特許第6259140号(P6259140)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6259140
(24)【登録日】2017年12月15日
(45)【発行日】2018年1月10日
(54)【発明の名称】光発電装置
(51)【国際特許分類】
   H02S 40/22 20140101AFI20171227BHJP
   H02S 40/38 20140101ALI20171227BHJP
【FI】
   H02S40/22
   H02S40/38
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-73385(P2017-73385)
(22)【出願日】2017年4月3日
【審査請求日】2017年4月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516308191
【氏名又は名称】株式会社Daylight energy
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100083389
【弁理士】
【氏名又は名称】竹ノ内 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】末永 浩
【審査官】 嵯峨根 多美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−517628(JP,A)
【文献】 特開2007−068189(JP,A)
【文献】 特開平03−019432(JP,A)
【文献】 特表2011−520295(JP,A)
【文献】 特開2000−031522(JP,A)
【文献】 米国特許第05062899(US,A)
【文献】 特開2013−191633(JP,A)
【文献】 特開2003−017734(JP,A)
【文献】 特開平10−121647(JP,A)
【文献】 特開2008−072889(JP,A)
【文献】 米国特許第04131485(US,A)
【文献】 実開平04−059644(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第01852919(EP,A1)
【文献】 特表2015−508633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 40/22
H02S 40/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持台により上面を水平として支持されたパラボラ型集光基体凹部の凹面に、プリント配線基板を介して光発電素子を配設するとともに、各プリント配線基板から延出する電線を、パラボラ型集光基体の凹部に形成した導孔から下外部へ挿通させて、支持台における蓄電池に結線し、パラボラ型集光基体の上面には、その凹部を覆うよに透明のドーム状の被蓋を被着固定し、かつ透明のドーム状被蓋の頂部内面に、反射面を向きにした反射鏡を、パラボラ型集光基体の上面と平行として固定し、パラボラ型集光基体の凹部の凹面における光発電素子の表面に反射する光線を反射鏡で受け、かつその反射鏡による反射光線をパラボラ型集光基体の凹部の凹面上の別の位置の光発電素子に逆反射させて発電させ、プリント配線基板から蓄電池に電気を回収するようにしたことを特徴とする光発電装置。
【請求項2】
前記光発電素子は、パラボラ型集光基体の平面を多数に等分割した形の底板の周囲を、パラボラ型集光基体の凹面の湾曲に合わせて湾曲されている外枠で囲んだ発電ブロックに、プリント配線基板を介して固定され、その各光発電素子に対応する電極は正負の電線に並列結線され、その発電ブロックの複数を、パラボラ型集光基体の凹面に配列固定し、各電線を直列結線して外部の蓄電池に連結してなることを特徴とする請求項1に記載の光発電装置。
【請求項3】
前記蓄電池に、永久磁石同期モータを発電可能に連結し、かつこの永久磁石同期モータの出力線を、別の蓄電池に連結してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の光発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光発電装置に係り、太陽光や電灯光を効率的に集光するとともに、太陽の移動に関わりなく効率よく集光して、発電することのできる光発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、太陽光発電装置では、平板状の発電パネルを、南向きに傾斜させて配設されている。また発電パネルを立体的に組合わせて、回転可能にしたものが、例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−29881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明においては、発電パネルを太陽に直面するように回転させたとしても、陽陰になる部分が存在するため、使用される発電パネルの有効利用の面で無駄が生じる。
本発明は、光発電素子を無駄なく活用することができ、かつ発電効率の高い光発電装置を提供することを目的としているものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じた。
【0006】
(1)支持台により上面を水平として支持されたパラボラ型集光基体凹部の凹面に、プリント配線基板を介して光発電素子を配設するとともに、各プリント配線基板から延出する電線を、パラボラ型集光基体の凹部に形成した導孔から下外部へ挿通させて、支持台における蓄電池に結線し、パラボラ型集光基体の上面には、その凹部を覆うよに透明のドーム状の被蓋を被着固定し、かつ透明のドーム状被蓋の頂部内面に、反射面を向きにした反射鏡を、パラボラ型集光基体の上面と平行として固定し、パラボラ型集光基体の凹部の凹面における光発電素子の表面に反射する光線を反射鏡で受け、かつその反射鏡による反射光線をパラボラ型集光基体の凹部の凹面上の別の位置の光発電素子に逆反射させて発電させ、プリント配線基板から蓄電池に電気を回収するようにした光発電装置。
【0007】
(2)前記光発電素子は、パラボラ型集光基体の平面を多数に等分割した形の底板の周囲を、パラボラ型集光基体の凹面の湾曲に合わせて湾曲されている外枠で囲んだ発電ブロックに、プリント配線基板を介して固定され、その各光発電素子に対応する電極は正負の電線に並列結線され、その発電ブロックの複数を、パラボラ型集光基体の凹面に配列固定し、各電線を直列結線して外部の蓄電池に連結してなる前記(1)に記載の光発電装置。
【0008】
(3)前記蓄電池に、永久磁石同期モータを発電可能に連結し、かつこの永久磁石同期モータの出力線を別の蓄電池に連結してなる前記(1)又は(2)に記載の光発電装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、次のような効果が奏せられる。
【0010】
前記(1)に記載の発明においては、パラボラ型集光主体にプリント配線基板を介して光発電素子を配設してあるあるので、太陽の向きが、季節により、または日照時間に応じて変化しても、パラボラ型集光基体の何れかの部分で発電をして回収することができる。
パラボラ型集光基体は、凹面を上向きに、かつ水平として配設されるので、朝から夕方まで、太陽光を受けることができる。
パラボラ型集光基体の凹面を覆うよに透明なドーム状被蓋を被着固定し、透明のドーム状被蓋の頂面に、反射面を内向きにして反射鏡をパラボラ型集光基体の上面と平行に固定してあるので、太陽の位置が変化しても、光発電素子の表面は光沢があり、光を反射するので、反射された光は、透明のドーム状被蓋の頂に固定されている反射鏡に当たって反射された光は、光の当たらない反対側にある光発電素子のいずれかに当たって発電を促す。
水平に配置してあるので朝から夕方まで太陽光を受けることができる。太陽の位置が低くなる冬季には、後部を少し高くしてやることにより、効率よく採光することができる。
【0011】
前記(2)に記載の発明においては、発電素子は、パラボラ型集光基体の平面を多数に等分割した形の底板の周囲を、パラボラ型集光基体の凹部の湾曲に合わせて湾曲されている外枠で囲んだ発電ブロックに、プリント配線基板を介して固定され、これの複数を、パラボラ型集光主体の凹面に固定するものであるので、湾曲した凹面への組立て作業性に優れている。
【0012】
前記(3)に記載の発明においては、蓄電池に、永久磁石同期モータが発電可能に連結され、永久磁石同期モータの出力線を別の蓄電池に連結してあるので、永久磁石同期モータは構造上で効率の良い発電をすることができ、太陽光により発電された電気量を更に増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の光発電装置の一実施例の中央縦断正面図である。
図2図1におけるパラボラ型集光基体の平面図である。
図3図2における発電ブロックの拡大平面図である。
図4図3におけるプリント配線基板の平面図である。
図5図3におけるV−V線拡大断面図である。
図6】本発明の光発電装置の別の実施例の中央縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の光発電装置の縦断正面図、図2は、図1におけるパラボラ型集光主体1の平面図、図3は、図2における発電ブロックの拡大平面図である。
【0015】
図1に示すように、本発明の光発電装置1は、支持台2の上に、例えば直径70cmのパラボラ型集光基体3を、その凹部4を上向きに配設して構成されている。パラボラ型集光基体3の上部には、透明素材からなるドーム状被蓋5が被着されており、被蓋5の頂部内面には、反射鏡6が、反射面を下向きにして、かつパラボラ型集光基体3の上面と平行として固定されている。
【0016】
そのため、塵埃、雨雪や埃にも光発電素子9が汚損されることが無い。パラボラ型集光主体3の凹部4の曲面と、ドーム状被蓋5の反射鏡との位置関係は、凹部4の光発電素子9表面に当たる光の反射角度とのバランスで、最適な曲面と反射鏡の位置決めをする。
【0017】
前記パラボラ型集光基体3の凹部4は、図2に示すように、平面視で内周方向に等間隔の複数の区画に区分(図では6区画)されており、各区画4A〜4F内には、発電ブロック7が配設されている。
【0018】
各発電ブロック7は、図3に拡大図を示すように、区画4Aの大きさに合わせた底板7Aに外枠7Bを設け、その内部に、光発電素子9を収容する多数の区画を有する枠体8を配設して形成されている。
【0019】
枠体8の下部には、図4に示すような、プリント配線基板10が固定されている。プリント配線基板10は、縦方向に多数の電極11、11が縦列され、各電極11は正負の電線12、13に並列に結線されている。
【0020】
各電極11の上に、例えば1cm2程度の光発電素子9が固定され、1っの発電ブロック7には100個ないし120個の光発電素子9が固定されている。光発電素子9は、例えば500個で、晴天時におよそ500wの発電をすることができ、かつ例えば、曇天や室内の蛍光灯によっても発電することができる。各光発電素子9は、平面積が小であるため、パラボラ型集光基体3の凹部4の曲面にも、よく適合させることができる。
【0021】
前記各電線12、13は、まとめられて、図3における発電ブロック7の基端部に纏められ、各区画4A〜4Fにおける正負の電線12、13は、直列に結線されて、中心部におけるパラボラ型集光基体3の中央に、下方へ向けて設けられた導孔3Aから下方へ挿通され、蓄電池14に連結されている。
【0022】
上記構成の光発電装置1を、屋外に於ける太陽光照射部へ置くと、太陽光は透明なドーム状被蓋5を通過して、発電ブロック7における多数の光発電素子9に当たって、無駄なく発電させ、生成された電気は、蓄電池14に蓄電される。
また光発電素子9の表面は光沢があり反射するので、反射された光は反射鏡6に当たって再反射されて、別の位置の光発電素子9に当って発電を促す。
【0023】
パラボラ型集光基体3の凹部4は、放物面からなる凹球面であるので、四季における太陽の傾きの変化にも、よく対応して効率良く集光することができる。
また、一日の朝から夕暮れまでの太陽の移動変化に対しても、無駄なく集光することができる。冬季に於ける太陽の傾きに対しては、図1における仮想線で示す、高さ調節可能な台柱2Aの取付けによって、全体を傾斜させ、充分な集光をさせることができる。
【0024】
図6は、光発電装置の別の実施例を示す縦断正面図である。前例と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。
この実施例は、蓄電池14から引いた正負の電線12、13を、回転効率の高い永久磁石同期モータ15に逆向きに結線したものである。
【0025】
永久磁石同期モータ15は他のモータよりも回転効率が高い。これを逆回転させると発電をするが、消費電力よりも発電量が大であるのでプラスとなり、発電された電気は、別の蓄電池16に蓄電させる。
なお、永久磁石同期モータ15の出力軸に、フライホイル15Aを装着することによって回転慣性を高めてある。
【0026】
なお、前記光発電素子9は、単体用の発電ブロックにマイクロ蓄電池を組込んだ状態で使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
効率の良い集光により、発電効率を大とすることができるので、野外、工場、個人宅、あるいは自動車などにおいて、容易にかつ高能率で発電させることができ、光発電装置として広い分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1.光発電装置
2.支持台
2A.台柱
3.パラボラ型集光基体
3A.導孔
4.凹部
4A〜4F.区画
5.透明ドーム状被蓋
6.反射鏡
7.発電ブロック
7A.底板
7B.外枠
8.枠体
9.光発電素子
10.プリント配線基板
11.電極
12、13.正負の電線
14.蓄電池
15.永久磁石同期モータ
15A.フライホイル
16.蓄電池
【要約】
【課題】 本発明は、簡単な構造で効率良く集光し、太陽の向きに関わらず発電効率を高めた光発電装置を提供することを目的としている。
【解決手段】
パラボラ型集光基体3の凹面に、プリント配線基板10を介して光発電素子9を配設するとともに、各プリント配線基板10から延出する電線コードを、パラボラ型集光基体に形成した導孔3Aから、外部へ挿通させて蓄電池14に結線する。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6