特許第6257611号(P6257611)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トムソン ライセンシングの特許一覧

<>
  • 特許6257611-個人向けのメディア・コンテンツの提供 図000002
  • 特許6257611-個人向けのメディア・コンテンツの提供 図000003
  • 特許6257611-個人向けのメディア・コンテンツの提供 図000004
  • 特許6257611-個人向けのメディア・コンテンツの提供 図000005
  • 特許6257611-個人向けのメディア・コンテンツの提供 図000006
  • 特許6257611-個人向けのメディア・コンテンツの提供 図000007
  • 特許6257611-個人向けのメディア・コンテンツの提供 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6257611
(24)【登録日】2017年12月15日
(45)【発行日】2018年1月10日
(54)【発明の名称】個人向けのメディア・コンテンツの提供
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/2668 20110101AFI20171227BHJP
   H04N 21/458 20110101ALI20171227BHJP
   H04N 21/433 20110101ALI20171227BHJP
   H04N 21/6543 20110101ALI20171227BHJP
   H04N 21/2187 20110101ALI20171227BHJP
【FI】
   H04N21/2668
   H04N21/458
   H04N21/433
   H04N21/6543
   H04N21/2187
【請求項の数】11
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-519106(P2015-519106)
(86)(22)【出願日】2013年6月28日
(65)【公表番号】特表2015-526005(P2015-526005A)
(43)【公表日】2015年9月7日
(86)【国際出願番号】EP2013063591
(87)【国際公開番号】WO2014001485
(87)【国際公開日】20140103
【審査請求日】2016年4月13日
(31)【優先権主張番号】12305777.0
(32)【優先日】2012年6月29日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ギルバートン,フイリツプ
(72)【発明者】
【氏名】ローラン,アントニー
(72)【発明者】
【氏名】ゴーテイエ,エリツク
(72)【発明者】
【氏名】ルガレ,イヴオン
【審査官】 久保 光宏
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第01/30069(WO,A1)
【文献】 特開2008−236517(JP,A)
【文献】 特表2008−527930(JP,A)
【文献】 特開2009−17237(JP,A)
【文献】 特開2011−199708(JP,A)
【文献】 特開2004−48312(JP,A)
【文献】 特開平10−56620(JP,A)
【文献】 特開2000−152102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N21/00−21/858
H04N7/173
H04N5/44−5/445
H04H20/00−60/98
CSDB(日本国特許庁)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディア・コンテンツのシーケンシングを有する個人向けのコンテンツを提供する方法であって、
制御チャンネルにおいて、前記メディア・コンテンツのシーケンシングを記述した時間的な制御情報を含む制御ストリームを受信することであって、前記シーケンシングは第2のライブ番組が後に続く第1のライブ番組を含み、前記第1のライブ番組及び前記第2のライブ番組はリアルタイムで放送され、
前記シーケンシングに関連する前記メディア・コンテンツを含むメディア・ストリームを受信することと、
前記制御情報を使用することによって、前記個人向けのコンテンツのレンダリングを制御することであって、前記制御情報は、前記第1のライブ番組の前記レンダリングから前記第2のライブ番組の前記レンダリングへの移行に対する第1の切り替えコマンドを含み、
前記第1のライブ番組の前記レンダリングから前記第2のライブ番組の前記レンダリングへの移行のときに前記第1のライブ番組が終了していないことによって、前記第1のライブ番組と前記第2のライブ番組の間に重なりがあるか検出することと、
を含み、
前記第1のライブ番組と前記第2のライブ番組との間に重なりが前記第2のライブ番組の開始前に検出された場合、前記第2のライブ番組を最初からユーザの装置に記憶し、前記第1の切り替え制御コマンドを前記第1のライブ番組の前記レンダリングから前記第2のライブ番組の前記レンダリングへの移行に対する第2の切り替え制御コマンドで置き換えることであって、前記第2の切り替え制御コマンドは、前記第1のライブ番組の終了後に、前記第1のライブ番組の前記レンダリングから前記ユーザの装置に予め記憶された前記第2のライブ番組の前記レンダリングへの前記移行によってタイムシフトすることをさらに含む、前記方法。
【請求項2】
前記メディア・コンテンツは、対応するテレビジョン・チャンネルからのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御チャンネルおよび前記テレビジョン・チャンネルは、共通のリファレンス・クロックと時間的に合わせられる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記制御ストリームおよび前記メディア・ストリームは、前記制御チャンネルおよび前記テレビジョン・チャンネルを前記共通のリファレンス・クロックに合わせる時間的な情報を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の切り替え制御コマンドは、フェージング制御である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記メディア・ストリームは、放送ネットワークおよび/またはブロードバンド・ネットワークを介して受信される、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のライブ番組と前記第2のライブ番組との間の重なりを検出することは、前記第1のライブ番組から前記第2のライブ番組への切り替えの前に収集されるデータの統計的な処理に基づく、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のライブ番組と第2のライブ番組との間の重なりを検出することは、ソーシャル・ネットワークの監視に基づく、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
メディア・コンテンツのシーケンシングを有する個人向けのコンテンツを提供する受信装置であって、
制御チャンネルにおいて、前記メディア・コンテンツのシーケンシングを記述した時間的な制御情報を含む制御ストリームを受信する第1のインタフェースと、
前記シーケンシングに関連する前記メディア・コンテンツを含むメディア・ストリームを受信する第2のインタフェースであって、前記シーケンシングは第2のライブ番組が後に続く第1のライブ番組を含み、前記第1のライブ番組及び前記第2のライブ番組はリアルタイムで放送され、
前記制御情報を使用することによって、前記個人向けのコンテンツのレンダリングを制御するスケジューラであって、前記制御情報は、前記第1のライブ番組の前記レンダリングから前記第2のライブ番組の前記レンダリングへの移行に対する第1の切り替えコマンドを含み、
前記第1のライブ番組と前記第2のライブ番組との間の重なりを検出する検出モジュールであって、前記第1のライブ番組の前記レンダリングから前記第2のライブ番組の前記レンダリングへの前記移行のときに前記第1のライブ番組が終了していないことにより、前記第2のライブ番組の開始前に重なりが検出された場合、前記第2のライブ番組を最初から前記受信装置に記憶し、前記第1の切り替え制御コマンドを前記第1のライブ番組の前記レンダリングから前記第2のライブ番組の前記レンダリングへの移行に対する第2の切り替え制御コマンドで置き換えるように前記スケジューラは構成され、前記第2の切り替え制御コマンドは、前記第1のライブ番組の終了後に、前記第1のライブ番組の前記レンダリングから前記受信装置に予め記憶された前記第2のライブ番組の前記レンダリングへの前記移行によってタイムシフトすること、
を含む、前記受信装置。
【請求項10】
当該受信装置はゲートウェイまたはセットトップ・ボックスである、請求項に記載の受信装置。
【請求項11】
コンピュータ実行可能なインストラクションを含んでコンピュータが請求項1〜のいずれか1項に記載の方法を実行できるようにするコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、ネットワークを介したコンテンツの配信の分野に関する。より具体的には、本発明は、特定のユーザに興味を持たせるマルチメディア・コンテンツのシーケンスを含む個人向けのテレビジョン(TV)チャンネルの提供を取り扱う。したがって、本発明は、個人向けのメディア・コンテンツを提供する方法、受信装置、およびプロバイダ装置に関する。さらに、本発明は、本発明の方法を実施するコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本欄に記載されている手法が遂行される場合があるが、その手法は、必ずしも既に考案済のものであったり、遂行済のものであったりするものではない。したがって、本明細書において特記しない限り、本欄に記載されている手法は、本出願の請求項に対する先行技術となるものではなく、本欄にその記載を含めることによって先行技術として自認するものではない。
【0003】
ユーザが興味を有するようなコンテンツ、すなわち、個人向けのコンテンツをユーザに具体的に提供する幾つかの方法が存在する。
【0004】
一例は、放送およびプッシュ型配信の方法を組み合わせたものを使用してターゲットに対して広告を行うことを取り扱うものである。広告ビデオがユーザのセットトップ・ボックスのハードドライブに対してプッシュされ、決定エンジンは、家庭プロファイリングに対し、最も適切な広告ビデオを選択し、その同期が放送ストリーム内で確保されるようにする。
【0005】
文献欧州特許第1667452号は、この使用ケースの拡張について記載し、「仮想個人向けのTVチャンネル」の考え方を提案している。そこでは、ローカルに記憶された広告またはメディア・コンテンツの挿入/置き換えは、サービス・プロバイダから送信されるメッセージに応答して始められる。次に、広告またはメディア・コンテンツの選択処理は、2つの他のメディア・コンテンツの間の固定された時間スロットの間に再生出力される前に複数の異なるルール(ユーザ・プロファイル、広告スコア、メディア・コンテンツ・タイプ、時刻、ペアレンタル・コントロール)に従って実行される。この文献は、幾つかのテーブル記述子を使用した選択アルゴリズムの詳細について記載している。しかしながら、この文献は、仮想チャンネルを構成する複数の異なる番組のシームレスなTV番組のシーケンシング(sequencing)をどのように確保するかについては記載していない。
【0006】
別の例は、TVanytime(TVA)イニシアチブである。TVanytime(TVA)イニシアチブは、一組の仕様であり、その詳細は、欧州電気通信標準化機構(ETSI)TS 102822−2に記載され、ユーザのローカル記憶装置に対してメディア・コンテンツの制御された配信を行うことに特化したものである。TVanytimeは、エンド・ユーザが電子番組ガイド(EPG)からの任意のTV番組を記録可能にすることによって、ユーザがそのTV番組を最も都合の良い時間に視聴できるようにするものである。しかしながら、この解決法では、当初のスケジューリングに対して定期的に影響を与えるライブ・イベントによって、誤りが頻発するようになり、ユーザ体験の品質が低下する可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、状況を改善するための解決法を提案する。
【0008】
従って、本発明は、メディア・コンテンツの所定のシーケンシング(sequencing)を有する個人向けのコンテンツを提供する方法であって、
制御チャンネルにおいて、コンテンツのシーケンシングを記述した時間的な制御情報を含む制御ストリームを受信するステップと、
上記シーケンシングのメディア・コンテンツを含むメディア・ストリームを受信するステップと、
上記制御情報を使用することによって、個人向けのコンテンツのレンダリングを制御するステップと、を含む。
【0009】
メディア・コンテンツ、例えばテレビジョン番組、のシーケンシングは、有益には、ユーザとプロバイダとの間の合意を通じて、またはプロバイダのみで、TV番組に対するユーザのプリファレンスおよび嗜好を使用して、予め決定される。
【0010】
例として、個人向けのコンテンツは、加入者のグループに対して提供されるテーマを有するチャンネルである。テーマを有するチャンネルを構成するTV番組は受信装置側で直接取得されるため、本発明の方法は、このようなチャンネルの提供をプロバイダ側で最小の運用コストで行えるようにする。
【0011】
好ましくは、メディア・コンテンツは、対応するテレビジョン・チャンネルからのものである。
【0012】
テレビジョン・チャンネルは、放送ネットワークを通じて受信されてもよく、ブロードバンド・ネットワークを通じて受信されてもよい。例えば、このようなテレビジョン・チャンネルは、IPTVチャンネルからなる。
【0013】
有益には、制御およびテレビジョン・チャンネルは、共通のリファレンス・クロックと時間的に合わせられている。
【0014】
例えば、共通のリファレンス・クロックは、協定世界時(UTC:Coordinated Universal Time)で表される実時間である。
【0015】
好ましくは、制御ストリームおよびメディア・ストリームは、制御チャンネルおよびテレビジョン・チャンネルを共通のリファレンス・クロックに合わせる時間的な情報を含む。
【0016】
これらの情報は、考慮されているストリームのシステム・タイム・クロック(STC)をリファレンス・クロックの時刻(ToD)に変換するタイムラインに挿入することができる。
【0017】
このタイムラインの使用によってテレビジョン・チャンネル間のシームレスな切り替えが可能となり、これにより、個人向けのコンテンツのレンダリングの際、TV番組などのメディア・コンテンツと、次のメディア・コンテンツとの間のシームレスな移行が確保される。
【0018】
有益には、個人向けのコンテンツは、ユーザの装置に予め記憶されたコンテンツからなる。
【0019】
このようなコンテンツは、広告、映画トレーラ、個人向けのチャンネルのカバーページ、または、これらの要素を組み合わせたものである。その挿入は、或るTV番組から次のTV番組への移行が、これらの番組が一緒になったものでない場合に、スムーズに行われるようにするためのものである。
【0020】
好ましくは、個人向けのコンテンツのレンダリングを制御するステップは、シーケンシングの連続的なコンテンツの間のフェージング制御を使用する。
【0021】
このようなフェージング制御を行うことにより、個人向けのチャンネルの複数のメディア・コンテンツ間のスムーズな移行が可能になる。
【0022】
有益には、メディア・ストリームは、放送ネットワークおよび/またはブロードバンド・ネットワークを介して受信される。
【0023】
一実施形態によれば、シーケンシングは、第2のライブ番組が後に続く第1のライブ番組を含む。
【0024】
有益には、ライブ番組は、現在行われているイベントとして、リアルタイムに放送されている番組であると規定される。
【0025】
有益には、この方法は、第1のライブ番組と第2のライブ番組との重なりを検出するステップをさらに含む。
【0026】
このような検出を使用することにより、第1のライブ番組が終了するまで、第2のライブ番組のレンダリングをタイムシフトすることが可能である。したがって、ユーザは、第2のライブ番組への予定された切り替えが原因で第1のライブ番組の最後の部分を見逃すことがない。
【0027】
有益には、第1のライブ番組および第2のライブ番組の重なりの検出は、第1のライブ番組から第2のライブ番組への切り替えの前に収集されるデータの統計的な処理に基づく。
【0028】
代替的には、第1のライブ番組と第2のライブ番組との重なりの検出は、ソーシャル・ネットワークの監視に基づく。
【0029】
本発明は、さらに、メディア・コンテンツの所定のシーケンシングを有する個人向けのコンテンツを提供する受信装置を提供し、この受信装置は、
制御チャンネルにおいて、コンテンツのシーケンシングを記述した時間的な制御情報を含む制御ストリームを受信する第1のインタフェースと、
上記シーケンシングのメディア・コンテンツを含むメディア・ストリームを受信する第2のインタフェースと、
上記制御情報を使用することによって、個人向けのコンテンツのレンダリングを制御するスケジューラと、を含む。
【0030】
有益には、シーケンシングは、第2のライブ番組が後に続く第1のライブ番組を含み、受信装置は、第1のライブ番組と第2のライブ番組との重なりを検出する検出モジュールをさらに含む。
【0031】
有益には、受信装置は、ゲートウェイまたはセットトップ・ボックスである。
【0032】
本発明は、さらに、メディア・コンテンツの所定のシーケンシングを有する個人向けのコンテンツを提供するプロバイダ装置を提供する。このプロバイダ装置は、
コンテンツのシーケンシングを記述した時間的な制御情報を規定する番組マネージャと、
制御チャンネルにおいて、上記時間的な制御情報を含む制御ストリームを送信する第1の送信機と、
上記シーケンシングのメディア・コンテンツを含むメディア・ストリームを送信する第2の送信機と、を含む。
【0033】
有益には、シーケンシングは、第2のライブ番組が後に続く第1のライブ番組を含み、プロバイダ装置は、第1のライブ番組と第2のライブ番組との重なりを検出する検出モジュールをさらに含む。
【0034】
有益には、番組マネージャは、時間的な制御情報を更新することが可能である。
【0035】
この更新は、定期的に行われるか、TV番組に変更があるときのみ、例えば、ライブ番組が予定されていた当初の時間を超えて継続したときに行われる。
【0036】
本発明に係る方法は、プログラム可能な装置上でソフトウェアにおいて実施することができる。本発明に係る方法は、ハードウェアのみで実施することもできるし、ソフトウェアのみで実施することもできるし、これらを組み合わせて実施することもできる。
【0037】
本発明は、ソフトウェアで実施することができるため、本発明は、任意の適切な搬送媒体上で、プログラム可能な装置に供給するためのコンピュータ読み取り可能コードとして実施することができる。搬送媒体には、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、ハードディスク・ドライブ、磁気テープ装置、または、ソリッドステート・メモリ装置などの記憶媒体が含まれることがある。
【0038】
本発明は、したがって、コンピュータが本発明の方法を実行できるようにするコンピュータ実行可能なインストラクションを含むコンピュータ読み取り可能プログラムを提供する。図4図7の図面は、このようなコンピュータ・プログラムのための一般的なアルゴリズムの例を示している。
【0039】
添付図面において、本発明は、限定を意図しない例として示されており、同様の参照符号は、同様の構成要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】従来技術に係るリニアTV番組を提供するシステムの実施形態の模式図である。
図2】ハイブリッド・ネットワーク・アーキテクチャにおいて、本発明に係る個人向けのノンリニアTV番組を提供するシステムの実施形態の模式図である。
図3】本発明の実施形態に係る受信装置の模式図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る個人向けのコンテンツを提供する方法のステップを示すフローチャートである。
図5】本発明の第2の実施形態に係る個人向けのコンテンツを提供する方法のステップを示すフローチャートである。
図6】本発明の第3の実施形態に係る個人向けのコンテンツを提供する方法のステップを示すフローチャートである。
図7】本発明の第4の実施形態に係る個人向けのコンテンツを提供する方法のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1を参照すると、従来技術に係るリニアTV番組を提供するシステム2の実施形態の模式図が示されている。このシステム2は、より具体的には、従来のTV放送プレイアウトに対応する。
【0042】
システム2は、複数の異なるトランスポート・ストリームに亘るサービス(チャンネル)のセットをグループ化するブーケ運用など、TV番組集約装置(aggregator)側に存在するプロバイダ装置4を含む。これらの複数の異なるトランスポート・ストリーム自体は、複数の異なるネットワークに亘って存在することがある。
【0043】
さらに、システム2は、セットトップ・ボックス(STB)、または、ホーム・ゲートウェイなどの、ユーザの居宅に存在する受信装置6を含む。
【0044】
プロバイダ装置4は、複数のサーバ8、10、12を含む。
【0045】
例えば、サーバ8は、映画やアニメなどの、マルチメディア・コンテンツを記憶するメモリ14を含むコンテンツ・サーバである。サーバ10は、例えば、バラエティ番組、教育番組など、予め記録されたTV番組を記憶するように構成されたサーバである。サーバ12は、広告番組など、他のタイプの番組を記憶するように構成されている。
【0046】
さらに、プロバイダ装置4は、ミキサ16を含む。ミキサ16は、所定のスケジューリング18を使用して、ユーザがサーバ8、10、12から受信し、および、このミキサ16によって直接受信されるライブTV番組20から受信するリニアTV番組フローを形成する番組を混合することができる。このようなライブ番組には、ニュース、スポーツ・イベント、音楽番組などが含まれることがある。
【0047】
次に、ミキサ16は、TVチャンネルにおける番組のスケジューリングされたプレイリストによって形成されるリニアTV番組22を提供することができ、受信装置6は、このリニア番組22を受信することができ、ユーザに対するコンテンツの再生のために、TVセットとしてのレンダリング装置24に送信することができる。
【0048】
従来技術に係るTVチャンネルは、通常、総合的なTV番組か、または、子供、ティーンエイジャー、年配者、スポーツマンなどの、複数のユーザによって形成される特定の視聴者の興味を沸かせるテーマを有するチャンネルを提供する。
【0049】
従来技術に係るこの従来のシステム2は、コンテンツ・プロバイダにとって重大な運用コストが存在することを示唆しており、新しいチャンネルを開始することは、加入契約者数に関して十分な成功が見込めない可能性がある場合には、投資収益率の観点からは、リスクがある。
【0050】
さらに、新しい番組を開始する結果として追加的なネットワーク帯域を使用することになり、これは希少で高価なリソースをより多く使用することとなる。
【0051】
本発明は、このような禁止されるべきコストがプロバイダに発生することを回避し、新しいTVチャンネル、すなわち、個人向けのユーザ・プレファレンスをターゲットとする、テーマを有するチャンネルの提供を可能とする解決法を提案する。本発明に係るシステム30の例は、図2に示されている。
【0052】
図2に示されているように、システム30は、放送コンテンツのプロバイダ装置32および受信装置34を含む。
【0053】
好ましくは、システム30は、ブロードバンド・コンテンツのプロバイダ装置36をさらに含む。好ましくは、ブロードバンド・コンテンツのプロバイダは、記憶されたTV番組をストリーミングすることができ、ブロードバンド・リンク37を介して受信装置34によってアクセスされることがある。オプションとして、この装置36をキャッチアップ・サーバとして使用することができる。
【0054】
したがって、注目すべきこととして、この場合では、プロバイダ装置32は、好ましくは、限定するものではないが、ライブ・ストリーミング専用のものである。ここで、プロバイダ装置32は、主に番組マネージャ38を含み、番組マネージャ38はユーザによってリクエストされた個人向けのコンテンツの番組のシーケンシング(sequencing)を記述した時間的な制御情報を規定する。
【0055】
番組マネージャ38は、さらに、所定のスケジューリング40を使用して、個人向けのコンテンツの部分となる可能性のある複数の番組42、例えばライブ番組のような番組を混合する機能を果たす。
【0056】
さらに、プロバイダ装置32は制御チャンネルにおいて制御ストリーム46を送信する送信機44を含み、制御ストリーム46はユーザ・リクエストに従って番組マネージャ38によって規定された時間的な制御情報を含む。
【0057】
送信機44は、さらに、混合処理38およびスケジューリング40の結果として得られるコンテンツ・ストリーム48を送信可能であり、受信装置34は、このコンテンツ・ストリーム48を受信可能であり、ユーザに対してコンテンツを再生するためにコンテンツ・ストリーム48をレンダリング装置24、例えばTVセットに送信可能である。
【0058】
さらに、プロバイダ装置32は、連続するライブ番組の重なりを検出可能な検出モジュール45を含む。
【0059】
受信装置34におけるメモリ62は、コンテンツ48を記憶するために設けられる。コンテンツは、次に、制御ストリーム46内の時間的な制御情報に従って受信装置34によって使用され、リクエストされた個人向けのTVチャンネルを構成する個人向けのコンテンツのストリーム49を形成する。
【0060】
本発明の実施形態に従って、受信装置34の構造について、図3を参照して、以下の説明において、さらに詳細に述べる。
【0061】
受信装置34は、第1の放送チャンネルを介して第1の放送ストリーム52を受信可能な第1のチューナ50と、第2の放送チャンネルを介して第2の放送ストリーム56を受信可能な第2のチューナ54と、を含む。
【0062】
受信装置34は、ADSL(非対称ディジタル加入者線)接続などのブロードバンド・インタフェース58をさらに含み、ブロードバンド・インタフェース58はブロードバンド・チャンネル60を介したIPTV(インターネット・プロトコル・テレビジョン)および/またはOTT(オーバーザトップ)ストリームを受信可能である。
【0063】
上述したように、受信装置34は、主にTV番組を記憶するための、HDD(ハードディスク・ドライブ)、または、フラッシュ・メモリ、SDカードなどのメモリ62も含む。このメモリ62は受信したTV番組のタイムシフトを可能にする。
【0064】
さらに、受信装置34は、個人向けのコンテンツの番組のシーケンシングを記述した時間的な制御情報を含む制御ストリーム46を受信するための制御インタフェース64を含む。制御インタフェース64は、制御ストリーム46が放送される場合にはチューナであってもよいし、制御ストリーム46が、例えば、マルチキャスト・サービスの形態のIPTVまたはOTTなどのブロードバンド・チャンネルを介して送信される場合にはブロードバンド・インタフェースであってもよい。
【0065】
制御情報を搬送する制御ストリーム46は、連続的に処理されてもよく、電子番組ガイド(EPG)のために従来実施されている処理のように定期的な間隔で処理されてもよい。
【0066】
制御インタフェース64は、別個のエンティティ(別体)として示されているものの、チューナ50、54のうちの一方にあってもよく、ブロードバンド・インタフェース58にあってもよい。
【0067】
さらに、受信装置34は、チューナ50、54に接続されたスケジューラ66と、ブロードバンド・インタフェース58と、メモリ62と、制御インタフェース64と、を含む。本発明によれば、スケジューラ66の主な役割は、制御ストリーム46で搬送された制御情報の使用によって個人向けのコンテンツのレンダリングを制御することである。
【0068】
受信装置34は、スケジューラ66に接続されたオーディオ・ビデオ(A/V)復号器68をさらに含む。
【0069】
さらに、受信装置34は、連続的なライブ番組の重なりを検出可能な検出モジュール69を含む。
【0070】
したがって、スケジューラ66は、一方では、制御インタフェース、放送インタフェース、ブロードバンド・インタフェース、さらに、メモリにアクセスし、他方では、制御ストリーム46内にあるコマンドを実行するために、A/V復号器にアクセスする。
【0071】
本発明の好ましい実施形態によれば、メディア・ストリーム52、56、60および制御ストリーム46は、協定世界時(UTC)で表される実時間のような、共通のリファレンス・クロックに制御チャンネルおよびテレビジョン・チャンネルを合わせる時間的な情報を含む。これらの時間的な情報は、考慮されているストリームのシステム・タイム・クロックをリファレンス・クロックの時刻(ToD)に変換するタイムライン・コンポーネントに挿入される。
【0072】
図4図7のフローチャートは、複数の異なる実施形態に従って個人向けのコンテンツを提供する本発明の方法のステップの詳細を示している。図面をわかりやすくするために、出力再生されるメディア・コンポーネントは、タイムライン・コンポーネントVcを利用してリファレンス・クロックRef Clkに既に合わせられているものとする。
【0073】
図4に例示されている第1の実施形態は、2つの別個のソース、すなわち、2つの異なるテレビジョン・チャンネルからの複数の異なる非ライブ(non−live)TV番組のシーケンシングからなる個人向けのコンテンツに関する。したがって、スケジューラ66は、一方のソースから他方のソースに反復的に切り替える。例えば、個人向けのコンテンツの幾つかの番組A1、A3は、第1のTVチャンネルTV1からのものである。これらの番組は、第1の放送チャンネルを介して放送され、第1のチューナ50によって受信される。他の番組B2、B4は、第2のTVチャンネルTV2からのものである。これらの番組は、第2の放送チャンネルを介して放送され、第2のチューナ54によって受信される。図示されていないものの、第2のTVチャンネルTV2もまた、ブロードバンド・チャンネルを介して送信され、ブロードバンド・インタフェース58に受信されてもよい。
【0074】
第1のステップS1において、受信装置34の制御インタフェース64は、制御ストリーム46を受信する。この制御ストリーム46は、上記受信機34が個人向けのコンテンツを復元できるようにする一連の制御コマンドCIを含む。
【0075】
例えば、シーケンスCIは、以下のコマンドを含む。
C1:A1の再生を開始する。
C2:A1の再生を停止し、A1からXにフェードさせる。
C3:Xの再生を停止し、第2の放送ストリーム56に切り替え、B2の再生を開始する。
C4:メモリ62上でA3のタイムシフトを開始する。
C5:第1の放送ストリーム52に切り替え、B2からA3にフェードし、A3の再生を開始する。
C6:キャッチアップ・サーバ36からB4を取得するリクエストを送信する。
C7:メモリ上62でのA3のタイムシフトを停止する。
C8:第2の放送ストリーム56に切り替え、A3からB4にフェードし、B4の再生を開始する。
C9:B4の再生を停止する。
ここで、A1とB2との間に挿入されたコンテンツXは、広告、映画トレーラ、および個人向けのコンテンツのカバーページを別々にしたもの、または、組み合わせたものである。コンテンツXは、予めメモリ62に記憶されており、利用可能である。
【0076】
第2のステップS2において、第1のチューナ50および第2のチューナ54は、それぞれ、第1および第2の放送ストリーム52、56を受信する。これらのストリームは、オーディオ(A)、ビデオ(V)、およびタイムライン(Vc)・コンポーネントを含む。
【0077】
そして、受信されたコマンドCiに従って、および、リファレンス・クロックを使用して、複数の異なる制御コマンドCiが発生する時刻ToDiを示すリファレンス・クロックを使用して、個人向けのコンテンツのレンダリングの制御がステップS3で行われる。
【0078】
好ましくは、フェージング制御を使用して、個人向けのコンテンツを一方の番組から次の番組にスムーズにトランジッションさせる。これらのTV番組がつながっていない場合には、A1とB2の間に挿入されるコンテンツXとして、代替的なコンテンツが挿入される。トランジッション処理がどのようなものであったとしても、オーディオ/ビデオ・ストリームにおける不連続に起因するアーティファクトを回避するために、番組の切り替えは、ToDiのフレームの正確なインディケーションの後に行われる。受信装置レベルでは、これは、リクエストされた瞬間での処理のために、コマンドCiが受信装置34に十分に早く到達することを意味する。
【0079】
図5に例示されている第2の実施形態は、第1のTVチャンネルTV1および第2のTVチャンネルT2それぞれからの2つのライブ番組L1、L2の間の切り替えの場合を示している。TVチャンネルTV1およびTV2は、第1の放送ストリーム52および第2の放送ストリーム56上でそれぞれ放送される。代替的には、図示しないが、TVチャンネルTV2は、ブロードバンド・ストリーム60で送信されることがある。
【0080】
この第2の実施形態においては、ライブ番組L1、L2は、重ならない、すなわち、L1は、L2の開始前の予定された時刻で終了する。
【0081】
コマンドCIのシーケンスは、以下のコマンドを含む。
C1:L1の再生を開始する。
C2:第2の放送ストリーム56に切り替え、L1からL2にフェードし、L2の再生を開始し、そしてB2の再生を開始し、キャッチアップ・サーバ36からA1を取得するリクエストを送信する。
C3:B2からキャッチアップ・サーバ36からストリーミングされるA1にフェードする。
C4:A1の再生を停止する。
【0082】
このシナリオは、極めて好ましいシナリオであり、非現実的であることが多い。その理由は、よく起こることとして、ライブ番組、特に、スポーツ・イベントは、終了時間が確定していないからである。
【0083】
つまり、図5の場合では、適切に番組L2に移行することが想定されていた番組L1が、番組L2と重なってしまうことになる。これは、当初L1からL2に切り替えることが想定されていた制御コマンドC2が、受信装置34に送られる前に、異なる機能を実行しなくてはならないことを意味する。この特定のシナリオにおいて、幾つかの場合を想定しなければならない。
【0084】
第1の場合は、図6に例示されている。この場合、ライブ番組L1は、ライブ番組L2と重なっており、ライブ番組L2は、第2の放送ストリーム56上で利用可能な番組であるか、代替的には、ブロードバンド・ストリーム60(図示せず)上で利用可能な番組である。
【0085】
コマンドCIのシーケンスは、以下のコマンドを含む。
C1:L1の再生を開始する。
C2:第2の放送ストリームに切り替え、メモリ62上でL2およびB2のタイムシフトを開始する。
C3:L2の再生を開始し、その間、L2をメモリ62にダウンロードし、L1からL2にフェードし、その後、キャッチアップ・サーバ36からA1を取得するリクエストを送信し、L2が終了した後、B2を再生する。
C4:L2およびB2のタイムシフトを停止する。
C5:キャッチアップ・サーバ36からのストリーミングをB2からA1にフェードする。
C6:A1の再生を停止する。
【0086】
したがって、この場合、制御コマンドC2は、第2の放送ストリーム56への「切り替え」から更新され、第2の放送ストリーム56に「切り替え」るためにL2(図5)に「フェード」され、メモリ62上でL2が「タイムシフト」される。
【0087】
L2が放送される特定の場合において、第2のチューナ54は、タイムシフトのために利用可能であると仮定する。ユーザが自己のメモリ62上でタイムシフトされた番組L2を視聴するために、L1からタイムシフトされたL2に「切り替え」る新たな制御コマンドC3がプロバイダ装置32の番組マネージャ38によって制御ストリーム46内の時間シーケンシングに追加される。これは、制御情報が、受信装置34に送られるC2コマンドの前に更新されなければならないことを意味する。これにより、プロバイダに対して時間的な制約が課される。補足的な理由としては、第1にはユーザの住居でディスプレイ上にコンテンツを適切に出力再生するための時間同期および制御コマンド処理時間と、第2にはライブ番組の変更の場合に必要な更新処理とを含む十分な時間的余裕を持って制御コマンドを配信することが挙げられる。
【0088】
第2の場合は、図7に例示されている。この場合、L1およびL2は、それぞれ、放送ストリーム52、56におけるライブ放送番組である。加えて、L1は、L2と重なる。さらに、第2のチューナ54は、制御コマンドC2の前には第2の放送チャンネルにユーザにより同調されてない。それは、そのユーザがPIP(ピクチャインピクチャ)で放送されるTVチャンネルTV1およびTV3を視聴することを望むからである。結果として、第2のチューナ54は、専有(preempt)されており、第2の放送ストリーム56で放送されるライブ番組L2のタイムシフトのために利用可能ではない。
【0089】
ここで、TVチャンネルTV1はL1を含むチャンネルであり、TVチャンネルTV2はL2を含むチャンネルであり、TVチャンネルTV3は個人向けのコンテンツに含まれる番組を含んでいない。したがって、TV3は、タイムライン・コンポーネントを有しておらず、他のTVチャンネルTV1、TV2とは非同期の状態である。
【0090】
図7に例示されている番組のシーケンシングは、以下の通りであり、制御ストリーム46内の受信されたコマンドCIおよびユーザからのアクションを含む。
C1:第1のチューナ50上で受信されたL1の再生を開始する。
Z1:ユーザは、第2のチューナ54上で受信されたX1にチャンネルを換え、結果として上記第2のチューナ54を専有する。
C2:キャッチアップ・サーバ36からL2を取得するリクエストを送信する。
Z2:ユーザは、再びL1にチャンネルを換える。
C3:キャッチアップ・サーバ36を介してストリーミングされたL2に切り替え(オプションとしてL1からL2にフェードし)、A1を取得するリクエストを送信する。
C4:メモリ62上でB2のタイムシフトを開始する。
C5:B2の再生を開始し、その間、B2をメモリ62にダウンロードし、L2からB2にフェードする。
C6:B2のタイムシフトを停止する。
C7:キャッチアップ・サーバ36からストリーミングされたA1の再生を開始し、B2からA1にフェードする。
C8:A1の再生を停止する。
【0091】
上述した全てのシナリオにおいて、特に、ライブ・イベントを含むシナリオにおいて、制御情報が効率的に更新されなければならない。プロバイダ装置32は、個人向けのコンテンツを復元する全ての必要なTVチャンネルのプレイリストを有することが想定され、当初の番組のシーケンシングに対して制御情報の想定される訂正を適用するために、信頼性があり正確な更新メカニズムを配置しなければならない。ライブ・イベントに対する変更の発生がプロバイダ装置32によって時間通りに更新するには遅すぎる場合には、重なりの検出に基づいた伝統的な解決法が受信装置側で提案される。この解決法は、ライブ・コンテンツの重なりの可能性を検出可能な受信装置34の検出モジュール69によって提供されるメカニズムを含む。
【0092】
受信装置34で実施される重なりの検出は、或るライブ・イベントから別のライブ・イベントへの切り替えの前に収集されるデータの統計的な処理に基づいて行うことができる。典型的には、ユーザ・インタフェースは、個人向けのコンテンツに対応するテーマを有するチャンネルの加入者の全てに対し、「間もなく貴方の予定していたお気に入りの番組に切り替わりますが、この番組の視聴を継続したいですか?」などの質問を行う。「いいえ」の回答の割合が所定の閾値を超える場合、例えば、回答の80%がいいえである場合、これは、現在のライブ番組が継続する可能性が高く、したがって、次の番組に重なることを意味する。この場合、番組マネージャ38によって当初予定されていた「切り替え」制御コマンドが図6および図7を参照して説明されるコマンドによって置き換えられる。重なり検出が誤っている場合には、常に、ユーザが当初予定されていた次の番組に手動で切り替える可能性がある。
【0093】
代替的な重なり検出方法は、プロバイダ装置32の検出モジュール45で実施することができ、これは、ソーシャル・ネットワークを監視すること、例えば、キーワードの発生率を把握することである。キーワードは、現在分析中のライブ・イベントに関連する単語であり、例えば、サッカーの試合においては、「継続、延長時間」の単語である。
【0094】
別のオプションは、ユーザのプロファイルに依存して番組に優先順位を付けることであろう。現在の番組が終了していないことを示す情報は、切り替えリクエスト(上述した例では、C2)に関連付けられる。受信装置が切り替えを行うかどうかは、現在の番組および次の番組の優先度に依存する。
【0095】
本発明の好ましい実施形態であると現在考えられる内容について例示、説明したが、当業者であれば、様々な他の改変を行うこともできること、さらに、本発明の真の範囲を逸脱することなく、均等物によって置き換えることが理解できよう。さらに、本明細書中に記載した本発明の中心的な概念を逸脱することなく、特定の状況に適応するように、本発明の開示内容に対して多くの改変を行うことができる。またさらに、本発明の実施形態は、必ずしも上述した特徴の全てを含むというわけではない。したがって、本発明は開示した特定の実施形態に限定されないように意図されており、しかし、本発明は付随する請求項の範囲内に全ての実施形態を包含するように意図されている
【0096】
明細書および付随する請求の範囲を解釈する際、「からなる(comprise)」、「含む(include)」、「含む(incorpoate)」、「包含する(contain)」、「である(is)」、「有する(have)」などの表現は、非排他的に解釈されるべきものではない。すなわち、明示的に規定されていない他の項目やコンポーネントについても、これらが存在するものとして解釈される。単数で言及しているものは、複数存在するものを言及するように解釈されるべき場合があり、また、その逆の場合もある。
【0097】
当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく、本明細書中で開示した様々なパラメータを改変することができ、開示されている、さらに/または、請求項に記載されている様々な実施形態を組み合わせできることを容易に理解できるであろう。
【0098】
したがって、上述した説明は、テーマを有するチャンネルなど、個人向けのコンテンツを提供することに焦点を与えているものの、ブロードバンド・ネットワークの帯域の使用の改善に有益に適用することができる。
【0099】
実際、TVサービスの全てのコンテンツ・コンポーネントを放送またはブロードバンドのいずれかを介して配信できることを想定すると、本発明は、これらのコンポーネントからの完全なTVサービスを、予め送信されているイベントのスケジュールに従って、まさしくユーザ端末で作成できる。
【0100】
上述した説明において、スケジューラの処理は、受信装置の部分である。しかしながら、本発明の範囲を逸脱することなく、スケジューラの処理の部分または全てをクラウドのアーキテクチャによって提供し、実行されるようにすると有益であろう。
ここで例としていくつかの付記を記載する。
(付記1)
メディア・コンテンツのシーケンシングを有する個人向けのコンテンツを提供する方法であって、
制御チャンネルにおいて、前記メディア・コンテンツのシーケンシングを記述した時間的な制御情報を含む制御ストリームを受信することと、
前記シーケンシングの前記メディア・コンテンツを含むメディア・ストリームを受信することと、
前記制御情報を使用することによって、前記個人向けのコンテンツのレンダリングを制御することと、を含み、
前記シーケンシングは、第2のライブ番組が後に続く第1のライブ番組を含み、前記方法は、前記第1のライブ番組と前記第2のライブ番組との重なりを検出することをさらに含む、前記方法。
(付記2)
前記メディア・コンテンツは、対応するテレビジョン・チャンネルからのものである、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記制御チャンネルおよび前記テレビジョン・チャンネルは、共通のリファレンス・クロックと時間的に合わせられる、付記2に記載の方法。
(付記4)
前記制御ストリームおよび前記メディア・ストリームは、前記制御チャンネルおよび前記テレビジョン・チャンネルを前記共通のリファレンス・クロックに合わせる時間的な情報を含む、付記3に記載の方法。
(付記5)
前記個人向けのコンテンツは、ユーザの装置に予め記憶されたコンテンツを含む、付記1〜4のいずれか1項に記載の方法。
(付記6)
個人向けのコンテンツのレンダリングを制御することは、前記シーケンシングの連続的なコンテンツの間のフェージング制御を使用する、付記1〜5のいずれか1項に記載の方法。
(付記7)
前記メディア・ストリームは、放送ネットワークおよび/またはブロードバンド・ネットワークを介して受信される、付記1〜6のいずれか1項に記載の方法。
(付記8)
前記第1のライブ番組が終了するまで、前記第2のライブ番組のレンダリングのタイムシフトを行うことを含む、付記1〜7のいずれか1項に記載の方法。
(付記9)
前記第1のライブ番組および前記第2のライブ番組の重なりの検出は、前記第1のライブ番組から前記第2のライブ番組への切り替えの前に収集されるデータの統計的な処理に基づく、付記1〜8のいずれか1項に記載の方法。
(付記10)
前記第1のライブ番組と第2のライブ番組との重なりの検出は、ソーシャル・ネットワークの監視に基づく、付記1〜9のいずれか1項に記載の方法。
(付記11)
メディア・コンテンツのシーケンシングを有する個人向けのコンテンツを提供する受信装置であって、
制御チャンネルにおいて、前記メディア・コンテンツのシーケンシングを記述した時間的な制御情報を含む制御ストリームを受信する第1のインタフェースと、
前記シーケンシングの前記メディア・コンテンツを含むメディア・ストリームを受信する第2のインタフェースと、
前記制御情報を使用することによって、前記個人向けのコンテンツのレンダリングを制御するスケジューラと、を含み、
前記シーケンシングは、第2のライブ番組が後に続く第1のライブ番組を含み、前記受信装置は、第1のライブ番組と第2のライブ番組との重なりを検出する検出モジュールをさらに含む、前記受信装置。
(付記12)
当該受信装置はゲートウェイまたはセットトップ・ボックスである、付記11に記載の受信装置。
(付記13)
メディア・コンテンツのシーケンシングを有する個人向けのコンテンツを提供するプロバイダ装置であって、
前記メディア・コンテンツのシーケンシングを記述した時間的な制御情報を規定する番組マネージャと、
制御チャンネルにおいて、前記時間的な制御情報を含む制御ストリームを送信する第1の送信機と、
前記シーケンシングの前記メディア・コンテンツを含むメディア・ストリームを送信する第2の送信機と、を含み、
前記シーケンシングは、第2のライブ番組が後に続く第1のライブ番組を含み、前記プロバイダ装置は、第1のライブ番組と第2のライブ番組との重なりを検出する検出モジュールをさらに含む、前記プロバイダ装置。
(付記14)
前記番組マネージャは、前記時間的な制御情報を更新可能である、付記13に記載のプロバイダ装置。
(付記15)
コンピュータ実行可能なインストラクションを含んでコンピュータが付記1〜10のいずれか1項に記載の方法を実行できるようにするコンピュータ読み取り可能なプログラム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7