当該スクランブル方式に応じたライセンス取得処理が実行されることになる。
【0323】
ステップS106又はS107の処理が終了すると、初期スキャン時EMM取得処理は終了する。以上、初期スキャン時EMM取得処理について説明した。
【0324】
(イベント発火時EMM取得処理)
次に、図44のフローチャートを参照して、図41の受信装置20により実行されるイベント発火時EMM取得処理について説明する。
【0325】
ステップS151において、制御部214は、EMM取得イベントの発火を待つ。また、ステップS152において、制御部214は、EMM取得イベントが発生したかどうかを判定する。ステップS152において、EMM取得イベントが未発生であると判定された場合、処理は、ステップS151に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0326】
すなわち、制御部214は、EMM取得イベントが発火するまで待機する。このEMM取得イベントとしては、例えば、タイマの計時により定時に発生するイベント(例えば、月1回発生するイベント)や、ユーザ操作イベント(例えば電源オンの操作イベント)が該当する。
【0327】
ステップS152において、EMM取得イベントが発生したと判定された場合、処理はステップS153に進められる。ステップS153において、制御部214は、各部の動作を制御して、EMM取得処理を実行する。このイベント発火時のEMM取得処理によって、LSSやNRTなどから、EMMが取得されることになる。なお、EMM取得処理の詳細な内容は、図45のフローチャートを参照して後述する。
【0328】
ステップS153の処理が終了すると、イベント発火時EMM取得処理は終了する。以上、イベント発火時EMM取得処理について説明した。
【0329】
(EMM取得処理)
次に、図45のフローチャートを参照して、図41の受信装置20により実行される、図43のステップS106又は図44のステップS153の処理に対応するEMM取得処理の詳細な内容について説明する。
【0330】
ステップS201において、制御部214は、CA_Descriptor(EMM取得情報)に記述されているLocationTypeを確認する。
【0331】
ステップS201の判定処理で、LocationType=LLSであると判定された場合、処理は、ステップS202に進められる。ステップS202において、制御部214は、LocationUriの示すURIに従い、Demux213を制御して、LLSからEMMを取得する。
【0332】
また、ステップS201の判定処理で、LocationType=Networkであると判定された場合、処理は、ステップS203に進められる。ステップS203において、制御部214は、LocationUriの示すURIに従い、通信I/F224を制御して、インターネット90を介してEMMサーバ50にアクセスし、EMMを取得する。
【0333】
また、ステップS201の判定処理で、LocationType=NRTであると判定された場合、処理は、ステップS204に進められる。ステップS204において、制御部214は、LocationUriの示すURIに従い、ファイル処理部222を制御して、NRTセッションで伝送されるEMMを取得する。
【0334】
ステップS202,S203,S204のいずれかの処理によってEMMが取得されると、処理は、ステップS205に進められる。ステップS205において、制御部214は、取得されたEMMを、NVRAM216に保存する。
【0335】
そして、ステップS205の処理が終了すると、処理は、図43のステップS106又は図44のステップS153の処理に戻り、それ以降の処理が実行される。以上、EMM取得処理の詳細な内容について説明した。
【0336】
(選局処理)
次に、図46のフローチャートを参照して、図41の受信装置20により実行される選局処理について説明する。
【0337】
ステップS301において、ユーザにより選局操作が実行されると、ステップS302において、制御部214は、NVRAM216に保存された初期スキャン情報(選局情報)を取得する。そして、制御部214は、初期スキャン情報に基づき、チューナ212を制御して、特定のサービスの選局処理を開始する。
【0338】
ステップS303において、制御部214は、ファイル処理部222から供給されるSCSから、シグナリング情報を取得する。ステップS304において、制御部214は、シグナリング情報として取得されたSPTに、ASD(Adjunct Service Descriptor)がないかどうかを判定する。
【0339】
ステップS304において、SPTにASDがないと判定された場合、処理はステップS305に進められる。ステップS305において、制御部214は、各部の動作を制御して、メインサービスコンポーネント取得処理を実行する。このメインサービスコンポーネント取得処理によって、メインサービスのコンポーネントが取得され、復号されることになる。なお、メインサービスコンポーネント取得処理の詳細な内容は、図47のフローチャートを参照して後述する。ステップS305の取得処理が終了すると、処理は、ステップS307の処理に進められる。
【0340】
一方、ステップS304において、SPTにASDがあると判定された場合、処理はステップS306に進められる。ステップS306において、制御部214は、各部の動作を制御して、アジャンクトサービスコンポーネント取得処理を実行する。このアジャンクトサービスコンポーネント取得処理によって、アジャンクトサービスのコンポーネントが取得され、復号されることになる。なお、アジャンクトサービスコンポーネント取得処理の詳細な内容は、図50のフローチャートを参照して後述する。ステップS306の取得処理が終了すると、ステップS305の処理に進められる。ステップS305の取得処理においては、上述したようにメインサービスのコンポーネントが取得される。
【0341】
このようにして、SPTにASDがない場合には、メインサービスのコンポーネントのみが取得され、SPTにASDがある場合には、メインサービスとアジャンクトサービスのコンポーネントが取得される。ステップS305の処理が終了すると、処理は、ステップS307の処理に進められる。
【0342】
ステップS307において、制御部214は、各部の動作を制御して、取得されたコンポーネントに対するレンダリング処理を行うことで、当該コンポーネントに対応する映像と音声を出力する。そして、ステップS307の処理が終了すると、選局処理は終了する。以上、選局処理について説明した。
【0343】
(メインサービスコンポーネント取得処理)
次に、図47のフローチャートを参照して、図41の受信装置20により実行される、図46のステップS305の処理に対応するメインサービスコンポーネント取得処理の詳細な内容について説明する。
【0344】
ステップS351において、制御部214は、メインサービスのSPTのCA_Descriptorから、ECM取得情報を取得する。ステップS352において、制御部214は、メインサービスのSPTのCA_Descriptorに、異なるグループのECM取得情報が記述されているかどうかを判定する。
【0345】
ステップS352において、異なるグループのECM取得情報が記述されていると判定された場合、処理はステップS353に進められる。ステップS353において、制御部214は、各部の動作を制御して、グループごとのECM取得処理を実行する。このグループごとのECM取得処理によって、LSSやNRTなどから、グループごとにECMが取得されることになる。なお、グループごとのECM取得処理の詳細な内容は、図48のフローチャートを参照して後述する。
【0346】
一方、ステップS352において、異なるグループのECM情報が記述されていないと判定された場合、処理は、ステップS354に進められる。ステップS354において、制御部214は、各部の動作を制御して、ECM取得処理を実行する。このECM取得処理によって、LSSやNRTなどから、ECMが取得されることになる。なお、ECM取得処理の詳細な内容は、図48のフローチャートを参照して後述する。
【0347】
ステップS353又はS354の処理によってECMが取得されると、処理は、ステップS355に進められる。ステップS355において、制御部214は、NVRAM216に保存されたEMMを読み出して、CA_System_ID,KW_ID,契約情報(ティアビット、グループID)が一致するEMMのワーク鍵(Kw)を用い、ECMのスクランブル鍵(Ks)を復号する。
【0348】
ステップS356において、制御部214は、デスクランブラ217を制御して、ステップS355の処理で得られたスクランブル鍵(Ks)を用い、メインサービスを構成する暗号化されたコンポーネントを復号する。これにより、メインサービスのコンポーネントが取得される。
【0349】
ステップS356の処理が終了すると、処理は、図46のステップS305に戻り、それ以降の処理が実行される。以上、メインサービスコンポーネント取得処理について説明した。
【0350】
(ECM取得処理)
次に、図48のフローチャートを参照して、図41の受信装置20により実行される、図47のステップS353又はS354の処理に対応するECM取得処理の詳細な内容について説明する。
【0351】
ステップS371において、制御部214は、CA_Descriptor(ECM取得情報)に記述されているLocationTypeを確認する。
【0352】
ステップS371の判定処理で、LocationType=LLSであると判定された場合、処理は、ステップS372に進められる。ステップS372において、制御部214は、LocationUriの示すURIに従い、Demux213を制御して、LLSからECMを取得する。
【0353】
また、ステップS371の判定処理で、LocationType=Networkであると判定された場合、処理は、ステップS373に進められる。ステップS373において、制御部214は、LocationUriの示すURIに従い、通信I/F224を制御して、インターネット90を介してECMサーバ60にアクセスし、ECMを取得する。
【0354】
また、ステップS371の判定処理で、LocationType=NRTであると判定された場合、処理は、ステップS374に進められる。ステップS374において、制御部214は、LocationUriの示すURIに従い、ファイル処理部222を制御して、NRTセッションで伝送されるECMを取得する。
【0355】
さらに、ステップS371の判定処理で、LocationType=component boxであると判定された場合、処理は、ステップS375に進められる。ステップS375において、制御部214は、LocationUriの示すURIに従い、Demux213を制御して、コンポーネントを利用して伝送されているECMを取得する。
【0356】
ステップS372,S373,S374,S375のいずれかの処理によってECMが取得されると、処理は、図47のステップS353又はS354に戻り、それ以降の処理が実行される。なお、図47のステップS353のグループごとのECM取得処理の場合、グループごとに、図48のECM取得処理が繰り返し実行され、LSSやNRTなどから、グループごとにECMが取得されることになる。
【0357】
以上、ECM取得処理の詳細な内容について説明した。
【0358】
(アジャンクトサービス出現処理)
次に、図49のフローチャートを参照して、図41の受信装置20により実行されるアジャンクトサービス出現処理について説明する。
【0359】
ステップS401において、ユーザにより選局操作が実行されると、ステップS402において、制御部214は、NVRAM216に保存された初期スキャン情報(選局情報)に基づき、チューナ212を制御して、特定のサービスの選局処理を実行する。この選局処理により、特定のサービスを構成するコンポーネントが取得され、その映像や音声が出力されることで、テレビ番組の視聴が可能となる(S403)。ただし、当該コンポーネントは暗号化されているため、スクランブル鍵(Ks)を用いて復号されてから、その映像や音声が出力される。
【0360】
ステップS404において、制御部214は、定期的に伝送されるSCSのシグナリング情報としてSPTを受信(取得)する。ステップS405において、制御部214は、ステップS405の処理で取得されたSPTに、ASD(Adjunct Service Descriptor)がないかどうかを判定する。
【0361】
ステップS405において、SPTにASDがあると判定された場合、処理は、ステップS406に進められる。ステップS406において、制御部214は、各部の動作を制御して、アジャンクトサービスコンポーネント取得処理を実行する。このアジャンクトサービスコンポーネント取得処理によって、アジャンクトサービスのコンポーネントが取得され、復号されることになる。これにより、アジャンクトサービスの映像や音声が出力される。なお、アジャンクトサービスコンポーネント取得処理の詳細な内容は、図50のフローチャートを参照して後述する。
【0362】
一方、ステップS405において、SPTにASDがないと判定された場合、処理はステップS407に進められる。ステップS407において、制御部214は、入力部215からの操作信号などに基づいて、視聴中のテレビ番組の視聴を終了するかどうかを判定する。
【0363】
ステップS407において、視聴中のテレビ番組の視聴を継続すると判定された場合、処理はステップS403の処理に戻り、上述した処理が繰り返される。すなわち、テレビ番組の視聴中に受信されたSPTにASDが記述されている場合には、アジャンクトサービスのコンポーネントが取得されて復号され、その映像や音声が出力されることになる。
【0364】
そして、ステップS407において、視聴中のテレビ番組の視聴を終了すると判定された場合、アジャンクトサービス出現処理は終了する。以上、アジャンクトサービス出現処理について説明した。
【0365】
(アジャンクトサービスコンポーネント取得処理)
最後に、図50のフローチャートを参照して、図41の受信装置20により実行される、図46のステップS306又は図49のステップS406の処理に対応するアジャンクトサービスコンポーネント取得処理について説明する。
【0366】
ステップS451において、制御部214は、メインサービスのSPTのASD(Adjunct Service Descriptor)のselectionFlagが"adjunct"であるかどうかを判定する。
【0367】
ステップS451において、ASDのselectionFlagが"adjunct"であると判定された場合、処理は、ステップS452に進められる。ステップS452において、制御部214は、ASDのトリプレットに従い、アジャンクトサービスのSCSからシグナリング情報(SPT)を取得する。ステップS453において、制御部214は、アジャンクトサービスのSPTのCA_DescriptorからECM取得情報を取得する。
【0368】
一方、ステップS451において、ASDのselectionFlagが"adjunct"ではない、すなわち、selectionFlagが"main"であると判定された場合、処理は、ステップS454に進められる。ステップS454において、制御部214は、メインサービスのSPTのCA_DescriptorからECM取得情報を取得する。
【0369】
ステップS453又はS454の処理によってECM取得情報が取得されると、処理は、ステップS455に進められる。ステップS455において、制御部214は、各CA_Descriptorに、異なるグループのECM取得情報が記述されているかどうかを判定する。
【0370】
ステップS455において、異なるグループのECM取得情報が記述されていると判定された場合、処理はステップS456に進められる。ステップS456において、制御部214は、各部の動作を制御して、図48のECM取得処理を実行する。このECM取得処理(図48)を、グループごとに繰り返し実行することで、CA_Descriptor(ECM取得情報)のLocationTypeやLocationUriに応じて、LSSやNRTなどから、グループごとにECMが取得されることになる。
【0371】
一方、ステップS455において、異なるグループのECM取得情報が記述されていないと判定された場合、処理はステップS457に進められる。ステップS457において、制御部214は、各部の動作を制御して、図48のECM取得処理を実行する。このECM取得処理によって、CA_Descriptor(ECM取得情報)のLocationTypeやLocationUriに応じて、LSSやNRTなどから、ECMが取得されることになる。
【0372】
ステップS456又はS457の処理によってECMが取得されると、処理は、ステップS458に進められる。ステップS458において、制御部214は、NVRAM216に保存されたEMMを読み出して、CA_System_ID,KW_ID,契約情報(ティアビット、グループID)が一致するEMMのワーク鍵(Kw)を用い、ECMのスクランブル鍵(Ks)を復号する。
【0373】
ステップS459において、制御部214は、デスクランブラ217を制御して、ステップS458の処理で得られたスクランブル鍵(Ks)を用い、アジャンクトサービスを構成する暗号化されたコンポーネントを復号する。これにより、アジャンクトサービスのコンポーネントが取得される。
【0374】
ステップS459の処理が終了すると、処理は、図46のステップS306又は図49のステップS406の処理に戻り、それ以降の処理が実行される。以上、アジャンクトサービスコンポーネント取得処理について説明した。
【0375】
<9.コンピュータの構成>
【0376】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0377】
図51は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示す図である。
【0378】
コンピュータ900において、CPU(Central Processing Unit)901,ROM(Read Only Memory)902,RAM(Random Access Memory)903は、バス904により相互に接続されている。バス904には、さらに、入出力インターフェース905が接続されている。入出力インターフェース905には、入力部906、出力部907、記録部908、通信部909、及びドライブ910が接続されている。
【0379】
入力部906は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部907は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部908は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部909は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ910は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア911を駆動する。
【0380】
以上のように構成されるコンピュータ900では、CPU901が、例えば、記録部908に記憶されているプログラムを、入出力インターフェース905及びバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0381】
コンピュータ900(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア911に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0382】
コンピュータ900では、プログラムは、リムーバブルメディア911をドライブ910に装着することにより、入出力インターフェース905を介して、記録部908にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部909で受信し、記録部908にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM902や記録部908に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0383】
なお、コンピュータ900が実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0384】
ここで、本明細書において、コンピュータ900に各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0385】
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
【0386】
さらに、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0387】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0388】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0389】
なお、本技術は、以下のような構成をとることができる。
【0390】
(1)
IP(Internet Protocol)伝送方式を用いたデジタル放送の放送波を受信する受信部と、
前記放送波によって、前記IP伝送方式のプロトコルの階層における第1の階層で伝送される第1の制御信号に応じて取得される第1の鍵を用い、前記第1の階層よりも上位の階層となる第2の階層で伝送される第2の制御信号に応じて取得される第2の鍵を復号する第1の復号部と、
復号された前記第2の鍵を用い、前記放送波から得られるストリームに含まれる特定のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントを復号する第2の復号部と
を備える受信装置。
(2)
前記第1の制御信号は、前記第1の鍵を少なくとも含む第1の記述子を取得するためのロケーション情報が記述された第1のシグナリング情報を伝送し、
前記第2の制御信号は、前記第2の鍵を少なくとも含む第2の記述子を取得するためのロケーション情報が記述された第2のシグナリング情報を伝送し、
前記第1のシグナリング情報に記述されたロケーション情報に従い、前記第1の記述子が取得され、
前記第2のシグナリング情報に記述されたロケーション情報に従い、前記第2の記述子が取得される
(1)に記載の受信装置。
(3)
前記第1の記述子は、前記第1の制御信号、通信網、又は、NRT(Non-RealTime)放送を利用して伝送され、
前記第2の記述子は、前記第2の制御信号、通信網、NRT放送、又は、前記コンポーネントを利用して伝送される
(2)に記載の受信装置。
(4)
前記暗号化の方式は、CAS(Conditional Access System)方式に準じており、
前記第1の記述子は、EMM(Entitlement Management Message)であり、
前記第2の記述子は、ECM(Entitlement Control Message)であり、
前記第1の鍵は、第3の鍵で暗号化されている
(2)又は(3)に記載の受信装置。
(5)
前記EMMと前記ECMには、前記コンポーネントごとの視聴可否を確認可能な契約情報がさらに含まれる
(4)に記載の受信装置。
(6)
前記EMMと前記ECMには、特定のグループを識別するためのグループIDがさらに含まれる
(4)又は(5)に記載の受信装置。
(7)
複数のEMM又は複数のECMの中から、前記グループIDにより識別される特定のグループのEMM又はECMが用いられる
(6)に記載の受信装置。
(8)
第1のサービスと、前記第1のサービスに関連した第2のサービスが提供されており、
前記第1のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントは、前記第1のサービスのECMから取得される前記第2の鍵を用いて復号され、
前記第2のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントは、前記第1のサービスのECM又は前記第2のサービスのECMから取得される前記第2の鍵を用いて復号される
(4)に記載の受信装置。
(9)
前記IP伝送方式のプロトコルの階層のうち、前記第2の階層は、IP層よりも上位の階層となり、
各サービスを構成する暗号化されたコンポーネントと、前記第2の制御信号には、共通のIPアドレスが割り当てられる
(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の受信装置。
(10)
受信装置の受信方法において、
前記受信装置が、
IP伝送方式を用いたデジタル放送の放送波を受信し、
前記放送波によって、前記IP伝送方式のプロトコルの階層における第1の階層で伝送される第1の制御信号に応じて取得される第1の鍵を用い、前記第1の階層よりも上位の階層となる第2の階層で伝送される第2の制御信号に応じて取得される第2の鍵を復号し、
復号された前記第2の鍵を用い、前記放送波から得られるストリームに含まれる特定のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントを復号する
ステップを含む受信方法。
(11)
各種のサービスを構成する1又は複数のコンポーネントを取得する第1の取得部と、
第1の鍵を取得するための第1の制御信号と、第2の鍵を取得するための第2の制御信号を取得する第2の取得部と、
前記第1の鍵により暗号化される前記第2の鍵を用い、前記コンポーネントを暗号化する暗号化部と、
特定のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントと、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号とからなるストリームを含むIP伝送方式を用いた放送波であって、前記IP伝送方式のプロトコルの階層における第1の階層で前記第1の制御信号が伝送され、前記第1の階層よりも上位の階層となる第2の階層で前記第2の制御信号が伝送される放送波を送信する送信部と
を備える送信装置。
(12)
前記第1の制御信号は、前記第1の鍵を少なくとも含む第1の記述子を取得するためのロケーション情報が記述された第1のシグナリング情報を伝送し、
前記第2の制御信号は、前記第2の鍵を少なくとも含む第2の記述子を取得するためのロケーション情報が記述された第2のシグナリング情報を伝送する
(11)に記載の送信装置。
(13)
前記第1の記述子は、前記第1の制御信号、通信網、又は、NRT放送を利用して伝送され、
前記第2の記述子は、前記第2の制御信号、通信網、NRT放送、又は、前記コンポーネントを利用して伝送される
(12)に記載の送信装置。
(14)
前記暗号化の方式は、CAS方式に準じており、
前記第1の記述子は、EMMであり、
前記第2の記述子は、ECMであり、
前記第1の鍵は、第3の鍵で暗号化されている
(12)又は(13)に記載の送信装置。
(15)
前記EMMと前記ECMには、前記コンポーネントごとの視聴可否を確認可能な契約情報がさらに含まれる
(14)に記載の送信装置。
(16)
前記EMMと前記ECMには、特定のグループを識別するためのグループIDがさらに含まれる
(14)又は(15)に記載の送信装置。
(17)
複数のEMM又は複数のECMの中から、前記グループIDにより識別される特定のグループのEMM又はECMが用いられる
(16)に記載の送信装置。
(18)
第1のサービスと、前記第1のサービスに関連した第2のサービスが提供されており、
前記第1のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントは、前記第1のサービスのECMから取得される前記第2の鍵を用いて復号され、
前記第2のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントは、前記第1のサービスのECM又は前記第2のサービスのECMから取得される前記第2の鍵を用いて復号される
(14)に記載の送信装置。
(19)
前記IP伝送方式のプロトコルの階層のうち、前記第2の階層は、IP層よりも上位の階層となり、
各サービスを構成する暗号化されたコンポーネントと、前記第2の制御信号には、共通のIPアドレスが割り当てられる
(11)乃至(18)のいずれか一項に記載の送信装置。
(20)
送信装置の送信方法において、
前記送信装置が、
各種のサービスを構成する1又は複数のコンポーネントを取得し、
第1の鍵を取得するための第1の制御信号と、第2の鍵を取得するための第2の制御信号を取得し、
前記第1の鍵により暗号化される前記第2の鍵を用い、前記コンポーネントを暗号化し、
特定のサービスを構成する暗号化されたコンポーネントと、前記第1の制御信号及び前記第2の制御信号とからなるストリームを含むIP伝送方式を用いた放送波であって、前記IP伝送方式のプロトコルの階層における第1の階層で前記第1の制御信号が伝送され、前記第1の階層よりも上位の階層となる第2の階層で前記第2の制御信号が伝送される放送波を送信する
ステップを含む送信方法。
【符号の説明】
【0391】
1 放送通信システム, 10 送信装置, 20 受信装置, 50 EMMサーバ, 60 ECMサーバ, 90 インターネット, 111 ビデオデータ取得部, 113 オーディオデータ取得部, 115 ファイルデータ取得部, 117 スクランブラ, 118 制御信号取得部, 120 Mux, 121 送信部, 212 チューナ, 213 Demux, 214 制御部, 216 NVRAM, 218 ビデオデコーダ, 219 ビデオ出力部, 220 オーディオデコーダ, 221 オーディオ出力部, 222 ファイル処理部, 224 通信I/F, 900 コンピュータ, 901 CPU
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