特許第6258052号(P6258052)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6258052
(24)【登録日】2017年12月15日
(45)【発行日】2018年1月10日
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/067 20060101AFI20171227BHJP
   B60K 15/063 20060101ALI20171227BHJP
   B62D 49/00 20060101ALI20171227BHJP
   B62D 25/10 20060101ALI20171227BHJP
【FI】
   B60K15/067
   B60K15/063 A
   B62D49/00 Q
   B62D25/10 B
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-17372(P2014-17372)
(22)【出願日】2014年1月31日
(65)【公開番号】特開2015-143078(P2015-143078A)
(43)【公開日】2015年8月6日
【審査請求日】2016年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】青山 健一
(72)【発明者】
【氏名】澤井 恵
【審査官】 常盤 務
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−000932(JP,A)
【文献】 特開2008−062705(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0160052(US,A1)
【文献】 特開2006−036073(JP,A)
【文献】 特開2012−051529(JP,A)
【文献】 特開2008−230383(JP,A)
【文献】 特開平08−132897(JP,A)
【文献】 特開2005−343182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/067
B60K 15/063
B62D 49/00
B62D 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクを下方から受け止め支持するタンク支持体と、前記燃料タンクを左右に跨ぐ状態で立設する逆U字状のボンネット支持体とを備え、
前記ボンネット支持体は、前記燃料タンクの上部側に作用して前記燃料タンクをタンク支持体上の所定位置に保持する弾性体を備え
前記燃料タンクは、その上側の左右の角部に、上側ほど前記燃料タンクの左右内側に位置する内向き傾斜部を有し、
前記ボンネット支持体は、前記左右の内向き傾斜部に対向する左右の傾斜部を有するとともに、前記左右の傾斜部のみに、前記弾性体として、前記左右の内向き傾斜部に対して前記燃料タンクの横外側上方から作用する左右の弾性体を備え、
前記左右の弾性体の弾性により、前記燃料タンクを前記タンク支持体と前記左右の弾性体との間に挟持保持するように構成している作業車。
【請求項2】
前記左右の弾性体のうちの一方を対応する左右いずれか一方の前記傾斜部の内面に固定し、前記左右の弾性体のうちの他方を対応する左右いずれか他方の前記傾斜部に着脱可能に連結し
前記他方の弾性体は、前記他方の傾斜部に対する連結方向が、前記他方の傾斜部への連結に伴って前記燃料タンクを前記タンク支持体及び前記一方の弾性体との間に挟持保持する方向に設定されている請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記タンク支持体は、前記燃料タンクの底面との間に介装される板状の複数の防振ゴムを備えている請求項1又は2に記載の作業車。
【請求項4】
前記ボンネット支持体は、前記ボンネット支持体と前記燃料タンクとの間における前記左右の弾性体の配置箇所を除いた箇所に形成された隙間を塞ぐシール部材の後付けが可能に構成されている請求項1〜3のいずれか一つに記載の作業車。
【請求項5】
前記ボンネット支持体及び前記弾性体が前記燃料タンクの前後一方側に作用するように構成し、
前記燃料タンクの前後他方側を左右に跨ぐ状態で前記タンク支持体に着脱可能に連結する逆U字状の固定バンドを備え、
前記燃料タンクは、その前後他方側に前記固定バンドが係入する溝部を備えている請求項1〜4のいずれか一つに記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンク及びボンネット支持体を備えた作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車の一例である乗用芝刈機においては、燃料タンクを、その側面に形成した凸部を車体フレームの外向きコの字状フレームに嵌合した状態で、バンドを介して車体フレームに固定することにより、燃料タンクを固定装備するように構成したものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
又、作業車の一例であるトラクタにおいては、燃料タンクの周部に備えた鍔部を、車体フレームに立設したボンネット支持用の支持枠に、複数のボルトを使用して連結することにより、燃料タンクを固定装備するように構成したものがある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−132897号公報(段落番号0015、図1〜3)
【特許文献2】特開2005−343182号公報(段落番号0019、図2図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の構成では、燃料タンクに嵌合用の凸部を形成する必要があることから、燃料タンクの形状が複雑になり、その分、燃料タンクの製造コストが嵩むことになる。又、燃料タンクの固定に専用のバンドを要することから、燃料タンクの組み付けに要する構成の簡素化を図る上において改善の余地がある。
【0006】
特許文献2に記載の構成では、燃料タンクに連結用の鍔部を形成する必要があることから、燃料タンクの形状が複雑になり、その分、燃料タンクの製造コストが嵩むことになる。又、燃料タンクの支持枠への連結を複数のボルトで行うことから、燃料タンクの組み付けに手間を要することになる。
【0007】
本発明の目的は、コストの削減を図りながら燃料タンクの組み付けを容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題解決手段は、
燃料タンクを下方から受け止め支持するタンク支持体と、前記燃料タンクを左右に跨ぐ状態で立設する逆U字状のボンネット支持体とを備え、
前記ボンネット支持体は、前記燃料タンクの上部側に作用して前記燃料タンクをタンク支持体上の所定位置に保持する弾性体を備えている。
【0009】
この手段によると、例えば、燃料タンクをタンク支持体に載置した後、弾性体を備えたボンネット支持体を立設することにより、燃料タンクをタンク支持体上の所定位置に固定保持することができる。
【0010】
つまり、燃料タンクに嵌合部や連結部などを形成する必要がなく、又、燃料タンクの組み付けに要する専用部品を少なくすることができる。そして、燃料タンクを組み付けるための専用の作業を不要又は少なくすることができる。
【0011】
従って、コストの削減を図りながら燃料タンクの組み付けを容易にすることができる。
【0012】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記弾性体として、前記燃料タンクにおける上側の左右の角部に対して前記燃料タンクの横外側上方から作用する左右の弾性体を備え、
前記左右の弾性体の弾性により、前記燃料タンクを前記タンク支持体と前記左右の弾性体との間に挟持保持するように構成している。
【0013】
この手段によると、例えば、弾性体をボンネット支持体の上部に備えて、燃料タンクをタンク支持体と弾性体との間での上下方向の挟持で固定保持する場合、又は、弾性体をボンネット支持体の左右両側部に備えて、燃料タンクを左右の弾性体の間での左右方向の挟持で固定保持する場合、などに比較して、燃料タンクの固定保持をより適切に行うことができる。
【0014】
従って、燃料タンクの組み付けに要する専用部品として左右2つの弾性体を備えるだけで、燃料タンクの固定保持をより確実に行うことができる。
【0015】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記左右の弾性体のうちの一方を前記ボンネット支持体の内面に固定し、他方を前記ボンネット支持体に着脱可能に連結している。
【0016】
この手段によると、ボンネット支持体に対して左右一方の弾性体を着脱することにより、燃料タンクをタンク支持体と左右の弾性体との間に挟持保持する状態と、この挟持保持を解除する状態とに、簡単に切り替えることができる。
【0017】
つまり、ボンネット支持体の組み付けや取り外しを行うことなく、燃料タンクの組み付けや取り外しを行うことができる。
【0018】
従って、燃料タンクの組み付け性及びメンテナンス性を向上させることができる。
【0019】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記ボンネット支持体及び前記弾性体が前記燃料タンクの前後一方側に作用するように構成し、
前記燃料タンクの前後他方側を左右に跨ぐ状態で前記タンク支持体に着脱可能に連結する逆U字状の固定バンドを備え、
前記燃料タンクは、その前後他方側に前記固定バンドが係入する溝部を備えている。
【0020】
この手段によると、燃料タンクの前後両側を固定保持することができる。これにより、例えば、燃料タンクとして前後方向に長い大型のものを採用した場合であっても、燃料タンクの固定保持を適切に行うことができる。
【0021】
又、燃料タンクの溝部に固定バンドが係入することにより、燃料タンクの前後方向での固定保持をより確実に行うことができる。
【0022】
従って、燃料タンクの固定保持をより好適に行える上に、大型の燃料タンクにも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】トラクタの左側面図である。
図2】原動部の縦断左側面図である。
図3】原動部の横断平面図である。
図4】燃料タンクの保持構造を示す要部の縦断右側面図である。
図5】燃料タンクの保持構造を示す要部の分解斜視図である。
図6】燃料タンクの前部側に対する保持構造を示す図4のVI−VI矢視断面図である。
図7】燃料タンクの後部側に対する保持構造を示す要部の縦断背面図である。
図8】ボンネットの抜け止め構造を示す要部の分解斜視図である。
図9】燃料タンクの後部側に対する保持構造を示す図7のIX−IX矢視断面図である。
図10】ボンネット支持体と燃料タンクとの間へのシール部材の取り付け構造を示す図7のX−X矢視断面図である。
図11】ボンネット支持体と燃料タンクとの間へのシール部材の取り付け構造を示す図10のXI−XI矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明を作業車の一例であるトラクタに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態で例示するトラクタは、車体フレーム1の前半部に原動部2を備え、車体フレーム1の後半部に搭乗運転部3を備えている。そして、原動部2の左右に駆動可能な操舵輪としての前輪4を配備し、搭乗運転部3の左右に制動可能な駆動輪としての後輪5を配備して、4輪駆動型に構成している。
【0026】
図1及び図2に示すように、車体フレーム1は、その前半部を形成する前部フレーム6の後部に、コモンレールシステム(図示せず)を備えた水冷式の縦型ディーゼルエンジン(以下、エンジンと称する)7を連結し、このエンジン7の下部に、車体フレーム1の後半部を形成するハウジングユニット8を連結して構成している。そして、ハウジングユニット8の前端部に、原動部2と搭乗運転部3とを隔てる隔壁体9を立設し、この隔壁体9の上端に正面視逆U字状のボンネット支持体10を立設している。又、ハウジングユニット8における隔壁体9の後方箇所に、前後方向視略門型のステアリングフレーム11を後傾姿勢で立設している。
【0027】
図1に示すように、ハウジングユニット8は、その後部に、トラクタの後部に連結するロータリ耕耘装置やプラウなどの作業装置(図示せず)の昇降操作を可能にする左右一対のリフトアーム12、左右のリフトアーム12を上下方向に揺動駆動する油圧式のリフトシリンダ13、及び、トラクタの後部にロータリ耕耘装置などの駆動型の作業装置を連結した場合に作業装置への作業用動力の取り出しを可能にするPTO軸14、などを装備している。又、その内部に、エンジン7からの動力を走行用として左右の前輪4と左右の後輪5とに伝達する走行伝動系、及び、エンジン7からの動力を作業用としてPTO軸14に伝達する作業伝動系、などを装備している。
【0028】
図2及び図3に示すように、原動部2は、隔壁体9及びボンネット15などにより形成するエンジンルームに、エンジン7、バッテリ16、エアクリーナ17、円柱状の排気浄化装置18、ラジエータ19、冷却ファン20、及び、平面視L字状の燃料タンク21、などを配備して構成している。エンジン7は、エンジンルームにおける後半部の下側に、その出力軸(図示せず)が前後向きになる姿勢で配備している。バッテリ16及びエアクリーナ17は、エンジンルームの前端部に配備している。排気浄化装置18は、その長手方向が車体の前後方向に沿う前後向き姿勢で、エンジンルームの後半部におけるエンジン7の左半部上方箇所に配備している。ラジエータ19及び冷却ファン20は、後半部のエンジン7と前端部のバッテリ16及びエアクリーナ17との間に配備している。燃料タンク21は、その幅狭の前部側がエンジン7の右半部上方に位置し、その幅広の後部側が隔壁体9の上方に位置するように配備している。
【0029】
図2〜7に示すように、エンジン7は、その前端部の上端に支持部材22を立設している。そして、この支持部材22の上端と隔壁体9の上端とにわたって、燃料タンク21を下方から受け止め支持するタンク支持体23を架設している。タンク支持体23は、支持部材22と隔壁体9とにわたってエンジン7と燃料タンク21との間を仕切る平面視L字状の底遮蔽板24に、燃料タンク21の前端面と対向する前遮蔽板25と、排気浄化装置18と燃料タンク21との間を仕切る平面視L字状の横遮蔽板26とを起立装備して、ボンネット15との間に、エンジン7及び排気浄化装置18に対する遮熱空間を形成するように構成している。つまり、遮熱空間を形成する各遮熱板24〜26を利用してタンク支持体23を構成している。
【0030】
底遮蔽板24は、隔壁体9の上端から支持部材22の上端に向けて前上がりの階段状に形成することにより、その下方に、エンジン7の配置領域、及び、エアクリーナ17からエンジン7にわたる吸気管27の配管領域、などを確保している。燃料タンク21は、その底面を底遮蔽板24に沿った階段状に形成することにより、その容積を大きくしながら、底遮蔽板24に対する前後方向での位置決めを行い易くしている。そして、底遮蔽板24の上面には、燃料タンク21の底面との間に介装する板状の複数の防振ゴム28を備えている。
【0031】
図1及び図2に示すように、搭乗運転部3は、ステアリングホイール29、メータパネル30、及び、運転座席31などを備えている。ステアリングホイール29は、図外のステアリング軸及び全油圧式のパワーステアリング機構などを介して左右の前輪4に連係している。ステアリング軸は、ステアリングフレーム11と同じ後傾姿勢でステアリングフレーム11の上端に立設したステアリングポスト34に回動可能に挿通装備している。メータパネル30は、ステアリングフレーム11の上方で、かつ、ステアリングポスト34の前方の位置に前傾姿勢で配備している。
【0032】
図1〜5及び図8に示すように、ボンネット支持体10は、その上端部から前上方に向けて延出する左右のブラケット35を備えている。そして、それらのブラケット35の延出端にわたって左右向きの支軸36を架設している。一方、ボンネット15は、その天板後端部の内面における左右両端側箇所に、左右のフック金具37を、それらの後端側が開放側になる状態で分散配備している。又、その天板後端部の内面における左右中央側箇所に、L字形の係合金具38を、その後端側が開放側になる状態で装備している。そして、係合金具38の後端側に、ボンネット15と係合金具38との間に支軸36を抜け止め保持する抜け止めボルト39を着脱可能に螺合装備し、これにより、各フック金具37の支軸36からの離脱を阻止するように構成している。
【0033】
この構成から、ボンネット15に備えた左右のフック金具37及び係合金具38をボンネット支持体10に備えた左右向きの支軸36に係合した後、その支軸36を抜け止めボルト39で抜け止めすることにより、ボンネット15を、左右向きの支軸36を支点にした上下揺動による開閉操作が可能な状態でボンネット支持体10に簡単かつ確実に取り付けることができる。又、抜け止めボルト39による支軸36の抜け止めを解除することにより、ボンネット支持体10からボンネット15を簡単に取り外すことができる。
【0034】
これにより、例えば、左右のフック金具37のそれぞれに、抜け止めボルト39の着脱を可能にする螺合部を備える場合に比較して、構成の簡素化を図りながら、ボンネット支持体10に対するボンネット15の着脱を容易にすることができる。
【0035】
図2〜6に示すように、ボンネット15は、燃料タンク21とタンク支持体23の横遮蔽板26との間に配備したボンネットダンパ40によって開き方向に揺動付勢している。又、図外のロック機構により、ボンネットダンパ40の付勢に抗して閉じ姿勢にて固定保持することができる。
【0036】
ところで、原動部2に対するメンテナンスを行い易くするためにボンネット15の開き角度を大きく設定すると、ボンネットダンパ40として、伸縮ストロークが長いことにより収縮時の全長も長くなるものを採用する必要がある。又、ボンネットダンパ40は熱の影響を受け易いものであることから、閉じ姿勢のボンネット15とタンク支持体23とから形成する遮熱空間に配備して、エンジン7及び排気浄化装置18からの放熱の影響を受け難くすることが望ましい。
【0037】
しかしながら、遮熱空間は、視界性の確保から高さ制限されるボンネット15などから形成したエンジンルームにおける冷却ファン20よりも後側でエンジン7よりも上側の限れた領域において、排気浄化装置18の配管領域、及び、吸気管27の配管領域、などを除いた狭い領域であることから、収縮時の全長が長いボンネットダンパ40の全体を収納することができなくなっている。
【0038】
そこで、このトラクタにおいては、タンク支持体23における底遮蔽板24の前端部にダンパ挿通用の開口24Aを形成している。そして、ボンネットダンパ40におけるシリンダチューブ側の端部を、ボンネット15の内面における左右中央側箇所に備えたダンパ用の第1連結部材41に枢支連結している。又、ボンネットダンパ40におけるピストンロッド側の端部に、前述した支持部材22に連結するダンパ用の第2連結部材42を枢支連結している。
【0039】
第2連結部材42は、支持部材22の上端に水平姿勢で連結する連結部42Aの右端から垂下する垂下部42Bを備え、この垂下部42Bの前端側をダンパ枢支用の枢支部として使用している。連結部42Aは、タンク支持体23の底遮蔽板24とともに、支持部材22の上端に立設した前後のスタッドボルト43などを使用して、支持部材22の上端に載置状態で着脱可能にボルト連結するように構成している。垂下部42Bは、連結部42Aを支持部材22に連結した状態では、底遮蔽板24の開口24Aに入り込んで枢支部が底遮蔽板24よりも下方に位置するように形成している。
【0040】
この構成から、ボンネットダンパ40におけるシリンダチューブ側の端部をボンネット15の第1連結部材41に枢支連結し、かつ、ボンネットダンパ40におけるピストンロッド側の端部に枢支連結した第2連結部材42を、タンク支持体23の底遮蔽板24とともに支持部材22の上端に載置してボルト連結することにより、第2連結部材42の枢支部とともにボンネットダンパ40におけるピストンロッド側の端部を、底遮蔽板24よりも下方の遮熱空間外の所定位置に位置させた状態で、ボンネットダンパ40のシリンダチューブ40Aとともにピストンロッド40Bにおけるシリンダチューブ側の大部分を、閉じ姿勢のボンネット15とタンク支持体23との間の狭い遮熱空間に配備することができる。
【0041】
つまり、原動部2に対するメンテナンスを行い易くするためにボンネット15の開き角度を大きくしたことで、ボンネットダンパ40として、伸縮ストロークが長いことで収縮時の全長も長くなるものを採用しても、ボンネット15の閉じ状態では、少なくとも熱の影響を受け易いボンネットダンパ40のシリンダチューブ側を遮熱空間に配備することができる。これにより、エンジン7及び排気浄化装置18からの放熱がボンネットダンパ40に及ぼす影響を効果的に小さくすることができる。
【0042】
そして、ボンネットダンパ40に枢支連結した状態の第2連結部材42を支持部材22に連結することにより、支持部材22に連結した第2連結部材42にボンネットダンパ40を後付けする必要がないことから、ボンネットダンパ40の取り付けを容易にすることができる。
【0043】
又、底遮蔽板24の開口24Aを、ボンネットダンパ40の後付け操作を可能にするために大きく形成する必要がなく、しかも、第2連結部材42の枢支部には、ボンネットダンパ40におけるシリンダチューブ側よりも外径の小さいシリンダチューブ側を連結することから、シリンダチューブ側を連結する場合に比較して底遮蔽板24の開口24Aを小さくすることができる。これにより、エンジン7及び排気浄化装置18からの放熱が底遮蔽板24の開口24Aから遮熱空間に流れ込むことを効果的に抑制することができ、エンジン7及び排気浄化装置18からの放熱が遮熱空間内のボンネットダンパ40などに及ぼす影響を効果的に小さくすることができる。
【0044】
尚、ボンネットダンパ40にはガスダンパ又はオイルダンパなどを採用することができる。
【0045】
図2〜7に示すように、タンク支持体23は、底遮蔽板24の後端部が隔壁体9の上端から後方に延出して、底遮蔽板24の後端がステアリングフレーム11に隣接するように構成している。これにより、ボンネット支持体10とステアリングフレーム11及びメータパネル30との間の空間を、燃料タンク21の配置が可能な遮熱空間とすることができる。
【0046】
燃料タンク21は、その後部側が底遮蔽板24の後端部とボンネット支持体10との間を通ってステアリングフレーム11及びメータパネル30に隣接する前後長さを有するように形成している。又、燃料タンク21の後部側を、その周面が底遮蔽板24の後端部上面とボンネット支持体10の内縁とに隣接し、更に、その後端面の下部側がステアリングフレーム11に隣接する後傾姿勢になり、その後端面の上部側がメータパネル30に隣接する前傾姿勢になる形状に形成している。
【0047】
つまり、エンジンルームの遮熱空間だけでなく、ボンネット支持体10とステアリングフレーム11及びメータパネル30との間の空間をも燃料タンク21の配置空間として有効利用することができる。そして、これらの空間を無駄なく利用することができる形状に燃料タンク21を形成することにより、ボンネット15の上端位置が高くなって視界性が悪くなるなどの不都合を招くことなく、燃料タンク21の容積を大幅に大きくすることができる。
【0048】
図2〜7及び図9に示すように、ボンネット支持体10は、正面視逆U字状に形成した溝形鋼材からなる第1部材44に、正面視逆U字状に形成した板金製の第2部材45、及び、燃料タンク保持用の弾性体46である左右のゴム体46、などを備えている。そして、燃料タンク21を左右に跨ぐ状態で隔壁体9に立設した場合には、第2部材45の外縁が閉じ姿勢のボンネット15の内面に隣接し、かつ、第2部材45の内縁が燃料タンク21の外面に隣接するように構成している。又、左右のゴム体46が、燃料タンク21の上部側に作用して燃料タンク21の後部側をタンク支持体23における底遮蔽板上の所定位置に保持するように構成している。
【0049】
燃料タンク21の保持構造について詳述すると、ボンネット支持体10において、第1部材44は、その左右の上端部に、燃料タンク21の後部における上側の左右の角部に備えた内向き傾斜部21Aに対向する傾斜部44Aを備えている。そして、左側の傾斜部44Aの内面に、左用のゴム体46を接着などによって固定装備している。又、右側の傾斜部44Aに、右側の内向き傾斜部21Aに対する直交方向(燃料タンク21に対する遠近方向)を螺合方向とする上下2つの螺合部44Bを形成し、これらの螺合部44Bを使用して傾斜部44Aの外面に着脱可能にボルト連結する支持板47を備えている。そして、この支持板47における燃料タンク21の右側の内向き傾斜部21Aとの対向面に右用のゴム体46を接着などによって固定装備している。
【0050】
一方、タンク支持体23は、底遮蔽板24の前部側に、燃料タンク21の前部側を左右に跨ぐ状態で底遮蔽板24に着脱可能にボルト連結する逆U字状の固定バンド48を備えている。固定バンド48は、底遮蔽板24にボルト連結した状態では、燃料タンク21の前部側に形成した固定バンド係入用の溝部21Bに係入するように構成している。燃料タンク21の溝部21Bは、固定バンド48のバンド幅よりも少し幅広の溝幅を有するように形成している。
【0051】
上記の構成から、燃料タンク21をタンク支持体23における底遮蔽板24の所定位置に載置した後、固定バンド48を底遮蔽板24にボルト連結すると、燃料タンク21の溝部21Bに固定バンド48が係入する。又、底遮蔽板24に備えた防振ゴム28の弾性力が、燃料タンク21における前部側の底面に対して下方から作用する。
【0052】
これにより、燃料タンク21の前部側を、燃料タンク21の溝部21Bと固定バンド48との係合によって前後方向への位置ズレを防止した状態で、底遮蔽板24の防振ゴム28と固定バンド48との間に挟持保持することができる。
【0053】
又、ボンネット支持体10の第1部材44における右側の傾斜部44Aに、右用のゴム体46を備えた支持板47をボルト連結すると、右側のゴム体46の弾性力が、燃料タンク21における右側の内向き傾斜部21Aに対して燃料タンク21の右外側上方から作用する。又、左側のゴム体46の弾性力が、燃料タンク21における左側の内向き傾斜部21Aに対して燃料タンク21の左外側上方から作用する。更に、底遮蔽板24に備えた防振ゴム28の弾性力が、燃料タンク21における後部側の底面に対して下方から作用する。
【0054】
これにより、燃料タンク21の後部側を、底遮蔽板24の防振ゴム28とボンネット支持体10の左右のゴム体46との間に挟持保持することができる。
【0055】
つまり、ボンネット支持体10を、燃料タンク21の後部側を所定位置に保持する保持部材に兼用することができ、これにより、燃料タンク21の組み付けに要する構成の簡素化を図ることができる。又、このように構成の簡素化を図りながらも、タンク支持体23の底遮蔽板24に固定バンド48をボルト連結し、ボンネット支持体10に右用のゴム体46を備えた支持板47をボルト連結するだけで、燃料タンク21の組み付けを簡単かつ確実に行うことができる。
【0056】
図5図7及び図9〜11に示すように、ボンネット支持体10は、第2部材45における内周側の上縁部と左右の縁部とのそれぞれに、ボンネット支持体10と燃料タンク21との間に形成された隙間を塞ぐスポンジ製のシール部材49の後付けを容易にする2つの凹部45Aを、それらの長手方向に所定間隔をあけた状態で形成している。シール部材49は、上縁用と左縁用と右縁用との3種類があり、それらの前面に、対応する凹部45Aに対する後方からの係止嵌合を可能にする係止部49Aを突出形成している。
【0057】
これにより、隔壁体9にボンネット支持体10を立設して燃料タンク21を組み付けた状態において、各シール部材49を、ボンネット支持体10の第2部材45に対して、第2部材45の後方から、ボンネット支持体10と燃料タンク21との隙間を塞ぐ状態に簡単かつ確実に取り付けることができる。
【0058】
〔別実施形態〕
【0059】
〔1〕燃料タンク21は、例えば、その前端がエンジン7の後方に位置するように前後長さを短くしたものであってもよい。
【0060】
〔2〕燃料タンク21は、例えば、その上側の角部に内向き傾斜部21Aを備えていないものであってもよい。
【0061】
〔3〕燃料タンク21は、例えば、その底面を平らに形成したものであってもよい。
【0062】
〔4〕タンク支持体23は、例えば、前遮蔽板25と横遮蔽板26とのいずれか一方又は双方を備えていないものであってもよい。
【0063】
〔5〕タンク支持体23は、例えば、底遮蔽板24を平らに形成したものであってもよい。
【0064】
〔6〕タンク支持体23は、例えば、底遮蔽板24に代えて、平面視格子状のタンク載置部を備えるように構成したものであってもよい。
【0065】
〔7〕ボンネット支持体10は、例えば、その上端部の左右中央箇所に単一の弾性体46を装備して、燃料タンク21を、タンク支持体23と弾性体46との間で上下方向に挟持して固定保持するように構成したものであってもよい。
【0066】
〔8〕ボンネット支持体10は、例えば、その左右両側部に左右の弾性体46を装備して、燃料タンク21を、左右の弾性体46の間で左右方向に挟持して固定保持するように構成したものであってもよい。
【0067】
〔9〕ボンネット支持体10は、例えば、その上端部の左右中央箇所と左右両側部とのそれぞれに弾性体46を装備して、燃料タンク21を、タンク支持体23と弾性体46との間での上下方向の挟持と、左右の弾性体46の間での左右方向の挟持とで固定保持するように構成したものであってもよい。
【0068】
〔10〕ボンネット支持体10は、例えば、その上端部の左右両端箇所に、燃料タンク21における上側の左右の角部に対して燃料タンク21の横外側上方から作用する左右の弾性体46を装備して、燃料タンク21をタンク支持体23と左右の弾性体46との間に挟持保持するように構成したものであってもよい。
【0069】
〔11〕弾性体46を、例えば、圧縮バネにより構成してもよく、又、ゴム体と圧縮バネにより構成してもよい。
【0070】
〔12〕ボンネット支持体10に備える全ての弾性体46をボンネット支持体10に固定装備してもよく、又、ボンネット支持体10に備える全ての弾性体46をボンネット支持体10に着脱可能に装備してもよい。
【0071】
〔13〕例えば、原動部2を車体の後部側に配備することなどにより、ボンネット15を、その前部側を支点にした上下揺動によって開閉操作するように構成した作業車においては、燃料タンク21の前部側をボンネット支持体10及び弾性体46により固定保持し、燃料タンク21の後部側を固定バンド48によって固定保持するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、燃料タンク及びボンネット支持体を備えたトラクタ、乗用草刈機、乗用田植機、バックホー、又は、運搬車などの作業車に適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
10 ボンネット支持体
21 燃料タンク
21B 溝部
23 タンク支持体
46 弾性体
48 固定バンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11