(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
図18乃至
図20は、参考例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0015】
まず、
図18(a)に示すように、例えばシリコンの半導体基板110上の全面に、熱酸化法によりシリコン酸化膜132を形成し、この後、CVD(Chemical Vapor Deposition、化学気相堆積)法によりシリコン窒化膜134を形成する。次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、シリコン窒化膜134及びシリコン酸化膜132をパターニングすることにより、ハードマスク134を形成する。次に、ハードマスク134をマスクとして半導体基板110をエッチングすることにより、素子分離用の溝112を形成する(
図18(b)参照)。次に、全面に、シリコン酸化膜114を形成し、この後、CMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械的研磨)法により、ハードマスク134の表面が露出するまでシリコン酸化膜114を研磨する(
図18(c)参照)。次に、シリコン窒化膜134をエッチング除去し、更に、露出したシリコン酸化膜132をエッチング除去する。こうして、溝112内にシリコン酸化膜の素子分離用絶縁層114が形成される(
図19(a)参照)。次に、露出した半導体基板10上に例えばシリコンの半導体層118を成長する(
図19(b)参照)。次に、例えばドライエッチングにより、シリコン酸化膜114のうちの上側の部分をエッチングする(
図19(c)参照)。次に、熱酸化法により、半導体層118の上面及び側面にゲート絶縁膜124を形成する(
図20(a)参照)。次に、CVD法によりポリシリコン膜126を形成し、この後、ポリシリコン膜126をパターニングすることにより、ポリシリコンのゲート電極126を形成する(
図20(b)参照)。この後、
図20(c)に示すように、ゲート電極126の両側の半導体層118にドーパント不純物を導入することにより、ソース/ドレイン領域128を形成する。なお、
図20(c)は、半導体層118の長手方向に沿った断面図である。こうして、ゲート電極126とソース/ドレイン領域128とを有する3次元トランジスタ130を有する半導体装置が製造される。
【0016】
参考例による半導体装置では、
図19(c)に示すように、半導体層118の側面の一部が素子分離用絶縁層114により覆われた状態となる。このため、
図20(b)に示すように、半導体層118とゲート電極126との間に、素子分離用絶縁層114の一部が挟まった状態になる。素子分離用絶縁層114のエッチング量の面内ばらつきに応じて、トランジスタ130の電気的特性にばらつきが生じる。
【0017】
[第1実施形態]
第1実施形態による半導体装置及びその製造方法について
図1乃至
図8を用いて説明する。
【0018】
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置について
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は、本実施形態による半導体装置を示す断面図である。
図2は、本実施形態による半導体装置を示す平面図である。
図1(a)は、
図2のA−A′線に対応しており、
図1(b)は、
図2のB−B′線に対応している。
【0019】
半導体基板10には、溝(素子分離溝、凹部)12が形成されている。半導体基板10としては、例えばシリコン基板が用いられている。溝12の深さは、例えば50〜250nm程度とする。
【0020】
溝12には、素子分離用の絶縁層(絶縁膜)14が形成されている。絶縁層14としては、例えばシリコン酸化膜が用いられている。溝12に埋め込まれた絶縁層14により、素子分離領域が形成されている。素子分離用の絶縁層14の上部は、
図1に示すように凸状になっていてもよいし、平坦であってもよい。
【0021】
素子分離用の絶縁層14により画定された素子領域16における半導体基板10上には、例えば厚さ15〜60nm程度の半導体層(ボディ、フィン)18が形成されている。かかる半導体層18は、半導体基板10の露出した表面に選択的にエピタキシャル成長されている(選択エピタキシャル成長)。半導体層18の断面は、全体として台形となっている。半導体層18の側面は、半導体基板10の表面に対して垂直ではなく、斜めになっている。即ち、半導体層18は、側面に傾斜を有している。半導体層18の上面と側面との為す角は鈍角となっている。半導体層18の上部の角部20は丸みを帯びている。半導体層18は、例えば単結晶状態となっている。半導体層18の平面形状は、
図2に示すように、例えば帯状となっている。半導体層18の幅、即ち、
図2の紙面左右方向における半導体18の寸法は、例えば5〜20nm程度とする。半導体層18の長さ、即ち、
図2の紙面上下方向における半導体層18の寸法は、例えば200〜500nm程度とする。
【0022】
半導体層18の側面は、素子分離用の絶縁層14により覆われていない。半導体層18の側面が素子分離用の絶縁層14により覆われていないため、ゲート電極26と半導体層18、22との間に素子分離用の絶縁層14が挟まれた状態にならず、電気的特性のばらつきの小さい3次元トランジスタ30を得ることができる。
【0023】
半導体層18の上面及び側面には、例えば厚さ5〜15nm程度の半導体層22が形成されている。上述したように、半導体層18の上部の角部20は丸みを帯びている。しかも、上述したように、半導体層18の上面と下面との為す角は鈍角である。このため、本実施形態によれば、良質な半導体層22を半導体層18上に形成することが可能である。半導体層22の材料としては、半導体層18と格子定数が異なる材料が用いられている。格子定数が半導体層18と異なる半導体層22を形成することにより、半導体層22に応力を生じさせることができ、キャリア移動度の向上を図ることができる。半導体層18の材料としてSiを用いる場合には、半導体層22の材料として例えばSiGeやSiC等が用いられる。
【0024】
なお、半導体層22の材料はSiGeやSiCに限定されるものではない。格子定数が半導体層18と異なる材料を、半導体層22の材料として適宜用いることができる。
【0025】
半導体層22の上面及び側面には、例えば膜厚2〜5nm程度のゲート絶縁膜24が形成されている。ゲート絶縁膜24としては、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜等が用いられる。
【0026】
なお、ゲート絶縁膜24として、例えば酸化ハフニウム等の高誘電率材料を用いてもよい。
【0027】
半導体層18,22及びゲート絶縁膜24等が形成された半導体基板10上には、ゲート電極26が形成されている。ゲート電極26の平面形状は、
図2に示すように、例えば帯状とする。ゲート電極26の長手方向は、半導体層18,22の長手方向と交差している。ゲート電極26は、ゲート絶縁膜24を介して半導体層18,22の上面及び側面と対向している。ゲート電極26の厚さ、即ち、半導体基板10の上面とゲート電極26の上面との間の寸法は、例えば10〜30nm程度とする。ゲート電極26の材料としては、例えばポリシリコンが用いられている。Nチャネル型のトランジスタである場合には、ゲート電極26の導電型はN型となっている。Pチャネル型のトランジスタである場合には、ゲート電極26の導電型はP型となっている。
【0028】
なお、ゲート電極26の材料は、ポリシリコンに限定されるものではない。例えば、ゲート電極26の材料として金属を用いてもよい。Nチャネル型のトランジスタである場合には、ゲート電極26の材料として例えばTaN、Ta、Al等を用いる。Pチャネル型のトランジスタである場合には、ゲート電極26の材料として例えばTiN、Ti、Al等を用いる。
【0029】
ゲート電極26の両側の半導体層18,22には、ソース/ドレイン領域28が形成されている。Nチャネル型のトランジスタである場合には、N型のソース/ドレイン領域28が形成されている。Pチャネル型のトランジスタである場合には、P型のソース/ドレイン領域28が形成されている。
【0030】
こうして、ゲート電極26とソース/ドレイン領域28とを有する3次元トランジスタ30を有する半導体装置が形成されている。
【0031】
このように、本実施形態によれば、半導体層18,22の側面に傾斜を有している。このため、半導体層18,22の側面の一部が素子分離用の絶縁層14により覆われておらず、半導体層18,22とゲート電極26との間には素子分離用の絶縁層14が挟まれていない。このため、本実施形態によれば、半導体層18,22の下端にまでゲート電極26が確実に対向し、電気的特性のばらつきの小さい3次元トランジスタ30を有する半導体装置を得ることができる。
【0032】
また、本実施形態によれば、半導体層18の上面と下面との為す角が鈍角であり、しかも、半導体層18の上部の角部20が丸みを帯びている。このため、本実施形態によれば、半導体層18の上面及び側面に良質な半導体層22を形成することができる。良質な半導体層22を形成することができるため、所望の応力を半導体層22に生じさせることができ、キャリア移動度の向上を図ることができる。
【0033】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について
図3乃至
図8を用いて説明する。
図3乃至
図8は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0034】
まず、例えば熱酸化法により、半導体基板10上に、例えば膜厚10〜20nm程度のシリコン酸化膜32を形成する。半導体基板10としては、例えばシリコン基板を用いる。
【0035】
次に、例えばCVD法により、例えば膜厚40〜100nm程度のシリコン窒化膜34を形成する。シリコン窒化膜34は、マスク(ハードマスク)を形成するためのものである。
【0036】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、シリコン酸化膜34及びシリコン窒化膜32をパターニングする。これにより、シリコン窒化膜のハードマスク34が形成される(
図3(a)参照)。ハードマスク34は後工程においてエッチング除去され、ハードマスク34が除去された箇所には後工程において半導体層18が形成される。従って、ハードマスク34の平面形状は、半導体層18の平面形状に設定される。ハードマスク34の平面形状は、例えば帯状とする。
【0037】
次に、ハードマスク34をマスクとして、半導体基板10をドライエッチングすることにより、半導体基板10に溝(凹部)12を形成する(
図3(b)参照)。かかる溝12は、素子分離領域14を形成するためのものである。溝12の深さは、例えば50〜250nm程度とする。
【0038】
次に、全面に、例えばCVD法により、例えば膜厚100〜300nm程度の素子分離用の絶縁層14を形成する。素子分離用の絶縁層14の材料としては、ハードマスク34とはエッチング特性が異なる材料を用いる。ここでは、素子分離用の絶縁層14として、例えばシリコン酸化膜を形成する。
【0039】
次に、例えばCMP法により、ハードマスク34の表面が露出するまで素子分離用の絶縁層14を研磨する(
図4(a)参照)。
【0040】
次に、例えばウェットエッチングにより、ハードマスク34を除去する。エッチング液としては、例えばリン酸を用いる。
【0041】
次に、例えばウェットエッチングにより、ハードマスク34の直下に存在していたシリコン酸化膜32を除去する(
図4(b)参照)。シリコン酸化膜32をエッチング除去する際には、素子分離用の絶縁層14の表面も若干エッチングされるが、シリコン酸化膜32の膜厚に比べて素子分離用の絶縁層14のサイズが十分に大きいため、特段の問題は生じない。
【0042】
こうして、ハードマスク34により覆われていた領域16における半導体基板10の表面が露出する。素子分離用の絶縁層14のうちの上側の部分は、半導体基板10の上面より上方に突出した状態となる(
図4(b)参照)。
【0043】
次に、
図5(a)に示すように、例えばイオン注入法により、半導体基板10の表面に対して斜めの方向から、不純物の注入を行う(傾斜イオン注入)。露出している半導体基板10の表面に不純物が注入されないように、不純物を注入する角度が設定される。露出している半導体基板10の表面に不純物を注入しないようにするのは、露出している半導体基板10の表面に不純物が注入されると、ソース領域28とドレイン領域28とが半導体基板10表面の不純物層を介して電気的に短絡してしまう虞があるためである。こうして、不純物が注入された不純物注入層14aが素子分離用の絶縁層14の上面及び側面に形成される。素子分離用の絶縁層14の上面及び側面に不純物を注入するのは、不純物が注入された部分においては、フッ酸等のエッチング液に対するエッチングレートが速くなるためである。エッチングレートを速くすれば、エッチング時間を短くすることができる。エッチング時間が短くなれば、エッチング量の面内ばらつきが小さくなり、ひいては、3次元トランジスタ30の電気的特性のばらつきが低減される。素子分離用の絶縁層14の上面及び側面に注入する不純物としては、例えば燐(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)等を用いることができる。
【0044】
次に、素子分離領域14により画定された素子領域16における半導体基板10の表面に、例えば厚さ15〜60nm程度の半導体層(ボディ)18をエピタキシャル成長する(
図5(b)参照)。半導体層18としては、例えばシリコン層を形成する。この際、選択エピタキシャル成長により、半導体層18を成長させることが好ましい。選択エピタキシャル成長とは、高い選択性を有する成長方法であり、半導体基板10の露出した表面に半導体層18を選択的にエピタキシャル成長させるものである。半導体層18の成長する際の成長条件を適宜設定することにより、半導体層18を選択エピタキシャル成長させることが可能である。選択エピタキシャル成長を行えば、素子分離用の絶縁層14上には半導体層18は成長せず、素子分離領域14により画定された素子領域16における半導体基板10の表面に半導体層18が選択的にエピタキシャル成長する。
【0045】
選択エピタキシャル成長の条件は、例えば以下の通りである。原料ガスとしては、例えばSiH
2Cl
2(ジクロロシラン)ガス、H
2ガス、及び、HClガスを用いる。SiH
2Cl
2ガスの流量は、例えば10〜50slm(Standard liter per minute)程度とする。H
2ガスの流量は、例えば20〜50slm程度とする。HClガスの流量は、例えば0.1〜0.3slm程度とする。成長温度は、例えば900〜1000℃程度とする。成膜室内の圧力は、例えば10〜20Torr程度とする。このような条件で半導体層18を成長させると、半導体基板10の露出した表面に半導体層18が選択的にエピタキシャル成長する。
【0046】
原料ガス中におけるHClガスの流量比を大きく設定すると、半導体層18の成長選択比が高くなり、絶縁膜14上への半導体層18の成長が抑制される傾向がある。一方、原料ガス中におけるHClガスの流量比を小さく設定すると、半導体層18の成長選択比が低くなり、絶縁膜14上に半導体層18が成長されやすくなる傾向がある。従って、半導体基板10の露出した表面に半導体層18を選択エピタキシャル成長させるべく、原料ガス中におけるHClガスの流量比は小さめに設定される。
【0047】
こうして、単結晶状態の半導体層18が例えば帯状に形成される。半導体層18の幅は、例えば5〜20nm程度とする。半導体層18の長さは、例えば200〜500nm程度とする。
【0048】
選択エピタキシャル成長により半導体層18を成長すると、半導体層18の断面形状は、全体として台形となる。半導体層18の側面は、半導体基板10の表面に対して垂直とはならず、斜めになる。このため、半導体層18の側面と素子分離用の絶縁層14の側面との間に間隙が生じる。半導体層18の上面と側面との為す角は、鈍角となる。こうして、側面が素子分離用の絶縁層14の側面と接していない半導体層18が形成される。
【0049】
次に、熱酸化法により、半導体層18の上面及び側面に膜厚5〜10nm程度のシリコン酸化膜36を形成する(
図6(a)参照)。かかるシリコン酸化膜36は、犠牲酸化膜として機能し得るものである。
【0050】
次に、素子分離用の絶縁層14のうちの上側の部分をエッチングする(
図6(b)参照)。エッチング方法としては、例えばウェットエッチングを用いる。エッチング液としては、例えばフッ酸を用いる。半導体層18の側面と素子分離用の絶縁層14の側面とが接していないため、半導体層18と素子分離用の絶縁層14との間の間隙にエッチャントが供給される。このため、素子分離用の絶縁層14の上面からエッチングが進行するのみならず、素子分離用の絶縁層14の側面からもエッチングが進行する。また、上述したように素子分離用の絶縁層14の上面及び側面には不純物が導入されており、素子分離用の絶縁層14の上面及び側面においてはフッ酸等のエッチング液に対するエッチングレートが比較的速くなっている。従って、素子分離用の絶縁層14のうちの上側の部分をエッチングする際のエッチング時間は比較的短い。エッチング時間が比較的短いため、エッチング量の面内ばらつきが比較的小さく、従って、3次元トランジスタ30の電気的特性のばらつきが小さくなる。エッチングされた素子分離用の絶縁層14の上面は、
図6(b)に示すように凸状になっていてもよいし、平坦になっていてもよい。素子分離用の絶縁層14のうちの上側の部分をエッチングする際には、半導体層18の上面及び側面に形成されていたシリコン酸化膜36もエッチング除去される。シリコン酸化膜36がエッチング除去された後においては、半導体層18の上部の角部は、
図6(b)に示すように、丸みを帯びた状態となる。
【0051】
なお、ここでは、素子分離用の絶縁層14のうちの上側の部分をエッチングする際に、ウェットエッチングだけを用いる場合を例に説明したが、ドライエッチングとウェットエッチングとを組み合わせてもよい。ドライエッチングとしては、例えばRIE(Reactive Ion Etching、反応性イオンエッチング)法等を用いることができる。半導体層18の上面及び側面に形成されたシリコン酸化膜36は熱酸化法により形成されたものであるため、CVD法により形成された素子分離用の絶縁層14よりもエッチング速度が遅い。このため、ドライエッチングの際には、半導体層18の上面及び側面に形成されたシリコン酸化膜36は半導体層18に対する保護膜として機能し得る。シリコン酸化膜36が保護膜として機能するため、ドライエッチングを行う場合であっても、半導体層18にダメージが加わるのを防止することができる。シリコン酸化膜36のエッチングレートは素子分離用の絶縁層14のエッチングレートよりは遅いものの、素子分離用の絶縁層14をエッチングする過程で、シリコン酸化膜36も徐々にエッチングされる。シリコン酸化膜36の膜厚があまりに薄くなると、半導体層18を十分に保護し得なくなるため、素子分離用の絶縁層14のうちの上側の部分をドライエッチングだけでエッチングすることは好ましくはない。このため、シリコン酸化膜36が過度に薄くなる前の段階で、素子分離用の絶縁層14に対するドライエッチングを終了する。そして、ウェットエッチングにより素子分離用の絶縁層14を更にエッチングする。ウェットエッチングにより素子分離用の絶縁層14を更にエッチングする際には、半導体層18の上面及び側面のシリコン酸化膜36もエッチング除去される。
【0052】
このように、ドライエッチングとウェットエッチングとを組み合わせて素子分離用の絶縁層14のうちの上側の部分をエッチングするようにしてもよい。
【0053】
次に、半導体層18の上面及び側面に、例えば厚さ5〜15nm程度の半導体層22をエピタキシャル成長する(
図7(a)参照)。半導体層22の材料としては、半導体層18と格子定数が異なる材料を用いる。半導体層18と異なる格子定数の半導体層22を形成することにより、半導体層22に応力を生じさせることができ、キャリア移動度の向上を図ることができる。半導体層18の上部の角部は鈍角となっており、しかも、丸みを帯びた状態となっている。このため、良好な半導体層22を半導体層18上に形成することができる。良好な半導体層22を形成することができるため、所望の応力を生じさせることができ、キャリア移動度を十分に向上させることができる。半導体層18の材料がSiである場合には、半導体層22の材料として例えばSiGeやSiC等を用いることができる。
【0054】
半導体層22の材料としてSiGeを用いる場合の成長条件は、例えば以下の通りとする。即ち、チャンバ内の圧力は、例えば1×10
−3〜1×10
−1Pa程度とする。基板温度は、例えば450〜650℃程度とする。原料ガスとしては、Si
2H
6ガスとGeF
4ガスとを用いる。Si
2H
6ガスとGeF
4ガスとの流量比は、例えば40:1〜80:1の範囲内とする。
【0055】
半導体層22の材料として、SiCを用いる場合には、以下のようにして半導体層22を成長する。即ち、まず、以下のような条件で炭化工程が行われる。チャンバ内の圧力は、例えば10Torr程度とする。原料ガスとしては、H
2ガスとC
3H
8ガスとを用いる。H
2ガスの流量は、例えば1.0リットル/分程度とする。C
3H
8ガスの流量は、10sccm程度とする。例えば2分間で1150℃に急速加熱した後、例えば2分間程度の炭化が行われる。この炭化工程の後、引き続き、以下のような条件でSiCの成長が行われる。チャンバ内の圧力は、例えば10Torr程度とする。基板温度は、例えば1150℃程度とする。原料ガスとしては、H
2ガスとC
3H
8ガスとSiH
4ガスとを用いる。H
2ガスの流量は、例えば8.0リットル/分程度とする。C
3H
8ガスの流量は、1.33sccm程度とする。SiH
4ガスの流量は、例えば0.8sccm程度とする。
【0056】
なお、半導体層22の材料はSiGeやSiCに限定されるものではない。半導体層18の格子定数と異なる格子定数を有する材料を半導体層22の材料として適宜用いることができる。例えば、半導体層18の材料がSiGeやSiCである場合には、半導体層22の材料としてSi等を用いてもよい。
【0057】
次に、例えば熱酸化法により、半導体層22の上面及び側面に、例えば膜厚2〜5nm程度のゲート絶縁膜24を形成する(
図7(b)参照)。ゲート絶縁膜24としては、例えばシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等を形成する。
【0058】
なお、ゲート絶縁膜24として、例えば酸化ハフニウム等の高誘電率膜を形成してもよい。
【0059】
次に、例えばCVD法により、例えば膜厚10〜30nm程度のポリシリコン膜26を形成する。
【0060】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ポリシリコン膜をパターニングする。これにより、ポリシリコンのゲート電極26が形成される(
図8参照)。ゲート電極26の平面形状は、例えば帯状とする。ゲート電極26の長手方向と半導体層18の長手方向とが互いに交差するように、ゲート電極26のパターンが形成される。
【0061】
次に、ゲート電極26をマスクとし、例えばイオン注入法により、ゲート電極26の両側の半導体層18にドーパント不純物を導入する。これにより、ゲート電極26の両側の半導体層18、22に、ソース/ドレイン領域28が形成される。この際、ゲート電極26にもドーパント不純物が導入される。Nチャネル型のトランジスタ30を形成する場合には、N型のドーパント不純物をゲート電極26、ソース/ドレイン領域28に導入する。一方、Pチャネル型のトランジスタ30を形成する場合には、P型のドーパント不純物をゲート電極26及びソース/ドレイン領域28に導入する。
【0062】
この後、ゲート電極26及びソース/ドレイン領域28に導入したドーパント不純物を活性化するための熱処理が行われる。
【0063】
こうして、3次元トランジスタ30を有する本実施形態による半導体装置が製造される。
【0064】
このように、本実施形態によれば、素子分離用の絶縁層14により画定された領域上に側面に傾斜を有する半導体層18を成長するため、半導体層18の側面と素子分離用の絶縁層14との間に間隙が生じる。このため、本実施形態によれば、半導体層18の側面の一部が素子分離用の絶縁層14により覆われた状態にならず、素子分離用の絶縁層14が半導体層18、22とゲート電極26との間に挟まれた状態にならない。本実施形態によれば、半導体層18,22の下端にまでゲート電極26が確実に対向するため、電気的特性のばらつきの小さい3次元トランジスタ30を得ることができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、素子分離用の絶縁層14のうちの上側の部分をエッチングする際に、素子分離用の絶縁層14の側面と半導体層18の側面との間の間隙にエッチャントが供給される。このため、素子分離用の絶縁層14の上面からエッチングが進行するのみならず、素子分離用の絶縁層14の側面からもエッチングが進行する。また、本実施形態によれば、素子分離用の絶縁層14の上面及び側面に不純物を導入するため、フッ酸等のエッチング液に対するエッチングレートが素子分離用の絶縁層14の上面及び側面において速くなっている。このため、本実施形態によれば、素子分離用の絶縁層14のうちの上側の部分を比較的短い時間でエッチングすることができる。エッチング時間が比較的短いため、エッチング量の面内ばらつきを小さくすることができる。エッチング量の面内ばらつきが小さいことは、電気的特性のばらつきの低減に資する。
【0066】
このように、本実施形態によれば、電気的特性のばらつきの小さい3次元トランジスタ30を有する半導体装置を提供することができる。
【0067】
[第2実施形態]
第2実施形態による半導体装置及びその製造方法を
図9乃至
図17を用いて説明する。
図1乃至
図8に示す第1実施形態による半導体装置及びその製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0068】
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置について
図9乃至
図11を用いて説明する。
図9は、本実施形態による半導体装置を示す断面図(その1)である。
図10は、本実施形態による半導体装置を示す断面図(その2)である。
図11は、本実施形態による半導体装置を示す平面図である。
図9は
図11のA−A′線に対応しており、
図10(a)は
図11のB−B′線に対応しており、
図10(b)は
図11のC−C′線に対応している。
【0069】
本実施形態による半導体装置は、半導体層18の直下の領域16における半導体基板10に不純物層38a、38bが形成されているものである。
【0070】
図9における紙面左側の領域2Aは、Nチャネル型のトランジスタ30aが形成される領域を示しており、
図9における紙面右側の領域2Bは、Pチャネル型のトランジスタ30bが形成される領域を示している。
【0071】
素子分離領域14により画定された素子領域16における半導体基板10には、不純物層38a、38bが形成されている。Nチャネル型のトランジスタが形成される領域2Aにおいては、不純物層38aの導電型はP型となっている。Pチャネル型のトランジスタが形成される領域2Bにおいては、不純物層38bの導電型はN型となっている。
【0072】
Nチャネル型のトランジスタが形成される領域2Aにおける半導体層18の上面及び側面には、半導体層22aが形成されている。半導体層22aの材料としては、半導体層18よりも格子定数が小さい材料が用いられている。半導体層18よりも格子定数が小さい半導体層22aを形成することにより、半導体層22aに引っ張り応力を生じさせることができ、キャリア移動度の向上を図ることができる。半導体層18の材料がSiである場合には、半導体層22aの材料として例えばSiC等を用いることができる。
【0073】
Pチャネル型のトランジスタが形成される領域2Bにおける半導体層18の上面及び側面には、半導体層22bが形成されている。半導体層22bの材料としては、半導体層18よりも格子定数が大きい材料が用いられている。半導体層18よりも格子定数が大きい半導体層22bを形成することにより、半導体層22bに圧縮応力を生じさせることができ、キャリア移動度の向上を図ることができる。半導体層18の材料がSiである場合には、半導体層22bの材料として例えばSiGe等を用いることができる。
【0074】
Nチャネル型のトランジスタが形成される領域2Aにおいては、ゲート電極26a及びソース/ドレイン領域28aにN型のドーパント不純物が導入されている。
【0075】
Pチャネル型のトランジスタが形成される領域2Bにおいては、ゲート電極26b及びソース/ドレイン領域28bにP型のドーパント不純物が導入されている。
【0076】
こうして、ゲート電極26aとソース/ドレイン領域28aとを有するNチャネル型の3次元トランジスタ30aが形成されている。また、ゲート電極26bとソース/ドレイン領域28bとを有するPチャネル型の3次元トランジスタ30bが形成されている。
【0077】
このように、本実施形態によれば、ソース/ドレイン領域28a、28bの導電型と反対の導電型の不純物層38a、38bが、半導体層28の直下の領域16における半導体基板10に形成されている。このため、本実施形態によれば、ソース領域28a、28bとドレイン領域28a、28bとが半導体基板10を介して短絡するのを確実に防止することができる。
【0078】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について
図12乃至
図17を用いて説明する。
図12乃至
図17は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0079】
まず、半導体基板10上にシリコン酸化膜32を形成する工程からハードマスク34を除去する工程までは、
図3(a)乃至
図4(b)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるため、説明を省略する。
【0080】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜40を形成する。
【0081】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、Nチャネル型のトランジスタが形成される領域2Aを露出する開口部42をフォトレジスト膜40に形成する。
【0082】
次に、フォトレジスト膜40をマスクとし、例えばイオン注入法により、開口部42内における素子分離用の絶縁層14の上面及び側面並びに半導体基板10の表面にP型のドーパント不純物を導入する(
図12(a)参照)。この際、開口部42内における素子分離用の絶縁層14の上面及び側面並びに半導体基板10の表面にP型のドーパント不純物が導入されるように、半導体基板10の表面に対して斜めにドーパント不純物を注入する(傾斜イオン注入)。P型のドーパント不純物としては、例えばBF
2(フッ化ホウ素)等を用いる。こうして、素子分離領域14により画定された素子領域16における半導体基板10にP型の不純物層38aが形成される。また、素子分離用の絶縁層14の上面及び側面に、P型の不純物が注入された不純物注入層14bが形成される。
【0083】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜40を除去する。
【0084】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜44を形成する。
【0085】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、Pチャネル型のトランジスタが形成される領域2Bを露出する開口部46をフォトレジスト膜44に形成する。
【0086】
次に、フォトレジスト膜44をマスクとし、例えばイオン注入法により、開口部46内における素子分離用の絶縁層14の上面及び側面並びに半導体基板10の表面にN型のドーパント不純物を導入する(
図12(b)参照)。この際、開口部46内における素子分離用の絶縁層14の上面及び側面並びに半導体基板10の表面にN型のドーパント不純物が導入されるように、半導体基板10の表面に対して斜めにドーパント不純物を注入する。N型のドーパント不純物としては、例えばP、As、Sb等を用いる。こうして、素子分離領域14により画定された素子領域16における半導体基板10にN型の不純物層38bが形成される。また、素子分離用の絶縁層14の上面及び側面に、N型の不純物が注入された不純物注入層14cが形成される。
【0087】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜44を除去する。
【0088】
この後の半導体層18を形成する工程から素子分離用の絶縁層14のうちの上側の部分をエッチングするまでの工程は、
図5(b)乃至
図6(b)に示す第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様であるため、説明を省略する。
【0089】
次に、全面に、例えばCVD法により、膜厚10〜20nm程度のシリコン酸化膜48を形成する。
【0090】
次に、全面に、例えばCVD法により、膜厚20〜40nm程度のシリコン窒化膜50を形成する。
【0091】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0092】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、半導体層18の平面形状の開口部(図示せず)を、Nチャネル型トランジスタが形成される領域2Aにおけるフォトレジスト膜に形成する。
【0093】
次に、フォトレジスト膜をマスクとし、シリコン酸化膜48をエッチングストッパとして、例えばウェットエッチングにより、シリコン窒化膜50をエッチングする。エッチング液としては、例えばリン酸を用いる。こうして、シリコン窒化膜50に開口部52が形成される。
【0094】
次に、開口部52内に露出しているシリコン酸化膜48を、例えばウェットエッチングによりエッチング除去する。エッチング液としては、例えばフッ酸を用いる。
【0095】
次に、Nチャネル型トランジスタが形成される領域2Aにおける半導体層18の上面及び側面に、例えば厚さ5〜15nm程度の半導体層22aをエピタキシャル成長する(
図13(a)参照)。半導体層22aの材料としては、半導体層18よりも格子定数が小さい材料を用いる。半導体層18よりも格子定数が小さい半導体層22aを形成することにより、半導体層22aに引っ張り応力を生じさせることができ、キャリア移動度の向上を図ることができる。半導体層18の上部の角部は鈍角となっており、しかも、丸みを帯びた状態となっている。このため、良好な半導体層22aを半導体層18上に形成することができる。良好な半導体層22aを形成することができるため、所望の応力を半導体層22aに生じさせることができ、キャリア移動度を十分に向上させることができる。半導体層18の材料がSiである場合には、半導体層22aの材料として例えばSiC等を用いることができる。
【0096】
なお、半導体層22aの材料はSiCに限定されるものではない。半導体層18の格子定数より小さい格子定数を有する材料を半導体層22aの材料として適宜用いることができる。例えば、半導体層18の材料がSiGeである場合には、半導体層22aの材料としてSiを用いてもよい。
【0097】
こうして、半導体層18の上面及び側面に半導体層22aが形成される。
【0098】
次に、シリコン酸化膜48をエッチングストッパとして、例えばウェットエッチングにより、シリコン窒化膜50をエッチング除去する。エッチング液としては、例えばリン酸を用いる。
【0099】
次に、例えばウェットエッチングにより、シリコン酸化膜48をエッチング除去する。エッチング液としては、例えばフッ酸を用いる。
【0100】
次に、全面に、例えばCVD法により、膜厚10〜20nm程度のシリコン酸化膜54を形成する。
【0101】
次に、全面に、例えばCVD法により、膜厚20〜40nm程度のシリコン窒化膜56を形成する。
【0102】
次に、全面に、スピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0103】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、半導体層18の平面形状の開口部(図示せず)を、Pチャネル型トランジスタが形成される領域2Bにおけるフォトレジスト膜に形成する。
【0104】
次に、フォトレジスト膜をマスクとし、シリコン酸化膜54をエッチングストッパとして、例えばウェットエッチングにより、シリコン窒化膜56をエッチングする。エッチング液としては、例えばリン酸を用いる。こうして、シリコン窒化膜56に開口部58が形成される。
【0105】
次に、例えばウェットエッチングにより、開口部58内に露出しているシリコン酸化膜54をエッチング除去する。エッチング液としては、例えばフッ酸を用いる。
【0106】
次に、Pチャネル型トランジスタが形成される領域2Bにおける半導体層18の上面及び側面に、例えば厚さ5〜15nm程度の半導体層22bをエピタキシャル成長する(
図13(b)参照)。半導体層22bの材料としては、半導体層18よりも格子定数が大きい材料を用いる。半導体層18よりも格子定数が大きい半導体層22bを形成することにより、半導体層22bに圧縮応力を生じさせることができ、キャリア移動度の向上を図ることができる。半導体層18の上部の角部は鈍角となっており、しかも、丸みを帯びた状態となっている。このため、良好な半導体層22bを半導体層18上に形成することができる。良好な半導体層22bを形成することができるため、所望の応力を半導体層22bに生じさせることができ、キャリア移動度を十分に向上させることができる。半導体層18の材料がSiである場合には、半導体層22bの材料として例えばSiGe等を用いることができる。
【0107】
なお、半導体層22bの材料はSiGeに限定されるものではない。半導体層18の格子定数より大きい格子定数を有する材料を半導体層22bの材料として適宜用いることができる。例えば、半導体層18の材料がSiCである場合には、半導体層22bの材料としてSiを用いてもよい。
【0108】
こうして、半導体層18の上面及び側面に半導体層22bが形成される。
【0109】
次に、シリコン酸化膜54をエッチングストッパとして、例えばウェットエッチングにより、シリコン窒化膜56をエッチング除去する。エッチング液としては、例えばリン酸を用いる。
【0110】
次に、例えばウェットエッチングにより、シリコン酸化膜54をエッチング除去する。エッチング液としては、例えばフッ酸を用いる。
【0111】
次に、
図7(b)を用いて上述した第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、ゲート絶縁膜24を形成する(
図14(a)参照)。
【0112】
次に、例えばCVD法により、例えば膜厚10〜30nm程度のポリシリコン膜26を形成する。
【0113】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、ポリシリコン膜26をパターニングする。これにより、ポリシリコンのゲート電極26が形成される(
図14(b)参照)。ゲート電極26の平面形状は、例えば帯状とする。ゲート電極26の長手方向と半導体層18の長手方向とが互いに交差するように、ゲート電極26のパターンが形成される。
【0114】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜60を形成する。
【0115】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜60をパターニングする。これにより、Nチャネル型トランジスタが形成される領域2Aを開口する開口部62がフォトレジスト膜60に形成される。
【0116】
次に、フォトレジスト膜60及びゲート電極26をマスクとし、例えばイオン注入法により、ゲート電極26の両側の半導体層18、22aにN型のドーパント不純物を導入する。これにより、ゲート電極26aの両側の半導体層18、22aに、N型のソース/ドレイン領域28aが形成される。この際、ゲート電極26aにもN型のドーパント不純物が導入される。
【0117】
こうして、ゲート電極26aとソース/ドレイン領域28aとを有するNチャネル型の3次元トランジスタ30aが形成される(
図15参照)。
【0118】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜60を剥離する。
【0119】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜64を形成する。
【0120】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜64をパターニングする。これにより、Pチャネル型トランジスタが形成される領域2Bを開口する開口部66がフォトレジスト膜64に形成される。
【0121】
次に、フォトレジスト膜64及びゲート電極26をマスクとし、例えばイオン注入法により、ゲート電極26の両側の半導体層18、22bにP型のドーパント不純物を導入する。これにより、ゲート電極26bの両側の半導体層18、22bに、P型のソース/ドレイン領域28bが形成される。この際、ゲート電極26bにもP型のドーパント不純物が導入される。
【0122】
こうして、ゲート電極26bとソース/ドレイン領域28bとを有するPチャネル型の3次元トランジスタ30bが形成される(
図16参照)。
【0123】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜64を剥離する。
【0124】
この後、ゲート電極26a、26b及びソース/ドレイン領域28a、28bに導入したドーパント不純物を活性化するための熱処理が行われる。
【0125】
こうして、Nチャネル型の3次元トランジスタ30aとPチャネル型の3次元トランジスタ30bとを有する本実施形態による半導体装置が製造される(
図17参照)。
【0126】
このように、半導体層18の直下の領域16における半導体基板10に不純物層38a、38bを形成してもよい。これにより、ソース領域28a、28bとドレイン領域28a、28bとが半導体基板10を介して短絡するのを確実に防止することができ、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
【0127】
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0128】
例えば、第1実施形態では、素子分離用の絶縁層14の上面及び側面に不純物を導入したが、素子分離用の絶縁層14の上面及び側面に不純物を導入しなくてもよい。