(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6255511
(24)【登録日】2017年12月8日
(45)【発行日】2017年12月27日
(54)【発明の名称】グリップ内にストッパを有するゴルフクラブのためのグリップおよび内部ウェイトシステム
(51)【国際特許分類】
A63B 53/14 20150101AFI20171218BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20171218BHJP
【FI】
A63B53/14 A
A63B102:32
【請求項の数】26
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-555591(P2016-555591)
(86)(22)【出願日】2015年3月4日
(65)【公表番号】特表2017-506979(P2017-506979A)
(43)【公表日】2017年3月16日
(86)【国際出願番号】US2015018682
(87)【国際公開番号】WO2015134574
(87)【国際公開日】20150911
【審査請求日】2016年10月31日
(31)【優先権主張番号】61/947,570
(32)【優先日】2014年3月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/636,289
(32)【優先日】2015年3月3日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514051796
【氏名又は名称】エスエスジー インターナショナル,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ディングマン,ディーン
(72)【発明者】
【氏名】リー,クリス
【審査官】
▲吉▼川 康史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−136093(JP,A)
【文献】
米国特許第07481716(US,B1)
【文献】
特開2012−045353(JP,A)
【文献】
米国特許第04826168(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B53/14
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブシャフトを有するゴルフクラブのためのゴルフクラブグリップであって、
第1の端部、第2の端部、内面、および外面を有する細長い中空部材であって、前記第2の端部は前記ゴルフクラブシャフトを受容するように構成され、前記第1の端部は開口部を有し、前記細長い中空部材は前記内面から内部に向けて所定の長さ延在するストッパを備える、細長い中空部材と、
前記開口部に受容されるインサートであって、第1の側面断面形状を有する第1のフランジおよび前記第1のフランジから延在する本体部を備え、前記第1のフランジは上面を備え、前記上面は前記インサートが前記開口部に受容されたときに前記細長い中空部材の前記第1の端部と揃う、インサートと、
を備え、
前記本体部は、前記第1のフランジおよび前記本体部の内部に延在する第1のねじ部を備え、
前記ストッパは、前記ゴルフクラブシャフトと前記インサートとを軸方向に分離すること、
を特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項2】
請求項1に記載のゴルフクラブグリップであって、前記細長い中空部材の前記第1の端部は凹部を規定し、前記第1のフランジは前記凹部に受容されること、を特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項3】
請求項1に記載のゴルフクラブグリップであって、前記本体部は複数の壁を備えることを特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項4】
請求項3に記載のゴルフクラブグリップであって、前記複数の壁は正多角形を形成することを特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項5】
請求項3に記載のゴルフクラブグリップであって、前記複数の壁は4つの壁を備えることを特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項6】
請求項5に記載のゴルフクラブグリップであって、前記4つの壁は正方形を含むことを特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項7】
請求項1に記載のゴルフクラブグリップであって、複数の壁をさらに備え、前記複数の壁は正多角形を形成することを特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項8】
請求項1に記載のゴルフクラブグリップであって、複数の壁をさらに備え、前記複数の壁は4つの壁を備えることを特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項9】
請求項8に記載のゴルフクラブグリップであって、前記4つの壁は正方形を備えることを特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項10】
ゴルフクラブシャフトを有するゴルフクラブのためのゴルフクラブグリップであって、
第1の端部、第2の端部、内面および外面を有する細長い中空部材であって、前記第2の端部はゴルフクラブシャフトを受容するように構成され、前記第1の端部は開口部を有し、前記細長い中空部材は前記内面から内部に向けて所定の長さを延在するストッパを備える、細長い中空部材と、
前記開口部に受容され、第1のフランジ、前記第1のフランジから延在する本体部、ならびに前記第1のフランジおよび前記本体部の内部に延在する第1のねじ部を備えるインサートと、
を備え、
前記ストッパは、前記ゴルフクラブシャフトと前記インサートとを軸方向に分離し、
前記インサートは、前記本体部に近接し前記第1のフランジから軸方向に離間する第2のフランジを備えること、
を特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項11】
請求項10に記載のゴルフクラブグリップであって、前記本体部は複数の壁を備えることを特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項12】
請求項11に記載のゴルフクラブグリップであって、前記複数の壁は正多角形を形成することを特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項13】
請求項11に記載のゴルフクラブグリップであって、前記複数の壁は4つの壁を備えることを特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項14】
請求項13に記載のゴルフクラブグリップであって、前記4つの壁は正方形を含むことを特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項15】
請求項10に記載のゴルフクラブグリップであって、前記第2のフランジは前記細長い中空部材と係合する少なくとも1つの突起を備えること、を特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項16】
請求項15に記載のゴルフクラブグリップであって、前記少なくとも一つの突起は、前記第2のフランジから長手方向に延在することを特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項17】
請求項10に記載のゴルフクラブグリップであって、前記ストッパは前記細長い中空部材の内面にわたって連続する帯であること、を特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項18】
請求項10に記載のゴルフクラブグリップであって、前記所定の長さは、前記シャフトの厚み以上であること、を特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項19】
請求項10に記載のゴルフクラブグリップであって、前記ストッパはステップ形状を備えること、を特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項20】
請求項10に記載のゴルフクラブグリップであって、前記ストッパは、前記グリップの内壁に対して垂直に延在する第1の壁および第2の壁と、前記第1の壁および前記第2の壁の間に延在する第3の壁とを備えること、を特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項21】
請求項20に記載のゴルフクラブグリップであって、前記第3の壁は、前記第1の壁および前記第2の壁に対して垂直であり、前記グリップの前記内壁に対して平行であること、を特徴とするゴルフクラブグリップ。
【請求項22】
シャフトを含むゴルフクラブのグリップシステムであって、
請求項10に記載のグリップと、
前記インサートの前記第1のねじ部と係合する第2のねじ部を備える第1のウェイトを備えるウェイトと、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項23】
請求項22に記載のシステムであって、前記ウェイトは、第1のウェイト端部が前記細長い中空部材と端が揃うように前記細長い中空部材に受容されることを特徴とするシステム。
【請求項24】
ゴルフクラブであって、
ヘッドと、
第1のシャフト端部および前記ヘッドに固定される第2のシャフト端部を有するシャフトと、
請求項22に記載のグリップシステムと、
を備えることを特徴とするゴルフクラブ。
【請求項25】
請求項24に記載のゴルフクラブであって、前記シャフトは前記ストッパに直接隣接し、前記インサートは前記ストッパに直接隣接することを特徴とするゴルフクラブ。
【請求項26】
請求項24に記載のゴルフクラブであって、前記グリップは第1の材料から製造され、前記インサートは前記第1の材料とは異なる第2の材料から製造されることを特徴とするゴルフクラブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
この出願は、2015年3月3日に出願された米国特許出願番号14/636,289に対する優先権を主張するとともに、2014年3月4日に出願された米国仮出願番号61/947,570に対する利益を主張する。上記出願のすべての開示はここに参照により含まれる。
【0002】
本開示は、ゴルフクラブのグリップに関し、特にゴルフクラブのための内部ウェイトシステムを含むグリップに関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションは、本開示に関連する背景情報を提供するものであり、必ずしも先行技術を提供するものではない。
【0004】
ゴルファーのスイングの微調整に加え、ゴルフクラブの重量はゴルフショットの距離と精度に影響を与えうる。パット感は精度のために重要である。様々なメーカーがパターの感触を変更するために様々な方法を提供している。ウェイトの提供は、ゴルフクラブの感触を変化させる一つの方法である。
【発明の概要】
【0005】
ゴルフクラブのウェイトが調節可能であることは、ゴルファーにとってゴルフショットの距離と精度を改善しおよび/または完成するために有利でありうる。
【0006】
本開示の一態様では、ゴルフクラブ用のゴルフクラブグリップは、第1の端部、第2の端部、内面および外面を有する細長部材を含む。第1の端部は、ゴルフクラブのシャフトを受容するように構成される。第2の端部は、第1のねじ部をその中に有するインサートを備えた開口部を有する。細長部材は、内面から内側に向けて所定の距離を延在するストッパを備える。ストッパは、ゴルフクラブのシャフトおよびインサートを分離する。
【0007】
さらなる適用領域がここの記載から明らかになる。説明および特定の実施例は、例示のみを目的とするものであり、本開示の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。
【0008】
ここに開示の図面は、全ての可能な実施形態ではなく選択された形態のみを図示することを目的としており、本開示の範囲を限定するものではない。
【0009】
図面の各図にわたり、対応する参照番号は対応する部位を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の教示によるグリップおよび内部ウェイトシステムを含み、さらにシャフトとヘッドとを含む例示的なゴルフクラブの正面図である。
【
図2】
図2は、グリップ、インサートおよびシャフトの部分分解斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、グリップ、内部ウェイトシステム、およびシャフトの部分分解断面図である。
【
図3B】
図3Bは、
図3Aの線3B−3Bに沿った、中のインサートを外したグリップの上面図である。
【
図5】
図5は、内部ウェイトシステムの断面図である。
【
図6A】
図6Aは、グリップおよびシャフトを添えた、本開示の教示によるグリップキャップの部分分解図である。
【
図6B】
図6Bは、インサート内に挿入されたグリップキャップの上面図である。
【
図8】
図8は、グリップ内に挿入されたインサートの変形例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、適用または使用を限定することを意図するものではない。明確にするために、同様の要素を識別するために同一の参照番号が図面で使用される。本開示を詳細とし、当業者に十分にその範囲を伝達するように実施例が提供される。具体的な構成要素の例などの多数の具体的な詳細が、本開示の実施例の詳細な理解を提供するために記載される。具体的な細部は必ずしも採用する必要がなく、実施例は多くの異なる形態で具現化することができ、いずれも本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきでないことは当業者にとって明らかである。さらに、本開示の教示は、デバイスのウェイトを調整することが有利であり、望まれる他の用途にも適用可能であることが理解されるべきである。そのような適用例としてはたとえば、テニスラケット、釣り竿、および/またはホッケースティックなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
図1には、ヘッド12、シャフト14、およびグリップ16を含むゴルフクラブ10が示されている。ヘッド12は、ゴルフコース上の様々な位置からゴルフボール(不図示)を打つように構成されうる。ヘッド12は、たとえばグリーンから(すなわち図示されたパター)、ティーボックスから(すなわちドライバー)、またはフェアウェイ、ラフもしくはバンカーから(すなわちアイアンやウェッジ)、ゴルフボールを打つように構成されうる。
【0013】
図1〜6を参照すると、シャフト14は、第1の端部18と第2の端部20との間に延在する細長部材である。シャフト14は、金属(たとえば、スチールシャフト)または炭素繊維(すなわち、グラファイトシャフト)のような適切な材料から製造することができる。シャフト14の第1の端部18はグリップ16を支えるように構成され、シャフト14の第2の端部20はヘッド12に固定される。シャフト14は、端部18、20の間で断面が均一となるようにしてもよいし、第1の端部18と第2の端部20との間で断面が先細になるようにしてもよい。シャフト14は、端部18、20の間ずっと中空であってもよいし、シャフト14は、第1の端部から少なくとも一部に延在するボアを含むようにしてもよい。このように、シャフト14は、外面22と、内面23と、少なくとも第1の端部18の近傍における内部チャネルまたはキャビティ24とを含む。外面22と内面23との間の距離はシャフト14の厚さを規定する。内面23は内部のキャビティ24を規定する。
【0014】
グリップ16は、細長い中空部材であり、天然もしくは合成ゴムまたはエラストマー材料のような、適切な材料から製造することができる。グリップ16は、第1の端部26、対向する第2の端部28、内側グリップキャビティ30、および外側グリップ面32を含む。
【0015】
第1の端部26は台尻とも呼ばれる。グリップ16の第1の端部26は、内部ウェイトシステム50をグリップ16に取り付けるためのインサート34を受容するように構成された開口部33を含む。グリップ16の第2の端部28は、シャフト14を内側グリップキャビティ30に受容するように構成された第2の開口部を含みうる。シャフト14の第1の端部18において外面22がグリップ16の第1の端部26と概ね端が揃うようにあるいは互いに揃うように、シャフト14は内側グリップキャビティ30に受容されうる。内側グリップキャビティ30の形状は、少なくともシャフト14の第1の端部18の近傍において、シャフト14の外面22の形状と一致しうる。言い換えれば、少なくとも第1の端部18の近傍においてシャフト14の外面22が円形または五角形の形状を有していれば、内側グリップキャビティ30も同様に対応する円形または五角形の形状を有しうる。内側グリップキャビティ30と外面22との間には、グリップ16がシャフト14の側面上を滑ったり、グリップ16がシャフト14の軸方向に回転したりすることを制限するべく、接着剤または結合剤が用いられうる。外側グリップ面32は、たとえば、円筒形、五角形、六角形、または卵形など、いかなる形状を有していてもよい。
【0016】
特に
図2〜
図4を参照すると、インサート34は、金属、ナイロンまたは高分子材料などの適切な材料から製造することができる。インサート34は、環状フランジ36と本体38とを有する。本体38は、外面40と内面42とを有する。インサート34は、環状フランジ36の上面44がグリップ16の第1の端部26と概ね揃うように、グリップ16の開口部33に受容されうる。上面44はウェイトキャップ54のフランジを受容するための凹部45を有する。
【0017】
本体38は、複数の壁46a、46b、46c、46dを備え、その断面を多角形とすることができる。本実施例では、4つの壁46a、46b、46cおよび46dが本体の多角形の外形を形成する。もっとも3つ以上の壁を用いることができる。多角形は正多角形でなくてもよい。多角形は異なる長さの壁を有することができる。壁46a、46b、46c、46dは、内側グリップキャビティ30に係合するように構成され、グリップ16に対するインサート34の軸方向の回転や側面上での動きを抑制し得る。インサート34を開口部に固定するべく、接着剤または結合剤がグリップ16とインサート34との間に用いられうる。
【0018】
環状本体38の内面42の内にあるねじ部48は、インサート34に対してさらに最終的にはグリップ16に対して、後述されるウェイトシステム50およびグリップキャップ52を選択的に螺合してつなげるように構成される。後に詳述される他の実施例では、インサート34はグリップ16にオーバーモールドされあるいは一体的に形成される。
【0019】
グリップ16の第1の端部26は端部キャップ80とも呼ばれる。端部キャップ80は、インサート34の外形に対応する形状を有しうる。この実施例では、インサート34は、フランジ36の形状に対応する円形凹部82を有する。円形凹部82はフランジ36の厚さに相当する深さを有する。円形凹部82は、端部キャップ80の端部から軸方向内側に延在する。端部キャップ80またはグリップ16は多角形状の凹部84も有しうる。多角形状の凹部84は、インサート34の本体38を受容する形状寸法を有する。本実施例では、4つの壁46A、46B、46C、46Dが本体38を形成するために用いられる。多角形状の凹部84はまた、グリップの第1の端部26から下向きまたは軸方向内側(長手方向)に延在する4つの側面86A、86B、86C、86Dを有する。つまり、側面86A、86B、86Cおよび86Dは、挿入後にフランジ36が当接する平面88から軸方向内側に延在する。ウェイト50が容易に挿入されうるように、インサート34の内面42とグリップの他の部分とは干渉しないように形成される。
【0020】
特に
図3Aを参照すると、挿入されたシャフト14とともにグリップ16の断面図が描かれている。この例では、インサート34は、ねじ山48が見えるように図示する目的で分離されている。
【0021】
グリップ36は、内壁100を有する。内壁100は、シャフト14の外壁22に隣接するように図示されている。内壁100は、そこから内側に延在するストッパ102を有する。ストッパ102は、図示された例では、円形または環状の帯である。ストッパ102は、内壁100の内周にわたる連続した帯であってよい。ストッパ102は、組立時にシャフト14がインサート34を外向けに付勢することを防ぐ。ストッパ102はグリップ16の内壁100から半径方向にX
1の距離で延在する。シャフト14の内壁23は、内壁100からX
2の距離で延在する。好ましくは、距離X
2は、ストッパ102の延出に対応する距離X
1よりも短い。これにより、ウェイトシステム50が、シャフトを障害とせずに、容易にキャビティ30に挿入されるようにすることができる。距離X
2は距離X
1と等しくてもよい。インサート34の本体38は、このようにして、シャフトへの取付けが完了したときに、ストッパ102によりシャフト14から分離される。ストッパ102の開口部の直径に相当する直径D
1は、インサート34のねじ山48の内径D
2に一致しうる。したがって、
図3Bに最もよく表されているように、ウェイトシステム50が閉塞態様で容易に挿入されうるように、ねじ山48の並びにより形成される有効開口部、ストッパ102、およびシャフトの内部キャビティ24が整列される。
【0022】
ストッパ102は、第1の壁104、第2の壁106および第3の壁108を備える。本実施例では、第1の壁104は、グリップの内壁100から内壁100に対して垂直に延在する。本実施例において、第2の壁106も、グリップ16の壁100に対して垂直な方向に延在する。本実施例に示されているように、第3の壁108は、第1の壁104および第2の壁106の両方に対して垂直な方向に延在しうる。第1の壁104、第2の壁106および第3の壁108は、ステップ状の段差を形成する。したがって、ストッパ102はステップ状のストッパである。組み立て上がったときに、シャフト14はストッパ102に直接隣接する。特にシャフト14はストッパ102の第2の壁106に直接隣接する。第3の壁108の長さに相当するストッパ102の厚さは、組立中にシャフト14がインサート34を動かしてしまうことを防ぐ。
【0023】
図1〜4を参照すると、ウェイトシステム50は、グリップ16の第1の端部26とシャフト14のキャビティ24とに選択的に挿入されることができ、インサート34に螺合するように構成される。ウェイトシステム50は、ウェイトキャップ54、スペーサ56、ウェイト58、およびスリーブ60を含む。
【0024】
ウェイトキャップ54は、金属またはポリマー材料など、適切な材料から製造されうる環状の部材である。ウェイトキャップ54は、第1のねじ部62と、第1のねじ部62の下方に位置する第2のねじ部64と、第1のねじ部62の上端68の上に位置する固定ソケット66とを含む。ウェイトキャップ54の第1のねじ部62は、ウェイトシステム50をグリップ16に固定するために、インサート34のねじ部48と螺合するように構成されている。ウェイトキャップ54の第2のねじ部64は、以下に説明するスペーサ56と螺合する。ウェイトキャップ54の上端68は、ウェイトシステム50がグリップ16に取り付けられたときに「仕上げ」または均一な外観となるように、グリップ16と同じ材料から製造されまたはオーバーモールドされうる。固定ソケット66は、たとえば六角レンチ(図示せず)のような固定キーと係合するように、たとえば六角形の形状を有することができる。固定ソケット66は、ウェイトキャップ54とウェイトシステム50とをインサート34に締め付けて取り付けるために、あるいはインサート34からウェイトキャップ54とウェイトシステム50とを緩めて取り外すために用いることができる。
【0025】
スペーサ56は、金属、グラファイトまたは高分子材料などの適切な材料から製造することのできる細長い部材である。スペーサ56は、第1の端部70と反対側に位置する第2の端部72とを含む。第1の端部70においてスペーサ56は、ウェイトキャップ54の第2のねじ部64と螺合するように構成された第1のねじ部74を有する。第2の端部72においてスペーサ56は、後述するウェイト58と螺合するように構成された第2のねじ部76を有する。スペーサ56は様々な長さを有することができ、シャフト14の端部18、20に対するゴルフクラブ10の重心の位置をユーザがカスタマイズできるようにしている。たとえば、ユーザは、長いスペーサを用いてゴルフクラブ10の重心をヘッド12寄りにし、あるいは、短いスペーサを用いてゴルフクラブ10の重心をグリップ16寄りとすることができる。
【0026】
ウェイト58は、金属や真鍮のような適切な材料から製造することができる細長い部材である。ウェイト58は、第1の端部78とその反対側に位置する第2の端部81とを含む。第1の端部78において、ウェイト58はスペーサ56の第2のねじ部76と螺合するように構成された第1のねじ部83を有する。第2の端部81において、ウェイト58は、追加のウェイト(不図示)を取り付けるための第2のねじ部(不図示)を有しうる。ウェイト58は、ゴルフクラブ10に加えられる重量をカスタマイズする能力をユーザに提供するように、様々な重量とすることができる。
【0027】
スリーブ60は、発泡材料または高分子材料のような適切な材料から製造することのできる弾性的に圧縮可能な部材である。スリーブ60は、ウェイト58に被さって延在するように構成され、あるいはウェイト58と一体的に形成されうる。スリーブ16は、ウェイトシステム50がグリップ16とシャフト14のキャビティ24との内に挿入されたときに、スリーブ60が縮んで強くキャビティ24と係合するように、シャフト14のキャビティ24よりも大きく構成されていてよい。この点では、スリーブ60は、キャビティ24内におけるウェイト58およびウェイトシステム50の軸方向および/または半径方向の動きに抵抗し、使用時にウェイト58およびウェイトシステム50がキャビティ24に対してぶつかったり振動したりしないようにすることができる。
【0028】
図2〜6には、グリップ16にウェイトシステム50を取り付ける方法の一例が説明されている。ウェイト58は、ゴルフクラブ10に加えることが所望される重量を有するものを選択することができる。スリーブ60は、ウェイト58に装着することができる。スペーサ56は、ヘッド12とグリップ16との間の所望の位置でゴルフクラブ10の重心を位置決めするための長さを有するものを選択することができる。ウェイト58の第1のねじ部83と、スペーサ56の第2のねじ部76とは螺合されうる。スペーサ56とウェイト58とが螺合解除しないように、ロックタイト(登録商標)などの固定接着剤がねじ部83、76の間に適用されてもよい。スペーサ56の第1のねじ部74と、ウェイトキャップ54の第2のねじ部64とが螺合されうる。スペーサ56とウェイトキャップ54とが螺合解除しないように、たとえばロックタイト(登録商標)などの固定接着剤がねじ部74、64の間に適用されてもよい。ウェイトシステム50は、グリップ16の開口部33と、シャフト14のキャビティ24とに挿入することができる。ウェイトキャップ54の固定ソケット66をウェイトキャップ54の第1のねじ部62に螺合するために、六角レンチ(不図示)のような固定キーを用いることができる。ウェイトキャップ54とインサート34とが螺合解除しないように、ロックタイト(登録商標)のような固定接着剤をねじ部62、48間に適用してもよい。取り付けられた時に、ウェイト58の第2の端部81がグリップ16の第2の端部28と整列されることが好ましい。あるいは、ウェイト58の第2の端部81は、たとえば
図1に示す第1の端部26近傍のように、グリップ16の端部26、28の間のどこかに位置づけてもよい。
【0029】
ウェイトシステム50は、ウェイトキャップ54の第1のねじ部62をインサート34のねじ部48から外すことにより、グリップ16から取り外すことができる。固定キーは、ウェイトキャップ54の固定ソケット66と係合して、ねじ部62、48の間の係合を外すことができる。このようにして、ウェイトシステム50はグリップ16から分離されうる。
【0030】
図6Aおよび6Bに関し、ウェイトシステム50を用いた追加の重量がゴルフクラブ10に加えられることが望まれていない場合、代わりにグリップキャップ52がインサート34に螺合されてよい。グリップキャップ52は、金属やポリマー材料のような適切な材料から製造することができる環状の部材である。グリップキャップ52は、ねじ部116と、ねじ部116の上端部120の上に位置する固定のソケット118とを有する。ねじ部116は、ウェイトシステム50がグリップ16に取り付けられていないときに、インサート34のねじ部48と螺合するように構成されている。グリップキャップ52の上端部120は、グリップキャップ52がインサート34に係合しているときに「仕上げの」または均一な外観を提供するべく、グリップ16と同じ材料で製造され、またはオーバーモールドされることができる。固定ソケット118は、たとえば六角形の形状を有することができ、たとえば、六角キー(図示せず)などの固定キーを使用して、グリップキャップ52のねじ部116と、インサート34のねじ部48とが螺合して締め付けられうる。グリップキャップ52とインサート34とが螺合解除されるのを防止するために、ロックタイト(登録商標)などの固定接着剤がねじ部116、48の間に適用されうる。
【0031】
グリップキャップ52のねじ部116をインサート34のねじ部48から外すことにより、グリップキャップ52はグリップ16から取り外すことができる。固定キーをグリップキャップ52の固定ソケット118に係合してねじ部116、48を緩めるために用いてもよい。このようにしてグリップキャップ52はグリップ16から分離することができる。
【0032】
ここで
図7には、変形例のインサート34’が記載されている。この例では、インサート34’はまた、環状フランジ36’および本体部38’を有する。フランジ36’は、インサート34について上述されたものと同様に構成されている。フランジ36’は、上述されたウェイトキャップ54またはグリップキャップ52を受け入れるために用いられる凹部712を有する。このように、インサート34’の内側部分は、上述したものと同様に構成されている。
【0033】
インサート34’は、上述したものとは少し異なる本体部分38’を有する。この実施例において、本体部38’も、壁46A’、46B’、46C’および46D’を含む。これらの図では、壁46C’は見えなくなっている。したがって、本体部38’はまた、上述したものと同様に、多角形の面または壁を有する。この実施例では、本体38’は、フランジ36’と反対の本体部分38’に隣接して追加される第2のフランジ714を有する。第2のフランジ714は、上面として参照されうる表面716を有する。表面716は、フランジ36’の底面が向いている方向と反対の方向に向いている。表面716は、そこから延在する突起718を含みうる。この例では2つの突起718だけが示されている。しかしながら、任意の数の突起を用いることができる。
【0034】
インサート34’は、射出成形または他のタイプの成形に適している。インサート34’は、成形プロセスの熱に耐えることができる金属または他のタイプの材料から作られうる。壁46A’、46B’、46C’、46D’は、ウェイトシステム50およびグリップキャップ52の取り付けや取り外しの際に、インサート34’が回転しないようにする。加えて突起718は、ウェイトシステム50およびグリップキャップ52の取り付けや取り外しの際に、インサート34’の抵抗力を増加させる。突起718は、面716からフランジ710の底面719に向かって、長手軸720に平行な長手方向に延在する。
【0035】
ねじ山722は、インサート34’を貫通して長手方向に延びる開口部724の内側に配置することができる。
【0036】
ここで
図8を参照すると、グリップ16がインサート34’の周りに成形されたように示されている。インサート34’ではグリップの構成物が壁46A、46B’、46C’および46D’(そのうちの一部、壁46B’および46D’のみが示されている。)に隣接する。ウェイトアセンブリ50は、凹部712内に収まる。
【0037】
ここで当業者は、本開示の広い教示が様々な形態で実施できることが、前述の説明から理解することができる。したがって、本開示は特定の実施例を含むところ、図面、明細書および請求項を検討すれば他の変形例も当業者にとって明らかとなることから、本開示の真の範囲はそのように限定すべきではない。