(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記撮影制御手段による制御によって前記カメラで撮影された撮影画像を前記光源の種類と関連付けて前記携帯端末の画面に表示させる表示制御手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の携帯型撮影装置。
前記表示制御手段は、前記カメラによって撮影された撮影画像を、当該撮影画像の波長成分によって波長の異なる前記光源の種類と関連付けて前記携帯端末の画面に表示させることを特徴とする請求項2に記載の携帯型撮影装置。
前記レンズモジュールの前記光源制御手段は、全光源を所定時間消灯させた状態と、前記複数種類の光源のうちの1種類の光源が点灯した状態とを、点灯する光源の種類を変えて繰り返す制御を行い、
前記検出手段が全光源の消灯を検出した後で前記光源の点灯を検出した場合に、前記点灯した光源に同期して前記撮影制御手段が前記カメラを撮影制御することを特徴とする請求項1に記載の携帯型撮影装置。
前記レンズモジュールの前記光源制御手段は、全光源を所定時間消灯させた状態から前記複数種類の光源を順次所定時間点灯させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の携帯型撮影装置。
前記レンズモジュールの前記光源制御手段は、全光源を所定時間消灯させた状態と、前記複数種類の光源のうちの1種類の光源が点灯した状態とを繰り返す制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の携帯型撮影装置。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
この実施の形態の携帯型撮影装置は、
図1〜
図7Bに示すように、デジタルカメラ(撮像素子を備える
図2に示すカメラ2)を備えた携帯型電子機器(携帯端末)としてのスマートフォン1(
図1および
図7Aに図示)と、スマートフォン1のカメラ2に装着されて肌24(
図7Aに図示)を拡大して接写するための2枚のレンズ11a,11b(
図3〜
図5、
図7Aに図示)からなるコンバージョンレンズ11および撮影の照明用のLED12,13(
図3〜
図7Aに図示)を備えたレンズモジュール10とからなるものである。
【0029】
なお、
図1、
図2において、レンズモジュール10は、コンバージョンレンズ11を支持するバレル20a(
図3〜
図5に図示)を備える後述のレンズ筐体20の部分を除いた筐体10aの前面部分を図示せずに内部の電池17、電源スイッチ19、電子回路部16aが実装される回路基板16bが見える状態で図示している。
【0030】
レンズモジュール10は、筐体10aを備え、筐体10aは、レンズ筐体20を除いて、扁平な箱状に形成され、スマートフォン1のディスプレイ(図示略)が設けられた正面の反対側である背面のカメラ2のレンズ部分にコンバージョンレンズ11を重ね合わせるように配置される。
【0031】
この筐体10aのスマートフォン1への固定は、例えば、クリップ式やバンド式で行われる。クリップ式は、例えば、レンズモジュール10に、レンズモジュール10との間にスマートフォン1を挟み込むクリップ部材(図示略)を設けたものである。すなわち、レンズモジュール10と、このレンズモジュール10に固定されたクリップ部材との間に弾性力によりスマートフォン1を挟むものである。
【0032】
この場合に、レンズモジュール10をスマートフォン1の背面に対して、許容範囲内で縦横に移動可能になっており、スマートフォン1の各機種のカメラ2の配置に対応可能になっている。
バンド式は、例えば、腕時計のバンドのように、レンズモジュールにゴムバンド等の伸び縮みするバンド(図示略)を取り付け、スマートフォン1をバンド内に挿入することで、レンズモジュール10をスマートフォン1に奏略するものであり、この場合もコンバージョンレンズ11をスマートフォン1の背面に対して縦横に移動可能になっている。
【0033】
レンズモジュール10は、上述のコンバージョンレンズ11およびLED12,13と、LED12を駆動するLED駆動回路14(
図7Aに図示)と、LED13を駆動するLED駆動回路15(
図7に図示)とを備える。
また、レンズモジュール10は、
図4、
図5の示すようにコンバージョンレンズ11が収納されるレンズ筐体20を備える。レンズ筐体20は、コンバージョンレンズ11を支持するバレル20aを基端側(カメラ2に装着される側)に備え、先端面が肌24の撮影時に肌24に当接する当接部20bとされ、当接部20bが肌24に当接した状態で外光を遮るようになっている。また、当接部20bには、矩形状(略正方形状)の開口部20cが形成され、肌24の開口部20cに臨む部分が撮影されるようになっている。
【0034】
図3〜
図5に示すように、バレル20aは、レンズ11aおよびレンズ11bからなるコンバージョンレンズ11を支持した状態で、レンズ筐体20の基端部(カメラ2に装着される側の端部)内に固定されている。また、バレル20aの基端部には、後述の第2偏光板22が設けられている。また、レンズ筐体20内には、当接部20bの開口部20cに向けて撮影用の照明光を照射するLED12,13を備えたLED基板12a(
図3〜
図6に図示)が支持されている。
【0035】
LED12,13は、LED基板12aに設けられている。また、後述のように肌24のキメを撮影するためのLED13が一つで、肌24のシミを撮影するためのLED12が2つとされている。また、LED基板12aの2つのLED12は、後述の第1偏光板21に覆われた状態となっている。また、LED駆動回路14,15もLED基板12aに設けられている。なお、LED駆動回路14,15が回路基板16bに設けられていてもよい。
【0036】
なお、
図3〜
図5に示すように、LED基板12aは、そのLED12,13がレンズ筐体20の開口部20cに臨む肌24を直接照明するように配置されているが、ハーフミラーで反射させることにより、LED12,13の光が開口部20cに臨む肌24に照射されるようにしてもよい。
【0037】
また、レンズモジュール10は、筐体10aに固定された回路基板16bに、LED駆動回路14,15、CPU16等に電力を供給する電池17を備えた電源回路18(
図7Aに図示)と、電源スイッチ19を備える。なお、電池17として円板状のボタン電池を図示したが、電池は、例えば、単4電池であってもよい。電源スイッチ19はスライド式、プッシュ式等各種スイッチを用いることができる。電源スイッチ19を設ける場所も肌レンズ10の筺体部分に限らず、肌に当接する当接部にプッシュ式の電源スイッチを設けることもできる。このプッシュ式の電源スイッチは肌に当接することによりスイッチが入るものとしてもよい。この場合シリコーンゴムからなる接触部材が外側に付勢された状態で当接部から突出しており、接触部材が肌に当たることにより電源スイッチがONとなり、離した時にOFFとなるように構成する。また、より強い力で付勢しておき、手で押し込んで長押しでON、OFFとしてもよい。この場合は、肌に当てても電源スイッチは入らない。
【0038】
また、上述の二つのLED12,13は、発光色が少し異なり、LED12は、肌24のシミの撮像に用いられるもので、発光色が略白となっている。それに対して、LED13は、肌24のキメの撮像に用いられるもので、LED12の発光色に対して黄色が強く肌色に近い色になっている。
【0039】
また、シミ撮影用のLED12に第1偏光板21が設けられ、コンバージョンレンズ11と、カメラ2との間に第2偏光板22が設けられている。これは、肌24の表面より少し下にあるシミを撮影するためのもので、これら偏光板21,22により、LED12で肌24のシミを撮影する際の肌24内部の反射光より、肌24表面の反射光を大きく低減させ、シミが撮影され易くするものである。なお、第1偏光板21と、第2偏光板22では、偏光方向が直交している。LED12の光は第1偏光板21を通過して偏光され、この偏光は、肌24で反射されても維持され、第2偏光板22を通過困難な状態となる。それに対して肌24内部で反射した光は、偏光がなくなり、第2偏光板22を通過する。なお、偏光板21,22を設けなくてもよい。
【0040】
このようなレンズモジュール10では、電子回路部のCPU16の制御により、キメの撮影時にLED13を発光(点灯)させるとともにLED12を消灯したままの状態とし、シミの撮影時にLED12を発光させるとともにLED13を消灯したままとする。
【0041】
スマートフォン1は、周知の通り携帯電話としての機能を有し、無線回線を用いた通話が可能となっている。また、スマートフォン1は、図示しないディスプレイを有するとともに、無線回線によりインターネットに接続可能であり、インターネットを介してeメールの送受信が可能で、アプリケーション(アプリ)としてのブラウザによりウェブサイトの閲覧が可能になっている。また、例えば、ウェブサイト等のサーバーに対してファイルのアップロードが可能で、ウェブサイト等のサーバーからファイルのダウンロードが可能になっている。
【0042】
また、スマートフォン1には、CPU、ROM、RAM等を有する制御手段(
図7Aに図示)3を備え、プログラムとしてのアプリを実行可能になっている。また、制御手段3には、記憶装置としてのフラッシュメモリ4が接続されており、ダウンロードとしたアプリや、音楽ファイル、動画ファイル、静止画ファイル等、アプリ(プログラム)を保存可能になっている。
また、制御手段3は、カメラ2を制御して撮影(撮像)が可能であるとともに、撮像した画像データをフラッシュメモリ4に保存することができる。また、画像処理や画像解析用のアプリにより画像データの解析や処理が可能である。
カメラ2は、撮像素子を有し、静止画、動画の撮影が可能であり、例えば、30fps等の設定されたフレームレートで画像を撮影する。
【0043】
さらに、制御手段3は、LED12,13の点灯および消灯を検出する点消灯検出手段3aと、点消灯検出手段3aによってそれぞれのLED12,13の点灯および消灯が検出された際に、カメラ2による撮影を制御する撮影制御手段3bと、この撮影制御手段3bによる制御によってカメラ2で撮影された撮影画像をLED12,13に関連付けて携帯端末の画面に表示させる表示制御手段3cとを備えている。
【0044】
肌レンズ(レンズモジュール)10は、前記コンバージョンレンズ11およびLED12,13と、LED12を駆動するLED駆動回路14と、LED13を駆動するLED駆動回路15とを備えている。また、レンズモジュール10は、LED駆動回路14,15を介してLED12,13の点灯と消灯を制御する光源制御手段としてのCPU16を備えている。なお、CPU16は、実際にはCPU単体ではなく、ROM、RAM等の記憶手段を備えるワンチップマイコン(ICチップ)である。
【0045】
また、肌レンズ(レンズモジュール)10は、LED駆動回路14,15、CPU16等に電力を供給する電池17を備えた電源回路18と、電源スイッチ19を備えている。
また、肌レンズ(レンズモジュール)10は、コンバージョンレンズ11の鏡筒20を備える。鏡筒20は、コンバージョンレンズ11を支持するとともに、フードとして機能し、先端面が肌に接触した状態で外光を遮るようになっている。
【0046】
(第1例)
次に、第1の実施の形態の携帯型撮影装置によって、人の顔の肌を撮影する方法の制御シーケンスの第1例について
図8を参照して説明する。
まず、撮影者(ユーザ)は、スマートフォン1の電源をONにした後、その画面で「簡易肌診断」というアプリを選択する(ステップUS1)。
すると、スマートフォン1の撮影処理がスタートする(ステップSS1)。スマートフォン1の画面には、「肌レンズの電源をONにして、肌にセットしてください。準備ができたら撮影ボタンにタッチして下さい」とのメッセージが表示される(ステップSS1)。このメッセージは音声によるものでもよく、併用してもよい。
【0047】
肌レンズ10では、電源スイッチをONとすると(ステップHS1)、当該肌レンズ10が初期化処理され(ステップHS2)、LEDの点滅モードを開始する。すなわち、CPU(光源制御手段)16は、2種類のLED12,13の点灯と消灯を所定時間ごとに順次繰り返して行う制御を行う。
まずきめ撮影用のLED13を2秒間点灯させた(ステップHS3)後、当該LED13を0.5秒間消灯させる(ステップHS4)。次に、しみ撮影用のLED12を2秒間点灯させた(ステップHS5)後、当該LED12を0.5秒間消灯させる(ステップHS4)。
その後、ステップHS3〜ステップHS5を順次繰り返して行い、初期化処理(ステップHS2)から30秒経過したら(ステップHS6)、CPU16は電源をOFF処理する(ステップHS7)。ステップHS6で30秒経過していなかった場合、ステップHS3〜ステップHS5を順次繰り返して行い、30秒経過したら(ステップHS6)、CPU16は電源をOFF処理する(ステップHS7)。
このように、肌レンズ10では、LED13,12の点灯と消灯を所定時間(点灯2秒間、消灯0.5秒間)ごとに順次繰り返して行っている。
【0048】
ここで、肌レンズ10(レンズモジュール)の電池17が消耗してきた場合、ステップHS6で30秒経過し、ステップHS7で電源をOFFにする前に、LED12,13のうちの少なくともいずれか一方を、所定間隔(例えば0.2秒間隔)の点滅を所定時間(例えば3秒間)行い、これによりユーザーに電池が消耗していることを報知する。この場合、予めLED駆動回路14,15に前記のような点滅処理を設定しておき、肌レンズ10のCPU16が電池17の消耗を電源回路18を介して検知した場合に、LED駆動回路14,15に指示して、LED12,13を前記のようにして点滅させればよい。このように構成すれば、ユーザーに電池17の消耗を知らせるための特別な表示機能を要することなく、電池17の消耗を確実に報知できる。
この場合、電源回路18に電池電圧低下検出回路などの電源電圧監視手段が設けられ、電池17の電圧が設定された基準電圧以下となった場合に信号を出力する機能を有するものである。
【0049】
また、消耗してきた電池17では、LED12,13が点滅を始めると、急激に電圧低下が起こり、前記ステップHS6での30秒経過前に、電源回路18に設けられた電池電圧低下検出回路が働き、CPU16の指示によってLED点滅動作が停止される場合がある。このような電池17が消耗した状態での、規定時間(30秒)より少ない時間でのLED点滅終了を防止するために以下のような処理を行う。すなわち、前記ステップHS6での30秒の間に一度でも電池電圧低下が前記電池電圧低下検出回路を介してCPU16で検知された場合、この情報をフラグ情報として、肌レンズ10に設けた図示しない不揮発性メモリに記録する。
そして、次回電源スイッチ19を押下した際に、前記フラグ情報があれば、CPU16がLED駆動回路14,15に指示してLED12,13の肌撮影用の点灯を行わないようにする。不揮発性メモリに記録されている前記フラグは、新品の電池17に交換され、例えば電池電圧が4.3V以上になったことを検出した場合、当該不揮発性メモリからクリア(削除)される。
このような電池17の消耗をユーザーに報知する機能および電池17が消耗した状態での、規定時間(30秒)より少ないLED点滅を防止するための機能は後述する第2例〜第8例でも同様に行える。
【0050】
肌レンズでの上記LEDの点滅モード中に、撮影者は肌に携帯型撮影装置をセット(ステップUS2)したうえで、スマートフォンの画面に表示される撮影ボタンをタッチする(ステップUS3)。
撮影操作中にユーザーは画面を見ることが困難である。そのため、画面中の撮影ボタンはユーザーが画面を見なくてもタッチできるように、かつ、画面中に表示された他のボタンを触れて誤操作しないようになっている。すなわち、
図7B(a)に示すように、スマートフォン1を手で保持しつつ人差し指で撮影ボタン1aをタッチすることを想定して、画面の上段部分に撮影ボタン1aを表示している。撮影ボタン1aは上端から画面縦サイズの1/5〜1/3の範囲が望ましい。
また、右手で操作するユーザーに対しては、
図7B(b)に示すように、画面の上記範囲の中で右半分、好ましくは画面右端から左に1/4〜1/2の範囲に撮影ボタン1bを配置するのが望ましい。左手で操作するユーザーに対してはこの対称の位置に撮影ボタン1bが配置されるのが好ましい。これは、ユーザーが手鏡を利用してカメラの撮影画面を見ながら操作することを想定した場合に有効な方法である。
さらに、撮影をキャンセルするボタンを画面に配置することも必要であるが、ユーザーが撮影時に最も誤って触れにくい部分に配置することが必要である。ユーザーがスマホを保持して肌に当てながら撮影ボタンを人差し指で触れるということを考慮すれば、画面の下半分の位置、画面下端から縦画面サイズの1/3の位置に配置するのが好ましい。また取消の際にはユーザーが画面を見て操作するのが通例であるため、画面下端から縦画面サイズの1/5の位置が視覚的にも好ましい。
ユーザーが撮影ボタンをタッチすると、音声により「撮影を開始します。そのまま5秒間お待ちください」とのメッセージがユーザー向けに案内される(ステップSS3)。
【0051】
前記スマートフォン1では、ステップSS3の後、点消灯検出手段3aがLED12,13の消灯を確認するまで待ち状態となる(ステップSS4)。ステップSS4でLED12,13の消灯を確認した後、点消灯検出手段3aがきめ撮影用のLED13の光の波長を検出することによって、当該LED13が点灯しているのを検出する(ステップSS5)。次に、撮影制御手段3bが、当該LED13の点灯時間(2秒)を考慮して、点灯時間内の適切な時間に前記カメラ2を撮影制御する(ステップSS6)。つまり、カメラ2のシャッター音を発生させ静止画像を取り込む。これによって、きめ用の撮影画像を得ることができる。
【0052】
次に、点消灯検出手段3aがLED12,13の消灯を確認するまで待ち状態となる(ステップSS7)。消灯が確認できたら、点消灯検出手段3aがしみ撮影用のLED12を、その光の波長を検出することによって、当該LED12が点灯しているのを検出する(ステップSS8)。次に、撮影制御手段3bが、当該LED12の点灯時間(2秒)を考慮して、点灯時間内の適切な時間に前記カメラ2を撮影制御する(ステップSS9)。つまり、カメラ2のシャッター音を発生させ静止画像を取り込む。これによって、しみ用の撮影画像を得ることができる。
【0053】
次に、表示制御手段3cが前記カメラ2で撮影されたきめ用としみ用の2種類の撮影画像を、LED13,12と関連付けてスマートフォン1の画面に表示させる(ステップSS10)。つまり、表示される撮影画像がLED13を光源として撮影されたきめ用の画像であるか、LED12を光源として撮影されたしみ用の画像であるかを区別して表示させる。
ステップSS6でカメラ2によって撮影された画像は、きめ用の画像であり、ステップSS8でカメラ2によって撮影された画像は、しみ用の画像であるため、それぞれカメラ2で撮影された画像を、きめ用としてメモリ4に保存するとともに、しみ用としてメモリ4に保存する。したがって、メモリ4からそれぞれの画像を読み込むことによって、スマートフォン1の画面に、きめ用の撮影画像としみ用の撮影画像を表示できる。
この表示が終了したら、スマートフォン1では撮影処理を終了するか、再撮影を行うか、撮影者が次のアプリケーション処理を選択するか、いずれかをユーザーは選択する。
図8のフローでは撮影者が次のアプリケーション処理を選択し(US4)、次のアプリケーション処理へと移行する場合を記載している(ステップSS11)。
【0054】
なお、本例では、きめ撮影の後、しみ撮影となっているが、逆であってもかまわない。
また、スマートフォン1にはさまざまな機種があり、LEDの波長検出および、撮影カメラ制御処理の時間は、機種によって異なる。もっとも時間がかかる機種を考慮して、本例では、LED点灯時間は2秒間としているが、実質的には1秒程度としても問題はない。
このように本実施の形態ではLED点灯時間を2秒間としているが、点灯必要時間は、スマートフォン1のカメラ性能に依存する。スマートフォン1のカメラ2において、フォーカス調整に比較的長時間を要する場合、LED点灯時間を長時間に設定する必要がある一方、フォーカス調整が素早いスマートフォン1では、LED点灯時間が長時間であるために、待ち時間が長くなるという弊害がある。
そこで、LED点灯時間を変更できる機能を追加してもよい。例えば、レンズモジュール10のLED駆動回路14,15に予め複数の点灯時間(例えば、1.5秒、2.0秒、2.5秒、3.0秒)を設定しておき、電源スイッチ19を長押し(例えば5秒)すると、それをCPU16が検知して、LED駆動回路14,15に指示して、LED点灯時間を順次(例えば、1.5秒、2.0秒、2.5秒、3.0秒の順に)変更する(切り替える)ように構成すればよい。
このように構成すれば、電源19を長押しするたびにLED点灯時間を変更できるので、スマートフォン1のカメラ性能(フォーカス性能)に応じて、適切なLED点灯時間を設定できる。
このようなLED点灯時間の変更機能は、後述する第2例〜第8例でも同様に追加することができる。
また、LED点灯時間を変更した場合、その変更をユーザーに報知する必要があるが、この報知は例えば、電源スイッチ19に複数種類の光を発光可能なLEDを設けておき、複数の点灯時間とLEDの複数の発光色とをそれぞれ対応付けておき、電源スイッチ19を長押しするたびにLEDの発光色が変わるように構成すればよい。
また、レンズモジュール10の適当な部位にLED点灯時間に応じた複数のLEDを設けておき、電源スイッチ19を長押しするたびに、LED点灯時間に対応するLEDが点灯するにように構成してもよい。
【0055】
また、図示は省略しているが、きめ撮影用のLED13の波長検出後に、しみ撮影用のLED12波長を検出しなかった場合は、きめ撮影用のLED13の波長検出時に、たまたま、外光をきめ撮影用のLED13と判別した可能性があり、その場合は、処理をやり直すことになる。
【0056】
本例によれば、光源制御手段(CPU)16が、LED13,12の光源の点灯と消灯を所定時間ごとに順次繰り返して行う制御を行っている場合に、点消灯検出手段3aによって、LED12,13のそれぞれの点灯が検出された際に、撮影制御手段3bがカメラ2に撮影させ、LED12,13の消灯が検出された際に、点消灯検出手段3aがLED12またはLED13の波長を検出するまで、カメラの撮影を待機させるので、確実にカメラ2できめ用としみ用の肌の撮影をすることができる。
また、表示制御手段3cによって、カメラ2で撮影された撮影画像をLED12またはLED13と関連付けてスマートフォン1の画面に表示させるので、ユーザーは画面に表示された撮影画像の種類を容易に確認できる。つまり、ユーザーはきめ用の撮影画像であるのか、しみ用の撮影画像であるのかを容易に確認できる。
【0057】
(第2例)
前記第1例では、きめ撮影用のLED13の波長を検出して、きめ撮影をカメラ2で行った後、LED13,12の消灯確認をした後、しみ撮影用のLED12の波長検出を行っている。
この方式の利点は、スマートフォン1の性能向上等により、LED波長検出、および撮影のカメラ制御時間が短くなり、しみ撮影用のLED12、およびきめ撮影用のLED13の点灯時間2秒間を、肌レンズ10側で短くした機種が出てきても、スマートフォン1側のソフトは、変更せずに、どちらの肌レンズ機種も扱えるという点にある。一方、将来にわたって、しみ撮影用のLED12、およびきめ撮影用のLED13の点灯時間2秒間を変更しないのであれば、きめ撮影用のLED13の点灯時間が2秒間であることを前提として、その後のLED12,13の0.5秒間消灯を省いても良い。この場合の制御シーケンスを以下に示す。つまり、第1の実施の形態の携帯型撮影装置によって、人の顔の肌を撮影する方法の制御シーケンスの第2例について
図9を参照して説明する。
【0058】
まず、本例では、前記ステップUS1〜ステップUS4まで、前記ステップSS1〜ステップSS3までは、前記第1例と同様であるので、その説明を省略する。
肌レンズ10では、初期化処理後、CPU(光源制御手段)16は、2種類のLED13,12を順次所定時間(2秒間)点灯させるとともに、LED13,12の点灯後、LED13,12を所定時間(0.5秒間)消灯させる制御を繰り返して行う。
【0059】
すなわち、CPU16が、まずきめ撮影用のLED13を2秒間点灯させた(ステップHS13)後、当該LED13を消灯するとともに、しみ撮影用のLED12を2秒間点灯させる(ステップHS14)。LED13の消灯とともに、LED12を点灯させるので、LED13とLED12との間の点灯、消灯において、LED13,12の双方とも消灯していることはない。その後、LED13,12を0.5秒間消灯させる(ステップHS15)。
そして、ステップHS13〜ステップHS15を順次繰り返して行い、初期化処理(ステップHS2)から30秒経過したら(ステップHS16)、CPU16は電源をOFF処理する(ステップHS17)。ステップHS16で30秒経過していなかった場合、ステップHS13〜ステップHS15を順次繰り返して行い、30秒経過したら(ステップHS16)、CPU16は電源をOFF処理する(ステップHS17)。
【0060】
このように、肌レンズ10では、LED13,12を順次所定時間(2秒間)点灯させるとともに、LED13,12の点灯後、LED13,12を所定時間(0.5秒間)消灯させる制御を繰り返し行っている。
【0061】
前記スマートフォン1では、ステップSS3の後、点消灯検出手段3aがLED12,13の消灯を確認するまで待ち状態となる(ステップSS14)。ステップSS14でLED12,13の消灯を確認した後、点消灯検出手段3aがきめ撮影用のLED13の光の波長を検出することによって、当該LED13が点灯しているのを検出する(ステップSS15)。
次に、タイマーをスタートさせる(ステップSS16)。このタイマーはスマートフォン1に時計機能として内蔵されており、前記制御手段3がタイマーのON・OFF制御およびタイマーの経過時間を検出可能となっている。
タイマーをスタートさせた後、撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS17)。つまり、カメラ2のシャッター音を発生させ静止画像を取り込む。前記ステップSS15できめ撮影用のLED13が点灯していることが確認されているので、きめ用の撮影画像を得ることができる。
【0062】
次に、きめ撮影用のLED13は2秒間点灯しているので、タイマーによって2秒経過したことが制御手段3によって検出されたならば(ステップSS18)、撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS19)。つまり、カメラ2のシャッター音を発生させ静止画像を取り込む。前記ステップSS15できめ撮影用のLED13が点灯していることが確認されており、当該点灯から2秒経過しているので、ステップSS19では、しみ撮影用のLED12が点灯していることになる。したがって、しみ用の撮影画像を得ることができる。
このように、撮影制御手段3bがLED13,12の点灯に同期するように、所定時間(2秒間)間隔で前記カメラを撮影制御することによって、きめ用の撮影画像としみ用の撮影画像を得ることができる。
【0063】
次に、表示制御手段3cが前記カメラ2で撮影されたきめ用としみ用の2種類の撮影画像を、LED13,12と関連付けてスマートフォン1の画面に表示させる(ステップSS20)。つまり、表示される撮影画像がLED13を光源として撮影されたきめ用の画像であるか、LED12を光源として撮影されたしみ用の画像であるかを区別して表示させる。ステップSS17でカメラ2によって撮影された画像は、きめ用の画像であり、ステップSS19でカメラ2によって撮影された画像は、しみ用の画像であるため、それぞれカメラ2で撮影された画像を、きめ用としてメモリ4に保存するとともに、しみ用としてメモリ4に保存する。したがって、メモリ4からそれぞれの画像を読み込むことによって、スマートフォン1の画面に、きめ用の撮影画像としみ用の撮影画像を表示できる。
この表示が終了したら、スマートフォン1では撮影処理を終了するか、再撮影を行うか、撮影者が次のアプリケーション処理を選択するか、いずれかをユーザーは選択する。
図9のフローでは撮影者が次のアプリケーション処理を選択し(US4)、次のアプリケーション処理へと移行する場合を記載している(ステップSS11)。
【0064】
なお、本例では、きめ撮影の後、しみ撮影となっているが、逆であってもかまわない。
【0065】
本例によれば、CPU(光源制御手段)16が2種類のLED13,12を順次所定時間点灯させるとともに、LED13,12の点灯後、当該LED13,12を所定時間(0.5秒間)消灯させる制御を繰り返し行っている場合に、点消灯検出手段3aがLED13,12の消灯を検出した後、最初のLED13の点灯を検出した場合に、撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御し、その後は、撮影制御手段3bが、LED12の点灯に同期するように、タイマーによって所定時間(2秒間)間隔でカメラ2を撮影制御するので、確実にスマートフォン1のカメラ2で2種類のLED13,12による撮影を行うことができる。また、点消灯検出手段3aがLED13,12の消灯と、この消灯後の最初のLED13の点灯を検出するだけで、2種類のLED13,12による撮影を行えるという利点がある。
また、第1例と同様に、表示制御手段3cによって、カメラ2で撮影された撮影画像をLED12またはLED13と関連付けてスマートフォン1の画面に表示させるので、ユーザーは画面に表示された撮影画像の種類を容易に確認できる。つまり、ユーザーはきめ用の撮影画像であるのか、しみ用の撮影画像であるのかを容易に確認できる。
【0066】
(第3例)
前記第1および第2例では、最初に、きめ撮影用のLED13の波長の検出を待って、カメラ撮影を行っている。この場合、丁度、きめ撮影用のLED13が点灯を始めた直後に、撮影ボタンがタッチされた場合は、きめ撮影用のLED13が消灯し、次にしみ撮影用のLED12が点灯・消灯し、次にきめ撮影用のLED13が点灯されてから、カメラ撮影が始まることになる。撮影ボタンのタッチのタイミングによって、撮影開始までの時間が異なることを防ぐには、LEDの波長が、きめ撮影用か、しみ撮影用かを判別し、撮影を行った方が良い。この場合は、単にきめ撮影用のLED13、あるいはしみ撮影用のLED12が点灯しているかどうかの判別よりは、処理に時間がかかる。そのため、LED12,13の点灯時間は、第1例および第2例の場合よりは、長くした方が安全であり、本第3例では、2.2秒間としている。この場合の制御シーケンスを
図10を参照して説明する。
【0067】
まず、本例では、前記ステップUS1〜ステップUS4まで、前記ステップSS1〜ステップSS3まで、ステップHS1〜ステップHS7までは、前記第1例と同様であるので、その説明を省略する。ただし、本例では、ステップHS3で、きめ撮影用のLED13の点灯時間を2.2秒間、ステップHS5で、しみ撮影用LED12の点灯時間を2.2秒間としている点が第1例と異なる。
【0068】
また、肌レンズ10では、LED13,12を順次所定時間(2.2秒間)点灯させるとともに、LED13,12の点灯後、LED13,12を所定時間(0.5秒間)消灯させる制御を繰り返し行っているが、この繰り返しの途中において、LED12,13の消灯後、どちらのLED(LED13またはLED12)が点灯しているかが不明であるので、スマートフォン1でLEDの波長判別を行って、どちらのLED(LED13またはLED12)が点灯しているかを判断している(ステップSS26およびステップSS31)。なお、
図10において、「きめorしみ撮影LED2.2秒点灯」というステップを、ステップHS3(5)とし、「しみorきめ撮影LED2.2秒点灯」というステップを、ステップHS5(3)としている。
【0069】
前記スマートフォン1では、ステップSS3の後、点消灯検出手段3aがLED12,13の消灯を確認するまで待ち状態となる(ステップSS24)。ステップSS24でLED12,13の消灯を確認した後、点消灯検出手段3aがLED12またはLED13の点灯を検出し(ステップSS25)、次に、LED12またはLED13の波長判別を行う(ステップSS26)ことによって、点灯しているLEDがしみ撮影用のLED12であるのか、きめ撮影用のLED13であるのかを判断する。
【0070】
点灯しているLEDがきめ撮影用のLED13であった場合、撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS27)。つまり、カメラ2のシャッター音を発生させ静止画像を取り込む。これによって、きめ用の撮影画像を得ることができる。
一方、点灯しているLEDがしみ撮影用のLED12であった場合、撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS28)。つまり、カメラ2のシャッター音を発生させ静止画像を取り込む。これによって、しみ用の撮影画像を得ることができる。
【0071】
次に、点消灯検出手段3aがLED12,13の消灯を確認するまで待ち状態となる(ステップSS29)。その後、ステップSS25の場合と同様に、点消灯検出手段3aがLED12,13の点灯を検出し(ステップSS30)、次にステップSS26の場合と同様に、LED12,13の波長判別を行う(ステップSS31)ことによって、点灯しているLEDがしみ撮影用のLED12であるのかきめ撮影用のLED13であるのかを判断する。
【0072】
点灯しているLEDがきめ撮影用のLED13であった場合、撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS32)。つまり、カメラ2のシャッター音を発生させ静止画像を取り込む。これによって、きめ用の撮影画像を得ることができる。
一方、点灯しているLEDがしみ撮影用のLED12であった場合、撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS33)。つまり、カメラ2のシャッター音を発生させ静止画像を取り込む。これによって、しみ用の撮影画像を得ることができる。
このように、本例では、きめ用の撮影としみ用の撮影をそれぞれ2回ずつ行っている。
【0073】
次に、表示制御手段3cが前記カメラ2で撮影されたきめ用としみ用の2種類の撮影画像を、LED13,12と関連付けてスマートフォン1の画面に表示させる(ステップSS34)。つまり、表示される撮影画像がLED13を光源として撮影されたきめ用の画像であるか、LED12を光源として撮影されたしみ用の画像であるかを区別して表示させる。
この表示が終了したら、スマートフォン1では撮影処理を終了するか、再撮影を行うか、撮影者が次のアプリケーション処理を選択するか、いずれかをユーザーは選択する。
図10のフローでは撮影者が次のアプリケーション処理を選択し(US4)、次のアプリケーション処理へと移行する場合を記載している(ステップSS11)。
【0074】
本例によれば、第1例と同様の効果を得ることができる他、撮影ボタンのタッチのタイミングによって、撮影開始までの時間が異なることを防止できるという利点がある。
【0075】
(第4例)
第1例〜第3例においては、スマートフォン1側でのきめ撮影用のLED13の波長か、しみ撮影用のLED12の波長かの判別に、間違いが生じないように、肌レンズ10に搭載するLEDは、きめ撮影用、しみ撮影用のLED13,12ともに、規定値よりずれの少ないLEDを搭載する必要がある。しかし、実際には、LEDの波長はばらつくため、規定値に近い波長のLEDを選別して使用している。このため、LEDは、価格が高くなる。規定値からのずれの許容値を大きくし、LEDの価格を下げることを図った第4例を以下にしめす。そのためには、LEDの波長成分を絶対値で判別するのではなく、両LED13,12を相対的に比較し、より赤色に近い波長成分のLEDをきめ撮影用のLED13、より青色に近い波長成分のLEDをしみ撮影用のLED12と判別してやればよい。この場合の制御シーケンスを
図11を参照して説明する。
【0076】
まず、本例では、前記ステップUS1〜ステップUS4まで、前記ステップSS1〜ステップSS3まで、ステップHS1〜ステップHS7までは、前記第3例と同様であるので、その説明を省略する。
【0077】
前記スマートフォン1では、ステップSS3の後、点消灯検出手段3aがLED12,13の消灯を確認するまで待ち状態となる(ステップSS4)。ステップSS4でLED12,23の消灯を確認した後、点消灯検出手段3aがLED12またはLED13の点灯を検出する(ステップSS40)。このステップSS40では、点消灯検出手段3aはLEDの点灯を検出するだけであり、LEDがきめ撮影用のLED13であるのか、しみ撮影用のLED12であるのかは判別しない。
LEDの点灯が検出されたら、撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS41)。つまり、カメラ2のシャッター音を発生させ静止画像を取り込む。これによって、きめ用の撮影画像またはしみ用の撮影画像を得ることができる。
【0078】
次に、点消灯検出手段3aがLED12,13の消灯を確認するまで待ち状態となり(ステップSS42)、消灯確認した後、点消灯検出手段3aがLED12またはLED13の点灯を検出する(ステップSS43)。点消灯検出手段3aはLEDの点灯を検出するだけであり、LEDがきめ撮影用のLED13であるのか、しみ撮影用のLED12であるのかは判別しない。しかし、このステップSS43では、ステップ40できめ撮影用のLED13が点灯していたならば、しみ撮影用のLED12が点灯したことになる。逆にステップ40でしみ撮影用のLED12が点灯していたなたば、きめ撮影用のLED13が点灯したことになる。
LEDの点灯が検出されたら、撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS44)。つまり、カメラ2のシャッター音を発生させ静止画像を取り込む。これによって、きめ用の撮影画像またはしみ用の撮影画像を得ることができる。このステップSS44では、ステップSS41できめ用の撮影画像を得ていたならば、しみ用の撮影画像を得ることができ、逆にステップSS41でしみ用の撮影画像を得ていたならば、きめ用の撮影画像を得ることができる。
【0079】
次に、ステップSS41およびステップSS44で得られた撮影画像の波長成分を表示制御手段3cが比較し、相対的に赤色成分が多い画像をきめ画像としてフラッシュメモリ4に保存し(ステップSS45)、次に、相対的に青色成分が多い画像をしみ画像としてフラッシュメモリ4に保存する(ステップSS46)。このステップSS45とステップSS46とは順番を逆にしてもよい。
次に、表示制御手段3cが前記カメラ2で撮影されたきめ用としみ用の2種類の撮影画像を、LED13,12と関連付けてスマートフォン1の画面に表示させる(ステップSS47)。つまり、表示される撮影画像がLED13を光源として撮影されたきめ用の画像であるか、LED12を光源として撮影されたしみ用の画像であるかを区別して表示させる。
この表示が終了したら、スマートフォン1では撮影処理を終了するか、再撮影を行うか、撮影者が次のアプリケーション処理を選択するか、いずれかをユーザーは選択する。
図11のフローでは撮影者が次のアプリケーション処理を選択し(US4)、次のアプリケーション処理へと移行する場合を記載している(ステップSS11)。
【0080】
本例によれば第4例と同様の効果を得ることができる。また、得られた撮影画像を、その波長成分によってLED12,13と関連付けて画面に表示するので、カメラで撮影する際に、撮影画像をLED12,13と関連付けなくてもよい。したがって、LEDの規定値からのずれの許容値を大きくし、LEDの価格を下げることができるという利点がある。
【0081】
(第5例)
前記の例では、きめ撮影用のLED13、しみ撮影用のLED12の消灯確認後、LEDの波長検出を行って、きめ撮影用のLED13の点灯確認を行った後、カメラ2の撮影制御を行い、その後再びきめ撮影用のLED13、しみ撮影用のLED12の消灯確認後、しみ撮影用のLED12の点灯確認を行った後、カメラ2の撮影制御を行ったが、本第5例では、LED12,13の消灯確認は最初の1回だけとすることで、処理のスピード化を図っている。この場合の制御シーケンスを
図12を参照して説明する。
【0082】
まず、本例では、前記ステップUS1〜ステップUS4まで、前記ステップSS1〜ステップSS3まで、ステップHS1〜ステップHS7までは、前記第1例と同様であるので、その説明を省略する。
【0083】
前記スマートフォン1では、ステップSS3の後、点消灯検出手段3aがLED12,13の消灯を確認するまで待ち状態となる(ステップSS4)。ステップSS4でLED12,13の消灯を確認した後、タイマーをスタート(タイマーセットT=0)させる(ステップSS50)。このタイマーはスマートフォン1に時計機能として内蔵されており、前記制御手段3がタイマーのON・OFF制御およびタイマーの経過時間を検出可能となっている。
次に、タイマーをスタートさせてから1秒経過するまで待って(ステップSS50a)、1秒経過した後、消灯検出手段3aがLED12,13の点灯を検出し、LED12,13の波長判別を行う(ステップSS51)。
点灯しているLEDがしみ撮影用のLED12であった場合、タイマースタートから3.5秒後(T=3.5(秒))に撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS52)。つまり、カメラ2のシャッターを切る。これによって、しみ用の撮影画像を得ることができる。LED12はLED12,13の消灯後、2秒間点灯するので、LED12の点灯開始後0.5秒後〜1.0秒後、LED12が点灯している間のほぼ中間時点(中央時点)でカメラ2のシャッターが切られることになる。
次に、タイマースタートから6.0秒後(T=3.5+2.0+0.5)に、撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS53)。つまり、カメラ2のシャッターを切る。これによって、きめ用の撮影画像を得ることができる。LED13は、LED12,13の消灯後、LED12の2秒間の点灯、LED12,13の0.5秒間の消灯後、2秒間点灯するので、LED13の点灯開始後0.5秒後〜1.0秒後、当該LED13が点灯している間のほぼ中間時点(中央時点)でカメラ2のシャッターが切られることになる。
【0084】
一方、ステップSS51で、点灯しているLEDがみめ撮影用のLED13であった場合、タイマースタートから3.5秒後(T=3.5(秒))に撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS54)。つまり、カメラ2のシャッターを切る。これによって、きめ用の撮影画像を得ることができる。LED13はLED12,13の消灯後、2秒間点灯するので、LED13が点灯している間のほぼ中間時点(中央時点)でカメラ2のシャッターが切られることになる。
次に、タイマースタートから6.0秒後(T=3.5+2.0+0.5)に、撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS55)。つまり、カメラ2のシャッターを切る。これによって、しみ用の撮影画像を得ることができる。LED12は、LED12,13の消灯後、LED13の2秒間の点灯、LED12,13の0.5秒間の消灯後、2秒間点灯するので、当該LED12が点灯している間のほぼ中間時点(中央時点)でカメラ2のシャッターが切られることになる。
【0085】
次に、表示制御手段3cが前記カメラ2で撮影されたきめ用としみ用の2種類の撮影画像を、LED13,12と関連付けてスマートフォン1の画面に表示させる(ステップSS10)。つまり、表示される撮影画像がLED13を光源として撮影されたきめ用の画像であるか、LED12を光源として撮影されたしみ用の画像であるかを区別して表示させる。
この表示が終了したら、スマートフォン1では撮影処理を終了するか、再撮影を行うか、撮影者が次のアプリケーション処理を選択するか、いずれかをユーザーは選択する。
図12のフローでは撮影者が次のアプリケーション処理を選択し(US4)、次のアプリケーション処理へと移行する場合を記載している(ステップSS11)。
【0086】
本例によれば、第1例と同様の効果を得ることができる。また、LED12,13の消灯確認は最初の1回だけとすることができるので、処理のスピード化を図ることができる。また、カメラ2による撮影は、LED12,13が点灯している時間のほぼ中間時点(中央時点)で行われるので、確実に撮影できる。
【0087】
(第6例)
第2例は、LED12,13間の0.5秒間消灯を省いた場合の例であるが、本第6例では、それに加えて、LEDの波長判別を不要なものとしている。この場合の制御シーケンスを
図13を参照して説明する。
【0088】
まず、本例では、前記ステップUS1〜ステップUS4まで、前記ステップSS1〜ステップSS3まで、ステップHS1〜ステップHS7までは、前記第2例と同様であるので、その説明を省略する。ただし、肌レンズ10側での制御では、第2例と異なり、初期化処理後、CPU(光源制御手段)16は、まず、LED13,12を所定時間(0.5秒間)消灯させた(ステップSS15)後、2種類のLED13,12を順次所定時間(2秒間)点灯させるとともに、LED13,12の点灯後、LED13,12を所定時間(0.5秒間)消灯させる制御を繰り返して行っている。
【0089】
前記スマートフォン1では、ステップSS1〜SS3の後、点消灯検出手段3aがLED12,13の消灯を確認した(ステップSS61)後、タイマーをスタート(タイマーセットT=0)させる(ステップSS62)。
【0090】
次に、タイマースタートから1秒後(T=1.0(秒))に撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS63)。つまり、カメラ2のシャッターを切る。これによって、きめ用の撮影画像を得ることができる。すなわち、LED12,13の消灯後は、まずきめ撮影用のLED13が点灯するので、カメラ2のシャッターを切ることで、きめ用の撮影画像を得ることができる。LED13はLED12,13の消灯後、2秒間点灯するので、LED13が点灯している2秒間の中間時点(中央時点(点灯開始から0.5〜1.0秒後))でカメラ2のシャッターが切られることになる。
【0091】
次に、タイマースタートから3.0秒後(T=1.0+2.0)に、撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS64)。つまり、カメラ2のシャッターを切る。これによって、しみ用の撮影画像を得ることができる。LED12は、LED12,13の消灯後、LED13の2秒間の点灯後、2秒間点灯するので、当該LED12が点灯している間の中間時点(中央時点(点灯開始から0.5〜1.0秒後)でカメラ2のシャッターが切られることになる。
【0092】
次に、表示制御手段3cが前記カメラ2で撮影されたきめ用としみ用の2種類の撮影画像を、LED13,12と関連付けてスマートフォン1の画面に表示させる(ステップSS10)。つまり、表示される撮影画像がLED13を光源として撮影されたきめ用の画像であるか、LED12を光源として撮影されたしみ用の画像であるかを区別して表示させる。
この表示が終了したら、スマートフォン1では撮影処理を終了するか、再撮影を行うか、撮影者が次のアプリケーション処理を選択するか、いずれかをユーザーは選択する。
図13のフローでは撮影者が次のアプリケーション処理を選択し(US4)、次のアプリケーション処理へと移行する場合を記載している(ステップSS11)。
【0093】
本例によれば、前記第2例と同様の効果を得ることができる他、カメラ2による撮影が、LED12,13が点灯している時間の中間時点(中央時点)で行われるので、確実に撮影できるという利点がある。
【0094】
なお、第5例、第6例では、最速でLED点灯開始後0.5秒後に撮影カメラ制御としているが、撮影カメラ制御を開始して0.0秒後に撮影されるわけではないので、LED点灯開始時点で撮影カメラ制御開始してもよい。
また、第1の実施の形態における第1例〜第6例では、全て、肌レンズ10の電源ONの後、LED12,13を交互に点灯し、所定時間経過後にすべて消灯するようになっているが、次のようにすることによって、電池の消耗を防止できる。
すなわち、肌レンズ10に発光検出装置あるいはDTMF(Dual−Tone Multi−Frequency)検出装置を搭載することにより、撮影ボタンタッチを認識して、フラッシュ発光あるいは所定音階(生活音と混同しにくい音階で、検出装置が検出しやすい音階)の音発生で、まずキメ撮影用LED13を2秒間、引き続きシミ撮影用LED13を2秒間点灯し、それぞれの2秒間の中央時点のタイミングでシャッターをきることによって、電池の消耗を防止できる。
また、本実施例においては、肌レンズのLEDは電源スイッチONから30秒後に自動消灯して消し忘れによる電力消費を抑えているが、ユーザーが撮影になれることにより15秒で自動消灯するようにしてもよく、この時間はユーザーがアプリケーションを操作することにより自由に設定できるようになっている。
【0095】
上述の第1例〜第6例では肌レンズ10には手動でON・OFFするスイッチ手段が設けられ、撮影前にユーザーが手動でスイッチをONにすることによって、LED12,13の点灯・消灯制御が開始されるようになっているが、さらに、ユーザーが肌カメラを肌に当てると第2のスイッチが自動的(ユーザーが意識してスイッチのオンを操作することなく)にONとなり、LED12,13の点灯・消灯制御が開始されるようにすることにより、消費電力の抑制・ユーザー操作性が向上し、下記のように外光による影響を抑制できる。なお、メインスイッチをなくして前記第2のスイッチ手段で構成してもよい。
また、第2の自動的なスイッチ手段の例としては以下のものが挙げられる。
【0096】
(1)肌レンズの肌にあたる部分(
図2において、当接部20bの面)に1.0mm程度、弾性的に突出したプッシュスイッチを1個あるいは等間隔に複数個設ける。
この場合、当接部20bが肌に当たって、プッシュスイッチが押圧されたことをCPU16が検知し、当該CPU16がスイッチ(電源スイッチ19)をONとし、当接部20bが肌から離れて、プッシュスイッチが弾性復帰力によって元に戻ったことをCPU16が検知し、当該CPU16がスイッチ(電源スイッチ19)をOFFとするような構成にすればよい。
(2)遮光された鏡筒内部にフォトセンサを設け、明るい状態から暗い状態に切り替わると、つまり、前記当接部20bが肌に当接(密接)して鏡胴内部が明るい状態から暗い状態に切り替わるとスイッチONと認識して制御する。逆の場合には、前記当接部20bが肌から離れて鏡胴内部が暗い状態から明るい状態に切り替わるとスイッチOFFと認識して制御する。
この場合、鏡胴内部が明るい状態から暗い状態に切り替わったことをフォトセンサからの信号によってCPU16が検知し、当該CPU16がスイッチ(電源スイッチ19)をONとし、逆に鏡胴内部が暗い状態から明るい状態に切り替わったことフォトセンサからの信号によってCPU16が検知し、当該CPU16がスイッチ(電源スイッチ19)をOFFするような構成にすればよい。
【0097】
LED12,13の点灯、消灯は、カメラ受像が明るいか、暗いかで判別する。しかし、LED12,13が点灯して明るい以外に、外光が入って明るいことがあることに注意する必要がある。明るい、暗いの場合分けをまとめると、以下の表1に示すモードがある。
【0099】
状態No.1および2は正規の撮影状態であるが、状態No.3〜6のように、レンズに肌が密着していない状態では、カメラ受像の明暗は、レンズの外光の入射の有無に依存する。
状態No.3〜6の場合による誤判別を減らすには、レンズの肌に密着する部分にスイッチを設け、肌にレンズが密着することにより、肌撮影装置の電源がONし、LEDの点滅処理が始まるようにすればよい。このときの、撮影処理の流れを表2に示す。
【0101】
表2のNo.5で、撮影処理を行う時点では、レンズが肌に密着されている状態であり、外光の入射はないと考えて処理を行える。また、肌レンズ10の電源スイッチが、肌に密着したときにONする方式をとらない場合は、スイッチを入れた後、肌に肌レンズをあてた時点では、既に30秒が経過して、LEDが点灯しなくなっているという場合もありえるが、本方式では、その心配もない。
【0102】
(第7例)
第1例〜第4例では、LED12,13の波長で、きめ用LED13、しみ用LED12の判別を行っているが、別方式として、LED12,13の点灯時間、消灯時間のタイミングで、LEDの判別を行うようにしてもよい。
図14および
図15は、第7例の処理シーケンスを示す。この第7例は消灯時間の長さでLED12,13を判別する例であり、
図14は肌測定装置(肌レンズ10)側の処理シーケンスを示し、
図15はスマートフォン1側の処理シーケンスを示す。肌測定装置10の電源スイッチ19は、前述のように肌に当てると自動でONになるものとしているが、前述のように手動でONとなるものとしてもよい。
【0103】
まず、本例では、前記ステップUS1〜ステップUS4まで、前記ステップSS1〜ステップSS3までは、前記第5例と同様であるので、その図示と説明を省略する。
図14に示すように、肌レンズ(肌撮影装置)10側では、ユーザーが肌カメラを肌に当てると、自動的(ユーザーが意識してスイッチのオンを操作することなく)に電源スイッチがONとなり(HS1)、初期化処理を行う(HS2)。次に、フラッシュメモリ4のCRCチェックを行った(ステップHS20)後、タイマーを30秒に設定する(ステップHS21)。
【0104】
次に、きめ撮影用のLED13を2秒間点灯させた(ステップHS23)後、当該LED13を0.5秒間消灯させる(ステップHS24)。次に、しみ撮影用のLED12を2秒間点灯させた(ステップHS25)後、当該LED12を1秒間消灯させる(ステップHS26)。
その後、ステップHS23〜ステップHS26を順次繰り返して行い、タイマーセット(ステップHS21)から30秒経過したら(ステップHS27)、CPU16は電源をOFF処理する(ステップHS28)。ステップHS27で30秒経過していなかった場合、ステップHS23〜ステップHS26を順次繰り返して行い、30秒経過したら(ステップHS27)、CPU16は電源をOFF処理する(ステップHS28)。
このように、きめ用LED13を2秒間点灯させた後は、当該LED13を0.5秒間消灯し、しみ用LED12を2秒間点灯させた後は、当該LED12を1秒間消灯するといった、消灯時間の差で、どちらのLEDが点灯しているかを判別することができる。
【0105】
図15に示すように、前記スマートフォン1では、前記ステップSS3の後、点消灯検出手段3aがLED12,13のいずれかのLEDの点灯を検知するまで待ち状態となる(ステップSS4a)。LEDの点灯を検知した後、当該点灯したLEDの消灯を検知するまで待ち状態となる(ステップSS4b)。
ステップSS4bでLEDの消灯を確認した後、タイマーをスタート(タイマーセットT=0)させる(ステップSS50a)。このタイマーはLEDの消灯時間を計測するものである。
なお、タイマーはスマートフォン1に時計機能として内蔵されており、前記制御手段3がタイマーのON・OFF制御およびタイマーの経過時間を検出可能となっている。
【0106】
次に、LEDの点灯を検知したならば(ステップSS51a)、当該LEDがステップSS4bで消灯してからステップSS51a点灯するまでの時間を、前記タイマーによって計測してタイマー値(消灯時間)を得る(ステップSS50b)。
【0107】
ステップSS50bで得られたタイマー値が約0.5秒間であった場合、きめ用LED13が消灯していたことになるので、次はしみ用LED12が点灯することになる。したがって、当該LED12の点灯時間(2秒)を考慮して、点灯時間内の適切な時間に撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS52a)。つまり、カメラ2のシャッターを切る。これによって、しみ用の撮影画像を得ることができる。
なお、ステップSS50bで得られたタイマー値が約1.0秒間であった場合、後述の処理(ステップSS54a)に移行するが、タイマー値が約0.5秒間または約1.0秒間以外の値であった場合は、ステップSS4aに戻る。
【0108】
次に、LED12の消灯を検知した後(ステップSS52b)、タイマーをスタート(タイマーセットT=0)させる(ステップSS52c)。このタイマーはLED12の消灯時間を計測するものである。
次に、LED12の点灯を検知したならば(ステップSS52d)、当該LED12がステップSS52bで消灯してからLED13が点灯するまでの時間を、前記タイマーによって計測してタイマー値(消灯時間)を得る(ステップSS52e)。
ステップSS52eで得られたタイマー値が約1.0秒間であった場合、しみ用LED12が消灯していたことになるので、次はきめ用LED13が点灯することになる。したがって、当該LED13の点灯時間(2秒)を考慮して、点灯時間内の適切な時間に撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS52f)。つまり、カメラ2のシャッターを切る。これによって、きめ用の撮影画像を得ることができる。
なお、ステップSS52eで得られたタイマー値が約1.0秒間以外の値であった場合は、ステップSS4aに戻る。
【0109】
一方、ステップSS50bで得られたタイマー値が約1.0秒間であった場合、しみ用LED12が消灯していたことになるので、次はきめ用LED13が点灯することになる。したがって、当該LED13の点灯時間(2秒)を考慮して、点灯時間内の適切な時間に撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS54a)。つまり、カメラ2のシャッターを切る。これによって、きめ用の撮影画像を得ることができる。
【0110】
次に、LED13の消灯を検知した後(ステップSS54b)、タイマーをスタート(タイマーセットT=0)させる(ステップSS54c)。このタイマーはLED13の消灯時間を計測するものである。
次に、LED13の点灯を検知したならば(ステップSS54d)、当該LED13がステップSS54bで消灯してからLED12が点灯するまでの時間を、前記タイマーによって計測してタイマー値(消灯時間)を得る(ステップSS54e)。
ステップSS54eで得られたタイマー値が約0.5秒間であった場合、きめ用LED13が消灯していたことになるので、次はしみ用LED12が点灯することになる。したがって、当該LED12の点灯時間(2秒)を考慮して、点灯時間内の適切な時間に撮影制御手段3bがカメラ2を撮影制御する(ステップSS54f)。つまり、カメラ2のシャッターを切る。これによって、しみ用の撮影画像を得ることができる。
なお、ステップSS54eで得られたタイマー値が約0.5秒間以外の値であった場合は、ステップSS4aに戻る。
【0111】
次に、表示制御手段3cが前記カメラ2で撮影されたきめ用としみ用の2種類の撮影画像を、LED13,12と関連付けてスマートフォン1の画面に表示させる(ステップSS10)。つまり、表示される撮影画像がLED13を光源として撮影されたきめ用の画像であるか、LED12を光源として撮影されたしみ用の画像であるかを区別して表示させる。
この表示が終了したら、スマートフォン1では撮影処理を終了するか、再撮影を行うか、撮影者が次のアプリケーション処理を選択するか、いずれかをユーザーは選択する。
図15のフローでは撮影者が次のアプリケーション処理を選択し(US4)、次のアプリケーション処理へと移行する場合を記載している(ステップSS11)。
【0112】
本例によれば、LED12,13の点灯時間、消灯時間のタイミングで、LEDの判別を行うようにしているので、処理のスピード化を図ることができる。
【0113】
なお、本例では、LED12,13の消灯時間を異ならせるようにしたが、当該LED12,13消灯時間を同一とし、きめ用のLED13としみ用のLED12の点灯時間をそれぞれ例えば1.5秒と2.0秒のように異なるものとし、最初の消灯後に点灯するLEDの点灯時間を計測して、今点灯したのがきめ用のLED13としみ用のLED12とのいずれかであるかを判定し、次のLED点灯から撮影開始するようにしてもよい。
【0114】
(第8例)
本例は、前記第7例と、LEDの波長による識別を組み合わせた例である。たまたま、外光の波長が、きめ用LED、しみ用LEDの波長と一致した場合や、たまたま外光の明暗タイミングが、LEDの点灯、消灯タイミングと一致した場合の誤撮影を排除できる。
肌レンズ10(肌測定装置)側の処理シーケンスは、
図14に示す第7例と同じであるので、その説明を省略する。
スマートフォン1側の処理シーケンスは、以下の通りとなる。
【0115】
図16に示すように、スマートフォン1では、
図15に示す第7例と同様に、ステップSS4a、ステップSS4b、ステップSS50a、ステップSS51a、ステップSS50bと処理が進む。
【0116】
ステップSS50bで得られたタイマー値が約0.5秒間であった場合、点消灯検出手段3aがしみ撮影用のLED12の光の波長を検出することによって、当該LED12が点灯しているのを検出する(ステップSS52)。LED12が点灯しているのを検出したならば、撮影制御手段3bが、当該LED12の点灯時間内の適切な時間に前記カメラ2を撮影制御する(ステップSS52a)。つまり、カメラ2のシャッター音を発生させ静止画像を取り込む。これによって、しみ用の撮影画像を得ることができる。
【0117】
次に、LED12の消灯を検知した後(ステップSS52b)、タイマーをスタート(タイマーセットT=0)させる(ステップSS52c)。このタイマーはLED12の消灯時間を計測するものである。
次に、LED12の点灯を検知したならば(ステップSS52d)、当該LED12がステップSS52bで消灯してからLED13が点灯するまでの時間を、前記タイマーによって計測してタイマー値(消灯時間)を得る(ステップSS52e)。
ステップSS52eで得られたタイマー値が約1.0秒間であった場合、しみ用LED12が消灯していたことになるので、次はきめ用LED13が点灯することになる。
次に、点消灯検出手段3aがきめ撮影用のLED13の光の波長を検出することによって、当該LED13が点灯しているのを検出する(ステップSS53)。LED13が点灯しているのを検出したならば、撮影制御手段3bが、当該LED13の点灯時間内の適切な時間に前記カメラ2を撮影制御する(ステップSS52f)。つまり、カメラ2のシャッター音を発生させ静止画像を取り込む。これによって、きめ用の撮影画像を得ることができる。
【0118】
一方、ステップSS50bで得られたタイマー値が約1.0秒間であった場合、点消灯検出手段3aがきめ撮影用のLED13の光の波長を検出することによって、当該LED13が点灯しているのを検出する(ステップSS53)。LED13が点灯しているのを検出したならば、撮影制御手段3bが、当該LED13の点灯時間内の適切な時間に前記カメラ2を撮影制御する(ステップSS54a)。つまり、カメラ2のシャッター音を発生させ静止画像を取り込む。これによって、きめ用の撮影画像を得ることができる。
【0119】
次に、LED13の消灯を検知した後(ステップSS54b)、タイマーをスタート(タイマーセットT=0)させる(ステップSS54c)。このタイマーはLED13の消灯時間を計測するものである。
次に、LED13の点灯を検知したならば(ステップSS54d)、当該LED13がステップSS54bで消灯してからLED12が点灯するまでの時間を、前記タイマーによって計測してタイマー値(消灯時間)を得る(ステップSS54e)。
ステップSS54eで得られたタイマー値が約0.5秒間であった場合、きめ用LED13が消灯していたことになるので、次はしみ用LED12が点灯することになる。
次に、点消灯検出手段3aがしみ撮影用のLED12の光の波長を検出することによって、当該LED12が点灯しているのを検出する(ステップSS52)。LED12が点灯しているのを検出したならば、撮影制御手段3bが、当該LED12の点灯時間内の適切な時間に前記カメラ2を撮影制御する(ステップSS54f)。つまり、カメラ2のシャッター音を発生させ静止画像を取り込む。これによって、しみ用の撮影画像を得ることができる。
【0120】
次に、表示制御手段3cが前記カメラ2で撮影されたきめ用としみ用の2種類の撮影画像を、LED13,12と関連付けてスマートフォン1の画面に表示させる(ステップSS10)。つまり、表示される撮影画像がLED13を光源として撮影されたきめ用の画像であるか、LED12を光源として撮影されたしみ用の画像であるかを区別して表示させる。
この表示が終了したら、スマートフォン1では撮影処理を終了するか、再撮影を行うか、撮影者が次のアプリケーション処理を選択するか、いずれかをユーザーは選択する。
図16のフローでは撮影者が次のアプリケーション処理を選択し(US4)、次のアプリケーション処理へと移行する場合を記載している(ステップSS11)。
【0121】
本例によれば、点消灯検出手段3aがLED12,13の光の波長を検出することによって、当該LED12,13が点灯しているのを検出しているので、たまたま、外光の波長が、きめ用LED13、しみ用LED12の波長と一致した場合や、たまたま外光の明暗タイミングが、LED12,13の点灯、消灯タイミングと一致した場合の誤撮影を排除できるという利点がある。
【0122】
なお、前記第7例および第8例では、消灯時間の長さでLEDを判別しているが、LEDの点灯時間を測定してLEDの種類を判別するようにしてもよい。
また、前記第8例等では、きめ用LED波長を検出、しみ用LED検出というように、波長の検出という表現を用いて説明したが、実際の処理においては、波長そのものを測定するよりも、波長に応じて変わる色で判別するのが好ましい。
【0123】
(第2の実施の形態)
図17は本発明の第2の実施の形態に係る携帯型撮影装置を示すブロック図である。本実施の形態に係る携帯型撮影装置が前記第1の実施の形態に係る携帯型撮影装置と異なる点は、スマートフォン1と肌レンズ(レンズモジュール)10に、それぞれこれらの間でデータや信号の送受信を行える送受信手段を備えた点であるので、携帯型撮影装置の構成については、この点を詳しく説明し、第1の実施の形態と同一構成には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
【0124】
肌レンズ(レンズモジュール)10は、光源点灯指示信号および光源消灯指示信号をスマートフォン1から受信するとともに、当該スマートフォン1に光源点灯報知信号および光源消灯報知信号を送信する送受信手段25を備えている。この送受信手段25は、例えばブルーツースモジュール25で構成され、このブルーツースモジュール25はCPU16によって制御される。
なお、光源点灯指示信号とは、前記LED12,13を点灯させるための信号であり、光源消灯指示信号とは、LED12,13を消灯させるための信号である。また、光源点灯報知信号とは、LED12,13が点灯したことを報知するための信号であり、光源消灯報知信号とは、LED12,13が消灯したことを報知するための信号である。
【0125】
また、CPU(光源制御手段)16は、スマートフォン1から送受信手段25を介して光源点灯指示信号を受信した場合に、LED12,13を点灯させるとともに、送受信手段25に光源点灯報知信号をスマートフォン1に向けて送信させ、また、スマートフォン1から送受信手段25を介して光源消灯指示信号を受信した場合に、LED12,13を消灯させるとともに、送受信手段25に光源消灯報知信号をスマートフォン1に向けて送信させるようになっている。
【0126】
また、スマートフォン1は、肌レンズ(レンズモジュール)10の送受信手段25からの光源点灯報知信号および光源消灯報知信号を受信するとともに、肌レンズ(レンズモジュール)10に光源点灯指示信号および光源消灯指示信号を送信するスマートフォン送受信手段(端末側送受信手段)26を備えている(以下、スマートフォン送受信手段26を、送受信手段26と称す)。この送受信手段26は、例えばブルーツースモジュール26で構成され、このブルーツースモジュール26は制御手段3によって制御される。
また、制御手段3は、肌レンズ(レンズモジュール)10から光源点灯報知信号を送受信手段25および送受信手段26を介して受信した場合に、カメラ2に撮影を行わせ、当該カメラ2による撮影が終了した場合に、光源消灯指示信号を送受信手段26および送受信手段25を介して肌レンズ(レンズモジュール)10に向けて送信し、肌レンズ(レンズモジュール)10から光源消灯報知信号を送受信手段25および送受信手段26を介して受信した場合に、光源点灯指示信号を送受信手段26および送受信手段25を介して肌レンズ(レンズモジュール)10に向けて送信するようになっている。
さらに、表示制御手段3cは撮影制御手段3bによって撮影された撮影画像をLED12,13と関連付けてスマートフォン1の画面に表示させるようになっている。
【0127】
次に、第2の実施の形態の携帯型撮影装置によって、人の顔の肌を撮影する方法の制御シーケンスの一例について
図18を参照して説明する。
まず、撮影者(ユーザ)は、スマートフォン1の電源をONにした後、その画面で「簡易肌診断」というアプリを選択する(ステップUS1)。
すると、スマートフォン1の撮影処理がスタートする(ステップSS1)。スマートフォン1の画面には、「肌レンズの電源をONにして、肌にセットしてください。準備ができたら撮影ボタンにタッチして下さい」とのメッセージが表示される(ステップSS2)。
その後、撮影者は肌に携帯型撮影装置をセット(ステップUS2)したうえで、スマートフォンの画面に表示される撮影ボタンをタッチする(ステップUS3)。
また、肌レンズ10では、電源スイッチをONとすると(ステップHS1)、当該肌レンズ10が初期化処理され(ステップHS2)、その後、ブルーツースモジュールによる送受信手段25が受信待機状態となる(ステップHS70)。
肌レンズ10の初期化処理中は、スマートフォン1の画面には「撮影を開始します。そのまま○秒間お待ちください」とのメッセージが表示される(ステップSS3)。
【0128】
撮影者(ユーザ)がスマートフォン1の画面で撮影ボタンをタッチすると、スマートフォン1の制御手段3がきめ撮影用のLED13を点灯させるための点灯コマンド(光源点灯指示信号)を生成する(ステップSS70)。この点灯コマンドは信号として送受信手段26から送信され、この信号が肌レンズ10の送受信手段25で受信される。そして、この点灯コマンドを受信することによって、きめ撮影用のLED13が点灯する(ステップHS71)。きめ撮影用のLED13が点灯すると、肌レンズ10の送受信手段25からLED点灯報知信号(光源点灯報知信号)がスマートフォン1に向けて送信される。このLED点灯報知信号をスマートフォン1が送受信手段26を介して受信すると、制御手段3がカメラ2を撮影制御する(ステップSS71)。つまり、カメラ2のシャッターを切る。これによって、きめ用の撮影画像を得ることができる。
【0129】
カメラ2によってきめ用の撮影画像を得た後、スマートフォン1の制御手段3がきめ撮影用のLED13を消灯させるための消灯コマンド(光源消灯指示信号)を生成する(ステップSS72)。この消灯コマンドは信号として、送受信手段26から送信され、この信号が肌レンズ10の送受信手段25で受信される。そして、この消灯コマンドを受信することによって、きめ撮影用のLED13が消灯する(ステップHS72)。
【0130】
きめ撮影用のLED13が消灯すると、肌レンズ10の送受信手段25からLED消灯報知信号(光源消灯報知信号)がスマートフォン1に向けて送信される。このLED消灯報知信号を受信することによって、制御手段3がしみ撮影用のLED12を点灯させるための点灯コマンド(光源点灯指示信号)を生成する(ステップSS73)。この点灯コマンドは信号として送受信手段26から送信され、この信号が肌レンズ10の送受信手段25で受信される。そして、この点灯コマンドを受信することによって、しみ撮影用のLED12が点灯する(ステップHS73)。
LED12が点灯すると、肌レンズ10の送受信手段25からLED点灯報知信号(光源点灯報知信号)がスマートフォン1に向けて送信される。このLED点灯報知信号をスマートフォン1が送受信手段26を介して受信すると、制御手段3がカメラ2を撮影制御する(ステップSS74)。つまり、カメラ2のシャッターを切る。これによって、しみ用の撮影画像を得ることができる。
【0131】
次に、制御手段3がしみ撮影用のLED12を消灯させるための消灯コマンド(光源消灯指示信号)を生成する(ステップSS75)。この消灯コマンドは信号として送受信手段26から送信され、この信号が肌レンズ10の送受信手段25で受信される。そして、この消灯コマンドを受信することによって、しみ撮影用のLED12が消灯する(ステップHS74)。
次に、肌レンズ10では、ステップHS75で次のきめ用LED13の点灯コマンドがスマートフォン1から送信されてくるかを判断し、当該点灯コマンドが送信されてきたならば、ステップHS71に戻って同様の処理を行う。一方、点灯コマンドが送信されてこなかった場合、電源OFF(ステップHS76)として処理を終了する。
【0132】
一方、スマートフォン1では、表示制御手段3cが前記カメラ2で撮影されたきめ用としみ用の2種類の撮影画像を、LED13,12と関連付けてスマートフォン1の画面に表示させる(ステップSS76)。つまり、表示される撮影画像がLED13を光源として撮影されたきめ用の画像であるか、LED12を光源として撮影されたしみ用の画像であるかを区別して表示させる。
ステップSS71でカメラ2によって撮影された画像は、きめ用の画像であり、ステップSS74でカメラ2によって撮影された画像は、しみ用の画像であるため、それぞれカメラ2で撮影された画像を、きめ用としてメモリ4に保存するとともに、しみ用としてメモリ4に保存する。したがって、メモリ4からそれぞれの画像を読み込むことによって、スマートフォン1の画面に、きめ用の撮影画像としみ用の撮影画像を表示できる。
この表示が終了したら、スマートフォン1では撮影処理を終了するか、あるいは撮影者が次のアプリケーション処理を選択する(US4)と、次のアプリケーション処理へと移行する(ステップSS11)。
【0133】
本実施の形態によれば、肌レンズ10の光源制御手段(CPU)16は、スマートフォン1から光源点灯指示信号を送受信手段26,25を介して受信した場合にLED12,13をそれぞれ点灯させるとともに、送受信手段25に光源点灯報知信号をスマートフォン1に向けて送信させるので、LED12,13の点灯をカメラ2による撮影に応じて適切なタイミングで行える。
また、光源制御手段16は、光源消灯指示信号を送受信手段26,25受信した場合にLED12,13を消灯させるとともに、送受信手段25に光源消灯報知信号をスマートフォン1に向けて送信させるので、光源の消灯をカメラの撮影の終了に応じて適切なタイミングで行える。
【0134】
また、スマートフォン1の制御手段3が、肌レンズ10からのLED点灯報知信号(光源点灯報知信号)を送受信手段25および送受信手段26を介して受信した場合に、カメラ2による撮影制御を行う(撮影を行う)ので、確実にカメラ2で被写体たる肌を撮影できる。
さらに、カメラ2による撮影後は、LED消灯指示信号を肌レンズ10に送受信手段26,25を介して送信するので、確実にLED12,13を消灯でき、電池の消耗を防止できる。
また、表示制御手段3cによって、カメラ2で撮影された撮影画像をLED12,13に関連付けてスマートフォン1の画面に表示させるので、ユーザは画面に表示された撮影画像がきめ用の撮影画像であるか、しみ用の撮影画像であるかを容易に確認できる。
【0135】
なお、前記第1および第2本実施の形態では、デジタルカメラを備えた携帯端末としてスマートフォン1を例にとって説明したが、本発明では、カメラを備えた携帯端末としては、スマートフォン1に限ることはない。例えば、デジタルカメラを備えた通常の携帯電話、デジタルカメラを備えたタブレット等でもよい。
また、第2の実施の形態では、スマートフォン1と肌レンズ(レンズモジュール)10に、それぞれこれらの間でデータや信号の送受信を行える送受信手段として、無線通信の一つであるブルーツースモジュール25,26を採用したが、送受信手段は無線通信によるものに限らず、有線通信によるもの、例えばUSB接続によって行ってもよい。