特許第6259093号(P6259093)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6259093
(24)【登録日】2017年12月15日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】連続発射装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/36 20060101AFI20180104BHJP
   F41B 11/87 20130101ALI20180104BHJP
【FI】
   G01N3/36
   F41B11/87
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-536214(P2016-536214)
(86)(22)【出願日】2015年12月2日
(65)【公表番号】特表2017-536526(P2017-536526A)
(43)【公表日】2017年12月7日
(86)【国際出願番号】KR2015013037
(87)【国際公開番号】WO2017069330
(87)【国際公開日】20170427
【審査請求日】2016年7月6日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0148255
(32)【優先日】2015年10月23日
(33)【優先権主張国】KR
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2015年6月4日,6月5日に2015年韓国軍事科学技術研究学会で発表した。
(73)【特許権者】
【識別番号】592127297
【氏名又は名称】国防科学研究所
【氏名又は名称原語表記】AGENCY FOR DEFENSE DEVELOPMENT
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ヤンキー
(72)【発明者】
【氏名】ムン,クワンホ
(72)【発明者】
【氏名】パク, ビョンジン
【審査官】 福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−073795(JP,U)
【文献】 特開2005−262959(JP,A)
【文献】 特開平03−039896(JP,A)
【文献】 特開平06−323951(JP,A)
【文献】 実開平01−152241(JP,U)
【文献】 米国特許第8826792(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/36
F41B 11/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にピストンが移動可能に設けられる第1中空部を備える加圧管と、
発射方向において、前記加圧管の前方に離隔して配置され、前記第1中空部から移動してくるピストンにより発生する圧縮力を利用して発射対象物を発射する発射部と、
前記加圧管の後側面に備えられ、内部に複数のピストンを含み、前記第1中空部の後端に前記ピストンを1つずつ供給するピストン供給部と、
前記加圧管の後端に備えられ、前記第1中空部内に供給されるピストンの供給位置から前記ピストンが装填される第1中空部内の装填位置に前記ピストンを移動させるピストン装填部と、
前記ピストンの供給位置と装填位置との間に作動流体を供給し、前記ピストンを前記装填位置から前方に加圧移動させる作動流体供給部とを含む、連続発射装置。
【請求項2】
前記発射部は、
液体の発射対象物が発射されるように前方に行くほど小さくなる形状を有するノズルと、
前記ノズルの後端に配置される隔膜とを含み、
前記ピストンが移動して前記隔膜を押して破裂させ、前記ノズルの内部に備えられる発射対象物を加圧噴射することを特徴とする請求項1に記載の連続発射装置。
【請求項3】
前記発射部は、
内部に前記ピストンが移動可能に設けられる第2中空部を備える高圧連結部を前記隔膜の後方にさらに含み、
前記第1中空部の前端と前記第2中空部の後端が対向するように離隔して配置され、前記第1中空部から前記第2中空部に移動するピストンにより前記第2中空部内に発生する空気圧縮力が所定の圧力に達すると、前記隔膜が破裂して前記発射対象物が発射されることを特徴とする請求項2に記載の連続発射装置。
【請求項4】
前記発射部は、
内部に前記ピストンが移動可能に設けられる第2中空部を備える高圧連結部と、
内部に固体の発射対象物を備え、前記発射対象物の発射のための通路となる発射中空部を備え、前記発射中空部と前記第2中空部とが互いに連通するように前記高圧連結部の前端に結合される発射管と、
前記第2中空部内に発生する空気圧縮力を生成するために前記第2中空部と前記発射中空部との間を閉塞するように配置され、前記空気圧縮力が所定の圧力に達すると破裂して前記発射対象物を発射する隔膜とを含むことを特徴とする請求項1に記載の連続発射装置。
【請求項5】
複数の発射部を貯蔵し、ロボットアームを用いて前記複数の発射部のいずれかを前記加圧管の前方に順次配置して交換できるようにする発射部供給部をさらに含むことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の連続発射装置。
【請求項6】
前記高圧連結部は、
前記第2中空部の後端に形成され、前記発射方向に行くほど断面積が小さくなる形状を有し、前記発射方向に行くにつれて前記第1中空部より大きい中空から前記第1中空部と同じ大きさの中空となる1次テーパ部を含むことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の連続発射装置。
【請求項7】
前記高圧連結部は、
前記第2中空部の前端に形成され、前記第2中空部内を移動する前記ピストンを停止させ、前記第2中空部内の空気を加圧するように、後方に向かって断面積が大きくなる形状を有し、後方に行くにつれて前記第1中空部より小さい中空から前記第1中空部と同じ大きさの中空となる2次テーパ部を含むことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の連続発射装置。
【請求項8】
前記ピストン装填部は、
前記加圧管の後端に固定連結される外側シリンダと、
前記外側シリンダ内で前後方向に移動可能に設けられる内側シリンダと、
前記内側シリンダ内で前後方向に移動可能に設けられ、後退時には新しいピストンを供給位置に配置し、前進時には前記ピストンを前記供給位置より前方に位置する装填位置に配置する装填ピストンとを含み、
前記装填ピストンは、前記内側シリンダ及び前記外側シリンダを貫通して前記第1中空部内に挿入される装填バーを備え、
前記装填バーは、前記第1中空部と断面積が一致するように長く延びたバー状に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の連続発射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数mmの直径を有する小型の氷粒子、その他の固体発射対象物又は液体ジェットなどを連続して発射又は噴射することのできる連続発射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、様々な素材に対する粒子侵食試験は、同じ速度で衝突させる単位試験を試料が破壊されるまで最大数百回繰り返すことにより行われる。また、前記単位試験は、様々な衝突速度で繰り返し行われるようにしてもよい。
【0003】
このような粒子侵食試験には数千回以上の衝突単位試験の繰り返しが要求されることもある。様々な速度領域での試験の繰り返しを可能にするためには、前記単位試験に用いられる連続発射装置の安定かつ効率的な連続発射性能の確保が非常に重要である。
【0004】
以下、図6及び図7を参照して、従来技術についてより具体的に説明する。
従来技術の説明のために、図6には氷を含む固体発射対象物を高速で発射するために用いられてきた従来の発射装置10を示す。
【0005】
試験を準備する段階において、高圧部11には高圧ガスを充填し、加圧管12には常圧ガスを充填する。1次隔膜14は、高圧部11と加圧管12との間に備えられ、高圧部11と加圧管12とを連通する開口部を閉塞するように形成されている。ピストン16は、1次隔膜14が高圧部11の高圧ガスの圧力により破裂することによって加圧管12に加圧移動する。
【0006】
ピストン16は、加圧管12内で前方に加圧移動することにより加圧管12内に充填されている常圧ガスを加圧する。2次隔膜15は、加圧管12と発射管13との間に備えられ、加圧管12と、加圧管12の前端に連通するように連結される発射管13との間の開口部を閉塞するように形成されている。ピストン16の移動により加圧管12内のガスが加圧されて所定の圧力を超えると、2次隔膜15が破裂して発射管13の内部に備えられた固体発射対象物17が加速されて発射される。
【0007】
前述した従来の発射装置10においては、1次隔膜14が高圧部11と加圧管12との間に備えられ、高圧部11から供給されたガスの圧力が所定の圧力以上となると1次隔膜14が破裂してガスが加圧管12に供給されるようにしている。
【0008】
図6に示す固体発射対象物17を発射する発射装置10とは異なり、図7には他の従来技術である液体発射対象物27を発射する発射装置20を示す。
また、図7に示す従来の発射装置20においては、バルブ24が高圧部21と加圧管22との間に備えられ、高圧部21から供給されたガスの圧力が所定の圧力以上となるとバルブ24が開放されるようにすることにより、図6に示す従来の発射装置10と同じ作用をする。
【0009】
図7に示す従来の発射装置20は、液体発射対象物27をウォータジェット方式で発射することができる。
高圧部21には所定の圧力以上の高圧ガスが充填される。高圧部21と加圧管22を連通するために高圧部21と加圧管22との間に備えられたバルブ24を開放すると、前記高圧ガスが加圧管22内に形成された中空部に供給される。加圧管22の中空部には鉛弾26が備えられる。バルブ24が開放されて前記高圧ガスが加圧管22の中空部に供給されると、鉛弾26が前方に加圧移動する。
【0010】
加圧管22の前端には液体発射対象物27を噴射するノズル23が備えられる。ノズル23は、液体発射対象物27を噴射できるように、前方に行くほど直径が徐々に小さくなる形状を有する。
【0011】
また、隔膜25は、加圧管22と、加圧管22の前端に連通するように連結されるノズル23との間を閉塞するように形成されている。鉛弾26が移動して加圧管22内のガスを圧縮し、そのガス圧により隔膜25を押して破裂させると、ノズル23内の液体発射対象物27が加圧噴射される。すなわち、鉛弾26は、液体発射対象物27を高圧に圧縮してウォータジェットを噴射する役割を果たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図6及び図7に示す従来の発射装置10、20においては、発射時に隔膜15、25が破裂するので、再発射のためには、発射後に高圧部11、21、加圧管12、22、発射管13、ノズル23などを全て分離しなければならない。また、ピストン16、1次隔膜14、2次隔膜15及び隔膜25を再設置する再装填過程を経なければならない。
このような再装填過程は、再装填作業を行う作業者の細心の注意を必要とし、所定の作業時間を必要とする。
【0013】
特に、氷粒子侵食試験の場合、前記再装填作業が零下10度以下の低温実験室内で繰り返し行われるので、試験全体に要する時間とコストが増加するという問題が生じていた。それだけでなく、このように苛酷な環境で行われる再装填作業の不正確さや、作業者の疲労蓄積による事故発生などの恐れも依然としてある。
【0014】
本発明は、このような問題を解決するために、交換可能且つ分離可能に設計された連続発射装置を考案した。
【0015】
本発明の一目的は、固体又は液体発射対象物を連続して発射できる連続発射装置を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、従来の2段ガスガンにおいて高圧を用いることから主に損傷していた高価な加圧管の構造を改善することにより、総試験コストを低減できる連続発射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態においては、内部にピストンが移動可能に設けられる第1中空部121を備える加圧管と、発射方向において、前記加圧管の前方に離隔して配置され、前記第1中空部121から移動してくるピストンにより発生する圧縮力を利用して発射対象物を発射する発射部と、前記加圧管の後側面に備えられ、内部に複数のピストンを含み、前記第1中空部121の後端に前記ピストンを1つずつ供給するピストン供給部と、前記加圧管の後端に備えられ、前記第1中空部121内に供給されるピストンの供給位置から前記ピストンが装填される第1中空部121内の装填位置に前記ピストンを移動させるピストン装填部と、前記ピストンの供給位置と装填位置との間に作動流体を供給し、前記ピストンを前記装填位置から前方に加圧移動させる作動流体供給部とを含む連続発射装置を提供する。
【0018】
本発明の他の実施形態においては、前記発射部は、液体の発射対象物が発射されるように前方に行くほど小さくなる形状を有するノズルと、前記ノズルの後端に配置される隔膜とを含み、前記ピストンが移動して前記隔膜を押して破裂させ、前記ノズルの内部に備えられる発射対象物を加圧噴射することを特徴とする連続発射装置を提供する。
【0019】
本発明のさらに他の実施形態においては、前記発射部は、内部に前記ピストンが移動可能に設けられる第2中空部を備える高圧連結部を前記隔膜の後方にさらに含み、前記第1中空部121の前端と前記第2中空部の後端が対向するように離隔して配置され、前記第1中空部121から前記第2中空部に移動するピストンにより前記第2中空部内に発生する空気圧縮力が所定の圧力に達すると、前記隔膜が破裂して前記発射対象物が発射されることを特徴とする連続発射装置を提供する。
【0020】
本発明のさらに他の実施形態においては、前記発射部は、内部に前記ピストンが移動可能に設けられる第2中空部を備える高圧連結部と、内部に固体の発射対象物を備え、前記発射対象物の発射のための通路となる発射中空部を備え、前記発射中空部と前記第2中空部とが互いに連通するように前記高圧連結部の前端に結合される発射管と、前記第2中空部内に発生する空気圧縮力を生成するために前記第2中空部と前記発射中空部との間を閉塞するように配置され、前記空気圧縮力が所定の圧力に達すると破裂して前記発射対象物を発射する隔膜とを含むことを特徴とする連続発射装置を提供する。
【0021】
本発明のさらに他の実施形態においては、複数の発射部を貯蔵し、ロボットアームを用いて前記複数の発射部のいずれかを前記加圧管の前方に順次配置して交換できるようにする発射部供給部をさらに含むことを特徴とする連続発射装置を提供する。
【0022】
本発明のさらに他の実施形態においては、前記高圧連結部は、前記第2中空部の後端に形成され、前記発射方向に行くほど断面積が小さくなる形状を有し、前記発射方向に行くにつれて前記第1中空部121より大きい中空から前記第1中空部121と同じ大きさの中空となる1次テーパ部を含むことを特徴とする連続発射装置を提供する。
【0023】
本発明のさらに他の実施形態においては、前記高圧連結部は、前記第2中空部の前端に形成され、前記第2中空部内を移動する前記ピストンを停止させ、前記第2中空部内の空気を加圧するように、後方に向かって断面積が大きくなる形状を有し、後方に行くにつれて前記第1中空部121より小さい中空から前記第1中空部121と同じ大きさの中空となる2次テーパ部を含むことを特徴とする連続発射装置を提供する。
【0024】
本発明のさらに他の実施形態においては、前記ピストン装填部は、前記加圧管の後端に固定連結される外側シリンダと、前記外側シリンダ内で前後方向に移動可能に設けられる内側シリンダと、前記内側シリンダ内で前後方向に移動可能に設けられ、後退時には新しいピストンを供給位置に配置し、前進時には前記ピストンを前記供給位置より前方に位置する装填位置に配置する装填ピストンとを含み、前記装填ピストンは、前記内側シリンダ及び前記外側シリンダを貫通して前記第1中空部121内に挿入される装填バーを備え、前記装填バーは、前記第1中空部121と断面積が一致するように長く延びたバー状に形成されていることを特徴とする連続発射装置を提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明による連続発射装置を用いた場合、固体又は液体発射対象物を連続して発射することができる。従って、従来技術により粒子侵食試験を行っていた場合に比べて正確度と効率性を高めることができる。
【0026】
また、従来の2段ガスガンにおいて高圧を用いることから主に損傷していた高価な加圧管の一部を分離交換型高圧連結部に代えることにより、総試験コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態による固体発射対象物の連続発射装置を示す図である。
図2】本発明の他の実施形態による液体発射対象物の連続発射装置を示す図である。
図3】本発明のさらに他の実施形態による連続発射装置を示す図である。
図4】本発明のさらに他の実施形態による高圧連結部の拡大断面図である。
図5A】本発明の一実施形態によるピストン供給部及びピストン装填部の作動断面図である。
図5B】本発明の一実施形態によるピストン供給部及びピストン装填部の作動断面図である。
図5C】本発明の一実施形態によるピストン供給部及びピストン装填部の作動断面図である。
図6】氷を含む固体発射対象物を高速で発射するために用いられてきた従来の発射装置を示す図である。
図7】液体発射対象物を高速で発射するために用いられてきた従来の発射装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明による連続発射装置について添付図面を参照してより詳細に説明する。
本明細書において用いられる単数の表現は、特に断らない限り、複数の表現を含むものと解釈されるべきである。
【0029】
本明細書及び特許請求の範囲において用いられる用語や単語は、通常の意味や辞書的な意味に限定されて解釈されてはならず、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきである。
本明細書においては、異なる実施形態であっても同一又は類似の構成には同一又は類似の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0030】
図1は本発明の一実施形態による連続発射装置100を示す図である。
連続発射装置100は、作動流体供給部110、加圧管120、発射部130、ピストン供給部140及びピストン装填部150を含む。
【0031】
加圧管120は、作動流体供給部110から供給される作動流体の圧力を受けてピストン170が加圧移動する経路となる。このために、加圧管120は、内部にピストン170が移動可能に設けられる第1中空部121を備える。
【0032】
発射部130は、前方から順に発射管130b、隔膜160及び高圧連結部130aを備える。
【0033】
高圧連結部130aは、内部にピストン170が移動可能に設けられる第2中空部131を備える。第2中空部131の断面積は、第1中空部121の断面積と同一にしてもよい。
【0034】
発射管130bは、内部に固体発射対象物180が移動可能に設けられる発射中空部132を備える。発射中空部132の断面積は、第2中空部131の断面積より小さくしてもよい。このような構造を有することにより、ピストン170は、第2中空部131内で前方に移動して発射中空部132を通過できずに停止する。
【0035】
隔膜160は、第2中空部131と発射中空部132とが互いに連通することを防ぐように形成されている。隔膜160が破裂すると、第2中空部131と発射中空部132とが互いに連通する。隔膜160は、第1中空部121から第2中空部131に移動するピストン170により発生する空気圧縮力が所定の圧力に達すると破裂し、これにより、隔膜160の前方に備えられた固体発射対象物180が発射されるようになっている。
【0036】
発射部130は、加圧管120の前方に離隔して配置され、第1中空部121の前端と第2中空部131の後端とが対向するように配置される。すなわち、発射部130と加圧管120とは離隔している。
【0037】
作動流体供給部110は、加圧管120の後側面に備えられる。作動流体供給部110によりピストン170の後方に作動流体が供給されると、ピストン170は前記作動流体により加圧されて第1中空部121を介して前方に移動する。
【0038】
ピストン供給部140は、加圧管120の後側面に備えられる。ピストン供給部140は、内部に複数のピストン170を含み、第1中空部121の後端にピストン170を1つずつ供給する。
【0039】
すなわち、ピストン供給部140は、発射が行われた後、後続の発射のために第1中空部121の後端に新しいピストン170を供給する。当該新しいピストン170は、第1中空部121の後端に配置される供給位置に供給される。
【0040】
ピストン装填部150は、加圧管120の後端に備えられる。ピストン装填部150は、ピストン170を前記供給位置より前方に位置する装填位置に移動させる。前記装填位置は前記供給位置より前方に位置し、ピストン170を前記供給位置から前記装填位置に移動させると、前記供給位置と前記装填位置との間に作動流体供給部110が前記作動流体を供給できる空間が確保される。
【0041】
すなわち、ピストン装填部150は、ピストン170を前記装填位置に前方移動させることにより、作動流体供給部110が前記供給位置と前記装填位置との間に前記作動流体を供給できるようにし、それにより発射部130に向かうピストン170の加圧移動を可能にする。
【0042】
以下、連続発射装置100を用いて固体発射対象物180の連続発射を行う過程についてより具体的に説明する。
【0043】
ピストン供給部140は、加圧管120の第1中空部121の後端に配置される供給位置にピストン170を1つずつ供給する。
【0044】
ピストン装填部150は、ピストン170を前記供給位置より前方に位置する装填位置に移動させる。それにより、ピストン170の後方、すなわち前記供給位置と前記装填位置との間に作動流体供給部110が作動流体を供給できる空間が確保される。
【0045】
作動流体供給部110は、第1中空部121内に作動流体を供給してピストン170を前方に向けて加圧移動させる。ピストン170は、前方に十分に加圧されて第1中空部121内を移動し、そのまま高圧連結部130a内に形成された第2中空部131内に進入する。
【0046】
ピストン170は、第2中空部131内を移動することにより第2中空部131内の空気を加圧する。隔膜160は、前記空気の圧縮力が所定の圧力を超えると破裂し、これにより、隔膜160の前方に備えられた固体発射対象物180が加圧されて発射されるようになっている。
【0047】
以下、本発明の他の実施形態による連続発射装置200について具体的に説明する。
図2は本発明の他の実施形態による連続発射装置200を示す図である。
【0048】
連続発射装置200は、作動流体供給部210、加圧管220、発射部230、ピストン供給部240及びピストン装填部250を含む。
【0049】
加圧管220は、内部にピストン270が移動可能に設けられる第1中空部221を備える。
【0050】
発射部230は、前方から順にノズル230b、隔膜260及び高圧連結部230aを備える。
【0051】
高圧連結部230aは、内部にピストン270が移動可能に設けられる第2中空部231を備える。第2中空部231の断面積は、第1中空部221の断面積と同一にしてもよい。
【0052】
ノズル230bは、内部に液体発射対象物280が備えられ、前方に行くほど直径が小さくなる形状を有する。ピストン270は、第2中空部231内で前方に移動してピストン270の直径より狭い部分で停止する。
【0053】
隔膜260は、第2中空部231とノズル230bとが互いに連通することを防ぐように形成されている。隔膜260が破裂すると、第2中空部231とノズル230bとが互いに連通する。隔膜260は、第1中空部221から第2中空部231に移動するピストン270により発生する空気圧縮力が所定の圧力に達すると破裂し、これにより、隔膜260の前方に備えられた液体発射対象物280が発射されるようになっている。
【0054】
代替実施形態として、発射部230は、高圧連結部230aを含まず、液体発射対象物280が発射されるように前方に行くほど小さくなる形状を有するノズル230bと、ノズル230bの後端に配置される隔膜260とを含むようにしてもよい。
【0055】
上記代替実施形態においては、ピストン270が加圧移動して隔膜260を押して破裂させると、液体発射対象物280が加圧噴射される。
【0056】
発射部230は、加圧管220の前方に離隔して配置され、第1中空部221の前端と第2中空部231の後端が対向するように配置される。ただし、発射部230が高圧連結部230aを含まない代替実施形態においては、第1中空部221の前端と隔膜260が対向するように配置される。すなわち、発射部230と加圧管220とは離隔している。
【0057】
作動流体供給部210は、加圧管220の後側面に備えられる。作動流体供給部210によりピストン270の後方に作動流体が供給されると、ピストン270は、前記作動流体により加圧されて第1中空部221を介して前方に移動する。
【0058】
ピストン供給部240は、加圧管220の後側面に備えられる。ピストン供給部240は、内部に複数のピストン270を含み、第1中空部221の後端にピストン270を1つずつ供給する。
【0059】
すなわち、ピストン供給部240は、発射が行われた後、後続の発射のために第1中空部221の後端に新しいピストン270を供給する。当該新しいピストン270は、第1中空部221の後端に配置される供給位置に供給される。
【0060】
ピストン装填部250は、加圧管220の後端に備えられる。ピストン装填部250は、ピストン270を前記供給位置より前方に位置する装填位置に移動させる。前記装填位置は前記供給位置より前方に位置し、ピストン270を前記供給位置から前記装填位置に移動させると、前記供給位置と前記装填位置との間に作動流体供給部210が前記作動流体を供給できる空間が確保される。
【0061】
すなわち、ピストン装填部250は、ピストン270を前記装填位置に前方移動させることにより、作動流体供給部210が前記供給位置と前記装填位置との間に前記作動流体を供給できるようにし、それによりピストン270の加圧移動を可能にする。
【0062】
以下、連続発射装置200を用いて液体発射対象物280の連続発射を行う過程についてより具体的に説明する。
【0063】
ピストン供給部240は、加圧管220の第1中空部221の後端に配置される供給位置にピストン270を1つずつ供給する。
【0064】
ピストン装填部250は、ピストン270を前記供給位置より前方に位置する装填位置に移動させる。それにより、ピストン270の後方、すなわち前記供給位置と前記装填位置との間に作動流体供給部210が作動流体を供給できる空間が確保される。
【0065】
作動流体供給部210は、第1中空部221内に作動流体を供給してピストン270を前方に向けて加圧移動させる。ピストン270は、前方に十分に加圧されて第1中空部221内を移動し、そのまま高圧連結部230a内に形成された第2中空部231内に進入する。
【0066】
ピストン270は、第2中空部231内を移動することにより第2中空部231内の空気を加圧する。隔膜260は、前記空気の圧縮力が所定の圧力を超えると破裂し、これにより、隔膜260の前方に備えられた液体発射対象物280が加圧されてジェット噴射されるようになっている。
【0067】
なお、前述した従来の発射装置で説明したように、ピストン270を鉛弾に代えて適用してもよく、この場合、ピストン供給部240及びピストン装填部250をそれぞれ鉛弾供給部及び鉛弾装填部に代えて適用する。
【0068】
以下、本発明のさらに他の実施形態による連続発射装置300について具体的に説明する。
図3は本発明のさらに他の実施形態による連続発射装置300を示す図である。
【0069】
連続発射装置300は、前述した連続発射装置100、200と同様に、作動流体供給部310、加圧管320、発射部供給部390、ピストン供給部340及びピストン装填部350を含む。
【0070】
発射部供給部390は、複数の発射部330を貯蔵する。また、発射部供給部390は、ロボットアームを用いて複数の発射部330のいずれかを加圧管320の前方に順次配置して交換できるようにし、発射が行われると、発射部330を廃棄し、その後新しい発射部330を供給する。
【0071】
発射部330は、前方から順に発射管330b、隔膜360及び高圧連結部330aを備える。
ただし、高圧連結部330aの構造は、前述した実施形態の高圧連結部130a及び高圧連結部230aと異なる。
【0072】
図4には高圧連結部330aの拡大断面図を示す。
高圧連結部330aは、内部にピストン370が移動可能に設けられる第2中空部331を備える。第2中空部331は、高圧連結部330aの前端部及び後端部を除く中間部分で第1中空部321と同じ断面積を有するようにしてもよい。
【0073】
高圧連結部330aの後端には1次テーパ部t1が形成される。1次テーパ部t1は、高圧連結部330aの後端から前方に行くほど断面積が小さくなる形状を有する。すなわち、1次テーパ部t1は、高圧連結部330aの後端から前方に行くにつれて第1中空部321より大きい中空から第1中空部321と同じ大きさの中空となる。
【0074】
高圧連結部330aの前端には2次テーパ部t2が形成される。2次テーパ部t2は、高圧連結部330aの前端から後方に向かって断面積が大きくなる形状を有する。すなわち、2次テーパ部t2は、高圧連結部330aの前端から後方に行くにつれて第1中空部321より小さい中空から第1中空部321と同じ大きさの中空となる。2次テーパ部t2は、このような形状を有するので、第2中空部331内で前方に移動するピストン370を停止させることができる。また、2次テーパ部t2は、第2中空部331内で前方に移動するピストン370が空気をより効率的に加圧できるようにする。
【0075】
以下、ピストン供給部140、240、340及びピストン装填部150、250、350の構造及び機能についてより詳細に説明する。
【0076】
ピストン供給部140、240、340及びピストン装填部150、250、350の符号は、本発明のいずれの実施形態に適用されるかによって異なる。以下、図1に示す連続発射装置100に適用された場合を例に挙げて説明し、他の実施形態に適用された場合についてはその説明を省略する。
【0077】
図5A図5Cはピストン供給部140及びピストン装填部150の断面図であり、ピストン装填部150の各作動段階における断面図である。
【0078】
ピストン供給部140は、加圧管120の後側面に備えられる。ピストン供給部140は、内部に複数のピストン170を含み、第1中空部121の後端にピストン170を1つずつ供給する。
【0079】
すなわち、ピストン供給部140は、発射が行われた後、後続の発射のために第1中空部121の後端に新しいピストン170を供給する。当該新しいピストン170は、第1中空部121の後端に配置される供給位置に供給される。
【0080】
ピストン装填部150は、加圧管120の後端に備えられる。ピストン装填部150は、ピストン170を前記供給位置より前方に位置する装填位置に移動させる。前記装填位置は前記供給位置より前方に位置し、ピストン170を前記供給位置から前記装填位置に移動させると、前記供給位置と前記装填位置との間に作動流体供給部110が前記作動流体を供給できる空間が確保される。
【0081】
すなわち、ピストン装填部150は、ピストン170を前記装填位置に移動させることにより、作動流体供給部110が前記供給位置と前記装填位置との間に前記作動流体を供給できるようにし、それにより発射部130に向かうピストン170の加圧移動を可能にする。
【0082】
ピストン装填部150は、外側シリンダ151、内側シリンダ152及び装填ピストン153を含む。
【0083】
外側シリンダ151は、加圧管120の後端に固定連結される。
【0084】
内側シリンダ152は、外側シリンダ151内で前後方向に移動可能に設けられる。
【0085】
装填ピストン153は、内側シリンダ152内で前後方向に移動可能に設けられる。装填ピストン153は、後退時に新しいピストン170を供給位置に配置し、前進時にピストン170を前記供給位置より前方に位置する装填位置に配置する。
【0086】
装填ピストン153は、このような機能を円滑にするために、内側シリンダ152及び外側シリンダ151を貫通して第1中空部121内に挿入される装填バー153aを備える。
【0087】
装填バー153aは、第1中空部121と断面積が一致するように長く延びたバー状に形成される。第1中空部121内に新しいピストン170が供給されると、装填バー153aは、第1中空部121内を前進してピストン170を前記装填位置に移動させ、再び後方に後退する。作動流体供給部110は、その状態で装填バー153aが前進してから後退して生じた空間に作動流体を供給することにより、ピストン170への加圧力を形成する。
【0088】
以下、図5A図5Cを参照して、ピストン装填部150の作動過程を詳細に説明する。
【0089】
まず、内側シリンダ152及び装填ピストン153を前進させると、既に供給されているピストン170が第1中空部121内で作動流体供給部110の位置より前方に位置する装填位置に装填される。
【0090】
このように内側シリンダ152及び装填ピストン153が前進している状態で内側シリンダ152のみを後退させると、装填ピストン153は内側シリンダ152の移動により拘束されて内側シリンダ152の後退変位分だけ共に後退する。それにより、前記供給位置と前記装填位置との間に作動流体供給部110が前記作動流体を供給できる空間が確保される。
【0091】
発射を行った後、装填ピストン153及び内側シリンダ152を共に後退させると、ピストン供給部140から1つの新しいピストン170が前記供給位置に供給される。
上記過程を繰り返せば、新しいピストン170の順次供給、装填及び発射を連続して行うことができる。
【符号の説明】
【0092】
100、200、300 連続発射装置
110、210、310 作動流体供給部
120、220、320 加圧管
121、221、321 第1中空部
130、230、330 発射部
130a、230a、330a 高圧連結部
130b、330b 発射管
131、231、331 第2中空部
132、332 発射中空部
140、240、340 ピストン供給部
150、250、350 ピストン装填部
151 外側シリンダ
152 内側シリンダ
153 装填ピストン
153a 装填バー
160、260、360 隔膜
170、270、370 ピストン
180、280、380 発射対象物
390 発射部供給部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7