特許第6255654号(P6255654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社ちふりや工業の特許一覧

特許6255654袋体用自立保持体及びそれを備えた自立式袋体
<>
  • 特許6255654-袋体用自立保持体及びそれを備えた自立式袋体 図000002
  • 特許6255654-袋体用自立保持体及びそれを備えた自立式袋体 図000003
  • 特許6255654-袋体用自立保持体及びそれを備えた自立式袋体 図000004
  • 特許6255654-袋体用自立保持体及びそれを備えた自立式袋体 図000005
  • 特許6255654-袋体用自立保持体及びそれを備えた自立式袋体 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6255654
(24)【登録日】2017年12月15日
(45)【発行日】2018年1月10日
(54)【発明の名称】袋体用自立保持体及びそれを備えた自立式袋体
(51)【国際特許分類】
   B65B 67/12 20060101AFI20171227BHJP
   B65D 88/22 20060101ALI20171227BHJP
   B65D 90/20 20060101ALI20171227BHJP
【FI】
   B65B67/12 B
   B65D88/22 Z
   B65D90/20
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-205780(P2014-205780)
(22)【出願日】2014年10月6日
(65)【公開番号】特開2016-74455(P2016-74455A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2017年5月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596141402
【氏名又は名称】有限会社ちふりや工業
(74)【代理人】
【識別番号】100095603
【弁理士】
【氏名又は名称】榎本 一郎
(72)【発明者】
【氏名】岩下 芳人
【審査官】 宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−348699(JP,A)
【文献】 特開2009−227334(JP,A)
【文献】 特開2006−188919(JP,A)
【文献】 特開2003−276801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 67/12
B65D 88/22
B65D 90/20
E02B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋体の内側又は外側に装着されて前記袋体を自立保持する袋体用自立保持体であって、
板材を円弧状に湾曲させた複数の分割胴部が円周方向にずらして配置され、複数の前記分割胴部の端部同士が重合されて固定される重合部を有し、円筒状に形成される胴部と、前記胴部の下端部に配設される底板部と、前記胴部の下端側に円周上に穿設された底部固定孔と、前記底板部の外周側に折り曲げ自在に形成され固定孔が穿設された折返し片と、を備えたことを特徴とする袋体用自立保持体。
【請求項2】
前記胴部が、各々の前記分割胴部の両端部に穿設された連結孔を有し、前記重合部で重合させた前記連結孔に固定ピンが着脱自在に挿通されて前記重合部が固定されることを特徴とする請求項1に記載の袋体用自立保持体。
【請求項3】
前記連結孔が前記胴部の円周方向に沿って長孔状に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の袋体用自立保持体。
【請求項4】
袋体と、前記袋体の外側に装着された請求項1乃至3に記載の袋体用自立保持体と、を備えたことを特徴とする自立式袋体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋体の内側又は外側に装着することにより袋体を自立保持して、袋体への各種収容物の投入を容易にする袋体用自立保持体と、この袋体用自立保持体が袋体の内側に装着されることにより、鋭利な角を持つ金属片、木片、ガラス片等の廃棄物や重量物を収容しても、袋体が破損することがなく、多様性、信頼性に優れ、特に土のう袋として好適に用いることができる自立式袋体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、大雨等による斜面の崩壊や堤防の決壊、道路冠水等の災害現場、河川工事現場等では、大型のフレキシブルコンテナバッグに真砂土や砕石等を投入して大型土のうを作り、災害現場や工事現場に配置することにより、被害の拡大の防止や止水等の応急措置が行われている。また、大雨等による斜面の崩壊や堤防の決壊、道路冠水等の災害現場では、家屋等に流入した土砂や浸水家財、家屋等の崩壊により発生した廃材を搬出する復旧作業が行なわれている。
これまで土木工事で主流であった一般的なフレキシブルコンテナバッグは、一時的に仮設することを想定したものであったが、近年では紫外線に対する劣化対策を施した耐候性大型土のう袋が広く用いられるようになっており、永久構造物としての設置も検討されている。
しかし、この耐候性大型土のう袋で想定されている投入物は砕石や土砂程度であり、瓦礫や割栗石の投入は想定されていない。
ところが、浸水家財や家屋等は土砂等で砕かれており、これらの廃材や土砂等の中には鋭利な角をもつ金属片、木片、ガラス片等が含まれているため、これらを投入した際に、布地が切れて裂け易いという問題点があった。
これに対し、本願出願人が鋭意検討を行い、出願して特許された(特許文献1)には、底部及び胴部を有する通水性の袋部と、胴部の上部に延設され高含水土砂が投入される開閉自在の開口部が形成された延設部と、袋部に内設され胴部と二重構造となり袋部の目開きよりも大きな2〜5mmの目開きの側面部を有し高含水土砂の一部を留める通水性の自立保持部と、胴部と自立保持部の側面部とを縫合又は連結する固着部材と、を備えた土のう用自立式フレキシブルコンテナが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4303774号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(1)(特許文献1)の土のう用自立式フレキシブルコンテナは、土砂等の収容物を投入する初期段階において袋部を確実に支えることができ、袋部を支える作業者は最小限の人数で済み収容物投入作業の省力性に優れ、収容物によって袋部が裂けたり破れたりするのを防止できるものであり、袋部として耐候性大型土のうを用いることができるが、自立保持部は、量産性に欠けると共に、使用しない時でも収納スペースが必要で、搬送性、取扱い性に欠けるという課題があり、災害現場等からの安定供給や緊急性の要求に応えることのできる量産性、搬送性、取扱い性、組立て及び分解の作業性に優れる袋体用自立保持体及びそれを備えた自立式袋体の実現が強く望まれていた。
【0005】
本発明は上記従来の要望に応えるもので、組立て及び分解が容易で量産性、供給安定性に優れ、使用しない時には嵩張らず、省スペース性、搬送性に優れると共に、使用する時には短時間で袋体の内側又は外側に装着して袋体を自立保持することができ、取扱い性、汎用性に優れる袋体用自立保持体の提供、及びこの袋体用自立保持体が袋体の内側に装着されることにより、鋭利な角を持つ金属片、木片、ガラス片等の廃棄物や重量物を収容しても、袋体が破損することがなく、多様性、信頼性に優れる自立式袋体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段及びそれによって得られる作用、効果】
【0006】
上記従来の課題を解決するために本発明の袋体用自立保持体及びそれを備えた自立式袋体は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の袋体用自立保持体は、袋体の内側又は外側に装着されて前記袋体を自立保持する袋体用自立保持体であって、板材を円弧状に湾曲させた複数の分割胴部が円周方向にずらして配置され、複数の前記分割胴部の端部同士が重合されて固定される重合部を有し、円筒状に形成される胴部と、前記胴部の下端部に配設される底板部と、前記胴部の下端側に円周上に穿設された底部固定孔と、前記底板部の外周側に折り曲げ自在に形成され固定孔が穿設された折返し片と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用、効果が得られる。
(1)板材を円弧状に湾曲させた複数の分割胴部が円周方向にずらして配置され、複数の分割胴部の端部同士が重合されて固定される重合部を有し、円筒状に形成される胴部を備えているので、使用しない時は袋体とは別に平板状の分割胴部を積み重ねて保管したり、搬送したりすることができ、収納時の省スペース性に優れる。
(2)胴部が複数の分割胴部で形成されるので、分割胴部1枚当たりの長さを短くすることができ、量産性、取扱い性に優れると共に、小型のトラックなどの荷台にも大量に積み込んで輸送することができ、供給安定性、搬送性に優れる。
(3)複数の分割胴部の端部同士が重合されて固定される重合部を有するので、固定の信頼性、胴部の形状安定性に優れる。
(4)胴部の下端部に配設される底板部を有することにより、底板部で胴部の下端部を固定することができ、胴部の形状安定性、取扱い性に優れる。
(5)胴部の下端部に底板部が配設されているので、袋体用自立保持体が袋体の内側に装着されることにより、袋体の底部を底板部で保護することができ、鋭利な角を持つ金属片、木片、ガラス片等の廃棄物や瓦礫等の重量物を収容しても、袋体の底部が破れることがなく、収容物を確実に収容、搬送することができ、信頼性に優れる。(0012)
(6)胴部の下端側に円周上に穿設された底部固定孔と、底板部の外周側に折り曲げ自在に形成され固定孔が穿設された折返し片と、を有するので、底板部の折返し片を折り曲げ、胴部の底部固定孔と折返し片の固定孔を重ねて固定ピン等を挿通するだけで簡単かつ確実に胴部に底板部を取付けることができ、組立作業性に優れる。
【0007】
ここで、分割胴部の材質としては、鉄(トタン)、ステンレス等の金属やポリエチレン、塩化ビニール等の合成樹脂、合成ゴム、ベニヤ板等が好適に用いられる。金属製の分割胴部の板厚は、0.3〜0.7mm、より好ましくは0.3〜0.5mmのものが好適に用いられる。金属製の分割胴部の板厚が0.3mmより薄くなるにつれ、耐久性が低下して変形が発生し易くなる傾向があり、好ましくない。また、0.5mmより厚くなるにつれ、剛性が高くなり手で湾曲させることが困難になって、曲げ加工が必要で組立作業性が低下する傾向があり、特に0.7mmより厚くなると、加工性が著しく低下し、量産性、搬送性に欠け、好ましくない。
合成樹脂製等の分割胴部の板厚は、0.5〜3mmのものが好適に用いられる。合成樹脂製の分割胴部の板厚が0.3mmより薄くなるにつれ、耐久性が低下して変形が発生し易くなる傾向があり、0.7mmより厚くなるにつれ、剛性が高くなり湾曲し難くなって、組立作業性が低下し易くなる傾向があり、いずれも好ましくない。
分割胴部の枚数は2〜4枚が好ましい。1枚の板材を丸めて胴部を形成しようとすると、胴部の直径が1mの場合での板材が3m以上の長尺になり、量産性、搬送性、取扱い性に欠ける。また、重合部には湾曲させた板材を元に戻そうとする大きな復元力がかかり、固定の確実性、形状の安定性に欠ける。また、分割胴部の枚数が4枚より増えるにつれ、板材が短くなって湾曲させ難くなると共に、胴部の組立作業が煩雑になり、組立作業性が低下し易くなる傾向があり、好ましくない。
【0008】
袋体に投入される収容物の量が増えるにつれ、袋体の自立性が高まるので、分割胴部の重合部は、少なくとも袋体に収容物を投入する初期段階だけ固定されていればよい。袋体用自立保持体が袋体の内側に装着される場合は、収容物の量が増え、胴部を外方に拡げる力が加わって重合部の固定が外れても、胴部は袋体の内部にそのまま保持されるので、問題はない。また、袋体用自立保持体が袋体の外側に装着される場合は、重合部の固定が外れ、胴部が円筒形状を保てなくなり、袋体を支えることができなくなった場合でも、収容物によって袋体の形状が保たれ自立するので、問題はない。よって、接着、溶着、溶接等の方法により重合部を接合して固定する以外に、クリップ等により重合部を挟持して固定する方法、各々の分割胴部の両端部に予め連結孔を形成しておき、重合部で重合させた連結孔に固定ピンを挿通したり、重合部をスナップボタンやリベット等の留め具で挟着したりして固定する方法、胴部の外周全体を結束部材で囲繞することにより重合部を固定する方法などを用いることができる。尚、着脱自在な固定手段を用いて重合部を固定することにより、使用後は固定手段を取り外して胴部を容易に分解することができ、平板状の分割胴部として搬送や保管を行うことができ、取扱い性に優れる。
胴部には排水孔を設け、通水性を持たせてもよい。尚、排水孔の孔径、数、配置等は適宜、選択することができる。
ここで、底板部の材質や板厚は分割胴部と同様なので説明を省略する。また、底板部には胴部と同様に排水孔を設け、通水性を持たせてもよい。尚、排水孔の孔径、数、配置等は適宜、選択することができる。
胴部と底板部との固定方法は適宜選択することができる。底板部の周縁部に設けた係止片を分割胴部の下端側に形成した切れ目部に差込んで固定してもよいし、底板部の周縁部に設けた固定片を分割胴部に接着、溶着、溶接等の方法により接合して固定してもよい。
ここで、折返し片の形状は適宜、選択することができる。また、折返し片の数は3箇所〜8箇所が好ましい。折返し片の数が3箇所より少なくなるにつれ、胴部と底板部の固定が不安定になり、形状安定性が低下し易くなる傾向があり、8箇所より多くなるにつれ、作業工数が増え、組立及び分解の作業性が低下し易くなる傾向があり、いずれも好ましくない。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の袋体用自立保持体であって、前記胴部が、各々の前記分割胴部の両端部に穿設された連結孔を有し、前記重合部で重合させた前記連結孔に固定ピンが着脱自在に挿通されて前記重合部が固定された構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用、効果に加え、以下のような作用が得られる。
(1)胴部が、各々の分割胴部の両端部に穿設された連結孔を有するので、各々の分割胴部の端部を重ね合わせ、重なった連結孔に固定ピンを挿通するだけで、分割胴部を容易に連結することができ、所定の枚数を連結した後に、全体を円筒状に湾曲させ、両端部を重合させて、同様に重なった連結孔に固定ピンを挿通することにより、胴部を形成することができ、組立作業性に優れる。
(2)重合部で重合させた連結孔に固定ピンが着脱自在に挿通されて重合部が固定されるので、使用後は固定ピンを抜取るだけで容易に胴部を分解することができ、分解作業性に優れると共に、平板状の分割胴部として搬送や保管を行うことができ、取扱い性に優れる。
(3)胴部の重合部を固定する固定ピンが着脱自在なので、組立、分解を容易に行って分割胴部を繰返し使用することができ、省資源性に優れる。
【0010】
ここで、連結孔の数は、胴部の高さ(長さ)に応じて、適宜、選択することができるが、胴部の高さ方向に少なくとも3箇所配置することにより、固定の安定性に優れる。また、固定ピンは軸部を連結孔に挿通して固定できるものであればよいが、特に軸部を連結孔に挿通した後、拡径できるものは外力などが加わっても抜け難く、固定の信頼性に優れるので、好ましい。
また、連結孔の形状は丸孔でも長孔でもよいが、丸孔の場合、分割胴部を連結して形成される円筒状の胴部の直径が、一定に保持されるので、形状安定性に優れる。尚、丸孔の連結孔を胴部の円周方向に沿って複数設けた場合、分割胴部の端部同士を重ね合わせる際に、どの連結孔で固定するかを選択することにより、胴部の直径を調整することができる。また、連結孔の形状が長孔の場合は、胴部の直径を微調整することができ、汎用性に優れる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の袋体用自立保持体であって、前記連通孔が前記胴部の円周方向に沿って長孔状に形成された構成を有している。
この構成により、請求項2で得られる作用、効果に加え、以下のような作用が得られる。
(1)連通孔が胴部の円周方向に沿って長孔状に形成されているので、固定ピンによる固定位置によって胴部の直径を調整することができ、汎用性に優れる。
(2)連通孔が胴部の円周方向に沿って長孔状に形成されているので、袋体用自立保持体が袋体の外側に装着される場合は、袋体に収容物を投入した後、連通孔に固定ピンを挿通した状態で、連通孔を固定ピンに沿ってスライドさせ、胴部を拡径させることにより、袋体のみを上方に吊り上げる等して容易に取り外すことができ、胴部を分解する必要がなく、すぐに新たな袋体を装着することができ、連続作業性に優れる。
【0016】
本発明の請求項4に記載の自立袋体は、袋体と、前記袋体の外側に装着された請求項1乃至3に記載の袋体用自立保持体と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用、効果が得られる。
(1)袋体の内側に胴部と底板部を有する袋体用自立保持体が装着されることにより、袋体の内周面及び底面を袋体用自立保持体で確実に保護することができ、鋭利な角を持つ金属片、木片、ガラス片等の廃棄物や瓦礫等の重量物を収容しても、袋体が破損することがなく、多様性、信頼性に優れる。
(2)袋体の内側に胴部と底板部を有する袋体用自立保持体が装着されることにより、袋体の形状安定性、自立安定性に優れる。
【0017】
ここで、袋体の材質や大きさは用途等に応じて、適宜、選択することができるが、耐候性大型土のう袋が好適に用いられる。
自立式袋体に収容する収容物としては、土砂、汚泥、砕石、瓦礫、浸水家財、家屋等の崩壊により発生した廃材、金属片、木片、ガラス片等の各種廃棄物、粉体、粒体、活性炭や木炭、貝殻等、適宜、選択することができるが、これらに限定されるものではない。また、袋体の内側に装着される袋体用自立保持体を型枠代わりにして、コンクリートを流し込み、擁壁等の固定構造物として使用することもできる。
袋体用自立保持体を袋体の内側に装着する場合、胴部及び底板部に排水孔がなければ、袋体に直接、収容物を収容するよりも水密性が高く、水分が袋体の外に漏れ難くなるので、含水率の高い収容物でも収容することができ、自立式袋体の用途を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施の形態1における袋体用自立保持体の模式斜視図
図2】(a)実施の形態1における袋体用自立保持体を形成する分割胴部の模式展開平面図 (b)実施の形態1における袋体用自立保持体を形成する底板部の組立前の模式平面図
図3】実施の形態1における袋体用自立保持体の胴部を組立てた状態を示す模式斜視図
図4】(a)実施の形態1における袋体用自立保持体を備えた自立式袋体を示す模式斜視図 (b)実施の形態1における袋体用自立保持体を備えた自立式袋体を示す模式平面図
図5】実施の形態2における袋体用自立保持体の使用状態を示す模式斜視図
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における袋体用自立保持体の模式斜視図であり、図2(a)は実施の形態1における袋体用自立保持体を形成する分割胴部の模式展開平面図であり、図2(b)は実施の形態1における袋体用自立保持体を形成する底板部の組立前の模式平面図であり、図3は実施の形態1における袋体用自立保持体の胴部を組立てた状態を示す模式斜視図である。
図1中、1は実施の形態1における袋体用自立保持体、2は鉄(トタン)、ステンレス等の金属製又はベニヤ等の合板、ポリエチレン、塩化ビニール等の合成樹脂製の板材を円弧状に湾曲させた2枚の分割胴部3を連結して円筒状に形成された袋体用自立保持体1の胴部、3aは円周方向にずらして配置した2枚の分割胴部3の端部同士が一定の幅で重合されて固定された胴部3の2箇所の重合部、4は各々の分割胴部3の両端部に3箇所ずつ穿設された丸孔や長孔状の連結孔、5は胴部2に通水性を持たせるために分割胴部3の適宜の箇所に穿設された複数の排水孔、7は胴部3の下端側に配設された袋体用自立保持体1の底板部、8は底板部7の外周側に形成された8箇所の折返し片、10は重合部3aで重合させた連結孔4に軸部10aが着脱自在に挿通されて重合部3aを固定する固定ピン、11は胴部2の下端側に底板部7の折返し片8を固定する固定ピンである。
図2(a)及び図3中、6は胴部2の下端側に固定ピン11を用いて底板部7を固定するために各々の分割胴部3の下端側に所定の間隔で4箇所ずつ穿設された底部固定孔である。
図2(b)中、8aは折返し片8を折り曲げ易くするために折返し片8の根元側に形成されたくびれ部、8bは折返し片8を略直角に折り曲げた時に胴部2の底部固定孔6(図3)と重なる位置に穿設され固定ピン11が挿通される固定孔、9は底板部7に通水性を持たせるために底板部7の適宜の箇所に穿設された複数の排水孔である。
【0020】
以上のように構成された実施の形態1における袋体用自立保持体の組立方法について説明する。
まず、図2(a)の平板状の分割胴部3を2枚用意し、端部の3箇所の連結孔4同士を重ね合わせるようにして、それぞれに固定ピン10を挿通する。
次に、連結した2枚の分割胴部3を湾曲させて両端部の3箇所の連結孔4同士を重ね合わせ、同様に固定ピン10を挿通して、図3に示した円筒状の胴部2が得られる。このとき、各々の分割胴部3の連通孔4が胴部2の円周方向に沿って長孔状に形成されているので、固定ピン10の固定位置によって胴部2の直径を調整することができるが、いずれか一方の分割胴部3の連通孔4を丸孔に形成してもよいし、両方の分割胴部3の連通孔4を丸孔に形成してもよい。
次に、図2(b)に示した組立前の底板部7の折返し片8をくびれ部8aで略直角に折り曲げ、胴部2の底部固定孔6(図3)と、底板部7の折返し片8の固定孔8bが重なるようにして、固定ピン11を挿通し、図1の袋体用自立保持体1が得られる。
【0021】
本実施の形態では、分割胴部3の板厚は、金属製の場合は0.3〜0.5mmとし、合成樹脂製等の場合は0.5〜3mmとした。それぞれ板厚が0.3mm或いは0.5mmより薄くなるにつれ、耐久性が低下して変形が発生し易くなる傾向があり、0.5mm或いは3mmより厚くなるにつれ、剛性が高くなって湾曲し難くなり、組立作業性が低下し易くなる傾向があることがわかったためである。
また、本実施の形態では、2枚の分割胴部3を湾曲、連結して胴部2を形成したが、分割胴部3の枚数は2〜4枚の中から適宜、選択することができる。1枚の板材を丸めて胴部3を形成しようとすると、胴部3の直径が1mの場合での板材が3m以上の長尺になり、量産性、搬送性、取扱い性に欠けると共に、重合部3aには湾曲させた板材を元に戻そうとする大きな復元力がかかり、固定の確実性、形状の安定性に欠ける傾向がある。また、分割胴部3の枚数が4枚より増えるにつれ、板材が短くなって湾曲させ難くなると共に、胴部2の組立作業が煩雑になり、組立作業性が低下し易くなる傾向がある。
【0022】
本実施の形態では、重合部3aで重合させた連結孔4に固定ピン10を挿通して重合部3aを固定したが、固定ピン10の代わりに、スナップボタンやリベット等の留め具で重合部3aを挟着して固定してもよい。また、クリップ等により重合部3aを挟持して固定する方法や胴部2の外周全体を結束部材で囲繞することにより重合部3aを固定する方法などを用いてもよい。このような着脱自在な固定手段を用いて重合部3aを固定することにより、使用後は固定手段を取り外して胴部2を容易に分解することができ、平板状の分割胴部3として搬送や保管を行うことができ、取扱い性に優れる
尚、接着、溶着、溶接等の方法により重合部3aを接合して固定すれば、胴部2の形状安定性、耐久性に優れる。
【0023】
以上のように構成された実施の形態1における袋体用自立保持体を備えた自立式袋体について説明する。
図4(a)は実施の形態1における袋体用自立保持体を備えた自立式袋体を示す模式斜視図であり、図4(b)は実施の形態1における袋体用自立保持体を備えた自立式袋体を示す模式平面図である。
図4中、20はポリプロピレン等の合成樹脂製の布や合成ゴム等で形成されたフレキシブルコンテナバッグ等の袋体21の内側に実施の形態1の袋体用自立保持体1が装着された自立式袋体、22は略円形状に形成された袋体21の底部(図3(a))、23は底部22と一体の筒状に形成された袋体21の胴体部、24は胴体部23の上部側に溶着若しくは接着又は縫合等によって取り付けられた吊り部(図3(a))、25は底部22に十字状に架け渡され胴体部23の高さ方向に沿って配設され吊り部24で胴体部23に縫合されループ状に形成された吊り手、26は胴体部23の上部に延設され網目状の布で形成された延設部(図3(a))、27は延設部26に形成された円形状の開口部、28は延設部26に縫合等によって固着され開口部27を緊締する縛り紐である。
尚、袋体用自立保持体1と共に使用する袋体はこれに限定されるものではなく、適宜、選択することができる。
【0024】
以上のように構成された本発明の実施の形態1における袋体用自立保持体を備えた自立式袋体の使用方法を説明する。
災害現場や工事現場等で袋体用自立保持体1を組立て、袋体21の内側に装着し、袋体21の底部22を着地させ開口部27を開口させる。
開口部27から土砂や浸水家財、家屋等の崩壊により発生した廃材や瓦礫等の各種収容物を投入すると、投入された収容物は袋体21内に堆積して、袋体21は袋体用自立保持体1に支えられて自立した状態を保つ。
収容物が増えるにつれ、袋体21を外方に拡げようとする力が発生するが、胴体部23の内周面が袋体用自立保持体1の胴部2で補強されているため、円筒形状が保たれ、袋体21を安定に立設させておくことができ、形状安定性、自立安定性に優れる。
また、袋体21の胴体部23及び底部22が袋体用自立保持体1の胴部2及び底板部7で保護されているため、収容物の中に鋭利な角を持つ金属片、木片、ガラス片等の廃棄物や重量物が混入していても、袋体21の胴体部23や底部22が破れることがなく、収容物を確実に収容、搬送することができる。
袋体21に収容物を一杯に充填した後、開口部27を縛り紐28で緊締して閉じることにより、土のう等として使用することができる。袋体21の内周が、袋体用自立保持体1の胴部2で保護されることにより、自立式袋体20が凹凸のない円筒状に形成されるので、複数の自立式袋体20を密着させて並設することができ、土のうとしての機能性に優れる。また、袋体21の底部22が、袋体用自立保持体1の底板部7で保護され平坦状に形成されるので、自立式袋体20の設置安定性に優れ、複数の自立式袋体20を積み重ねても倒れ難く、土のうや擁壁代わりに使用する際の信頼性に優れる。
尚、自立式袋体20の用途によっては、袋体用自立保持体1の底板部7を省略してもよい。つまり、収容物の中に鋭利な角を持つ金属片、木片、ガラス片等の廃棄物や瓦礫等の重量物が混入しておらず、袋体21の底部22が破損するおそれがない場合は、底板部7を省略することにより、組立作業性、省資源性を向上できる。
【0025】
以上のように、本発明の実施の形態1における袋体用自立保持体は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)板材を円弧状に湾曲させた複数の分割胴部が円周方向にずらして配置され、複数の分割胴部の端部同士が重合されて固定される重合部を有し、円筒状に形成される胴部を備えているので、使用しない時は袋体とは別に平板状の分割胴部を積み重ねて保管したり、搬送したりすることができ、収納時の省スペース性に優れる。
(2)胴部が複数の分割胴部で形成されるので、分割胴部1枚当たりの長さを短くすることができ、量産性、取扱い性に優れると共に、小型のトラックなどの荷台にも大量に積み込んで輸送することができ、供給安定性、搬送性に優れる。
(3)複数の分割胴部の端部同士が重合されて固定される重合部を有するので、固定の信頼性、胴部の形状安定性に優れる。
(4)胴部が、各々の分割胴部の両端部に穿設された連結孔を有するので、各々の分割胴部の端部を重ね合わせ、重なった連結孔に固定ピンを挿通するだけで、分割胴部を容易に連結することができ、所定の枚数を連結した後に、全体を円筒状に湾曲させ、両端部を重合させて、同様に重なった連結孔に固定ピンを挿通することにより、胴部を形成することができ、組立作業性に優れる。
(5)重合部で重合させた連結孔に固定ピンが着脱自在に挿通されて重合部が固定されるので、使用後は固定ピンを抜取るだけで容易に胴部を分解することができ、分解作業性に優れると共に、平板状の分割胴部として搬送や保管を行うことができ、取扱い性に優れる。
(6)胴部の重合部を固定する固定ピンが着脱自在なので、組立、分解を容易に行って分割胴部を繰返し使用することができ、省資源性に優れる。
(7)連通孔が胴部の円周方向に沿って長孔状に形成されているので、固定ピンによる固定位置によって胴部の直径を調整することができ、汎用性に優れる。
(8)胴部の下端部に配設される底板部を有することにより、底板部で胴部の下端部を固定することができ、胴部の形状安定性、取扱い性に優れる。
(9)胴部の下端部に底板部が配設されているので、袋体用自立保持体が袋体の内側に装着されることにより、袋体の底部を底板部で保護することができ、鋭利な角を持つ金属片、木片、ガラス片等の廃棄物や瓦礫等の重量物を収容しても、袋体の底部が破れることがなく、収容物を確実に収容、搬送することができ、信頼性に優れる。
(10)胴部の下端側に円周上に穿設された底部固定孔と、底板部の外周側に折り曲げ自在に形成され固定孔が穿設された折返し片と、を有するので、底板部の折返し片を折り曲げ、胴部の底部固定孔と折返し片の固定孔を重ねて固定ピン等を挿通するだけで簡単かつ確実に胴部に底板部を取付けることができ、組立作業性に優れる。
【0026】
以上のように構成された実施の形態1における袋体用自立保持体を備えた自立式袋体によれば、以下のような作用が得られる。
(1)袋体の内側に胴部と底板部を有する袋体用自立保持体が装着されることにより、袋体の内周面及び底面を袋体用自立保持体で確実に保護することができ、鋭利な角を持つ金属片、木片、ガラス片等の廃棄物や瓦礫等の重量物を収容しても、袋体が破損することがなく、多様性、信頼性に優れる。
(2)袋体の内側に胴部と底板部を有する袋体用自立保持体が装着されることにより、袋体の形状安定性、自立安定性に優れる。
【0027】
(実施の形態2)
図5は実施の形態2における袋体用自立保持体の使用状態を示す模式斜視図である。
また、実施の形態2における袋体用自立保持体1Aの使用方法が実施の形態1と異なるのは、袋体用自立保持体1Aがポリプロピレン等の合成樹脂製の布等で形成された袋体21Aの外側に配設されている点である。尚、袋体21Aの上端側が胴部2の上端外周に折り返されることにより、分割胴部3が平板状に戻ろうとするのを防止して、胴部2の上端部の形状を略円形状に保持することができ、形状安定性に優れる。
実施の形態1と同様に各種収容物を収容した後、胴部2の上端外周に折り返されていた袋体21Aの上端側を胴部2の上方に引き上げ、袋体21を袋体用自立保持体1Aから取り外す。このとき、連通孔4に固定ピン10を挿通した状態で、連通孔4を固定ピン10に沿ってスライドさせ、胴部2を拡径させれば、袋体21を袋体用自立保持体1Aから容易に取り外すことができる。また、連通孔4から固定ピン10を抜取って、胴部2を分解してもよい。
【0028】
以上のように本発明の実施の形態2における袋体用自立保持体は構成されているので、実施の形態1の(1)乃至(7)に記載した作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)連通孔が胴部の円周方向に沿って長孔状に形成されているので、袋体に収容物を投入した後、連通孔に固定ピンを挿通した状態で、連通孔を固定ピンに沿ってスライドさせ、胴部を拡径させることにより、袋体のみを上方に吊り上げる等して容易に取り外すことができ、胴部を分解する必要がなく、すぐに新たな袋体を装着することができ、連続作業性に優れる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、組立て及び分解が容易で量産性、供給安定性に優れ、使用しない時には嵩張らず、省スペース性、搬送性に優れると共に、使用する時には短時間で袋体の内側又は外側に装着して袋体を自立保持することができ、取扱い性、汎用性に優れる袋体用自立保持体の提供、及びこの袋体用自立保持体が袋体の内側に装着されることにより、鋭利な角を持つ金属片、木片、ガラス片等の廃棄物や重量物を収容しても、袋体が破損することがなく、多様性、信頼性に優れる自立式袋体の提供を行うことができ、特に土のう袋の普及を図り、被災地等における復旧作業の迅速化に貢献できる。
【符号の説明】
【0030】
1,1A 袋体用自立保持体
2 胴部
3 分割胴部
3a 重合部
4 連結孔
5 排水孔
6 底部固定孔
7 底板部
8 折返し片
8a くびれ部
8b 固定孔
9 排水孔
10,11 固定ピン
10a 軸部
20 自立式袋体
21,21A 袋体
22 底部
23 胴体部
24 吊り部
25 吊り手
26 延設部
27 開口部
28 縛り紐
図1
図2
図3
図4
図5