(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6259152
(24)【登録日】2017年12月15日
(45)【発行日】2018年1月10日
(54)【発明の名称】融雪効果持続車両滑り止めゴムシート
(51)【国際特許分類】
E01C 11/24 20060101AFI20171227BHJP
E01H 5/00 20060101ALI20171227BHJP
【FI】
E01C11/24
E01H5/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-132373(P2017-132373)
(22)【出願日】2017年7月6日
【審査請求日】2017年7月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391027734
【氏名又は名称】山本 増男
(72)【発明者】
【氏名】山本 増男
【審査官】
苗村 康造
(56)【参考文献】
【文献】
実開平5−54621(JP,U)
【文献】
特開2013−87586(JP,A)
【文献】
特開2008−190201(JP,A)
【文献】
特開平9−78550(JP,A)
【文献】
特開2003−328308(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3013195(JP,U)
【文献】
特開平8−333704(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0131666(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 1/00〜 17/00
E01H 1/00〜 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面滑り止め付ゴムシート (1) と 融雪剤溜り孔 (2) がゴムシート全面に貫通して設けられた 多孔ゴムシート (3) とを接着した構造の 車両滑り止めゴムシート (4) 単体を、必要数組み合わせて構成した 連結車両滑り止めゴムシート (5) の連結部を 結束バンド (6) で結束して、傾斜道路、駐車場出入り口、その他、滑り止めを必要とする場所に敷き設して 融雪効果、路面凍結防止効果を長時間持続させることを特徴とした、融雪効果持続車両滑り止めゴムシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
道路降雪除去に、地下水散水法、融雪剤散布法、ヒーターマットレス設置方法等が、実施されているが、いずれの方法も膨大な維持費が掛かるものである。最近融雪剤散布に塩害発生することが問題となっている。従来融雪剤を道路に撒いても直ぐに
道路側溝に流れて消失したが、新しく、路面に融雪剤を長時間残留させる方法で、融雪効果、路面凍結防止効果が持続する、車両滑り止めゴムシートを提供する。
【背景技術】
【0002】
道路降雪除去に使用される融雪剤、塩化カルシューム剤は、塩害が発生するため
世界的に問題となっている。ニュージランドではすでに融雪剤散布が禁止されている日本に於いても、最近粒状の塩化カルシューム剤 (濃度32%) を溶解濃塩水に変えて散布する方法が実施されている。融雪剤使用に於ける塩害はこれより環境汚染防止法で更に重要課題となることが予想されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】融雪マット 特開2017−053186
【特許文献2】磁石で連結する融雪マット 特開2011−157805
【特許文献3】融雪マット 特開2005−282333
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
融雪剤散布ほど簡単に除雪、路面凍結防止が出来るのは他にない。しかし融雪剤散布には塩害が発生する大きな課題がある。本発明は融雪剤、塩化カルシューム剤使用の塩害を軽減させる技術開発行うことが発明の課題である。塩化カルシューム剤散布方法を改善して、新しく塩害を軽減する融雪効果持続車両滑り止めゴムシートを開発したものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
課題解決の為、塩害発生する塩化カルシューム剤の使用方法を調査した結果、現在塩化カルシユーム液濃度がまだ残っているのに路面に撒いた融雪剤と雪溶け水を同時に道路側溝に流していたのである。塩化カルシユーム剤の水溶度は 32% 凝固点が−51℃と驚異的凍結防止効果が得られるのである。実験で路面に塩化カルシユーム液を含有させる目的で、繊維マットレスに融雪剤を含有させて、その上を滑り止めチエン装着した車両を通過させたところ、繊維マットレスがズタズタに破れ見事
失敗を経験したものである。新しい解決手段としてキャタビラ用硬質ゴムシートを使用して、塩化カルシューム剤を硬質ゴムシート多孔部に溜めて、融雪効果、路面凍結防止効果を実験した結果、問題なく長時間、容易に路面融雪効果と路面凍結防止効果が得られたのである。
【発明の効果】
【0006】
路面積雪除去に撒く塩化カルシユーム剤が塩害を発生することが問題となっている。本発明、融雪効果持続車両滑り止めゴムシートを使用するとゴムシート孔に残留した希薄融雪液が長時間 融雪効果、凍結防止効果を発揮する為、塩化カルシユーム剤が効率よく無駄なく消費できるので、問題の塩害軽減に大きく寄与でるものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
裏面滑り止め付ゴムシート (1) と 融雪剤溜り孔 (2) がゴムシート全面に貫通して設けられた 多孔ゴムシート (3) とを接着した構造の 車両滑り止めゴムシート (4) 単体を、必要数組み合わせて構成した 連結車両滑り止めゴムシート (5) の連結部を 結束バンド (6) で結束して、傾斜道路、駐車場出入り口、その他、滑り止めを必要とする場所に敷き設して 融雪効果、路面凍結防止効果を長時間持続させることを特徴とした、融雪効果持続車両滑り止めゴムシートである。
【実施例】
【0009】
積雪路面に塩化カルシユーム剤を撒いて積雪が溶融することは公知の事実である。本特許の新規性は、融雪効果持続車両滑り止めゴムシート使用に於いて融雪効果路面凍結防止効果が長時間持続することである。持続原理を説明すると下記通り。粒状塩化カルシユーム剤の水溶濃度は32%であるが 32%濃度の融雪剤がゴムシート孔内に溜まっている場合、積雪溶融はゴムシート孔の塩化カルシユーム剤と積雪が接触した部分だけ溶融して孔の塩化カルシユーム液濃度が 0%になると融雪は
停止するのである。一方塩化カルシューム剤を路面に直接撒いた場合、仮に10%〜
20%の希釈液であっても雪溶け水と共に直ぐ道路側溝に流れ出てしまうのである。
塩化カルシユーム剤凝固点は−51℃ と驚異的に低い為、20%濃度液であっても車両滑り止め多孔ゴムシートには、少なからず融雪効課、路面凍結防止効果が発揮できるのである 。 以上、融雪効果、凍結防止効果が持続する原理の説明である。
【産業上の利用可能性】
【0010】
冬季、融雪効果持続車両滑り止めゴムシート使用の有効期間は、日本国内の場合、約5ヵ月間であるが、東北、北海道の残雪道路交通事情を考慮すると、車両滑り止めゴムシート使用のメリットは実に大きいものがある。特に登り坂道路、駐車場 交差点急カーブ道路等では安全上必需品となる可能性がある。又、海外に於いても、中国、韓国、ロシア、カナダは産業発展と同時に現在は車社会となっているため、融雪効果持続車両滑り止めゴムシートの日本特許が査定になれば、大規模海外輸出ができる他、中小企業の発展にも大きく貢献できるものである。
【符号の説明】
【0011】
1 裏面滑り止付ゴムシート
2 融雪剤溜り孔
3 多孔ゴムシート
4 車両滑り止めゴムシート
5 連結車両滑り止めゴムシート
6 結束バンド
【要約】
【課題】
融雪剤散布方法は、除雪、路面凍結防止が容易に出来るが、融雪剤散布には塩害が発生する大きな課題がある。本発明、融雪効果持続車両滑り止めゴムシート、は塩化カルシューム散布塩害を軽減させることが課題である。塩化カルシューム剤散布方法を改善して、新たに塩害が軽減できる、融雪効果持続車両滑り止めゴムシートの開発を行ったものである。
【解決手段】
従来塩化カルシユーム剤を路面に撒いて塩化カルシユーム濃度がまだ残っているのに雪溶け水と同時に道路側溝へ放出していた。解決手段は、塩化カルシューム剤水溶度、32%、凝固点は−51℃まで凍結防止効果が得られる為、融雪効果持続車両滑り止めゴムシートは、塩化カルシューム剤をゴムシート多孔に溜める方法で長時間融雪効課、路面凍結防止効果を持続させて、塩害発生を軽減させたものである。
【選択図】
図4