(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記特定の再生処理は、前記指示入力が所定の時間内に複数回あった場合、番組を再生する速さが入力の回数に応じて異なることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
図1は、マルチチャンネル放送を行っている放送局が含まれる場合の、電子番組表の例である。「マルチチャンネル放送」とは、1つの放送局が、複数の番組を放送していることを指す。この電子番組表では、1つの放送局が、マルチチャンネル放送(チャンネル011およびチャンネル012)を行っている。この電子番組表の例では、番組011−1と番組012−1とは、それぞれ同じ番組であり、視聴者は番組012−1を視聴している。マルチチャンネル放送において、番組011−1と番組012−1とは、それぞれ別の番組であることもある。以下の実施形態の説明では、この電子番組表を例にとって説明する。
【0012】
図2は、実施形態に係る記録再生装置1(電子機器)の構成を示す図である。
【0013】
図2に示すように、記録再生装置1は、アンテナ101、入力端子102、チューナー部103、外部入力端子104〜107、信号処理部108、コントローラ110、OSD信号生成部111、グラフィック処理部112、映像処理部113、音声処理部114、操作部115、受信部117、カードホルダ119、カードインターフェース120、明るさセンサー121、LAN端子122、通信インターフェース123、USB端子124、USBインターフェース125、iLINK端子126、iLINKインターフェース127、HDMI(登録商標)端子128、HDMIインターフェース129、映像表示部141、スピーカ142、及びHDD151、152を備えている。
【0014】
さらに、チューナー部103は、地上デジタルテレビジョン放送用のチューナー1031〜1038を備え、さらにBS/CSデジタルテレビジョン放送用のチューナーも備えている。地上デジタルテレビジョン放送用のチューナー1031〜1038により、地上デジタルテレビジョン放送に対応した番組表を受信し、表示することができる。また、BS/CSデジタルテレビジョン放送用のチューナーにより、BS/CSデジタルテレビジョン放送に対応した番組表を受信し、表示することもできる。
【0015】
また、本実施形態では、
図2に示すように、記録再生装置1が、映像表示部141及びスピーカ142を備えるケースについて説明する。しかしながら、記録再生装置1は、このような構成に限定されるものではない。例えば、記録再生装置1は、映像表示部141及びスピーカ142を含まない構成であってもよい。つまり、記録再生装置1は、HDMI等の接続手段を介して映像表示部141及びスピーカ142と接続する構成であってもよい。
【0016】
また、本実施形態では、
図2に示すように、記録再生装置1が、HDD151、152を備えるケースについて説明する。しかしながら、記録再生装置1は、このような構成に限定されるものではない。例えば、記録再生装置1は、HDD151、152を含まない構成であってもよい。つまり、記録再生装置1は、USB端子及びUSBインターフェース125などの接続手段を介して外部記憶装置(HDDなど)と接続する構成であってもよい。
【0017】
また、本実施形態では、
図2に示すように、記録再生装置1が、複数のチューナーを備えるケースについて説明する。しかしながら、記録再生装置1は、このような構成に限定されるものではない。例えば、記録再生装置1が、複数のチューナーを含まない構成であってもよい。その場合、例えば、記録再生装置1は、LAN端子122を介してIP(Internet Protocol)放送を受信し、IP放送の複数チャンネルに対応した番組を再生したり、録画したりする構成であってもよい。
【0018】
以下、記録再生装置1の詳細について説明する。
【0019】
地上波放送受信用のアンテナ101で受信した地上デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子102を介してチューナー1031〜1038に供給され、チューナー1031〜1038の地上デジタルテレビジョン放送用信号処理部で、所望のチャンネルのデジタルテレビジョン放送信号が選局される。そして、このチューナー1031〜1038で選局された複数のデジタルテレビジョン放送信号は、OFDM(orthogonal frequency division multiplexing)復調モジュールに供給されて、デジタルの映像信号及び音声信号に復調された後、信号処理部108に出力される。
【0020】
ここで、上記信号処理部108は、OFDM復調モジュールから供給されたデジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択的に所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理部112及び音声処理部114に出力している。
【0021】
また、上記信号処理部108には、例えば4つの入力端子104〜107が接続されている。これら入力端子104〜107は、それぞれ、アナログの映像信号及び音声信号を、記録再生装置1の外部から入力可能とするものである。
【0022】
そして、この信号処理部108は、各入力端子104〜107からそれぞれ供給されたアナログの映像信号及び音声信号を選択的にデジタル化し、このデジタル化された映像信号及び音声信号に対して所定のデジタル信号処理を施した後、グラフィック処理部112及び音声処理部114に出力している。
【0023】
このうち、グラフィック処理部112は、信号処理部108から供給されるデジタルの映像信号に、OSD(on screen display)信号生成モジュール111で生成されるOSD信号を重畳して出力する機能を有する。このグラフィック処理部112は、信号処理部108の出力映像信号と、OSD信号生成部111の出力OSD信号とを選択的に出力すること、また、両出力をそれぞれ画面の半分を構成するように組み合わせて出力することができる。
【0024】
そして、グラフィック処理部112から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理部113に供給される。映像処理部113により処理された映像信号は、映像表示部141に供給される。映像表示部141は、映像信号に基づく映像を表示する。
【0025】
また、上記音声処理部114は、入力されたデジタルの音声信号を、スピーカ142で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換した後、スピーカ142に出力して音声再生させる。
【0026】
ここで、この記録再生装置1は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作をコントローラ110によって統括的に制御されている。コントローラ110は、CPU(central processing unit)等を備え、操作部115からの操作情報(各種指示)、または、リモートコントローラ116から送出され受光部117を介して受信した操作情報(各種指示)を受けて、その操作内容が反映されるように各モジュール等をそれぞれ制御する。
【0027】
また、コントローラ110は、CPUが実行する制御プログラムを格納したROM(read only memory)1101と、CPUに作業エリアを提供するRAM(random access memory)1102と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリ1103とを備えている。
【0028】
また、コントローラ110は、カードインターフェース120を介して、メモリカード118が装着可能なカードホルダ119に接続されている。これによって、コントローラ110は、カードホルダ119に装着されたメモリカード118と、カードインターフェース120を介して、情報伝送を行なうことができる。
【0029】
また、上記コントローラ110は、通信インターフェース123を介してLAN端子122と接続されている。これにより、コントローラ110は、LAN端子21に接続されたLAN対応機器と、通信インターフェース123を介して情報伝送を行なうことができる。この場合、コントローラ110は、DHCP(dynamic host configuration protocol)サーバ機能を有し、LAN端子122に接続されたLAN対応機器にIP(internet protocol)アドレスを割り当てて制御している。
【0030】
さらに、上記コントローラ110は、HDMIインターフェース129を介してHDMI端子128と接続されている。これにより、コントローラ110は、HDMI端子128に接続されたHDMI対応機器と、HDMIインターフェース129を介して情報伝送を行なうことができる。
【0031】
そして、上記コントローラ110は、USBインターフェース125を介してUSB端子124と接続されている。これにより、コントローラ110は、USB端子124に接続されたUSB対応機器と、USBインターフェース125を介して情報伝送を行なうことができる。
【0032】
さらに、上記コントローラ110は、iLINKインターフェース127を介してiLINK端子126と接続されている。これにより、コントローラ110は、iLINK端子126に接続されたiLINK対応機器と、iLINKインターフェース127を介して情報伝送を行なうことができる。
【0033】
さらに、上記コントローラ110は、明るさセンサー121からの明るさ検出信号を受信するように構成されている。これにより、コントローラ110は、明るさ検出信号に基づき、映像及びバックライトの明るさ等を制御することができる。
【0034】
さらに、上記コントローラ110は、チューナー部103により選局されデスクランブルされた放送信号を、HDD151、152、或いはLAN端子122又はUSB端子124を介して接続された外部記憶装置(HDDなど)へ録画するための録画動作を制御することもできる。なお、上記したように、チューナー部103は、複数のチューナーを備えているので、同時に、複数チャンネルの番組を録画したり、複数チャンネルの番組を表示したりすることができる。例えば、記録再生装置1は、ハイビジョンレベルの画質で複数チャンネル(指定された複数チャンネル)の1週間分(例えば1週間分の指定された時間帯)の番組を録画することが可能となる。このような録画をマルチ同時録画と称する。なお、記録再生装置1は、上記したマルチ同時録画を実現するために、複数チャンネルに対応した複数チューナー1031〜1038を備えており、更に、スクランブル放送に対応するために、複数チューナー1031〜1038に対応した複数のデスクランブル用のカードを挿入するための複数のカードスロットも備えている。
【0035】
次に、記録再生装置による録画について説明する。例えば、記録再生装置の不揮発性メモリ1103が、ユーザにより設定された所定の録画設定情報を記憶している場合、コントローラ110は、所定の録画設定情報に基づき録画を制御する。
【0036】
例えば、所定の録画設定情報が、チャンネル011を19:00〜22:00まで録画する録画情報を含むとする。その場合、コントローラ110は、先の録画情報に基づき、19:00〜22:00の間、チャンネル011の信号の選択を制御する。コントローラ110の信号選択制御に基づき、チューナー1031は、19:00〜22:00の間、放送信号からチャンネル011の信号を選択し、信号処理部108へチャンネル011の信号を入力する。
【0037】
信号処理部108は、チャンネル011の信号をデスクランブルし、コントローラ110は、デスクランブルされたチャンネル011の信号に対応した番組データをHDD151へ記録するように制御する。
【0038】
例えば、
図1に示すように、チャンネル011の19:00〜20:00に番組011−1が放送され、20:00〜22:00に番組011−2が放送されている場合には、HDD151は、番組011−1の全部と番組011−2の全部とを記録する。つまり、HDD151は、19:00〜22:00の間、チャンネル011の信号に対応した各番組を記録し続ける。
【0039】
コントローラ110は、上記した所定の録画設定に基づき、19:00〜22:00の間、チャンネル011のチャンネルの番組を記録するように制御する。
【0040】
次に、録画番組の再生処理について説明する。例えば、コントローラ110は、リモートコントローラ116等を介して入力されたチャンネル012の視聴指示(選局操作)に基づいて、チャンネル012の信号の選択を制御する。これに対応して、チューナー1032は、放送信号からチャンネル012の信号を選択し、信号処理部108へ入力する。信号処理部108は、チャンネル012の信号をデスクランブルし、チャンネル012の信号に対応した番組のビデオ信号をグラフィックモジュール112、映像処理部113を介して、映像表示部141へ出力し、チャンネル012の信号に対応した番組のオーディオ信号を、音声処理部114を介して、スピーカ142へ出力する。これにより、映像表示部141は、チャンネル012の信号に対応した番組の映像を表示し、また、スピーカ142は、チャンネル012の信号に対応した番組の音声を出力する。
【0041】
上記した所定の録画設定情報に基づき所定の録画が実行され、且つ上記したチャンネル012−1の視聴が実行されていることを前提として、以下に実施形態に係る記録再生装置の再生処理を説明する。
【0042】
図3は、実施形態に係る記録再生装置が再生処理の開始を指示された際の動作フローを示す図である。ここでは、上で説明したように、番組011−1と番組012−1とは同じ内容であるため、視聴者は、実際は番組012−1を視聴しているにもかかわらず、番組011−1を視聴していると誤認識しているとする。この場合、視聴中の番組012−1を最初から見る(「はじめにジャンプ」する)ためにリモートコントローラ116等を介して番組012−1の再生指示(例えば、19:30に入力された再生指示)を行うと、コントローラ110は、現在視聴中の番組サービス(番組012−1)は記録中であるか否かを判定する [ 01 ]。番組012−1が記録手段によって記録されていない場合 [ 01-NO ]、コントローラ110は、視聴中の番組サービス(番組012−1)と同じ識別情報の番組があるか否かを判定する [ 02 ]。
【0043】
識別情報は、放送番組毎に割り当てられた情報であり、同一放送局がマルチチャンネル放送により同じ番組を同じ時間帯に放送している場合は、同じ識別情報が割り当てられている。識別情報は、例えば、番組のイベントID、タイトルID、番組のタイトル、コマーシャル情報、その他番組を識別できる情報である。
【0044】
この場合、番組011−1が番組012−1と同じ識別情報を有する番組に該当する。視聴中の番組サービスと同一識別情報の番組が他に放送されている場合 [ 02-YES ]、コントローラ110は、先の視聴中の番組サービス(番組012−1)と同一識別情報の番組(番組011−1)は記録中であるか否かを判定する [ 03 ]。同一識別情報の番組(番組011−1)が記録中である場合 [ 03-YES ]、コントローラ110は、その番組を抽出し、抽出した同一識別情報の番組記録に対して上述の再生処理を実行する。すなわち、視聴中の番組の「はじめにジャンプ」する。
【0045】
番組012−1と識別情報が共通の番組が記録されていない場合、例えば、「この番組は録画されていません」といった、警告メッセージを画面に表示する。警告メッセージの表示位置は、画面中央でもよいし、画面の下端であってもよく、画面上の任意の位置に表示可能である。また、警告メッセージの表示時間は、例えば、1秒、2秒、3秒、4秒またはそれ以上であってもよい。警告メッセージは、表示された後のユーザーの操作によって閉じるようにしてもよい。警告メッセージは、例えば、「戻る」、「終了」、「閉じる」などの制御信号の指示(操作入力)によって閉じるようにしてよい。
【0046】
再生処理の内容は、再生指示が所定の時間内に複数回なされることによって変わってもよい。再生処理の内容は、例えば、再生指示の入力が所定の時間内に2回あった場合、記録された番組を2倍速で再生し、再生指示の入力が所定の時間内に3回あった場合、記録された番組を3倍速で再生する。所定の時間とは、例えば、1秒以内、2秒以内または3秒以内であってもよい。
【0047】
また、一旦再生処理を行った後、再度再生指示の入力を所定の時間内に複数回行うことにより、再生速度を変更してもよい。その場合も上記と同様に、例えば、再生指示の入力が所定の時間内に2回あった場合、記録された番組を2倍速で再生し、再生指示の入力が所定の時間内に3回あった場合、記録された番組を3倍速で再生するといった具合である。また、所定の時間についても同様に、例えば、1秒以内、2秒以内または3秒以内とする。
【0048】
図1の場合、番組011−1は、番組放送の最初から記録されているので、再生開始位置を番組の放送開始時点とすることができる。すなわち、番組の頭出し再生が可能である。番組の記録開始が、番組放送の途中からなされている場合は、再生開始位置を番組の記録開始時点とすることができる。
図4では、番組011−1は、18:00から放送が開始されているが、番組011−1の記録開始は、19:00からである。したがって、この場合、番組011−1の再生開始位置は、時点Aではなく、時点Bの位置である。
【0049】
また、再生指示の入力をリモートコントローラ116またはタブレット端末といった外部制御機器などによって行う場合、入力ボタンを所定の時間以上長押しすることによって、再生開始位置を現在放送している時点にあわせることもできる。この場合、記録している番組の放送時点の直前の記録領域が再生可能となる。
【0050】
以上の説明からわかるとおり、実施形態が有する機能により、ユーザーは、マルチチャンネル放送のうち記録されていない方の番組を視聴していたとしても、視聴中の番組の先頭または記録開始位置から再生することが可能である。従って、ユーザーは、同一時間帯に同じ番組がマルチチャンネル放送されていたとしても、どちらのチャンネルを視聴中であるか確認する必要がない。または、ユーザーが視聴中の番組の再生処理を実施するのに、視聴中のチャンネルを記録中のチャンネルに合わせる手間が省ける。
【0051】
また、実施形態が有する機能により、ユーザーは、記録された番組の再生速度を変えることができる。番組の再生速度を上げることにより、番組再生の視聴したい位置を早く検索することができる。それ故、番組を早く見終わりたいユーザーまたは忙しいユーザーは、時間を節約することができる。
【0052】
さらには、実施形態が有する機能により、ユーザーは、記録された番組を現在放送中の時点と同じ箇所から再生できる。従って、放送時点から番組をさかのぼって視聴したい位置を探すのが容易になる。これにより、ユーザーは時間を節約できる。
【0053】
上記のとおり、実施形態が有する機能により、ユーザーの番組視聴体験は向上する。
【0054】
上記説明では、録画するチャンネルは011のみを説明したが、それ以外にも複数チューナーを用いて、複数のチャンネルを同時に録画する形態であってもよい。
【0055】
また、上記の実施形態の説明において、再生処理の信号を外部制御機器から送信するための入力ボタンに、「はじめにジャンプ」する機能であることがわかるような表示を施してもよい。例えば、入力ボタンの側に、「はじめにジャンプ」と表示してもよい。または、入力ボタンそのものを「はじめにジャンプ」ボタンと称してもよい。
【0056】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。