(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
火災を検出して火災信号を出力する火災感知器、スプリンクラーヘッドの作動による減圧を検出して減圧信号を出力する減圧検出器及び前記スプリンクラーヘッドに消火用水を供給又は停止する制御弁を備えた複数の防護区画と、
前記複数の防護区画に設けられた火災感知器、減圧検出器及び制御弁を信号線接続し、前記火災感知器による火災の検出及び前記減圧検出器による減圧の検出に基づき前記制御弁を制御可能な複数のシステム制御盤と、
前記複数のシステム制御盤を伝送路を介して接続して信号を送受信し、前記火災感知器による火災の検出及び前記減圧検出器による減圧の検出に基づき前記制御弁を遠隔操作可能なシステム統合盤と、
を備え、
前記複数のシステム制御盤は、自己に接続された火災感知器からの火災信号及び減圧検出器からの減圧信号を受信した場合に、当該火災感知器及び減圧検出器が設けられた防護区画を指定した火災信号及び減圧信号を前記システム統合盤に送信し、前記システム統合盤から防護区画を指定した弁制御信号を受信した場合に、当該防護区画に対応した制御弁を制御するシステム制御部を備え、
前記システム統合盤は、前記複数のシステム制御盤から防護区画を指定した火災信号及び減圧信号を受信し、同一防護区画について火災信号による火災検出と減圧信号による減圧検出を判別した場合若しくは火災信号による火災検出を判別した場合に、当該防護区画に設置された制御弁を指定した弁制御信号を生成し、当該防護区画を管轄する前記システム制御盤に前記弁制御信号を送信して制御させる統合制御部を備え、
前記防護区間に設けられた火災感知器と減圧検出器が1のシステム制御盤に信号線接続され、前記防護区画に設けられた制御弁が他のシステム制御盤に信号線接続されている場合、
前記システム統合盤の統合制御部は、前記1のシステム制御盤から防護区画を指定した火災信号及び減圧信号を受信して、同一防護区画について火災信号による火災検出と減圧信号による減圧検出を判別した場合若しくは火災信号による火災検出を判別した場合に、当該防護区画に設置された制御弁を指定した弁制御信号を生成し、当該防護区画を管轄する前記他のシステム制御盤に前記弁制御信号を送信して制御させることを特徴とする統合消火システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、最大端末数を増加する特殊制御盤を新規に開発して物件に設置する場合は、毎回、物件仕様に対応した製品の開発が必要となり、コストが嵩むと共に納期がかかり、製品の機器仕様が異なることで保守が煩雑になるという問題がある。
【0010】
また、複数台のシステム制御盤を併設して設置する場合には、同じシステム制御盤が併設されるため、システム制御盤と管轄している端末との関係を常に確認しなければならないために点検などの運用面で煩雑となり、また、監視エリアがシステム制御盤単位で適切に切り分けることができない場合、同一の監視エリアに複数台の火災感知器などの監視機器を設置して各システム制御盤に接続する必要があり、機器費用及び施工費用が嵩み、点検などの運用面で煩雑となるという問題がある。
【0011】
本発明は、複数のシステム制御盤を設置して使用する場合の監視制御を最適化して施工及び運用管理を容易にすることを可能とする統合消火システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(統合消火システム)
本発明は、統合消火システムに於いて、
火災を含む所定事象を検出する1又は複数の検出器及び所定の消火制御を行う制御機器を備えた複数の防護区画と、
複数の防護区画に設けられた検出器及び制御機器を信号線接続し、検出器による所定事象の検出に基づき制御機器を制御可能な複数のシステム制御盤と、
複数のシステム制御盤を伝送路を介して接続して信号を送受信し、検出器による所定事象の検出に基づき制御機器を遠隔操作可能なシステム統合盤と、
を備え、
複数のシステム制御盤は、自己に接続された検出器からの検出信号を受信した場合に、当該検出器が設けられた防護区画を指定した検出信号をシステム統合盤に送信し、システム統合盤から防護区画を指定した制御信号を受信した場合に、当該防護区画に対応した制御機器を制御するシステム制御部を備え、
システム統合盤は、複数のシステム制御盤から防護区画を指定した検出信号を受信して所定事象の検出を判別した場合に、当該防護区画に設置された制御機器を指定した制御信号を生成し、当該防護区画を管轄するシステム制御盤に制御信号を送信して制御させる統合制御部を備え
、
防護区間に設けられた検出器が1のシステム制御盤に信号線接続され、防護区画に設けられた制御機器が他のシステム制御盤に信号線接続されている場合、
システム統合盤の統合制御部は、1のシステム制御盤から防護区画を指定した検出信号を受信して所定事象の検出を判別した場合に、当該防護区画に設置された制御機器を指定した制御信号を生成し、当該防護区画を管轄する他のシステム制御盤に記制御信号を送信して制御させることを特徴とする。
【0013】
本発明は、統合消火システムに於いて、
火災を含む所定事象を検出する1又は複数の検出器及び所定の消火制御を行う制御機器を備えた複数の防護区画と、
複数の防護区画に設けられた検出器及び制御機器を信号線接続し、検出器による所定事象の検出に基づき制御機器を制御可能な複数のシステム制御盤と、
複数のシステム制御盤を伝送路を介して接続して信号を送受信し、検出器による所定事象の検出に基づき制御機器を遠隔操作可能なシステム統合盤と、
を備え、
複数のシステム制御盤は、自己に接続された検出器からの検出信号を受信した場合に、当該検出器が設けられた防護区画を指定した検出信号をシステム統合盤に送信し、システム統合盤から防護区画を指定した制御信号を受信した場合に、当該防護区画に対応した制御機器を制御するシステム制御部を備え、
システム統合盤は、複数のシステム制御盤から防護区画を指定した検出信号を受信して所定事象の検出を判別した場合に、当該防護区画に設置された制御機器を指定した制御信号を生成し、当該防護区画を管轄するシステム制御盤に制御信号を送信して制御させる統合制御部を備え、
システム制御盤のシステム制御部は、同一防護区画の検出器を自己に接続すると共に制御機器が他のシステム制御盤に接続されている場合、制御機器と他のシステム制御盤の関係を示す渡り制御情報を予め記憶し、システム統合盤の機能喪失を判別すると共に自己に接続された検出器による所定事象の検出を判別した場合に、渡り制御情報から検出した他のシステム制御盤に、制御機器に対する制御信号を送信して制御させることを特徴とする。
【0014】
(システム統合盤の機能喪失によるシステム縮退)
システム制御盤のシステム制御部は、システム統合盤の機能喪失を判別
すると共に自己に接続
された検出器による所定事象の検出を判別した場合に、
当該検出器が設けられた防護区画に対応した制御機器
を制御する。
【0016】
(文字・シンボル表示)
システム統合盤の統合制御部は、システム制御盤から受信した検出信号に対応した文字
及びシンボル
の少なくとも何れかを生成し、監視領域の地図上に
生成した文字
及びシンボル
の少なくとも何れかを表示可能とする。
【0017】
(スプリンクラー消火設備対応の統合消火システム)
本発明は、統合消火システムに於いて、
火災を検出して火災信号を出力する火災感知器、スプリンクラーヘッドの作動による減圧を検出して減圧信号を出力する減圧検出器及びスプリンクラーヘッドに消火用水を供給又は停止する制御弁を備えた複数の防護区画と、
複数の防護区画に設けられた火災感知器、減圧検出器及び制御弁を信号線接続し、火災感知器による火災の検出及び減圧検出器による減圧の検出に基づき制御弁を制御可能な複数のシステム制御盤と、
複数のシステム制御盤を伝送路を介して接続して信号を送受信し、火災感知器による火災の検出及び減圧検出器による減圧の検出に基づき制御弁を遠隔操作可能なシステム統合盤と、
を備え、
複数のシステム制御盤は、自己に接続された火災感知器からの火災信号及び減圧検出器からの減圧信号を受信した場合に、当該火災感知器及び減圧検出器が設けられた防護区画を指定した火災信号及び減圧信号をシステム統合盤に送信し、システム統合盤から防護区画を指定した弁制御信号を受信した場合に、当該防護区画に対応した制御弁を制御するシステム制御部を備え、
システム統合盤は、複数のシステム制御盤から防護区画を指定した火災信号及び減圧信号を受信し、同一防護区画について火災信号による火災検出と減圧信号による減圧検出を判別した場合若しくは火災信号による火災検出を判別した場合に、当該防護区画に設置された制御弁を指定した弁制御信号を生成し、当該防護区画を管轄するシステム制御盤に弁制御信号を送信して制御させる統合制御部を備え
、
防護区間に設けられた火災感知器と減圧検出器が1のシステム制御盤に信号線接続され、防護区画に設けられた制御弁が他のシステム制御盤に信号線接続されている場合、
システム統合盤の統合制御部は、1のシステム制御盤から防護区画を指定した火災信号及び減圧信号を受信して、同一防護区画について火災信号による火災検出と減圧信号による減圧検出を判別した場合若しくは火災信号による火災検出を判別した場合に、当該防護区画に設置された制御弁を指定した弁制御信号を生成し、当該防護区画を管轄する他のシステム制御盤に弁制御信号を送信して制御させることを特徴とする。
【0018】
本発明は、統合消火システムに於いて、
火災を検出して火災信号を出力する火災感知器、スプリンクラーヘッドの作動による減圧を検出して減圧信号を出力する減圧検出器及びスプリンクラーヘッドに消火用水を供給又は停止する制御弁を備えた複数の防護区画と、
複数の防護区画に設けられた火災感知器、減圧検出器及び制御弁を信号線接続し、火災感知器による火災の検出及び減圧検出器による減圧の検出に基づき制御弁を制御可能な複数のシステム制御盤と、
複数のシステム制御盤を伝送路を介して接続して信号を送受信し、火災感知器による火災の検出及び減圧検出器による減圧の検出に基づき制御弁を遠隔操作可能なシステム統合盤と、
を備え、
複数のシステム制御盤は、自己に接続された火災感知器からの火災信号及び減圧検出器からの減圧信号を受信した場合に、当該火災感知器及び減圧検出器が設けられた防護区画を指定した火災信号及び減圧信号をシステム統合盤に送信し、システム統合盤から防護区画を指定した弁制御信号を受信した場合に、当該防護区画に対応した制御弁を制御するシステム制御部を備え、
システム統合盤は、複数のシステム制御盤から防護区画を指定した火災信号及び減圧信号を受信し、同一防護区画について火災信号による火災検出と減圧信号による減圧検出を判別した場合若しくは火災信号による火災検出を判別した場合に、当該防護区画に設置された制御弁を指定した弁制御信号を生成し、当該防護区画を管轄するシステム制御盤に弁制御信号を送信して制御させる統合制御部を備え、
システム制御盤のシステム制御部は、同一防護区画の火災感知器及び減圧検出器を自己に接続すると共に制御弁が他のシステム制御盤に接続しされている場合、制御弁と他のシステム制御盤の関係を示す渡り制御情報を予め記憶し、システム統合盤の機能喪失を判別すると共に自己が管轄する同一防護区画について火災信号による火災検出と減圧信号による減圧検出を判別した場合若しくは火災信号による火災検出を判別した場合に、渡り制御情報から検出した他のシステム制御盤に、制御弁に対する弁制御信号を送信して制御させることを特徴とする。
【0019】
(スプリンクラー消火設備対応のシステム統合盤機能喪失によるシステム縮退)
システム制御盤のシステム制御部は、システム統合盤の機能喪失を判別
すると共に自己が管轄する同一防護区画について火災信号による火災検出と減圧信号による減圧検出を判別した場合若しくは火災信号による火災検出を判別した場合に、
当該防護区画に
対応した制御弁
を制御する。
【0020】
(スプリンクラー消火設備対応の文字・シンボル表示)
システム統合盤の統合制御部は、システム制御盤から受信した火災信号及び減圧信号に対応した文字及びシンボルの少なくとも何れか生成し、監視領域の地図上に文字及びシンボルの少なくとも何れかを表示可能とする。
【発明の効果】
【0021】
(基本的な効果)
本発明の
統合消火システムによれば、複数の防護区画に設けた例えば火災感知器、減圧検出器などの検出器及び制御弁などの制御機器を信号線接続した複数のシステム制御盤を、検出器の検出状態を表示すると共に制御機器を遠隔操作可能なシステム統合盤に伝送路を介して接続し、複数のシステム制御盤は、自己に接続した検出器からの検出信号を受信してシステム統合盤に送信し、システム統合盤から防護区画を指定した制御信号を受信した場合に当該防護区画に対応した制御機器に制御信号を送信し、システム統合盤は、複数のシステム制御盤から検出信号を受信し、例えば同一防護区画について火災信号による火災検出と減圧信号による減圧検出を判別した場合に、防護区画を指定した弁制御信号を生成して当該防護区画を管轄するシステム制御盤に弁制御信号を送信して制御させるようにしたため、一台のシステム制御盤の最大端末数を超える巨大物件においても、1台のシステム統合盤で複数のシステム制御盤を意識することなく一元的に管理することができ、非常時や点検時に複数台のシステム制御盤を確認する必要がなく、非常時又は点検時に迅速且つ適切な対処を可能とする。
【0022】
(システム制御盤の渡り制御)
また、防護区間に設けた防護区画に設けた検出器を1のシステム制御盤に信号線接続し、防護区画に設けた制御機器を他のシステム制御盤に信号線接続し、システム統合盤は、1のシステム制御盤から例えば火災信号及び減圧信号を受信して、同一防護区画について火災信号による火災検出と減圧信号による減圧検出を判別した場合に、防護区画を指定した弁制御信号を生成し、当該防護区画を管轄する他のシステム制御盤に弁制御信号を送信して制御弁を制御させるようにしたため、複数のシステム制御盤に跨る監視エリア(防護区画)が生じた場合、1のシステム制御盤で検出信号を受信し、他のシステム制御盤から制御機器を制御するといったシステム制御盤の渡り制御を可能とし、システム制御盤に対する検出器や制御機器の接続割当ての自由度が高まり、同じ防護区画に複数のスプリンクラー制御盤毎に接続する火災感知器などの検出器の設置を不要とし、機器費用及び施工費用の低減を可能とする。
【0023】
(システム統合盤の機能が喪失した場合の効果)
また、システム制御盤のシステム制御部は、システム統合盤の機能喪失を判別した場合、複数のシステム制御盤が独立して監視制御を行うため、システム統合盤を追加したことに伴いシステムの故障率が高まることを回避可能とする。
【0024】
(文字・シンボル表示による効果)
また、システム統合盤の統合制御部は、システム制御盤から受信した火災信号及び減圧信号などの検出信号に対応した文字及び又はシンボルを生成し、監視領域の地図上に文字及び又はシンボルを表示可能としたため、火災などの事象の発生場所を迅速に確認して適切に対処可能とする。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[統合消火システムの概略]
図1は本発明による統合消火システムの概略を示した説明図であり、予作動式スプリンクラー消火設備の管理制御を例にとっている。
【0027】
図1に示すように、統合消火システムは、システム統合盤100,複数台のシステム制御盤200−1〜200−3、端末機器となる複数の予作動弁装置24で構成する。
【0028】
予作動弁装置24は防護区画A1〜A2n+nに対応して設け、検出器として火災を検出して火災信号を出力する火災感知器36と、スプリンクラーヘッドの作動による減圧を検出して減圧信号を出力する減圧検出器44を設け、また制御機器として、スプリンクラーヘッドに消火用水を供給又は停止する制御弁として機能する予作動弁40を設けている。なお、以下、システム制御盤200−1〜200−3をそれぞれ区別しない場合はシステム制御盤200という。
【0029】
ここで、システム制御盤200−1〜200−3に接続可能な最大端末数は、その仕様できまる所定の端末数に決まっている。統合消火システムを設置する巨大物件となる施設(建物)の端末数は1台のシステム制御盤200の最大端末数を超えしまう場合がある。このため例えば3台のシステム制御盤200−1〜200−3を設置し、システムに接続可能な最大端末数を例えば3倍に拡大している。
【0030】
システム統合盤100に対してはシステム制御盤200−1〜200−3を伝送路102を介して接続し、伝送路102により所定の通信プロトコルに従って検出信号及び制御信号を送受信する。この検出信号及び制御信号は、送信元を示す送信元ID、送信先を示す送信先ID、防護区画A1〜A2n+nを示す防護区画ID、火災、減圧、弁制御などの種別を示す種別ID、検出データ又は制御コマンド等を含んだ所定の信号形式とする。なお、伝送路102は、信号ビット列をパラレル伝送するパラレル伝送路、又は、信号ビット列をシリアル伝送するシリアル伝送路のいずれとしても良い。
【0031】
システム制御盤200は、自己に接続した火災感知器36から又は自火報設備から受信した火災信号又は減圧検出器44からの減圧信号を受信した場合に、防護区画を指定した防護区画IDを含む火災信号又は減圧信号をシステム統合盤100に送信し、一方、システム統合盤100から防護区画を指定する防護区画IDを含む弁制御信号を受信した場合に当該防護区画に対応した予作動弁40に開放制御信号を送信して開制御する。
【0032】
システム統合盤100は、複数のシステム制御盤200から火災信号及び減圧信号を受信し、同一防護区画について火災信号による火災検出と減圧信号による減圧検出を判別した場合(ダブルインターロック制御)に、防護区画を指定する防護区画IDを含む弁制御信号を生成し、当該防護区画を管轄するシステム制御盤200に開閉制御信号を送信して制御させる。
【0033】
このような
統合消火システムの構成により、1台のシステム制御盤200の最大端末数を超える巨大物件においても、1台のシステム統合盤100で複数のシステム制御盤200を意識することなく一元的に管理することができ、非常時や点検時に複数のシステム制御盤200を確認する必要がなく、非常時又は点検時に迅速且つ適切な対処を可能とする。
【0034】
[予作動スプリンクラー消火設備の概要]
図2は
統合消火システムで管理制御する湿式の予作動スプリンクラー設備の概略を示したである。
【0035】
図2に示すように、建物の地下階などのポンプ室には消火ポンプ10を設置し、モータ12により駆動する。モータ12はポンプ制御盤14により起動・停止の運転制御を受ける。モータ12により駆動された消火ポンプ10は水源水槽15からの消火用水を吸入し、建物の高さ方向に配置した給水本管16に加圧した消火用水を供給する。
【0036】
消火ポンプ10に対しては起動に使用する圧力タンク18を設ける。圧力タンク18は給水本管16に接続し、配管内の加圧消火用水を導入して内部の空気を圧縮している。圧力タンク18には圧力スイッチ20を設け、圧力スイッチ20は給水本管16の管内圧力が規定圧力以下に低下する減圧を検出してポンプ制御盤14に減圧検出信号を出力し、これによってモータ12を駆動して消火ポンプ10を起動する。
【0037】
給水本管16からは建物の防護区画毎に分岐管22を引き出している。分岐管22の分岐部分には予作動弁装置24を設けている。予作動弁装置24の2次側の分岐管22には閉鎖型のスプリンクラーヘッド26を設けている。またスプリンクラーヘッド26を設置した防護区画には火災感知器36を設置し、火災感知器36からの感知器線を、自火報受信機34を介してシステム制御盤200に接続している。
【0038】
分岐管22の末端側には末端試験弁28を設け、その2次側を、オリフィス30を介して排水管32に接続している。予作動弁装置24のスプリンクラーヘッド26を接続した2次側配管には規定圧力となる加圧消火用水を充水している。
【0039】
予作動弁装置24は、予作動弁40、作動用電動弁42、減圧検出器44、及び流水検知器46を備える。減圧検出器44及び流水検知器46としては、減圧検出でオンする圧力スイッチを使用する。
【0040】
予作動弁40の開放は作動用電動弁42により行う。作動用電動弁42は通常の監視状態では閉鎖状態にある。システム統合盤100からの火災検出と減圧検出に基づく開放制御信号をシステム制御盤200で受信して作動用電動弁42を開放制御すると、予作動弁40が開閉駆動機構開の動作により開放状態となり、1次側から2次側に加圧消火用水を供給して作動したスプリンクラーヘッド26から放水させる。予作動弁40の2次側に設けているスプリンクラーヘッド26の作動による減圧は、減圧検出器44で検出する。また予作動弁40の開放による2次側への流水は流水検知器46で検出する。
【0041】
予作動弁40が開放すると、その1次側に接続している給水本管16の圧力も低下し、この減圧を圧力タンク18に設けている圧力スイッチ20で検出して、ポンプ制御盤14が消火ポンプ10を起動する。
【0042】
また、予作動スプリンクラー消火設備の点検にあっては、末端試験弁28を現場で開放操作してオリフィス30で決まるスプリンクラーヘッド26の1台の作動に相当する量の消火用水を排水管32に流して、スプリンクラーヘッド26が作動したと同じ試験放水を行い、システム統合盤100はシステム制御盤200を経由して受信した試験放水に伴う減圧検出器44からの減圧信号に基づく開放制御信号により作動用電動弁42を開制御して予作動弁40を開閉駆動機構開により開放し、流水検知器46からの流水検知信号が得られることで、予作動弁装置24が正常に動作することを確認している。
【0043】
このような予作動弁装置24の点検は、防護区画毎に順次行われ、点検が終了した場合、システム統合盤100での復帰操作に基づく閉鎖制御信号をシステム制御盤200で受信して作動用電動弁42を閉鎖制御することにより、開放位置にある全ての作動用電動弁42を閉鎖制御することで予作動弁40を閉鎖位置に復帰させる。
【0044】
この点検を終了した場合の予作動弁装置24の復帰操作につき、システム統合盤100は、予作動弁装置24の個別復帰操作に加え、全ての予作動弁装置24を復帰させる一括復帰操作を可能とする。
【0045】
[システム統合盤]
(システム統合盤の構成)
図3はシステム統合盤の機能構成の実施形態を示したブロック図である。
図3に示すように、システム統合盤100は、統合制御部104、伝送部106、液晶表示パネル108、表示部110、操作部112、警報部114を備え、伝送路102を介してシステム制御盤200−1〜200−3を接続している。
【0046】
統合制御部104は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0047】
伝送部106はシステム制御盤200との間で火災感知器36の火災信号、減圧検出器44の減圧信号、作動用電動弁42の開閉制御信号を所定の通信プロトコルに従って送受信し、前述したように、この検出信号及び制御信号は、送信元ID、送信先ID、防護区画ID、種別ID、検出データ又は制御コマンドを含んだ所定の信号形式とする。
【0048】
また、液晶表示パネル108はシステム制御盤200から火災信号及び減圧信号を受信した場合に監視領域の地図を画面表示すると共に画面表示した地図の中の火災を検出した防護区画を発報表示し、更に、発報表示した防護区画内に火災感知器及び予作動弁などをシンボルと文字により表示する。
【0049】
また、液晶表示パネル108は、統合制御部104の指示によりシステム統合盤100の制御動作に必要な各種の画面表示を行い、表示画面の操作ボタンを操作することで、制御動作に必要な各種の操作入力を可能とする。また、液晶表示パネル108はタッチパネルを備えても良い。
【0050】
表示部110は、システム統合盤100の制御動作に必要な各種の表示灯を設けている。操作部112は、システム統合盤100の制御動作に必要な各種の操作スイッチを設けている。警報部114には火災警報、障害警報を音響出力するスピーカなどを設けている。
【0051】
(制御部の構成)
システム統合盤100の統合制御部104は、ダブルインターロック制御として、防護区画毎に、火災感知器36からの火災信号と減圧検出器44からの減圧信号をシステム制御盤200を経由して受信し、これにより火災感知器36による火災検出と減圧検出器44による減圧検出の両方を判別した場合に、同じ防護区画の予作動弁装置24に設けた作動用電動弁42にシステム制御盤200を経由して開放制御信号を出力して遠隔的に開放制御し、これに伴い予作動弁40を開放動作してスプリンクラーヘッド26から加圧消火用水を散水させる制御を行う。
【0052】
また、統合制御部104は、別パターンとして、火災感知器36による火災検出ができない障害検出、例えば伝送障害、断線、短絡、連動停止、商用電源断などの自火報受信機34の障害信号を、システム制御盤200を経由して受信し、この状態で減圧検出器44による減圧信号をシステム制御盤200を介して受信し、これにより火災検出ができない障害検出と減圧検出の両方を判別した場合に、減圧を検出した減圧検出器
44の防護区画に設けた作動用電動弁42にシステム制御盤200を経由して開放制御信号を出力して開放制御し、これにより予作動弁40を開放動作してスプリンクラーヘッド26から加圧消火用水を放水させる。
【0053】
また、統合制御部104は、予作動弁装置24に設けた作動用電動弁42を個別的に選択して遠隔制御する機能に加え、一括復帰操作の受付けを検出した場合、点検などにより全開位置に制御している複数の作動用電動弁42を一括して定常位置となる全閉位置に復帰する制御を、システム制御盤200を経由して行う。
【0054】
この一括復帰制御は、複数の作動用電動弁42を、動作の重複を回避する所定のインターバル時間をおいて順次起動制御して全閉位置へ復帰させる。このためシステム制御盤200は、作動用電動弁42を一台ずつ制御することを前提に駆動回路及び信号線を決めていることから、一回の起動制御で流す駆動電流を制限して駆動回路や信号線に加わる負担を低減して障害発生を未然に防止可能としている。
【0055】
[システム制御盤]
(システム制御盤の構成)
図4はシステム制御盤の機能構成の実施形態を示したブロック図である。
図4に示すように、システム制御盤200は、システム制御部202、伝送部204、液晶表示パネル206、表示部208、操作部210、警報部212を備え、
図1に示した複数の防護区画毎に、予作動弁装置24を接続している。
【0056】
予作動弁装置24は、
図2に示した火災感知器36、予作動弁40、作動用電動弁42及び減圧検出器44を取り出して示している。なお、火災感知器36は予作動弁装置24の防護区画に設置しているが、説明の都合上、予作動弁装置24の中に示している。
【0057】
システム制御部202は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0058】
システム制御部202に対しては防護区画毎の予作動弁装置24側に設けた火災感知器36を感知器線により接続し、また作動用電動弁42及び減圧検出器44を信号線により接続している。尚、予作動弁40はその開閉駆動機構に対し作動用電動弁42の開放制御で加圧消火用水の排水又は供給を受けて開放する。
【0059】
伝送部204はシステム統合盤100との間で火災感知器36の火災信号、減圧検出器44の減圧信号、作動用電動弁42の開閉制御信号を所定の通信プロトコルに従って送受信し、前述したように、この検出信号及び制御信号は、送信元ID、送信先ID、防護区画ID、種別ID、検出データ又は制御コマンドを含んだ所定の信号形式とする。
【0060】
また、液晶表示パネル206は、システム制御部202の指示によりシステム制御盤200の制御動作に必要な各種の画面表示を行い、表示画面の操作ボタンを操作することで、制御動作に必要な各種の操作入力を可能とする。また、液晶表示パネル206はタッチパネルを備えても良い。
【0061】
表示部208は、予作動弁装置24の制御動作に必要な各種の表示灯を設けている。操作部
210は、
予作動弁装置24の制御動作に必要な各種の操作スイッチを設けている。警報部
212には火災警報、障害警報を音響出力するスピーカなどを設けている。
【0062】
なお、液晶表示パネル206、表示部208、操作部210及び警報部212の機能は、システム統合盤100が機能している場合は休止しており、システム統合盤100が障害などにより機能を喪失した場合に、それぞれ機能が有効となり、システム統合盤100から独立して管理制御が可能となる。
【0063】
(制御部の構成)
システム制御部202は、システム統合盤100が正常で有効に機能している場合は、火災感知器36から火災信号を受信した場合、自己の送信元IDと防護区画IDを含む火災信号を生成してシステム統合盤100に送信する制御を行う。
【0064】
また、システム制御部202は、システム統合盤100が有効に機能している場合は、減圧検出器44から減圧信号を受信した場合、自己の送信元IDと防護区画IDを含む減圧信号を生成してシステム統合盤100に送信する制御を行う。
【0065】
また、システム制御部202は、システム統合盤100が有効に機能している場合は、システム統合盤100から自己を送信先とした防護区画IDを含む開放制御信号又は閉鎖制御信号を受信した場合、防護区画IDで指定される作動用電動弁42に開放制御信号又は閉鎖制御信号を出力し、作動用電動弁42の開閉制御に伴って予作動弁40を開閉する制御を行う。
【0066】
これ以外の検出信号、例えば流水検知器46からの流水検知信号や他の制御信号についても同様である。
【0067】
このようにシステム制御盤200は、システム統合盤100が有効に機能している場合は、検出器からの検出信号を受信してこれをシステム統合盤100に送信し、システム統合盤100からの制御信号を受信して制御機器に出力する中継器として機能する。
【0068】
[システム統合盤による地図表示機能]
図5はシステム統合盤の地図画面の例を示した説明図である。
図2に示したシステム統合盤100の統合制御部104は、例えば防護区画A1に設置した火災感知器36からの火災信号をシステム制御盤200から受信した場合、
図5に示すように、表示画面214に、火災を検知した防護区画A1を含む建物を平面で示した地
図216を表示する。
【0069】
地
図216は右下に示す縮小地
図226に示す施設全体地図の中の斜線部分の拡大地図を表示しており、火災検出と減圧検出を判別して予作動弁を開放制御した防護区画A1については、区画領域218を例えば赤色として防護区画を示すA1を文字表示し、また、火災感知器シンボル220を表示し、更に予作動弁シンボル222の2次側にスプリンクラーヘッドシンボル224を接続した設備系統を表示している。
【0070】
このような防護区画A1を表示するため、統合制御部104は、防護区画A1の火災感知器36からの火災信号を受信した場合に、防護区画を示す文字A1と
火災感知器シンボル220を発生し、また、防護区画A1の減圧検出器44からの減圧信号を受信した場合に、予作動弁シンボル222とスプリンクラーヘッドシンボル224を発生し、
図5に示すように画面表示させる制御を行う。
【0071】
このような火災信号や減圧信号に対応した文字やシンボルを発生するため、火災信号や減圧信号に対応した文字やシンボルを登録した変換テーブルを防護区画毎に予め準備してメモリに記憶しておき、統合制御部104は、受信した火災信号又は減圧信号に含まれる防護区画IDにより変換テーブルを参照して、文字及び又はシンボルを生成して地図上に表示する制御を行う。
【0072】
また、表示画面214における地図表示は適宜の形態をとることが可能であり、例えば
図6に示すように、地
図216に表示する全ての防護区画A1〜A5について、予作動弁シンボルとスプリンクラーシンボルによる設備系統と感知器シンボルを表示する。この場合、火災検出と減圧検出を判別していない防護区画A2〜A4については、区画を示す文字A2〜A4を表示すると共に、予作動弁シンボルの中の三角形を黒塗りとして閉鎖状態を示し、またスプリンクラーヘッドシンボルも下端に感熱板を設けて非作動シンボルとする。
【0073】
これに対し火災検出と減圧検出を判別している防護区画A1については、区画領域218を赤色にして文字A1を表示すると共に、予作動弁シンボル222の中の三角形を白抜きとして開放状態を示し、スプリンクラーヘッドシンボル224については感熱板を除いて散水する様子を示したシンボルとしている。
【0074】
「システム統合盤の機能が喪失した場合の縮退制御」
図7はシステム統合盤の機能喪失によるシステム縮退構成を示した説明図である。
図7に示すように、統合消火システムの運用中に、システム統合盤100で何らかの障害が発生して機能を喪失した場合、システム制御盤200−1〜200−3のシステム制御部202は、システム統合盤100の障害による機能喪失を、例えば伝送部204による伝送障害から判別した場合、システム統合盤100と防護区画との間の検出信号及び制御信号の中継機能を停止し、システム統合盤100から独立して自分に接続している防護区画の検出器に基づく制御機器の制御を行う。
【0075】
即ち、
システム制御盤200−1〜200−3のシステム制御部202は、システム統合盤100の障害による機能喪失を判別すると、システム統合盤100と防護区画との間の検出信号及び制御信号の中継機能を停止し、例えばダブルインターロック制御として、防護区画毎に、火災感知器36による火災検出と減圧検出器44による減圧検出の両方を判別した場合に、予作動弁装置24に設けた作動用電動弁42に開放制御信号を出力して遠隔的に開放制御し、これに伴い予作動弁40を開放動作してスプリンクラーヘッド26から加圧消火用水を散水させる制御を行う。
【0076】
また、システム制御部202は、別パターンとして、火災感知器36による火災検出ができない障害検出、例えば伝送障害、断線、短絡、連動停止、商用電源断などの障害検出と減圧検出器による減圧検出の両方を判別した場合に、作動用電動弁42に開放制御信号を出力して開放制御し、これにより予作動弁装置24を開放動作してスプリンクラーヘッド26から加圧消火用水を放水させる。
【0077】
また、システム制御部202は、予作動弁装置24に設けた作動用電動弁42を個別的に選択して遠隔制御する機能に加え、液晶表示パネル206の一括復帰実行画面による一括復帰操作の受付けを検出した場合、点検などにより全開位置に制御している複数の作動用電動弁42を一括して定常位置となる全閉位置に復帰する制御を行う。この一括復帰制御は、複数の作動用電動弁42を、動作の重複を回避する所定のインターバル時間をおいて順次起動制御して全閉位置へ復帰させる。
【0078】
このようにシステム統合盤100の機能喪失を判別した場合、複数のシステム制御盤200−1〜200−3が独立して監視制御を行うため、システム統合盤100を追加したことに伴いシステムの故障率が高まることを回避可能とし、高い信頼性を確保する。
【0079】
「システム統合盤の機能喪失が復旧した場合の制御」
システム統合盤100の機能喪失が復旧した場合には、システム制御盤200−1〜200−3のシステム制御部202での動作履歴をシステム統合盤100に送信して動作履歴や、動作状況の表示や必要動作を行う。
【0080】
例えば、システム統合盤100の機能喪失中に、システム制御盤200−1のシステム制御部202で火災検出を判断している場合に、システム統合盤100の機能喪失が復旧したら、システム制御部202は火災の検出信号をシステム統合盤100に送信して表示など通常動作に戻る制御を行う。
【0081】
また、システム統合盤100の機能喪失の復旧後に、システム制御盤200−1〜200−3のシステム制御部202に設けた記録部に記録した動作履歴情報をシステム統合盤100に送信する制御を行い、これによりシステム統合盤100にてシステム制御盤200−1〜200−3のシステム制御部202の動作履歴を確認することが出来る。
【0082】
[システム制御盤の渡り制御]
図8は防護区画の検出器と制御機器を異なるシステム制御盤に接続した
統合消火システムの概略を示した説明図である。
【0083】
図8に示すように、防護区画Anを見ると、防護区画Anの火災感知器36と減圧検出器44はシステム制御盤200−1に接続しており、防護区画Anの予作動弁40は別のシステム制御盤200−2に接続している。
【0084】
この場合、システム統合盤100の統合制御部104は、システム制御盤200−1から防護区画A1の火災信号と減圧信号を受信して火災検出と減圧検出を判別して場合、防護区画Anを指定した開放制御信号を、システム制御盤200−2を送信先に指定して送信する。このためシステム制御盤200−2がシステム統合盤100からの防護区画Anを指定した開放制御信号を受信して防護区画Anの予作動弁40に出力して開放させる。この点は防護区画An+nも同様である。
【0085】
このようにシステム制御盤200−1〜200−3単位に防護区画を切り分ける必要はなく、同じ防護区画の検出器と制御機器を別々のシステム制御盤に切り分けることを可能とし、システム統合盤100を用いた運用管理においては、システム制御盤200−1〜200−3を意識することなく一つのシステムとして対処することを可能とする。
【0086】
一方、
図7において、システム統合盤100の機能が喪失した場合には、システム制御盤
200−1〜200−3は独立して監視制御を行うことになるが、システム制御盤200−1〜200−3の相互間で伝送路102を介して信号の送受信が可能であることから、例えばシステム制御盤200−1が防護区画Anの火災検出と減圧検出を判別した場合、防護区画Anを指定した開放制御信号を、システム制御盤200−2を送信先として送信し、システム制御盤200−2がシステム制御盤200−1からの防護区画Anを指定した開放制御信号を受信して防護区画Anの予作動弁40に出力して開放させる渡り制御を行うようにすれば良い。
【0087】
このシステム制御盤200−1〜200−3の間の渡り制御を実現するため、システム制御盤200−1〜200−3は、自己に接続した検出器と同じ防護区画に設けた他のシステム制御盤に接続した制御機器の関係を示す渡り制御情報を予め記憶しておくようにする。これによりシステム統合盤100の機能喪失を判別した場合、例えばシステム制御盤200−1は、自己に接続している検出器による防護区画Anの火災検出と減圧検出を判別した場合に、予め記憶している渡り制御情報から検出した他のシステム制御盤200−2に、防護区画Anを指定した開放制御信号を送信し、防護区画Anの予作動弁40を開放制御させることが可能となる。
【0088】
また、システム統合盤100の機能喪失中、システム制御盤200−1において復旧操作を行った場合には、予め記憶している渡り制御情報から検出した他のシステム制御盤200−2に、防護区画Anを指定した閉鎖制御信号を送信し、防護区画Anの予作動弁40を閉鎖制御させる。
【0089】
[本発明の変形例]
(消火設備)
上記の実施形態は予作動弁の2次側配管に加圧消火用水を充水した湿式の予作動スプリンクラー消火設備を例にとっているが、予作動弁の2次側に加圧空気を充填した乾式の予作動スプリンクラー消火設備、定常監視状態で予作動弁の一次側又は2次側に設けた制御弁を開放しており、火災検出を判別することなく減圧検出を判別して場合にスプリンクラーヘッドの破損などによる誤作動と判断して制御弁を閉鎖制御するスプリンクラー消火設備などの防護区画に検出器と制御機器を設けた適宜の消火設備を巨大物件に設置する場合に適用できる。
【0090】
(シングルインターロック)
上記の実施形態は、火災感知器による火災検出と減圧検出器による減圧検出の両方を判別した場合に予作動弁を開放制御してスプリンクラーヘッドから加圧消火用水を散水させるダブルインターロック制御を例にとっているが、火災感知器による火災検出を判別した場合に予作動弁装置を開放制御してスプリンクラーヘッドから加圧消火用水を散水させるシングルインターロック制御の予作動スプリンクラー消火設備についても、同様に適用できる。
【0091】
このシングルインターロック制御も、火災感知器による火災検出で予作動弁装置を開放制御するパターン以外に、火災感知器による火災検出ができない障害検出、例えば伝送障害、断線、短絡、連動停止、商用電源断などの障害検出を判別した場合に、予作動弁装置を開放制御してスプリンクラーヘッドから加圧消火用水を放水させる。
【0092】
(その他)
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。