特許第6255503号(P6255503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6255503フェイスマスク製造ラインにおいて保存ノーズワイヤを導入するための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6255503
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】フェイスマスク製造ラインにおいて保存ノーズワイヤを導入するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20171218BHJP
【FI】
   A41D13/11 C
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-551763(P2016-551763)
(86)(22)【出願日】2015年10月16日
(86)【国際出願番号】US2015055863
(87)【国際公開番号】WO2017065785
(87)【国際公開日】20170420
【審査請求日】2016年8月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514300557
【氏名又は名称】アヴェント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェーバー、ジョセフ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】ハウデ、アジャ・ワイ
(72)【発明者】
【氏名】ハリントン、デイビッド・ラマー
(72)【発明者】
【氏名】パンペリン、マーク・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ハリス、ネイサン・クレイグ
【審査官】 山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−512104(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0251210(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A41H 42/00
A62B 7/00 − 7/04
A62B 18/02
A62D 7/00 − 7/02
A61M 16/06
B65H 67/00 − 67/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェイスマスク製造ラインに、当該フェイスマスク製造ラインで移動中のノーズワイヤが欠乏する前に保存ノーズワイヤの供給体を導入するための方法であって、
前記フェイスマスク製造ラインのために第1のノーズワイヤ源と第1の切断システムを提供するステップであって、前記移動中のノーズワイヤは、前記第1のノーズワイヤ源と前記第1の切断システムから供給される、該ステップと、
保存ノーズワイヤ源及び第2の切断システムを、前記第1のノーズワイヤの近傍のスタンバイ位置にステージングするステップと、
前記第1のノーズワイヤ源が欠乏する前に、前記保存ノーズワイヤ源及び前記第2の切断システムの速度を上げて動作速度にするステップであって、このステップの間、前記第2の切断システムからのノーズワイヤは前記製造ラインから外れる方向に向ける、該ステップと、
前記保存ノーズワイヤ源及び前記第2の切断システムの動作速度において、前記第2の切断システムからのノーズワイヤを前記製造ラインに向けるステップであって、このステップの間、前記第1の切断システムからのノーズワイヤは前記製造ラインから外れる方向に向ける、該ステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のノーズワイヤ源を停止して新しいノーズワイヤ源に置き換えて、前記新しいノーズワイヤ源及び前記第1の切断システムをスタンバイ状態に置くステップを更に含み、
前記新しいノーズワイヤは、前記方法の後続の操作において前記保存ノーズワイヤとなることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のノーズワイヤ源及び前記保存ノーズワイヤ源は、前記動作速度で回転駆動されて、前記製造ラインのためにそれぞれに対応する切断システムにノーズワイヤを供給するノーズワイヤのロールであることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記保存ノーズワイヤ源及び前記第2の切断システムが前記動作速度に達する前に、前記第2の切断システムからのノーズワイヤが、廃棄場所に向けられることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
一旦前記第2の切断システムからのノーズワイヤが前記製造ラインに向けられると、前記第1の切断システムからのノーズワイヤが、廃棄場所に向けられることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記保存ノーズワイヤ源及び前記第2の切断システムがいつ動作速度になったかを判定するために、前記保存ノーズワイヤ源の速度及び前記第2の切断システムのスループットのいずれか一方及び両方の組み合わせを検出するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記保存ノーズワイヤ及び前記第2の切断システムの速度を前記動作速度まで上げるのをいつ開始するかを決定するために前記第1のノーズワイヤ源の欠乏状態を検出するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記第2切断システムの位置及び前記保存ノーズワイヤのためのステージング場所が、永久的であり、前記製造ライン上に固定されることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記第2切断システムの位置及び前記保存ノーズワイヤのためのステージング場所が、移動可能であり、前記第1のノーズワイヤ源の欠乏状態が検出されたとき前記製造ラインに動かされることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記第1の切断システムの位置及び前記第1のノーズワイヤ源のための場所が、移動可能であり、前記製造ラインに向けて動かされることを特徴とする方法。
【請求項11】
フェイスマスク製造ラインに、当該フェイスマスク製造ラインで移動中のノーズワイヤが欠乏する前に保存ノーズワイヤの供給体を導入するためのシステムであって、
請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法を実施可能に構成されたことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して保護用フェイスマスクの分野に関し、特に、そのようなフェイスマスクの製造におけるノーズワイヤの供給のための方法及びシステムに関する。
[関連出願のファミリー]
尚、本出願は、以下の本出願と出願日が同日である国際特許出願とその発明主題によって関連付けられている。
(a)「フェイスマスク製造プロセスにおいてノーズワイヤを継続導入するための方法及びシステム」という名称の国際特許出願PCT/US2015/055861
(b)「フェイスマスク製造プロセスにおいてノーズワイヤを継続導入するための方法及びシステム」という名称の国際特許出願PCT/US2015/055858
(c)「フェイスマスク製造プロセスにおいてノーズワイヤを切断し配置するための方法及びシステム」という名称の国際特許出願PCT/US2015/055865
(d)「フェイスマスク製造プロセスにおいてノーズワイヤを配置するための方法及びシステム」という名称の国際特許出願PCT/US2015/055867
(e)「フェイスマスク製造プロセスにおいてノーズワイヤを配置するための方法及びシステム」という名称の国際特許出願PCT/US2015/055871
(f)「フェイスマスク製造プロセスにおいてノーズワイヤを配置するための方法及びシステム」という名称の国際特許出願PCT/US2015/055872
(g)「フェイスマスク製造ラインにおけるパッケージングのためのフェイスマスクのラッピング及び準備のための方法及びシステム」という名称の国際特許出願PCT/US2015/055876
(h)「フェイスマスク製造ラインにおけるラッピングされたフェイスマスクの自動化された積み重ね及び箱詰めのための方法及びシステム」という名称の国際特許出願PCT/US2015/055878
(i)「フェイスマスク製造ラインにおけるラッピングされたフェイスマスクの自動化された積み重ね及び箱詰めのための方法及びシステム」という名称の国際特許出願PCT/US2015/055882
上記の出願は、その全内容を引用により本明細書の一部とする。引用した出願に記載された発明手段の特徴及び態様のあらゆる組み合わせは、本発明の実施形態と組み合わせて、本発明の更に別の実施形態とすることができる。
【背景技術】
【0002】
使い捨てフィルタリング・フェイスマスクまたは保護マスクの種々の形態が知られており、「フェイスマスク」、「保護マスク(レスピレータ)」、「フィルタリング保護レスピレータ」等の種々の名称で呼ばれている。本開示の目的のために、そのようなデバイスを、包括して「フェイスマスク」と称するものとする。
【0003】
自然災害時または他の惨事の発生時に、救援関係者、救急隊員、及び一般大衆に保護用フェイスマスクを供給する能力は重要である。例えば、パンデミックが生じた際、フィルタを通した呼吸を可能にするフェイスマスクの使用が、そのような事態への対応や回復措置の重要な側面である。この理由のために、国や他の自治体は、通常、緊急時の即時使用のためのフェイスマスクの準備備蓄を維持している。しかし、フェイスマスクは、一定の貯蔵寿命しか有しておらず、備蓄品は、有効期限と補給のために継続してモニタリングされなければならない。これは非常にコストの嵩む仕事である。
【0004】
最近、備蓄に頼るのではなく、パンデミックや他の災害時に「必要に応じて」フェイスマスクを大量生産することが実現可能か否かについての調査が始められている。例えば、2013年、米国保健社会福祉省の災害危機対応を専?に扱う副?官とその危機準備室(ASPA)内の生物医学先端研究開発局(BARDA)が、米国でのパンデミック時には最大1億個のフェイスマスクが必要となると推定し、備蓄を回避するために一日当たり150万〜200万個のフェイスマスクを大量生産することによって、この需要が満たされるか否かについての研究を提案した。これは、1分当たり約1500個のマスクの生産に換算される。現状のフェイスマスク製造ラインは、技術と装置による限界のために1分当たり約100個のマスクしか生産できず、これは推定された目標値に遠く及ばない。従って、パンデミック時の「オンデマンド」フェイスマスクの目標値を現実化する場合には、生産及び製造プロセスの進歩が必要である。
【0005】
フィルタフェイスマスクの種々の形態のなかには、よく知られているように、ユーザの鼻にフェイスマスクの形状を合わせ、使用時にフェイスマスクを所定の位置に保持するのを助けるために、フィルタパネルの上側の縁部に沿って「ノーズワイヤ」として知られる可撓性と順応性を有する金属片を備えるものがある。ノーズワイヤは、異なるサイズ及びマスク形状の間で異なる長さ及び幅を有し得るが、一般的には、インライン製造プロセスのなかでスプールから切り出され、不織布材料層に封入または密封される。上述のスループットでの大量生産のためには、スプールが欠乏してしまうので、稼働中のラインの高速の製造速度を維持しながら、保存スプールを稼働中のラインに供給する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこの必要性を扱うものであり、フェイスマスクのインライン製造プロセスの中への保存ノーズワイヤの高速交換を行うための方法及び関連するシステムを提供する。
【0007】
本発明の目的及び利点は、以下の説明に記載されたものであるか、または説明の記載内容から自明のことであるか、または本発明の実施の際に認識できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のいくつかの態様によれば、稼働中の製造ラインに、当該製造ラインの停止または減速などが不要となるように、保存ノーズワイヤの供給体を導入するための方法が提供される。本発明の方法は、ノーズワイヤを備えるフェイスマスクのいかなる特定のスタイルまたは形状、若しくはフェイスマスク製造ラインのいかなる下流工程にも限定されない。
【0009】
本発明の方法は、フェイスマスク製造ラインに、当該フェイスマスク製造ラインで移動中のノーズワイヤが欠乏する前に保存ノーズワイヤの供給体を導入する。この方法は、前記フェイスマスク製造ラインのために第1のノーズワイヤ源と第1の切断システムを提供するステップであって、前記移動中のノーズワイヤは、前記第1のノーズワイヤ源と前記第1の切断システムから供給される、該ステップを含む。保存ノーズワイヤ源及び第2の切断システムは、前記第1のノーズワイヤの近傍のスタンバイ位置にステージングされる。前記第1のノーズワイヤ源が欠乏する前に、前記保存ノーズワイヤ源及び前記第2の切断システムの速度が上げられて動作速度にされ、このステップの間、前記第2の切断システムからのノーズワイヤは前記製造ラインから外れる方向に向けられる。前記保存ノーズワイヤ源及び前記第2の切断システムの動作速度において、前記第2の切断システムからノーズワイヤは前記製造ラインに向けられ、このステップの間、前記第1の切断システムからのノーズワイヤは前記製造ラインから外れる方向に向けられる。
【0010】
前記第1の切断システムからのノーズワイヤが外れる方向に向けられた後、前記方法は、前記第1のノーズワイヤ源を停止して新しいノーズワイヤ源に置き換えて、前記新しいノーズワイヤ源及び前記新しい保存ノーズワイヤの近傍でスタンバイ状態にある前記第1の切断システムを置くステップを含み得る。従って、前記新しいノーズワイヤは、前記方法の後続の操作において前記保存ワイヤとなる。
【0011】
特定の実施形態では、前記第1のノーズワイヤ源及び前記保存ノーズワイヤ源は、前記動作速度で回転駆動されて、前記製造ラインのためにそれぞれに対応する切断システムにノーズワイヤを供給するノーズワイヤのロールである。
【0012】
この方法は、前記保存ノーズワイヤ源及び前記第2の切断システムがいつ動作速度になったかを判定するために、前記保存ノーズワイヤ源の速度及び前記第2の切断システムのスループットのいずれか一方及び両方の組み合わせを検出するステップを更に含み得る。
【0013】
加えて、前記保存ノーズワイヤ及び前記第2の切断システムの速度を前記動作速度まで上げるのをいつ開始するかを決定するために前記第1のノーズワイヤ源の欠乏状態が検出され得る。
【0014】
特定の実施形態では、前記第2切断システムの位置及び前記保存ノーズワイヤのためのステージング場所が、永久的であり、前記製造ライン上に固定される。代替的実施形態では、前記第2切断システムの位置及び前記保存ノーズワイヤのためのステージング場所が、移動可能であり、前記第1のノーズワイヤ源の欠乏状態が検出されたとき前記製造ラインに動かされる。同様に、前記第1の切断システムの位置及び前記第1のノーズワイヤ源のための場所が、移動可能であり、前記製造ラインに向けて動かされてもよい。本発明はまた、本明細書に記載した本発明の方法によってフェイスマスク製造ラインで移動中のノーズワイヤに保存ノーズワイヤを継続導入(splicing)するための種々のシステムの実施形態を包含する。
【0015】
本発明の他の特徴及び態様は、後述の記載のなかで詳述する。
【0016】
本発明の当業者にとって完全で実施可能な開示(最良の実施形態を含む)は、添付の図面を参照し、明細書の残部でより具体的に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ユーザに着用された、フェイスマスクをユーザの顔に倣った形にするノーズワイヤを組み込んだ従来型の呼吸用フェイスマスクの斜視図である。
図2】折り畳まれた状態にある図1の従来型のフェイスマスクの上面図である。
図3図2に示された線に沿って切った図2のフェイスマスクの断面図である。
図4】ウェブにおいて交互に配置されたパネルの縁部にノーズワイヤが組み込まれる、複数のフェイスマスクパネルが画定されたウェブの上面図である。
図5】後でフェイスマスクパネルに組み込むためのノーズワイヤの供給と切断に関連する本発明のいくつかの態様によるフェイスマスク製造ラインの部分を概略的に示す図である。
図6】本発明による、稼働中の製造ラインに保存ノーズワイヤ源からの保存ノーズワイヤを導入するための態様の概略を示す図である。
図7】本発明による、稼働中の製造ラインに保存ノーズワイヤ源からの保存ノーズワイヤを導入するための別の態様の概略を示す図である。
図8】本発明による、稼働中の製造ラインに保存ノーズワイヤ源からの保存ノーズワイヤを導入するための更に別の態様の概略を示す図である。
図9】本発明による、稼働中の製造ラインに保存ノーズワイヤ源からの保存ノーズワイヤを導入するための別態様の概略を示す図である。
図10】本発明による、稼働中の製造ラインに保存ノーズワイヤ源からの保存ノーズワイヤを導入するための更なる別態様の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の種々の実施形態について以下に詳述する。1つ以上の実施例についても記す。各実施形態・実施例は、本発明の例示の意図で提示されるものであり、本発明を限定するものではない。実際、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、本発明の種々の改変形態及び変更形態が実施可能であることは当業者には明らかであろう。例えば、1つの実施形態の一部として例示または記載された特徴を、他の実施形態で用いて、更に別の実施形態を生み出すことができる。従って、本発明は、特許請求の範囲の各請求項の技術内容及びその均等物の範囲に入るそのような改変形態及び変更形態も包含することが想定されている。
【0019】
上述のように、本発明は、供給されているノーズワイヤが欠乏する前にフェイスマスク製造ラインのなかに保存ノーズワイヤ供給体を導入することに関する。フェイスマスク製造の下流工程は、本発明の態様を限定するものではなく、従って、本明細書中では詳細に説明しない。
【0020】
また、本開示は、製造ラインを通してのフェイスマスクの一定の構成要素の搬送または輸送について言及しているか、またはそれを非明示的に言及するものである。物品搬送器(例えば、ロータリコンベヤまたはリニアコンベヤ)、物品配置器(例えば、真空ピックプレイサ)、及び輸送装置の任意の方式または組み合わせは、物品搬送産業においてよく知られており、本明細書に記載の目的で使用され得ることは容易に理解されよう。本発明の方法の理解及び把握のためには、これらの既知の装置やシステムの詳細な説明をすることは不要である。
【0021】
フラットプリーツ付きフェイスマスクを含む、ノーズワイヤを組み込んだフェイスマスクの種々のスタイルや形態はよく知られているが、本発明の方法は、これらの従来のマスクのための製造ラインにおいて有用であり得る。単なる例示を目的として、本発明の方法の態様を、本明細書においては、図1に示すような当分野で「カモノハシ型」マスクと称される特定のタイプの呼吸用フェイスマスクを参照して説明する。
【0022】
図1図3を参照すると、代表的なフェイスマスク11(例えば、カモノハシ型フェイスマスク)が、着用者12の顔の上に示されている。マスク11は、弾性で伸縮性のストラップ即ち固定部材16及び18によって着用者12に固定されるフィルタ本体14を備える。フィルタ本体14は、上側部分20及び下側部分22を備え、両方の部分が補完的な台形の形状を有し、好ましくは、熱及び/または超音波シール等によって3つの辺縁に沿って相互に接合される。この方式で接合することで、マスク11に対し重要な構造上の完全性が加わる。
【0023】
マスク11の第4の辺縁は開放され、上側縁部24及び下側縁部38を備え、これらの縁部は互いに協働して着用者の顔に接触するマスクの周囲部分を画定する。上側縁部24は、平坦な金属のリボンまたはワイヤの形(本明細書では「ノーズワイヤ」と称する)の細長い順応性の部材26(図2及び図3)を受容するように構成される。ノーズワイヤ26は、マスク11の上側縁部24が着用者12の鼻や頬の外形に近接してフィットするべく構成され得るように設けられる。ノーズワイヤ26は、典型的には、矩形の断面形状を有するアルミニウムのストリップから構築される。マスクの上側部分20の上側縁部24に沿って配置されたノーズワイヤ26を有する点を除き、上側部分20と下側部分22は同形であり得る。
【0024】
図1に示すように、マスク11は、概ね、着用者12の顔に付けられたときカップまたは円錐形の形状を有し、従って着用者12が使用前にマスク11をポケットに入れて持ち運びすることを容易にしつつ、成形された円錐形のマスクの「顔から離れる」利点を提供する。「顔から離れる」スタイルのマスクは、着用者の顔のかなりの部分に接触する柔らかいプリーツ付きマスクと比較して大きい呼吸室を提供する。従って、「顔から離れる」マスクは、より低温で楽な呼吸を可能にする。
【0025】
着用者12の通常の呼吸に関連するブローバイ(吹き抜け)は、ノーズワイヤ26の上側縁部26に対する位置や寸法を適切に選択することによって実質的に取り除かれる。ノーズワイヤ26は、好ましくは上側縁部24の中央に位置し、上側縁部24の全長さの50%〜70%の範囲の長さを有する。
【0026】
図3の断面図に示すように、上側部分20と下側部分22は複数の層を備え、各々が、外側マスク層30と内側マスク層32を有する。外側マスク層30と内側マスク層32との間に、マスク11のフィルタ媒体を含む1以上の中間層34が配置されている。この層は、典型的には、メルトブローンポリプロピレン、押出成形ポリカーボネート、メルトブローンポリエステル、またはメルトブローンウレタンから構築される。
【0027】
マスク11の上側縁部24は、マスク11の開放端にわたって延在し、ノーズワイヤ26を覆う縁部バインダ36に面している。同様に、下側縁部38は、縁部バインダ40に包まれている。縁部バインダ36及び40は、上側縁部24に沿ってノーズワイヤ26を置いた後に、それぞれの縁部24、30の上に折り重ねられ、接合される。縁部バインダ36、40は、スパンレース・ポリエステル材料から作製され得る。
【0028】
図4は、上側本体部分20を形成する層を切断するための概ね台形の形状のレイアウトを示す。類似のレイアウトが下側本体部分22について作り出され、これは次にフェイスマスク製造ラインにおいて上側本体部分20と位置合わせされ、接合される。より正確には、図4のレイアウトは、平坦な材料のシートのそれぞれから上側部分20のための層30及び32を最終的に切断するカッターの概略を表し、このレイアウトは、上側縁部24と下側縁部38によって形成されるマスク11の開放側となる縁部50、52の間の平坦な材料のシート上に交互パターンをなすように配置される。このレイアウトの配置は、材料がマスク11の作製に利用される切断装置(図示せず)を通して供給されるときに連続した切り抜き片が形成され得るような配置である。図4は、縁部24、38に沿った縁部バインダ36、40の折り畳みと接合の前の、上側縁部24に対応する連続したウェブの部分上に切断されたノーズワイヤ226が配置されているところを示している。
【0029】
図5は、ノーズワイヤ26を組み入れたフェイスマスクのための製造ライン106の部分を示す。移動するノーズワイヤ104は、被駆動ロール130等のワイヤ源から切断ステーション108に連続したストリップの形状で供給される。適切な切断ステーション108は既知であり、従来の製造ラインで使用されている。切断ステーション108は、被駆動ニップを画定するフィードローラ110の組を含むことができ、このときフィードローラの一方は駆動されるローラであるが、他方はアイドラローラでもよい。フィードローラ110は、移動するノーズワイヤに、ダイヤモンド型パターンのような波形パターンを与える役目も果たし得る。移動するノーズワイヤは、アンビル114に対向するように構成された切断ローラ112に供給され、切断ローラ112は、移動するノーズワイヤ104を、個々のノーズワイヤ26に切断するような速度で駆動される。切断ローラ112の下流には、一対の供給ローラ116が、切断ステーション108からキャリアウェブ118上に個々のノーズワイヤ26を輸送する。図4を参照すると、キャリアウェブ118は、上側本体部分20を画定する連続的な多層ウェブで有り得、個々のノーズワイヤ26は、上側縁部24に対応するキャリアウェブ118の縁部に沿って配置される。また、ノーズワイヤを切断し、図4に示すウェブの反対側の入れ子状の上側本体部分20の上に配置するための追加の切断ステーションを、切断ステーション108の反対側(及び上流か下流)に動作可能に配置できることを理解されたい。図面には、理解を容易にするために、ただ1つのそのような切断ステーションが示されている。
【0030】
図5はまた、移動する第1のノーズワイヤ源103に近接した保存ノーズワイヤ源103のステージングを示す。第1のノーズワイヤ源105が予め定められた欠乏状態になると、保存ノーズワイヤ源103(及びそれから作られた個々のノーズワイヤ)が、図6図10を参照して後で詳述するように製造ラインに導入される。
【0031】
個々のノーズワイヤ104をキャリアウェブ118上の所定の位置に配置した後、バインダウェブ120を、キャリアウェブ118の両縁部に沿って製造ラインに導入する。(図5には、ただ1つのバインダウェブ120が図示されている。)キャリアウェブ118、ノーズワイヤ26、及びバインダウェブ120の組み合わせは、折り畳みステーション122を通過し、バインダウェブ120は、キャリアウェブの移動する縁部50、52のそれぞれの上に折り畳まれる(図4)。次に構成要素が接合ステーション124を通過し、バインダウェブ120がキャリアウェブ118に熱的に接合され、それぞれのバインダ36、40で図3に示す縁部の形態24、38が作り出される。ノーズワイヤ26は、バインダ36によって上側縁部24に対する所定の位置に保持される。
【0032】
接合ステーション124から、バインダ36の下でのキャリアウェブ118とノーズワイヤ104の連続する組み合わせが更に下流の処理ステーション126に搬送され、個々のフェイスマスクが切断、接合され、ヘッドストラップの適用等がなされる。
【0033】
更に図6図10を参照すると、保存ノーズワイヤ源103から製造された個々の保存ノーズワイヤ102を稼働する製造ライン106に導入するための方法の態様が示されている。図6は、スタンバイ位置にステージングされたロールとしての保存ノーズワイヤ源103を示す。この方法は、第1のノーズワイヤ源105に製造ライン106のための専用の第1の切断システム108を提供することを含み、図5に関連して説明したように移動するワイヤ104は第1のノーズワイヤ源105及び第1の切断システム108によって供給される。保存ノーズワイヤ源103には、これも第1のノーズワイヤ源105及び第1の切断システム108の近傍にスタンバイ状態でステージングされた専用の第2の切断システム128が提供される。第2の切断システム128は、第1の切断システム108に関連して上述したように構成され得る。
【0034】
更に図6を参照すると、切断システム108、128の各々は、それぞれの制御可能なダイバータ130、132を備えるように構成され、ダイバータ130、132は、個々のノーズワイヤをノーズワイヤが移送するノーズワイヤ104として製造ラインに輸送される動作方向か、または製造ラインから外される廃棄方向のいずれかに向ける。ダイバータ130、132は、物品の流れの方向を変えるために用いられる、あらゆるタイプの機械的または空気力学的な装置であり得る。あらゆる方式のコンベヤを用いて、ノーズワイヤをそれぞれのダイバータ130、132から製造ライン106か廃棄場所に輸送することができ、図6には、ノーズワイヤが折畳器122に輸送される前に、ノーズワイヤを、被駆動コンベヤ、ローラテーブル等であり得る中間輸送面138に輸送するコンベヤ134、136が概略的に示されている。
【0035】
図6は、第1のノーズワイヤ源105及び第1の切断システム108が、個々のノーズワイヤ104を製造ライン106に供給し、保存ノーズワイヤ源103及び第2の切断システム128が、スタンバイ状態または準備完了状態にあるシステムを示す。
【0036】
図7を参照すると、第1のノーズワイヤ源105が枯渇する前に、保存ノーズワイヤ源103及び第2の切断システム128の速度が動作速度に上げられるとともに、第2の切断システム128で作られたノーズワイヤ102が第2のダイバータ132によって製造ラインから外され、例えば廃棄場所に向けられるようになっている。
【0037】
図8を参照すると、保存ノーズワイヤ源103及び第2の切断システム128の所望の動作速度において、第2の切断システムからのノーズワイヤは、第2のダイバータ132によって製造ライン106へと向けられ、従って移動するノーズワイヤ104となる。同時にまたは近い時間に、第1の切断システム108からのノーズワイヤは、第1のダイバータ130によって製造ラインから外され、例えば同一のまたは異なる廃棄場所に向けられるようになっている。
【0038】
図9を参照すると、第1の切断システム108からのノーズワイヤが製造ラインから外された後に、本方法は、第1のノーズワイヤ源105及び第1の切断システム108を停止する過程を含み得る。
【0039】
図10を参照すると、「古い」ノーズワイヤ源が、取り除かれ、新しいノーズワイヤ源107に交換することができ、新しいノーズワイヤ源107及び第1の切断システム108は、稼働している保存ノーズワイヤ源103の近傍にスタンバイ状態で配置される。従って、新しいノーズワイヤ源107は、この方法でのその後の操作における新しい保存ノーズワイヤ源になる。
【0040】
図6を参照すると、方法100が、制御器140と通信する速度センサ142によって保存ノーズワイヤ源103の速度(例えば回転速度)を検出し、制御器140が第2のダイバータ132に作用してノーズワイヤを製造ライン106に向けるようにする前に保存ノーズワイヤ源103及び第2の切断システム128がいつ動作速度になったかを判定する過程を含み得る。類似の速度センサ142が、新しい保存ノーズワイヤ源107(保存ロール)が所定位置に置かれたとき同じ目的で第1のノーズワイヤ源105の位置で構成され得る。代替的実施形態では、所定の時間にわたってそれぞれの切断システム108、128によって供給された実際のノーズワイヤを検出し、カウントするために、所定位置にスループットセンサ144を配置することができ、このスループットの測定を用いて、ダイバータ130、132をいつ作動させるべきかを決定する。
【0041】
制御器140は、本明細書に記載した機能を発揮するあらゆる形態の制御用ハードウェア及びソフトウェアであり得る。
【0042】
加えて、保存ノーズワイヤ103源103及び第2の切断システム128を動作速度にすることをいつ開始するかを決定するために、第1のノーズワイヤ源105の欠乏状態を、例えばロールの直径の変化を検知することによってセンサ145で検出することができる。それぞれの欠乏状態センサ145は、同じ目的で第1のノーズワイヤ源105及び保存ノーズワイヤ源103の各々のための位置に配置され得る。
【0043】
特定の実施形態では、第2の切断システム128及び保存ノーズワイヤ103のためのステージング場所を永久的なものとし、製造ライン106に固定する。代替的実施形態では、第2の切断システム128及び保存ノーズワイヤ103のためのステージング場所を移動可能とし(例えば、キャリッジ上に載置し)、第1のノーズワイヤ源105が検出された欠乏状態にあるとき製造ライン106に移動させる。同様に、第1の切断システム108及び第1のノーズワイヤ源105のための場所を移動可能とし、異なる製造ライン106の間で動かすようにもできる。
【0044】
前述のように、本発明は、本発明の方法に従って製造ラインを移動中のノーズワイヤが欠乏する前に、フェイスマスク製造ラインに保管ノーズワイヤの供給体を導入するための種々のシステムの形態も包含する。そのようなシステムのいくつかの態様は、図面に示され、本明細書中にも記載されている。
【0045】
図示され上記された特定の内容は、本発明の種々の例示的実施形態を示し、教示するためのものであり、本発明の範囲の限定を意図するものではない。特許請求の範囲の項に記載のように、本発明の範囲は、当業者には想到可能なそのような改変形態及び変更形態とともに、本明細書に記載した種々の特徴の組み合わせ及びサブコンビネーションを包含するものである。
【要約】
【課題】ノーズワイヤを稼働中のフェイスマスク製造ラインに供給可能にする。
【解決手段】フェイスマスク製造ラインに、そのラインで移動中のノーズワイヤが欠乏する前に保存ノーズワイヤの供給体を導入するための方法において、移動するノーズワイヤを製造ラインに供給するために第1のノーズワイヤ源及び第1の切断システムを提供し、保存ノーズワイヤ源及び第2の切断システムを、第1のノーズワイヤ源の近傍にスタンバイ状態でステージングし、第1のノーズワイヤが欠乏する前に、保存ノーズワイヤ源及び第2の切断システムの速度を上げて動作速度にし、この間、第2の切断システムからのノーズワイヤは製造ラインから外れる方向に向け、保存ノーズワイヤ源及び第2の切断システムの動作速度において、第2の切断システムからのノーズワイヤを製造ラインに向け、この間、第1の切断システムからのノーズワイヤは製造ラインから外れる方向に向ける。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10