(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態.
図1〜
図29を参照して、実施の形態に係る加湿器Aを説明する。
加湿器Aは、各部が設けられる本体10と、この本体10に水を供給する給水タンク20と、本体10で生成された高湿空気Pと搬送風Qから高湿風Rを生成する高湿風ダクト30と、本体10及び本体10に設けられた各部を覆い前方に向けて高湿風吹出口41が開口する前カバー40と、本体10に設けられた給水タンク20の外側を覆う後カバー50と、前カバー40の上面部40aに設けられ本体10で生成された案内風Sの流路となる案内風ダクト60を有する。
【0010】
(本体)
主に
図1〜
図13を参照すると、本体10は、上方から見た形状が前後方向に長い楕円形状を成しており、高湿風吹出口41が開口する前面側に操作表示部11が配置され、操作表示部11の後方に制御部12が配置され、制御部12の後方に高湿空気生成部13が配置され、高湿空気生成部13の後方に送風部14が配置され、送風部14の後方に給水タンク装着部15が配置され、後端に電源コード接続部16が配置されている。
つまり、高湿風吹出口41から高湿風Rが吹き出す方向と、制御部12と高湿空気生成部13と送風部14と給水タンク装着部15が並ぶ方向が、同じ方向となっている。
【0011】
次に、操作表示部11は、加湿器の電源スイッチや各種の操作及び設定を行うスイッチ等の操作手段11aと、加湿器の状態を示すランプやLED等の表示手段11bを備えており、制御部12と通信可能に接続されている。
【0012】
次に、制御部12は、加湿器Sの各部に設けられた電気部品を制御するものであり、前面側であって、本体10の外壁10aの曲率が大きい領域の内側に位置している。
また制御部12は、ROM、RAM、不揮発性メモリ等を有する記憶回路と、記憶回路に記憶された各種の制御プログラムを実行する演算処理部(CPU)と、演算処理部に対して信号を入出力する入出力回路と、時間を計測するタイマー回路とを備えている。
【0013】
制御部12の入力側には、加湿器Aの各部制御に必要な情報を取得するセンサ系統(図示せず)が接続されている。センサ系統には、例えば、給水タンク20内の水位を検出する水位検出部、後述する高湿風Rの温度を検出する温度検出部、加湿器A周辺の湿度を検出する湿度検出部、加湿器Aの周囲に存在する人を検出する人体検出部、後述する高湿風吹出口41に人が接近したことを検出する近接センサ等が含まれている。
また、制御部12の出力側には、表示手段11b、後述する高湿空気生成部13を構成するヒータ13bや、送風部14を構成する送風ファン14aが接続されている。
尚、制御部12は、高湿風吹出口41の下部であって、本体10の底面10bから高湿空気生成部13までの高さより高い位置に至る部分に配置される。
【0014】
次に、高湿空気生成部13は、給水タンク20から供給される水から高湿空気Pを生成する部位であり、加熱用貯水部13a及びヒータ13bを有する。
加熱用貯水部13aは、給水タンク20から供給された加熱用の水を貯めておく部位であり、例えば、垂直方向に延びた円筒状に形成され、上方に向いて開口している(上面開口131a)。加熱用貯水部13aの下面には、給水タンク装着部15とつながり、給水タンク20から供給された水の経路となる給水通路17が接続されている。
【0015】
加熱用貯水部13aの上部には、垂直方向に延びた円筒状の高湿空気ダクト13cが設けられている。高湿空気ダクト13cは、加熱用貯水部13aで生成された高湿空気P(蒸気)を高湿風ダクト30に導くものである。
高湿空気ダクト13cの加熱貯水部13a側となる下開口131cは、加熱用貯水部13aの上面開口131aと、ほぼ同じ形状である。高湿風ダクト30側の上開口132cは、下開口131cより小さく前後方向に細長い形状を成している。
【0016】
また、高湿空気ダクト13cの上端周縁は、外形を上方に延長するように突出する突出リブ133cが形成されている。更に、高湿空気ダクト13cの側面には、側面を囲むように、側面方向に突出するフランジ134cが形成されている。
このフランジ134cは、加熱貯水部13aに高湿空気ダクト13cを取り付ける際に、高湿空気ダクト13cの下方向の位置を決めるためのものである。
【0017】
更に、このフランジ134cと下開口131cの間には、パッキン135cが設けられている。このパッキン135cは、高湿空気ダクト13cを加熱貯水部13aに取り付けた状態において、両部位の間の隙間を埋めるものであり、加熱貯水部13aと高湿空気ダクト13cの間から蒸気が漏れるのを防止するためのものである。
【0018】
次に、ヒータ13bは、加熱用貯水部13a内の水を加熱して蒸気(高湿空気P)を生成するものである。ヒータ13aは、例えば略環状に形成され、加熱用貯水部13aの外周側を取囲んでいる。
【0019】
次に、主に
図16〜
図20を参照すると、本体上面10aであって高湿空気生成部13と送風部14(送風ダクト14b)に囲まれた位置には、後述する高湿風ダクト30を本体10に取り付けた際に、この高湿風ダクト30を本体10に固定するロック部18が設けられている。
このロック部18は、本体上面10aに上方に向けて突出した軸18aと、この軸18aに回動自在に軸支されるロック片18bにより構成されている。ロック片18bは、平面形状が扇形状を成しており、扇形状の中心となる位置に軸18aが配置されている。
ロック片18bは、高湿風ダクト30を固定する状態では、本体10を上方から見て本体10の内部に位置し、高湿風ダクト30の固定を解除した状態では、少なくとも一部が本体10の外部に突出する。
【0020】
次に、主に
図6〜
図13を参照すると、送風部14は、遠心ファンである送風ファン14aと送風ダクト14bを有する。送風ファン14aは、加湿器Aの内部から外部に向けて流れる気流を発生させるものであり、加湿器Aから吹き出される高湿風Rを案内する案内風Sと、高湿風ダクト30の内部において高湿空気Pと混合して高湿風Rとなる搬送風Qを発生させる。
【0021】
送風ファン14aは、モータ141aと、このモータ141aの回転軸141cに取り付けられて気流を生じさせる翼部141bと、翼部141bを囲むケーシング141dからなる。この送風ファン14aは、モータ141aを後側に、翼部141bを前側となり、回転軸141cが前後方向を向くように本体10の内部に取り付けられる。
つまり、この様に配置されることで、翼部141bは、モータ141aにより回転されることにより、前方向及び後方向から空気を吸い込み、ケーシング141dの側面に沿って、上方を含む遠心方向に空気を排出して気流を生み出す。尚、モータ141aは、給水タンク20の下方に位置する。ケーシング141dの下部には、水抜き穴141eを形成する。
【0022】
次に、本体10の底面10bには、送風ファン14aが吸引する空気を本体10の内部に取り入れる空気取り入れ口101b(
図5参照)と、水抜き穴141eから流れでる水を本体外部に排出する底面水抜き穴101cが開口している。この空気取り入れ口101bは、送風部14と前方と後方にそれぞれ開口している。
送風部14の前方に位置する空気取り入れ口101bから取り込まれた空気は、制御部12で生じた熱と共に翼部141bへと流下する。つまり、前方に空気取り入れ口101bを設けることで、制御部12の冷却を促進することができる。
底面水抜き穴101cは、水抜き穴141eの下側の本体底面10bに開口している。
【0023】
また、送風部14の後方に位置する空気取り入れ口101bから取り込まれた空気は、モータ141aの近傍を流下して、モータ141aで生じた熱と共に翼部141bへと流下する。つまり、後方に空気取り入れ口101bを設けることで、モータ141aの冷却を促進することができる。
また、送風部14の下方に位置する空気取り入れ口101bは、送風ファン14aが吸引する空気を本体10の内部に取り入れる開口であると共に、使用者の誤った使用により送風部14に水が流入してしまった場合でも、水抜き穴141eを介して送風ファン14aの外部に水を排出し、更に、送風ファン14aから排出された水は、底面水抜き穴101cを介して、本体10の外部に排出される。
なお、水抜き穴141eは直径7mmであり、ケーシング141d内の空気の流れを乱さず、かつ、水が十分抜けやすい大きさに形成している。
【0024】
次に、送風ダクト14bは、本体10の内部から外部に、送風ファン14aからの気流を導く流路となるもので、本体上面10aから突出した筒状の部材であり、上方に向けて矩形状の送風ダクト開口14cが開口している。
この送風ダクト開口14cには、開口を開閉する蓋体14dが設けられている。蓋体14dは、送風ダクト開口14cに何も接続されていない状態では開口を閉じ、後述する搬送風接続ダクト42と案内風接続ダクト43と接続した状態で開口を開くように構成されており、これらダクトと送風ダクト14bが連通した状態となる。
【0025】
尚、後述する搬送風接続ダクト42は、送風ダクト14bと高湿風ダクト30に接続して、搬送風Qを送風ダクト14bから高湿風ダクト30へと導く風路である。また、案内風接続ダクト43は、送風ダクト14bと案内風ダクト60に接続して、案内風Sを送風ダクト14bから案内風ダクト60へと導く風路である。
【0026】
次に、送風ダクト14bは、高湿空気生成部13と給水タンク装着部15の間であって、本体10の左右中心から側方(本実施の形態の場合、右側)に偏った部位に位置している(
図7、
図8)。そして、送風ダクト14bの左側のスペースには、高湿空気生成部13の下部よりつながる給水通路17が通っている。このような送風部14は、搬送風Qを送り出す搬送風送風部と、搬送風Qと高湿空気Pにより生成された高湿風Rを案内する案内風Sを送り出す案内風送風部を兼ねている。
尚、本実施の形態では、1つの送風部で搬送風送風部と案内風送風部を兼ねているが、搬送風Qを作り出す送風部と案内風Sを作り出す送風部を、それぞれ別々に分けて設けてもよい。
【0027】
図6〜
図13を参照すると、給水タンク装着部15は、給水タンク20が装着されることで、給水タンク20から水が供給される給水部となる部位である。
給水タンク装着部15は、本体10の上面に開口する凹形状を成しており、中央には上方に向けて突出する給水タンク20を装着した時に給水弁20aを開く弁開放凸部15aが設けられている。
また、給水タンク装着部15には、水位を検知する水位検知部(図示せず)が設けられている。水位検知部は、当該位置に水があるか否かを検知するもので、検知信号は制御部12に向けて出力される。
【0028】
ここで、給水タンク装着部15と高湿空気生成部13は、給水タンク20から供給された水の水路となる給水通路17により接続されている。給水通路17は、本体10の上面10aを前方に向けて伸び、上述の通り、送風ダクト14bの側方を通り、上面10aから下方に伸びて、加熱用貯水部13aの下側から接続する。
【0029】
尚、給水通路17の上方向く部分には、当該位置を覆う通路蓋17aが設けられる。このように通路蓋17aを設けることで、加湿器Aが転倒や傾いた場合、給水通路17からの水の流出を低減することができる。
また、通路蓋17aを給水通路17から取り外すことができるように構成することで、給水通路17の内部を容易に清掃することが可能となる。
【0030】
次に、
図3〜
図5を参照して、電源コード接続部16について説明する。
電源コード接続部16は、商用電源から電力を得るための電源コードと接続する位置であり、本体10の後端下部に設けられている。この電源コードの接続端と電源コード接続部16は、磁石により容易に着脱自在に構成されており、電源コードが引っ張られても、電源コードが電源コード接続部16から外れることで、加湿器Aが転倒しにくく構成されている。
【0031】
特に、加湿器Aは、水を保持した給水タンク20が設けられた状態では、設置位置に対して本体10の後ろ側の部分に荷重が大きくかかる。
従って、電源コード接続部16は、荷重が大きくかかる位置の近くである本体10の後端下部に位置しているので、電源コードが引っ張られた場合、加湿器Aが大きくずれ動くことなく、電源コードが電源コード接続部16から外れる。
【0032】
(給水タンク)
次に、
図10〜
図15を参照して給水タンク20について説明する。
給水タンク20は、加湿器Aから取出して水の補充が可能となるように、給水タンク装着部15に着脱可能に連結される。給水タンク20の下面部には、給水タンク装着部15に連結されたときに開弁し、当該位置から取外されたときに閉弁する給水弁20aが設けられている。
【0033】
(高湿風ダクト)
次に
図10〜
図12、
図21を参照して高湿風ダクト30について説明する。
高湿風ダクト30は、高湿空気ダクト13cから流入する高湿空気Pと、搬送風接続ダクト42から流入する搬送風Qとを混合して高湿風Rを生成し、この高湿風Rを高湿風吹出口41に導く風路となる部位である。
高湿ダクト30は、上下に円筒を重ねた形状を成しており、下側の円筒部分である下層部31と、上側の円筒部分である上層部32を有する。
【0034】
下層部31は下方に向けて開口(下開口31a)しており、下層部31と上層部32の内部空間は、連通開口32aで上下に連通している。この連通開口32aには、開口縁から下方向に伸びる開口リブ321aが形成されている。
また、下層部31には、内方に凹むロック受部31bが形成されている。このロック受部31bは、ロック部18のロック片18bが嵌り込むことにより、高湿風ダクト30を本体10に固定するためのものである。
【0035】
次に、上層部32について説明する。
上層部32は、下層部31と連通開口32aを通して上下に連通している。また、上層部32の上側には、前方を向く前開口32bが開口している。この前開口32bは、高湿風Rを高湿風ダクト30の内部から外部へ排出する開口であり、前カバー40の高湿風吹出口41と対向する。
【0036】
更に、上層部32の下側には、後方を向く後開口32cが開口している。この後開口32cは、搬送風接続ダクト42と接続して、搬送風Qを高湿風ダクト30の内部に導入する開口である。
【0037】
次に、前開口32bの下側には、扇形状の露受部33が設けられている。この露受部33は、扇形状の中心に向かって傾斜し、この扇形状の中心となる位置には露逃し開口33aが開口している。そして、露逃し開口33aの下には、露保持部33bが形成されている。露保持部33bは、下層部31の上面に形成されている。
下層部31の上面は、水を熱することで生じた高湿空気Pで温められるので、これに伴い露保持部33bも温度が上がるので、露保持部33bに溜まる露が蒸発しやすい。
【0038】
また、露受部33の表面は、親水処理が施されており、露逃し開口33aに向かって露が流れやすく構成されている。更に、露受部33の扇形状は、前カバー40の高湿風吹出口41の下部の内面形状と一致している。
そして、この様に構成された露受部33は、下層部31の上面にねじ止めにより固定されている。
【0039】
次に、
図1〜
図6、
図22〜
図28を参照して、加湿器Aの外殻を構成する前カバー40と後カバー50と案内風ダクト60について説明する。
前カバー40は、本体10及び本体10に設けられた各部を覆うものであり、上面部40aと、左面部40bと、右面部40cと、左面部40bと右面部40cを前側で滑らかにつなぐ前面部40dと、後方を向く後開口40fを残して左面部40bと右面部40cを繋ぐ接続部40eからなる。尚、前カバー40の下面は、開口している。
【0040】
前面部40dには、前方に向けて高湿風吹出口41が開口している。また、上面部40aには、上面開口401aが開口しており、この上面開口401aより前側の上面部40a(前側上面部402a)は後側の上面部40a(後側上面部403a)より一段低く構成されている。
更に、上面部40aの後端から後方に向けて、複数の爪部44が突出して設けられている。また、接続部40eは、前カバー40内側に、後カバー50の厚さ分ずれた位置に接続している。
【0041】
次に、前カバー40の内部には、搬送風接続ダクト42と案内風接続ダクト43が固定して設けられる。
搬送風接続ダクト42は、一端に搬送風Qとなる気流を送風部14から導入する搬送風入口42aとなる開口と、他端に高湿風ダクト30へと搬送風Qを吹き出す搬送風出口42bとなる開口が形成されている。
【0042】
この搬送風接続ダクト42は、一端から他端の間を曲がった形状に構成することで、搬送風入口42aは下方を向いて開口し、搬送風出口42bは前方を向いて開口している。また、搬送風出口42bの開口縁は前方に傾きく斜めとなる形状に構成されており、パッキン421bが設けられている。
【0043】
案内風接続ダクト43は、一端に案内風Sとなる気流を送風部14から導入する案内風入口43aとなる開口と、他端に案内風ダクト60の内部に案内風Sを吹き出す案内風出口43bとなる開口が形成されている。
この案内風接続ダクト43は、一端から他端にかけて曲がった形状に構成することで、案内風入口43aは下方向を向いて開口し、案内風出口43bは前方を向いて開口している。
【0044】
また、案内風接続ダクト43は、案内風出口43b側が上面開口401aから前カバー40の外部に出ている。つまり、案内風出口43bは、前側上面部402aの上側に位置している。
更に、案内風接続ダクト43の上面開口401aから前カバー40の外部に出ている部分の側面には、左右方向にそれぞれ突出し前後方向に伸びるレール受部43cが形成されている。更に、案内風接続ダクト43の上面開口401aの下部には、下方向に突出し前方向に伸びるL字形状の脚部43dが設けられている。
【0045】
この様に構成された搬送風接続ダクト42と案内風接続ダクト43は、搬送風入口42aと案内風入口43aの位置で隣り合わせとなるように配置されている。この隣り合わせに配置されている搬送風入口42aと案内風入口43aの間には、下方向に突出する押圧レバー45が設けられている。
この押圧レバー45は、搬送風入口42aと案内風入口43aの開口を遮らないよう、板状に形成されており、前側が前方に傾く傾斜した形状となっている。
【0046】
次に、主に
図9〜
図12、
図22〜
図23を参照して、案内風ダクト60について説明する。案内風ダクト60は、案内風接続ダクト43から吹き出された案内風Sの流路を形成する案内風ダクトベース61と、蓋62と、上面が平らな長い板状を成しているレール63から構成されている。
【0047】
案内風ダクトベース61は、前方に向いて開口する案内風吹出口61aと、下方を向き前後方向に長く開口する下開口61bと、上方に開口する上開口61cと、内側に向けて突出して設けられるネジ受部61dと、案内風の向きを調整する案内風調整手段61eが設けられている。
蓋62は、案内風ダクトベース61と接続する蓋ベース62aと、蓋ベース62aの上面を覆い意匠面を形成する蓋カバー62bからなる。
【0048】
レール63は、一対の直線部63aと、この直線部63aを接続する接続部63bとを有し、ネジ穴63cが形成されている。一対の直線部63aは互いに平行となる様に対向して接続部63bで接続されており、表面が平らな面となっている。また、対向する直線部63aの間隔は、案内風接続ダクト43の左右幅とほぼ同程度の隙間となっている。
【0049】
そして、レール63は、向かい合う直線部53aの間に、案内風接続ダクト43を挟み込むように、案内風接続ダクト43に取り付けられる。この状態においてレール63は、案内風接続ダクト43の左右の面から側方に向けて突出するレール受部43cの下側に位置している。
この様に構成することで、レール受部43cが上方向へのレール63の脱落を防止すると共に、案内風接続ダクト43の左右側面とレール受部43cがレール63を受けて、レール63が、案内風接続ダクト43に対して前後方向にスライド可能に取り付けられる。
【0050】
次に、上記のように案内風接続ダクト43に取り付けられたレール63には、ネジ受部61dにネジ64を通して、レール63のネジ穴に63cにネジ止めすることにより、案内風ダクトベース61が取り付けられる。
そして、レール63に取り付けられた案内風ダクトベース61に、上開口61cを閉鎖するように蓋62を取り付けられる。
【0051】
これにより、案内風接続ダクトベース61は、前カバー40の上面部40aであって、前側上面部402aから後側上面部403aに跨って配置され、案内風ダクト60と前カバー40の前側上面部402aで囲まれる空間が形成され、案内風Sの風路を内部に形成される。
つまり、案内風接続ダクトベース61が上面部40aに配置された状態において、内部には、下開口61bから案内風接続ダクト43が入り込んだ状態となり、案内風ダクト60がレール63を介してレール受部43cにガイドされて、前カバー40の上面部40aの上方を前後方向にスライド可能となる。
【0052】
ここで、ダクトベース61は、前カバー40の上面部40aであって、前側上面部402aから後側上面部403aに跨って配置され、蓋62を取り付けることにより、上開口61cが閉鎖され、案内風Sの流路となる案内風ダクト60と前カバー40の前側上面部402aで囲まれる空間が形成され、案内風ダクト60が構成される。
また、案内風ダクト60の内部へ、前側上面部402aと後側上面部403aの間に開口する上面開口401aから案内風接続ダクト43が入り込み、案内風ダクト60の内部で案内風接続ダクト43と連通して連結する。
【0053】
従って、案内風ダクト60において、上面開口401aより後方の部分の位置M1での断面は、案内風接続ダクト43の案内風出口43bから、案内風ダクト60の案内風開口61aまでの位置M2での断面より小さくなる。つまり、案内風ダクト60は、案内風接続ダクト43の前後で、左右方向に切断した断面積が異なっている。
【0054】
これは、後側上面部403aは前側上面部402aより高い位置で上面を構成している為であり、断面位置M2となる部分で案内風Sの風路をより広く確保しつつ、断面位置M1の断面積を小さくすることで、案内風ダクト60の容積を小さくして、案内風接続ダクト43より後方の空間をより大きく確保し、給水タンク20を上方により大きく構成することができる。
【0055】
次に、
図24〜
図28を参照して、後カバー50について説明する。
後カバー50は、前カバー40と同じ高さであり、前方と下方が開口し、上面に取り外しの際に指をかける凹部51が形成されている。そして、前カバー40に取り付けられることで、一体となって加湿器Aの外観を形成する。
【0056】
以上の各部は、次のように本体10に取り付けられる。
図10〜
図12、
図21を参照すると、高湿空気ダクト13cは、下開口131cを加熱貯水部13aの内部に入り込ませることにより、加熱貯水部13aに取り付けられる。この時、加湿空気ダクト13cのフランジ134cが、加熱貯水部13aの上開口132の周縁に当接することで、加湿空気ダクト13cの位置が決まる。また、パッキン135cにより、加湿空気ダクト13cと加熱貯水部13aの隙間が埋められる。
尚、加湿空気ダクト13cは、加熱貯水部13aに対して、着脱自在となっている。
【0057】
次に、
図6〜
図20を参照すると、高湿風ダクト30は、ロック部18のロック片18bが、本体10の高湿ダクト30の取り付け領域の外に位置しているときに、本体10に取り付けることができる。
高湿風ダクト30は、下層部31が高湿空気ダクト13cを覆うように、本体上面10aに形成された取り付け位置に設けられる。
【0058】
この時、高湿風ダクト30の突出リブ133cにより形成されている円環内側に、高湿風ダクト30の開口リブ321aにより形成される円環が嵌り込む。そして、高湿空気ダクト13cの上開口132cが、高湿風ダクト30の上層部32の連通開口32aと対向する。
つまり、高湿空気Pは、高湿空気ダクト13cから、直接、高湿風ダクト30の上層部32の内部空間に流入するように構成される。
【0059】
また、このように高湿風ダクト30が本体上面10aに取り付けられた状態において、高湿風ダクト30の前開口32bは加湿器Aの前方を向く。
更に、高湿風ダクト30が本体上面10aに正しく取り付けられることで、高湿風ダクト30に設けられたロック受部31bは、ロック部18と対向した位置となる。そして、この状態において、ロック部18のロック片18bを回動させることで、ロック片18bがロック受部31bに嵌り込み、高湿風ダクト30が本体10に固定される。
尚、ロック片18bがロック受部31bに嵌り込んだ状態では、上方から見ると、ロック片18bは、本体10の内側に位置する。
【0060】
次に、
図10、
図23を参照すると、案内風ダクト60及び案内風ダクト43及び搬送風ダクト42が取り付けられた前カバー40は、本体10に上方より取り付けられ、本体10に取り付けられた各部を覆う。
本体10に前カバー40が取り付けられる過程において、押圧レバー45が送風ダクト14bの開口を閉じている蓋体14dを下方向に押して送風ダクト14bの開口を開き、案内風ダクト43と搬送風ダクト42が、送風ダクト14bと連通した状態で接続する。
尚、
図6、
図7、
図8、
図10を参照すると、送風ダクト14bの蓋体14dは、送風ダクト14bの開口にヒンジバネを介して軸支されており、前カバー40を本体10から外すことで、押圧レバー45の押圧状態が無くなり、ヒンジバネの力で再び送風ダクト14bの開口を閉じる。
【0061】
このように、本体10に正しく前カバー40が取り付けられると、高湿風吹出口41と高湿風ダクト30の前開口32bが対向した位置関係となり、案内風接続ダクト43の下部に設けられた脚部43dが、高湿風ダクト30の上面を上方より押える。
尚、高湿風ダクト30が本体10に正しく取り付けられておらず、ロック片18bが、ロック受部31bに嵌り込まずに、本体10の高湿ダクト30の取り付け領域の外に位置しているときは、ロック片18bが少なくとも一部が本体10の外部に突出する。
【0062】
これにより、この様な状態で本体10に前カバー40を取り付けようとすると、前カバー40の下端がロック片18bと接触することで、前カバー40を本体10に取り付けることができない。
また、高湿風ダクト30が本体10に正しく取り付けられて、ロック片18bが、ロック受部31bに嵌り込んだ状態では、ロック片18bが本体10の内部に位置する。これにより、本体10に前カバー40を取り付ける際に、ロック片18bが前カバー40に干渉することがなく、前カバー40を本体10に取り付けることが可能な状態となる。
【0063】
次に、
図14、
図15を参照すると、水タンク20は、本体10に前カバー40が取り付けられた状態において、案内風ダクト60が前方にスライドさせることで、案内風ダクト60が後開口40fを遮らなくなり、後開口40fを通して、本体10に取り付けることが可能である。
水タンク20は、給水弁20aを給水タンク装着部15に挿入することにより、給水弁が弁開放凸部15aに押される。これにより、水タンク20内部から水が本体10に供給される。
【0064】
次に、
図22〜
図28を参照すると、後カバー50は、本体10に前カバー40が取り付けられた状態において、案内風ダクト60が前方にスライドさせることで、案内風ダクト60が後開口40fを遮らない状態とすることで、前カバー40の後開口40fを塞ぐように取り付けることが可能である。
この後カバー50は、前カバー40の爪部44に、下面50bに形成された凹部501bを引っかけて前カバー40に取り付けられる。
尚、後カバー50を本体10から取り外す場合、同様に、案内風ダクト60を、前カバー40と後カバー50を跨る位置から、前方にスライドして動かすことにより、後カバー50と上下に重ならない位置となり、後カバー50が前カバー40に対して着脱自在となる。
【0065】
また、後カバー50の上面部50aは、前カバーの後側上面部403aと同じ高さとなるように構成されている。つまり、後カバー50は、案内風ダクト60を前後方向にスライドさせ際に、案内風ダクト60のスライド動作を妨げない位置となると共に、給水タンク20の領域が最大となるように構成され、前カバー40に対して取り付けられる。
更に、後カバー50は前カバー40に取り付けるので、前カバー10に取り付けた状態で本体10から取り外すことが可能である。
【0066】
ここで、案内風ダクト60は、案内風Sの風路を形成した状態で、前後方向にスライド移動可能に取り付けられているが、案内風ダクト60の位置ごとの各部との位置関係について説明する。
【0067】
(1)案内風ダクト60が最も後退した位置である場合(収納された状態)
最も後退した位置である収納位置に案内
風ダクト60が位置する場合、加湿器Aを上方から見ると、案内
風ダクト60は、前カバー40の上面部40a(前側上面部402a、後側上面部403a)の内側に位置する。
この状態では案内風ダクト60は、前
カバー40と後
カバー50
とに跨る位置となり、後
カバー50が案内風ダクト60と前カバー40の爪部44に上下に挟まれ、後
カバー50が前
カバー40から外れにくい状態となる。
これにより、案内風ダクト60が収納状態であれば、前
カバー40と後
カバー50を本体10から一体に取り外しやすくなり、取り外した後もバラバラになりにくく管理しやすい。
【0068】
(2)案内風ダクト60が前進した位置である場合(運転状態)
最も前進した位置に案内
風ダクト60が位置する場合、案内風Sの風路は、案内風ダクト60と前カバー40の前側上面部402aにより形成され、案内風開口61aは、高湿風吹出口41より前側に位置する。
案内風開口61aから吹き出る案内風Sは、高湿風吹出口41から前方に吹き出される高湿風Rの流れに向けて、斜め下方向に向いて吹き出る。
尚、案内風ダクト60は、最も後退した位置(収納状態)から、最も前進した位置の間であれば、任意の位置に保持することができる。
【0069】
(加湿器Aの動作)
以上のように構成された加湿器Aは、次のように動作する。
図29を参照すると、この図に示すルーチンでは、ステップS1において、操作部11に設けられた電源スイッチが押されると、加湿器Aの電源がONとなり、加湿運転が開始される。
次に、ステップS2では、制御部12によりヒータ13bが起動(ON)される。この結果、加熱用貯水部13a内の水は、ヒータ13bにより加熱され、蒸気を含む高湿空気Pを発生させる。
【0070】
発生した高湿空気Pは、温度が高くて軽いので、
図9、
図10に示すように、高湿空気ダクト13c内を垂直に上昇し、上開口132aを通って高湿風ダクト30に流入する。
このように、加熱用貯水部13aの真上に高湿空気ダクト13cを配置し、更に、高湿風空気ダクト13aの真上に高湿風ダクト30を配置したので、加熱用貯水部13aで発生した高湿空気Pを高湿風ダクト30内に円滑に導入することができる。
【0071】
次に、ヒータ13bが起動されてから十分な時間が経過し、高湿空気Pが安定的に生成される状態になると、ステップS3では、制御部12により送風ファン14aが起動(ON)される。
これにより、送風ファン14aは、送風ダクト14bを介して搬送風接続ダクト42に搬送風Qを送り込むと共に、案内風接続ダクト43に案内風Sを送り込む。
【0072】
搬送風Qは、後開口(搬送風導入開口)32cから高湿風ダクト30の内部に流入し、高湿空気Pと衝突して混ざり合う。
ここで、後開口32cは、高湿風ダクト30を後方から見た場合の左右中心から、右側にずれた位置に開口している。従って、後開口32cから流入した搬送風Qは、円筒形状である高湿風ダクト30の内壁面に沿って、らせん状に回転しながら上昇していく。
【0073】
高湿空気Pは、回転中心となる位置から高湿風ダクト30内部に侵入し、らせん状に回転する搬送風Qの気流に混ざり合う。
このように、高湿風ダクト30の内部でらせん状に搬送風Qを流下させ、これに対して高湿空気Pを混ぜ合わせることで、混ざりムラを低減することができる。
以上のように、高湿空気P及び搬送風Qは混ざり合って高湿風Rとなり、前開口(高湿風吹出開口32b)から前方へと水平に吹き出し、前カバー40の高湿風吹出口41からユーザ等の加湿目標に向けて搬送される。
【0074】
一方、案内風Sは、案内風接続ダクト43から案内風ダクト60に流入し、案内風開口61aに向けて流通する。そして、案内風開口61aでは、案内風の向きを調整する案内風調整手段61eにより案内風Sの風向が斜め下向きに変更される。
ここで、案内風調整手段61eの形状は、扇形状に形成されている。これにより、案内風Sは、案内風吹出口31から斜め下向きに強く吹き出しながら、高湿風Rに上側から覆い被さるように略扇形状の範囲に広がり、高湿風Rを上側から抑え込む。この結果、高湿風Rの上昇を抑制することができる。
【0075】
次に、ステップS4では、まず、センサ系統により人体の検出、人体との距離の検出、室内の湿度の検出を実行する。そして、例えば、センサ系統による検出結果と、ユーザによる運転条件の設定とに基づいて、加湿器の運転状態を調整する。
具体例を挙げると、制御部40には、例えば加湿器の位置での湿度と、ユーザまでの距離との関係と、ユーザの位置での湿度との関係を示す特性データが予め記憶されている。制御部12は、センサ系統により実際に検出した湿度及び距離に基づいて、前記特性データからユーザの位置の湿度を推定する。
【0076】
そして、推定した湿度に基づいて、例えばヒータ13b、送風ファン14a等を間欠運転することにより、加湿器の運転状態を調整する。
一例を挙げると、制御部12は、推定した湿度が適切な湿度範囲を下回る場合に、ヒータ13bをON状態とし、推定した湿度が前記湿度範囲を上回る場合に、ヒータ13bをOFF状態とする構成としてもよい。
【0077】
次に、ステップS5では、予め設定された各種の条件に基づいて加湿器の電源をOFFするか否かを判定する。
具体例を挙げると、下記の条件(1)〜(5)の少なくとも1つが成立した場合には、ステップS6に移行し、加湿器の電源をOFFする。一方、条件(1)〜(5)の全てが不成立である場合には、ステップS4,S5の処理を繰り返す。
【0078】
(1)ユーザにより電源スイッチがOFFされたか?
(2)タイマーに設定された時間が経過したか?
(3)給水タンク20から水が無くなったか?
(4)高湿風ダクト30内の温度が許容範囲を超えて上昇したか?
(5)高湿風吹出口41等に人体が接触したか?
【0079】
以上の通り加湿器Aを構成することにより、次の効果を得ることができる。
まず、加湿器Aの案内風吹出口61aは高湿風吹出口41より前側に位置し、案内風吹出口61aは、案内風Sが、高湿風吹出口41から吹き出た高湿風Rの流れに向けて吹き出るように構成されているので、案内風Sの流れに乗って高湿風Rをより遠くに流すことができる。
【0080】
また、加湿器Aの案内風ダクト60は前後方向に移動可能であり、この案内風ダクト60を前方に動かすことにより、案内風吹出口61aは高湿風吹出口41より前側に位置するように構成されているので、使用時は案内風ダクト60を前方に移動することにより高湿風Rをより遠くに流すことができ、使用していない時には案内風ダクト60を収納することができる。
【0081】
また、加湿器Aの案内風吹出口61aは斜め下方向に向けて開口すると共に、高湿風吹出口41の上方に位置しているので、案内風Sは、高湿風Rの上側から斜め下向きに吹き出され、案内風Sにより高湿風Rの上昇を上側から抑え込むことができる。
これにより、案内風Sを利用して高湿風Rの上昇を抑制し、高湿風Rに所望の指向性を与えることができる。
従って、加湿器Aは、加湿器Aから見て前方水平方向及び斜め下方に位置する加湿目標に向けて高湿風Rを効率よく搬送することができ、加湿目標であるユーザの近傍を安定して加湿することができる。
【0082】
また、加湿器Aの高湿空気生成部13は、水を加熱して水蒸気を得る加熱蒸気式であるので、高湿風Rを温かく生成することができる。これにより、搬送された高湿風Rは、ユーザの下方に到達した後に、ユーザに向けて徐々に上昇する。
これにより、緩やかな流れの高湿風Rを用いてユーザの周囲を加湿することができ、ユーザに直接高湿風Rが当たることで感じる風に吹かれる感覚や、低温の高湿風に吹かれることが無いので寒さによる不快感等を低減することができる。
更に、暖かい高湿空気Pの上昇力を利用して、高湿空気Pと搬送風Qとを容易に混合することができる。
【0083】
また、案内風吹出口61aの開口上部には、案内風調整手段61eを設けたので、案内風Sの風向を調整することができ、容易に高湿風Rを加湿目標に合わせることができる。
また、案内風調整手段61eの前端の形状を扇形状としたので、案内風Sは、案内風吹出口31から斜め下向きに吹き出しながら、高湿風Rに上側から覆い被さるように略扇形状の範囲に広がり、高湿風Rを上側から抑え込むことができる。この結果、高湿風Rの上昇を抑制することができる。
【0084】
また、後カバー50を本体10から取り外す場合、案内風ダクト60を、前カバー40と後カバー50を跨る位置から、前方にスライドして動かすことにより、案内風ダクト60が後カバー50と上下に重ならない位置となり、後カバー50が前カバー40に対して着脱自在となる。
ここで、案内風ダクト60が後カバー50と上下に重ならない位置となるとあるが、後カバー50が前カバー40に対する着脱を邪魔しない程度に、案内風ダクト60が後カバー50と上下に重ならない状態となればよく、案内風ダクト60が後カバー50と多少上下に重なる部分があってもよい。
このように案内風ダクト60を前カバー40と後カバー50を跨る位置にすることで、前カバー40から後カバー50が外れないので、収納時や持ち運びの際に管理しやすく、更に、本体10から前カバー40から後カバー50を一体のカバーとして取り外すことができと共に、案内風ダクト60を、前カバー40と後カバー50を跨る位置から、前方にスライドして動かすことにより、案内風ダクト60が後カバー50と上下に重ならない位置となり、後カバー50が前カバー40に対して着脱自在に構成できる。
【0085】
また、案内風ダクト60において、案内風接続ダクト43より後側の位置の断面は、案内風接続ダクト43より前側の位置の断面より小さく構成されている。このように構成することで、案内風接続ダクト43より後方の空間をより大きく確保し、給水タンク20を上方により大きく構成することができる。
【0086】
また、案内風接続ダクト43に、案内風ダクト60の移動用ガイドとなるレール受部43cを設けたので、部品数を減らすことができ、軽量・小型化を実現することができる。
また、案内風接続ダクト43と搬送風接続ダクト42は、カバー側となる前カバー40に設けたので、カバー40を本体10から取り外した際に、一緒に案内風接続ダクト43と搬送風接続ダクト42を外すことができ、本体10のメンテナンス性を向上させることができる。
また、搬送風送風部と案内風送風部を、共通の送風部14としたことで、部品数を減らすことができ、軽量・小型化を実現することができる。
【0087】
以上のように本実施の形態の加湿器Aを説明したが、この様な加湿器Aは、高湿空気生成部13が生成する高湿空気Pとなる蒸気の量が、約180〜300[ml/h]で、案内風S(アシスト風)を高湿風R(スチーム風)の風速に対して1.2倍〜1.6倍、又は、案内風S(アシスト風)を高湿風R(スチーム風)の風量に対して2倍〜4倍、にすることで、加湿する対象領域を効率よく加湿することができることが実験的に示されている。
ここでいう対象領域とは、使用者の顔が位置する領域など、スポット的な領域を想定している。
【0088】
また、高湿風吹出口41から約0.5〜1.0[m]離れた範囲の案内風Sと高湿風Rから成る風の風速を0.5[m/s]以下とすると良い。これにより、使用者が風に吹かれた時に感じる吹かれ感のない快適な風速の領域をつくることができる。
例えば、就寝の際に就寝位置(ベットやふとんの位置)の近傍に置いて使用者の顔に向けて使用する加湿器の仕様として、高湿風吹出口41から0.75[m]先での風速を0.25[m/s]となるように、高湿風Rの高湿風吹出口41の出口風速を約0.7[m/s]とし、案内風Sの案内風吹出口61aの出口風速を約1.0[m/s]とするとよい。