(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態では、遊技機の一例であるパチンコ機Pについて図面を参照しながら具体的に説明する。
【0018】
図1および
図2に示すように、パチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容される遊技盤14(
図4参照)と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部4が形成されたガラス扉3と、このガラス扉3の開口部4に取り付けられた透明なと、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7と、を具備している。
【0019】
ガラス扉3は、左右方向の一端側(例えば、パチンコ機Pに正対して左側)においてヒンジ機構部9を介して本体枠2に連結されており、このヒンジ機構部9を支点として左右方向の他端側(例えば、パチンコ機Pに正対して右側)を本体枠2から開放させる方向に回動可能とされている。また、この他端側には、ガラス扉3を本体枠2に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能となっている。また、ガラス扉3には、ガラス扉3が本体枠2から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ303(
図5参照)も設けられている。
【0020】
さらに、ガラス扉3の上部には上部スピーカ11が左右に1個ずつ取り付けられているとともに、ガラス扉3の右下部には下部スピーカ12が1個取り付けられており、遊技に関する様々な楽曲や効果音を出力することが可能となっている。なお、以下では、上部スピーカ11および下部スピーカ12をまとめて、スピーカ11,12と呼称する。また、ガラス扉3の前面には、遊技盤14(
図4参照)の盤面に対面する位置に、透過性液晶画面を有する拡張演出表示装置1200が配置される。拡張演出表示装置1200の詳細については後述する。
【0021】
また、ガラス扉3の周囲にはLED等の発光体による発光が可能な装飾ランプ13A,13B,13C等が設けられており、これら装飾ランプ13A,13B,13Cでは、遊技の進行に合わせて種々の発光態様を行うことが可能となっている。
【0022】
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、本体枠2の下部には、遊技球を遊技領域15に向けて発射するための発射装置(図示しない)が取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置に1個ずつ供給される。
【0023】
また、受皿5が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿8に導かれることになる。この下皿8の底面には、当該下皿8から遊技球を排出するための玉抜き孔8bが形成されている。この玉抜き孔8bは、通常、開閉板(図示しない)によって閉じられているが、玉抜レバー8aを左右にスライドさせることにより、この玉抜レバー8aと一体となって開閉板がスライドし、玉抜き孔8bから下皿8の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
【0024】
そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、ハンドル7内にあるタッチセンサ7aが、ハンドル7に遊技者が触れたことを検知し、払出・発射制御基板300にタッチ信号を送信する。払出・発射制御基板300は、タッチセンサ7aからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド7cの通電を許可する。そして、ハンドル7の回転角度を変化させると、ハンドル7に直結しているギアが回転し、ギアに連結した発射ボリューム7bのつまみが回転する。この発射ボリューム7bの検出角度に応じた電圧が、発射装置に設けられた発射用ソレノイド7cに印加される。そして、発射用ソレノイド7cに電圧が印加されると、発射用ソレノイド7cが印加電圧に応じて作動するとともに、ハンドル7の回動角度に応じた発射強度で発射装置が遊技球を遊技領域15へと発射することができるようになっている。また、ハンドル7が初期位置に戻ると、発射ボリューム7bの検出角度が0度となり発射用ソレノイド7cに電圧が印加されなくなり、遊技球の発射が行われなくなる。
【0025】
前面ボード6の中央部付近には、遊技者が押下操作および回転操作する演出操作装置60が設けられている。この演出操作装置60は、中央部分が押下式スイッチ(タッチボタン検出スイッチ61aにより押下操作を検出する)であるタッチボタン61と、周縁部が回転型セレクタ(回転操作検出スイッチ62aにより回動操作を検出する)であるセレクタスイッチ62と、で構成され、発展型の演出(例えば、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展する内容の演出)において用いられたり、大当たり遊技中における演出や楽曲を選択する際に用いられたりする。また、スピーカ11,12の音量調整のためにも用いられる。
【0026】
また、
図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御基板100、副制御基板200、払出・発射制御基板300等が設けられている。続いて、
図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
【0027】
図4に示すように、遊技盤14は、その盤面に遊技領域15を有しており、遊技領域15は、本体枠2に装着した後、ガラス板10を介して観察することができる。遊技領域15は、遊技球を滑走させるガイドレール16aと遊技球規制レール16bとによって略円形状となるように区画形成されており、発射装置によって打ち出された遊技球はこの遊技領域15内を流下する。また、遊技領域15内には、演出表示装置40と、一般入賞口20と、ゲート22と、ステージ50と、第1始動入賞口(始動口)24および第2始動入賞口(始動口)26と、大入賞口28と、アウト口29等が設けられている。また、遊技領域15内には、多数の遊技釘17(図示のように遊技釘17は遊技盤14上に多数設けられている)と、風車21も設けられている。また、遊技盤14右下方の位置には、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特別図柄保留表示器33と、第2特別図柄保留表示器34と、普通図柄保留表示器35とが設けられている。
【0028】
第2始動入賞口26は、第1始動入賞口24の右側に離れて位置する経路26A内に設けられている。この経路26Aには、出口26Cと、スライド板26b(可動片26b)が設けられており、経路26A内に入球した遊技球は、出口26Cから遊技領域15に排出されるか、第2始動入賞口26へ入賞するか、何れかにのルートを辿ることとなる。
【0029】
スライド板26bは、通常では、遊技盤14の前面方向に突出した状態(閉状態)に維持されている。これにより、経路26A内に入球した遊技球が第2始動入賞口26へ入賞することが不可能となっている。この場合、遊技球は経路Cを辿り、出口26Cから遊技領域15に排出されることとなる。一方で、後述する普通図柄の抽選に当選となると、始動入賞口開閉ソレノイド26c(
図5参照)に通電がなされて、スライド板26bが遊技盤14の前面から後方にスライドした状態(開状態)に維持される。これにより、経路26A内に入球した遊技球が第2始動入賞口26へ入賞することが可能となる。この場合、遊技球は経路Dを辿り、第2始動入賞口26へ入賞することとなる。
【0030】
すなわち、第2始動入賞口26は、経路26A内に設けられているとともに、始動入賞口開閉ソレノイド26cが通電されておらず、スライド板26bが閉状態に維持される第1の態様と、始動入賞口開閉ソレノイド26cが通電され、スライド板26bが開状態となる第2の態様とに可動状態が制御される。
【0031】
発射装置の発射強度が弱〜中のとき(所謂、ぶっこみ狙いで遊技球を発射した場合)には、遊技球がルートLに示すように、遊技領域15の左側の領域18(演出表示装置40の左側)を流下することとなり、第1始動入賞口24に入賞する可能性があることとなる。なお、この場合には、第2始動入賞口26へは入賞することが不可能となっている。このような発射強度で遊技球を発射しながら行う遊技を「左打ち遊技」ともいう。また、このことから、左打ち遊技において主に遊技球が流下することとなる、上記領域18を左打ち領域18ともいう。
【0032】
また、発射装置の発射強度が中〜強のときには、遊技球がルートRに示すように、遊技領域15の右側の領域19(演出表示装置40の右側)を流下することとなり、第2始動入賞口26に入賞する可能性があることとなる。なお、この場合には、第2始動入賞口26への入賞に比べて低いものの、第1始動入賞口24にも入賞する可能性があるものとしている。このような発射強度で遊技球を発射しながら行う遊技を「右打ち遊技」ともいう。また、このことから、右打ち遊技において主に遊技球が流下することとなる、上記領域19を右打ち領域19ともいう。
【0033】
第1特別図柄表示装置30は、第1始動入賞口24に遊技球が入賞することを契機に行われる第1特別図柄(第1特図)に係る電子抽選(大当たりの抽選)の結果を表示するためのものである。また、第2特別図柄表示装置31は、第2始動入賞口26に遊技球が入賞することを契機に行われる第2特別図柄(第2特図)に係る電子抽選の結果を表示するためのものである。
【0034】
より具体的には、特別図柄表示装置30,31は、特図に係る抽選結果を、第1特図あるいは第2特図(例えば、数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示する。本実施形態では、特別図柄表示装置30,31として7セグメント表示器が用いられている。この特別図柄表示装置30,31は、演出表示装置40を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤14の右下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより特図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで特図の変動が停止する。この点滅中の時間が、特図(第1特図、第2特図)の変動時間である。
【0035】
また、本実施形態では、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことに基づく抽選と、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことに基づく抽選とが同時に行われることはなく、その実行順序は遊技球の入賞順である。即ち、先に入賞した始動入賞口に係る遊技が終了してから次の入賞に基づく遊技が行われるようになっている。そのため、第1始動入賞口24と第2始動入賞口26の両方の抽選結果を同時に表示することはない。また、特別図柄表示装置30,31は、第1特図についての変動および停止に係る表示を行う第1特図表示装置30と、第2特図についての変動および停止に係る表示を行う第2特図表示装置31とから構成されている。
【0036】
なお、上記した通り、本実施形態では、第1始動入賞口24と第2始動入賞口26の両方の抽選結果が同時に表示されることはないため、2つの始動入賞口24,26に遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特別図柄表示装置で表示するものとしてもよい。
【0037】
そして、特図の変動中や後述する大当たり遊技中等、第1始動入賞口24または第2始動入賞口26に遊技球が入賞して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとでこの入賞が入賞記憶(保留)として記憶される。より詳細には、第1始動入賞口24に遊技球が入賞した入賞記憶は第1保留として記憶され、第2始動入賞口26に遊技球が入賞した入賞記憶は第2保留として記憶される。
【0038】
これら両保留は、それぞれ記憶可能な保留の個数を4個に設定し、その個数(記憶されている保留の個数)は、それぞれ第1特別図柄保留表示器33と第2特別図柄保留表示器34とに表示される。なお、第1特別図柄保留表示器33および第2特別図柄保留表示器34は、それぞれ、2つのLEDから構成されており、例えば、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器33のうち1つのLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器33の2つのLEDがともに点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器33の1つのLEDが点灯し、もう1つのLEDは点滅する。さらに、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器33の2つのLEDが点滅する。なお、第2特別図柄保留表示器34においても、上記と同様に第2保留の個数が表示される。
【0039】
演出表示装置40は、遊技盤14の略中央部に設けられ、第1始動入賞口24に遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口26に遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置40には、画面全体に背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、第1特別図柄表示装置30に変動表示される第1特図、または第2特別図柄表示装置31に変動表示される第2特図と同期をとって演出図柄48(48a,48b,48c)が変動表示/停止表示されるようになっている。
【0040】
また、演出表示装置40には、保留の個数を示す表示(保留表示)を行うための保留表示領域42,44が設けられている。具体的には、演出表示装置40の左下側に第1保留表示領域42が設けられ、演出表示装置40の右下側に第2保留表示領域44が設けられている。さらに、第1保留表示領域42には、表示領域42a〜42dまで4つの表示領域が設けられており、それぞれ第1保留が1つの場合には表示領域42aに保留表示がなされ、第1保留が2つの場合には表示領域42aおよび表示領域42bに保留表示がなされ、第1保留が3つの場合には表示領域42a〜42cの3つに保留表示がなされ、第1保留が4つの場合には表示領域42a〜42dの4つに保留表示がなされるようになっている。また、第2保留表示領域44にも、表示領域44a〜44dまで4つの表示領域が設けられており、保留の個数に応じて表示領域44aから44dに向かって順に保留表示がなされるようになっている。なお、保留表示は、通常は灰色で表示されるが、例えば、所定条件が成立した場合には、青色や黄色、赤色等に変化したり、アイコン等に変化したりするものとなっている。
【0041】
ゲート22は、遊技球が通過可能な構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのゲート検出スイッチ22aが内蔵されている。また、このゲート22を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄(普図)に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置32が、特別図柄表示装置30,31に隣接して設けられている。この普通図柄表示装置32は、本実施形態では、一つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときにLEDランプが点灯し、ハズレのときにはLEDランプが消灯するようになっている。なお、このLEDランプを点滅表示させることにより普図が変動し、その点滅が停止して点灯表示または消灯表示に変わることで普図の変動が停止する。この点滅中の時間が、普図の変動時間である。
【0042】
そして、普通図柄に係る電子抽選の結果、当たり(普図当たり)となった場合には、第2始動入賞口26への入賞が可能となる。すなわち、始動入賞口開閉ソレノイド26cに通電がなされ、スライド板26bが開状態となる第2の態様に可動状態が制御される。つまり、第2始動入賞口26は、ゲート22での抽選結果に応じて作動する。なお、第2始動入賞口26、スライド板26bおよび始動入賞口開閉ソレノイド26cからなる構成は、普通図柄に係る抽選に基づいて作動(開状態/閉状態)することから、「普通電動役物」とも呼ばれる。
【0043】
そして、普通図柄の上限記憶個数も4個に設定されており、その記憶個数が、上記第1特別図柄保留表示器33および第2特別図柄保留表示器34と同様の態様によって、普通図柄保留表示器35において表示される。
【0044】
なお、特別図柄表示装置30,31、普通図柄表示装置32、特別図柄保留表示器33,34および普通図柄保留表示器35の表示制御は、主制御基板100によって行われている(
図5参照)。
【0045】
演出表示装置40の上方には、演出役物装置41が設けられている。この演出役物装置41は、演出表示装置40の上方から下方に向けて、この演出表示装置40の前面を覆うように可動することが可能な可動役物装置である(構造や機構等は図示しない)。この演出役物装置41は、特定の条件(例えば、大当たりに当選する、スーパーリーチに発展する等)が成立した場合などに作動する。そして、演出役物装置41が作動すると、演出表示装置40の前面の一部が覆われたような形態となる(図示しない)。
【0046】
また、演出表示装置40の下方には、ステージ50が設けられている、このステージ50は、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ50の中央には溝52が形成されており、この溝52の真下の位置には第1始動入賞口24が配されている。そのため、溝52から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口24へと導かれる。
【0047】
アタッカー装置27は、第1始動入賞口24に遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合、および第2始動入賞口26に遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合に所定の回数だけ開放される装置である。つまり、アタッカー装置27は、両始動入賞口24,26での抽選結果に応じて作動する。なお、アタッカー装置27は、特別図柄に係る抽選に基づいて作動(開放/閉鎖)する装置であることから、「特別電動役物」とも呼ばれる。
【0048】
そして、このアタッカー装置27は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材27aを備えており、大入賞口開閉ソレノイド27c(
図5参照)を駆動することにより蓋部材27aが水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材27aが開いた状態では遊技領域15の下部に設けられた大入賞口28が露呈されるから、遊技者は、その大入賞口28に遊技球を入賞させることができる。
【0049】
つまり、アタッカー装置27は、常態では蓋部材27aが大入賞口28を閉じているため、大入賞口28に遊技球が入賞することはないが、大当たり遊技に移行すると、蓋部材27aが所定のラウンド数だけ開放されて大入賞口28が露呈されることとなる。このため、大当たり遊技においては、遊技球を大入賞口28内に入賞させることが可能となる。そして、大入賞口28に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口28に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。なお、大入賞口28は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置27の蓋部材27aは、この大入賞口28の形状とほぼ同じ形状を成している。なお、大当たり遊技の詳細については後述する。
【0050】
また、一般入賞口20に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、一般入賞口20、第1始動入賞口24、第2始動入賞口26および大入賞口28の何れにも入らなかった遊技球は、アウト口29から回収される。なお、一般入賞口20、第1始動入賞口24、第2始動入賞口26、大入賞口28の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検出する、一般入賞口検出スイッチ20a、第1始動入賞口検出スイッチ24a、第2始動入賞口検出スイッチ26a、大入賞口検出スイッチ28a(
図5参照)が設けられている。
【0051】
次に、
図5を用いて、パチンコ機Pを構成する各制御基板等について説明する。
【0052】
主制御基板100は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板100は、メインCPU100a、メインROM100b、メインRAM100cを備えている。メインCPU100aは、各検出スイッチや各種タイマカウンタからの入力信号に基づいて、メインROM100bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM100cは、メインCPU100aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0053】
上記主制御基板100の入力側には、一般入賞口検出スイッチ20a、ゲート検出スイッチ22a、第1始動入賞口検出スイッチ24a、第2始動入賞口検出スイッチ26a、大入賞口検出スイッチ28aが接続されており、遊技球の検出信号が主制御基板100に入力するようにしている。
【0054】
また、主制御基板100の出力側には、第2始動入賞口26のスライド板26bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド26cと、アタッカー装置27の蓋部材27aを開閉動作させる大入賞口開閉ソレノイド27cと、が接続される。
【0055】
さらに、主制御基板100の出力側には、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特別図柄保留表示器33、第2特別図柄保留表示器34および普通図柄保留表示器35が接続されており、出力ポートを介して各種信号が出力される。
【0056】
また、主制御基板100は、遊技店のホールコンピュータ等において遊技機の管理をするために必要となる外部情報信号を払出・発射制御基板300に出力する。
【0057】
主制御基板100のメインROM100bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0058】
例えば、特別図柄の当否結果を判定する際に参照される大当たり決定乱数判定テーブル(
図6(a)、
図6(b)参照)、特別図柄の種別を決定する際に参照される当たり図柄乱数判定テーブル(
図7(a)、
図7(b)参照)、アタッカー装置27の開閉パターンを決定する作動テーブル(
図8(a)〜(f)参照)、特別遊技の終了後の遊技状態を決定するための遊技状態設定テーブル(
図9参照)、変動演出パターンを決定する際に参照される各種テーブル(
図10〜
図14参照)、普通図柄の当否結果を判定する際に参照される当たり決定乱数判定テーブル(
図15参照)、普通図柄の変動時間を決定するための普通図柄変動時間決定テーブル(
図16参照)、第2始動入賞口26のスライド板26b(可動片26b)の作動を制御するための開閉制御パターンテーブル(
図17参照)等がメインROM100bに記憶されている。これら各種テーブルの具体例は
図6乃至
図17において、後述する。
【0059】
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
【0060】
主制御基板100のメインRAM100cは、複数の記憶領域を有している。
【0061】
例えば、メインRAM100cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、判定記憶領域、第1特別図柄記憶領域、第2特別図柄記憶領域、高確率遊技回数(X)記憶領域、時短遊技回数(J)記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、遊技状態記憶領域、遊技状態バッファ、判定記憶領域(第0記憶部)、普図判定記憶領域、普図停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、図柄種別データ処理領域、グループ種別データ処理領域、変動パターン番号データ処理領域、タイマカウンタ、変動時間タイマカウンタ、普図変動時間タイマカウンタ、普図停止表示時間カウンタ等が設けられている。そして、遊技状態記憶領域は、時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域、特図実行フェーズデータ記憶領域、普図実行フェーズデータ記憶領域を備えている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
【0062】
電源基板600には、この電源基板600に電力を給電するための電源プラグ601が設けられているとともに、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、パチンコ機Pに供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板100に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU100aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU100aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
【0063】
副制御基板200は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板200は、サブCPU200a、サブROM200b、サブRAM200cを備えており、主制御基板100に対して、当該主制御基板100から副制御基板200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンド、または、タッチボタン検出スイッチ61a、回転操作検出スイッチ62a、タイマカウンタ200dからの入力信号に基づいて、サブROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを画像制御基板400またはランプ制御基板500に送信する。サブRAM200cは、サブCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。また、タイマカウンタ200dは、各種演出等に係る時間を計測する機能を有している。
【0064】
副制御基板200のサブROM200bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0065】
例えば、主制御基板100から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル(図示省略)、停止表示する演出図柄48の組み合わせを決定するための演出図柄パターン決定テーブル(図示省略)等がサブROM200bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
【0066】
副制御基板200のサブRAM200cは、複数の記憶領域を有している。
【0067】
サブRAM200cには、コマンド受信バッファ、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域、判定記憶領域(第0記憶領域)、第1保留記憶領域、第2保留記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
【0068】
払出・発射制御基板300は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出・発射制御基板300は、払出・発射CPU300a、払出・発射ROM300b、払出・発射RAM300cを備えており、主制御基板100に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出・発射CPU300aは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ302、扉開放スイッチ303、タイマカウンタからの入力信号に基づいて、払出・発射ROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板100に送信する。また、払出・発射制御基板300の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置(図示しない)の払出モータ301が接続されている。払出・発射CPU300aは、主制御基板100から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出・発射ROM300bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出モータ301を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出・発射RAM300cは、払出・発射CPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0069】
また、払出・発射制御基板300には、遊技情報出力端子板308が接続されている。この遊技情報出力端子板308は、払出・発射制御基板300を介して主制御基板100において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ700に出力するための基板である。遊技情報出力端子板308は、遊技場内LAN(図示しない)を介してホールコンピュータ700に接続される。
【0070】
また、払出・発射制御基板300には、下皿8の満タン状態を検出する下皿満タン検出スイッチ304が接続されている。この下皿満タン検出スイッチ304は、賞球として払い出される遊技球を下皿8に導く通路に設けられており、遊技球検出信号が払出・発射制御基板300に入力されるようになっている。
【0071】
そして、下皿8に所定数量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿8に向かう通路内に遊技球が滞留し、下皿満タン検出スイッチ304から払出・発射制御基板300に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出・発射制御基板300は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿8が満タン状態であると判断し、下皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。一方、下皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、下皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
【0072】
また、払出・発射制御基板300は、タッチセンサ7aからのタッチ信号および発射ボリューム7bからの入力信号を読み出し、発射用ソレノイド7cを通電制御し、遊技球を発射させる。
【0073】
ここで、発射用ソレノイド7cの回転速度は、払出・発射制御基板300に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技球数は、発射用ソレノイド7cが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
【0074】
画像制御基板400は、上記演出表示装置40の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、画像ROM、画像RAM、VRAMと、音声CPU、音声ROM、音声RAMとを備えている。この画像制御基板400は、上記副制御基板200に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記演出表示装置40およびスピーカ11,12を接続している。
【0075】
上記画像ROMには、演出表示装置40に表示される演出図柄48や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUが副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、所定の画像データを画像ROMからVRAMに読み出して、演出表示装置40における表示制御をする。なお、画像CPUは、演出表示装置40に対して、背景画像表示処理、演出図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理を実行するが、背景画像、演出図柄画像、キャラクタ画像は、演出表示装置40の表示画面上において重畳表示される。
【0076】
また、上記音声ROMには、スピーカ11,12から出力される音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、スピーカ11,12における音声出力制御をする。
【0077】
ランプ制御基板500は、遊技盤14に設けられた盤面ランプ(図示しない)およびガラス扉3に設けられた装飾ランプ13A,13B,13C、演出操作装置60の内部に設けられるとともに、この演出操作装置60を発光させるLED60bを含めた各種発光装置を制御する。また、演出役物装置41を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源(図示しない)を通電制御する。このランプ制御基板500は、副制御基板200に接続されており、副制御基板200から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
【0078】
次に、
図6〜
図17を参照して、メインROM100bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
【0079】
図6(a)、
図6(b)は、特別図柄の停止結果を大当たりまたは小当たりとするか否かを判定する際に参照する大当たり決定乱数判定テーブルを示す図である。この大当たり決定乱数判定テーブルは、
図6(a)に示す、低確率時において大当たり決定乱数を判定する低確率判定テーブルと、
図6(b)に示す、高確率時において大当たり決定乱数を判定する高確率判定テーブルとから構成されている。
【0080】
具体的に、大当たり決定乱数は、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、または、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことを契機に(第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)取得される。また、各始動入賞口24,26に入賞した場合には、それぞれ1つの大当たり決定乱数が取得される。
【0081】
この大当たり決定乱数は主制御基板100内に設けられた乱数発生器等(図示しない)にて生成されるハードウェア乱数である。このハードウェア乱数は、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
【0082】
なお、本実施形態において、ハードウェア乱数の乱数生成に係る更新速度は、後述のソフトウェア乱数の更新速度と比較して速くしており、抽出されるカウンタ値(所謂、擬似乱数)のランダム性を向上させている。
【0083】
ここで、
図6(b)に示す高確率判定テーブルは、
図6(a)に示す低確率判定テーブルよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、高確率判定テーブルは、大当たりの当選確率がおよそ1/40、低確率判定テーブルは、大当たりの当選確率がおよそ1/400(所謂、Maxスペック)に設定されている。つまり、高確率判定テーブルの方が、低確率判定テーブルに比べて10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
【0084】
また、小当たりとなる確率は、
図6(a)に示す低確率判定テーブルと、
図6(b)に示す高確率判定テーブルとにおいて、変わらないものとなっている。より詳しく言うと、低確率判定テーブルおよび高確率判定テーブル共に、小当たりの当選確率がおよそ1/400に設定されている。
【0085】
なお、小当たりは、大当たりと同様にアタッカー装置27が開放する当たりであるものの、賞球がほぼ見込めない、かつ、当該小当たりの当選前後において遊技状態が変化しない当たりのことである。
【0086】
なお、本実施形態では、第1特図および第2特図ともに同じ大当たり決定乱数判定テーブル(低確率判定テーブルおよび高確率判定テーブル)を参照するものとしている。
【0087】
また、説明の便宜上、これ以降の説明において、低確率判定テーブルを参照して第1特図について大当たり(または小当たり)の当否に係る抽選が行われる遊技状態、または低確率判定テーブルを参照して第2特図について大当たり(または小当たり)の当否に係る抽選が行われる遊技状態のことを「低確率遊技状態」という。また、高確率判定テーブルを参照して第1特図について大当たり(または小当たり)の当否に係る抽選が行われる遊技状態、または高確率判定テーブルを参照して第2特図について大当たり(または小当たり)の当否に係る抽選が行われる遊技状態のことを「高確率遊技状態」という。また、後述する、非時短用判定テーブル(
図15(a))を参照して普通図柄に係る抽選が行われる遊技状態のことを「非時短遊技状態」といい、時短用判定テーブル(
図15(b))を参照して普通図柄に係る抽選が行われる遊技状態のことを「時短遊技状態」という。
【0088】
図7は、特別図柄の種別を決定する際に参照する当たり図柄乱数判定テーブルを示す図である。この当たり図柄乱数判定テーブルでは、当たり図柄乱数に基づいて、特別図柄の種別が判定される。
【0089】
具体的には、上述した
図6(a)または
図6(b)において、大当たりとなる大当たり決定乱数値を取得した場合には、
図7(a)の大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにより当たり図柄乱数が判定され、小当たりとなる大当たり決定乱数値を取得した場合には、
図7(b)の小当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにより当たり図柄乱数が判定される。なお、
図6(a)または
図6(b)において、大当たりとも小当たりともならない(つまり、ハズレとなる)大当たり決定乱数値を取得した場合には、当たり図柄乱数判定テーブルによる判定は行われない。
【0090】
当たり図柄乱数は、上述した大当たり決定乱数と同様に、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、または、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことを契機に(第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)取得される。また、各始動入賞口24,26に入賞した場合には、それぞれ1つの当たり図柄乱数が取得される。
【0091】
この当たり図柄乱数は主制御基板100内にて生成されるソフトウェア乱数である。このソフトウェア乱数は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜99までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
【0092】
また、上述した大当たり決定乱数が大当たりまたは小当たりに当選しているか否か(特別図柄の当否)を決定するものであるのに対して、当たり図柄乱数は、特別図柄の種別を決定するためのものである。すなわち、大当たりの内容(種別、ラウンド数、電サポ回数、アタッカー開放パターン)または小当たりの内容(種別)が当たり図柄乱数により決定される。
【0093】
図7(a)に示すように、大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにおいては、特別図柄の種別として、特別図柄1〜特別図柄6までの6つの種別が予め決められている。上述した
図6(a)または
図6(b)において、大当たりとなる大当たり決定乱数値を取得した場合には、このとき取得された1の当たり図柄乱数値により、特別図柄1〜特別図柄6の何れか1つの特別図柄の種別が決定されることになる。
【0094】
より詳細に説明すると、
図7(a)に示す大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにおいて、当たり図柄乱数の値が0〜49までのものに対して特別図柄1(特別図柄表示装置30,31に表示される特別図柄の組み合わせは、「16R特定時短有図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が50〜59までのものに対して特別図柄2(特別図柄表示装置30,31に表示される特別図柄の組み合わせは、「12R特定時短有図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が60〜69までのものに対して特別図柄3(特別図柄表示装置30,31に表示される特別図柄の組み合わせは、「8R特定時短有図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が70〜74までのものに対して特別図柄4(特別図柄表示装置30,31に表示される特別図柄の組み合わせは、「2R特定時短なし図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が75〜89までのものに対して特別図柄5(特別図柄表示装置30,31に表示される特別図柄の組み合わせは、「12R通常時短有図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が90〜99までのものに対して特別図柄6(特別図柄表示装置30,31に表示される特別図柄の組み合わせは、「8R通常時短有図柄」が対応づけられている)が、それぞれ対応付けられている。
【0095】
なお、上記それぞれの選択される割合は、図示のとおりである。すなわち、「16R特定時短有図柄」が選択される割合が50%と最も高くなっている。
【0096】
なお、詳しくは後述するが、特別図柄の種別に対応づけられた図柄の組み合わせにおいて、「16R」は大当たり遊技におけるラウンド数が16ラウンドであることを、「12R」はラウンド数が12ラウンドであることを、「8R」はラウンド数が8ラウンドであることを意味している。
【0097】
そして、「特定」は当該大当たり遊技の終了後から遊技状態が高確率遊技状態に設定される、所謂、確変当たりを意味し、「通常」は当該大当たり遊技の終了後から遊技状態が低確率遊技状態に設定される、所謂、通常当たりを、それぞれ意味している。
【0098】
また、「時短有」は、当該大当たり遊技の終了後から遊技状態が時短遊技状態に設定される、所謂、電サポ付当たりを意味し、「時短なし」は、当該大当たり遊技の終了後から遊技状態が非時短遊技状態に設定される(つまり、時短遊技状態にはならない)、所謂、電サポ無し当たりを意味する。なお、本実施形態では大当たり遊技が12ラウンドで構成されていても、実際に賞球を獲得できるラウンドの数(即ち、実質ラウンド数)は8ラウンド分となっている場合がある。また、大当たり遊技が2ラウンドで構成されていても、実際に賞球を獲得できるラウンドの数は0ラウンド分となっている場合もある。
【0099】
また、
図7(b)に示す、小当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにおいては、特別図柄の種別として、特別図柄Aおよび特別図柄Bの2つの種別が予め決められている。上述した
図6(a)または
図6(b)において、小当たりとなる大当たり決定乱数値を取得した場合には、このとき取得された1の当たり図柄乱数値により、特別図柄Aまたは特別図柄Bの何れか1つの特別図柄の種別が決定されることになる。
【0100】
なお、特別図柄A(特別図柄表示装置30,31に表示される特別図柄の組み合わせは、「小当たりA図柄」が対応づけられている)と、特別図柄B(特別図柄表示装置30,31に表示される特別図柄の組み合わせは、「小当たりB図柄」が対応づけられている)と、が選択される割合は、図示のとおり同じものとなっている。
【0101】
なお、上述した
図6(a)または
図6(b)において、大当たりとも小当たりともならない(つまり、ハズレとなる)大当たり決定乱数値を取得した場合には、ハズレ用の特別図柄0が当該図柄として決定される。この特別図柄0には、特別図柄表示装置30,31に表示される特別図柄の組み合わせとして、「ハズレ図柄」が対応づけられている。
【0102】
なお、本実施形態では、第1特図および第2特図ともに同じ当たり図柄乱数判定テーブル(大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルおよび小当たり用の当たり図柄乱数判定テーブル)を参照するものとしている。
【0103】
このように、本実施形態では、第1特図および第2特図において、決定されうる特別図柄の種別が同じであって、かつ、これらは選択される確率は同じであるから、第1特図と第2特図とでの有利/不利は生じない。なお、第1特図と第2特図とで有利/不利を付けるテーブル構成としても良い。例えば、第1特図と第2特図とで確変当たりの割合は同じであるものの、大当たり遊技のラウンド数が第2特図の方が第1特図より有利となるようなテーブル構成としても良い。
【0104】
図8(a)〜(f)は、アタッカー装置27の開閉パターンが対応づけられた、アタッカー装置27の作動テーブルを示す図である。アタッカー装置27の作動テーブルは、特別図柄の種別ごとに別々のテーブルが設けられている。なお、本実施形態では、第1特図および第2特図で共通して、
図8(a)〜(f)に示す作動テーブルを参照するものとしている。
【0105】
「ラウンド遊技回数(R)」とは、大当たり遊技中にラウンド遊技が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数は16回(R=16、16ラウンド)、12回(R=12、12ラウンド)、8回(R=8、8ラウンド)、2回(R=2、2ラウンド)の4種類がある。また、ラウンド遊技の回数が12ラウンドとなっている大当たり遊技(特別図柄2に係る大当たり遊技、特別図柄5に係る大当たり遊技)であっても、特別図柄の種別が「特別図柄2(12R特定時短有図柄)」の場合には、所定回数目のラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が非常に短く設定されているため、実際に賞球を獲得できるラウンド数(実質ラウンド数)は8ラウンドである。また、特別図柄の種別が「特別図柄4(2R特定時短なし図柄)」の場合には、すべてのラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が非常に短く設定されているため、実質ラウンド数は0ラウンドである(つまり、実際に賞球を獲得することは困難である)。なお、小当たり遊技については、ラウンド遊技は行われない。
【0106】
「開放回数(K)」とは、大当たり遊技中においては、当該大当たり遊技中の1回のラウンド遊技においてアタッカー装置27が開放状態となる回数のことをいい、また、小当たり遊技中においては、当該小当たり遊技中においてアタッカー装置27が開放状態となる回数のことをいう。本実施形態では、大当たり遊技中の1回のラウンド遊技においてアタッカー装置27が開放する回数はすべて1回となっている。すなわち、当該大当たり遊技が、16ラウンドであれば、アタッカー装置27の開放回数は16回となり、12ラウンドであれば、アタッカー装置27の開放回数は12回となり、8ラウンドであれば、アタッカー装置27の開放回数は8回となり、2ラウンドであれば、アタッカー装置27の開放回数は2回となる。一方、小当たり遊技中においてアタッカー装置27が開放する回数は2回となっている。
【0107】
「開放時間」とは、アタッカー装置27が開放状態に維持される時間のことをいう。本実施形態では、開放時間が「29.0秒」に設定されるラウンド遊技と、開放時間が「0.1秒」に設定されるラウンド遊技とがある。例えば、開放時間が「29.0秒」に設定されたラウンド遊技では、アタッカー装置27が開放状態となってから大入賞口28に遊技球を複数個以上、入賞させることが十分に可能であるが、開放時間が「0.1秒」に設定されたラウンド遊技では、アタッカー装置27が開放状態となっても、0.1秒で直ちに閉じてしまうため、大入賞口28に遊技球を入賞させることは困難である。
【0108】
「閉鎖時間(インターバル時間)」とは、大当たり遊技の場合には、各ラウンド遊技間にアタッカー装置27が閉鎖する時間のことをいう。また、小当たり遊技の場合には、各開放間にアタッカー装置27が閉鎖する時間のことをいう。
【0109】
このように、本実施形態では、先に述べた特別図柄(第1特図または第2特図)の種別が決定されると、その種別に基づいて、
図8(a)〜(f)に示す第1作動テーブル〜第6作動テーブルの何れか1つが決まるようになっている。
【0110】
図8(a)に示す第1作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄1(16R特定時短有図柄)」の場合に決定され、この第1作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜16回目の全てのラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が「29.0秒」に設定された大当たり遊技となる。
【0111】
図8(b)に示す第2作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄2(12R特定時短有図柄)」の場合に決定され、この第2作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜8回目のラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が「29.0秒」に設定されるとともに、9回目〜12回目のラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が「0.1秒」に設定される大当たり遊技となる。
【0112】
図8(c)に示す第3作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄3(8R特定時短有図柄)」および「特別図柄6(8R通常時短有図柄)」の場合に決定され、この第3作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜8回目の全てのラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が「29.0秒」に設定された大当たり遊技となる。
【0113】
図8(d)に示す第4作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄4(2R特定時短なし図柄)」の場合に決定され、この第4作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜2回目の全てのラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が「0.1秒」に設定された大当たり遊技となる。
【0114】
図8(e)に示す第5作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄5(12R通常時短有図柄)」の場合に決定され、この第5作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜12回目の全てのラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間が「29.0秒」に設定された大当たり遊技となる。
【0115】
図8(f)に示す第6作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄A(小当たりA図柄)」および「特別図柄B(小当たりB図柄)」の場合に決定され、この第6作動テーブルにより制御された小当たり遊技は、当該小当たり遊技におけるアタッカー装置27の開放回数が2回で、かつ、開放時間が「0.1秒」に設定された小当たり遊技となる。
【0116】
なお、小当たり遊技(特別図柄Aおよび特別図柄Bに係る小当たり遊技)に対応づけられているアタッカー装置27の開放パターンは、特別図柄4に係る大当たり遊技に対応付けられているアタッカー装置27の開放パターンと、見た目上は全く同じパターンとしている。このため、小当たり遊技(特別図柄Aまたは特別図柄Bに係る小当たり遊技)、または、特別図柄4に係る大当たり遊技が行われた場合において、これらの当たりの種別をアタッカー装置27の開放態様から識別することは困難なものとなっている。
図9は、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルである。なお、本実施形態では、第1特図および第2特図で共通して、
図9に示す遊技状態設定テーブルを参照するものとしている。
【0117】
本実施形態に係るパチンコ機Pは、遊技状態として、「低確モード」、「時短モード」、「潜確モード」、「確変モード」の4つの状態が予め用意されている。「低確モード」は、低確率遊技状態かつ非時短遊技状態(「低確・非時短」)から成り、「時短モード」は、低確率遊技状態かつ時短遊技状態(「低確・時短」)から成り、「潜確モード」は、高確率遊技状態かつ非時短遊技状態(「高確・非時短」)から成り、「確変モード」は、高確率遊技状態かつ時短遊技状態(「高確・時短」)から成るものである。
【0118】
本実施形態では、大当たり遊技の終了後から、当該大当たり遊技が行われる契機となった特別図柄(第1特図または第2特図)の種別に応じて、高確/低確の何れか、時短/非時短の何れかが決まるものとなっている。さらに、高確の場合には高確率遊技状態が継続する回数(高確率遊技回数(X))が決まり、時短の場合には時短遊技状態が継続する回数(時短遊技回数(J))が決まるものとなっている。このとき決まった高確率遊技回数(X)は、高確率遊技回数(X)記憶領域に記憶され、時短遊技回数(J)は、時短遊技回数(J)記憶領域に記憶される。
【0119】
具体的に、特別図柄の種別と、当該特別図柄に係る大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態との対応関係は以下の通りである。
【0120】
「特別図柄1(16R特定時短有図柄)」に係る大当たり遊技の終了後には、当該大当たりに当選したときの遊技状態が「低確モード」、「時短モード」、「潜確モード」、「確変モード」の何れであっても、当該大当たり遊技の終了後には、高確率遊技回数が10000回および時短遊技回数が10000回に設定される。
【0121】
「特別図柄2(12R特定時短有図柄)」に係る大当たり遊技の終了後には、当該大当たりに当選したときの遊技状態が「低確モード」、「時短モード」、「潜確モード」、「確変モード」の何れであっても、当該大当たり遊技の終了後には、高確率遊技回数が10000回および時短遊技回数が10000回に設定される。
【0122】
「特別図柄3(8R特定時短有図柄)」に係る大当たり遊技の終了後には、当該大当たりに当選したときの遊技状態が「低確モード」、「時短モード」、「潜確モード」、「確変モード」の何れであっても、当該大当たり遊技の終了後には、高確率遊技回数が10000回および時短遊技回数が10000回に設定される。
【0123】
「特別図柄4(2R特定時短なし図柄)」に係る大当たり遊技の終了後には、当該大当たりに当選したときの遊技状態が「低確モード」、であれば、当該大当たり遊技の終了後には、高確率遊技回数が10000回および時短遊技回数が0回に設定される。一方、当該大当たりに当選したときの遊技状態が「時短モード」、「潜確モード」、「確変モード」の何れかであれば、当該大当たり遊技の終了後には、高確率遊技回数が10000回および時短遊技回数が10000回に設定される。
【0124】
「特別図柄5(12R通常時短有図柄)」に係る大当たり遊技の終了後には、当該大当たりに当選したときの遊技状態が「低確モード」、「時短モード」、「潜確モード」、「確変モード」の何れであっても、当該大当たり遊技終了後には、高確率遊技回数が0回および時短遊技回数が100回に設定される。
【0125】
「特別図柄6(8R通常時短有図柄)」に係る大当たり遊技の終了後には、当該大当たりに当選したときの遊技状態が「低確モード」、「時短モード」、「潜確モード」、「確変モード」の何れであっても、当該大当たり遊技終了後には、高確率遊技回数が0回および時短遊技回数が100回に設定される。
【0126】
ここで、本実施形態では、低確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/400であり、高確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/40となっているから、高確率遊技状態において10000回も遊技を行う間には、ほぼ間違いなく大当たりに当選する。加えて、時短遊技回数が10000回付与されるということは、次回の大当たり当選まで「時短遊技状態」が継続することと等しいと言えるものである。すなわち、高確率遊技回数が10000回、時短遊技回数が10000回に決定されると、遊技球をあまり減らすことなく大当たりが連荘することが実質上、確定することになる。
【0127】
なお、
図9(※)には、大当たり遊技終了後の遊技状態との比較のため、小当たり遊技の終了後の遊技状態について記載している。すなわち、小当たり遊技の遊技前および遊技終了後において遊技状態は何ら変わらない。また、新たに高確率遊技回数(X)が設定されたり、時短遊技回数(J)が設定されたりすることもない。
【0128】
また、上述した大当たり決定乱数、当たり図柄乱数と同様に、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことを契機として(第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、または、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことを契機として(第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、変動演出パターン(変動態様や変動時間)を決定するための各種乱数(リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)が取得される。また、各始動入賞口24,26に入賞した場合には、それぞれ1つのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数が取得される。
【0129】
これらの各種乱数(リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)は主制御基板100内にて生成されるソフトウェア乱数である。
【0130】
リーチグループ決定乱数は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜10006までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
【0131】
また、リーチモード決定乱数は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜250までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
【0132】
また、変動パターン乱数は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜249までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
【0133】
上述した各種乱数(リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定するための各種判定テーブルについて、
図10〜
図14を参照しつつ説明する。
【0134】
図10に示す、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、リーチグループ決定乱数を判定するためのテーブルであって、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、当該結果を報知する変動演出パターン(変動態様や変動時間)を決定するにあたって参照される判定テーブルである。このリーチグループ決定乱数判定テーブルと、リーチグループ決定乱数とにより、変動演出パターンの決定に用いられるリーチモード決定乱数判定テーブルが属するグループの種別が決定される。
【0135】
一方、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブルが決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
【0136】
このリーチグループ決定乱数判定テーブルは、遊技状態ごと、始動入賞口の種別ごと、および、保留数(U)記憶領域(第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域)に記憶されている保留の個数(保留数)ごとに複数設けられている。ここでは、
図10に示すように、遊技状態が非時短遊技状態である場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブルについてのみ説明し、他のリーチグループ決定乱数判定テーブルの説明は省略する。
【0137】
第1始動入賞口24または第2始動入賞口26に遊技球が入賞すると、0〜10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、始動入賞口の種別、および、保留数に応じて、
図10に示すリーチグループ決定乱数判定テーブルが選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブルとに基づいて、グループの種別が決定される。
【0138】
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ、第1始動入賞口24への遊技球の入賞により取得された大当たり決定乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該大当たりの抽選時の第1特図の保留数が0または1であった場合には、
図10(a)に示す第1判定テーブルが選択され、当該大当たりの抽選時の第1特図の保留数が2または3であった場合には、
図10(b)に示す第2判定テーブルが選択される。
【0139】
また、遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ、第2始動入賞口26への遊技球の入賞により取得された大当たり決定乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときは、当該大当たりの抽選時の第2特図の保留数がいかなる個数であっても(すなわち、保留数が0〜3の何れであっても)、
図10(c)に示す第3判定テーブルが選択される。
【0140】
そして、
図10(a)に示すように、第1判定テーブルによれば、リーチグループ決定乱数が0〜3999であった場合に「Aグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が4000〜8999であった場合に「Bグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9899であった場合に「Cグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900〜10006であった場合に「Dグループ」が決定される。
【0141】
また、
図10(b)に示すように、第2判定テーブルによれば、リーチグループ決定乱数が0〜5999であった場合に「Aグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が6000〜8999であった場合に「Bグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9899であった場合に「Cグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900〜10006であった場合に「Dグループ」が決定される。
【0142】
このように、保留数が2または3である場合には、保留数が0または1である場合に比べて、Aグループが選択される割合が増え、Bグループが選択される割合が減少する。これは、保留数が増加することにより、保留に係る変動時間を変更(短縮)することを可能とするためである。所謂、保留短縮機能を働かせるため、AグループまたはBグループの一部と判定され得るリーチグループ決定乱数(0〜5999)が取得された場合には、保留数によって、変動時間が変わることとなる。
【0143】
さらに、
図10(c)に示すように、第3判定テーブルによれば、リーチグループ決定乱数が0〜7999であった場合に「Aグループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000〜10006であった場合に「Bグループ」が決定される。
【0144】
リーチモード決定乱数判定テーブルは、変動演出パターン(変動態様や変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブルを決定するためのものである。
【0145】
このリーチモード決定乱数判定テーブルは、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブル(
図11参照)と、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用リーチモード決定乱数判定テーブル(
図12参照)と、を備えている。
【0146】
また、ハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに、複数設けられている。ここでは、
図10に示したリーチグループ決定乱数判定テーブルにおいて、「Aグループ」が決定された場合に参照されるAグループ用判定テーブル(
図11(a))と、「Bグループ」が決定された場合に参照されるBグループ用判定テーブル(
図11(b))と、「Cグループ」が決定された場合に参照されるCグループ用判定テーブル(
図11(c))と、「Dグループ」が決定された場合に参照されるDグループ用判定テーブル(
図11(d))と、について説明し、他のハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブルの説明は省略する。
【0147】
第1始動入賞口24または第2始動入賞口26へ遊技球が入賞すると、0〜250の数値内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用リーチモード決定乱数判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、および、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
【0148】
具体的には、例えば、上述したグループの種別の抽選により「Aグループ」が決定された場合に、
図11(a)に示すAグループ用判定テーブルが選択され、「Bグループ」が決定された場合に、
図11(b)に示すBグループ用判定テーブルが選択され、「Cグループ」が決定された場合に、
図11(c)に示すCグループ用判定テーブルが選択され、「Dグループ」が決定された場合に、
図11(d)に示すDグループ用判定テーブルが選択される。
【0149】
そして、
図11(a)に示すように、Aグループ用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜250であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン乱数判定テーブルとして第1変動テーブルが選択される。
【0150】
なお、上記「00H」で示す変動モード番号は、副制御基板200へ送信される制御コマンドを構成するEVENTデータであり、このEVENTデータは、1バイトのデータで構成されている。「※※H」という表記において、※には0〜9、A〜Fまでの数字および文字(16進数表記)が入る。つまり、「※※H」には、「00H」〜「FFH」までの256個の組み合わせを作成することが可能である。
【0151】
なお、このEVENTデータには、コマンドの分類を識別するための1バイトのMODEデータ「※※H」(※には0〜9、A〜Fまでの数字および文字(16進数表記)が入る)がそれぞれ対応づけられることにより、「MODE+EVENT」の2バイトのコマンドデータが生成され、このコマンドデータが、副制御基板200に送信される制御コマンド(変動モードコマンド)となる。
【0152】
なお、ここで決定される変動モード番号には、上述した制御コマンドが副制御基板200に送信されたときに、演出表示装置40における演出図柄の変動開始からリーチ成立/あるいはリーチ成立せずにハズレ停止するまでの変動態様が対応づけられており、この変動モード番号が決まると、演出表示装置40において演出図柄の変動が開始してからリーチが成立するまでの変動態様、あるいは演出図柄46の変動が開始してからリーチが成立せずにハズレ図柄が停止するまでの変動態様が決まることになる。
【0153】
ここでいう、演出図柄46の変動が開始してからの変動態様とは、例えば、演出図柄46の変動のし方だけでなく、ステップアップ演出や疑似連演出の実行の有無、背景変化等を含むものである。
【0154】
また、
図11(b)に示すように、Bグループ用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜99であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブルとして第2変動テーブルが選択される。また、リーチモード決定乱数が100〜250であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブルとして第2変動テーブルが選択される。
【0155】
そして、
図11(c)に示すように、Cグループ用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜250であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブルとして第3変動テーブルが選択される。
【0156】
また、
図11(d)に示すように、Dグループ用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜89であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブルとして第3変動テーブルが選択される。また、リーチモード決定乱数が90〜250であった場合に、「04H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブルとして第4変動テーブルが選択される。
【0157】
また、大当たり用判定テーブルは、大当たりの抽選時(すなわち、大当たりの当選時)の遊技状態ごと、および、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。ここでは、非時短遊技状態において第1始動入賞口24に入賞した場合に参照される第1特図用の大当たり用判定テーブル(
図12(a))および小当たり用判定テーブル(
図12(b))について説明し、他の大当たり用判定テーブルの説明は省略する。
【0158】
非時短遊技状態において第1始動入賞口24に遊技球が入賞した場合であって、大当たりに当選したときには、
図12(a)に示す第1特図用の大当たり用判定テーブルが選択される。
【0159】
そして、
図12(a)に示す第1特図用の大当たり用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜99であった場合に、「30H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン乱数判定テーブルとして第30変動テーブルが選択される。また、リーチモード決定乱数が100〜199であった場合に、「31H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン乱数判定テーブルとして第31変動テーブルが選択される。また、リーチモード決定乱数が200〜250であった場合に、「32H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン乱数判定テーブルとして第32変動テーブルが選択される。
【0160】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たりの抽選時の遊技状態ごと、および、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルが設けられているが、始動入賞口の種別を考慮して、大当たりの抽選時の遊技状態ごと、始動入賞口の種別ごと、および、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
【0161】
また、非時短遊技状態において第1始動入賞口24に遊技球が入賞した場合であって、小当たりに当選したときには、
図12(b)に示す第1特図用の小当たり用判定テーブルが選択される。そして、
図12(b)に示す第1特図用の小当たり用判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜250であった場合に、「33H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン乱数判定テーブルとして第33変動テーブルが選択される。
【0162】
変動パターン乱数判定テーブルは、変動演出パターン(変動態様や変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
【0163】
ここでは、
図13(a)〜13(d)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル、第2変動テーブル、第3変動テーブルおよび第4変動テーブル、
図13(e)〜13(g)に示すように、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル、第31変動テーブルおよび第32変動テーブルについて説明し、他の変動パターン乱数判定テーブルの説明は省略する。
【0164】
第1始動入賞口24または第2始動入賞口26へ遊技球が入球すると、0〜249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。この変動パターン乱数と、上述したようにリーチグループ決定乱数またはリーチモード決定乱数により決定された変動パターン乱数判定テーブルとに基づいて、変動パターンが決定される。
【0165】
例えば、
図13(a)に示すように、第1変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜124であった場合に「00H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が125〜249であった場合に「01H」という変動パターン番号が決定される。
【0166】
また、
図13(b)に示すように、第2変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜99であった場合に「00H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が100〜249であった場合に「01H」という変動パターン番号が決定される。
【0167】
また、
図13(c)に示すように、第3変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜249であった場合に、「03H」という変動パターン番号が決定される。
【0168】
また、
図13(d)に示すように、第4変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜119であった場合に「03H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が120〜249であった場合に「04H」という変動パターン番号が決定される。
【0169】
また、
図13(e)に示すように、第30変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜124であった場合に、「31H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が125〜249であった場合に、「32H」という変動パターン番号が決定される。
【0170】
また、
図13(f)に示すように、第31変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜29であった場合に、「30H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が30〜109であった場合に「31H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が110〜249であった場合に「32H」という変動パターン番号が決定される。
【0171】
また、
図13(g)に示すように、第32変動テーブルによれば、変動パターン乱数が0〜59であった場合に、「30H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が60〜149であった場合に「31H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が150〜249であった場合に「32H」という変動パターン番号が決定される。
【0172】
なお、同様に、他の変動テーブルによっても、所定の変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(図示しない)。
【0173】
なお、上記「00H」等で示す変動パターン番号についても、上述した変動モード番号と同様に、副制御基板200へ送信される制御コマンドを構成するEVENTデータであり、このEVENTデータは、1バイトのデータで構成されている。「※※H」という表記において、※には0〜9、A〜Fまでの数字および文字(16進数表記)が入る。つまり、「※※H」には、「00H」〜「FFH」までの256個の組み合わせを作成することが可能である。
【0174】
なお、このEVENTデータには、コマンドの分類を識別するための1バイトのMODEデータ「※※H」(※には0〜9、A〜Fまでの数字および文字(16進数表記)が入る)がそれぞれ対応づけられることにより、「MODE+EVENT」の2バイトのコマンドデータが生成され、このコマンドデータが、副制御基板200に送信される制御コマンド(変動パターンコマンド)となる。
【0175】
なお、ここで決定される変動パターン番号には、上述した制御コマンドが副制御基板200に送信されたときに、演出表示装置40における演出図柄のリーチ成立後からの変動態様が対応づけられており、この変動パターン番号が決まると、演出表示装置40において、リーチ成立以降の変動態様が決まることとなる。
【0176】
ここでいう、リーチ成立以降の変動態様とは、例えば、ノーマルリーチや、スーパーリーチに発展する、あるいはリーチが一旦ハズレでから再始動する逆転リーチ等を経由して大当たりとなる組み合わせまたはハズレとなる組み合わせにて演出図柄が停止するまでの変動態様のことをいう。
【0177】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態および保留数等に応じて、変動モード番号および変動パターン番号が決定される。
【0178】
そして、変動モード番号および変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するためのものである。本実施形態では、変動モード番号および変動パターン番号により、変動演出パターンの態様が定められ、また、変動モード番号および変動パターン番号の組み合わせに対応して、所定の変動時間が定められるようになっている。
【0179】
図14は、変動時間決定テーブルを示している。上記のように、変動モード番号が決定されると、
図14(a)に示す変動時間1決定テーブルにしたがって変動時間1が決定される。この変動時間1決定テーブルによれば、変動モード番号ごとに変動時間1が対応づけられており、決定された変動モード番号に応じて、対応する変動時間1が決定される。
【0180】
また、上記のように、変動パターン番号が決定されると、
図14(b)に示す変動時間2決定テーブルにしたがって変動時間2が決定される。この変動時間2決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに変動時間2が対応づけられており、決定された変動時間1、変動時間2の合計時間が、大当たりの抽選の結果が報知されるまでの時間、すなわち、変動演出に要する時間(「変動時間」という)となる。
【0181】
以上のようにして、変動モード番号が決定されると、当該決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンドが副制御基板200に送信され、変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板200に送信される。副制御基板200においては、受信した変動モードコマンドに基づいて、主に変動演出の前半(リーチ成立前まで)の態様が決定され、受信した変動パターンコマンドに基づいて、主に変動演出の後半(リーチ成立後から演出図柄の変動停止まで)の態様が決定されることになる。以下では、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドを総称して変動コマンドと呼ぶ場合があるが、その詳細については後述する。
【0182】
なお、本実施形態では、変動モードコマンドと変動パターンコマンドとにより、変動演出パターンの態様が決定されるものとしたがこれに限られない。例えば、変動パターンコマンドに基づいて変動演出パターンの前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出パターンの後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
【0183】
また、変動演出パターンの態様は、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンドまたは変動パターンコマンドの何れかのみに基づいて決定してもよい。
【0184】
図15は、当たり決定乱数判定テーブルを示している。遊技球がゲート22を通過すると、第2始動入賞口26のスライド板26bを通電制御するか否かが対応づけられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
【0185】
具体的に、当たり決定乱数は、ゲート22に遊技球が通過したことを契機に(ゲート検出スイッチ22aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、1つの当たり決定乱数が取得される。
【0186】
この当たり決定乱数は主制御基板100内に設けられた乱数発生器等(図示しない)にて生成されるハードウェア乱数である。このハードウェア乱数は、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
【0187】
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、
図15(a)に示す非時短用判定テーブルが参照される。この非時短用判定テーブルによれば、当たり決定乱数が1〜1300であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、それ以外の当たり決定乱数(0、1301〜65535)であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率はおよそ1/50.41となる。この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動入賞口26のスライド板26bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、スライド板が閉状態に維持される。
【0188】
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、
図15(b)に示す時短用判定テーブルが参照される。この時短用判定テーブルによれば、当たり決定乱数が1〜65000であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、それ以外の当たり決定乱数(0、65001〜65535)であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率はおよそ1/1.01となる。このため、時短用判定テーブルを参照して抽選が行われると、ほとんどの場合、当たり図柄に当選することとなる。すなわち、時短遊技状態では、第2始動入賞口26のスライド板26bが開状態に制御される割合が、非時短遊技状態に比べて大幅に増加することとなる。
【0189】
図16は、普通図柄変動時間決定テーブルを示している。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間決定テーブルは、普図抽選によって当たり図柄またはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間決定テーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には、変動時間が29秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には、変動時間が3秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示装置32が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
【0190】
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示装置32が点灯した場合には
図17に示す開閉制御パターンテーブルを参照して、第2始動入賞口26のスライド板26bが開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、開放回数(スライド板26bが開状態に制御される回数)、開放時間(始動入賞口開閉ソレノイド26cの通電時間、すなわち、スライド板26bが開状態に制御される時間)、閉鎖時間(始動入賞口開閉ソレノイド26cが複数回通電制御される場合における、各開放間の通電休止時間)が、第2始動入賞口26の制御データとして遊技状態ごとに予め決められている。
【0191】
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態であれば、1回の普図当たりに対して、第2始動入賞口26のスライド板26bが1回、0.2秒間だけ開状態に制御される。
【0192】
一方、遊技状態が時短遊技状態であれば、1回の普図当たりに対して、第2始動入賞口26のスライド板26bが1.2秒間だけ開状態に制御された後、0.8秒間のインターバル(閉鎖時間)をおいてから、再度、第2始動入賞口26のスライド板26bが1.2秒間だけ開状態に制御される。
【0193】
以上のことから、時短遊技状態では、上述したように、時短用判定テーブルを参照して抽選が行われるため、殆どの場合、普図当たりに当選し、その当選により第2始動入賞口26が1.2秒×2回開放状態となるため、遊技者は、第2始動入賞口26に遊技球を比較的容易に入賞させることができる。従って、時短遊技状態においては、遊技球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
【0194】
次に、本実施形態のパチンコ機Pにおける遊技の処理の手順について、フローチャートを用いて説明する。
【0195】
(主制御基板のメイン処理)
図18を用いて、主制御基板100のメイン処理を説明する。
【0196】
電源基板600により電源が供給されると、メインCPU100aにシステムリセットが発生し、メインCPU100aは、以下のメイン処理を行う。
【0197】
(ステップS1)
まず、メインCPU100aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU100aは、電源投入に応じて、メインROM100bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM100cに記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板200に送信する各種のコマンドを、メインRAM100cに設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする処理を行う。
【0198】
(ステップS2)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものであり、乱数範囲は「0〜99」となっている。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、当たり図柄乱数値がその乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。
【0199】
(ステップS3)
次に、メインCPU100aは、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、「変動演出乱数」という)である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、および、変動パターン乱数を更新する。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS2とステップS3との処理を繰り返し行う。
【0200】
(主制御基板のタイマ割込処理)
図19を用いて、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
【0201】
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
【0202】
(ステップS10)
まず、メインCPU100aは、メインCPU100aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
【0203】
(ステップS20)
次に、メインCPU100aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。この各種タイマカウンタは、特に断る場合を除いて、当該主制御基板100のタイマ割込処理の度に減算され、「0」になると減算を停止する。
【0204】
(ステップS30)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS2と同様に、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を行う。
【0205】
(ステップS40)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
【0206】
(ステップS100)
次に、メインCPU100aは、スイッチ管理処理を行う。この処理において、メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ20a、ゲート検出スイッチ22a、第1始動入賞口検出スイッチ24a、第2始動入賞口検出スイッチ26a、大入賞口検出スイッチ28aの各スイッチに入力があったか否かを判定する処理を行う。このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
【0207】
(ステップS400)
次に、メインCPU100aは、特別図柄、特別電動役物(アタッカー装置27)の制御を行うための特別遊技管理処理を行う。この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
【0208】
(ステップS1100)
次に、メインCPU100aは、普通図柄、普通電動役物(第2始動入賞口26、スライド板26bおよび始動入賞口開閉ソレノイド26c)の制御を行うための普通遊技管理処理を行う。この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
【0209】
(ステップS50)
次に、メインCPU100aは、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー管理処理を行う。具体的には、ガラス扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、下皿8の満タン状態に基づく下皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU100aは、対応するエラー指定コマンド(扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、上述のエラー指定コマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU100aは、対応するエラー解除コマンド(扉閉鎖指定コマンド、満タン状態解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。
【0210】
(ステップS60)
次に、メインCPU100aは、払出制御管理処理を行う。この処理において、メインCPU100aは、大入賞口28、第1始動入賞口24、第2始動入賞口26、一般入賞口20に遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出個数指定コマンドを払出・発射制御基板300に送信する。
【0211】
具体的には、大入賞口検出スイッチ28a、第1始動入賞口検出スイッチ24a、第2始動入賞口検出スイッチ26a、および一般入賞口検出スイッチ20aからの検出信号がメインCPU100aに入力された場合に、メインCPU100aは、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタ(大入賞口賞球カウンタ、第1始動入賞口賞球カウンタ、第2始動入賞口賞球カウンタ、一般入賞口賞球カウンタ、何れも図示しない)を更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを払出・発射制御基板300に送信する。その後、払出・発射制御基板300により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払出コマンドが送信され、メインCPU100aは、当該払出コマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。
【0212】
(ステップS70)
次に、メインCPU100aは、外部情報データ、始動入賞口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
【0213】
(ステップS80)
次に、メインCPU100aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記ステップS70で作成した外部情報データ、始動入賞口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。また、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特別図柄保留表示器33、第2特別図柄保留表示器34および普通図柄保留表示器35の各LEDを点灯させるために、上記ステップS70で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力するLED表示出力処理を行う。さらに、メインRAM100cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを送信するコマンド送信処理も行う。
【0214】
(ステップS90)
次に、メインCPU100aは、ステップS10で退避した情報をメインCPU100aのレジスタに復帰させる。
【0215】
図20を用いて、主制御基板100のスイッチ管理処理を説明する。
【0216】
(ステップS110)
まず、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ22aが信号を入力したか、すなわち、遊技球がゲート22を通過したか否かを判定する。さらに、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ22aが信号を入力した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に「1」を加算し、当たり決定乱数として予め用意された乱数範囲(例えば、0〜65535)から1つの当たり決定乱数値を抽出し、普通図柄保留記憶領域に抽出した当たり決定乱数値を記憶する。ただし、普通図柄保留数(G)記憶領域に「4」が記憶されている場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に「1」を加算したり、当たり決定乱数値を抽出し、普通図柄保留記憶領域に抽出した乱数値を記憶したりすることは行わない。
【0217】
(ステップS120)
次に、メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ20aから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が一般入賞口20に入賞したか否かを判定する。メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ20aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
【0218】
(ステップS200)
次に、メインCPU100aは、第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1始動入賞口24に入賞したか否かを判定して、大当たりの判定を行うための所定のデータをセットする。この第1始動入賞口検出スイッチ処理の詳細については後述する。
【0219】
(ステップS130)
次に、メインCPU100aは、第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2始動入賞口26に入賞したか否かを判定して、大当たりの判定を行うための所定のデータをセットする。
【0220】
(ステップS140)
次に、メインCPU100aは、大入賞口検出スイッチ28aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が大入賞口28に入賞したか否かを判定する。メインCPU100aは、大入賞口検出スイッチ28aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、大入賞口28に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球カウンタ(C)記憶領域のカウンタを加算して更新する。
【0221】
図21を用いて、主制御基板100の第1始動入賞口検出スイッチ入力処理を説明する。
【0222】
(ステップS201)
まず、メインCPU100aは、第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号を入力したか否かを判定する。
【0223】
このとき、第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号を入力しなかった場合には、第1始動入賞口検出スイッチ入力処理を終了し、第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号を入力した場合にはステップS202に処理を移す。
【0224】
(ステップS202)
次に、メインCPU100aは、賞球のために用いる第1始動入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する処理を行う。
【0225】
(ステップS203)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であるか否かを判定する。
【0226】
このとき、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満ではないと判定した場合には、第1始動入賞口検出スイッチ入力処理を終了し、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であると判定した場合には、ステップS204に処理を移す。
【0227】
(ステップS204)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に「1」を加算して記憶する。
【0228】
(ステップS205)
次に、メインCPU100aは、大当たり決定乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した大当たり決定乱数値を記憶する。
【0229】
ここで、第1特別図柄記憶領域は、第1記憶部〜第4記憶部とから構成されており、各記憶部には、大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値および変動パターン乱数値がそれぞれ記憶されるようになっている。 また、第2特別図柄記憶領域は、第5記憶部〜第8記憶部とから構成されており、上記第1記憶部〜第4記憶部と同様に、各記憶部には、大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値および変動パターン乱数値がそれぞれ記憶されるようになっている。
【0230】
(ステップS206)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した当たり図柄乱数値を記憶する。
【0231】
(ステップS207)
次に、メインCPU100aは、リーチグループ決定乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出したリーチグループ決定乱数値を記憶する。
【0232】
(ステップS208)
次に、メインCPU100aは、リーチモード決定乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出したリーチモード決定乱数値を記憶する。
【0233】
(ステップS209)
次に、メインCPU100aは、変動パターン乱数値を抽出して、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に抽出した変動パターン乱数値を記憶する。
【0234】
以上より、上記ステップS205〜ステップS209において取得された各種乱数(つまり、大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値、変動パターン乱数値)は、すべて同じ第1特別図柄記憶領域の所定の記憶部に記憶されることとなる。
【0235】
(ステップS210)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS205〜ステップS209において取得された各種乱数値(大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値、変動パターン乱数値)から始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンド)を生成して演出用伝送データ格納領域にセットする。また、このとき、第1特別図柄保留表示器33に表示される第1保留数を更新するために、その保留数を示す特別図柄保留表示データをメインRAM100cの所定領域にセットする。また、第1始動入賞指定コマンドには、上記第1保留数を示す情報(保留指定情報)も含まれている。本ステップS210の処理を終了すると、第1始動入賞口検出スイッチ入力処理が終了となる。
【0236】
以上のように、第1始動入賞口24に遊技球が入球した際に、第1特別図柄記憶領域の記憶部に空きがある場合には、各乱数値が記憶されていない記憶部の中でもっとも小さい番号の記憶部に各乱数値が記憶され、第1特別図柄記憶領域の記憶部に空きがない場合には、各乱数値が抽出(記憶)されずに第1始動入賞口検出スイッチ入力処理が終了となる。ただし、第1特別図柄記憶領域の記憶部に空きがない場合でも、第1始動入賞口24への遊技球の入球に対して賞球が払い出されることとなる。
【0237】
なお、本実施形態においては、第2始動入賞口検出スイッチ入力処理については詳細な説明を省略するが、第2始動入賞口検出スイッチ26aから信号が入力された場合にも、上記第1始動入賞口検出スイッチ入力処理と同様の処理が行われる。すなわち、第1始動入賞口検出スイッチ入力処理と比較すると、データを記憶する領域が第1特別図柄記憶領域と第2特別図柄記憶領域とで相違するものの、同様の処理が行われる。
【0238】
図22を用いて、主制御基板100の特別遊技管理処理を説明する。
【0239】
(ステップS401)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特別遊技管理処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうち、何れを実行するかを示すものであり、特図実行フェーズデータ記憶領域に記憶されている。具体的には、この実行フェーズデータは、特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、停止後処理の実行を示すデータ「02」と、特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
【0240】
(ステップS500)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「00」であれば、特別図柄変動開始処理を実行する。この特別図柄変動開始処理の詳細については後述する。
【0241】
(ステップS700)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「01」であれば、特別図柄変動停止処理を実行する。この特別図柄変動停止処理の詳細については後述する。
【0242】
(ステップS800)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「02」であれば、停止後処理を実行する。この停止後処理の詳細については後述する。
【0243】
(ステップS900)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「03」であれば、特別遊技制御処理を実行する。この特別遊技制御処理の詳細については後述する。
【0244】
(ステップS1000)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「04」であれば、特別遊技終了処理を実行する。この特別遊技終了処理の詳細については後述する。
【0245】
図23を用いて、主制御基板100の特別図柄変動開始処理を説明する。
【0246】
(ステップS501)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。
【0247】
このとき、実行フェーズデータが「00」ではないと判定された場合には、特別図柄変動開始処理を終了し、実行フェーズデータが「00」であると判定された場合には、ステップS502に処理を移す。
【0248】
(ステップS502)
次に、メインCPU100aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶された値(本ステップS502が実行される時点の第2保留数に該当する数値、以下、「第2保留数値」という)が「1」以上であるか否かを判定する。
【0249】
このとき、第2保留数値が「1」以上ではないと判定された場合には、ステップS504に処理を移し、第2保留数値が「1」以上であると判定された場合には、ステップS503に処理を移す。
【0250】
(ステップS503)
次に、メインCPU100aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている第2保留数値から「1」を減算して記憶する。
【0251】
(ステップS504)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶された値(本ステップS504が実行される時点の第1保留数に該当する数値、以下、「第1保留数値」という)が「1」以上であるか否かを判定する。
【0252】
このとき、第1保留数値が「1」以上ではないと判定された場合には、ステップS513に処理を移し、第1保留数値が「1」以上であると判定された場合には、ステップS505に処理を移す。
【0253】
(ステップS505)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている第1保留数値から「1」を減算して記憶する。
【0254】
(ステップS506)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS503または上記ステップS505において減算された特別図柄保留数(U)記憶領域に対応する特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。
【0255】
具体的には、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に対応する第1特別図柄記憶領域に記憶されたデータのシフト処理が行われる場合には、第1特別図柄記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。ここで、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)にシフトさせる。このとき、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれるとともに、既に判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれていたデータは第1特別図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。これにより、前回の遊技で用いた大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値および変動パターン乱数値が消去される。
【0256】
また、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に対応する第2特別図柄記憶領域に記憶されたデータのシフト処理が行われる場合には、第2特別図柄記憶領域にある第5記憶部〜第8記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。ここで、第5記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)にシフトさせる。このとき、第5記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれるとともに、既に判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれていたデータは第2特別図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。これにより、前回の遊技で用いた大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値および変動パターン乱数値が消去される。
【0257】
なお、本実施形態では、上記ステップS502〜ステップS505において第2特別図柄記憶領域を第1特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせることとしたが、始動入賞口24,26に入賞した順序で、第1特別図柄記憶領域または第2特別図柄記憶領域をシフトさせてもよいし、第1特別図柄記憶領域を第2特別図柄記憶領域よりも優先させてシフトさせてもよい。
【0258】
(ステップS507)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態に対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択し、この選択したテーブルと、上記ステップS506において判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた大当たり決定乱数値と、に基づいて大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。
【0259】
(ステップS508)
次に、メインCPU100aは、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上記ステップS507における判定の結果が大当たりまたは小当たりであった場合には、当該判定に用いられた大当たり決定乱数値が何れの始動入賞口への遊技球の入賞によるものか(すなわち、第1始動入賞口24か、または、第2始動入賞口26か)を確認したうえで、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブルを選択し、選択したテーブルと、上記ステップS506で判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた当たり図柄乱数値と、に基づいて特別図柄の種別を決定する。
【0260】
一方、上記ステップS507における判定の結果がハズレであった場合には、当該判定に用いられた大当たり決定乱数値が何れの始動入賞口への遊技球の入賞によるものであっても、ハズレ図柄を決定する。
【0261】
このようにして決定した特別図柄に対応するデータを、メインCPU100aは、図柄種別データ処理領域に記憶する。この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。
【0262】
(ステップS509)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS508で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板200に送信されることとなる。
【0263】
(ステップS600)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS506において判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれたリーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値、および、変動パターン乱数値に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を行う。
【0264】
(ステップS510)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄表示装置30または第2特別図柄表示装置31において特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、図柄種別データ処理領域に記憶された情報が、第1保留に係る場合には、第1特別図柄表示装置30において点滅表示が開始され、第2保留に係る場合には、第2特別図柄表示装置31において点滅表示が開始される(変動表示開始処理)。
【0265】
(ステップS511)
次に、メインCPU100aは、デモ判定フラグに00Hをセットする。すなわち、デモ判定フラグをクリアする。
【0266】
(ステップS512)
次に、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄開始処理を終了する。
【0267】
(ステップS513)
上記ステップS504において、第1保留数値が「1」以上ではないと判定された場合には、メインCPU100aは、デモ判定フラグに01Hがセットされているか否かを判定する。
【0268】
このとき、デモ判定フラグに01Hがセットされている場合には、メインCPU100aは特別図柄変動開始処理を終了し、デモ判定フラグに01Hがセットされていないと判定した場合には、ステップS514に処理を移す。
【0269】
(ステップS514)
次に、メインCPU100aは、後述するステップS515でデモ指定コマンドを何度もセットすることがないように、デモ判定フラグに01Hをセットする。
【0270】
(ステップS515)
次に、メインCPU100aは、デモ指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、特別図柄記憶判定処理を終了する。
【0271】
次に、
図24を用いて、変動演出パターン決定処理を説明する。
【0272】
(ステップS601)
まず、メインCPU100aは、上記ステップS508で決定された特別図柄が大当たり図柄または小当たり図柄であるか否かを判定する。
【0273】
このとき、大当たり図柄または小当たり図柄の何れでもない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、ステップS604に処理を移し、大当たり図柄または小当たり図柄の何れかであると判定された場合には、ステップS602に処理を移す。
【0274】
(ステップS602)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS508で決定された特別図柄が、大当たり図柄または小当たり図柄の何れかであるか、および、現時点の遊技状態を確認する。
【0275】
(ステップS603)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS602で確認した特別図柄および遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル(大当たり用判定テーブルまたは小当たり用判定テーブルの何れか)を選択する。
【0276】
(ステップS604)
上記ステップS601において大当たり図柄または小当たり図柄の何れでもないと判定された場合には、メインCPU100aは、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別を確認するとともに、現時点の遊技状態、および、現時点の保留数を確認する。
【0277】
(ステップS605)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS604で確認した始動入賞口の種別、遊技状態および保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブルを選択する。
【0278】
(ステップS606)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS506で判定記憶領域(0記憶部)に記憶されたリーチグループ決定乱数と、上記ステップS605で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、に基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別をグループ種別データ処理領域に記憶する。
【0279】
(ステップS607)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS606で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル(ハズレ用判定テーブル)を選択する。
【0280】
(ステップS608)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS603で選択された大当たり用判定テーブルもしくは小当たり用判定テーブル、または、上記ステップ607で選択されたハズレ用判定テーブルと、上記ステップS506で判定記憶領域(0記憶部)に記憶されたリーチモード決定乱数と、に基づいて、変動モード番号および変動パターン決定乱数テーブルを決定し、このとき決定された変動モード番号を変動モード番号データ処理領域に記憶する。
【0281】
(ステップS609)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS608で決定された変動パターン乱数判定テーブルを選択する。
【0282】
(ステップS610)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS609で選択した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS506で判定記憶領域(第0記憶部)に記憶された変動パターン乱数と、に基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を変動パターン番号データ処理領域に記憶する。
【0283】
(ステップS611)
次に、メインCPU100aは、変動時間決定テーブルと、上記ステップS608で決定された変動モード番号、および、上記ステップS610で決定された変動パターン番号と、に基づいて、変動時間を決定する。
【0284】
(ステップS612)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS611において決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。
【0285】
(ステップS613)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS608で決定された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、上記ステップS610で決定された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。そして、メインCPU100aは、生成された変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
【0286】
図25を用いて、主制御基板100の特別図柄変動停止処理を説明する。
【0287】
(ステップS701)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。
【0288】
このとき、実行フェーズデータが「01」ではないと判定された場合には、特別図柄変動停止処理を終了し、実行フェーズデータが「01」であると判定された場合には、ステップS702に処理を移す。
【0289】
(ステップS702)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS612で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。
【0290】
このとき、当該変動時間が経過していないと判定された場合には、特別図柄変動停止処理を終了し、当該変動時間が経過したと判定された場合には、ステップS703に処理を移す。
【0291】
(ステップS703)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS508で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30または第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。
【0292】
(ステップS704)
次に、メインCPU100aは、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
【0293】
(ステップS705)
次に、メインCPU100aは、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間カウンタにセットする。
【0294】
(ステップS706)
次に、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0295】
図26を用いて、停止後処理を説明する。
【0296】
(ステップS801)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。
【0297】
このとき、実行フェーズデータが「02」ではないと判定された場合には、停止後処理を終了し、実行フェーズデータが「02」であると判定された場合には、ステップS802に処理を移す。
【0298】
(ステップS802)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS705で停止表示時間カウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。
【0299】
このとき、停止表示時間が経過していないと判定された場合には、停止後処理を終了し、停止表示時間が経過したと判定された場合には、ステップS803に処理を移す。
【0300】
(ステップS803)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。
【0301】
(ステップS804)
次に、メインCPU100aは、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU100aは、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがONされているか否かを判定する。
【0302】
このとき、時短遊技フラグがONされていると判定された場合には、メインRAM100cに設けられた時短遊技回数(J)記憶領域における時短遊技回数(J)の値を更新する。具体的には、時短遊技回数(J)記憶領域に記憶されている時短遊技回数(J)から「1」を減算するとともに、減算された結果を新たな時短遊技回数(J)として記憶し、その記憶された時短遊技回数(J)が「0」であるか否かを判定し、時短遊技回数(J)=0であれば、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されている時短遊技フラグをOFFにする。また、時短遊技回数(J)=0ではないと判定された場合には、メインCPU100aは、時短遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグはONのままで、本ステップS804の処理を実行する。
【0303】
また、時短遊技フラグがONされていないと判定された場合には、本ステップS804においては処理を行わずに、ステップS805に処理を移す。
【0304】
(ステップS805)
次に、メインCPU100aは、高確回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU100aは、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確率遊技フラグがONされているか否かを判定する。
【0305】
このとき、高確遊技フラグがONされていると判定された場合には、メインRAM100cに設けられた高確率遊技回数(X)記憶領域における高確率遊技回数(X)の値を更新する。具体的には、高確率遊技回数(X)記憶領域に記憶されている(X)から「1」を減算するとともに、減算された結果を新たな高確率遊技回数(X)として記憶し、その記憶された高確率遊技回数(X)が「0」であるか否かを判定し、高確率遊技回数(X)=0であると判定された場合には、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグをOFFにする。また、高確率遊技回数(X)=0でないと判定された場合には、メインCPU100aは、高確率遊技フラグ記憶領域に記憶されているフラグはONのままで、本ステップS805の処理を実行する。
【0306】
また、高確率遊技フラグがONされていないと判定された場合には、本ステップS805においては処理を行わずに、ステップS806に処理を移す。
【0307】
(ステップS806)
次に、メインCPU100aは、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄または小当たり図柄であるか否かを判定する。
【0308】
このとき、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄または小当たり図柄の何れでもない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、ステップS814に処理を移し、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄または小当たり図柄の何れかであると判定された場合には、ステップS807に処理を移す。
【0309】
(ステップS807)
次に、メインCPU100aは、大当たり当選時または小当たり当選時の遊技状態が非時短遊技状態であるか、または、時短遊技状態であるかを副制御基板200に送信するための大当たり当選時遊技状態コマンドをセットする。
【0310】
(ステップS808)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態をリセットする処理を実行する。具体的には、高確率遊技フラグ記憶領域、高確率遊技回数(X)記憶領域、時短遊技フラグ記憶領域、時短遊技回数(J)記憶領域にあるデータをクリアする。
【0311】
(ステップS809)
次に、メインCPU100aは、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をタイマカウンタにセットする。
【0312】
(ステップS810)
次に、メインCPU100aは、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
【0313】
(ステップS811)
次に、メインCPU100aは、停止表示されている特別図柄の種別に基づいて、メインRAM100cに作動テーブル(
図8参照)をセットする。具体的には、メインCPU100aは、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であれば、その大当たり図柄の種別ごとに決められている作動テーブル(第1作動テーブル〜第5作動テーブルの何れか、
図8(a)〜(e)参照)をセットする。また、停止表示されている特別図柄が小当たり図柄であれば、第6作動テーブル(
図8(f)参照)をセットする。
【0314】
(ステップS812)
次に、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。
【0315】
(ステップS813)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。なお、この遊技状態指定コマンドには、上記ステップS804で更新された時短回数の情報、上記ステップS805で更新された高確回数の情報も含まれている。これにより、遊技状態指定コマンドを受信した副制御基板200において、時短回数および高確回数を把握できるようになっている。そして、停止後処理が終了となる。
【0316】
(ステップS814)
上記ステップS806において、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄または小当たり図柄の何れでもない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、上記ステップS813に処理を移す。
【0317】
図27を用いて、特別遊技制御処理を説明する。
(ステップS901)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。
【0318】
このとき、実行フェーズデータが「03」ではないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、実行フェーズデータが「03」であると判定された場合には、ステップS902に処理を移す。
【0319】
(ステップS902)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS809でタイマカウンタにセットされたオープニング時間を経過したか否かを判定する。
【0320】
このとき、オープニング時間が経過していないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、オープニング時間が経過したと判定された場合には、ステップS903に処理を移す。
【0321】
(ステップS903)
次に、メインCPU100aは、エンディング処理中であるか否かを判定する。このエンディング処理とは、当該特別遊技制御処理においてラウンド遊技回数(R)の残り回数が「0」になった後(大当たり遊技の場合)、または開放回数(K)が最大値に到達した後(小当たり遊技の場合)に行われる待機処理のことをいう。
【0322】
このとき、エンディング処理中であると判定された場合には、ステップS916に処理を移し、エンディング処理中ではないと判定された場合には、ステップS904に処理を移す。
【0323】
(ステップS904)
次に、メインCPU100aは、特別図柄の種別に応じたアタッカー装置27の作動テーブルに基づいて、アタッカー装置27の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。
【0324】
(ステップS905)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS904において制御される特別遊技は小当たりに係るものであるか否かを判定する。
【0325】
このとき、小当たりであると判定された場合には、ステップS913に処理を移し、小当たりではないと判定された場合には、ステップS906に処理を移す。
【0326】
(ステップS906)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS904の大入賞口開閉制御処理に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。
【0327】
このとき、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定された場合には、ステップS908に処理を移し、ラウンド遊技が開始された時点であると判定された場合には、ステップS907に処理を移す。
【0328】
(ステップS907)
次に、メインCPU100aは、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板200に伝達できるようになっている。
【0329】
(ステップS908)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS904の大入賞口開閉制御処理に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。
【0330】
このとき、ラウンド遊技が終了していないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、ラウンド遊技が終了したと判定された場合には、ステップS909に処理を移す。
【0331】
(ステップS909)
次に、メインCPU100aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されているラウンド遊技回数(R)を「1」減算する。
【0332】
(ステップS910)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS909で減算したラウンド遊技回数(R)が「0」であるか否かを判定する。
【0333】
このとき、ラウンド遊技回数(R)が「0」ではないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、ラウンド遊技回数(R)が「0」であると判定された場合には、ステップS911に処理を移す。
【0334】
(ステップS911)
次に、メインCPU100aは、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をタイマカウンタにセットする。
【0335】
(ステップS912)
次に、メインCPU100aは、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理が終了となる。なお、エンディングコマンドは、特別図柄の種別ごとに設けられていてもよい。
【0336】
(ステップS913)
次に、メインCPU100aは、開放時間が経過したか否かを判定する。ここでいう「開放時間」は、第6作動テーブル(小当たり用の作動テーブル、
図8参照)に基づくものであるため、開放時間は「0.1秒」となっている。
【0337】
このとき、開放時間を経過していないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、開放時間を経過したと判定された場合には、ステップS914に処理を移す。
【0338】
(ステップS914)
次に、メインCPU100aは、開放回数(K)記憶領域に記憶されている開放回数(K)が最大であるか否かを判定する。
図8(f)に示すように、小当たりの場合、開放回数は2回となっている。すなわち、開放回数(K)の最大値は「2」となる。
【0339】
このとき、開放回数が最大値であると判定された場合には、上記ステップS911に処理を移し、開放回数が最大値ではないと判定された場合には、ステップS915に処理を移す。
【0340】
(ステップS915)
次に、メインCPU100aは、開放回数(K)記憶領域に記憶されている開放回数(K)を「1」加算する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0341】
(ステップS916)
上記ステップS903において、エンディング処理中であると判定された場合には、メインCPU100aは、上記ステップS911でタイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。
【0342】
このとき、当該エンディング時間が経過していないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、当該エンディング時間が経過したと判定された場合には、ステップS917に処理を移す。
【0343】
(ステップS917)
次に、メインCPU100aは、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
【0344】
(ステップS918)
次に、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0345】
図28を用いて、特別遊技終了処理を説明する。
【0346】
(ステップS1001)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。
【0347】
このとき、実行フェーズデータが「04」ではないと判定された場合には、特別遊技終了処理を終了し、実行フェーズデータが「04」であると判定された場合には、ステップS1002に処理を移す。
【0348】
(ステップ1002)
次に、メインCPU100aは、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄または小当たり図柄(上記ステップS508等において図柄種別データ処理領域に記憶されている)、および、大当たり当選時の遊技状態(遊技状態バッファに記憶されている)を確認するとともに、上記大当たり図柄または小当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル(
図9参照)に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU100aは、高確率遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確率遊技回数(X)、時短遊技回数(J)を設定する。
【0349】
例えば、上記大当たり図柄が特別図柄1であった場合には、高確率遊技フラグおよび時短遊技フラグを何れもONするとともに、高確率遊技回数(X)および時短遊技回数(J)の何れにも「10000」をセットする。
【0350】
また、上記大当たり図柄が特別図柄4であった場合には、遊技状態が低確モード(低確率遊技状態、非時短遊技状態)であれば、高確率遊技フラグのみをONするとともに、高確率遊技回数(X)に「10000」をセットし、遊技状態が時短モード(低確率遊技状態かつ時短遊技状態)、潜確モード(高確率遊技状態かつ非時短遊技状態)または確変モード(高確率遊技状態かつ時短遊技状態)の何れかであれば、高確率遊技フラグおよび時短遊技フラグを何れもONするとともに、高確率遊技回数(X)および時短遊技回数(J)の何れにも「10000」をセットする。
【0351】
また、上記大当たり図柄が特別図柄6であった場合には、時短遊技フラグのみをONするとともに、時短遊技回数(J)に「100」をセットする。
【0352】
また、終了した特別遊技の実行契機が小当たり図柄であった場合には、当該小当たり図柄が特別図柄Aまたは特別図柄Bの何れであっても、高確率遊技フラグおよび時短遊技フラグの何れも変更しない(つまり、現状のままにする)。そして、高確率遊技回数(X)および時短遊技回数(J)の何れも新たにセットすることもしない。
【0353】
(ステップS1003)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS1002で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態設定コマンドには、上記ステップS1002で設定された高確率遊技フラグのON/OFFの情報、時短遊技フラグのON/OFFの情報、高確率遊技回数(X)の情報、時短遊技回数(J)の情報が含まれている。
【0354】
(ステップS1004)
次に、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0355】
図29を用いて、普通遊技管理処理を説明する。
【0356】
(ステップS1101)
まず、メインCPU100aは、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普通遊技管理処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうち、何れを実行するかを示すものであり、普図実行フェーズデータ記憶領域に記憶されている。具体的には、この普図実行フェーズデータは、普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
【0357】
(ステップS1200)
メインCPU100aは、上記ステップS1101でロードした実行フェーズデータの値が「10」であれば、普通図柄変動開始処理を実行する。この普通図柄変動開始処理の詳細については後述する。
【0358】
(ステップS1300)
メインCPU100aは、上記ステップS1101でロードした実行フェーズデータの値が「11」であれば、普通図柄変動停止処理を実行する。この普通図柄変動停止処理の詳細については後述する。
【0359】
(ステップS1400)
メインCPU100aは、上記ステップS1101でロードした実行フェーズデータの値が「12」であれば、普通図柄停止後処理を実行する。この普通図柄停止後処理の詳細については後述する。
【0360】
(ステップS1500)
メインCPU100aは、上記ステップS1101でロードした実行フェーズデータの値が「13」であれば、可動片制御処理を実行する。この可動片制御処理の詳細については後述する。
【0361】
図30を用いて、主制御基板100の普通図柄変動開始処理を説明する。
【0362】
(ステップS1201)
まず、メインCPU100aは、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」であるか否かを判定する。
【0363】
このとき、普図実行フェーズデータが「10」ではないと判定された場合には、普通図柄変動開始処理を終了し、普図実行フェーズデータが「10」であると判定された場合には、ステップS1202に処理を移す。
【0364】
(ステップS1202)
次に、メインCPU100aは、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶された普通図柄の保留数(G)が1以上であるかを判定する。
【0365】
このとき、保留数(G)が「0」の場合には普通図柄の変動表示は行われないため、普通図柄変動開始処理を終了し、普通図柄の保留数(G)が「1」以上であると判定した場合には、ステップS1203に処理を移す。
【0366】
(ステップS1203)
次に、メインCPU100aは、特別図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値(G)から「1」を減算した新たな保留数(G)を記憶する。
【0367】
(ステップS1204)
次に、メインCPU100aは、普通図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、普通図柄保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。このとき、1つ前の記憶部に記憶されているデータは、普図判定記憶領域に書き込まれるとともに、普通図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。
【0368】
(ステップS1205)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル(非時短用判定テーブルまたは時短用判定テーブルの何れか)を選択し、当該選択したテーブルと、上記ステップS1204で普図判定記憶領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。
【0369】
具体的には、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短用判定テーブル(
図15(a))を参照して、普図判定記憶領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。また、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短用判定テーブル(
図15(b))を参照して、普図判定記憶領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。
【0370】
(ステップS1206)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS1205における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。
【0371】
このとき、当たりではない(つまり、ハズレである)と判定された場合には、ステップS1208に処理を移し、当たりであると判定された場合には、ステップS1207に処理を移す。
【0372】
(ステップS1207)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄データを普図停止図柄データ記憶領域に記憶する。
【0373】
(ステップS1208)
上記ステップS1206における当選判定処理の結果が当たりではない(つまり、ハズレ)と判定された場合には、メインCPU100aは、ハズレ図柄データを普図停止図柄データ記憶領域に記憶する。
【0374】
(ステップS1209)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態が非時短遊技状態または時短遊技状態の何れに設定されているかを確認する。
【0375】
(ステップS1210)
次に、メインCPU100aは、普通図柄変動時間決定テーブル(
図16)を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU100aは、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「29秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットする。
【0376】
(ステップS1211)
次に、メインCPU100aは、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する(普図変動表示開始処理)。
【0377】
(ステップS1212)
次に、メインCPU100aは、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。
【0378】
(ステップS1213)
次に、メインCPU100aは、普通遊技管理処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットし、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0379】
図31を用いて、普通図柄変動停止処理を説明する。
【0380】
(ステップS1301)
まず、メインCPU100aは、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。
【0381】
このとき、普図実行フェーズデータが「11」ではないと判定された場合には、普通図柄変動停止処理を終了し、普図実行フェーズデータが「11」であると判定された場合には、ステップS1302に処理を移す。
【0382】
(ステップS1302)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS1210で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。
【0383】
このとき、当該変動時間が経過していないと判定された場合には、普通図柄変動停止処理を終了し、当該変動時間が経過したと判定された場合には、ステップS1303に処理を移す。
【0384】
(ステップS1303)
次に、メインCPU100aは、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。
【0385】
(ステップS1304)
次に、メインCPU100aは、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間カウンタにセットする。
【0386】
(ステップS1305)
次に、メインCPU100aは、普通遊技管理処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0387】
図32を用いて、普通図柄停止後処理を説明する。
【0388】
(ステップS1401)
まず、メインCPU100aは、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。
【0389】
このとき、普図実行フェーズデータが「12」ではないと判定された場合には、普通図柄停止後処理を終了し、普図実行フェーズデータが「12」であると判定された場合には、ステップS1402に処理を移す。
【0390】
(ステップS1402)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS1304(
図31参照)で普図停止表示時間カウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。
【0391】
このとき、普図停止表示時間が経過していないと判定された場合には、普通図柄停止後処理を終了し、普図停止表示時間が経過したと判定された場合には、ステップS1403に処理を移す。
【0392】
(ステップS1403)
次に、メインCPU100aは、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。
【0393】
このとき、停止表示されている普通図柄が当たり図柄ではない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、ステップS1405に処理を移し、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定された場合には、ステップS1404に処理を移す。
【0394】
(ステップS1404)
次に、メインCPU100aは、普通遊技管理処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0395】
(ステップS1405)
上記ステップS1403において、停止表示されている普通図柄が当たり図柄ではない(つまり、ハズレ図柄である)と判定された場合には、メインCPU100aは、普通遊技管理処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0396】
図33を用いて、可動片制御処理を説明する。
【0397】
(ステップS1501)
まず、メインCPU100aは、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。
【0398】
このとき、普図実行フェーズデータが「13」ではないと判定された場合には、可動片制御処理を終了し、普図実行フェーズデータが「13」であると判定された場合には、ステップS1502に処理を移す。
【0399】
(ステップS1502)
次に、メインCPU100aは、スライド板26bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド26cが通電されているか否かを判定する。
【0400】
このとき、スライド板26bが作動制御中であると判定された場合には、ステップS1505に処理を移し、スライド板26bが作動制御中ではないと判定された場合には、ステップS1503に処理を移す。
【0401】
(ステップS1503)
次に、メインCPU100aは、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態または時短遊技状態の何れであったかを確認する。
【0402】
(ステップS1504)
次に、メインCPU100aは、開放制御パターンテーブル(
図17)を参照し、上記ステップS1503で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド26cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)および通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0403】
(ステップS1505)
上記ステップS1502において、可動片作動制御中であると判定された場合には、メインCPU100aは、上記ステップS1504でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。
【0404】
このとき、通電時間(開放時間)を経過していないと判定された場合には、可動片制御処理を終了し、通電時間を経過したと判定された場合には、ステップS1506に処理を移す。
【0405】
(ステップS1506)
次に、メインCPU100aは、スライド板26bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド26cの通電の停止を実行する。
【0406】
(ステップS1507)
次に、メインCPU100aは、普通遊技管理処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0407】
次に、副制御基板200におけるサブCPU200aにより実行される処理について説明する。
【0408】
(副制御基板200のメイン処理)
図34を用いて、副制御基板200のメイン処理を説明する。
【0409】
電源基板600により電源が供給されると、サブCPU200aにはシステムリセットが発生し、サブCPU200aは、以下のメイン処理を行う。
【0410】
(ステップS2000)
まず、サブCPU200aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU200aは、電源投入に応じて、サブROM200bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM200cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。
【0411】
(ステップS2100)
次に、サブCPU200aは、変動演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU200aは、サブRAM200cに記憶される乱数(変動演出用乱数値、演出図柄決定用乱数値等)を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、上記ステップS2100の処理を繰り返し行う。
【0412】
なお、変動演出用乱数は副制御基板200内にて生成されるソフトウェア乱数である。このソフトウェア乱数は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜99までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
【0413】
(副制御基板200のタイマ割込処理)
図35を用いて、副制御基板200のタイマ割込処理を説明する。なお、図示はしないが、副制御基板200に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、副制御基板のタイマ割込処理が実行される。
【0414】
(ステップS2200)
まず、サブCPU200aは、サブCPU200aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
【0415】
(ステップS2300)
次に、サブCPU200aは、副制御基板200で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
【0416】
(ステップS2400)
次に、サブCPU200aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU200aは、サブRAM200cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。このコマンド解析処理の詳細については後述する。
【0417】
なお、副制御基板200は、主制御基板100から送信されたコマンドを受信すると、図示しない副制御基板200のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、当該ステップS2400において受信したコマンドの解析処理が行われる。
【0418】
(ステップS2500)
次に、サブCPU200aは、タッチボタン検出スイッチ61aおよび回転操作検出スイッチ62aの信号のチェックを行い、演出操作装置60に関する演出入力制御処理を行う。
【0419】
具体的には、サブCPU200aは、実行中の演出がある場合、この進行状況に応じて、タッチボタン61やセレクタスイッチ62の操作の受け付け可否を判定する。また、サブCPU200aは、タッチボタン検出スイッチ61aや回転操作検出スイッチ62aからの信号が入力された場合には、演出操作装置60が操作されたこと示すコマンドを画像制御基板400やランプ制御基板500に送信する処理を行う。
【0420】
(ステップS2600)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cの送信バッファにセットされている各種データを画像制御基板400やランプ制御基板500へ送信する。
【0421】
(ステップS2700)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS2200で退避した情報をサブCPU200aのレジスタに復帰させる。
【0422】
(副制御基板のコマンド解析処理)
図36を用いて、副制御基板200のコマンド解析処理を説明する。
【0423】
(ステップS2401)
まず、サブCPU200aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したか否かを判定する。
【0424】
このとき、サブCPU200aは、受信バッファにコマンドがないと判定された場合には、コマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあると判定された場合には、ステップS2402に処理を移す。
【0425】
(ステップS2402)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを判定する。
【0426】
このとき、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドではないと判定された場合には、ステップS2404に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであると判定された場合には、ステップS2403に処理を移す。
【0427】
(ステップS2403)
次に、サブCPU200aは、デモ演出の内容(演出態様)を決定するデモ演出決定処理を行う。
【0428】
具体的には、デモ演出パターンを決定し、決定したデモ演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定したデモ演出パターンの情報を画像制御基板400とランプ制御基板500に送信するため、決定したデモ演出パターンに基づくデータをサブRAM200cの送信バッファにセットする。
【0429】
(ステップS2404)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、始動入賞指定コマンドであるか否かを判定する。
【0430】
このとき、受信バッファに格納されているコマンドが始動入賞指定コマンドではないと判定された場合には、ステップS2406に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドが始動入賞指定コマンドであると判定された場合には、ステップS2405に処理を移す。
【0431】
(ステップS2405)
次に、サブCPU200aは、始動入賞指定コマンドを解析して、演出表示装置40における保留表示の保留表示態様を決定するとともに、決定した保留表示態様に対応する保留表示データを画像制御基板400とランプ制御基板500に送信する保留表示態様決定処理を行う。
【0432】
この保留表示態様決定処理では、保留表示データを第1保留記憶領域にある第1記憶領域〜第4記憶領域または第2保留記憶領域にある第5記憶領域〜第8記憶領域のうち、第1記憶領域または第5記憶領域から順に空いている記憶領域を検索していき、空いている所定の記憶領域にある始動記憶領域に、決定した保留表示データをセットする。具体的には、第1始動入賞口24に対応する始動入賞指定コマンドである場合には、第1保留記憶領域にある第1記憶領域から順に空いている記憶領域を検索していき、空いている記憶領域にある始動記憶領域に決定した保留表示データをセットし、第2始動入賞口26に対応する始動入賞指定コマンドである場合には、第2保留記憶領域にある第5記憶領域から順に空いている記憶領域を検索していき、空いている記憶領域にある始動記憶領域に決定した保留表示データをセットする。これにより、演出表示装置40には、第1保留(U1)および第2保留(U2)の現在の個数が表示されることとなる。
【0433】
(ステップS2406)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄決定コマンドであるか否かを判定する。
【0434】
このとき、受信バッファに格納されているコマンドが図柄決定コマンドではないと判定された場合には、ステップS2408に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドが図柄決定コマンドであると判定された場合には、ステップS2407に処理を移す。
【0435】
(ステップS2407)
次に、サブCPU200aは、受信した図柄決定コマンドの内容に基づいて、演出表示装置40に停止表示させる演出図柄48を決定する演出図柄決定処理を行う。
【0436】
具体的には、図柄決定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に応じて演出図柄48の組み合わせを構成する演出図柄データを決定し、決定された演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットするとともに、演出図柄データを画像制御基板400とランプ制御基板500に送信するため、演出図柄データを示す情報をサブRAM200cの送信バッファにセットする。
【0437】
(ステップS2408)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する。
【0438】
このとき、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドではないと判定された場合には、ステップS2410に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであると判定された場合には、ステップS3000に処理を移す。
【0439】
(ステップS3000)
次に、サブCPU200aは、受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、演出表示装置40等において実行される変動演出の内容(演出態様)を決定する変動演出設定処理を実行する。
【0440】
具体的には、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを決定する処理を行う。その後、かかる演出パターンに基づいて、演出表示装置40、スピーカ11,12、演出役物装置41、LED60b(演出操作装置60を発光させる光源)等が制御されることになる。なお、ここで決定した変動演出パターンに基づいて、演出図柄48の変動態様が決定されることとなる。この変動演出パターン決定処理の詳細については後述する。
【0441】
(ステップS2409)
次に、サブCPU200aは、第1保留記憶領域および第2保留記憶領域に記憶されている保留表示データと始動入賞指定コマンドに対応するデータとをシフトさせ、シフトした後の保留表示データの情報を画像制御基板400とランプ制御基板500に送信する保留表示態様更新処理を行う。
【0442】
具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域の順番に、それぞれの記憶領域にある表示記憶領域、始動記憶領域のデータを1つ前の記憶領域にシフトさせる。
【0443】
例えば、第2記憶領域のデータは第1記憶領域にシフトさせ、第3記憶領域のデータは第2記憶領域にシフトさせ、第4記憶領域のデータは第3記憶領域にシフトさせる。ここで、第4記憶領域のデータをシフトさせた後には、新たな第4記憶領域にはブランクデータがセットされ、第4記憶領域のデータがクリアされる。そして、第1保留記憶領域の第1記憶領域の始動記憶領域の保留表示データは、1つ前の記憶領域、すなわち、第0記憶領域の始動記憶領域にシフトさせる。
【0444】
これにより、演出表示装置40には、シフトした後の第1保留(U1)および第2保留(U2)の個数が表示されることとなる。
【0445】
(ステップS2410)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを判定する。
【0446】
このとき、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドではないと判定された場合には、ステップS2412に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであると判定された場合には、ステップS2411に処理を移す。
【0447】
(ステップS2411)
次に、サブCPU200aは、演出図柄48を停止表示させるために、上記ステップS2407で決定された演出図柄データに基づくデータと、演出図柄を停止表示させるための停止指示データをサブRAM200cの送信バッファにセットする演出図柄停止処理を行う。
【0448】
(ステップS2412)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。
【0449】
このとき、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドではないと判定された場合には、ステップS2414に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであると判定された場合には、ステップS2413に処理を移す。
【0450】
(ステップS2413)
次に、サブCPU200aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を遊技状態記憶領域に記憶する(遊技状態設定処理)。これにより、現在の遊技状態を副制御基板200側にて認識することが可能となる。
【0451】
(ステップS2414)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニングコマンドであるか否かを判定する。
【0452】
このとき、受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドではないと判定された場合には、ステップS2416に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドがオープニングコマンドであると判定された場合には、ステップS2415に処理を移す。
【0453】
(ステップS2415)
次に、サブCPU200aは、大当たり遊技または小当たり遊技の開始演出の内容(演出態様)を決定する特別遊技開始演出決定処理を行う。
【0454】
具体的には、オープニングコマンドおよび当該大当たりまたは小当たりに係る演出図柄(上記ステップS2407の演出図柄決定処理において決定した演出図柄)に基づいて特別遊技開始演出パターンを決定し、決定した特別遊技開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した特別遊技開始演出パターンの情報を画像制御基板400とランプ制御基板500に送信するため、決定した特別遊技開始演出パターンに基づくデータをサブRAM200cの送信バッファにセットする。
【0455】
(ステップS2416)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、ラウンド遊技開始コマンドであるか否かを判定する。
【0456】
このとき、受信バッファに格納されているコマンドがラウンド遊技開始コマンドではないと判定された場合には、ステップS2418に処理を移し、受信バッファに格納されているコマンドがラウンド遊技開始コマンドであると判定された場合には、ステップS2417に処理を移す。
【0457】
(ステップS2417)
次に、サブCPU200aは、大当たり遊技中における演出の内容(演出態様)を決定する大当たり演出決定処理を行う。
【0458】
具体的には、ラウンド遊技開始コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板400とランプ制御基板500に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づくデータをサブRAM200cの送信バッファにセットする。ここでいう、ラウンド遊技開始コマンドに基づく大当たり演出パターンには、例えば、ラウンド遊技ごとの演出態様や複数のラウンド遊技間を跨ぐ演出態様などが含まれる。
【0459】
(ステップS2418)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディングコマンドであるか否かを判定する。
【0460】
このとき、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドではないと判定された場合には、コマンド解析処理を終了し、受信バッファに格納されているコマンドがエンディングコマンドであると判定された場合には、ステップS2419に処理を移す。
【0461】
(ステップS2419)
次に、サブCPU200aは、大当たり遊技または小当たり遊技の終了演出の内容(演出態様)を決定する特別遊技終了演出決定処理を行う。
【0462】
具体的には、エンディングコマンドに基づいて特別遊技終了演出パターンを決定し、決定した特別遊技終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した特別遊技終了演出パターンの情報を画像制御基板400とランプ制御基板500に送信するため、決定した特別遊技終了演出パターンに基づくデータをサブRAM200cの送信バッファにセットする。本処理を終了すると、コマンド解析処理が終了する。
【0463】
次に、
図37を用いて、変動演出設定処理について説明する。
【0464】
(ステップS3001)
まず、サブCPU200aは、上記ステップS2100で更新された変動演出用乱数値を取得する。
【0465】
(ステップS3002)
次に、サブCPU200aは、受信バッファに格納されている変動パターン指定コマンドを確認するとともに当該コマンドを解析する。ここで解析された結果に基づいて、ステップS3003以降の処理が行われる。
【0466】
(ステップS3003)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3001において取得した変動演出用乱数値と、上記ステップS3002における解析結果に基づいて、前半の変動演出の態様を決定する。
【0467】
具体的には、変動パターン指定コマンドに含まれる変動モードコマンドの解析結果に基づいて、サブROM200bに格納されている複数の前半変動演出決定テーブル(図示しない)から1つのテーブルを選択する。このテーブルは、変動演出用乱数値のとり得る乱数範囲内で対応付けられた複数の演出パターンから構成されている。この複数の演出パターンには、リーチ成立前までの演出態様が対応づけられている。したがって、当該テーブルと上記ステップS3001で取得した変動演出用乱数値とを照合させることにより1つの前半用の演出パターンを決定することができる。
【0468】
(ステップS3004)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3001において取得した変動演出用乱数値と、上記ステップS3002における解析結果に基づいて、後半の変動演出の態様を決定する。
【0469】
具体的には、変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターンコマンドの解析結果に基づいて、サブROM200bに格納されている複数の後半変動演出決定テーブル(図示しない)から1つのテーブルを選択する。このテーブルは、変動演出用乱数値のとり得る乱数範囲内で対応付けられた複数の演出パターンから構成されている。この複数の演出パターンには、リーチ成立後から演出図柄停止までの演出態様が対応づけられている。したがって、当該テーブルと上記ステップS3001で取得した変動演出用乱数値とを照合させることにより1つの後半用の演出パターンを決定することができる。
【0470】
(ステップS3006)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS3003およびステップS3004において決定した前半用の演出パターンおよび後半用の演出パターンを、画像制御基板400とランプ制御基板500に伝達すべく、演出実行コマンドをサブRAM200cの送信バッファにセットする。これにより、変動演出設定処理が終了となる。なお、演出実行コマンドが画像制御基板400およびランプ制御基板500に送信されると、この演出実行コマンドに基づいて演出表示装置40、スピーカ11,12、演出役物装置13、LED60b(演出操作装置60を発光させる光源)が制御される。
【0471】
(拡張演出表示システム)
以下、
図38乃至
図56を参照して、拡張演出表示システム1000の構成及び処理内容について説明する。この拡張演出表示システム1000は、
図2を参照して既述した拡張演出表示装置1200を用いて、遊技機Pの撮像画像を基に追加画像を重畳表示したり音声を付加することで、遊技機P本体の演出に更なる演出を加えるものである。以下、この更なる演出を拡張演出という。まず、
図38を参照して、本実施形態に係る拡張演出表示システム1000の概略構成について説明する。
【0472】
拡張演出表示システム1000は、1以上の遊技場、ホールA1010、ホールB1011、ホールC1012のぞれぞれと、拡張演出情報サーバ11
00とを、ネットワーク(例えばインターネット)1001を介して通信接続した環境を用いて構築される。拡張演出情報サーバ11
00は、遊技機の拡張演出処理をコンピュータに実行させるためのプログラム(以下「拡張演出プログラム」という)を格納し、外部機器、例えば各ホールに備えられたホールコンピュータ700や、各拡張演出表示装置1200からの要求に従って拡張演出プログラムを配信する。更に拡張演出プログラムの実行中に参照される各種テーブル、及びこのテーブルから抽出された情報(レコード)、更に、拡張演出に実際に用いられる画像ファイルや音声ファイルといったコンテンツも配信する。以下では、拡張演出プログラム及びこのプログラムの実行中に用いられる各種テーブル、コンテンツを総称して拡張演出情報という。
【0473】
ホールA1010、ホールB1011、ホールC1012の構成は同様なので、以下では、ホールA1010を例に挙げて説明し、ホールB1011、ホールC1012についての説明は省略する。
【0474】
ホールA1010内には、複数の遊技機P−1、P−2、P−3が配置される。各遊技機P−1、P−2、P−3の前面には、拡張演出表示装置1200−1、1200−2、1200−3がそれぞれ配置される。各遊技機P−1、P−2、P−3及び各拡張演出表示装置1200−1、1200−2、1200−3は、ホールコンピュータ700に通信可能に接続される。
【0475】
ホールコンピュータ700は、ホールA1010内に配置された遊技機P−1、P−2、P−3及び拡張演出表示装置1200−1、1200−2、1200−3を固有に識別するための台識別情報S−1、S−2、S−3を有する。この台識別情報により、遊技機P−1、P−2、P−3が同機種であっても、これらを固有に特定することができる。同様に、台識別情報を用いることで拡張演出表示装置1200−1、1200−2、1200−3を他の拡張演出表示装置と区別して特定することができる。遊技機P−1、P−2、P−3の構成、及び拡張演出表示装置1200−1、1200−2、1200−3の構成は同一であるので、以下では、遊技機P−1及び拡張演出表示装置1200−1を例に挙げて説明し、重複説明を省略する。
【0476】
図39に示すように、拡張演出表示装置1200−1は、透過性を有する表示画面1201と、表示画面1201の周縁部を形成するフレーム1202と、フレーム1202の上部から延伸するアーム1203と、アーム1203におけるフレーム1202との接続部とは反対側に配置され、拡張演出表示装置1200を島設備に回転可能に固定するヒンジ機構1204と、フレーム1202の上部に配置され、拡張演出表示装置1200−1が対面する遊技機P−1の前面を撮像するカメラ1205と、を備える。
【0477】
本実施形態では、拡張演出表示装置1200−1の表示画面1201を、表示画面1201が対面する遊技機P−1の盤面を視認できる透過率を有する透過型のLCD(Liquid Crystal Display)を用いる。よって、後述する
図40では、表示画面1201をLCD1201と記載する。
【0478】
ヒンジ機構1204は、水平方向と平行な回転軸を中心に、アーム1203を鉛直方向に回転可能に支持する。アーム1203の回転移動に伴って、表示画面1201、フレーム1202、アーム1203、及びカメラ1205も回転移動する。これにより、遊技機P−1を新たな遊技機に変更する際には、表示画面1201、フレーム1202、及びカメラ1205を遊技機の前方から退避させることができる。この状態で遊技機P−1が島設備から撤去され、新しい遊技機が島設備に固定された後、再度アーム1203が鉛直方向と平行になるように回転する。これにより、拡張演出表示装置1200−1の表示画面1201が、新たな遊技機の前面と対面する。
【0479】
アーム1203の内部には、表示画面1201に対する拡張演出表示処理、及びカメラ1205の撮像処理を実行するための制御装置1206が内蔵される。なお、本実施形態では、拡張演出表示装置1200−1に制御装置1206を実装するが、ホールコンピュータ700が制御装置1206の機能を兼ね備え、ホールコンピュータ700からの表示制御処理に従って表示画面1201に拡張演出表示を行ってもよい。
【0480】
図40を参照して拡張演出表示装置1200−1の制御装置1206のハードウェア構成について説明する。制御装置1206は、CPU(Central Processing Unit)1211、RAM(Random Access Memory)1212、ROM(Read Only Memory)1213、EPPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)1214及び外部機器I/F(I/F:InterFace)1215、通信I/F1216がバス1217を介して互いに接続されている。また、制御装置1206には、外部機器I/F1215を介して、LCD1201及びカメラ1205が接続する。更に通信I/F1216を介して、制御装置1206はホールコンピュータ700に接続されている。
【0481】
また、拡張演出表示装置1200−1にスピーカ(不図示)を備えてよい。この場合、外部機器I/F1215にスピーカを接続する。
【0482】
CPU1211は演算手段であり、拡張演出表示装置1200−1の全体の動作を制御する。RAM1212は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU1211が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM1213は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。EPPROM1214は、フラッシュメモリやUSBメモリ等、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や拡張演出情報サーバ1100からダウンロードした拡張演出プログラムが格納される。
【0483】
外部機器I/F1215及び通信I/F1216は、バス1217と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。
【0484】
このようなハードウェア構成において、ROM1213やEPPROM1214に格納されたプログラムがRAM1212に読み出され、CPU1211がそれらのプログラムに従って演算を行うことによりソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、拡張演出表示装置1200−1における拡張演出機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0485】
なお、図示を省略するものの、拡張演出情報サーバ1100も、制御装置1206と同様、CPU、RAM、ROM、EPPR0M、及び通信I/Fを備え、バスを介して互いに接続されている。
【0486】
図41を用いて、拡張演出表示装置1200−1、拡張演出情報サーバ1100、及びホールコンピュータ700の機能構成について説明する。
【0487】
拡張演出表示装置1200−1の制御装置1206は、通信I/F1216を介して外部機器(本実施形態ではホストコンピュータ700)とデータの送受信制御を行う通信制御部1221と、カメラ1205からスルー画像(動画像)を取得し、取得したタイミングやスルー画像を構成する各フレームの画像特徴に応じて出力先を振り分ける画像取得部1222と、遊技開始の待機中に、遊技機の前面を撮像した待機中画像に基づいて、遊技機の機種を判定するための画像特徴情報を生成し、それを用いた機種判定処理を行う機種データ解析部1223と、カメラ1205が遊技中に遊技機の前面を撮像して生成した遊技中画像の部分領域を、遊技結果に基づく状態(以下「遊技結果状態」という)の判定に用いるためのマーカの出現を監視するため監視領域として設定する監視領域設定部1224と、遊技中画像に含まれるマーカを検出して遊技結果状態を判定する遊技結果判定部1225と、遊技結果状態に対応し、遊技中画像とは異なる内容により構成される追加画像の表示、及び当該追加画像に対応する音声を発する処理を行う拡張演出処理部1226と、LCD1201に対する表示制御を行う表示制御部1227と、拡張演出情報サーバ1100から受信した拡張演出情報を固定的に格納する端末側拡張演出情報記憶部1228と、を含む。すなわち、上記マーカは遊技結果に基づく情報により構成され、このマーカ(遊技結果に基づく情報)に基づいて、遊技結果判定部1225は、遊技機の遊技進行状況、特に遊技結果に応じた演出がされているか、またはこれから遊技結果に応じた演出がされるかを判定する。
【0488】
拡張演出情報サーバ1100は、通信I/F1101と、通信I/F1101を介して外部機器(本実施形態ではホストコンピュータ700)とのデータの送受信制御を行う通信制御部1102と、ホールコンピュータ700から受信した画像特徴情報と、予め格納された機種判定テーブル(詳細は後述する)とを比較し、遊技機の機種を判定する機種判定部1103と、拡張演出情報、遊技場の識別情報及び属性情報を関連付けた遊技場マスタ、及び遊技者の識別情報及び属性情報を関連付けた遊技者マスタ(詳細は後述する)を固定的に格納するサーバ側拡張演出情報記憶部1104と、判定された機種に応じた拡張演出情報等をサーバ側拡張演出情報記憶部1104から抽出し、送信先を特定する情報を付加して応答情報を生成する応答情報生成部1105と、ホールコンピュータ700から受信した遊技者識別情報と、予め格納された遊技者マスタとを比較し、遊技者の認証を行う遊技者認証1106と、を備える。
【0489】
ホストコンピュータ700は、通信I/F701と、通信I/F701を介して外部機器(本実施形態では拡張演出表示装置1200−1及び拡張演出情報サーバ1100)との間でデータの送受信制御を行う通信制御部702と、ホールコンピュータ700による各種演算・制御処理を行う中央処理部703と、を備える。通信I/F701は、遊技機P−1が備える遊技情報出力端子板308(
図5参照)からの信号の入力も受け付ける。また、応答情報生成部1105は、拡張演出表示装置1200から拡張演出プログラムのダウンロードの要求情報を取得すると、サーバ側拡張演出情報記憶部1104に格納された拡張演出プログラムを読み出して、これにダウンロード要求元の拡張演出表示装置1200を示すヘッダを付加して応答情報を生成する。通信制御部1102は、拡張演出プログラムを含む応答情報を拡張演出表示装置1200に送信する。これにより、拡張演出情報サーバ1100による拡張演出プログラムの配信が実現する。
【0490】
次に
図42乃至
図48を用いて、拡張演出情報サーバ1100に格納される各種情報について説明する。
【0491】
図42は、機種判定テーブルを示す。
図42に示す機種判定テーブルは、遊技機の機種を識別する機種IDと、各機種を特定可能な画像の特徴情報からなる機種判定情報とを対応付けた情報である。機種判定情報は、例えば、遊技機P−1の演出表示装置40の画面に遊技開始の待機中に表示されるデモ画面、遊技機P−1の画面に配置された可動役物等の構図物配置パターン、又は遊技機P−1の盤面の周辺に貼付された機種IDを示す2次元コード等により構成される。
【0492】
機種判定部1103は、ホールコンピュータ700を介して拡張演出表示装置1200−1から取得した画像特徴情報及び機種判定テーブルに登録された機種判定情報を比較する。機種判定情報の中に機種判定のための画像特徴情報と一致するものがあれば、機種判定部1103は、拡張演出表示装置1200−1が対面配置されている遊技機P−1の機種を、一致した機種判定情報に関連付けられた機種IDが示す機種であると判定する。例えば、遊技機P−1の前面に配置された拡張演出表示装置1200−1から送信された画像特徴情報が、「デモ画面1」、「構造物配置パターン1」、及び「2次元コードA」のいずれかと一致すると、機種判定部1103は、遊技機P−1が機種ID「CR―A」で特定される機種であると判定する。
【0493】
機種ID「CR―A」と同様に、機種ID「CR―B」に対して、「デモ画面2」、「構造物配置パターン2」、「2次元コードB」も機種判定テーブルに格納される。
【0494】
なお、機種判定処理を実行しない場合、例えば、遊技機P−1の前面に配置される拡張演出表示装置1200−1に遊技機P−1に用いる拡張演出情報を可搬性記憶媒体、例えばUSBメモリ、マイクロSDカードなどを用いて記録する場合、機種判定処理が不要であるので、
図42の機種判定テーブルも不要である。
【0495】
図43は、監視領域決定テーブルを示す。
図43に示す監視領域決定テーブルは、機種毎に、拡張演出表示を開始するトリガとなるマーカの出没を監視するための遊技中画像上の部分領域(以下「監視領域」という)の位置を定めたものである。例えば、機種ID「CR―A」で固有に特定される機種の遊技機の場合、監視領域1は遊技中画像内における演出表示装置40の画面右下領域、監視領域2は遊技中画像内における演出表示装置40の画面中央領域、監視領域3は可動役物1、監視領域4はアタッカー装置27を含む部分領域に設定される。
【0496】
また、機種ID「CR―B」で固有に特定される機種の遊技機の場合、監視領域1は、遊技中画像内における演出表示装置40の全画面、監視領域2は可動役物2、監視領域3は、特別図柄変動表示装置に設定される。
【0497】
監視領域を設定することにより、遊技中画像の全体領域をマーカの出没の監視対象とする場合に比べて画像解析領域が狭くなるので、画像解析処理の高速化が期待できる。
【0498】
なお、監視領域設定処理を実行しない場合、例えば、遊技中画像全体を監視領域とする場合は、監視領域決定テーブルは不要である。
【0499】
図44は、機種ID「CR―A」に対応するマーカ判定テーブルを示す。
図44に示すマーカ判定テーブルは、各監視領域に出現するマーカの種別と、そのマーカが出現したか否かを判定する際の判定基準と、各マーカが出現したと判定された場合に実行する拡張演出態様を示す情報(以下「拡張演出特定情報」という)と、を対応付けて定めたものである。
【0500】
例えば、機種ID「CR―A」で固有に特定される機種の遊技機の場合、監視領域1(
図52の符号M1参照)に星マー
カ(図52の符号1310参照)が出現すると、拡張演出特定情報が「演出001」で特定される内容として、予告型の拡張演出を実行する。また、監視領域2(
図52の符号M2参照)に、スマイルマー
カ(図52の符号1320参照)が出現すると、拡張演出特定情報が「演出002」の内容として、発展型の拡張演出(ノーマルリーチからスーパーリーチに発展する内容の演出)を行う。監視領域3(
図52の符号M3参照)の可動役物1(
図52の符号1330参照)の移動を検出すると、拡張演出特定情報が「演出003」の内容として、特定の条件(例えば、大当たりに当選する、スーパーリーチに発展する等)が成立した場合の拡張演出を行う。監視領域4(
図52の符号M4参照)のアタッカー装置27の蓋部材27aが開いた状態(
図52の符号27a参照)を検出すると、拡張演出特定情報が「演出004」の内容(大当たり拡張演出表示)を行う。
【0501】
上記では、予告や発展等において表示される演出情報、及び遊技結果を示す大当たり時の演出情報を用いて遊技結果状態を判定したが、拡張演出は遊技結果状態に限らず、遊技状態(「確変」、「時短」、「通常」)を演出表示装置40の背景色を基に判定し、これに応じた拡張演出を行ってもよい。
【0502】
図示は省略するものの、機種ID「CR―B」に対応するマーカ判定テーブルも別途設けられる。
【0503】
マーカ種別の他例として、例えば第1特別図柄表示装置30、及び第2特別図柄表示装置31を用い、これらの表示パターンを解析して大当たりに対応する拡張演出を行ってもよい。この場合、遊技中画像における第1特別図柄表示装置30、及び第2特別図柄表示装置31が撮像された部分領域を監視領域として設定する(
図51の符号M5参照)。
【0504】
図45に、マーカの他例を示す。
図45の(a)では、演出表示装置40の表示画面に、例えば30fps(frames/sec)のフレームレートで変動図柄を含む動画像が表示されている場合、連続するフレーム1300の一部領域に、マーカ(例えば星マーカ1310)が表示される。複数のフレームにマーカを表示させることで、マーカの検出精度を向上させることができる。
【0505】
また、
図45の(b)に示すように、1フレーム全体がマーカとして機能するマーカフレーム1311を挿入してもよい。通常、遊技者は1/30のフレームは視認できないので、マーカフレーム1311が挿入されていることに気が付かない一方、カメラ1205で撮像する場合、演出表示装置40の画面全体をマーカとして用いることができるので、マーカの検出精度を向上させることができる。また、演出表示装置40の変動図柄上にはマーカを付加しなくてよいので、マーカを付けることによる変動図柄のデザイン性の低下を抑止することができる。
【0506】
更に、マーカの他例として、遊技中に演出表示装置40の画面に表示される図柄、例えば大当たりの有無、大当たりの種別に応じて表示される演出図柄48(
図4参照)をマーカとして用いてもよい。この場合、拡張演出用のマーカを用いる必要がないので、既に完成されている遊技機に対しても、後から拡張演出表示機能を付加することができる。
【0507】
また、拡張演出表示装置1200−1に図示しないRTC(Real Time Clock)を搭載し、マーカを検出してから所定時間経過後に、検出したマーカに合った拡張演出を行うようにしてもよい。遊技機P−1の遊技結果状態が遷移し、それに伴って演出態様が変化し、これを撮像した撮像画像に基づいて拡張演出を行うと、遊技結果状態が遷移した時点よりも拡張演出に時遅れが生じる。しかし、上記の態様によれば、遊技結果状態への遷移に先立ってマーカを検出することで、遊技機P−1での遊技結果状態の遷移に伴う演出と、拡張演出とを同時に行うことができる。
【0508】
図46は、機種ID「CR−A」に対応する拡張演出情報テーブルである。拡張演出情報テーブルは、機種ID「CR―A」、拡張演出情報に用いるコンテンツファイル(画像ファイル及び音声ファイル)の格納先のアドレス、及び各コンテンツファイル名を規定する。本実施形態では、上記に加え、拡張演出の内容のグレードに応じて、複数段階のコンテンツファイルを用意する。
【0509】
ここでいうグレードとは、拡張演出内容の差異を意味するものである。例えばグレードAは、特定のアイドルやキャラクタ(
図46では「キャラクタA」に相当)を登場させたり、プレミアム画像、音声を用いたりして、趣向性が非常に高く、遊技者の遊技意欲を強く刺激する拡張演出表示が行える演出態様である。
【0510】
また、グレードBは、画像や音声を用いて遊技者の遊技意欲を刺激する演出態様、グレードCは、音声は伴わず、画像だけで遊技者に対し、遊技の面白味を付加する演出態様である。グレードAは高価な有料コンテンツ、Bは安価な有料コンテンツ、グレードCは無料コンテンツのように料金設定をし、遊技場がグレードを選択できるように構成してもよい。これにより、遊技場の実情に合わせた拡張演出が行うためのコンテンツファイルを購入・入手することができ、遊技場間での差別化手段として拡張演出を用いることができる。
【0511】
例えば、
図46に示す拡張演出情報テーブルでは、機種ID「CR−A」に対応して、3段階のグレードのコンテンツファイルが規定されている。このうち、グレードAでは、各演出態様001〜004について、キャラクタAに特化した拡張演出を行うためのコンテンツファイル、画像ファイルCRA―A1A.mpg〜CRA―A4A.mpg、及び音声ファイルCRA―A1A.mp3〜CRA―A4A.mp3の格納先と、特定のキャラクタに特化していない(ノーマルモード)プレミアム画像からなる拡張演出用のコンテンツファイル、画像ファイルCRA―A1n.mpg〜CRA―A4n.mpg及び音声ファイルCRA―A1n.mp3〜CRA―A4n.mp3の格納先と、が規定されている。なお、付加機能として用いる音を画像ファイル(動画ファイル)に含まれる音声データのみで生じさせる場合には、音声ファイルCRA―A1n.mp3〜CRA―A4n.mp3はなくてもよい。
【0512】
グレードBもグレードAと同様、キャラクタAに特化したモード及びノーマルモードのコンテンツファイル(画像ファイル及び音声ファイル)の格納先が規定される。
【0513】
グレードCにおける「キャラクタ属性」、「音声ファイル名」、及び「音声ファイル格納先」の各フィールドは「NULL」と登録される。よって、各演出態様001〜004に対応してノーマルモードの画像ファイルCRA―C1.mpg〜CRA―C4.mpgの格納先のみが規定され、音声ファイルやキャラクタに特化したモードが用意されていないことが示されている。
【0514】
本実施形態では、グレードを3段階に分けたが、グレード別に分けることは必須ではなく、一つのグレードだけでも本実施形態に係る拡張演出を行うことができる。
【0515】
また、一の遊技結果状態(予告、発展、及び大当たり)の其々に対して複数のコンテンツファイルを用意した場合に、これらの選択条件として、遊技場の属性を基にグレードを選択条件としたり、遊技者の属性を基にキャラクターモード又はノーマルモードを選択条件としたりしてもよく、更に、複数の選択条件を用いてコンテンツファイルを選択してもよい。
【0516】
図47の(a)は遊技場の基本情報を規定した遊技場マスタであり、遊技場を固有に識別する遊技場IDと、遊技場の属性とを対応付けている。本例では、遊技場の属性として遊技場名及びグレードを規定している。このグレードは、
図46の拡張演出情報テーブルのグレードに相当する。
【0517】
図47の(b)は遊技者の基本情報を規定した遊技者マスタであり、遊技者に識別する遊技者IDと、遊技者の属性とを対応付けている。本例では、遊技者の属性としてニックネーム、誕生日、好きなキャラクタが登録されている。
【0518】
図48の(a)は、各遊技場のホールコンピュータから拡張演出情報サーバ1100に対して送信される拡張演出情報を要求する情報(以下「要求情報」という)のフォーマットを示す。拡張演出表示装置1200−1から画像特徴情報がホールコンピュータ700に送信されると、ホールコンピュータ700の通信制御部702が、拡張演出表示装置1200−1のホール内の固有の位置を示す台識別情報(例えば「S−1」)と、ホールAを固有に識別する遊技場ID(H00A)と、画像特徴情報を付加して、
図48(a)に示す要求情報を生成する。
【0519】
図48の(b)は、拡張演出情報サーバ1100が要求情報に応答してホールA1010に対して拡張演出情報を返信する際に用いる情報(応答情報)のフォーマットを示す。この応答情報には、拡張演出情報サーバ1100から拡張演出情報を送信するあて先となる拡張演出表示装置1200−1を固有に識別できる情報として、遊技場ID(例えば「H00A」)及び台識別情報(例えば「S−1」)がヘッダとして用いられる。また、機種に対応する監視領域位置情報と、マーカ判定情報、及びコンテンツファイルが応答情報フォーマットに含まれる。ここで、遊技場IDが「H00A」の遊技場は、
図47の(a)の遊技場マスタにおいてグレード「A」と規定されているので、コンテンツファイルとしてグレード「A」に対応する画像ファイルCRA―A1A.mpg〜CRA―A4n.mpg及び音声データCRA―A1A.mp3〜CRA―A4n.mp3が選択される。
【0520】
なお、上記要求情報フォーマット及び応答情報フォーマットは、これら要求情報及びフォーマット情報に含まれるデータを模式的に示したものであり、実際は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信プロトコルに則って、拡張演出情報は適宜パケットに分割された状態で送受信される。
【0521】
次に
図49乃至
図56を参照して、本実施形態に係る拡張演出処理について説明する。以下では、
図49のステップに沿って処理の流れを説明しつつ、各ステップに関連が深い画面表示例も適宜参照しながら説明する。
【0522】
拡張演出表示処理の開始に先立ち、遊技機P−1の前面に拡張演出表示装置1200−1を配置した後に、遊技機P−1及び拡張演出表示装置1200−1の位置合わせ処理(位置キャリブレーション処理)を行うと望ましい。この位置合わせでは、カメラ1205の撮像画像の中心と、遊技機P−1の演出表示装置40の中心とがほぼ一致するように、カメラ1205の画角が調整される。また、拡張演出表示装置1200−1の表示画面(LCD1201)における基準点と撮像画像の中心点とが一致するように、LCD1201の配置位置が調整される。これにより、カメラ1205で撮像した撮像画像の中心点、表示画面(LCD1201)の基準点、及び実際の遊技機P−1の演出表示装置40の画面の中心点とが、表示画面(LCD1201)に垂直な一軸上に並ぶ。この状態で、LCD1201の表示画面と、遊技機P−1のガラス板10(
図2参照)とが平行になるよう、拡張演出表示装置1200の向きも調整する。これにより、撮像画像の中心点を基準に拡張表示に用いる追加画像の表示位置を定めると、LCD1201の基準点及び遊技機P−1の演出表示装置40の表示画面の中心点を基準に追加画像の表示位置を定めることができ、例えば遊技機P−1の可動役物に追加画像を重畳表示する際にも位置合わせを容易に行うことができる。なお、この処理は、遊技機P−1前方に拡張演出表示装置1200−1を配置した後は移動させない使用状況では、配置後に最低1回行えばよく、毎度の主電源投入後に行う必要はない。
【0523】
また、拡張演出表示装置1200−1に拡張演出プログラムがインストールされていない場合は、以下の処理に先立ち、ホールコンピュータ700を介して拡張演出情報サーバ1100から拡張演出プログラムのダウンロードを実行する。その後、以下の処理を開始する。
【0524】
(ステップS4001)
遊技機P−1の主電源の投入と前後して、拡張演出表示装置1200−1の主電源を投入する。
【0525】
(ステップS4002)
カメラ1205が撮像を開始しスルー画像(動画像)を生成する。カメラ1205は、主電源がOFFにされるまで撮像を継続する。なお、以下の処理は動画像に限定されず、所定の間隔で撮像される静止画像を用いて実行することができる。以下、撮像画像を、撮像タイミングに応じて待機中画像及び遊技中画像と称するがどちらも撮像画像に含まれる。
【0526】
遊技機P−1が遊技開始の待機中に、カメラ1205が遊技機P−1の前面(対向面)を撮像して待機中画像を生成し、画像取得部1222が待機中画像を取得する。画像取得部1222は、主電源投入後の処理シーケンスを監視し、カメラ1205からのスルー画像(動画像)を取得してから機種判定が実行されていない場合には、待機中画像を機種データ解析部1223に出力する。機種判定実行後は、画像取得部1222は、原則スルー画像を監視領域設定部1224に出力するが、スルー画像中に2次元コードが含まれている場合にはこの2次元コード、または当該2次元コードを読み取って得られた情報(後述する「遊技者識別情報」に相当する)を通信制御部1221に送信する。2次元コードが含まれているか否かの判定は、撮像画像中に2次元コードの3隅にある四角い切り出し図柄(位置検出パターン又は、ファインダパターン)の検出の有無により判定してもよい。
【0527】
(ステップS4003)
機種データ解析部1223は、待機中画像から機種判定に用いるための画像特徴情報を抽出する。画像特徴情報の抽出例として、機種データ解析部1223は、待機中画像の中心点座標を算出し、この中心点座標を基準に、画像特徴量、例えば輝度値を基に領域抽出処理(Region Growing)を行う。待機中画像の中央付近に演出表示装置40の画面が撮像されている場合、この領域抽出処理により、待機中画像から演出表示装置40の画面が撮像された領域を抽出することができる。
【0528】
例えば、
図50は、待機中画像の一例を示す。遊技機P−1で遊技が行われていない状態では、演出表示装置40の画面にはデモ画面1350が表示されている。そこで、機種データ解析部1223は、デモ画面1350を画像特徴情報として抽出する。
【0529】
他例として、機種データ解析部1223は、待機中画像の画素値を基に微分フィルタをかけ、画素値の変化量を基に構造物、例えば可動役物1330や風車21の輪郭を抽出して構造物の配置パターンを抽出し、これを画像特徴情報として用いてもよい。また、機種データ解析部1223は、待機中画像の端部に撮像された遊技機P−1の識別情報を含む2次元コード(不図示)を抽出し、これを画像特徴情報として用いてもよい。
【0530】
(ステップS4004)
機種データ解析部1223は、生成された画像特徴情報と、既に拡張演出表示装置1200−1に格納されている機種判定情報とを比較し、一致するか否かを判定する。一致する場合(S4004/Yes)、前回拡張演出表示に用いた画像ファイルや音声ファイルが使えるので、ステップS4009へ進む。一致しない場合若しくは機種判定情報がない場合(S4004/No)は、画像特徴情報をホールコンピュータ700に送信する。
【0531】
(ステップS4005)
ホールコンピュータ700は、通信I/F701を介して画像特徴情報を受信する。通信制御部702は、受信先の拡張演出表示装置1200−1に対応する台識別情報、及びホールAの遊技場識別情報を付加して要求情報(
図48の(a)参照)を生成し、拡張演出情報サーバ1100に送信する。拡張演出情報サーバ1100の通信制御部1102は、通信I/F1101を介して要求情報を受信し、応答情報生成部1105へ出力する。
【0532】
(ステップS4006)
応答情報生成部1105は受信した要求情報に含まれる画像特徴情報を機種判定部1103に出力する。機種判定部1103は、画像特徴情報とサーバ側拡張演出情報記憶部1104に格納された機種判定テーブル(
図42)とを照合し機種を判定する。そして、機種判定部1103は、判定結果を応答情報生成部1105に出力する。
【0533】
(ステップS4007)
応答情報生成部1105は、要求情報に含まれる遊技場IDを、サーバ側拡張演出情報記憶部1104に格納された遊技場マスタ(
図47の(a)参照)と照合し、どの遊技場からの要求情報であるか、及びその遊技場の拡張演出情報のグレードを判定する。そして、拡張演出情報テーブル(
図46)を参照し、ステップS4006で判定された機種に対応し、要求情報の送信元の遊技場のグレードに対応するコンテンツファイル(画像ファイル及び音声ファイル)を抽出する。
【0534】
また、応答情報生成部1105は、サーバ側拡張演出情報記憶部1104に格納された監視領域決定テーブル(
図43)及びマーカ判定テーブル(
図44)からステップS4006で判定された機種に対応するレコードを抽出する。以下、各テーブルから抽出したレコードを「監視領域位置情報」、及び「マーカ判定情報」という。
【0535】
(ステップS4008)
応答情報生成部1105は、ステップS4006で抽出したコンテンツファイル及びステップS4007で抽出した監視領域位置情報及びマーカ判定情報(
図41では不図示)に送信先を示すヘッダを付加して応答情報を生成する(
図48の(b)参照)。また、本実施形態では、次回の機種判定を拡張演出表示装置1200−1において行えるように機種判定情報を含む(
図48(b)では不図示)。
【0536】
拡張演出情報サーバ1100は、要求情報の送信元に対して応答情報を送信し、ホールコンピュータ700を介して拡張演出表示装置1200−1が受信する。
【0537】
(ステップS4009)
拡張演出表示装置1200−1は、通信I/F12
16を介して応答情報を受信し、通信制御部1221は、受信した応答情報を端末側拡張演出情報記憶部1228に出力する。これにより、端末側拡張演出情報記憶部1228に拡張演出表示装置1200−1が対面する遊技機P−1の機種に応じた拡張演出情報が格納される。
【0538】
(ステップS4010)
拡張演出表示装置1200−1の監視領域設定部1224は、応答情報に含まれる監視領域位置情報を基に、カメラ1205が生成するスルー画像に対して監視領域を設定する。
図51は、スルー画像に対して設定される監視領域を示す。機種ID「CR−A」に対しては、演出表示装置の右下に監視領域1(符号M1)、演出表示装置40の画面中央に監視領域2(符号M2)、可動役物1(符号1330)に監視領域3(符号M3)、及びアタッカー装置27に監視領域4(符号M4)を設定する。なお、
図51の例では大当たり状態の検出をアタッカー装置27の開閉動作を基に判定するが、これに代えて、第1特別図柄表示装置30及び第2特別図柄表示装置31の表示パターンを用いてもよい。この場合は、第1特別図柄表示装置30及び第2特別図柄表示装置31に監視領域(符号M5)を設定する。
【0539】
拡張演出表示装置1200−1は、この監視領域を設定した状態で、遊技の開始を待機する。
【0540】
(ステップS4011)
拡張演出表示装置1200−1の遊技結果判定部1225は、各監視領域内にマーカが出現したか否かの監視を開始する。
図52を参照してマーカの出現態様について説明する。なお、
図52では説明の便宜上、一画面に以下に説明する4つのマーカを図示しているが、実際には遊技結果状態にあったマーカが順次出没する。
【0541】
遊技結果判定部1225によるマーカの出現の判定処理の一例として、例えば監視領域1(符号M1)、監視領域2(符号M2)内にマーカが出現したか否かを、監視領域内の画像に対して領域抽出処理又は輪郭抽出処理を行い、抽出された領域や輪郭と応答情報に含まれるマーカ判定情報に規定されたマーカ種別とのパターンマッチングの整合率を基に判定する。本実施形態では、監視領域1(符号M1)内に星マーカ1310、監視領域2(符号M2)内にスマイルマーカ1320が出現したかを判定する。
【0542】
また遊技結果判定部1225は、監視領域3内の可動役物を用いたマーカの出現判定を、可動役物1330の移動量を基に実行する。この場合、遊技結果判定部1225は、スルー画像の各フレームに設定された監視領域3(符号M3)に対して輪郭抽出・又は領域抽出を行って可動役物1330が撮像された領域(「可動役物領域」という)を抽出する。そして、遊技結果判定部1225は前後のフレーム間で可動役物領域に所定量以上の位置ずれが生じている場合(
図52では移動前の可動役物1330の位置を点線で、移動後の可動役物1330の位置を実線で図示)に、マーカが出現したと判定する。
【0543】
また遊技結果判定部1225は、監視領域4内のアタッカー装置27を用いたマーカの出現判定を、蓋部材27aの開放状態を基に行う。この場合、遊技結果判定部1225は、スルー画像の各フレームに設定された監視領域4に対して輪郭抽出・又は領域抽出を行い、アタッカー装置27が撮像された領域(「アタッカー領域」という)を抽出する。そして、遊技結果判定部1225は、前後のフレーム間でアタッカー領域の形状や色相が変化した場合に、マーカが出現したと判定する。
【0544】
この状態で遊技開始を待機するが、遊技者が自分の好みに合った拡張演出を望む場合には、遊技開始に先立って遊技者認証処理を行う。遊技者認証処理は、予め遊技者を固有に識別する遊技者IDと遊技者の属性とを対応付けて、拡張演出情報サーバ1100の遊技者マスタ(
図47の(b)参照)に登録をしておく。そして遊技者識別情報を示す2次元コードを生成し、遊技者が携行する携帯端末装置に記録しておく。遊技者が2次元コードをカメラ1205にかざして撮像すると、拡張演出情報サーバ1100に遊技者識別情報が送信される。
【0545】
拡張演出情報サーバ1100の遊技者認証部1106は、遊技者マスタ(
図47の(b))を参照し、受信した遊技者識別情報に対応する属性情報を読み出して、ホールコンピュータ700を経由して拡張演出表示装置1200−1に返信する。この遊技者の属性情報は、後述する拡張演出処理において用いられる。
【0546】
(ステップS4012)
遊技が開始して演出表示装置40の表示画面に変動図柄の表示が開始する。遊技結果判定部1225がマーカの出現を検出すると(S4012/Yes)ステップS4013へ進み、検出しなければ(S4012/No)、引き続きマーカの出現を監視する。
【0547】
(ステップS4013)
ステップS4011において遊技者認証処理を行っておらず遊技者の属性情報がなければステップS4014へ、遊技者認証処理を行っており遊技者の属性情報あればステップS4015へ進む。
【0548】
(ステップS4014)
遊技結果判定部1225は、応答情報を参照し、検出したマーカに合った拡張演出情報を抽出する。例えば、変動図柄の表示画面における監視領域1内に星マーカが表示され、遊技結果判定部1225が星マーカの出現を検出すると、その検出信号を拡張演出処理部1226に出力する。拡張演出処理部1226は、端末側拡張演出情報記憶部1228に格納された応答情報を参照し、星マーカに対応する拡張演出情報を抽出する。
【0549】
図48の(b)に示す応答情報による拡張演出では、機種ID「CR−A」では、星マーカに対応する画像ファイルはCRA−A1A.mpgとCRA−A1n.mpgとがあるが、本ステップは遊技者認証が行われていない処理なので、拡張演出処理部1226は特定のキャラクタに依存しないノーマルモードの画像ファイルCRA−A1n.mpg及び音声ファイルCRA−A1n.mp3を選択する。
【0550】
同様に、遊技結果判定部1225が、スマイルマーカの出現、可動役物の移動、又はアタッカー装置の開放状態を検出すると、拡張演出処理部1226は、スマイルマーカ、可動役物の移動、又はアタッカー装置の開放状態に対応し、ノーマルモードの拡張演出情報であるCRA−A2n.mpg及びCRA−A2n.mp3、CRA−A3n.mpg及びCRA−A3n.mp3CRA−A4n.mpg及びCRA−A4n.mp3を選択する。
【0551】
(ステップS4015)
本ステップは遊技者認証が行われた場合の処理に相当するので、遊技結果判定部1225は、応答情報を参照し、検出したマーカ及び遊技者属性に合った拡張演出情報を抽出する。
【0552】
図48の(b)の例では、機種IDが「CR−A」で星マーカに対応する画像ファイルはCRA−A1A.mpgとCRA−A1n.mpgとがあり、遊技者属性において「好きなキャラクタ」が「キャラクタA」と登録されている(
図47の(b)参照)。
【0553】
そこで、拡張演出処理部1226は、星マーカに対応し、かつ拡張演出情報のキャラクタ特性情報が「キャラクタA」と定義されている画像ファイル名CRA−A1A.mpg〜CRA−A4A.mpg、音声ファイル名CRA−A1A.mp3〜CRA−A4A.mp3を拡張演出情報として選択する。
【0554】
(ステップS4016)
拡張演出処理部1226は選択した画像ファイルを基に追加画像を生成し、表示制御部1227を介してLCD1201に表示する。LCD1201の画面領域上において、追加画像を表示する位置は検出したマーカを基準に位置決めしてもよいし、表示画面の中心点など他の基準点を基に位置決めしてもよい。
【0555】
さらに拡張演出処理部1226は、選択した音声ファイルを再生し、図示しないスピーカから発声させてもよい。
【0556】
図53乃至
図56を参照して、拡張演出表示を例示する。
図53の画面1400は、大当たり時(アタッカー装置27の開放が検出されたとき)のLCD1201の画面を示す。LCD1201の画面には、画像ファイルCRA−A4n.mpgによる追加画像として、虹1401及び星1402が表示される。LCD1201は、大当たり状態の盤面1500の前方に配置されるので、遊技者からは、
図54に示すように、盤面1500に虹1401及び星1402が重畳表示されたように見える。
【0557】
図55の画面1450は、遊技者の属性に合った、大当たり時(アタッカー装置27の開放が検出されたとき)のLCD1201の画面を示す。LCD1201の画面には、画像ファイルCRA−A4A.mpgによる追加画像として、虹1401及び星1402に加え、キャラクタAの画像1451が表示される。更に、遊技者の誕生日には、キャラクタAからの誕生日のお祝いメッセージ1452を表示させたり、図示しないスピーカを用いて発話させたりしてもよい。また、誕生日用の画像1453を追加してもよい。
【0558】
図56は、大当たり状態の盤面1500に追加画像1450を重畳した状態を示す。遊技者からは、盤面1500に追加画像を含む画面1450が重なって見えるので、遊技者が遊技機P−1での遊技中に拡張演出を楽しむことができる。
【0559】
本実施形態によれば、遊技機前面に透過型
表示液晶装置を配置し、この画面に拡張演出表示を行うことで、遊技機に搭載された演出に画像や音声を追加して拡張演出を加えることができ、操作者の興趣を更に高めることができる。その際、遊技機とは別体に構成された拡張演出表示装置において拡張演出を行うので、遊技機本体に課せられた制約に縛られることなく、自由度が高い拡張演出を行うことができる。
【0560】
また、拡拡張演出情報の更新は、サーバを経由、又は可搬性記憶媒体を用いて行うことができるので、同一の遊技機に対する拡張演出情報の変更が容易に行える。これにより、遊技者が遊技機に搭載された演出表示装置の演出が一通り見終わっても、拡張演出を変えることで遊技に新鮮味を加えることができ、遊技者の遊技意欲を刺激することができる。
【0561】
また、遊技者の好みや遊技場の実情に合った拡張演出も行うことで、遊技機の演出に変化をつけることができ、更なる新たな面白味を遊技に付加することができる。
【0562】
更に、拡張演出表示装置の表示画面のサイズを、遊技機の盤面を覆うことにより、遊技機の盤面へのアクセスが困難となるから、遊技機の盤面に対する不正行為(例えばピアノ線等を挿入して釘を不正に調整するなどの不正行為)を行いにくくすることができる。特に、拡張演出表示装置の表示画面のサイズを遊技機の盤面全体を覆う大きさに構成することで、上記の効果をより奏しやすくなる。
【0563】
上記実施形態は、本発明を限定するものなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更態様がありうる。例えば、遊技場マスタに遊技場の位置情報を登録したり、遊技場にGPS(Global Positioning System)を搭載して要求情報に位置情報を加えたりしてもよい。そして、拡張表示情報に、地域の特性を反映した複数のコンテンツファイルを用意しておき、遊技場の位置に合った拡張演出を行ってもよい。
【0564】
また、年中行事や季節に合ったコンテンツファイルを複数用意しておき、サーバや拡張表示装置に備えたRTCからの日付情報を基に、その時々に応じた拡張演出を行ってもよい。
【0565】
また、ホストコンピュータ700にキーボードやマウスなどの入力装置を備え、コンテンツファイルに含まれる画像ファイルに遊技場からのメッセージを追記したり、新たに拡張表示用の画像ファイルを生成できるようにしてもよい。
【0566】
また、追加画像は、演出表示装置の表示内容とは異なる画像を付加する態様の他、演出表示装置の表示画面を強調する態様であってもよい。
【0567】
また上記では、撮像部が遊技機の対向面を撮像した画像を基に拡張演出を行ったが、撮像部が遊技者を撮像し、遊技者画像を基に顔認識処理を実行し、遊技者の性別、年齢を予測して、それに合った拡張演出を行ってもよい。
【0568】
また、上記実施形態では、マーカの出現に対応させた拡張演出を行ったが、マーカ出現の有無にかかわらず、透過型液晶表示装置に追加画像を表示させて拡張演出を行ってもよい。これにより遊技をしていない待機中にも遊技機の魅力を伝える拡張演出を行い、遊技者の関心を惹き、遊技意欲を刺激することができる。
【0569】
また、上記では拡張演出表示装置が備える制御装置に拡張演出プログラムを格納して実行したが、拡張演出表示装置に拡張演出プログラムを格納することは必須ではない。例えば、拡張演出情報サーバから、拡張演出表示装置が対面する遊技機に対応した画像ファイルや音声ファイルの再生状態を送信する、所謂ストリーミング配信を行ってもよい。この場合、ストリーミング配信のコピーガード機能を用いることでストリーミング配信されるコンテンツの不正コピーを抑止することができる。また、拡張演出プログラムの実行主体が拡張演出情報サーバになるので、拡張演出表示装置の処理負荷を下げることができる。更に、拡張演出プログラムの更新は拡張演出情報サーバで行えばよいので、プログラムの更新作業が容易にできる。
【0570】
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機を例に挙げて説明したが、スロットマシンについて、本発明を適用することができる。