(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6256372
(24)【登録日】2017年12月15日
(45)【発行日】2018年1月10日
(54)【発明の名称】配管内面の塗装装置
(51)【国際特許分類】
B05B 13/06 20060101AFI20171227BHJP
B05B 7/26 20060101ALI20171227BHJP
B05C 7/08 20060101ALI20171227BHJP
【FI】
B05B13/06
B05B7/26
B05C7/08
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-28078(P2015-28078)
(22)【出願日】2015年2月16日
(65)【公開番号】特開2016-150288(P2016-150288A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2017年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004123
【氏名又は名称】JFEエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080458
【弁理士】
【氏名又は名称】高矢 諭
(74)【代理人】
【識別番号】100076129
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 圭佑
(74)【代理人】
【識別番号】100089015
【弁理士】
【氏名又は名称】牧野 剛博
(74)【代理人】
【識別番号】100144299
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100150223
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 修三
(72)【発明者】
【氏名】柏原 宜尚
(72)【発明者】
【氏名】笠原 一朗
(72)【発明者】
【氏名】田中 真一郎
【審査官】
市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−068917(JP,A)
【文献】
特開昭62−007465(JP,A)
【文献】
特開平05−049977(JP,A)
【文献】
特開2002−028542(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0045289(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B1/00−3/18
B05B7/00−9/08
B05B12/00−13/06
B05C7/00−21/00
B05D1/00−7/26
E03B1/00−11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主剤と硬化剤から成る二液性の無溶剤形エポキシ樹脂塗料の貯留手段と、前記主剤と前記硬化剤の定量供給手段と、前記定量供給手段により供給された前記主剤と前記硬化剤の加温手段と、前記加温手段で加温された前記主剤と前記硬化剤を混合する混合手段と、前記混合手段により混合、調製された塗料を配管内面に吹付け塗装する塗装手段と、前記混合手段から前記塗装手段までの塗料配管に塗料洗浄剤を供給する塗料洗浄剤供給手段を備えた口径800mm〜1350mmの中口径管の配管内面を手動で吹付け塗装するための塗装装置であって、
少なくとも前記貯留手段、前記定量供給手段、前記加温手段、前記塗料洗浄剤供給手段が、最長部の長さが、前記配管に設けられた作業用人孔から搬出入が可能な長さである複数の台車に分散配置され、前記作業用人孔から搬出入が可能であるとともに、前記貯留手段が搭載された作業者による牽引方向から1両目の台車と、前記定量供給手段と前記塗料洗浄剤供給手段のいずれかが搭載された2、3両目の台車と、前記加温手段が搭載された4両目の台車が連結手段で連結されて、該4両目の台車の後方で塗装作業者が配管内面を手動で吹付け塗装し、前記4両目の台車の近傍で作業者が前記加温手段を操作し、前記1両目の台車を作業者が引っ張ることによって前記配管内を移動可能な塗装装置であり、
更に、前記主剤と硬化剤の流量をそれぞれ計測するための流量計測手段が配置された台車が、前記加温手段が配置された台車に対して接続/分離可能に設けられていることを特徴とする配管内面の塗装装置。
【請求項2】
前記流量計測手段によって計測された主剤と硬化剤の混合比率が許容範囲外である時に警報を発生する手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の配管内面の塗装装置。
【請求項3】
前記加温手段から前記塗装手段に至る流路の少なくとも一部が保温されていることを特徴とする請求項1または2に記載の配管内面の塗装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管内面の塗装装置に係り、特に、口径800mm〜1350mmの中口径の水道鋼管の内面に無溶剤形エポキシ樹脂塗料を塗装する際に用いるのに好適な、配管内面の塗装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内面塗装鋼管を用いた配管において、
図1に例示するような配管10の継手溶接部11及び巻込鋼管12の巻込溶接部12Aは、溶接時の入熱により塗料が焼損してしまうため、工場塗装の段階では塗り残した状態で出荷される。従って、このような現地溶接部11、12Aは、現地において接合後、塗装する必要がある。
【0003】
現地塗装は、はけやローラを用いた手塗り塗装が一般的であり、塗料のダレを防止するため、工場で使用する塗料に比べ粘度が高い塗料が用いられる。従って、1度に塗装できる膜厚は0.2mm程度であり、標準的な規定膜厚0.4mmまでには、乾燥工程を含んで3回塗りが必要であり、最短でも3日程度掛かっていた。
【0004】
一方、近年自動塗装装置として、例えば特許文献1〜4等に開示されている様な塗装機が提案されている。しかし、これらの塗装機は、一回の運転において長距離、長時間の塗装作業を可能にするようには考慮されていない。また、塗料の供給方法は、配管された管外部からチューブ等により供給する方法、または、主剤と硬化剤から成る二液性塗料を予め混合してタンク等に貯留しておき、動力を使用してチューブ等により送り込み塗布する方法が採られている。また、塗布する際の制御信号、動力等は、配管された管外部からケーブル等により供給する方法が採られている。
【0005】
しかし、これらの方法によると、二液性塗料を混合した後のポットライフに時間的な制約があるために、塗料混合後長時間にわたって塗装作業を行うことができない。また、電源ケーブル、塗料ホース等を引き回しているために、長距離の塗装を行おうとすると、これら電源ケーブル、塗料ホース等の重量が大きなものとなる。これに対応するために、塗装装置の走行用のモーターを大型化する必要が生じる。しかしながら、塗装装置は配管の中を走行しなければならないものであるので、モーターをむやみに大きくすることは不可能である。これらの理由により、従来の塗装装置においては、一回の運転による溶接部の塗布箇所は5箇所程度に制限され、昨今のパイプライン敷設速度に対応させるには非効率になりつつある。さらに、従来の塗装機は、前述のように電源ケーブル、塗料ホース等を引き回しているために、塗装作業に際しては、敷設したパイプラインの開口部から管内塗布装置を塗布開始箇所まで走行させ、逆進させながら作業を行う必要があるため、所要時間が長く掛かってしまう事が問題となっている。
【0006】
一方、工場では、例えば日本水道協会の規格JWWA K 157:2013「水道用無溶剤形エポキシ樹脂塗料塗装方法」中に規定された二液内部混合型塗装機を用いて吹付け塗装を行っている。
【0007】
吹付け塗装は塗料が霧化しているため、一度に手塗り可能な膜厚0.2mmではなく、試験の結果、2.0mm程度の塗装でも問題ない。従って、一度で規定膜厚0.4mm以上を十分に確保できる。また、上記規格の付属書G「長寿命形水道鋼管用無溶剤エポキシ樹脂塗料塗装方法−現場溶接部内面における手塗り塗装」に規定されている膜厚1.0mm以上に対しても1度の吹付け塗装で対応できる。
【0008】
前記二液内部混合型塗装機は、移動可能なカートに搭載されたものが、例えば特許文献5や6に開示され、市販もされている。この塗装機は、工場での設置スペースを極力少なくするため、幅・長さを小さくし、高さを大きくしているので、加温設備・容量等から高さ1300mm程度の機械となり、概ね口径1500mmを超える大口径配管の場合には、これを使用して、所定位置まで配管内に塗装機を挿入して使用することができる。
【0009】
一方、口径800mm〜1350mm程度の中口径管の場合は、管内の高さが確保できず、所定位置まで塗装機が挿入できないため、工場用の塗装機を用いる場合には、
図1に示したように地上又は管外に塗装機20を設置し、ホース22のみを配管10内へ挿入し、スプレー24から吹付け塗装を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実開昭62−106675号公報
【特許文献2】実開昭60−24376号公報
【特許文献3】実開昭60−91281号公報
【特許文献4】特開平1−254274号公報
【特許文献5】特開平5−49977号公報
【特許文献6】特開2012−196605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、塗装機を管外に設置して塗装を行う場合には、塗装機の性能上管口から150m程度までの範囲しか施工できないという問題点を有していた。
【0012】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、塗装機を小型化して施工距離の制約を無くし、工場で使用する塗料を用いて、従来の塗装機が入らない中口径配管内面の吹付け塗装を可能にすると共に、塗装の品質を確保できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、主剤と硬化剤から成る二液性の無溶剤形エポキシ樹脂塗料の貯留手段と、前記主剤と前記硬化剤の定量供給手段と、前記定量供給手段により供給された前記主剤と前記硬化剤の加温手段と、前記加温手段で加温された前記主剤と前記硬化剤を混合する混合手段と、前記混合手段により混合、調製された塗料を配管内面に吹付け塗装する塗装手段と、前記混合手段から前記塗装手段までの塗料配管に塗料洗浄剤を供給する塗料洗浄剤供給手段を備えた口径800mm〜1350mmの中口径管の配管内面を手動で吹付け塗装するための塗装装置であって、少なくとも前記貯留手段、前記定量供給手段、前記加温手段、前記塗料洗浄剤供給手段が、最長部の長さが、前記配管に設けられた作業用人孔から搬出入が可能な長さである複数の台車に分散配置され、前記作業用人孔から搬出入が可能であるとともに、前記貯留手段が搭載された作業者による牽引方向から1両目の台車と、前記定量供給手段と前記塗料洗浄剤供給手段のいずれかが搭載された2、3両目の台車と、前記加温手段が搭載された4両目の台車が連結手段で連結されて、該4両目の台車の後方で塗装作業者が配管内面を手動で吹付け塗装し、前記4両目の台車の近傍で作業者が前記加温手段を操作し、前記1両目の台車を作業者が引っ張ることによって前記配管内を移動可能な塗装装置であり、更に、前記主剤と硬化剤の流量をそれぞれ計測するための流量計測手段が配置された台車を、前記加温手段が配置された台車に対して接続/分離可能に設けるようにして、前記課題を解決したものである。
【0014】
ここで、前記流量計測手段によって計測された主剤と硬化剤の混合比率が許容範囲外である時に警報を発生する手段を設けることができる。
【0015】
また、前記加温手段から前記塗装手段に至る流路の少なくとも一部を保温することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、塗装機の構成要素を、連結された複数の台車上に分けて搭載することにより塗装機を小型化したので、施工距離の制約を無くして、従来の塗装機が入らない口径800mm〜1350mmの中口径配管内の現地塗装部に塗装機を挿入して、工場で使用する塗料を用いて配管内面の吹付け塗装が可能になる。従って、重ね塗りが必要なく、一度の塗装で規定膜厚が確保できるため、迅速に作業できる。また、90度曲がり管も通過可能である。更に、手塗りに比べて良好な外観となる。また、主剤と硬化剤の混合比率を確認することで、塗装の品質を確保することが可能になる等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】中口径の水道管を、工場で使用する従来の塗装機を用いて塗装している状態を示す断面図
【
図7】本発明の実施形態の全体構成を模式的に示す側面図
【
図8】前記実施形態で用いられている流量計測設備が搭載された台車の構成を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を好適に実施するための形態(以下、実施形態と称する)につき、詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態及び実施例に記載した内容により限定されるものではない。また、以下に記載した実施形態及び実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、所謂均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態及び実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせても良いし、適宜選択して用いても良い。
【0019】
まず、参考形態について説明する。この参考形態は、
図2(側面図)及び
図3(平面図)に示す如く、二液性塗料の主剤を貯留するための主剤貯留タンク32、同じく硬化剤を貯留するための硬化剤貯留タンク36、及び、これらを吐出するためのポンプ33、37が搭載された第1の台車30と、主剤と硬化剤を所定の割合、ここでは2:1で定量供給するための定量供給装置41を構成する、主剤供給ライン34を介して前記主剤貯留タンク32内の主剤が送り込まれる主剤用の2つのシリンダ42、43、硬化剤供給ライン38を介して前記硬化剤貯留タンク36内の硬化剤が送り込まれる硬化剤用のシリンダ45及びポンプ47が搭載された第2の台車40と、配管洗浄剤(例えばシンナー)を貯留するための洗浄剤貯留タンク52、及び、該洗浄剤貯留タンク52から洗浄剤を洗浄剤供給ライン56に吐出するためのポンプ54が搭載された第3の台車50と、前記定量供給装置41のシリンダ42、43から主剤供給ライン44を介して供給される主剤を加温するための主剤用ヒータ62、同じく前記定量供給装置41のシリンダ45から硬化剤供給ライン48を介して供給される硬化剤を加温するための硬化剤用ヒータ64、前記ヒータ62、64の温度及び駆動・吐出用の空気圧を制御するためのコントローラ66が搭載された第4の台車60と、各台車間30、40、50、60を連結する、例えば鎖でなる連結器70と、前記ヒータ62、64で加温され、主剤供給ライン63及び硬化剤供給ライン65を介して供給される主剤と硬化剤を混合するミキサー80と、該ミキサー80により混合、調製され、ホース81を介して供給される混合塗料を配管内面に噴射するスプレー82とを備えている。
【0020】
前記ミキサー80の入側と前記主剤貯留タンク32、硬化剤貯留タンク36とは、主剤リターンライン68、硬化剤リターンライン69により、それぞれ接続されて循環経路が構成されており、この循環経路内の液温が、所定温度、例えば60℃一定に維持されている。
【0021】
前記台車30、40、50、60の平面形状は、配管10内の移動を容易とするため、小判型とされている。なお、小判型ではなく両側面が直線とされた円状としても良い。
【0022】
図において、72は、各台車30、40、50、60の下側に設けられた走行用車輪である。
【0023】
各台車30、40、50、60の側面には、
図4及び
図5に詳細に示す如く、ガイドローラ74が設けられ、直管通過時の片寄りを防止すると共に、曲管通過を円滑にしている。
【0024】
なお、各台車30、40、50、60を配管10に挿入する場合の作業用人孔(図示省略)の通過を可能とするために、ガイドローラ74は、
図5に詳細に示す如く、C字状ガイドレール77とねじ止め78を含む、ヒンジ79を用いた折畳み機構76により折り畳み可能とされている。
【0025】
塗装に際しては、
図6に例示した作業用人孔10Aから、各台車30、40、50、60を分離し、ヒンジ79を閉じた状態で配管10内に持ち込み、ヒンジ79を開くと共に、連結器70で連結する。そして、配管10の一番奥の塗装部近傍まで第4の台車60を押し込んだ後、作業を開始する。即ち、スプレー82を持った作業者84が塗装している一番奥の第4の台車60の近傍に控えた作業者86がコントローラ66を操作する。溶接箇所の塗装が終わった段階で作業用人孔10A側の作業者88が第1の台車30を作業用人孔10A側(図の左側)へ引っ張ることによって、塗装機全体を図の左方向に移動し、次の塗装箇所へ移る。塗装が終了した段階で、第3の台車50に搭載したポンプ54を稼働させて洗浄剤を、ミキサー80、ホース81及びスプレー82に供給し、これらを洗浄して、混合後の塗料がこれらの中で残って固まるのを防ぐ。
【0026】
このような参考形態によれば、塗装機を小型化して施工距離の制約を無くし、工場で使用する塗料を用いて、従来の塗装機が入らない中口径配管内面の吹付け塗装を可能にすることができる。ここで、主剤と硬化剤の混合は、定量供給装置41で、例えば2:1に定量供給しているが、定量供給装置41を出た後は、主剤と硬化剤の混合比率を確認することができず、必ずしも塗装の品質を確保することはできなかった。
【0027】
本発明は、参考形態に存在した、上記のような問題点をも解消するべくなされたもので、
図7に実施形態の全体構成を示す如く、ヒータ62、64が配置された第4の台車60とミキサー80の間に、前記主剤と硬化剤の流量をそれぞれ計測するための流量計測設備110を配置した台車100を、前記第4の台車60に対して連結器102により接続/分離可能に設けたものである。
【0028】
前記台車100上の流量計測設備110は、
図8に詳細に示す如く、主剤供給ライン63を流れる主剤及び硬化剤供給ライン65を流れる硬化剤の流量をそれぞれ計測する流量計(例えば微少流量計)112、114と、該流量計112、114で計測された主剤と硬化剤の瞬間流量を表示する表示器116、118と、積算流量、流量比、判定結果等を表示するモニタ120と、判定結果が許容範囲外である時に警報を発生する警報器、例えばパトランプ122とを備えている。
【0029】
前記流量計112、114は、例えば塗料が所定量通過する毎に、1カウントのデータを出力するようにされている。前記表示器116、118は、
図9に例示する如く、所定のサンプリング秒の間に何カウントしたかで瞬間流量を表示し、前記モニタ120は、例えばカウント数、日付、主剤と硬化剤の積算流量、判定結果、サンプリング秒等を表示することができる。
【0030】
前記走行用車輪72は、例えばキャスター付車輪とすることができる。
【0031】
更に、前記ヒータ62、64とミキサー80間の主剤供給ライン63、硬化剤供給ライン65、及び/又は、ミキサー80とスプレー82間のホース81は、保温材を巻いた保温ライン/ホースとすることができる。これにより、屋外施工や冬季施工にも対応できる。
【0032】
前記ミキサー80は、例えば小さな台車90に載せることができる。この場合は、主剤供給ライン63及び硬化剤供給ライン65にのみ保温材を巻き、ホース81には保温材を巻かないことによって、ホース81が重くなることによる吹付け作業者84の負担増を防ぐこともできる。
【0033】
本実施形態において、機械運転の確認のため、例えば1日1回、朝、流量計測設備110が搭載された台車100を、作業用人孔10Aから配管10内に搬入して、
図7に示したように、連結器102で第4の台車60に接続し、主剤供給ライン63と硬化剤供給ライン65を流れる主剤と硬化剤の流量を計測して、主剤と硬化剤の混合比率(例えば2:1)を確認する。この際、例えば目標値±10%の許容範囲に対し、目標値±7.5%まではA、目標値±7.5%〜±10%までをB、それ以上をCとして、判定結果をモニタ120に表示すると共に、判定結果がCの場合は、パトランプ122を回して目視による確認を可能とすることができる。
【0034】
判定結果がA又はBの許容範囲である時は、台車100を外して、参考形態と同様に、
図6に示した如く、第1〜第4の台車30、40、50、60を接続して、作業者88が引っ張りながら作業者84が塗装作業を行う。
【0035】
なお、配管10のサイズに余裕がある時は、台車100を接続したまま塗装を行うこともできる。この場合には、吹付け全量の混合比率を確認して、品質を確保することができる。
【0036】
なお、各台車30、40、50、60の配設順序は実施形態に限定されず、例えば第2の台車40と第3の台車50を逆にすることも可能である。
【0037】
本実施形態においては、台車の最長部の長さを、口径800mm程度の配管10に設けられた作業用人孔10Aの長さに合わせて600mm以内としているが、台車のサイズはこれに限定されない。警報器の種類もパトランプ122に限定されない。
【0038】
なお、本実施形態においては、ミキサー80の入側をリターンライン68、69により貯留タンク32、36と結んで、循環させつつ加熱するようにしていたが、リターンライン68、69を省略することもできる。
【符号の説明】
【0039】
10、12…配管
10A…作業用人孔
11、12A…溶接部
30、40、50、60、100…台車
32…主剤貯留タンク
34、44、63…主剤供給ライン
36…硬化剤貯留タンク
38、48、65…硬化剤供給ライン
41…定量供給装置
52…洗浄剤貯留タンク
56…洗浄剤供給ライン
62、64…ヒータ
66…コントローラ
70、102…連結器
72…走行用車輪
80…ミキサー
82…スプレー
84、86、88…作業者
110…流量計測設備
112、114…流量計
116、118…表示器
120…モニタ
122…パトランプ(警報器)