(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の、建物、支持部材、及び、建物の組立方法、に関する各実施形態について
図1乃至
図29を参照しながら説明する。
【0013】
<第1実施形態>
(概要)
第1実施形態の建物は、立設される壁部と、壁部により支持される屋根部と、屋根部よりも下方向に位置する直線状の支持部材と、支持部材により支持される天井板と、を備える。
支持部材は、一端が、第1位置と、第1位置よりも下方向の第2位置と、の間を移動可能であるように揺動可能に他端が屋根部により支持されるとともに、当該一端が第1位置に位置している状態において当該一端が壁部により支持される。
【0014】
これによれば、支持部材の一端が第2位置に位置している状態において、作業者が支持部材を支持すること、又は、支持部材を自立させることにより、容易に、支持部材の他端を所定の高さに位置させることができる。この結果、支持部材を屋根部に支持させるための作業、又は、屋根部を壁部に支持させるための作業等を作業者が容易に行うことができる。
【0015】
更に、支持部材を揺動させることにより、支持部材の一端を第2位置から第1位置へ容易に移動させることができる。これにより、支持部材の一端を壁部に容易に支持させることができる。このように、支持部材の両端を作業者が同時に支持することなく、一人の作業者であっても容易に支持部材を壁部に支持させることができる。
このようにして、上記構成によれば、建物を容易に組み立てることができる。
次に、第1実施形態の建物について、より詳細に説明する。
【0016】
(構成)
以下、
図1乃至
図29に表されるように、x軸、y軸及びz軸を有する右手系の直交座標系を用いて、第1実施形態の建物1を説明する。
なお、本明細書においては、z軸の正方向、及び、z軸の負方向は、上方向、及び、下方向とそれぞれ表されてもよい。
【0017】
図1は、建物1の斜視図である。
図2は、建物1をy軸の正方向にて見た図(換言すると、正面図)である。
図3は、建物1をz軸の負方向にて見た図(換言すると、平面図)である。
図4は、
図2のIV−IV線により表される平面により切断された建物1の断面をz軸の正方向にて見た図である。
図5は、
図4の破線により囲まれた領域Vを拡大した図である。
【0018】
図6は、
図3のVI−VI線により表される平面により切断された建物1の断面をy軸の正方向にて見た図である。
図7は、
図6の破線により囲まれた領域VIIを拡大した図である。
図8は、
図6の破線により囲まれた領域VIIIを拡大した図である。
【0019】
図1乃至
図8に表されるように、建物1は、基礎部10と、壁部20と、屋根部30と、を備える。本例では、建物1は、主として、繊維強化プラスチック(FRP;Fiber−Reinforced Plastics)からなる部材により構成される。なお、建物1は、FRPと異なる材料からなる部材により構成されていてもよい。
【0020】
基礎部10は、建物1のうちの、z軸の負方向における端部を構成する。屋根部30は、建物1のうちの、z軸の正方向における端部を構成する。壁部20は、建物1のうちの、基礎部10と屋根部30との間の部分を構成する。
【0021】
本例では、基礎部10は、地面に載置される。例えば、水平な地面に基礎部10が載置された場合、z軸方向は、鉛直方向に一致する。
なお、基礎部10は、基礎部10の少なくとも一部が地面に埋められてもよい。
【0022】
基礎部10について、
図9乃至
図13を参照しながら説明を加える。
図9は、基礎部10の斜視図である。
図10は、基礎部10をz軸の負方向にて見た図(換言すると、平面図)である。
図11は、基礎部10をx軸の負方向にて見た図(換言すると、右側面図)である。
図12は、
図10のXII−XII線により表される平面により切断された基礎部10の断面をx軸の負方向にて見た図である。
図13は、
図11のXIII−XIII線により表される平面により切断された基礎部10の断面をz軸の負方向にて見た図である。
【0023】
図9乃至
図13に表されるように、基礎部10は、z軸方向にて延びる柱体状である。
図10に表されるように、基礎部10は、xy平面により切断された基礎部10の断面がn角形を有する。換言すると、基礎部10は、建物1の平面視において、n角形を有する。nは、3以上の整数を表す。xy平面は、z軸に直交する平面である。
【0024】
本例では、基礎部10は、xy平面により切断された基礎部10の断面が正n角形を有する。本例では、nは、6を表す。なお、基礎部10は、xy平面により切断された基礎部10の断面が正n角形と異なる形を有してもよい。
本例では、
図10に表されるように、基礎部10は、基礎部10の平面視において、基礎部10が有する正n角形を二等分する対角線DL1がx軸方向にて延びる。
【0025】
基礎部10は、第1容器部11と、第2容器部12と、を備える。第1容器部11は、基礎部10のうちの、y軸の負方向における端部(本例では、基礎部10のうちのy軸の負方向側の半分)を構成する。第2容器部12は、基礎部10のうちの、y軸の正方向における端部(本例では、基礎部10のうちのy軸の正方向側の半分)を構成する。
【0026】
第1容器部11及び第2容器部12は、y軸方向における基礎部10の中心を通るzx平面に対して、互いに面対称である。zx平面は、y軸に直交する平面である。従って、第2容器部12は、第1容器部11と同様に説明されるので、第2容器部12の説明の少なくとも一部は、省略される。
【0027】
以下、第1容器部11について説明を加える。
第1容器部11は、容器111と、蓋112と、カバー113と、複数(本例では、7個)の支柱1141〜1147と、を備える。
【0028】
容器111は、液体(例えば、水等)を収容可能に構成される。
図12及び
図13に表されるように、容器111は、xy平面に沿って延びる底板1111と、底板1111の平面視(換言すると、底板1111をz軸の負方向にて見た場合)における底板1111の外縁からz軸の正方向に延びる側板1112と、を備える。
【0029】
容器111は、底板1111の中央部において、底板1111をz軸方向にて貫通する貫通孔1111aを有する。容器111は、取り外し可能に底板1111に取り付けられる栓1111bを有する。栓1111bは、底板1111に取り付けられた状態において貫通孔1111aを閉塞する。
【0030】
図12及び
図13に表されるように、底板1111のうちの、z軸の正方向における端面(換言すると、底面)1111cは、貫通孔1111aの近傍において、他のいずれの位置よりもz軸の負方向に位置するように傾斜している。
【0031】
図12に表されるように、側板1112は、側板1112のうちの、z軸の正方向における端部にて外縁部1112aを有する。
外縁部1112aは、xy平面に沿って延びる。外縁部1112aは、所定の幅を有する。外縁部1112aは、容器111の平面視において、容器111の外縁に沿って延びる。後述するように、外縁部1112aには、壁部20のうちの、z軸の負方向における端(換言すると、下端)が固定される。
容器111のうちの、z軸の正方向における端面(換言すると、上端面)の、外縁部1112aに囲まれた部分(換言すると、開口部)は、開口している。
【0032】
蓋112は、容器111の開口部を覆う。蓋112は、取り外し可能に容器111に取り付けられる。
【0033】
カバー113は、外縁部1112aのうちの、基礎部10の平面視において基礎部10の外縁に沿って延びる部分以外の部分を覆う。カバー113は、取り外し可能に容器111に取り付けられる。
本例では、蓋112の上端面と、カバー113の上端面と、は、同一の平面を形成する。蓋112の上端面と、カバー113の上端面と、は、建物1の床を構成する。
【0034】
図12及び
図13に表されるように、複数の支柱1141〜1147のそれぞれは、z軸方向にて延びる筒状体である。
図13に表されるように、複数の支柱1141〜1147のそれぞれは、xy平面により切断された支柱の断面が円形を有する。なお、複数の支柱1141〜1147のそれぞれは、xy平面により切断された支柱の断面が円形と異なる形(例えば、m角形)を有してもよい。mは、3以上の整数を表す。
【0035】
図12に表されるように、複数の支柱1141〜1147のそれぞれは、底板1111に設けられた突起1111d、及び、蓋112に設けられた突起1121に嵌合することにより、取り外し可能に容器111及び蓋112に取り付けられる。
【0036】
図13に表されるように、複数の支柱1141〜1147は、基礎部10の平面視(換言すると、基礎部10をz軸の負方向にて見た場合)において、複数の支柱1141〜1147が分散するように位置する。本例では、複数の支柱1141〜1147は、支柱間の距離が略同一となる位置を有する。
なお、複数の支柱1141〜1147は、
図13に表される位置と異なる位置(例えば、格子状の位置)を有していてもよい。
【0037】
上述したように、第1容器部11及び第2容器部12は、y軸方向における基礎部10の中心を通るzx平面に対して、互いに面対称である。
従って、第2容器部12は、
図9乃至
図13に表されるように、容器111、蓋112、カバー113、及び、複数の支柱1141〜1147とそれぞれ同様の、容器121、蓋122、カバー123、及び、複数の支柱1241〜1247を備える。容器121は、底板1111、貫通孔1111a、栓1111b、底面1111c、突起1111d、及び、側板1112とそれぞれ同様の、底板1211、貫通孔1211a、栓1211b、底面1211c、突起1211d、及び、側板1212を備える。蓋122は、突起1121と同様の突起1221を備える。
【0038】
このように構成された基礎部10によれば、基礎部10の容器111,121に水を注入することにより、基礎部10は、地面に固定される。
これにより、建物1の基礎工事をすることなく、建物1を地面に容易に固定できる。また、組み立てられる前の状態において建物1を容易に搬送できる。
【0039】
例えば、基礎部10は、2つの容器111,121の両方が上水を貯留する。なお、基礎部10は、2つの容器111,121の少なくとも一方が雨水を貯留してもよい。また、2つの容器111,121の少なくとも一方により貯留される水は、建物1における暖房又は冷房に用いられてもよい。また、基礎部10は、2つの容器111,121の少なくとも一方が下水を貯留してもよい。
【0040】
図1、
図2、及び、
図4に表されるように、壁部20は、n個(本例では、6個)の壁パネル21〜26を備える。なお、壁部20は、n個の壁パネル21〜26のうちの少なくとも一部が一体に形成されていてもよい。
【0041】
n個の壁パネル21〜26のそれぞれは、短辺と長辺とを有する長方形を有する平板状の部材である。n個の壁パネル21〜26のそれぞれの短辺の長さは、基礎部10の平面視において基礎部10(本例では、外縁部1112a,1212a)が有する正n角形の一辺の長さと略等しい。n個の壁パネル21〜26の短辺の長さは、同一である。n個の壁パネル21〜26の長辺の長さは、同一である。
【0042】
図1、
図2、及び、
図6に表されるように、n個の壁パネル21〜26のそれぞれは、当該壁パネルのうちの、z軸の負方向における端(換言すると、下端)が基礎部10に固定されることにより立設される。本例では、壁パネル21,22,26の下端は、容器111の外縁部1112aに、取り外し可能に固定される。同様に、本例では、壁パネル23,24,25の下端は、容器121の外縁部1212aに、取り外し可能に固定される。n個の壁パネル21〜26は、外縁部1112a,1212aから、z軸の正方向へ延びる。
【0043】
図4に表されるように、n個の壁パネル21〜26は、xy平面により切断されたn個の壁パネル21〜26の断面がn角形を有する。換言すると、n個の壁パネル21〜26は、建物1の平面視においてn角形を有する。
【0044】
本例では、n個の壁パネル21〜26は、xy平面により切断されたn個の壁パネル21〜26の断面が正n角形を有する。なお、n個の壁パネル21〜26は、xy平面により切断されたn個の壁パネル21〜26の断面が正n角形と異なる形を有してもよい。
【0045】
図5に表されるように、壁パネル21は、壁パネル21が壁パネル26と接する面に沿って延びる延出部21aを有する。同様に、壁パネル26は、壁パネル26が壁パネル21と接する面に沿って延びる延出部26bを有する。
【0046】
なお、n個の壁パネル21〜26は、2つの壁パネルが互いに接する面のうちの、壁パネル21と壁パネル26とが接する面以外の面に対しても、壁パネル21と壁パネル26とが接する面と同様に延出部を有する。換言すると、n個の壁パネル21〜26のそれぞれは、短辺方向における両端のそれぞれに、他の壁パネルと接する面に沿って延びる延出部を有する。
【0047】
n個の壁パネル21〜26は、互いに接する2つの壁パネルが、連結解除可能に互いに連結される。本例では、n個の壁パネル21〜26は、互いに接する2つの壁パネルの延出部を、図示されないボルト及びナットを用いて固定することにより、当該2つの壁パネルが連結解除可能に互いに連結される。
【0048】
図1、
図2、及び、
図4に表されるように、建物1は、n個(本例では、6個)のカバー71〜76を備える。
n個のカバー71〜76のそれぞれは、z軸方向にて延びる。
図4及び
図5に表されるように、n個のカバー71〜76のそれぞれは、xy平面により切断された断面の形状がコの字状である。
【0049】
図5に表されるように、カバー71は、壁パネル21及び壁パネル26のうちの、壁パネル21と壁パネル26とが接する部分(換言すると、連結部)を覆うように、取り外し可能に壁部20に取り付けられる。n個のカバー71〜76のうちの、カバー71以外のカバー72〜76は、カバー71と同様に、2つの壁パネルの連結部のうちの、壁パネル21及び壁パネル26の連結部以外の連結部をそれぞれ覆うように、取り外し可能に壁部20に取り付けられる。
【0050】
図1、及び、
図2に表されるように、壁パネル26は、開口を有するとともに、当該開口を開閉するドア261を有する。なお、n個の壁パネル21〜26のうちの、壁パネル26以外の壁パネル21〜25のそれぞれは、壁パネル26に加えて、又は、壁パネル26に代えて、開口及びドアを有してもよい。
【0051】
また、n個の壁パネル21〜26のそれぞれは、窓を有してもよい。また、建物1が他の建物と連結される場合には、n個の壁パネル21〜26のそれぞれは、当該他の建物の内部空間と連通する開口を有してもよい。
【0052】
本例では、n個の壁パネル21〜26のそれぞれの内部には、図示されない断熱材が充填される。なお、n個の壁パネル21〜26のそれぞれの内部には、断熱材が充填されなくてもよい。
【0053】
図6、
図7、及び、
図14に表されるように、建物1は、連結部材40を備える。
図14は、
図2のXIV−XIV線により表される平面により切断された建物1の断面をz軸の負方向にて見た図である。
【0054】
連結部材40は、z軸方向にて延びる柱体状である。連結部材40は、xy平面により切断された連結部材40の断面がn角形を有する。換言すると、連結部材40は、建物1の平面視において、n角形を有する。本例では、連結部材40は、xy平面により切断された連結部材40の断面が正n角形を有する。なお、連結部材40は、xy平面により切断された連結部材40の断面が正n角形と異なる形を有してもよい。
【0055】
本例では、連結部材40は、建物1の平面視において、連結部材40が有する正n角形を構成するn個の辺が、壁部20が有する正n角形を構成するn個の辺とそれぞれ平行である。
【0056】
後述するように、連結部材40は、屋根部30により支持される。
図6に表されるように、連結部材40は、壁部20のうちの、z軸の正方向における端(換言すると、上端)よりもz軸の正方向(換言すると、上方向)に位置する。
図14に表されるように、連結部材40は、建物1の平面視において、建物1の中央に位置する。
【0057】
図1乃至
図4に表されるように、屋根部30は、n個(本例では、6個)の屋根パネル31〜36と、カバー37と、を備える。なお、屋根部30は、n個の屋根パネル31〜36のうちの少なくとも一部が一体に形成されていてもよい。本例では、n個の屋根パネル31〜36のうちの1つの屋根パネル36は、透光性を有する。なお、n個の屋根パネル31〜36のうちの屋根パネル36以外の屋根パネル31〜35の、少なくとも1つが、屋根パネル36に代えて、又は、屋根パネル36に加えて、透光性を有してもよい。
【0058】
n個の屋根パネル31〜36のそれぞれは、第1底辺(換言すると、上底)と第1底辺よりも長い第2底辺(換言すると、下底)とを有する等脚台形を有する平板状の部材である。
【0059】
n個の屋根パネル31〜36のそれぞれの下底の長さは、xy平面により切断された壁部20の断面が有する正n角形の一辺の長さと略等しい。n個の屋根パネル31〜36の下底の長さは、同一である。
【0060】
n個の屋根パネル31〜36のそれぞれの上底の長さは、xy平面により切断された連結部材40の断面が有する正n角形の一辺の長さと略等しい。n個の屋根パネル31〜36の上底の長さは、同一である。
【0061】
図6、
図8、及び、
図14に表されるように、n個の屋根パネル31〜36は、上底を含む端部(換言すると、上底端部)が連結部材40の側面と接するとともに、下底を含む端部(換言すると、下底端部)がn個の壁パネル21〜26のz軸の正方向における端部(換言すると、上端部)とそれぞれ接するように、連結部材40と、n個の壁パネル21〜26と、の間にそれぞれ架設される。
【0062】
図7に表されるように、屋根パネル33は、上底端部が連結部材40と接する面(本例では、連結部材40の側面)に沿って延びる上底延出部331を有する。同様に、屋根パネル34は、上底端部が連結部材40と接する面に沿って延びる上底延出部341を有する。なお、屋根パネル33及び屋根パネル34と同様に、屋根パネル31,32,35,36のそれぞれは、上底端部が連結部材40と接する面に沿って延びる上底延出部を有する。
【0063】
n個の屋根パネル31〜36は、上底端部が連結部材40に連結解除可能に連結される。本例では、n個の屋根パネル31〜36のそれぞれは、当該屋根パネルの上底延出部と連結部材40の側面とを、図示されないボルト及びナットを用いて固定することにより、当該屋根パネルの上底端部が連結部材40に連結解除可能に連結される。
連結部材40は、n個の屋根パネル31〜36に連結されることによって、n個の屋根パネル31〜36により支持される。
【0064】
図6、及び、
図8に表されるように、n個の屋根パネル31〜36は、n個の屋根パネル31〜36の下底端部が、n個の壁パネル21〜26の上端部にそれぞれ載置されることによって、n個の壁パネル21〜26によりそれぞれ支持される。
【0065】
なお、n個の屋根パネル31〜36は、下底端部がn個の壁パネル21〜26とそれぞれ接する面に沿って延びる下底延出部を有していてもよい。この場合、n個の屋根パネル31〜36のそれぞれは、下底延出部と壁パネルとを、図示されないボルト及びナットを用いて固定することにより、当該下底延出部を有する下底端部が当該壁パネルに連結解除可能に連結されてよい。
【0066】
図8に表されるように、屋根パネル33は、他の屋根パネル32と接する面に沿って延びる脚延出部332を有する。同様に、n個の屋根パネル31〜36は、2つの屋根パネルが互いに接する面のうちの、屋根パネル33と屋根パネル32とが接する面以外の面に対しても、屋根パネル33と屋根パネル32とが接する面と同様に脚延出部を有する。換言すると、n個の屋根パネル31〜36のそれぞれは、脚を含む両端部のそれぞれに、他の屋根パネルと接する面に沿って延びる脚延出部を有する。
【0067】
n個の屋根パネル31〜36は、互いに接する2つの屋根パネルが、連結解除可能に互いに連結される。本例では、n個の屋根パネル31〜36は、互いに接する2つの屋根パネルの脚延出部を、図示されないボルト及びナットを用いて固定することにより、当該2つの屋根パネルが連結解除可能に互いに連結される。
【0068】
図3、
図8、及び、
図14に表されるように、屋根部30は、n個のカバー部313,314,323,333,343,353を備える。n個のカバー部313,314,323,333,343,353のそれぞれは、互いに接する2つの屋根パネルのうちの、当該2つの屋根パネルが接する部分(換言すると、連結部)を覆う。
【0069】
本例では、
図14に表されるように、屋根パネル31は、屋根パネル31と屋根パネル32とが接する部分を覆うカバー部313を備えるとともに、屋根パネル31と屋根パネル36とが接する部分を覆うカバー部314を備える。屋根パネル32は、屋根パネル32と屋根パネル33とが接する部分を覆うカバー部323を備える。屋根パネル33は、屋根パネル33と屋根パネル34とが接する部分を覆うカバー部333を備える。屋根パネル34は、屋根パネル34と屋根パネル35とが接する部分を覆うカバー部343を備える。屋根パネル35は、屋根パネル35と屋根パネル36とが接する部分を覆うカバー部353を備える。
【0070】
図1乃至
図3、
図6、及び、
図7に表されるように、カバー37は、建物1の平面視において、連結部材40、及び、連結部材40とn個の屋根パネル31〜36のそれぞれとが接する部分を覆う。カバー37は、n個の屋根パネル31〜36のうちの、z軸の正方向における端面(換言すると、上面)に載置されることにより、n個の屋根パネル31〜36により支持される。
【0071】
図4、
図6、及び、
図7に表されるように、建物1は、支持部50と、天井部60と、を備える。
図7、及び、
図15に表されるように、支持部50は、支柱51と、基礎部材52と、プレート53と、n個(本例では、6個)の支持部材541〜546と、を備える。
図15は、支持部50の斜視図である。
【0072】
支柱51は、z軸方向にて延びる柱体状である。本例では、支柱51は、xy平面により切断された支柱51の断面が円形である。換言すると、支柱51は、円柱状である。なお、支柱51は、xy平面により切断された支柱51の断面が円形と異なる形を有してもよい。支柱51は、建物1の平面視において、建物1の中央に位置する。
【0073】
支柱51は、支柱51のうちの、z軸の正方向における端部(換言すると、上端部)が連結部材40のうちの、z軸の負方向における端部(換言すると、下端部)に連結解除可能に連結される。本例では、連結部材40及び支柱51は、互いに螺合する、雄螺子及び雌螺子を構成するとともに、雄螺子及び雌螺子を用いて連結解除可能に互いに連結される。
【0074】
基礎部材52は、z軸方向にて延びる柱体状である。
図4に表されるように、基礎部材52は、xy平面により切断された基礎部材52の断面がn角形を有する。換言すると、基礎部材52は、建物1の平面視において、n角形を有する。本例では、基礎部材52は、xy平面により切断された基礎部材52の断面が正n角形を有する。なお、基礎部材52は、xy平面により切断された基礎部材52の断面が正n角形と異なる形を有してもよい。
【0075】
本例では、基礎部材52は、建物1の平面視において、基礎部材52が有する正n角形を構成するn個の辺の垂線(本例では、垂直二等分線)が、壁部20が有する正n角形を構成するn個の頂点をそれぞれ通る。
基礎部材52は、支柱51のうちの、z軸の負方向における端(換言すると、下端)に連結される。
【0076】
プレート53は、xy平面に沿って延びる円盤状である。プレート53は、基礎部材52よりもz軸の正方向(換言すると、上方向)の位置にて支柱51に連結される。なお、プレート53は、支柱51に代えて、又は、支柱51に加えて、基礎部材52に連結されていてもよい。
【0077】
図6乃至
図8に表されるように、n個の支持部材541〜546は、屋根部30よりもz軸の負方向(換言すると、下方向)に位置する。
図15乃至
図19に表されるように、n個の支持部材541〜546のそれぞれは、建物1の遠心方向に沿って延びる直線状(換言すると、棒状)である。建物1の遠心方向は、xy平面において、建物1の中心(本例では、壁部20が有する正n角形の重心)を通る直線に沿って当該中心から離れる方向である。
【0078】
図16は、
図15の破線により囲まれた領域XVIを拡大した図である。
図17は、支持部50及び天井部60をz軸の負方向にて見た図(換言すると、平面図)である。
図18は、
図17のXVIII−XVIII線により表される平面により切断された、支持部50及び天井部60の断面をx軸の正方向にて見た図である。
図19は、
図18の破線により囲まれた領域XIXを拡大した図である。
【0079】
本例では、n個の支持部材541〜546は、建物1の平面視において、壁部20が有する正n角形の重心と、壁部20が有する正n角形を構成するn個の頂点と、をそれぞれ結ぶn個の直線に沿ってそれぞれ延びる。なお、n個の支持部材541〜546は、建物1の平面視において、壁部20が有する正n角形の重心と、壁部20が有する正n角形を構成するn個の辺の中点と、をそれぞれ結ぶn個の直線に沿ってそれぞれ延びていてもよい。
【0080】
図16に表されるように、支持部材546は、基体部材5461と、収容部材5462と、被収容部材5463と、を備える。
【0081】
基体部材5461は、建物1の遠心方向に沿って延びる柱体状である。
図19に表されるように、基体部材5461は、建物1の遠心方向に直交する平面(本例では、yz平面)により切断された基体部材5461の断面が、y軸方向にて延びる辺と、z軸方向にて延びる辺と、を有する長方形(本例では、正方形)を有する。yz平面は、x軸に直交する平面である。
【0082】
従って、本例では、基体部材5461のうちの、z軸の正方向における端面は、xy平面を形成する。
なお、基体部材5461は、建物1の遠心方向に直交する平面(本例では、yz平面)により切断された基体部材5461の断面が、長方形と異なる形を有してもよい。
【0083】
基体部材5461は、揺動の中心軸が、xy平面において遠心方向と直交する方向にて延びるように、基体部材5461のうちの、建物1の向心方向における端(換言すると、基端)が揺動可能に基礎部材52に連結される。建物1の向心方向は、xy平面において、建物1の中心を通る直線に沿って当該中心へ近づく方向である。
【0084】
本例では、基体部材5461は、基体部材5461がxy平面に沿って延びる状態と、基体部材5461がz軸方向にて延びる状態と、の間で、基体部材5461の状態が変化可能であるように、揺動可能に基礎部材52に連結される。換言すると、本例では、基体部材5461の揺動角は、90度である。なお、基体部材5461の揺動角は、90度よりも小さくてもよい。
【0085】
本例では、基体部材5461は、蝶番546aを用いて基礎部材52に連結されることにより、揺動可能に基礎部材52に連結される。
【0086】
収容部材5462は、建物1の遠心方向に沿って延びる柱体状である。
図19に表されるように、収容部材5462は、建物1の遠心方向に直交する平面(本例では、yz平面)により切断された収容部材5462の断面が、基底部54621と突出部54622とを有するT字状である。
【0087】
基底部54621は、y軸方向にて延びる長辺と、z軸方向にて延びる短辺と、を有する長方形を有する。本例では、基底部54621が有する長方形の長辺の長さは、基体部材5461のy軸方向における長さと略等しい。
突出部54622は、z軸方向にて延びる長辺を有する長方形を有する。突出部54622は、基底部54621のうちの、基底部54621が有する長方形の長辺に沿った方向における中央部から、z軸の正方向にて突出する。
【0088】
収容部材5462は、建物1の遠心方向に沿って延びる孔を有する。建物1の遠心方向に直交する平面(本例では、yz平面)により切断された収容部材5462の断面のうちの、収容部材5462が有する孔を形成する壁面は、当該平面により切断された被収容部材5463の断面の形状と略同じ形状を有する。
【0089】
収容部材5462が有する孔は、収容部材5462のうちの、建物1の向心方向における端(換言すると、基端)にて閉口するとともに、収容部材5462のうちの、建物1の遠心方向における端(換言すると、先端)にて開口する。
【0090】
収容部材5462は、収容部材5462のうちの、z軸の負方向における端面(換言すると、下端面)が、基体部材5461のうちの、z軸の正方向における端面(換言すると、上端面)に固定される。
収容部材5462は、収容部材5462の先端が、基体部材5461の先端よりも、建物1の遠心方向に位置する。
【0091】
被収容部材5463は、建物1の遠心方向に沿って延びる柱体状である。
図19に表されるように、被収容部材5463は、建物1の遠心方向に直交する平面(本例では、yz平面)により切断された被収容部材5463の断面が、基底部54631と突出部54632とを有するT字状である。
【0092】
基底部54631は、y軸方向にて延びる長辺と、z軸方向にて延びる短辺と、を有する長方形を有する。本例では、基底部54631が有する長方形の長辺の長さは、収容部材5462の基底部54621が有する長方形の長辺の長さよりも短い。本例では、基底部54631が有する長方形の短辺の長さは、収容部材5462の基底部54621が有する長方形の短辺の長さよりも短い。
【0093】
突出部54632は、z軸方向にて延びる長辺と、y軸方向にて延びる短辺と、を有する長方形を有する。突出部54632は、基底部54631のうちの、基底部54631が有する長方形の長辺に沿った方向における中央部から、z軸の正方向にて突出する。
【0094】
被収容部材5463は、被収容部材5463のうちの、建物1の向心方向における端部(換言すると、基端部)が、収容部材5462が有する孔に収容されることにより、収容部材5462により支持される。
【0095】
被収容部材5463は、収容部材5462に対して向心方向にて摺動することにより、被収容部材5463のうちの、収容部材5462が有する孔に収容される部分の長さ(換言すると、被収容部材5463のうちの、建物1の遠心方向における端(換言すると、先端)の位置)が変更可能である。換言すると、被収容部材5463は、収容部材5462に対して、遠心方向、及び、向心方向のそれぞれにて移動可能である。
【0096】
このような構成により、支持部材546は、被収容部材5463を、収容部材5462に対して、遠心方向、及び、向心方向のそれぞれにて移動させることにより、遠心方向又は向心方向における長さが可変である(換言すると、伸縮可能である)。
【0097】
n個の支持部材541〜546のうちの、支持部材546以外の支持部材541〜545のそれぞれも、当該支持部材が延びる方向が異なる点を除いて、支持部材546と同様に構成される。換言すると、
図15に表されるように、支持部材541〜545は、基体部材5461、収容部材5462、及び、被収容部材5463と同様の、基体部材5411,5421,5431,5441,5451、収容部材5412,5422,5432,5442,5452、及び、被収容部材5413,5423,5433,5443,5453をそれぞれ備える。
【0098】
図4及び
図8に表されるように、建物1は、n個(本例では、6個)の補助部材81〜86を備える。
図8に表されるように、補助部材83は、壁パネル23のうちの、z軸の正方向における端部(換言すると、上端部)に係合する(本例では、引っ掛けられる)ことにより、当該上端部により支持される。補助部材83は、支持部材543の被収容部材5433のうちの、建物1の遠心方向における端部(換言すると、先端部)を支持する。
【0099】
なお、補助部材83は、壁パネル23に固定されてもよい。また、被収容部材5433の先端部は、補助部材83に固定されてもよい。
【0100】
n個の支持部材541〜546のうちの、支持部材543以外の支持部材541,542,544〜546の被収容部材5413,5423,5443,5453,5463も、支持部材543の被収容部材5433と同様に、先端部が、補助部材81,82,84〜86によりそれぞれ支持される。
【0101】
本例では、n個の支持部材541〜546のそれぞれに対して、当該支持部材の基体部材がxy平面に沿って延びるとともに、当該支持部材の被収容部材の先端が補助部材81〜86により支持される状態における当該支持部材の被収容部材の先端の位置は、第1位置に対応する。
【0102】
また、本例では、n個の支持部材541〜546のそれぞれに対して、当該支持部材の基体部材と、xy平面と、が形成する角度が、0度よりも大きく且つ90度以下である状態における当該支持部材の被収容部材の先端の位置は、第2位置に対応する。
【0103】
このようにして、連結部材40は、n個の屋根パネル31〜36と、n個の支持部材541〜546の基端と、を連結解除可能にそれぞれ連結する。
【0104】
図17乃至
図19に表されるように、天井部60は、n個の天井板61〜66を備える。n個の天井板61〜66のそれぞれは、底辺と2つの隣辺とを有する二等辺三角形(本例では、正三角形)を有する平板状の部材である。
【0105】
n個の天井板61〜66のそれぞれが有する二等辺三角形の底辺の長さは、xy平面により切断された壁部20の断面が有する正n角形の一辺の長さと略等しい。n個の天井板61〜66の底辺の長さは、同一である。n個の天井板61〜66のそれぞれが有する二等辺三角形の隣辺の長さは、n個の支持部材541〜546のそれぞれの遠心方向における長さと略等しい。n個の天井板61〜66の隣辺の長さは、同一である。
【0106】
n個の天井板61〜66は、n個の支持部材541〜546に載置されることにより、n個の支持部材541〜546により支持される。本例では、n個の天井板61〜66は、n個の支持部材541〜546の収容部材5412,5422,5432,5442,5452,5462及び被収容部材5413,5423,5433,5443,5453,5463に載置されることにより、n個の支持部材541〜546により支持される。
【0107】
(組立方法)
次に、建物1の組立方法について
図20乃至
図29を参照しながら説明する。
なお、本例では、建物1を構成する各要素は、建物1が組み立てられる前の状態においても、建物1が組み立てられた後の状態において用いられた符号(換言すると、
図1乃至
図19において用いられた符号)と同じ符号により表される。
【0108】
先ず、基礎部10を地面に載置する。次いで、基礎部10の容器111,121のそれぞれに水を注入する。
【0109】
次いで、
図20に表されるように、n個の壁パネル21〜26が、平面視において正n角形を形成するように、n個の壁パネル21〜26を立設するとともに、n個の壁パネル21〜26を基礎部10に固定する。
図20は、基礎部10に壁パネル21〜26が立設された時点における、組み立て中の建物1の斜視図である。
【0110】
次いで、連結部材40を支持部50の支柱51に連結する。更に、
図21乃至
図23に表されるように、連結部材40のz軸方向における位置が、n個の壁パネル21〜26の上端よりも上方向における所定の位置となるように、n個の支持部材541〜546を揺動させることにより、xy平面と、n個の支持部材541〜546のそれぞれと、が形成する角度を、0度よりも大きく且つ90度よりも小さい所定の角度に一致させるとともに、n個の支持部材541〜546の長さを調整する。
【0111】
図21は、支持部50が載置された時点における、組み立て中の建物1の斜視図である。
図22は、
図21の組み立て中の建物1の平面図である。
図23は、
図22のXXIII−XXIII線により表される平面により切断された、組み立て中の建物1の断面をy軸の正方向にて見た図である。
【0112】
加えて、
図21乃至
図23に表されるように、平面視において、n個の壁パネル21〜26が有する正n角形の中央に連結部材40が位置するように、支持部50を基礎部10に載置する。
【0113】
このようにして、n個の支持部材541〜546により、連結部材40が所定の位置に支持される。換言すると、n個の支持部材541〜546(本例では、連結部材40及び支持部50)は、自立する。
【0114】
本例では、
図21乃至
図23に表される、n個の支持部材541〜546のそれぞれの先端の位置は、第2位置に対応する。換言すると、
図21乃至
図23に表される時点において、n個の支持部材541〜546のそれぞれの先端は、第1位置よりも下方向の第2位置に位置する。
【0115】
更に、
図22に表されるように、n個の壁パネル21〜26の上端部に、n個の補助部材81〜86を係合させる。
【0116】
次いで、
図24に表されるように、屋根パネル31の下底端部を壁パネル21の上端に載置するとともに、屋根パネル31の上底端部を連結部材40に連結する。
図24は、1つ目の屋根パネル31が載置された時点における、組み立て中の建物1の斜視図である。
【0117】
次いで、
図25に表されるように、屋根パネル32の下底端部を壁パネル22の上端に載置するとともに、屋根パネル32の上底端部を連結部材40に連結する。
図25は、2つ目の屋根パネル32が載置された時点における、組み立て中の建物1の斜視図である。
【0118】
次いで、
図26に表されるように、3個の屋根パネル33〜35の下底端部を3個の壁パネル23〜25の上端にそれぞれ載置するとともに、3個の屋根パネル33〜35の上底端部を連結部材40にそれぞれ連結する。
図26は、5つ目の屋根パネル35が載置された時点における、組み立て中の建物1の斜視図である。
【0119】
次いで、
図27及び
図28に表されるように、屋根パネル36の下底端部を壁パネル26の上端に載置するとともに、屋根パネル36の上底端部を連結部材40に連結する。更に、カバー37が連結部材40を覆うように、カバー37をn個の屋根パネル31〜36に載置する。
【0120】
図27は、6つ目の屋根パネル36が載置されるとともに、カバー37が屋根パネル31〜36に載置された時点における、組み立て中の建物1の斜視図である。
図28は、
図27により表される組み立て中の建物1の、
図23と同じ平面による断面図である。
【0121】
このようにして、n個の屋根パネル31〜36が連結部材40に連結されることにより、連結部材40は、n個の屋根パネル31〜36、及び、n個の壁パネル21〜26により支持される。
換言すると、n個の支持部材541〜546のそれぞれの先端が第2位置に位置している状態において、n個の支持部材541〜546のそれぞれの基端は、当該先端が第1位置と第2位置との間を移動可能であるように揺動可能に屋根部30により支持される。
【0122】
次いで、
図29に表されるように、支持部材546の長さを短縮させるとともに、支持部材546を矢印D1の方向へ揺動させることにより支持部材546の先端部のz軸方向における位置を、補助部材86のz軸方向における位置と一致させる。これにより、支持部材546は、xy平面に沿って延びる。
図29は、支持部材546の長さを短縮させた時点における、組み立て中の建物1の斜視図である。
【0123】
次いで、支持部材546の長さを伸長させることにより、支持部材546の先端部を補助部材86に載置する。これにより、支持部材546の先端部は、補助部材86により支持される。
【0124】
n個の支持部材541〜546のうちの、支持部材546以外の支持部材541〜545も、支持部材546と同様に、短縮、揺動、及び、伸長を施すことにより、補助部材81〜85にそれぞれ載置する。
【0125】
換言すると、n個の支持部材541〜546の基端が連結部材40を介して屋根部30により支持されている状態において、n個の支持部材541〜546を揺動させることにより、n個の支持部材541〜546の先端を第1位置にて、n個の補助部材81〜86を介して壁部20にそれぞれ支持させる。
【0126】
なお、n個の支持部材541〜546に対して、短縮、揺動、及び、伸長を施す順序は、上述した順序と異なっていてもよい。
【0127】
このように、建物1によれば、n個の支持部材541〜546のそれぞれの両端を同時に支持する必要がないため、一人の作業者であっても容易に支持部材541〜546を壁パネル21〜26に支持させることができる。
【0128】
次いで、n個の天井板61〜66をn個の支持部材541〜546に載置する。これにより、n個の天井板61〜66は、n個の支持部材541〜546により支持される。
このようにして、建物1を容易に組み立てることができる。
【0129】
以上、説明したように、第1実施形態の建物1は、立設される壁部20と、壁部20により支持される屋根部30と、屋根部30よりも下方向に位置する直線状の支持部材541〜546と、支持部材541〜546により支持される天井板61〜66と、を備える。
【0130】
支持部材541〜546のそれぞれは、一端(本例では、先端)が、第1位置と、第1位置よりも下方向の第2位置と、の間を移動可能であるように他端(本例では、基端)が揺動可能に屋根部30により支持されるとともに、一端が第1位置に位置している状態において一端が壁部20により支持される。
【0131】
これによれば、支持部材541〜546の一端が第2位置に位置している状態において、支持部材541〜546を自立させることにより、容易に、支持部材541〜546の他端を所定の高さに位置させることができる。この結果、支持部材541〜546を屋根部30に支持させるための作業、又は、屋根部30を壁部20に支持させるための作業等を作業者が容易に行うことができる。
【0132】
更に、支持部材541〜546を揺動させることにより、支持部材541〜546の一端を第2位置から第1位置へ容易に移動させることができる。これにより、支持部材541〜546の一端を壁部20に容易に支持させることができる。このように、支持部材541〜546の両端を作業者が同時に支持することなく、一人の作業者であっても容易に支持部材541〜546を壁部20に支持させることができる。
このようにして、建物1によれば、建物1を容易に組み立てることができる。
【0133】
更に、第1実施形態の建物1において、支持部材541〜546のそれぞれは、伸縮可能である。
【0134】
これによれば、支持部材541〜546の長さを調整することにより、容易に、支持部材541〜546の他端を所定の高さに位置させることができる。この結果、支持部材541〜546を屋根部30に支持させるための作業、又は、屋根部30を壁部20に支持させるための作業等を作業者が容易に行うことができる。
【0135】
更に、支持部材541〜546を揺動させる際に、支持部材541〜546を短縮できる。これにより、支持部材541〜546を容易に揺動させることができる。
このようにして、建物1によれば、建物1を容易に組み立てることができる。
【0136】
更に、第1実施形態の建物1は、水を収容可能な容器111,121を含むとともに壁部20の下端が固定される基礎部10を備える。
【0137】
これによれば、基礎部10の容器111,121に水を注入することにより、基礎部10を地面に固定できる。これにより、建物1の基礎工事をすることなく、建物1を地面に容易に固定できる。また、組み立てられる前の状態において建物1を容易に搬送できる。
【0138】
更に、第1実施形態の建物1は、屋根部30と、支持部材541〜546の他端と、を連結解除可能に連結する連結部材40を備える。
【0139】
これによれば、支持部材541〜546の一端が第2位置に位置している状態において、支持部材541〜546を自立させることにより、支持部材541〜546の他端を所定の高さに位置させることができる。これにより、屋根部30と支持部材541〜546の他端とを連結するための作業を作業者が容易に行うことができる。この結果、支持部材541〜546の他端を屋根部30に容易に支持させることができる。
【0140】
更に、第1実施形態の建物1において、壁部20は、建物1の平面視においてn(nは、3以上の整数を表す)角形を有する。加えて、建物1は、支持部材541〜546をn個備える。更に、n個の支持部材541〜546は、一端が第1位置に位置している状態において、建物1の平面視における当該n角形の重心及び当該n角形を構成するn個の頂点をそれぞれ結ぶn個の直線に沿ってそれぞれ延びる。
【0141】
これによれば、天井板61〜66に働く重力によって支持部材541〜546に加えられる荷重を適切に分散できる。
【0142】
更に、第1実施形態の建物1において、壁部20は、連結解除可能に連結される、n個の平板状の壁パネル21〜26を含む。加えて、屋根部30は、連結解除可能に連結される、n個の平板状の屋根パネル31〜36を含む。
【0143】
これによれば、壁部20及び屋根部30を平板状の部材に分解できる。従って、例えば、組み立てられる前の状態において建物1を容易に搬送できる。また、例えば、組み立てられる前の状態において建物1を保管する空間を小さくすることができる。
【0144】
更に、第1実施形態の建物1において、n角形は、正六角形である。
【0145】
これによれば、ある領域に複数の建物1を設置する場合において、設置可能な建物1の数を正五角形等の場合よりも多くすることができる。
また、複数の建物1を連結する場合において、各建物1に連結可能な建物1の数を正四角形等の場合よりも多くすることができる。
【0146】
なお、上述した組立方法においては、支持部50を自立させた状態にて、n個の屋根パネル31〜36を連結部材40に連結させる。ところで、支持部50を自立させることなく、作業者が支持部50を支持した状態にて、屋根パネル31〜36を連結部材40に連結させてもよい。
また、建物1は、複数の作業者により組み立てられてもよい。
【0147】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において当業者が理解し得る様々な変更が加えられてよい。
【解決手段】建物1は、立設される壁部と、壁部により支持される屋根部と、屋根部よりも下方向に位置する直線状の支持部材543,546と、支持部材543,546により支持される天井板と、を備える。支持部材543,546は、一端が、第1位置と、第1位置よりも下方向の第2位置と、の間を移動可能であるように揺動可能に他端が屋根部により支持されるとともに、当該一端が第1位置に位置している状態において当該一端が壁部により支持される。