【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度、総務省、次世代映像素材伝送の実現に向けた高効率周波数利用技術に関する研究開発の委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記システマティックビット配置用のサブバンドの数および前記パリティビット配置用のサブバンドの数に基づいて帯域毎に送信電力を設定する送信電力設定部をさらに具備し、
前記送信部は、前記送信電力設定部が設定した送信電力で前記OFDM信号を送信する、
請求項1から3のいずれかに記載の基地局。
前記周波数選択部は、一の空き周波数帯域において前記システマティックビット配置用のサブバンドが不足している場合、他の空き周波数帯域において前記システマティックビット配置用のサブバンドを選択する、
請求項1から4のいずれかに記載の基地局。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を適宜参照して、本発明の一実施の形態につき、詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態1)
<基地局の構成>
本発明の実施の形態1に係る基地局100の構成につき、
図1を参照しながら、以下に詳細に説明する。基地局100は、他システムと共用する周波数帯域の一部のサブバンドを用いてOFDM信号を移動局200(
図2参照)に送信するOFDM送信装置である。
【0014】
基地局100は、アンテナ101と、受信部102と、フーリエ変換部103と、復調部104と、ターボ復号部105と、レベル測定部106と、周波数選択部107と、制御信号生成部108と、ターボ符号化部109と、キャリア配置部110と、変調部111と、フーリエ逆変換部112と、送信部113と、アンテナ114と、を有している。
【0015】
受信部102は、アンテナ101を介して信号を受信し、受信信号に対して増幅、フィルタリング、ダウンコンバート等の無線受信処理を行い、無線受信処理した受信信号をフーリエ変換部103およびレベル測定部106に出力する。
【0016】
フーリエ変換部103は、受信部102から出力された受信信号に対してフーリエ変換処理を行い、復調部104に出力する。
【0017】
復調部104は、フーリエ変換部103から出力された信号を復調して復調データ(パリティビットおよびシステマティックビット)を取得し、ターボ復号部105に出力する。
【0018】
ターボ復号部105は、復調部104から出力されたパリティビットおよびシステマティックビットを用いてターボ復号処理を行い、受信データを得る。
【0019】
レベル測定部106は、受信部102から出力された受信信号の受信レベルを測定し、測定値を周波数選択部107に出力する。
【0020】
周波数選択部107は、レベル測定部106から入力した受信レベルの測定値に基づいて、他システムが使用していない帯域を選択する。ここで、選択される帯域は、他システムと共用する周波数帯域であって、他システムが使用していない空き周波数帯域である。周波数選択部107は、選択した帯域の各サブバンド(キャリア周波数)について、レベル測定部106から入力した受信レベルの測定値と所定の閾値との大小関係を比較し、閾値よりも低いサブバンドの中からシステマティックビットを配置するもの(システマティックビット配置用サブバンド)を選択する。また、周波数選択部107は、システマティックビット配置用サブバンド以外のサブバンドの中からパリティビットを配置するもの(パリティビット配置用サブバンド)を選択する。周波数選択部107は、選択した帯域、システマティックビット配置用サブバンドおよびパリティビット配置用サブバンドを示す周波数情報を制御信号生成部108およびキャリア配置部110に出力する。
【0021】
制御信号生成部108は、周波数選択部107から入力した周波数情報を含む制御信号を生成してフーリエ逆変換部112に出力する。
【0022】
ターボ符号化部109は、送信データをターボ符号化処理してパリティビットおよびシステマティックビットを生成し、キャリア配置部110に出力する。
【0023】
キャリア配置部110は、周波数選択部107から入力した周波数情報に基づいて、システマティックビットおよびパリティビットを各サブバンドに配置し、変調部111に出力する。
【0024】
変調部111は、キャリア配置部110から出力されたシステマティックビットおよびパリティビットを変調し、変調信号をフーリエ逆変換部112に出力する。
【0025】
直交周波数分割多重部であるフーリエ逆変換部112は、制御信号生成部108から出力された制御信号および変調部111から出力された変調信号に対して直交周波数分割多重処理であるフーリエ逆変換処理を行うことによりOFDM信号を生成して送信部113に出力する。
【0026】
送信部113は、フーリエ逆変換部112から出力されたOFDM信号に対して増幅、フィルタリング、アップコンバート等の無線送信処理を行い、アンテナ114より送信する。
【0027】
<移動局の構成>
本実施の形態に係る移動局200の構成につき、
図2を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0028】
移動局200は、アンテナ201と、受信部202と、フーリエ変換部203と、復調部204と、ターボ復号部205と、制御信号抽出部206と、ターボ符号化部207と、キャリア配置部208と、変調部209と、フーリエ逆変換部210と、送信部211と、アンテナ212と、を有している。
【0029】
受信部202は、アンテナ201を介して信号を受信し、受信信号に対して増幅、フィルタリング、ダウンコンバート等の増幅処理等の無線受信処理を行い、無線受信処理した受信信号をフーリエ変換部203に出力する。
【0030】
フーリエ変換部203は、受信部202から出力された受信信号に対してフーリエ変換処理を行い、復調部204に出力する。
【0031】
復調部204は、フーリエ変換部203から出力された信号を復調して制御信号及び復調データ(パリティビットおよびシステマティックビット)を取得する。復調部204は、パリティビットおよびシステマティックビットをターボ復号部205に出力し、制御信号を制御信号抽出部206に出力する。
【0032】
ターボ復号部205は、復調部204から出力されたパリティビットおよびシステマティックビットを用いてターボ復号処理を行い、受信データを得る。
【0033】
制御信号抽出部206は、復調部204から出力された制御信号に含まれている周波数情報を抽出し、キャリア配置部208に出力する。
【0034】
ターボ符号化部207は、送信データをターボ符号化処理してパリティビットおよびシステマティックビットを生成し、キャリア配置部208に出力する。
【0035】
キャリア配置部208は、制御信号抽出部206から入力した周波数情報に基づいて、システマティックビットおよびパリティビットを各サブバンドに配置して変調部209に出力する。
【0036】
変調部209は、キャリア配置部208から出力されたシステマティックビットおよびパリティビットを変調し、変調信号をフーリエ逆変換部210に出力する。
【0037】
フーリエ逆変換部210は、変調部209から出力された変調信号に対してフーリエ逆変換処理を行うことによりOFDM信号を生成して送信部211に出力する。
【0038】
送信部211は、フーリエ逆変換部210から出力されたOFDM信号に対して増幅、フィルタリング、アップコンバート等の無線送信処理を行い、アンテナ212より送信する。
【0039】
<基地局の動作>
本実施の形態に係る基地局100の動作につき、
図3を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0040】
まず、レベル測定部106は、各帯域の複数のサブバンドの各々について受信レベル(干渉レベル)を測定する。周波数選択部107は、レベル測定部106から入力した受信レベルの測定値に基づいて、他システムが使用していない帯域を選択する(S1)。
【0041】
次に、周波数選択部107は、選択した帯域のサブバンドi(iは1からnまでのいずれかの整数(nは2以上の整数))について、受信レベルが所定値より低いか否かを判定する(S2)。
【0042】
周波数選択部107は、サブバンドiの受信レベルが所定値より低い場合(S2:YES)、サブバンドiに対してシステマティックビットを選択する(S3)。言い換えると、サブバンドiをシステマティックビット配置用のサブバンドとして選択する。
【0043】
一方、周波数選択部107は、サブバンドiの受信レベルが所定値以上の場合(S2:NO)、サブバンドiに対してパリティビットを選択する(S4)。言い換えると、サブバンドiをパリティビット配置用のサブバンドとして選択する。
【0044】
次に、周波数選択部107は、システマティックビットの選択が終了したか否かを判定する(S5)。
【0045】
周波数選択部107は、システマティックビットの選択が終了していない場合(S5:NO)、フローをS2に戻す。
【0046】
一方、周波数選択部107は、システマティックビットの選択が終了した場合(S5:YES)、未だ選択されていないサブバンドiに対してパリティビットを選択する(S6)。
【0047】
次に、キャリア配置部110は、ターボ符号化部109からシステマティックビットが入力したか否かを判定する(S7)。
【0048】
キャリア配置部110は、システマティックビットを入力した場合(S7:YES)、システマティックビット配置用に選択されたサブバンドにシステマティックビットを配置する(S8)。
【0049】
一方、キャリア配置部110は、パリティビットを入力した場合(S7:NO)、パリティビット配置用に選択されたサブバンドにパリティビットを配置する(S9)。
【0050】
次に、キャリア配置部110は、全てのサブバンドに対して配置を終了したか否かを判定する(S10)。
【0051】
キャリア配置部110は、配置を終了していない場合(S10:NO)、フローをS7に戻す。
【0052】
一方、キャリア配置部110は、配置を終了した場合(S10:YES)、フローをS11に進める。
【0053】
制御信号生成部108は、周波数情報を含む制御信号を生成する(S11)。
【0054】
<キャリア配置の具体例>
次に、本実施の形態に係る基地局100におけるキャリア配置の具体例について
図4を用いて説明する。なお、
図4の例では、送信ストリームを割り当てることが可能な2つの帯域f1、f2があり、各帯域のサブバンドの総数nが4である場合を示す。
【0055】
まず、基地局100は、送信ストリームを割り当てる帯域として、干渉波が少ない(他システムが使用していない)帯域f1を選択する。
【0056】
次に、基地局100は、サブバンド1〜4の順番で上記のS2〜S6の処理を順次行う。この結果、基地局100は、受信レベルが所定値より低く干渉の少ないサブバンド1およびサブバンド2に対してシステマティックビットを選択する。また、基地局100は、受信レベルが所定値以上の干渉の多いサブバンド3に対してパリティビット#1を選択する。更に、基地局100は、未だ選択されていないサブバンド4に対してパリティビット#2を選択する。
【0057】
そして、基地局100は、上記のS7〜S10の処理を順次行うことにより、サブバンド1、2にシステマティックビットを配置し、サブバンド3にパリティビット#1を配置し、サブバンド4にパリティビット#2を配置する。
【0058】
なお、システマティックビットを配置するサブバンドとパリティビットを配置するサブバンドは同じ数の場合について示したが、本発明はこれに限定されることはなく、システマティックビットを配置するサブバンドとパリティビットを配置するサブバンドは任意の数に設定することができる。
【0059】
<制御信号の構成>
次に、本実施の形態に係る基地局100が送信する制御信号の構成について
図5を用いて説明する。なお、制御信号は、nフレーム(nは例えば2以上の整数)に1回の割合で周期的に送信される。
【0060】
制御信号は、キャリア配置に変更がない場合には
図5(a)に示すフォーマットで生成され、キャリア配置に変更がある場合には
図5(b)に示すフォーマットで生成される。
【0061】
図5(a)および
図5(b)のフォーマットの制御信号は、共通して、Ack/Nack情報、MSC情報、MIMO関係情報、その他の制御情報が含まれる。
【0062】
図5(b)のフォーマットの制御信号は、さらに、帯域を分割するサブバンド数を示す帯域分割数情報K1と、配置される信号がシステマティックビットであるのかパリティビットであるのかのサブバンド毎の信号の種別を示す信号種別情報K2と、を含んでいる。帯域分割数情報K1および信号種別情報K2は、周波数情報である。例えば、
図4の場合、帯域分割数情報K1は各帯域が4つのサブバンドに分割されているために2ビット必要であり、信号種別情報K2は2種類の信号種別を示す1ビットにサブバンド数4を乗算した4ビット必要である。
【0063】
なお、制御信号は、nフレーム(nは例えば2以上の整数)に1回の割合で周期的に送信される場合について示したが、本発明はこれに限定されることは無く、制御信号の送信頻度は任意に設定することができる。
【0064】
以上のように、本実施の形態では、他システムと共用する周波数帯域の一部を用い、ターボ符号化方式とOFDM通信方式とを組み合わせて無線通信を行う場合において、選択された帯域のサブバンドの内、干渉レベルが閾値よりも低いサブバンドのいずれかにシステマティックビットを配置し、システマティックビットを配置しなかったサブバンドのいずれかにパリティビットを配置する。
【0065】
これにより、使用する周波数帯域に干渉が存在する場合であっても、通信品質の劣化を抑制して通信品質を向上させることができる。
【0066】
また、本実施の形態によれば、干渉が検出された場合にのみ
図5(b)のフォーマットの制御信号を送信するため、制御信号の送信に伴うスループットの低下を抑制することができる。
【0067】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1では、基地局100と移動局200の双方がそれぞれデータ(OFDM信号)を送信する場合について説明した。これに対し、実施の形態2では、基地局が、移動局にデータを送信せず、制御信号のみを送信する場合について説明する。
【0068】
<基地局の構成>
まず、本実施の形態に係る基地局300の構成につき、
図6を参照しながら、以下に詳細に説明する。なお、
図6において、
図1と共通する構成部分には、
図1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0069】
図6に示す基地局300は、
図1に示した基地局100と比較して、ターボ符号化部109、キャリア配置部110、変調部111およびフーリエ逆変換部112を削除した構成を採る。
【0070】
制御信号生成部108は、周波数情報を含む制御信号を生成して送信部113に出力する。
【0071】
送信部113は、送信部113から出力された制御信号に対して増幅、フィルタリング、アップコンバート等の無線送信処理を行い、アンテナ114より送信する。
【0072】
<移動局の構成>
次に、本実施の形態に係る移動局400の構成につき、
図7を参照しながら、以下に詳細に説明する。なお、
図7において、
図2と共通する構成部分には、
図2と同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
図7に示す移動局400は、
図2に示した移動局200と比較して、フーリエ変換部203およびターボ復号部205を削除した構成を採る。
【0074】
受信部202は、無線受信処理した受信信号を復調部204に出力する。
【0075】
復調部204は、受信部202から出力された信号を復調して制御信号を取得し、制御信号抽出部206に出力する。
【0076】
<基地局の動作>
本実施の形態の基地局300の動作は、
図3より、S7からS10のステップを削除したものとなる。
【0077】
以上のように、本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0078】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。なお、本実施の形態に係る基地局および移動局の構成は、
図1、
図2と同一であるので、その説明を省略する。
【0079】
<基地局の動作>
本実施の形態に係る基地局100の動作につき、
図8を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0080】
まず、レベル測定部106は、各帯域の複数のサブバンドの各々について受信レベル(干渉レベル)を測定する。また、周波数選択部107は、レベル測定部106から入力した受信レベルの測定値に基づいて、他システムが使用していない帯域を選択する(S21)。
【0081】
次に、周波数選択部107は、選択した帯域のサブバンドiについて、受信レベルの最も大きいサブバンドを選択する(S22)。
【0082】
次に、周波数選択部107は、未だシステマティックビットが選択されていないサブバンドiについて、受信レベルの最も大きいサブバンド(干渉の最も大きいサブバンド)から最も離れているサブバンドか否かを判定する(S23)。
【0083】
周波数選択部107は、最も大きい受信レベルのサブバンドから最も離れている場合(S23:YES)、その最も離れているサブバンドに対してシステマティックビットを選択する(S24)。
【0084】
一方、周波数選択部107は、最も大きい受信レベルのサブバンドから最も離れていない場合(S23:NO)、S24の処理をスキップする。
【0085】
次に、周波数選択部107は、システマティックビットの選択が終了したか否かを判定する(S25)。
【0086】
周波数選択部107は、システマティックビットの選択が終了していない場合(S25:NO)、フローをS23に戻す。
【0087】
一方、周波数選択部107は、システマティックビットの選択が終了した場合(S25:YES)、残りのサブバンドに対してパリティビットを選択する(S26)。
【0088】
次に、キャリア配置部110は、ターボ符号化部109からシステマティックビットが入力したか否かを判定する(S27)。
【0089】
キャリア配置部110は、システマティックビットを入力した場合(S27:YES)、システマティックビット配置用に選択されたサブバンドにシステマティックビットを配置する(S28)。
【0090】
一方、キャリア配置部110は、パリティビットを入力した場合(S27:NO)、パリティビット配置用に選択されたサブバンドにパリティビットを配置する(S29)。
【0091】
次に、キャリア配置部110は、全てのサブバンドに対して配置を終了したか否かを判定する(S30)。
【0092】
キャリア配置部110は、配置を終了していない場合(S30:NO)、フローをS27に戻す。
【0093】
一方、キャリア配置部110は、配置を終了した場合(S30:YES)、フローをS31に進める。
【0094】
制御信号生成部108は、周波数情報を含む制御信号を生成する(S31)。
【0095】
<キャリア配置の具体例>
次に、本実施の形態に係る基地局100におけるキャリア配置の具体例について
図9を用いて説明する。なお、
図9の例では、送信ストリームを割り当てることが可能な2つの帯域f1、f2があり、各帯域のサブバンドの総数nが4である場合を示す。また、
図9のQ1は、サブバンド1に存在する干渉波から漏洩する成分を示している。当該成分Q1は、サブバンド1に隣接するサブバンド2に影響を与えている。
【0096】
まず、基地局100は、送信ストリームを割り当てる帯域として、干渉波が少ない(他システムが使用していない)帯域f1を選択する。
【0097】
次に、基地局100は、帯域f1のサブバンドの中で、受信レベル(干渉レベル)が最も大きいサブバンド1を選択する。そして、基地局100は、上記のS22〜S26の処理により、サブバンド1から離れているサブバンド3およびサブバンド4に対してシステマティックビットを選択する。また、基地局100は、サブバンド1に対してパリティビット#1を選択し、サブバンド2に対してパリティビット#2を選択する。
【0098】
そして、基地局100は、上記のS27〜S30の処理を順次行うことにより、サブバンド3、4にシステマティックビットを配置し、サブバンド1にパリティビット#1を配置し、サブバンド2にパリティビット#2を配置する。
【0099】
このように、本実施の形態によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、干渉波からの帯域外漏洩がある場合であっても、干渉波の存在するサブバンドから極力離れたサブバンドにシステマティックビットを配置することにより、システマティックビットに対する干渉を確実に防ぐことができる。
【0100】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態では、複数のストリームを送信する場合について説明する。なお、本実施の形態に係る基地局および移動局の構成は
図1、
図2と同一であるので、その説明を省略する。また、本実施の形態に係る基地局の動作は
図3と同一であるので、その説明を省略する。
【0101】
<キャリア配置の具体例>
次に、本実施の形態に係る基地局100におけるキャリア配置の具体例について
図10を用いて説明する。なお、
図10の例では、送信ストリームを割り当てることが可能な2つの帯域f1、f2があり、各帯域のサブバンドの総数nが4である場合を示す。
【0102】
まず、基地局100は、送信ストリーム#Aを割り当てる帯域として帯域f1を選択し、送信ストリーム#Bを割り当てる帯域として帯域f2を選択する。
【0103】
次に、基地局100は、サブバンド1〜4の順番で上記の
図3のS2〜S6の処理を順次行う。この結果、基地局100は、送信ストリーム#Aについて、サブバンド1およびサブバンド2に対してシステマティックビットを選択し、サブバンド3に対してパリティビット#1を選択し、サブバンド4に対してパリティビット#2を選択する。また、基地局100は、送信ストリーム#Bについて、サブバンド3およびサブバンド4に対してシステマティックビットを選択し、サブバンド1に対してパリティビット#1を選択し、サブバンド2に対してパリティビット#2を選択する。
【0104】
そして、基地局100は、送信ストリーム#Aについて、サブバンド1、2にシステマティックビットを配置し、サブバンド3にパリティビット#1を配置し、サブバンド4にパリティビット#2を配置する。また、基地局100は、送信ストリーム#Bについて、サブバンド3、4にシステマティックビットを配置し、サブバンド1にパリティビット#1を配置し、サブバンド2にパリティビット#2を配置する。
【0105】
このように、本実施の形態によれば、複数のストリームを無線送信する場合において、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0106】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について説明する。
【0107】
<基地局の構成>
まず、本実施の形態に係る基地局500の構成につき、
図11を参照しながら、以下に詳細に説明する。なお、
図11において、
図1と共通する構成部分には
図1と同一符号を付して、その説明を省略する。
【0108】
図11に示す基地局500は、
図1に示した基地局100に対して、送信電力設定部501を追加した構成を採る。
【0109】
周波数選択部107は、周波数情報を制御信号生成部108、キャリア配置部110および送信電力設定部501に出力する。
【0110】
送信電力設定部501は、周波数情報に示されたサブバンドの数に基づいて帯域毎に送信電力を設定し、設定した送信電力で送信するように送信部113を制御する。
【0111】
送信部113は、フーリエ逆変換部112から出力されたOFDM信号に対して、送信電力設定部501の制御に従った増幅を行い、さらにフィルタリング、アップコンバート等の無線送信処理を行い、アンテナ114より送信する。
【0112】
<移動局の構成>
次に、本実施の形態に係る移動局600の構成につき、
図12を参照しながら、以下に詳細に説明する。なお、
図12において、
図2と共通する構成部分については
図2と同一符号を付して、その説明を省略する。
【0113】
図12に示す移動局600は、
図2に示した移動局200に対して、送信電力設定部601を追加した構成を採る。
【0114】
制御信号抽出部206は、制御信号に含まれている周波数情報を抽出し、キャリア配置部208および送信電力設定部601に出力する。
【0115】
送信電力設定部601は、周波数情報に示されたサブバンドの数に基づいて帯域毎に送信電力を設定し、設定した送信電力で送信するように送信部211を制御する。
【0116】
送信部211は、フーリエ逆変換部210から出力されたOFDM信号に対して、送信電力設定部601の制御に従った増幅を行い、さらにフィルタリング、アップコンバート等の無線送信処理を行い、アンテナ212より送信する。
【0117】
<基地局の動作>
本実施の形態に係る基地局500の動作につき、
図13を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0118】
まず、レベル測定部106は、各帯域の複数のサブバンドの各々について受信レベル(干渉レベル)を測定する。また、周波数選択部107は、レベル測定部106から入力した受信レベルの測定値に基づいて、他システムが使用していない帯域を選択する(S41)。
【0119】
次に、周波数選択部107は、選択した帯域のサブバンドiについて、受信レベル(干渉レベル)が所定値1より低いか否かを判定する(S42)。
【0120】
周波数選択部107は、受信レベルが所定値1より低い場合(S42:YES)、サブバンドiに対してシステマティックビットを選択する(S43)。
【0121】
一方、周波数選択部107は、受信レベルが所定値1以上の場合(S42:NO)、サブバンドiについて、受信レベル(干渉レベル)が所定値2(所定値1<所定値2)より小さいか否かを判定する(S44)。
【0122】
周波数選択部107は、受信レベルが所定値2より低い場合(S44:YES)、サブバンドiに対してパリティビットを選択する(S45)。
【0123】
一方、周波数選択部107は、受信レベルが所定値2以上の場合(S44:NO)、無送信を選択する(S46)。
【0124】
次に、周波数選択部107は、全帯域のシステマティックビットの選択が終了したか否かを判定する(S47)。
【0125】
周波数選択部107は、全帯域のシステマティックビットの選択が終了していない場合(S47:NO)、フローをS42に戻す。
【0126】
一方、周波数選択部107は、全帯域のシステマティックビットの選択が終了した場合(S47:YES)、未だ選択されていないサブバンドに対してパリティビットを選択する(S48)。
【0127】
次に、キャリア配置部110は、ターボ符号化部109からシステマティックビットが入力したか否かを判定する(S49)。
【0128】
キャリア配置部110は、システマティックビットを入力した場合(S49:YES)、システマティックビットを選択したサブバンドにシステマティックビットを配置する(S50)。
【0129】
一方、キャリア配置部110は、システマティックビットを入力しない場合(S49:NO)、ターボ符号化部109からパリティビットが入力したか否かを判定する(S51)。
【0130】
キャリア配置部110は、パリティビットを入力した場合(S51:YES)、パリティビットを選択したサブバンドにパリティビットを配置する(S52)。
【0131】
一方、キャリア配置部110は、パリティビットを入力しない場合(S51:NO)、ヌル信号を配置する(S53)。
【0132】
次に、キャリア配置部110は、全てのサブバンドに対して配置を終了したか否かを判定する(S54)。
【0133】
キャリア配置部110は、配置を終了していない場合(S54:NO)、フローをS49に戻す。
【0134】
一方、キャリア配置部110は、配置を終了した場合(S54:YES)、フローをS55に進める。
【0135】
制御信号生成部108は、周波数情報を含む制御信号を生成する(S55)。
【0136】
S55の後、送信電力設定部501は、周波数情報に示されたサブバンドの数に基づいてサブバンド毎に送信電力を設定する。
【0137】
<キャリア配置の具体例>
次に、本実施の形態に係る基地局500におけるキャリア配置の具体例について
図14を用いて説明する。なお、
図14の例では、送信ストリームを割り当てることが可能な2つの帯域f1、f2があり、各帯域のサブバンドの総数nが4である場合を示す。
【0138】
まず、基地局500は、送信ストリーム#Aを割り当てる帯域として帯域f1を選択し、送信ストリーム#Bを割り当てる帯域として帯域f2を選択する。
【0139】
次に、基地局500は、サブバンド1〜4の順番で上記の
図13のS42〜S48の処理を順次行う。この結果、基地局500は、送信ストリーム#Aについて、サブバンド1およびサブバンド2に対してシステマティックビットを選択し、サブバンド3に対してパリティビット#1を選択し、サブバンド4に対してパリティビット#2を選択する。また、基地局500は、送信ストリーム#Bについて、サブバンド3およびサブバンド4に対してシステマティックビットを選択し、サブバンド2に対してパリティビット#2を選択する。なお、基地局500は、干渉が大きい帯域f2のサブバンド1に対して無送信を選択する。
【0140】
そして、基地局500は、上記の
図13のS49〜S54の処理を順次行うことにより、送信ストリーム#Aについて、サブバンド1、2にシステマティックビットを配置し、サブバンド3にパリティビット#1を配置し、サブバンド4にパリティビット#2を配置する。また、基地局500は、送信ストリーム#Bについて、サブバンド3、4にシステマティックビットを配置し、サブバンド2にパリティビット#2を配置する。また、基地局500は、サブバンド1にヌル信号を配置する。
【0141】
ヌル信号は受信品質の向上には貢献しないため、送信ストリーム#Bの受信品質が低下するおそれがある。そこで、基地局500は、帯域f2で送信する送信ストリーム#Bのシステマティックビットおよびパリティビットの送信電力を、帯域f1で送信する送信ストリーム#Aのシステマティックビットおよびパリティビットの送信電力よりも大きくなるように設定する。
【0142】
このように、本実施の形態によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、受信レベルの測定値が所定値2以上の大きな干渉量を有するサブバンドを使用せずに、他のサブバンドの送信電力を上昇させて送信することにより、通信品質を更に改善することができる。
【0143】
また、本実施の形態によれば、送信電力を上昇させる帯域の一部のサブバンドにはヌル信号を配置して無送信にすることにより、送信電力を上昇させても他の移動局に対する予干渉を抑制することができる。
【0144】
なお、本実施の形態では、
図15に示すように、システマティックビットおよびパリティビットの何れも配置されないサブバンド(
図15の例では、帯域f1のサブバンド1)において、ヌル信号を配置する代わりに、パイロット信号を配置するようにしても良い。この場合、基地局500の動作は、S53において、パイロット信号を配置することになる。
【0145】
これにより、チャネル推定精度(チャネル推定の周波数軸方向補間精度)の劣化を防止することができる。なお、MIMO通信の場合、チャネル推定の周波数軸方向の補間が必要であるため、特定時刻においてパイロット信号のみを送信するようにしてもよい。
【0146】
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6について説明する。本実施の形態では、複数のストリームを送信する場合について説明する。なお、本実施の形態に係る基地局および移動局の構成は
図1、
図2と同一であるので、その説明を省略する。
【0147】
<基地局の動作>
まず、本実施の形態に係る基地局100の動作につき、
図16を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0148】
まず、レベル測定部106は、各帯域の複数のサブバンドの各々について受信レベル(干渉レベル)を測定する。また、周波数選択部107は、レベル測定部106から入力した受信レベルの測定値に基づいて、他システムが使用していない帯域を選択する(S101)。
【0149】
次に、周波数選択部107は、選択した各帯域について、帯域間の受信レベルの差分を求め、求めた差分が所定値より低いか否かを判定する(S102)。
【0150】
一方、周波数選択部107は、差分が所定値以上の場合(S102:NO)、システマティックビットおよびパリティビットを帯域間で入れ替えることを決定し(S103)、選択した各帯域を分割するサブバンドiについて、受信レベルが所定値より小さいか否かを判定する(S104)。
【0151】
周波数選択部107は、差分が所定値より低い場合(S102:YES)、選択した各帯域のサブバンドiについて、受信レベルが所定値より小さいか否かを、帯域毎に独立して判定する(S104)。
【0152】
周波数選択部107は、受信レベルが所定値より低く干渉が少ない場合(S104:YES)、サブバンドiに対してシステマティックビットを選択する(S105)。
【0153】
一方、周波数選択部107は、受信レベルが所定値以上で干渉が多い場合(S104:NO)、パリティビットを選択する(S106)。
【0154】
次に、周波数選択部107は、全帯域のシステマティックビットの選択が終了したか否かを判定する(S107)。
【0155】
周波数選択部107は、全帯域のシステマティックビットの選択が終了していない場合(S107:NO)、フローをS104に戻す。
【0156】
一方、周波数選択部107は、全帯域のシステマティックビットの選択が終了した場合(S107:YES)、未だ選択されていないサブバンドに対してパリティビットを選択する(S108)。
【0157】
次に、キャリア配置部110は、ターボ符号化部109からシステマティックビットが入力したか否かを判定する(S109)。
【0158】
キャリア配置部110は、システマティックビットを入力した場合(S109:YES)、システマティックビット配置用に選択されたサブバンドにシステマティックビットを配置する(S110)。
【0159】
一方、キャリア配置部110は、パリティビットを入力した場合(S109:NO)、パリティビット配置用に選択されたサブバンドにパリティビットを配置する(S111)。
【0160】
次に、キャリア配置部110は、全てのサブバンドに対して配置を終了したか否かを判定する(S112)。
【0161】
キャリア配置部110は、配置を終了していない場合(S112:NO)、フローをS109に戻す。
【0162】
一方、キャリア配置部110は、配置を終了した場合(S112:YES)、フローをS113に進める。
【0163】
制御信号生成部108は、周波数情報を含む制御信号を生成する(S113)。
【0164】
<キャリア配置の具体例>
次に、本実施の形態に係る基地局100におけるキャリア配置の具体例について
図17を用いて説明する。なお、
図17の例では、送信ストリームを割り当てることが可能な2つの帯域f1、f2があり、各帯域のサブバンドの総数nが4である場合を示す。
【0165】
本例では、基地局100が、上記の
図16のS102〜S103の処理により、システマティックビットおよびパリティビットを帯域間で入れ替えることを決定したとする。
【0166】
この場合、基地局100は、上記の
図16のS104〜S108の処理により、受信レベルが所定値より小さい帯域f1のサブバンド1およびサブバンド2に対して、送信ストリーム#Aのシステマティックビットを選択し、受信レベルが所定値より小さい帯域f1のサブバンド4および帯域f2のサブバンド4に対して、送信ストリーム#Bのシステマティックビットを選択する。また、基地局100は、受信レベルが所定値以上の帯域f1のサブバンド3に対して、送信ストリーム#Aのパリティビット#1を選択し、受信レベルが所定値以上の帯域f2のサブバンド3に対して、送信ストリーム#Aのパリティビット#2を選択する。また、基地局100は、受信レベルが所定値以上の帯域f2のサブバンド1およびサブバンド2に対して、送信ストリーム#Bのパリティビット#1およびパリティビット#2を選択する。
【0167】
そして、基地局100は、上記の
図16のS109〜S112の処理を順次行うことにより、帯域f1において、サブバンド1およびサブバンド2に送信ストリーム#Aのシステマティックビットを配置し、サブバンド3に送信ストリーム#Aのパリティビット#1を配置し、サブバンド4に送信ストリーム#Bのシステマティックビット#2を配置する。また、基地局100は、帯域f2において、サブバンド1およびサブバンド2に送信ストリーム#Bのパリティビットを配置し、サブバンド3に送信ストリーム#Aのパリティビット#1を配置し、サブバンド4に送信ストリーム#Bのシステマティックビット#1を配置する。
【0168】
<制御信号の構成>
次に、本実施の形態に係る基地局100が送信する制御信号の構成について
図18を用いて説明する。なお、本実施の形態において、キャリア配置に変更がない場合には、制御信号は、
図5(a)に示したフォーマットで生成される。
【0169】
キャリア配置に変更がある場合、制御信号は、
図18に示すフォーマットで生成される。
【0170】
図18のフォーマットの制御信号は、
図5(a)に示したフォーマットに、さらに、帯域分割数情報K1と、信号種別情報K2と、配置される信号が本来何れの帯域を用いて送信されるのかを示す信号所属情報K3と、を含んでいる。帯域分割数情報K1と、信号種別情報K2と、信号所属情報K3と、は周波数情報である。具体的には、
図18の場合、帯域分割数情報K1は2ビット必要であり、信号種別情報K2は4ビット必要であり、信号所属情報K3は2種類の信号種別を示す1ビットにサブバンド数4を乗算すると共に選択した帯域数2を乗算した8ビット必要である。
【0171】
このように、本実施の形態によれば、複数のストリームのそれぞれに対して空き周波数帯域を選択し、一の空き周波数帯域において前記システマティックビット配置用のキャリア周波数が不足している場合、他の空き周波数帯域において前記システマティックビット配置用のキャリア周波数を選択することができる。これにより、上記実施の形態1の効果に加えて、各送信ストリームのシステマティックビット又はパリティビットを帯域間で入れ替えて送信することができるので、特定の周波数に干渉が多い場合であっても、通信品質の劣化を防ぐことができる。
【0172】
なお、本実施の形態において、MIMO通信に適用する場合には、他のアンテナを用いて送信することができる。
【0173】
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7について説明する。実施の形態7では、再送時のキャリア配置を前回送信時のものから変更する場合について説明する。なお、本実施の形態に係る基地局および移動局の構成は
図1、
図2と同一であるので、その説明を省略する。
【0174】
<基地局の動作>
基地局100は、新規データの送信あるいは受信を行う場合、
図3に示した動作をnフレームに1回の割合で周期的に行う。一方、基地局100は、データの再送信あるいは再受信を行う場合には、都度、
図3に示した動作を行う。
【0175】
<キャリア配置の具体例>
次に、本実施の形態に係る基地局100におけるキャリア配置の具体例について
図19〜
図22を用いて説明する。なお、
図19〜
図22において、(a)は入れ替え前(前回送信時)のキャリア配置を示したものであり、(b)は入れ替え後(再送時)のキャリア配置を示したものである。
【0176】
基地局100は、
図19に示すように、前回送信時と再送時とで、同一帯域内で、パリティビットの配置のみを入れ替えることができる。
図19では、前回送信時と再送時とで、サブバンド3とサブバンド4において、パリティビット#1とパリティビット#2とを入れ替える例を示している。この場合、前回送信時に干渉が多かったサブバンド3で送信したパリティビット#1を、干渉が少ないサブバンド4で再送することができる。また、システマティックビットについては、前回送信時および再送時のいずれも干渉が少ないサブバンド1、2で送信することができる。
【0177】
また、基地局100は、
図20に示すように、前回送信時と再送時とで、同一帯域内で、システマティックビットとパリティビットの全ての配置を入れ替えることができる。
図20では、前回送信時と再送時とで、サブバンド1〜4において、システマティックビットとパリティビットとを入れ替える例を示している。この場合、前回送信時に干渉が多かったサブバンド3で送信したパリティビット#1を、干渉が少ないサブバンド1で再送することができる。なお、この場合、再送時に、システマティックビットの一部を干渉が多いサブバンド3で送信することになるが、システマティックビットは、前回送信時に干渉の少なかったサブバンド1、2で送信されているので、受信品質が低下することはない。
【0178】
また、基地局100は、
図21に示すように、前回送信時と再送時とで、同一帯域内で、システマティックビットとパリティビットの一部の配置を入れ替えることができる。
図21では、前回送信時と再送時とで、サブバンド2とサブバンド3において、システマティックビットの一部とパリティビットの一部とを入れ替える例を示している。この場合、前回送信時に干渉が多かったサブバンド3で送信したパリティビット#1を、干渉が少ないサブバンド2で再送することができる。なお、この場合、再送時に、システマティックビットの一部を干渉が多いサブバンド3で送信することになるが、システマティックビットは、前回送信時に干渉の少なかったサブバンド1、2で送信されているので、受信品質が低下することはない。
【0179】
また、基地局100は、
図22に示すように、前回送信時と再送時とで、複数の帯域間で、システマティックビット、パリティビットの一部あるいは全部の配置を入れ替えることができる。
図22では、前回送信時と再送時とで、帯域f1のサブバンド2と帯域f2のサブバンド2において、送信ストリーム#Aのシステマティックビットの一部と送信ストリーム#Aのパリティビットの一部とを入れ替える例を示している。この場合、一方の帯域において干渉が多くても、再送時において帯域間で入れ替えを行うことにより、受信品質の低下を防ぐことができる。
【0180】
<制御信号の構成>
次に、本実施の形態に係る基地局100が送信する制御信号の構成について
図23を用いて説明する。なお、制御信号は、nフレームに1回の割合で周期的に送信される。
【0181】
新規データの送信あるいは受信を行う場合、基地局100は、
図5(a)に示すフォーマットの制御信号をnフレームに1回の割合で周期的に送信する。一方、基地局100は、データの再送信あるいは再受信を行う場合には、都度、
図23に示すフォーマットの制御信号を送信する。
【0182】
図23のフォーマットの制御信号は、Ack/Nack情報が、再送要求を示すNackであり、
図5(a)に示したフォーマットに、さらに、帯域分割数情報K1と、信号種別情報K2と、配置される信号が本来何れの帯域を用いて送信されるのかを示す信号所属情報K3と、を含んでいる。帯域分割数情報K1と、信号種別情報K2と、信号所属情報K3と、は周波数情報である。具体的には、
図23の場合、帯域分割数情報K1は2ビット必要であり、信号種別情報K2は4ビット必要であり、信号所属情報K3は2種類の信号種別を示す1ビットにサブバンド数4を乗算すると共に選択した帯域数2を乗算した8ビット必要である。
【0183】
ここで、データの再送信を行う時刻において、同時に初回送信における信号割当の変更も行う場合について以下に示す。
【0184】
この場合は、データの再送信を行う場合における制御信号を先に送信し、nフレーム後に初回送信における信号割当の変更を示す制御信号を送信することができる。なお、初回送信における信号割当の変更を示す制御信号は、データの再送信を行う場合における制御信号を送信したフレームの直後のフレーム(1フレーム後)で送信してもよい。
【0185】
また、データの再送信を行う場合における制御信号と初回送信における信号割当の変更を示す制御信号を、同一フレームで送信することも可能である。この場合、帯域分割数情報K1と信号種別情報K2と信号所属情報K3は、データの再送信の分と初回送信の分との両方を同一フレームにおいて送信することになる。
【0186】
このように、本実施の形態によれば、前回送信時と再送時とでシステマティックビット又はパリティビットの配置を変更することができるので、上記実施の形態1の効果に加えて、再送による通信品質の向上を図ることができる。
【0187】
なお、本実施の形態において、基地局100と移動局200との間で予め決めたルールに従って再送時のビット配置の変更を行うようにしても良い。この場合、基地局100は、移動局200に対して、
図23に示した制御信号を送信する必要が無い。
【0188】
(実施の形態8)
次に、本発明の実施の形態8について説明する。実施の形態8では、他システムが使用する隣接チャネルからの帯域外漏洩の影響を低減するためのキャリア配置について説明する。なお、本実施の形態に係る基地局および移動局の構成は
図1、
図2と同一であるので、その説明を省略する。
【0189】
<基地局の動作>
まず、本実施の形態に係る基地局100の動作につき、
図24を参照しながら、以下に詳細に説明する。なお、
図24において
図3と同一動作である部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
図24のフローでは、
図3のステップS2:YESとステップS3の間にステップS181を追加した構成を採る。
【0190】
周波数選択部107は、選択した帯域の各サブバンドiについて、受信レベルが所定値より低いか否かを判定する(S2)。
【0191】
受信レベルが所定値より低く干渉が少ない場合(S2:YES)、周波数選択部107は、選択した帯域の幅が所定値より大きいか否かを判定する(S181)。
【0192】
選択した帯域幅が所定値より大きい場合(S181:YES)、周波数選択部107は、サブンドiに対してシステマティックビットを選択する(S3)。
【0193】
一方、選択した帯域幅が所定値以下の場合(S181:NO)、周波数選択部107は、サブバンドiに対してパリティビットを選択する(S4)。
【0194】
<キャリア配置の具体例>
次に、本実施の形態に係る基地局100におけるキャリア配置の具体例について
図25を用いて説明する。
【0195】
基地局100は、上記の
図24のS2〜S6およびS181の処理により、帯域幅が所定値より大きい帯域f2において、受信レベルが所定値より低く、かつ、他システムが使用するチャネルに隣接しないサブバンド4およびサブバンド5に対して送信ストリーム#A、#Bのシステマティックビットを選択する。これにより、他システムが使用する隣接チャネルから帯域外に漏洩する成分Q1、Q2、Q3、Q4による、システマティックビットへの干渉を低減することができる。
【0196】
また、基地局100は、他システムが使用するチャネルに隣接する帯域f1のサブバンド1、2に対して送信ストリーム#Aのパリティビットを選択し、他システムが使用するチャネルに隣接する帯域f2のサブバンド3、6に対して送信ストリーム#Bのパリティビットを選択する。
【0197】
そして、基地局100は、上記の
図24のS7〜S10の処理を順次行うことにより、サブバンド4、5にシステマティックビットを配置し、サブバンド1、2、3、6にパリティビットを配置する。
【0198】
このように、本実施の形態によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、他システムが使用する隣接チャネルからの帯域外漏洩の影響を低減し、通信品質の劣化を防ぐことができる。
【0199】
また、例えばホワイトスペースのように、非常に高品質な伝送が要求されるシステムが、隣接する周波数に割り当てられている場合もある。このような場合、非常に高品質な伝送が要求される他のシステムに対して干渉を与えないようにするため、自システムの送信電力を低く抑える必要がある場合がある。このような周波数帯にシステマティックビットを配置すると、伝送必要が大きく劣化する場合も考えられる。このため、例えばホワイトスペース等のような特定の周波数帯には、システマティックビットを配置しないようにすることも可能である。
【0200】
なお、本実施の形態において、基地局および移動局でシステマティックビット又はパリティビットを配置すると共に制御信号を生成して送信したが、移動局が基地局から受信した制御信号に基づいて、移動局がシステマティックビット又はパリティビットを配置して送信してもよい。
【0201】
本発明は、部材の種類、配置、個数等は前述の実施の形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。