【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様では、流体ポート、少なくとも1つのセンサ、流量制御装置、および流量制御弁を含むシステムが提供される。流体ポートは、流体チャネル、手動投与可能な流体供給源の出口に連結するように構成された流体チャネルの第1の端部にある流体入口、および手動投与可能な流体供給源から患者に提供する流体流路に流体を送達するように構成された流体チャネルの第2の端部にある流体出口を含むことができる。少なくとも1つのセンサが、手動投与可能な流体供給源からの流体の少なくとも1つの属性を特徴づける。流量制御装置は、少なくとも1つのセンサと通信し、少なくとも1つのルールによって指定された少なくとも1つの条件に整合する、特徴づけられた少なくとも1つの属性に応答して少なくとも1つの流れ変更信号を生成する。流量制御弁は、流量制御装置と通信し、流体ポートから分離した別個の位置に流体流路に沿って配置される。流量制御弁は、それを通る手動投与可能な流体供給源からの流体の流れ制限のレベルを少なくとも1つの流れ変更信号を受信することに応答して変更する。
【0006】
少なくとも1つのセンサは、(i)手動投与可能な流体供給源が流体入口に連結されている場合、(ii)手動投与可能な流体供給源が流体入口に連結された場合、および/または(iii)流体が流体チャネルを通過している場合、手動投与可能な流体供給源からの流体の少なくとも1つの属性を特徴づけることができる。
【0007】
少なくとも1つのセンサは、流体ポートと一体であり、または流体ポートに連結され得る。その他の変形形態では、少なくとも1つのセンサは、流体ポートから分離し、別個になっていることができる。さらに、流体流路に沿った異なる点にある流量制御弁は、いくつかの変形形態で実施され得る。さらに、流量制御弁は、流体ポートから下流側および/または流体ポートから上流側の流体流路にあることができる。
【0008】
流量制御弁を通過する手動投与可能な流体供給源からの流体の流れ制限のレベルを変更することは、(i)すべての流体が流量制御弁を通過するのを抑止すること、および/または(ii)流量制御弁を通過する流体の現在の流量をより高いまたはより低い流量に調整することを含むことができる。
【0009】
流量制御装置は、(実施されるソフトウェアおよび/またはハードウェアであることができる)ルールエンジンを含み、または(たとえば、コンピュータネットワーク、ワイヤレスネットワークなどを介して)ルールエンジンと通信することができる。そのようなルールエンジンは、複数のルールを使用して、少なくとも1つの属性が少なくとも1つのルールによって指定された少なくとも1つの条件に整合するかどうかを判定することができる。流量制御装置は、いくつかの変形形態では、少なくとも1つの遠隔データソースをポーリングして、ルールの少なくとも一部分を取得することができる。ルールエンジンは、ルールを適用する場合、少なくとも1つの条件に整合があるかどうかを判定するために、(i)少なくとも1つの属性、(ii)手動で入力されたユーザ入力、および(iii)流体情報、患者固有の情報、医療オーダ情報、診療ガイドライン情報、環境要因、流量制御弁ステータス、および履歴情報からなる群から選択された流れ制御入力データを使用することができる。
【0010】
流体ポートは、データを流量制御装置に送信し、流量制御装置から受信するためのワイヤレス送受信機を含むことができ、流量制御装置は、データを流体ポートに送信し、流体ポートから受信するワイヤレス送受信機をさらに備える。さらに、流量制御装置は、流量制御弁の状態を特徴づける流体ポート以外の外部の装置にデータを送信することができる。
【0011】
手動投与可能な流体供給源の出口は、その上にエンコードされた流体供給源情報を含むことができる。そのような場合、少なくとも1つのセンサは、手動投与可能な流体供給源が流体ポート入口に連結されている、または連結された場合、手動投与可能な流体供給源情報を検出する識別センサを含むことができる。流体供給源情報は、手動投与可能な流体供給源内に含まれた流体の特性である二次データセットを参照するために使用されるコードまたは識別子であることができる。二次データセットは、(任意選択で流体ポートの一部分を形成することができる)メモリに格納され得る。二次データセットは、通信ネットワークを介して流量制御装置に連結された遠隔データソースに格納され得る。遠隔データソースは、医療装置および/または医療情報システムの一部分を形成することができる。少なくとも1つの流れ変更信号が、検出された流体供給源情報を処理するルールエンジンを使用して生成され得る。
【0012】
少なくとも1つのセンサは、流体の組成を特徴づける流体組成センサであることができる。流体組成センサは、流体入口と流体出口の間の流体チャネルに沿って配置され得る。少なくとも1つの属性が、チャネルを通って流れる流体内にある少なくとも1つの構成成分を示すことができる。少なくとも1つの流れ変更信号が、第2の感知された流体組成情報の結果を処理するルールエンジンを使用して生成され得る。
【0013】
手動投与可能な流体供給源からの内容物は、手動投与可能な流体供給源が流体入口内に流体の送達を開始した後、少なくとも時間T1の間は患者に到達しない。この構成に対応するために、流量制御装置および流量制御弁は手動投与可能な流体供給源が流体入口内に流体送達を開始した後、時間T2<T1以内に流体流路内の流れを制限するように構成され得る。
【0014】
システムの一部分を形成する様々な要素は、ワイヤレス送信機、受信機、および/または送受信機を有することができる。ワイヤレス送信機が提供されて、少なくとも1つのセンサから流量制御装置にデータを送信することができる。ワイヤレス送受信機が流量制御装置に連結されて、流量制御弁の動作に関係するデータを受信および送信することができる。ワイヤレス受信機は、流量制御装置から流れ変更信号を受信するために、流量制御弁に連結され得る。ワイヤレス送信機が流量制御弁に連結されて、流量制御装置から少なくとも1つの流れ変更信号を受信することに応答して、流量制御弁を通過する流体に適用されている流体流れ制限のレベルの変更を示す情報を流量制御装置に送ることができる。
【0015】
少なくとも1つのセンサは、識別センサ、流量センサ、および組成センサを含む任意の多様なセンサであることができる。
【0016】
流体は投薬であることができ、少なくとも1つの属性は、1または複数の、投薬のタイプ、投薬の濃度、投薬体積、投薬有効期限日、投薬の剤形、投薬に関する用量指示、特定の患者に関する投与指示、投薬調合、投薬製造業者情報、投薬のリパッケージャ、投薬の販売代理店、投薬包装形態、投薬包装寸法、投薬包装シリアル番号、投薬ロット番号、血液型、標準医薬品用語集(RxNorm)識別コード、NCDコード(全米医薬品コード)、対応する投薬製品を識別するNDCコードのセグメント、対応する投薬包装を識別するNDCコードのセグメント、一意の識別子コード、人間が可読な英数字文字列、および機械可読コードを特徴づけることができる。
【0017】
少なくとも1つの流れ変更信号は、ユーザの介入なしで流量制御装置によって自動的に開始され、実行され得る。少なくとも1つの流れ変更信号は、手動投与可能な流体供給源の出口を流体入口に連結した結果として、および/または流体入口への流体流れの開始を感知した結果として流量制御装置によって自動的に開始され、実行され得る。
【0018】
手動投与可能な流体供給源内に含まれる少なくとも1つの属性および/または流体を特徴づけるユーザに聴覚的および/または視覚的なフィートバックを提供するインターフェース(たとえばディスプレイ、GUIなど)が含まれ得る。インターフェースは、流量制御弁の状態のユーザへの指示を提供することができる。インターフェースは、ユーザが、流量制御装置によって使用される情報を、少なくとも1つのセンサからの情報と組み合わせて入力することを可能にして、少なくとも1つの流れ変更信号を生成するかどうかを判定することができる。流体が投薬である場合、インターフェースは、投薬と関連付けられた投与情報および/または投与指示を表示することができる。そのような投与情報および/または投与指示は、システムの一部を形成するメモリ内に格納され得る。通信モジュールが提供されて、遠隔データソースに、または遠隔データソースから投与情報および/または投与指示を送信および/または受信することができる。インターフェースは、流体ポートに隣接し、または流体ポートから遠隔にあることができる。インターフェースは、流量、組成などの流体流れの様々な態様に関する情報を表示することができる。
【0019】
ユーザによって作動された場合、流量制御装置に、流量制御弁に第1の状態では流体流れを抑止させ、または第2の状態では流体が流れることを可能にさせる、手動のオーバーライド要素が提供され得る。
【0020】
通信モジュールが提供されて、流れ制御入力データ、ルールエンジン出力データ、および/または流体供給源を特徴づけるデータを遠隔データ処理システムへ、または遠隔データ処理システムから送信および/または受信することができる。
【0021】
複数の流体入口があり、それぞれが複数の手動投与可能な流体供給源のうちの1つの出口に連結するように構成され得る。流量制御装置に連結されて、複数の流体入口のうちの少なくとも1つから流体が流れるのを選択的に防止する対応する数の流量制御弁があり得る。
【0022】
流量制御装置は、特に患者に関係するデータを受信することができ、そのデータは、少なくとも1つのセンサからの情報および/またはユーザによって手動で入力された情報と組み合わせて使用されて、少なくとも1つの流れ変更信号を生成するかどうかを判定することができる。患者に関係するデータは、少なくとも1つの投薬オーダを含むことができる。少なくとも1つの投薬オーダが使用されて、手動投与可能な流体供給源内の流体が少なくとも1つの投薬オーダによって指定された少なくとも1つのルールによって指定された少なくとも1つの条件に整合するかどうかを確認することができる。患者を特徴づけるデータは、患者識別子を含むことができ、流量制御装置は、患者識別子を使用して少なくとも1つの遠隔データ格納部をポーリングして、少なくとも1つの流れ変更信号を生成するかどうかを判定するための参照情報を得ることができる。
【0023】
少なくとも1つのセンサは、流体流量センサであることができる。流体流量センサによって感知された流体流れ情報は、流体流量センサによって測定された第1の所定の体積が送達された場合、流量制御装置に第1の流れ変更信号を生成させて、流量制御弁に第1の状態に移行させることができ、所定の期間の後に、流量制御装置に第2の流れ変更信号を生成させて、流量制御弁に第1の状態とは異なる第2の状態に移行させる。
【0024】
少なくとも1つのセンサは、光学センサ、磁気センサ、機械センサ、電導センサ、スイッチ式センサ、赤外線センサ、スイッチ式RFIDセンサ、および近接センサを含む群から選択された1または複数の技術を使用して少なくとも1つの属性を生成する識別センサであることができる。
【0025】
少なくとも1つのセンサは、光分析、電気分析、クロマトグラフィ、質量分析、物性測定、または技術の組合せに基づいたパラメトリック分析を含む群から選択された1または複数の技術を使用して少なくとも1つの属性を生成する組成センサであることができる。
【0026】
少なくとも1つのセンサは、パドルホイール流量計、タービン流量計、熱式流量計、超音波流量計、圧力センサ、差圧センサ、光学センサ、超音波センサ、コリオリ流量計、変位センサを含む群から選択された1または複数の技術を使用した少なくとも1つの属性を生成する流体流量センサであることができる。
【0027】
システムのいくつかまたはすべては、ハウジングによって内包され得る。ハウジングは、異なる形状および寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、ハウジングは、流体入口、流体出口、流量制御装置、および少なくとも1つのセンサのそれぞれの少なくとも一部分を囲む。ハウジングは、ユーザが第1の手でハウジングをつかみ、一方、第2の手で手動投与可能な流体供給源を連結することを可能にする形状および寸法を有することができる。自立型電源がハウジング内に提供されて、少なくとも1つのセンサおよび/またはその他の構成要素に電源供給することができる。流体流路は、静脈内(IV)流体ラインであることができ、ハウジングはIV流体ラインに留められ得る。
【0028】
ハウジングは、再利用可能サブハウジングおよび使い捨て可能サブハウジングを含むことができる。再利用可能サブハウジングは、使い捨て可能サブハウジングに動作式に連結され得、再利用可能サブハウジングは、複数の患者による使用のために意図され、使い捨て可能サブハウジングは、単一の患者による使用のために意図されている。いくつかの変形形態では、少なくとも流体入口、流体出口、および流れチャネルが使い捨て可能サブハウジングによって内包され得る。使い捨て可能サブハウジングは、使い捨て可能サブハウジングを囲む滅菌パウチに含まれ得る。メモリが、流量制御装置によって使用されるデータを格納するために使い捨て可能サブハウジング内に配置され、少なくとも1つの流れ変更信号を生成するかどうかを判定することができる。
【0029】
手動投与可能な流体供給源は、任意の多様な投薬容器/送達機構のものであることができる。例は、限定はされないが、シリンジ、IVバッグ、使い捨て可能投薬カートリッジ、使い捨て可能投薬パウチ、およびIV配管を含む。
【0030】
相互に関連する態様では、システムは、流体ポート、少なくとも1つのセンサ、制御装置、および送信機を含む。流体ポートは、流体チャネルと、手動投与可能な流体供給源の出口を連結するように構成された、流体チャネルの第1の端部にある流体入口と、手動投与可能な流体供給源から患者に提供する流体流路に流体を送達するように構成された、流体チャネルの第2の端部にある流体出口とを含む。少なくとも1つのセンサは、手動投与可能な流体供給源からの流体の少なくとも1つの属性を特徴づける。制御装置は、少なくとも1つのセンサと通信し、それは、少なくとも1つのルールによって指定された少なくとも1つの条件に整合する、特徴づけられた少なくとも1つの属性に応答して少なくとも1つの動作変更信号を生成する。送信機は、動作変更信号を少なくとも1つの装置にワイヤレスで送信し、それによって、動作変更信号が少なくとも1つの装置によって受信された場合、少なくとも1つの装置に少なくとも1つの動作パラメータを変更させる。この変形形態では、流量制御装置以外の異なるタイプの装置を使用することができる(しかし、動作変更信号は流量制御装置に流体流れに関係するいくつかのパラメータを変更させる役割も果たすことができる)。たとえば、流体流路と連係する医療装置は、流体流路内の流体流れが調整され、および/または医療装置のその他の非流体流れ動作パラメータが変更され得るようにすることができる。
【0031】
別の変形形態では、異なるタイプの外部の装置(たとえば輸注ポンプ、シリンジポンプなど)が流量制御装置から動作変更信号を受信し、適切な動作を行うことができる。たとえば、流体流路と連係する医療装置は、動作変更信号に応答して流体流路内の流体流れが抑止されるようにすることができる。あるいは、警告の表示または流量のロギングなどの医療装置のその他の非流体流れ動作パラメータは、動作変更信号の受信に基づいて変更され(すなわち作用され)得る。
【0032】
さらに相互に関連する態様では、手動投与可能な流体供給源内の流体の少なくとも1つの属性を特徴づける流体ポートの少なくとも1つのセンサによって生成されたデータが受信される。流体ポートは、流体チャネル、手動投与可能な流体供給源の出口に連結するように構成された流体チャネルの入口の第1の端部にある流体入口、手動投与可能な流体供給源から患者に提供する流体流路に流体を送達するように構成された流体チャネルの第2の端部にある流体出口、および少なくとも1つのセンサを含む。その後、受信されたデータ内の少なくとも1つの属性が少なくとも1つのルールによって指定された少なくとも1つの条件に整合することが判定され得る。それに応答して、少なくとも1つの流れ変更信号が生成される。少なくとも1つの流れ変更信号は、流量制御弁によって受信された場合、流量制御弁に、流量制御弁を通過している流体に適用されている流体の流れ制限のレベルを変更させる。
【0033】
別の態様では、装置は、流体入口、流体出口、流量制御弁、識別センサ、および流量制御装置を含む。流体入口は、流体供給源情報をエンコードされた手動投与可能な流体供給源の出口に連結されるように構成される。流体出口は、手動投与可能な流体供給源から患者につながる流体ライン(流路)に流体を送達するように構成される。流量制御弁は、流体入口と流体出口の間に配置され、第1の状態では流体流れを防止し、第2の状態では流体流れを可能にする。識別センサは、手動投与可能な流体供給源が流体入口に連結されている、または連結された場合、流体供給源情報を検出するように配置される。流量制御装置は、選択的に流量制御弁に識別センサによって検出された流体供給源情報に基づいて第1の状態と第2の状態との間で移行させる。
【0034】
流量制御装置は、複数のルールを使用して、流量制御弁の現在の状態をその他の状態に移行するかどうかを判定することができる。いくつかまたはすべてのルールは、流量制御装置によってポーリングされた遠隔データソースから得ることができる。ルールエンジン(すなわちルールを適用するためのソフトウェアおよび/またはハードウェアなど)が、流体供給源情報、流れ制御入力データ、および1または複数の患者の属性および彼らの履歴、臨床状況、環境要因、臨床の最良の実践などを考慮に入れることができる。ルールエンジンは、(たとえば装置のインターフェースを介する、または遠隔コンピュータシステム/インターフェースを介するなど)ユーザ入力済仕様、患者固有データ、および/または投薬固有データのうちの1または複数に従って構成可能およびプログラム可能であることができる。
【0035】
流体組成センサがさらに組み込まれて、手動投与可能な流体供給源が流体入口に連結された場合、流体の組成を特徴づけることができる。いくつかの場合には、識別センサの代わりに流体組成センサが使用され得、一方その他の実施形態では、それは識別センサと組み合わせて使用される。いずれの構成でも、流量制御装置は、さらに選択的に流量制御弁に、流体組成センサによって検出された流体組成に基づいて第1の状態と第2の状態の間で移行させることができる。
【0036】
流量制御装置は、識別センサによって検出された流体供給源情報を特徴づけるデータを、流量制御弁の現在の状態を変更するかどうかを示す信号を送る遠隔のルールエンジンに送信することができる。流体供給源情報は、その中に含まれる流体(たとえば投薬など)の特性を示すことができ、標準医薬品用語集(RxNorm)識別コード、NCDコード(全米医薬品コード)、投薬製品を識別するNDCコードのセグメント、薬物包装を識別するNDCコードのセグメント、一意の識別子コード、人間が可読な英数字文字列、機械可読コード、投薬の名称、投薬の製造業者、投薬のリパッケージャ、投薬の販売代理店、投薬の強さ、投薬の剤形、投薬に関する用量指示、特定の患者に関する投与指示、投薬調合、投薬包装形態、投薬包装寸法、投薬が含まれる体積、投薬包装シリアル番号、投薬ロット番号、および投薬失効期限、流体のタイプ、および血液型のうちの1または複数を含むことができる。流体供給源情報は、その中に含まれる流体の特性である二次データセットを参照(ルックアップテーブル、データベースオブジェクト、URLなどへの参照)するために使用されるコードまたは識別子を含むことができる。装置は、ローカルで二次データセットを格納するメモリを含むことができ、および/または遠隔データ格納部が二次データセットを格納する流量制御装置に連結され得る。遠隔データ格納部は、医療装置または医療情報システムの一部分を形成することができる。
【0037】
状態間の移行は、ユーザの介入なしに流量制御装置によって自動的に開始および実行され得る。状態間の移行は、流体供給源出口を流体入口に連結した結果として、流量制御装置によって自動的に開始および実行され得る。
【0038】
インターフェースが、流体供給源情報、輸液の体積、ルールエンジン情報、および/またはルールエンジン出力のうちの1または複数を特徴づける、ユーザへの聴覚的および/または視覚的なフィードバックを提供するために含まれ得る。インターフェースは、流量制御弁が第1の状態にある場合のユーザへの指示、流量制御弁の状態の移行を生じるルールエンジンによって使用される1または複数のルールのユーザへの指示、および/または流量制御弁の状態の移行のないユーザへの指示を提供することができる。インターフェースは、流体入口に隣接することができ、および/またはそれは(たとえば流量制御装置にワイヤレスで連結された表示モニタなど)流体入口から遠隔にあることができる。
【0039】
インターフェースは、流体と関連付けられた投薬投与情報を表示することができる。そのような投薬投与情報は、ローカルメモリに格納され得る。通信モジュールが、遠隔データソースに、または遠隔データソースから投薬投与情報を送信および/または受信するために含まれ得る。インターフェースは、流体入口に隣接し、または流体入口から遠隔にあることができる。
【0040】
手動のオーバーライド要素は、ユーザによって作動された場合、流量制御装置を、流量制御弁に第1の状態から第2の状態に移行させることができる。
【0041】
通信モジュールが、流れ制御入力データ、流体供給源、ルールまたはルールの一部分、および/または患者のうちの1または複数を特徴づけるデータを遠隔データソースへ、またはその遠隔データソースから、送信および/または受信するために含まれ得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、それぞれが流体供給源情報をその上に有する複数の手動投与可能な流体供給源のうちの1つの出口に、それぞれが連結されるように構成された複数の流体入口があり得る。これらの構成では、それぞれが流量制御装置に連結されて、複数の流体入口のうちの少なくとも1つに流体が流れるのを選択的に防止する複数の流量制御弁があり得る。
【0043】
流量制御弁は、流体供給源情報を使用することによって流量制御弁を第2の状態に移行することが判定されるまで、第1の状態に維持され得る。流量制御弁は、流体供給源情報を使用することによって流量制御弁を第1の状態に移行することが判定されるまで、第2の状態に維持され得る。流量制御装置は、流体流れ供給源情報と組み合わせて使用される患者を特徴づけるデータを受信し、流量制御弁の現在の状態を移行させるかどうか判定することができる。患者を特徴づけるデータは、たとえば、流体供給源内の流体が少なくとも1つの投薬オーダによって指定された1または複数のパラメータに整合するかどうかを確認するのに使用される投薬オーダを含むことができる。患者を特徴づけるデータは、流量制御装置が使用する患者識別子を含み、患者識別子を使用して少なくとも1つの遠隔データ格納部をポーリングして、流量制御装置のための参照情報を得て、流量制御弁の現在の状態を移行させるかどうかを判定することができる。
【0044】
どれほどの量の流体が流体供給源から流体入口に送達されたかを測定する流体流量センサが利用され得る。流量制御装置は、流体流量センサによって測定された所定の体積が送達された場合、流量制御弁を第2の状態から第1の状態に移行させることができる。インターフェースが、流体流量センサによって測定されたどれほどの量の流体が送達されたかを示す聴覚的および/または視覚的なフィードバックを提供することができる。流量制御装置は、流体流量センサによって測定された第1の所定の体積が送達された場合、流量制御弁を第2の状態から第1の状態に移行させることができ、所定の期間の後、流量制御弁を第1の状態から第2の状態に移行させることができる。ルールは、流体情報、患者固有の情報、医療オーダ情報、診療ガイドライン情報、禁忌、時間を含む環境要因情報、流量制御弁ステータス、および履歴情報などの流れ制御入力データ情報を利用することができる。
【0045】
識別センサは、光学センサ、磁気センサ、機械センサ、電導センサ、スイッチ式センサ、赤外線センサ、スイッチ式RFIDセンサ、および近接センサを含む群から選択された1または複数の技術を使用して流体供給源情報を検出することができる。いくつかの場合には、識別センサは、手動で注入可能な(以下、手動注入可能)投薬容器の先端/出口にエンコードされた識別子を検出する光学素子を含むことができる。
【0046】
ハウジングが、流体入口、流体出口、流量制御弁、識別センサ、および流量制御装置のそれぞれの少なくとも一部分を囲むことができる。そのようなハウジングは、ユーザが第1の手でハウジングをつかみ、一方、第2の手で手動注入可能投薬容器を作動させることを可能にするコンパクトな形状/寸法を有することができる。ハウジングは、自立型電源もハウジング内に含むことができ、流量制御弁、識別センサ、および流量制御装置に電源供給し、流体ラインは静脈内(IV)流体ラインであることができる。コンパクトなハウジングは、たとえば、IV流体ラインから留められ得る。
【0047】
ハウジングは再利用可能サブハウジングおよび使い捨て可能サブハウジングに細分され得る。再利用可能サブハウジングは、使い捨て可能サブハウジングに動作式に連結され、再利用可能サブハウジングは、複数の患者による使用のために意図され、使い捨て可能サブハウジングは、単一の患者による使用のために意図される。使い捨て可能サブハウジングは、少なくとも流体入口、流体出口、流れチャネル、および流量制御弁を含むことができる。使い捨て可能サブハウジングは、使い捨て可能サブハウジングを囲む滅菌パウチを含むキットの一部分であることができる。使い捨て可能サブハウジングは、流れ抑止構成情報、流量センサ、較正情報、および/またはシリアル番号もしくは一意の識別番号を含むことができる、データを記憶するためのメモリを含むことができる。
【0048】
相互に関連する態様では、手動投与可能な流体供給源の流体供給源情報は、流体送達装置の識別センサによって検出される。その後、検出された流体供給源情報を使用して、流量制御弁の現在の状態をその他の状態に移行させるかどうかが判定される。次いで、流体送達装置の流量制御装置は、流量制御弁がその他の状態に移行すべきであると判定された場合、流量制御弁をその他の状態(たとえば開いたまたは閉じられた)に移行させる。そうでなければ、流量制御弁がその他の状態に移行すべきでないと判定された場合、流量制御弁の現在の状態が維持される。
【0049】
別の変形形態では、自立型流体流路が、手動で投与された投薬を受け取るための流体入口、手動で投与された投薬を患者につながる配管セグメントに送達するための流体出口、投薬の注入の1または複数の態様を感知する1または複数のセンサ、およびセンサ情報を外部の電子機器にワイヤレスで通信する電子機器を含む。1または複数のセンサは、流体供給源識別読取り装置、組成センサ、および流体流量センサのうちの1または複数を含むことができる。自立型流体ポートは、1個の一体に収容されたユニットであってもよく、またはそれは電子機器部分および流体部分を含むことができる。電子機器部分は、電子機器を含み、読取り装置などのセンサを含んでいてもよい。流体部分は、また流体流量センサを含んでいてもよい。
【0050】
別の変形形態では、流体流れアレスタ(流量制御弁)が、自立型流体注入ポート、および/または流体識別センサおよび/または流体組成センサから物理的に分離され得る。流体流れアレスタは、流体注入ポートの上流側または下流側に配置され得る。流体流れアレスタは、輸注ポンプのような外部の装置内にあることができる。流量制御装置および/またはルールエンジンが含まれて、流体流れアレスタの適切な状態(開いたまたは閉じられた)を判定することができる。流量制御弁は、流体識別センサおよび/または流体組成センサによって提供された情報に基づいた、流量制御装置および/またはルールエンジンからのコマンドに応答することができる。流量制御弁は、流量制御装置にワイヤレスで接続され、または有線接続され得る。流量制御弁は、二進法の様式で(開いたまたは閉じられた)流量を制御することができ、またはそれは流れを抑制し、流量を特定のレベルに制限することができる。流量制御装置および/またはルールエンジンは、システムの外部にあり、かつ/あるいはいくつかのシステム要素全体にわたって分散され得る。分散された場合、論理がシステム全体にわたってカスケードすることができる(たとえば外部ルールが適合し、かつ内部ルールが適合すると、トリガ流れ制御コマンドが作動される)。流量制御弁は、自立型電源によって電源供給され、または外部電源に接続され得る。流量制御弁は、ワンタイム作動式の装置(以下、ワンタイム作動装置)であり得、または繰返し作動を可能にするリセット可能なものであることができる。流量制御装置コマンド信号は、任意の適切なコマンドが流量制御弁を作動させることができるように、オープンソースとして発行され得る。
【0051】
別の変形形態では、流量制御弁は患者を不適切な流体投与指示から保護するためのシステムの一部であることができる。システムは、既知の体積および流量を伴う流体流れ経路を含むことができる。既知の体積の流体が、流れのある流体流路に注入された場合、注入された流体が患者に到達する時間が計算され得る。流量制御弁は、不適切な流体が患者に到達し得る前に作動され得る。流体抑止の安全性確認が、患者の介護者に提供され得る。さらに、注入ポートから下流側の流体体積は、上流側の流体流路が閉鎖された(締め付けられた)状態で、シリンジ内に流体を抜き取ることによって測定され得る(注入ポートに接続された空のシリンジを引き、流体をシリンジ内に抜き取る)。抜き取られた下流側の流体体積がシリンジの目盛の点検によって手動で測定され、または注入ポート装置内の流体体積測定センサによって自動的に測定され得る。測定された下流側の体積は、ルールエンジンに通信され、格納され得る。次いで、下流側の体積は、流量制御装置への入力として使用され得る。
【0052】
別の変形形態では、流体流れアレスタは、使い捨て可能サブセクションと再利用可能サブセクションの間に含まれおよび/または分散され得る。これらのサブセクションの間のインターフェースは、電気式、磁気式、機械式、流体式、光学式、静電容量式であることができる。使い捨て可能サブセクションは、流量制御弁のみを含むことができ、再利用可能サブセクションはすべてのその他の構成要素を含むことができる。あるいは、使い捨て可能サブセクションは、流量制御弁、電源、ワイヤレスまたは有線式通信、および流体経路を含むすべての構成要素を含むことができる。1つの変形形態では、使い捨て可能サブセクションは、流体と接触された流体流れアレスタの部分を含み、再利用可能サブセクションは、再利用可能サブセクションを交換する費用を最低限に抑えるために、流体に接触しない流体流れアレスタの部分を含む。
【0053】
1または複数のコンピューティングシステムの少なくとも1つのデータプロセッサによって実行された場合、少なくとも1つのデータプロセッサに本明細書の動作を行わせる指示を格納する非一時的コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品も説明される。同様に、1または複数のデータプロセッサおよび1または複数のデータプロセッサに連結されたメモリを含むことができるコンピュータシステムも説明される。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに本明細書に説明された動作のうちの1または複数を行わせる指示を一時的にまたは永続的に格納することができる。さらに、方法が、単一のコンピューティングシステム内の、または2つ以上のコンピューティングシステムの間に分散された、1または複数のデータプロセッサによって実施され得る。たとえば、ルールエンジンは、ソフトウェアベース、またはソフトウェアベースとハードウェアベースの組合せであることができる。