(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0014】
本願では、基準垂直面、フェース−バック方向及びトウ−ヒール方向が定義される。シャフト中心軸線Z1が水平面Hに対して垂直な平面Pvに含まれ、且つ所定のライ角及びリアルロフト角で水平面H上にヘッドが載置された状態が、基準状態とされる。上記平面Pvが、基準垂直面とされる。所定のライ角及びリアルロフト角は、例えば製品カタログに掲載されている。シャフト中心軸線Z1は、シャフト孔の中心軸線に一致する。
【0015】
本願においてトウ−ヒール方向とは、上記基準垂直面と上記水平面Hとの交線の方向である。
【0016】
本願においてフェース−バック方向とは、上記トウ−ヒール方向に対して垂直であり且つ上記水平面Hに対して平行な方向である。
【0017】
本願において、フェースセンターが定義される。フェース面において、トウ−ヒール方向の最大幅Wxが決定される。更に、この最大幅Wxにおけるトウ−ヒール方向中央位置Pxが決定される。この位置Pxにおいて、フェース面の上下方向中央点Pyが決定される。この点Pyが、フェースセンターと定義される。
【0018】
図1は、第一実施形態のヘッド4の斜視図である。
図2は、
図1のF2−F2線に沿ってカットされた断面を示す一部断面斜視図である。
【0019】
ヘッド4は、フェース5、クラウン6、ソール8及びホーゼル9を有する。
【0020】
図示されていないが、ヘッド4は、シャフトとの着脱構造を備えている。ソール8には、シャフトを固定するための穴N1が設けられている。図示されないが、シャフトを固定するためのネジが、穴N1から挿入される。このような着脱構造は公知である。
【0021】
ソール8は、凹部Rを有する。本実施形態では、凹部Rは複数である。2つの凹部Rが設けられている。ソール8は、第1の凹部R1と、第2の凹部R2とを有する。第1の凹部R1は、第2の凹部R2よりもトウ側に設けられている。第2の凹部R2は、穴N1のバック側に位置する。
【0022】
第1の凹部R1は、フェースセンターよりもトウ側に位置する。第2の凹部R2は、フェースセンターよりもヒール側に位置する。
【0023】
なお、凹部Rは、完全な底面を有していなくても良い。凹部Rの底部がヘッド中空部に貫通していてもよい。
【0024】
このヘッド4は、ウッド型ヘッドである。このヘッド4は例示であり、このヘッド4に代えて、例えば、ユーティリティ型ヘッド、ハイブリッド型ヘッド、アイアン型ヘッド及びパター型ヘッドが用いられうる。
【0025】
図2が示すように、ヘッド4は、中空である。
【0026】
ヘッド4は、ヘッド本体m1を有する。ヘッド本体m1は、クラウン6及びソール8を有する。またヘッド本体m1は、ホーゼル9を有する。ヘッド本体m1は、その全体が一体成形されている。本実施形態では、ヘッド本体m1は鋳造によって製造されている。
【0027】
なおヘッド本体m1は他の製造方法によって製造されてもよい。この製造方法として、鍛造及びプレスが例示される。ヘッド本体m1は、複数の部材を接合することにより作製されてもよい。
【0028】
ヘッド本体m1は、フェース開口hfを有する。
図2が示すように、フェース開口hfには、フェースプレートfpが取り付けられている。
【0029】
図3は、第1の凹部R1の近傍における拡大断面図である。ヘッド本体m1は、凹部用開口hs1を有する。凹部用開口hs1は、ソール8に設けられている。この凹部用開口hs1に、凹部形成部材b1が取り付けられている。凹部形成部材b1は、ヘッド本体m1とは別部材である。
【0030】
凹部形成部材b1は、フェースセンターよりもトウ側に位置する。
【0031】
凹部形成部材b1は、凹部用開口hs1に固定されている。この固定は、溶接により達成されている。他の固定方法として、接着剤による接着及びカシメが例示される。複数の固定方法が併用されてもよい。
【0032】
凹部用開口hs1は、第1の凹部R1に対応している。凹部用開口hs1に取り付けられた凹部形成部材b1によって、第1の凹部R1が形成されている。
【0033】
なお、第2の凹部R2は、一体成形されているヘッド本体m1の一部である。第2の凹部R2は、ソール8と一体成形されている。
【0034】
図3が示すように、ヘッド本体m1は、受け部x1を有している。受け部x1は、凹部用開口hs1の周囲の一部又は全体に形成されている。本実施形態において、受け部x1は、凹部用開口hs1の周囲の全体に形成されている。本実施形態において、受け部x1は、円環状である。
【0035】
図4は、凹部形成部材b1の斜視図である。
図5は、凹部形成部材b1の断面図である。
図6は、凹部用開口hs1の近傍におけるヘッド本体m1の断面図である。
【0036】
凹部形成部材b1は、外側延在部y1を有している。外側延在部y1は、凹部形成部材b1の開口側の縁部から、凹部Rの外側に向かって延びている。本実施形態において、外側延在部y1は、フランジを形成している。
【0037】
更に、凹部形成部材b1は、側面部z1と、底面部btとを有する。側面部z1は、第1側面部z1aと、第2側面部z1bとを有する。第1側面部z1aの内径は、第2側面部z1bの内径よりも大きい。外側延在部y1と第2側面部z1bとの間に、第1側面部z1aが位置する。
【0038】
この凹部形成部材b1は、ヘッド本体m1とは別個に成形されている。ヘッド本体m1の製造方法は限定されず、鋳造、鍛造及びNC加工が例示される。
【0039】
図3が示すように、外側延在部y1は、受け部x1によって支持されている。受け部x1は、外側延在部y1の内側に位置する。この内側とは、ヘッドの内側を意味する。外側延在部y1は、内側から、受け部x1によって支持されている。
【0040】
外側延在部y1の端面y1aは、ソール8の表面8aと面一とされている。端面y1aと表面8aとの滑らかな連続性は、研磨によって達成されてもよい。この場合、凹部用開口hs1に凹部形成部材b1が固定された後、端面y1a及び表面8aが研磨される。
【0041】
受け部x1は、凹部形成部材b1を位置決めする役割を果たす。凹部形成部材b1がヘッド本体m1に接合される場合、先ず、凹部形成部材b1が凹部用開口hs1に配置される。この状態で接合(溶接等)がなされる。受け部x1の存在により、凹部形成部材b1が精度良く位置決めされ、また、接合作業中における凹部形成部材b1の位置ズレが防止される。よって、凹部形成部材b1が、正確な位置に固定されうる。
【0042】
打撃による衝撃力に伴い、凹部形成部材b1には力が作用する。この力には、ヘッド内部に向かう方向の力Fxが含まれる。受け部x1は、凹部形成部材b1に作用する力Fxを、効果的に受け止める。よって、凹部形成部材b1とヘッド本体m1との間の接合部は、高い耐久性を有する。
【0043】
外側延在部y1の下面y1b(
図5参照)は、受け部x1の上面x1a(
図6参照)に当接している。外側延在部y1の側面y1c(
図5参照)は、受け部x1の段差面x1c(
図6参照)に当接している。
【0044】
詳細は後述されるが、第1の凹部R1及び第2の凹部R2には、重量体Wt1が、着脱可能な状態で配置される。
図1等では、この重量体Wt1の記載が省略されている。
【0045】
本願において、凹部Rがヘッド本体m1と一体成形される場合が、凹部一体成形とも称される。凹部一体成形の場合、ヘッドの生産性が高まる一方で、種々の問題が生じうる。
【0046】
ヘッドの製法としてロストワックス鋳造が採用される場合がある。この場合、ワックス型が製造され、その後に、ロストワックス鋳造がなされる。凹部一体成形では、ワックス型の成形において、凹部の深さ及び大きさに制約が生じる。一方、上述した米国特許公開公報2010/0065240のように、ヘッド本体m1のワックス型と凹部のワックス型とを接合することも考えられる。しかしこの場合、鋳造の段階ではヘッド本体m1と凹部とが一体であるため、凹部への湯流れが悪くなる問題が生じる。よって、湯流れを良くする目的で、凹部を小さくしたり、凹部及びその周辺の肉厚を厚くするといった対策が必要となる。
【0047】
例えばフェアウエイウッドのヘッドでは、ドライバーヘッドと比べて、中空部の体積が小さく、特に中空部の上下方向高さが小さい。この場合、凹部の底面と、この底面に対向するヘッド内面とが接近しやすい。この状態でワックス型の凹部一体成形を行うと、中子を抜くことが困難となる。
【0048】
一方、ヘッドの製法として鍛造又はプレスが採用される場合もある。この場合、凹部一体成形では、凹部に抜け勾配が必要となり、凹部の形状が制約される。また、鍛造又はプレスの場合、凹部の深さが制約されうる。プレスの場合、深い凹部の成形は難しい。鍛造の場合、ある程度の深さの凹部は成形可能であるが、複数回の鍛造が必要となる。
【0049】
本実施形態では、これらの問題点が解決されうる。凹部形成部材b1とヘッド本体m1とはそれぞれ別々に成形されるため、鋳造、鍛造及びプレスのいずれの製法においても、上述の問題点が解決されうる。
【0050】
図7は、第2実施形態に係る凹部形成部材b2が取り付けられたソールの断面図である。この凹部形成部材b2では、外側延在部y1の厚みty1が、平均厚みt1よりも大きい。平均厚みt1は、凹部形成部材b2のうち外側延在部y1を除く部分の平均厚みである。厚みty1が大きくされることで、凹部形成部材b2とヘッド本体m1との接合強度が向上する。また、厚みty1が厚みt1よりも大きくされることで、凹部形成部材b2の重心位置がソール側に移動する。これにより、ヘッドの重心位置が低くなる。低いヘッド重心は、飛距離性能の向上に寄与する。
【0051】
厚みt1が小さくされることで、余剰重量が創出され、ヘッドの重心位置の設計自由度が向上する。また、底面部bt及びその近傍には高い強度は必要とされない。よって、厚みt1が小さくされても、強度への影響は少ない。
【0052】
凹部形成部材b2の強度の観点から、凹部形成部材b2の全体の平均厚みtaは、0.7mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましい。ヘッドの重心位置の設計自由度を考慮すると、凹部形成部材b2の重量は抑制されたほうがよい。この観点から、全体平均厚みtaは、3.0mm以下が好ましく、2.0mm以下がより好ましく、1.8mm以下がより好ましい。平均厚みtaが小さい場合、鋳造時の湯流れが悪くなる。このように厚みtaが小さい場合、鋳造での凹部一体成形は難しい。
【0053】
凹部形成部材b2とヘッド本体m1との接合強度、及び、凹部Rの変形抑制の観点から、厚みty1は、1.0mm以上が好ましく、1.1mm以上がより好ましい。凹部形成部材b2の重量を抑制する観点から、厚みty1は、1.5mm以下が好ましく、1.4mm以下がより好ましい。
【0054】
凹部Rの変形抑制の観点から、平均厚みt1は、0.5mm以上が好ましく、0.6mm以上がより好ましく、0.7mm以上がより好ましい。凹部形成部材b2の重量を抑制する観点から、平均厚みt1は、1.2mm以下が好ましく、1.0mm以下がより好ましい。
【0055】
図8は、第3実施形態に係る凹部形成部材b3が取り付けられたソールの断面図である。ヘッド本体m3は、受け部x3を有する。この受け部x3は傾斜面x31を有する。この傾斜面x31は、全体として、円錐凹面である。受け部x3は、ヘッドの外側にいくほど開口幅が拡がるように、傾斜している。
【0056】
凹部形成部材b3は、外側延在部y3を有する。この外側延在部y3の形状は、受け部x3の形状に対応している。外側延在部y3は、受け部x3によって支持されている。外側延在部y3は、傾斜面y31を有する。傾斜面y31は、全体として、円錐凸面である。傾斜面y31は、傾斜面x31に当接している。傾斜面y31は、傾斜面x31に面接触している。傾斜面x31及び傾斜面y31により、接合の際における凹部形成部材b3の位置決めがより一層容易とされている。
【0057】
図8において両矢印Dbで示されるのは、凹部形成部材b3の深さ方向長さである。上述した理由により、長さDbが大きい場合、凹部一体成形が困難となる傾向にある。よって、長さDbが大きい場合に、本実施形態の利点が増大しうる。この観点から、長さDbは、8mm以上が好ましく、9mm以上がより好ましく、10mm以上がより好ましい。長さDbが過大であると、ヘッドの設計自由度が低下する。この観点から、長さDbは、20mm以下が好ましく、18mm以下がより好ましく、16mm以下がより好ましい。
【0058】
図8等において符号k1で示されるのは、凹部形成部材b1の外縁である。本実施形態において、外縁k1は、ソール面と凹部形成部材b1との境界である。
図1、
図8等の実施形態では、この外縁k1は円形である。これらの実施形態において、この外縁k1の長さLkは、円周の長さである。
【0059】
上述した理由により、凹部形成部材b1が大きいほど、凹部一体成形が困難となる傾向にある。よって、長さLkが大きい場合に、本実施形態の利点が増大しうる。この観点から、長さLkは、28mm以上が好ましく、30mm以上がより好ましく、32mm以上がより好ましい。長さLkが過大であると、ヘッドの設計自由度が低下する。この観点から、長さLkは、80mm以下が好ましく、65mm以下がより好ましく、50m以下がより好ましい。
【0060】
図9は、第4実施形態に係るヘッド40の斜視図である。このヘッド40では、凹部Rとして、第3の凹部R3が設けられている。第3の凹部R3の存在を除き、ヘッド40は、ヘッド4と同じである。
【0061】
第3の凹部R3は、溝状である。この第3の凹部R3の長手方向は、略トウ−ヒール方向である。
【0062】
図10は、
図9のF10−F10線に沿った断面図である。
図10は、第3の凹部R3の近傍における拡大断面図である。ヘッド本体m4は、凹部用開口hs3を有する。凹部用開口hs3は、ソール8に設けられている。この凹部用開口hs3に、凹部形成部材b4が取り付けられている。凹部形成部材b4は、ヘッド本体m4とは別部材である。
【0063】
凹部形成部材b4は、凹部用開口hs3に固定されている。この固定は、溶接により達成されている。他の固定方法として、接着剤による接着及びカシメが例示される。複数の固定方法が併用されてもよい。
【0064】
凹部形成部材b4の内部は、空洞とされている。よって、後述される弾性変形が起こりやすい。
【0065】
凹部用開口hs3は、第3の凹部R3に対応している。凹部用開口hs3に取り付けられた凹部形成部材b4によって、第3の凹部R3が形成されている。
【0066】
図10が示すように、ヘッド本体m4は、受け部x4を有している。受け部x4は、凹部用開口hs3の周囲に形成されている。本実施形態において、受け部x4は、細長い環状である。
【0067】
凹部形成部材b4は、外側延在部y4を有している。外側延在部y4は、凹部形成部材b4の開口側の縁部から、凹部R3の外側に向かって延びている。
【0068】
更に、凹部形成部材b4は、側面部z4と、底面部bt4とを有する。側面部z4と底面部bt4とは滑らかに連続している。
【0069】
この凹部形成部材b4は、ヘッド本体m4とは別個に成形されている。凹部形成部材b4の製造方法は限定されず、鋳造、鍛造及びNC加工が例示される。
【0070】
図10が示すように、外側延在部y4は、受け部x4によって支持されている。受け部x4は、外側延在部y4の内側に位置する。この内側とは、ヘッドの内側を意味する。外側延在部y4は、内側から、受け部x4によって支持されている。
【0071】
受け部x4は、凹部形成部材b4を位置決めする役割を果たす。凹部形成部材b4がヘッド本体m4に接合される場合、先ず、凹部形成部材b4が凹部用開口hs3に配置される。この状態で接合(溶接等)がなされる。受け部x4の存在により、凹部形成部材b4が精度良く位置決めされ、また、接合作業中における凹部形成部材b4の位置ズレが防止される。よって、凹部形成部材b4が、正確な位置に固定されうる。
【0072】
打撃による衝撃力に伴い、凹部形成部材b4には力が作用する。この力には、ヘッド内部に向かう方向の力Fxが含まれる。受け部x4は、凹部形成部材b4に作用する力Fxを、効果的に受け止める。よって、凹部形成部材b4とヘッド本体m4との間の接合において、高い耐久性が発揮される。
【0073】
外側延在部y4の側面y4cは、受け部x4の段差面x4cに当接している。
【0074】
打撃による衝撃力に伴い、凹部形成部材b4には力が作用する。この力には、凹部形成部材b4の溝幅を狭めるような圧縮力Fyが含まれる。受け部x4の段差面x4cは、この力Fyを、効果的に受け止める。よって、凹部形成部材b4とヘッド本体m4との間の接合において、高い耐久性が発揮される。
【0075】
上記力Fyにより、凹部形成部材b4が圧縮され、凹部形成部材b4が弾性的に変形する。この弾性変形は、変形回復を伴う。この弾性変形は、ヘッドの反発性能を向上させる。側面y4cと段差面x4cとの当接により、力Fyが効果的に凹部形成部材b4に伝達され、上記弾性変形が促進されている。よって、ヘッドの反発性能が高められている。
【0076】
反発性能を高める観点から、凹部形成部材b4により形成される凹部Rのトウ−ヒール方向長さLb4は、30mm以上が好ましく、40mm以上がより好ましく、50mm以上がより好ましい。ヘッドの大きさには制約があることから、長さLb4は、90mm以下が好ましく、80mm以下がより好ましく、70mm以下がより好ましい。
【0077】
反発性能を考慮すると、凹部形成部材b4により形成される凹部は、溝状であるのが好ましい。この観点から、凹部形成部材b4の幅Wb4は、25mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましく、15mm以下がより好ましい。幅Wb4は、フェース−バック方向に沿って測定される。
【0078】
凹部形成部材b4は、第1の凹部R1よりもフェース側に位置する。凹部形成部材b4は、第2の凹部R2よりもフェース側に位置する。後述されるように、第1の凹部R1及び第2の凹部R2には重量体Wt1が配置される。よって、凹部形成部材b4は、フェース5と重量体Wt1との間に位置する。この位置関係により、打撃時における凹部形成部材b4の上記弾性変形が促進されている。なぜなら、フェース5にはボールからの力が作用し、且つ、重量体Wt1には質量が集中しているからである。質量集中部は大きな慣性を有する。このため、質量集中部分とフェース5との間の部位では、上記力Fyが増大しやすい。増大された力Fyにより、凹部形成部材b4の弾性変形が促進され、ヘッドの反発性能が高められている。
【0079】
図10が示すように、凹部形成部材b4のフェース−バック方向に沿った断面は、滑らかに連続している。凹部形成部材b4のフェース−バック方向に沿った断面には、角部がない。よって、上記弾性変形において、応力集中が緩和されている。よって、繰り返しの弾性変形に対して、凹部形成部材b4の耐久性は高い。
【0080】
上述の通り、第1の凹部R1及び第2の凹部R2には、重量体Wt1が配置される。この重量体Wt1は、着脱可能に配置される。この着脱可能な構造として、例えば、後述の重量体着脱機構M1の他、ネジ結合が例示される。
【0081】
第1の凹部R1には、重量体着脱機構M1が取り付けられる。第2の凹部R2にも、重量体着脱機構M1が取り付けられる。以下では、第1の凹部R1を例として、説明がなされる。
【0082】
図11は、重量体着脱機構M1の分解斜視図である。重量体着脱機構M1は、ソケットsk1及び重量体Wt1を備えている。ソケットsk1の形状は、凹部R1の形状に対応している。換言すれば、ソケットsk1の形状は、凹部形成部材b1の内部形状に対応している。
【0083】
ソケットsk1は、凹部形成部材b1の内部に固定されている。この固定は、例えば、接着剤により達成される。重量体Wt1は、ソケットsk1に着脱可能に取り付けられている。したがって、重量体Wt1は、ヘッド4に対して着脱可能である。
【0084】
本実施形態では、重量体着脱機構M1が複数設けられている。ヘッド4では、2つの重量体着脱機構M1が設けられている。重量体着脱機構M1の数は限定されない。重量体着脱機構M1の位置は限定されない。
【0085】
図12は、ソケットsk1の斜視図である。
図12は、底面側から見た斜視図である。
図13は、上から順に、ソケットsk1の平面図、ソケットsk1の断面図及びソケットsk1の底面図である。
図14は、
図13の底面図の拡大図である。
図12及び
図13が示すように、ソケットsk1は、孔16を有する。
【0086】
孔16は、第1孔部18と第2孔部20と、段差面22とを有する。ソケットsk1の側面24は、円筒面である。孔16は、ソケットsk1を貫通している。孔16は、ソケットsk1を貫通していなくてもよい。第1孔部18の内面は、その全体が滑らかに連続している。第2孔部20の内面は、その全体が滑らかに連続している。
【0087】
第1孔部18の断面形状(
図13の平面図参照)は、重量体Wt1の係合部32の断面形状に略等しい。本実施形態では、第1孔部18の断面形状及び係合部32の断面形状は、略正方形である。これらの略正方形は、正方形の4つの角に丸みを付与した形状である。第2孔部20の長さL1は、重量体Wt1の係合部32の長さL11に略等しいか、又は、長さL11よりも短いのが好ましい。
【0088】
好ましくは、ソケットsk1の材質は、ポリマーである。このポリマーは、比較的硬い。このポリマーは、重量体Wt1を着脱する際に弾性変形しうる。この着脱のしくみについては、後述される。孔16の第2孔部20の構造についても、後述される。
【0089】
図15は、上から順に、重量体Wt1の平面図、側面図及び底面図である。
図15に示されるように、重量体Wt1は、頭部28、首部30及び係合部32を有する。首部30の形状は円柱である。頭部28の上端面の中央に、非円形孔34が形成されている。本実施形態では、非円形孔34の形状は、四角形である。この頭部28の外周面に複数の切欠36が形成されている。頭部28の外径D3は首部の外径D4より大きい。
【0090】
係合部32の断面は非円形である。本実施形態では、この断面は略正方形である。係合部32は孔16の第1孔部18を通り抜けることが可能である。この係合部32は、四角柱である。寸法c1は首部30の外径D4と同じにされている。寸法d1は、首部30の外径D4より大きくされている。係合部32の下端面に凹部が形成されてもよい。この凹部により形成される空間の体積によって、重量体Wt1の質量が調整されうる。寸法c1及び寸法d1については、後述される。
【0091】
係合部32は、突出部としての角部32aを備えている。角部32aは、重量体Wt1の中心軸線に垂直な方向(以下、軸垂直方向ともいう)に突出している。
【0092】
係合部32は、係合面33を有する。係合部32と首部30との断面形状の差に起因して、係合面33が形成されている。
【0093】
好ましくは、この重量体Wt1の比重は、ソケットsk1より比重よりも大きい。耐久性及び比重の観点から、この重量体Wt1の材質として、金属が好ましい。この金属として、アルミニウム合金、チタン合金、ステンレス鋼、タングステン合金、タングステンニッケル合金(W−Ni合金)等が例示される。
【0094】
図16は、重量体着脱機構M1の非係合ポジションNPと係合ポジションEPとを示す図である。この
図16は、ソケットsk1に重量体Wt1が挿入された状態の底面図である。
【0095】
ソケットsk1と重量体Wt1との相対関係として、非係合ポジションNPと係合ポジションEPとが採られうる。非係合ポジションNPでは、重量体Wt1をソケットsk1から引き抜くことができる。これに対して係合ポジションEPでは、重量体Wt1をソケットsk1から引き抜くことができない。重量体Wt1をソケットsk1に差し込んだ時点では、ソケットsk1と重量体Wt1との相対関係は、非係合ポジションNPである。相対角度θの回転によって、非係合ポジションNPから係合ポジションEPへと移行する。相対角度θの逆回転によって、係合ポジションEPから非係合ポジションNPへと戻る。この重量体着脱機構M1では、角度θの回転を与えるだけで、重量体Wt1の着脱が可能である。重量体着脱機構M1は、着脱の容易性に優れる。
【0096】
本実施形態では、角度θが45°である。角度θは45°に限定されず、例えば、30°、60°等が例示される。
【0097】
この重量体着脱機構M1では、専用の工具が用いられうる。
図17は、この専用工具の一例としての、工具60を示す斜視図である。この工具60は、重量体Wt1の着脱に使用される。この工具60は、柄62,軸64及び先端部66を備えている。柄62は、柄本体68と、把持部70とを有する。把持部70は、柄本体68の第1孔部から、工具60の回転軸に垂直に交差する方向に延びる。この把持部70は、把持部本体70aと、蓋体70bとを備えている。
【0098】
把持部本体70aに、軸64の後端部が固定されている。軸64の先端部66の断面は、重量体Wt1の非円形孔34の形状に対応している。本実施形態では、先端部66の断面は四角形である。先端部66の側面にはピン72が突出している。ピン72は、先端部66に内蔵されている。図示されないが、先端部66には、弾性体(コイルばね)が内蔵されている。この弾性体の付勢力により、ピン72は、突出する向きに付勢されている。
【0099】
重量体Wt1を着脱する際には、蓋体70bは、閉められている。把持部本体70aの内部には、重量体収容部(図示されず)が設けられている。好ましくは、この重量体周要部は、複数の重量体Wt1を収容しうる。蓋体70bを開けることで、重量体Wt1を取り出すことができる。
【0100】
図18は、重量体Wt1の着脱方法の一例を説明するための図である。
図18(a)は重量体Wt1が装着される前の状態である。
図18(b)は重量体Wt1が挿入された直後の状態である。
図18(c)は重量体Wt1が回転され、ソケットsk1に固定された状態である。
図18(a)、
図18(b)及び
図18(c)のそれぞれにおいて、右端に示されるのは、ソケットsk1を底面側から見た図である。
【0101】
重量体Wt1の装着では、工具60の先端部66が、重量体Wt1の非円形孔34に差し込まれる。この差し込みにより、ピン72は、退行しつつ、非円形孔34を押圧する。この押圧力により、重量体Wt1は、先端部66から脱落しにくい。
図18(a)及び
図18(b)が示すように、工具60の軸64に保持された重量体Wt1は、孔16に挿入される。
【0102】
図18(b)が示すように、重量体Wt1の係合部32は、孔16の第1孔部18を通過して、第2孔部20に至る。この
図18(b)は、非係合ポジションNPを示す。この非係合ポジションNPでは、重量体Wt1は孔16から引き抜かれうる。
【0103】
次に、角度θ(+θ)の相対回転がなされる。具体的には、工具60を用いて、重量体Wt1を、ソケットsk1に対して、角度θ(+θ)だけ回転させる。この回転により、非係合ポジションNPから係合ポジションEPへの移行が達成される。
図18(c)は、係合ポジションEPを示す。係合ポジションEPにあるとき、重量体Wt1はソケットsk1に固定される。係合ポジションEPにあるとき、重量体Wt1は打撃によって外れない。
【0104】
重量体Wt1を取り外すときは、角度θの逆回転がなされる。換言すれば、角度−θの回転がなされる。この回転により、係合ポジションEPから非係合ポジションNPへの移行が達成される。非係合ポジションNPにある重量体Wt1は、容易に取り外されうる。
【0105】
係合ポジションEPでは、重量体Wt1を孔16から引き抜くことはできない。なぜなら、係合ポジションEPにおいては、孔16の段差面22と重量体Wt1の係合面33との係合により、重量体Wt1の引き抜きが阻害されるからである。係合ポジションEPでは、重量体Wt1の非円形孔34から、工具60が容易に引き抜かれうる。
【0106】
図13、
図16等が示すように、孔16の第2孔部20は、非係合ポジションNPでの係合部32に対応した面(非係合対応面)80と、係合ポジションEPでの係合部32に対応した面(係合対応面)82と、抵抗面84とを有する。抵抗面84は、非係合ポジションNPと係合ポジションEPとの間の相対回転の途中において、係合部32(の角部32a)によって押圧される。この押圧により、係合部32と第2孔部20との間に摩擦力が生じる。この押圧により、抵抗面84は弾性変形する。第2孔部20の材質が比較的硬いポリマーとされることで、摩擦力が大きくされる。この大きな摩擦力は、強い回転抵抗を生む。この回転抵抗により、非係合ポジションNPと係合ポジションEPとの相互移行には、強いトルクが必要となる。よって、この相互移行には、工具60が必要とされる。工具60を用いずに、素手によって相互移行を達成することはできない。打撃時の強い衝撃によっても、係合ポジションEPにある重量体Wt1は外れない。
【0107】
このように、重量体着脱機構M1では、角度θの相対回転を行うだけで、重量体の着脱が可能である。
【0108】
図13の断面図が示すように、ソケットsk1は、内側突出部19を有する。この内側突出部19は、第1孔部18と第2孔部20との内径の差に基づいて、形成されている。内側突出部19の内面は、第1孔部18である。
【0109】
係合ポジションEPにおいて、内側突出部19は、頭部28と係合部32とによって挟まれている。内側突出部19は、隙間の無い状態で、頭部28と係合部32とによって挟まれている。よって、係合ポジションEPにおいて、重量体Wt1のがたつきが防止されている。
【0110】
着脱機構M1の数Nは限定されない。ヘッド重心位置の調整自由度の観点からは、数Nは、2以上が好ましい。
【0111】
[ソケットの第2孔部の硬度Hs]
重量体Wt1の固定を確実とし、打撃時の音鳴りを抑制する観点から、ソケットsk1の硬度Hsは、ショアD40以上が好ましく、ショアD45以上がより好ましく、ショアD50以上が更に好ましく、ショアD53以上が更に好ましい。着脱の容易性の観点から、硬度Hsは、ショアD58以下が好ましく、ショアD56以下がより好ましく、ショアD55以下が更に好ましく、ショアD54以下が更に好ましい。
【0112】
硬度Hsは、「ASTM−D 2240−68」の規定に準拠して、自動ゴム硬度測定装置(高分子計器社の商品名「P1」)に取り付けられたショアD型硬度計によって測定される。測定サンプルの形状は、一辺の長さが3mmの立方体とされる。測定は、23℃の温度下でなされる。可能であれば、測定サンプルは、ソケット(の第2孔部)から切り出される。切り出しが困難である場合、ソケット(の第2孔部)の樹脂組成物と同一の樹脂組成物からなる測定サンプルが用いられる。
【0113】
ゴルフクラブ2によってボールが打撃されると、ゴルフクラブ2を介して、ゴルファーの手に打撃振動が伝えられる。この打撃振動の振動エネルギーは、ソケットsk1に収容された重量体Wt1の運動エネルギーに変換される。このソケットsk1及び重量体Wt1は、シャフト6の振動エネルギーを重量体Wt1の運動エネルギーに変換することで、打撃振動を緩和しうる。
【0114】
[ポリマー]
硬度の観点から、ソケットの材質としては、ポリマーが好ましい。このポリマーとして、熱硬化性ポリマー及び熱硬化性ポリマーが例示される。熱硬化性ポリマーとして、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、熱硬化性ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド及び熱硬化性エラストマーが例示される。熱可塑性ポリマーとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド及び熱可塑性エラストマーが例示される。
【0115】
熱可塑性エラストマーとして、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリスチレンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー及び熱可塑性ポリウレタンエラストマーが例示される。
【0116】
耐久性の観点からは、ウレタン系ポリマー及びポリアミドが好ましく、ウレタン系ポリマーがより好ましい。ウレタン系ポリマーとして、ポリウレタン及び熱可塑性ポリウレタンエラストマーが例示される。ウレタン系ポリマーは、熱可塑性であってもよく、熱硬化性であってもよい。成形性の観点からは、熱可塑性のウレタン系ポリマーが好ましく、熱可塑性ポリウレタンエラストマーがより好ましい。
【0117】
成形性の観点からは、熱可塑性ポリマーが好ましい。硬度及び耐久性の観点から、この熱可塑性ポリマーの中では、ポリアミド及び熱可塑性ポリウレタンエラストマーが好ましく、熱可塑性ポリウレタンエラストマーがより好ましい。
【0118】
ポリアミドとして、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12及びナイロン66が例示される。
【0119】
好ましい熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、ハードセグメントとしてのポリウレタン成分と、ソフトセグメントとしてのポリエステル成分又はポリエーテル成分とを含む。即ち、好ましい熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)として、ポリエステル系TPUと、ポリエーテル系TPUとが挙げられる。ポリウレタン成分の硬化剤としては、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート及び脂肪族ジイソシアネートが例示される。
【0120】
脂環式ジイソシアネートとしては、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H
12MDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H
6XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びトランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)が例示される。
【0121】
芳香族ジイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びトルエンジイソシアネート(TDI)が例示される。脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が例示される。
【0122】
市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)として、BASFジャパン社の商品名「エラストラン」が例示される。
【0123】
ポリエステル系TPUの具体例として、「エラストランC70A」、「エラストランC80A」、「エラストランC85A」、「エラストランC90A」、「エラストランC95A」、「エラストランC64D」等が挙げられる。
【0124】
ポリエーテル系TPUの具体例として、「エラストラン1164D」、「エラストラン1198A」、「エラストラン1180A」、「エラストラン1188A」、「エラストラン1190A」、「エラストラン1195A」、「エラストランET385」等が挙げられる。後述される実施例では、ポリエーテル系TPUが用いられている。
【0125】
なお、上記各ポリマーをマトリックスとする繊維強化樹脂が用いられても良い。
【0126】
[寸法c1]
図15において両矢印c1で示されるのは、係合部32の対向面間距離である。この寸法c1は、係合部32の断面に存在する角の丸みを解消して得られる正方形の辺の長さに等しい。
【0127】
[寸法d1]
図15において両矢印d1で示されるのは、係合部32の最長断面寸法である。本実施形態では、寸法d1は、係合部32の断面(略正方形)の対角線の長さである。この寸法d1は、係合部32の最長横断線Lm(
図15参照)の長さである。
図15において符号p1で示されるのは、最長横断線Lmの両端点である。これらの点p1は、係合部32の断面における頂点である。
【0128】
[寸法F1]
図14において破線両矢印F1で示されるのは、互いに対向する抵抗面84同士の対向面間距離である。この寸法F1は、上記相互移行において弾性変形が最大となる位置で、測定される。この寸法F1は、上記相互移行において必要とされるトルクの最大値と相関する。
【0129】
[寸法K1]
図14において両矢印K1で示されるのは、孔16の第1孔部18の開口幅である。この寸法K1は、第1孔部18の断面に存在する角の丸みを解消して得られる正方形の辺の長さに等しい。
【0130】
[寸法G1]
図14において両矢印G1で示されるのは、係合ポジションEPにおいて上記最長横断線Lmの両端点p1が接する位置における、第2孔部20の横断長さである。
【0131】
[寸法H1]
図14において一点鎖線両矢印H1で示されるのは、第2孔部20の最短横断線Lhの長さである。この最短横断線Lhの両端点p2は、係合対応面82と非係合対応面80との境界点である。
【0132】
[F1/d1]
重量体Wt1の着脱時におけるソケット内面の削れを抑制する観点から、比(F1/d1)は、0.935以上が好ましく、0.940以上がより好ましく、0.945以上が更に好ましい。重量体Wt1の固定を確実とし、打撃時の音鳴りを抑制する観点から、比(F1/d1)は、0.965以下が好ましく、0.960以下がより好ましく、0.955以下が更に好ましい。
【0133】
上記相対回転の途中において、抵抗面84の変形量が最大となる。この最大変形量が大きいほど、比(F1/d1)は小さい。
【0134】
[G1/d1]
重量体Wt1の着脱時におけるソケット内面の削れを抑制する観点から、比(G1/d1)は、0.987以上が好ましく、0.989以上がより好ましく、0.991以上が更に好ましい。重量体Wt1の固定を確実とし、打撃時の音鳴りを抑制する観点から、比(G1/d1)は、0.996以下が好ましく、0.995以下がより好ましく、0.994以下が更に好ましい。
【0135】
[K1−c1]
差(K1−c1)が過度に小さい場合、重量体Wt1の引き抜きの際に引っかかりが生じやすい。よって、着脱の円滑性が阻害されうる。非係合ポジションNPにおける重量体Wt1の引き抜きを容易とする観点から、差(K1−c1)は、0.3mm以上が好ましく、0.35mm以上がより好ましく、0.4mm以上が更に好ましい。
【0136】
上記実施形態では、第2孔部20の内面の一部は、第1孔部18の内面と面一とされており、この面一部分が、非係合対応面80とされている。このような孔16の設計では、この差(K1−c1)が過大である場合に、寸法F1及び/又は寸法G1が大きくなりやすい。この場合、重量体Wt1の保持力が低下し、打撃時の音鳴りが生じうる。この観点から、差(K1−c1)は、0.6mm以下が好ましく、0.55mm以下がより好ましく、0.5mm以下が更に好ましい。
【0137】
[H1/d1]
比(H1/d1)が小さすぎる場合、寸法G1及び/又は寸法F1も小さくなりやすい。この場合、第2孔部20の内面の削れが生じやすい。この観点から、比(H1/d1)は、0.785以上が好ましく、0.810以上がより好ましく、0.840以上が更に好ましい。
【0138】
非係合ポジションNPから係合ポジションEPへの移行においてトルクが強すぎる場合、重量体Wt1の過回転が生じうる。この過回転により、係合ポジションEPへの移行を意図しているにも関わらず、係合ポジションEPを通過して非係合ポジションNPに至ってしまうことがある。寸法H1が小さくされることで、重量体Wt1の過回転が抑制される。過回転を抑制する観点から、比(H1/d1)は、0.915以下が好ましく、0.890以下がより好ましく、0.870以下が更に好ましい。
【0139】
40℃の環境下において、着脱時に必要な最大トルク(N・m)がT40とされる。25℃の環境下において、着脱時に必要な最大トルク(N・m)がT25とされる。5℃の環境下において、着脱時に必要な最大トルク(N・m)がT5とされる。気温に関わらず円滑な着脱を可能とする観点から、比(T40/T5)は、0.30以上が好ましく、0.35以上がより好ましく、0.40以上が更に好ましく、0.41以上が更に好ましい。
【0140】
着脱時に必要な最大トルクは、温度環境に依存しうる。温度が低いほど最大トルクが増加しやすい。
【0141】
気温に関わらず円滑な着脱を可能とする観点から、比(T25/T5)は、0.57以上が好ましく、0.60以上がより好ましく、0.61以上が更に好ましい。
【0142】
上述した温度依存性に起因して、通常、比(T40/T5)及び比(T25/T5)は、1以下となる。
【0143】
低温における円滑な着脱を可能とする観点から、T5は、6.3(N・m)以下が好ましく、6.0(N・m)以下がより好ましく、5.5(N・m)以下が更に好ましく、5.0(N・m)以下が更に好ましい。
【0144】
高温における固定を確実とする観点から、T40は、1.0(N・m)以上が好ましく、1.5(N・m)以上がより好ましく、1.8(N・m)以上がより好ましい。
【0145】
図19は、他の実施形態に係る重量体着脱機構M2の分解斜視図である。重量体着脱機構M2は、ソケットsk2及び重量体Wt1を備えている。更に重量体着脱機構M2は、底面形成部13を有している。底面形成部13は無くてもよい。
【0146】
図19が示すように、ソケットsk2は、介在部11と孔16とを有している。介在部11は、ソケットsk2の上部を構成している。介在部11は、ソケットsk2における最もソール面側の部分を構成している。介在部11は、孔16の開口面f1から、上側(ソール面側)に向かって延在している。介在部11は、円筒状である。介在部11の内面11aは円周面である。介在部11の外面11bは円周面である。
【0147】
ソケットsk2は、凹部Rの内部に固定される。この固定は、例えば、接着剤により達成される。重量体Wt1は、ソケットsk2に着脱可能に取り付けられている。したがって、重量体Wt1は、ヘッド4に対して着脱可能である。
【0148】
図20は、ソケットsk2の斜視図である。
図20は、底面側から見た斜視図である。
図21は、上から順に、ソケットsk2の平面図、ソケットsk2の断面図及びソケットsk2の底面図である。
図21の断面図は、
図21の平面図のA−A線に沿った断面図である。
【0149】
介在部11の存在を除き、ソケットsk2は、前述のソケットsk1と同じである。
【0150】
重量体Wt1は、露出部E1を有する(
図19参照)。本実施形態では、頭部28が露出部E1である。露出部E1は、単独では、重量体Wt1の抜け止めに貢献しない。換言すれば、露出部E1単独では、抜け止めは達成されない。係合ポジションEPでは、露出部E1と係合部32とで、
図21に示す開口面f1及び段差面22が挟まれることにより、重量体Wt1の挿入方向における移動が規制されている。
【0151】
露出部E1は、重量体Wt1のうち最も外側(ソール面側)に位置する。重量体Wt1が係合ポジションEPにある状態が、装着状態とも称される。この装着状態において、露出部E1は外部に露出している。
【0152】
[介在部]
上記装着状態において、介在部11は、露出部E1とヘッド本体h1との間の少なくとも一部に介在している。本実施形態では、介在部11が円筒状である。本実施形態では、介在部11は、露出部E1の周囲の全体に亘って存在する。よって、介在部11に起因する効果が高められている。なお介在部11は、露出部E1の周囲の一部のみに配置されていてもよい。
【0153】
上記装着状態において、介在部11は、重量体Wt1に係合していない。上記装着状態において、介在部11は、露出部E1に係合していない。介在部11は重量体Wt1に接触している場合であっても、介在部11に重量体Wt1を係止する効果は無い。介在部11は、重量体Wt1の固定を担っていない。
【0154】
打球による衝撃に起因して、重量体Wt1は振動しうる。この振動の振幅は、露出部E1(頭部28)において大きくなりやすい。なぜなら、露出部E1は、介在部11とは係合しておらず、比較的動きやすい状態にあるからである。介在部11は、この露出部E1の振動を効果的に吸収しうる。振動しやすい部分(露出部E1)の振動が抑制されることで、衝撃吸収性が向上しうる。この衝撃吸収性は、打球フィーリングの向上に寄与しうる。介在部11により、打球フィーリングが向上しうる。介在部11は、重量体Wt1の固定を担っていないため、変形しやすい。よって、介在部11により、振動吸収性が効果的に向上しうる。
【0155】
図22は、変形例の重量体Wt10の断面図である。
図23は、重量体Wt10が装着状態にあるときの、重量体着脱機構M3の断面図である。重量体着脱機構M3の原理は、重量体着脱機構M2と同じである。
【0156】
重量体着脱機構M3は、ソケットsk20及び重量体Wt10を備えている。ヘッド本体m5は、凹部140を備えている。凹部140の形状は、ソケットsk20の形状(外形)に対応している。凹部140の内径は、ソケットsk20の外径と略等しい。ソケットsk20の外面は、凹部140の内面に接着されている。ソケットsk20の外周面100aは、凹部140の内周面140aに接着されている。
【0157】
凹部140は、凹部形成部材b5によって形成されている。凹部形成部材b5は、ヘッド本体m5とは別部材である。
【0158】
凹部形成部材b5は、凹部用開口hs5に固定されている。この固定は、溶接により達成されている。
【0159】
図23が示すように、ソケットsk20は、介在部110を有している。介在部110は、ソケットsk20の上部を構成している。介在部110は、ソケットsk20における最もソール面側の部分を構成している。介在部110は、円筒状である。
【0160】
図22が示すように、重量体Wt10は、頭部280、首部300及び係合部320を有する。首部300の形状は円柱である。頭部280の上端面の中央に、非円形孔340が形成されている。前述した非円形孔34と同様に、非円形孔340の断面形状(
図22のA−A線に沿った断面の形状)は、略四角形である。
【0161】
重量体Wt10は、露出部E1を有する。本実施形態では、頭部280が露出部E1である。
【0162】
露出部E1は、重量体Wt10のうち最も外側(ソール面側)に位置する。装着状態において、露出部E1は外部に露出している(
図23参照)。
【0163】
露出部E1(頭部280)とヘッド本体m5との隙間距離X1は、介在部の厚みB2と同一か、又は、厚みB2よりも大きい。即ち、X1≧B2である。なお、介在部の厚みB2は、ソケットsk20が単独で静置された自然状態において測定される。差(X1−B2)が小さければ、異物が入り込みにくい。この観点から、差(X1−B2)は、0.3mm以下が好ましく、0.2mm以下がより好ましい。一方、差(X1−B2)が過小であると、重量体の着脱の作業性が低下しうる。この観点から、差(X1−B2)は、0.05mm以上が好ましく、0.075mm以上がより好ましい。
【0164】
前述した重量体Wt1と重量体Wt10との間に、相違点がある。第一の相違点は、係合部320の上記長さL11である(
図22参照)。係合部32と比較して、係合部320は、長さL11が短い。係合部32と比較して、係合部320は偏平である。この結果、重量体Wt1と比較して、重量体Wt10の全長Lwは短い。この重量体Wt10の全長Lwは、上記挿入方向に沿った長さである。第二の相違点は、非円形孔340の内面に凹部340aが設けられていることである。この凹部340aは、工具60のピン72が突出するための空間を提供している。工具60の軸64が非円形孔340に挿入されると、凹部340aにおいてピン72が突出する。この突出により、ピン72が凹部340aと係合する。この係合により、軸64が非円形孔340から抜けにくくなる。よって、重量体Wt10の着脱作業が円滑とされうる。
【0165】
図22が示すように、係合部320の内部に空間r1が設けられている。空間r1の体積を調整することで、重量体Wt10の外形を変えることなく、重量体の重量W1を変化させることができる。また、重量体Wt10の材質を変えることによっても、重量体Wt10の外形を変えることなく、重量体の重量W1を変化させることができる。よって、重量W1が相違し且つ外形が同一である複数の重量体Wt10を用意することが可能となる。よって、同一のソケットsk20に、重量W1が異なる重量体Wt10を装着することができる。
【0166】
外観性の観点から、介在部110の端面110cは、重量体Wt10の端面120cよりも外側に突出しないのが好ましい。
【0167】
図23において、重量体Wt10は装着状態にある。この装着状態において、介在部110は、重量体Wt10よりも外側(
図23における上側)に突出していない。この非突出により、外観性が向上しうる。この非突出により、ソール面における接地抵抗が抑制されうる。
【0168】
装着状態において、ソケットsk20の全長S1は、凹部140の深さHL以下(S1≦HL)である。介在部110は、凹部140の外側に突出していない。
図23が示すように、介在部110の端面110cは、凹部140の開口縁140bよりも挿入方向内側(
図23における下側)に位置する。この非突出により、外観性が向上しうる。この非突出により、ソール面における接地抵抗が抑制されうる。
【0169】
装着状態において、重量体Wt10は、凹部140の外側に突出していない。
図23が示すように、重量体Wt10の端面120cは、凹部140の開口縁140bよりも挿入方向内側(
図23における下側)に位置する。この非突出により、外観性が向上しうる。この非突出により、ソール面における接地抵抗が抑制され、重量体Wt10が脱落しにくくなる。この非突出により、異物の付着が抑制されうる。
【0170】
図23の実施形態では、深さHL及び全長S1が抑制されつつ、凹部140とソケットsk20との接着面積が確保されている。よって、ソケットsk20の固着強度が高い。また、深さHLが抑制されているので、ヘッドの設計自由度が向上する。フェアウェイウッド、ユーティリティ型ヘッド、ハイブリッド型ヘッド等では、ヘッド最大厚みThが小さい。本実施形態は、深さHL及び全長S1が小さいため、ヘッド最大厚みThが小さいヘッドにも好ましく適用することができる。
【0171】
ドライバーと異なり、フェアウェイウッド、ユーティリティ型ヘッド、ハイブリッド型ヘッド等では、接地したボールを打球することが多い。よって、砂、土、芝等の異物が付着しやすい。
図23の実施形態では、介在部110の存在により、露出部E1と凹部140との間の隙間が少ない。よって、この隙間への異物の入り込みが抑制されている。
【0172】
図23において符号B1で示されるのは、介在部110の挿入方向長さである。長さB1が過小である場合、露出部E1(頭部280)とヘッド本体m5との間に隙間が生じやすい。この隙間には、泥、土、バンカーの砂、芝等の異物が入り込みうる。この異物は外観性を低下させる。また、長さB1が過小である場合、音鳴りが生じることがある。この音鳴りは、重量体Wt10とヘッド本体m5との接触に起因する。更に、長さB1が過小である場合、ソケットsk20と凹部140との接着面積が少なくなる。これらの観点から、長さB1は、0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましく、1.5mm以上が更に好ましい。長さB1が過大である場合、凹部140の深さHLが大きくなる。過大な深さHLは、ヘッドの設計自由度を低下させる。ヘッド高さが小さいヘッド(いわゆるシャローヘッド)では、深さHLに制約がある。また、長さB1が過大であると、介在部110が地面に接触しやすい。これらの観点から、長さB1は、5mm以下が好ましく、4.5mm以下がより好ましく、4mm以下がより好ましい。
【0173】
図23において符号B2で示されるのは、介在部110の厚みである。厚みB2が過小であると、成形性が低下する。また、厚みB2が過小であると、重量体を挿入する際に介在部110が変形しやすい。この変形により、重量体の挿入が円滑とならない場合がある。これらの観点から、厚みB2は0.4mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、0.6mm以上がより好ましい。ソケットsk20の重量が過大となると、重量体及びヘッドの設計自由度が制約されうる。この観点から、厚みB2は、1mm以下が好ましく、0.9mm以下がより好ましく、0.8mm以下がより好ましい。
【0174】
図23において符号B3で示されるのは、ソケットsk20の外径である。本実施形態では、ソケットsk20の外径は、介在部110の外径に略等しい。介在部の外径B3が過小であると、重量体の設計及び製造が困難となることがある。また介在部の外径B3が過小であると、ソケットsk20と凹部140との接着面積が減少する。これらの観点から、外径B3は、13mm以上が好ましく、13.5mm以上がより好ましく、14mm以上がより好ましい。凹部140の内径が過大である場合、ヘッドの設計自由度が制約される。また外径B3が過大である場合、ソケットsk20の成形性が低下することがある。これらの観点から、外径B3は、25mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましく、16mm以下がより好ましい。
【0175】
図23において符号S1で示されるのは、ソケットsk20の挿入方向全長である。ヘッド本体m5との接着面積を増やす観点から、全長S1は、5mm以上が好ましく、6mm以上がより好ましい。全長S1が過大である場合、上記深さHLが過大となる。この場合、ヘッド本体m5の重心位置が高くなりやすい。また、全長S1が過大である場合、ソケットsk20の重量が過大となり、ヘッドの重心位置設計が制約されうる。これらの観点から、全長S1は、13mm以下が好ましく、12mm以下がより好ましい。
【0176】
図23の断面図には、クラウン6の一部が図示されている。このクラウン6は、ヘッド本体m5の一部である。
【0177】
図23において両矢印T1で示されるのは、クラウン6の内面6aとソケットsk20との最短距離である。生産性の観点から、最短距離T1は、5mm以上が好ましい。最短距離T1が小さい場合、特に鋳造ヘッドにおいて、凹部一体成形が行いにくい。この問題については、上述の通りである。この問題は、凹部形成部材b5をヘッド本体m5とは別体とすることによって解決されうる。よって、最短距離T1が小さい場合に、凹部形成部材b5を別体とする意義が大きい。この観点から、最短距離T1は、30mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましい。
【0178】
ヘッドの中空部の体積が小さい場合、凹部が生産性を阻害しやすい。特に、ヘッド本体が鋳造で製造される場合、この傾向が強い。ヘッドの中空部の体積が小さい場合、ヘッド外面の凹部は、ヘッド内部では凸部となる。この凸部は、例えば、ワックス型の製造において、中子の抜きとりを困難にする。よって、凹部形成部材がヘッド本体とは別体とされた構成は、ヘッド体積が小さい場合に、効果的である。この観点から、ヘッド体積は、250cc以下が好ましく、200cc以下がより好ましく、180cc以下が更に好ましい。ヘッドの慣性モーメントを高める観点から、ヘッド体積は、100cc以上が好ましく、120cc以上がより好ましい。
【0179】
重量調整の効果を高める観点から、重量体の重量W1は、1g以上が好ましく、1.5g以上がより好ましく、2g以上がより好ましい。重量W1が過大である場合、重量体に大きな遠心力が作用する。この大きな遠心力は、ソケットへの負荷を増大させる。この観点から、重量体の重量W1は、15g以下が好ましく、14g以下がより好ましく、13g以下がより好ましい。
【0180】
上述した重量体着脱機構は、R&A(Royal and Ancient Golf Club of Saint Andrews;全英ゴルフ協会)が定めるゴルフ規則を満たしている。即ち、この重量体着脱機構は、R&Aが定める、「付属規則II クラブのデザイン」の「1 クラブ」における「1b 調整性」で規定される要件を満たしている。この「1b 調整性」が規定する要件は、下記の(i)、(ii)及び(iii)である。
(i)容易に調整できるものでないこと。
(ii)調整可能部分はすべてしっかりと固定され、ラウンド中に緩むことの合理的な可能性がないこと。
(iii)調整後のすべての形状が規則に適合すること。
【実施例】
【0181】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0182】
[実施例]
上述したヘッド4と同様のヘッドを作製した。ヘッド本体は、鋳造により作製された。ヘッド本体の材質は、マレージング鋼とされた。この鋳造では、ロストワックス鋳造法が採用された。ヘッド本体とは別に、凹部形成部材が作製された。凹部形成部材は、鋳造により作製された。凹部形成部材の材質は、CUSTOM450(カーペンター社製)とされた。フェースプレートは、鍛造により作製された。ヘッド本体の凹部用開口に、凹部形成部材が溶接された。また、ヘッド本体のフェース部に設けられた開口部に、フェースプレートが溶接された。第1の凹部及び第2の凹部に、
図11で示される重量体着脱機構が装着された。このようにして、実施例のヘッドを得た。このヘッドは、ヘッド体積が155ccであり、リアルロフト角が15°であり、ライ角が58°であり、フェース角がプラス1°(1°オープン)であった。ヘッド厚みは37mmであった。最短距離T1は、15mmであった。この実施例では、ヘッドの中空部が小さく、且つ、最短距離T1が小さかったが、凹部が精度良く成形された。