特許第6259241号(P6259241)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6259241
(24)【登録日】2017年12月15日
(45)【発行日】2018年1月10日
(54)【発明の名称】火災感知器
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/10 20060101AFI20171227BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20171227BHJP
【FI】
   G08B17/10 H
   G08B17/00 G
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-204112(P2013-204112)
(22)【出願日】2013年9月30日
(65)【公開番号】特開2015-69484(P2015-69484A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2016年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100088052
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 文彦
(74)【代理人】
【識別番号】100189968
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 浩司
(72)【発明者】
【氏名】橋本 晋
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−211610(JP,A)
【文献】 実開昭53−091495(JP,U)
【文献】 特開2012−014330(JP,A)
【文献】 特開2013−008083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 1/00− 9/20
17/00−31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感知器筐体の内部に設けられた発光素子と、その発光素子が発する光を感知器筐体の外部に導光するライトガイドとを有する表示灯を備えた火災感知器において、
前記感知器筐体は、前部に位置するカバーであって、支柱部によって支持されて前方に突出し、前端部に位置して内側の部品を保護する前端保護部が設けられたカバーを有するものであり、
前記ライトガイドは、前記前端保護部を支持し、前記支柱部を兼ねるように設けられたものであり、また、外部に露出する部分の先端部に前記感知器筐体の前方に向けて光を出射する先端出射部を有すると共に、外部に露出する部分の側部に前記感知器筐体の側方に向けて光を出射する側部出射部を有するものであることを特徴とする火災感知器。
【請求項2】
前記側部出射部は、前記感知器筐体の内側に面する側の側面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の火災感知器。
【請求項3】
前記側部出射部は、前記感知器筐体の外部に向けて光を出射する斜面部と、前記感知器筐体の内部に向けて光を出射する斜面部とを有することを特徴とする請求項2に記載の火災感知器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、火災を検出する火災感知器に関する。
【背景技術】
【0002】
火災感知器には種々のもの(例えば、煙感知器や熱感知器。)があるが、通常、火災の発生を検出したこと等を表示する表示灯を有している。
【0003】
火災感知器の表示灯は、点灯部分を火災感知器筐体の前部に位置させることにより、その視認性を向上させることができる。そこで、従来の火災感知器において、筐体内部に設けた発光素子が発する光を筐体内部から筐体前部の最も前方に突出した面まで導光する光ガイド部材を設け、それにより火災感知器の周囲全域から表示灯の点灯を確認できるようにすることを提案しているものがある(特許許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−11684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記の従来例の場合、光ガイド部材を筐体内部の光源から筐体前部に至るまで筐体内部を貫通させて設けたものとなっているので、筐体内部に光ガイド部材を貫通させるための大きなスペースが必要であり、その分火災感知器が大型化してしまうという問題がある。又、光ガイド部材は筐体の前部から平坦な先端部のみが外部に露出するものとなっており、その平坦な先端部のみから導光した光を外部に向けて照射するものとなっているので、火災感知器の前方(火災感知器を天井面等に下向きに設置した場合は下方。)に向けてしか導光した光を照射することができず、火災感知器に近い位置からの視認性は良くなるが、火災感知器を側面側から見ることとなる火災感知器に遠い位置からの視認性は悪くなるという問題がある。
【0006】
この発明は、前記の事情に鑑み、表示灯の視認性を向上させることができ、且つ、火災感知器の小型化をすることができる火災感知器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、感知器筐体の内部に設けられた発光素子と、その発光素子が発する光を感知器筐体の外部に導光するライトガイドとを有する表示灯を備えた火災感知器において、前記感知器筐体は、前部に位置するカバーであって、支柱部によって支持されて前方に突出し、前端部に位置して内側の部品を保護する前端保護部が設けられたカバーを有するものであり、前記ライトガイドは、前記前端保護部を支持し、前記支柱部を兼ねるように設けられたものであり、また、外部に露出する部分の先端部に前記感知器筐体の前方に向けて光を出射する先端出射部を有すると共に、外部に露出する部分の側部に前記感知器筐体の側方に向けて光を出射する側部出射部を有するものであることを特徴とする火災感知器である。
【0008】
又、この発明は、前記側部出射部は、前記感知器筐体の内側に面する側の側面に設けられていることを特徴とする火災感知器である。
【0009】
又、この発明は、前記側部出射部は、前記感知器筐体の外部に向けて光を出射する斜面部と、前記感知器筐体の内部に向けて光を出射する斜面部とを有することを特徴とする火災感知器である。
【発明の効果】
【0010】
この発明においては、ライトガイドを筐体の前部に位置するカバーの前端保護部を支持し、その支柱部を兼ねるように設けられたものとしていることで、前記の従来例のようにライトガイドを筐体内部の光源から筐体の前部に至るまで筐体内部を貫通させて設けなくとも、ライトガイドを筐体の前部に位置させることができる。即ち、表示灯の視認性を向上させることができながら、前記の従来例のように筐体の内部にライトガイドを貫通させるための大きなスペースを設ける必要をなくすることができ、筐体の小型化をすることができる。
【0011】
従って、この発明によれば、表示灯の視認性を向上させることができ、且つ、火災感知器の小型化をすることができる火災感知器を提供することができる。
【0012】
又、この発明においては、前記の通り、筐体の前部に設けられるカバーの前端保護部を支持する支柱部を兼ねるように設けられたものとしていることで、ライトガイドはカバーの前端保護部を支持する部分が外部に露出することになるので、導光した光を感知器筐体の前方に向けて照射させるようにすることができるだけでなく、感知器筐体の側方に向けても照射させるようにすることができる。即ち、近い位置からの表示灯の視認性を向上させることができるだけでなく、離れた位置からの表示灯の視認性も向上させることができる。
【0013】
従って、この発明によれば、表示灯の視認性を更に向上させることができる火災感知器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の実施形態の一例を示し、感知器全体の斜視図である。
図2】同上を示し、感知器全体の前面側から平面視で示した平面図である。
図3】同上を示し、感知器全体の拡大縦断面図である。
図4】同上を示し、ライトガイドのみを拡大して示した斜視図である。
図5】同上のライトガイドのみを拡大して示したものであり、(a)が先端側から平面視で示した平面図、(b)が側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の実施形態について、火災感知器として煙感知器に適用する場合を例に図面に基いて説明する。
【0016】
先ず、この発明の火災感知器の実施形態の一例である煙感知器1の全体構成について図1乃至図3に基づいて説明する。尚、以下の説明において、「上」、「下」等の位置又は方向等を表す語を用いているが、それらは図面上の感知器の向きに応じて相対的に用いたものであり、感知器の向きが変わればそれに応じて変わるものである。例えば、図1乃至図3は感知器を上向きとし、感知器筐体のカバー側を上に示すと共に、感知器筐体の本体側を下に示したものであるが、感知器を下向きにすれば上下は反転し、感知器を横向きにすれば上下は左右に変わることになる。
【0017】
煙感知器1は、火災発生時の煙を光学的に検知する光電式のものであり、感知器筐体2内に各種電気部品が実装される回路基板5、煙を光学的に検出するための検煙部を包囲し、上部に光学台カバー6aが装着されて暗箱を構成する環状のラビリンス部6bが設けられた光学台6、帯状の金属材料に複数の穴(図示省略)を形成してなり、ラビリンス部6bの外周に環状に装着された帯状の防虫網7等を備えている。尚、11は、煙感知器1の取り付け面へ取り付けるためのベース(図示省略)と嵌合する嵌合金具である。
【0018】
又、煙感知器1は、感知器の動作状態等を表示する表示灯として、回路基板5に実装された発光素子8と、発光素子8が発光する光を導光するライトガイド9とからなり、発光素子8が筐体2の内部で発光する光をライトガイド9が筐体2の外部に導光するように設けられた表示灯10を更に備えている。尚、本実施形態において、表示灯10は2つ設けられており、それらの2つのライトガイド9が筐体2の周縁部の径方向対称位置に配置されて設けられている。
【0019】
更に、煙感知器1において、感知器筐体2は本体3とカバー4とを有しており、カバー4が本体3に前方から取り付けられて前部に位置するものとなっているが、カバー4には、複数の支柱部4cによって支持されつつ前方に突出するように設けられ、筐体2の前端部に位置して内部を保護する前端保護部となる天板部4dが設けられている。尚、本実施形態において、カバー4は、本体3の周壁部3aの前部に取り付けられて周壁部3aと共に筐体2の側部に位置して内部を保護する周壁部4aを有し、その周壁部4aから天板部4dが複数の支柱部4cによって支持されつつ前方に突出するように設けられており、且つそれら3者が一体のものとして形成されて設けられている。
【0020】
そして、煙感知器1において、表示灯10のライトガイド9は、カバー4の前端保護部である天板部4dを支持するように設けられており、その天板部4dを支持する部分が柱状に形成されている。即ち、表示灯10のライトガイド9は、前記の複数の支柱部4cと共に天板部4dを支持する支柱部を兼ねるように設けられている。尚、本実施形態においては、前記の通り、表示灯10は2つ設けられており、2つのライトガイド9が筐体2の周縁部の径方向対称位置に設けられているが、それら2つのライトガイド9は、何れも、天板部4dを支持するように設けられており、前記の複数の支柱部4cと共に天板部4dを支持する支柱部を兼ねるように設けられている。
【0021】
ここで、本実施形態の場合、カバー4には、その周囲に側方に向けて開口する複数の開口部4bが周方向に略等角度に並んで設けられている。これら複数の開口部4bは、光学台6の周囲に位置しており、検煙部への煙を含む気流の流通口として機能するものである。又、カバー4において、前記の複数の支柱部4cは4つ設けられており、即ち、天板部4dは4つの支柱部4cと2つのライトガイド9との合計6個により支持されている。2つのライトガイド9は、前記の通り、筐体2の周縁部の径方向対称位置に配置されて設けられているが、4つの支柱部4cは、それら2つのライトガイド9を含めて6個全体として筐体2の周方向に略等角度間隔、即ち略60度間隔で位置するように配置されて設けられている。更に、前記の複数の開口部4bは、4つの支柱部4cと2つのライトガイド9とによって各開口部間が仕切られるように設けられており、即ち、その数としては6つ設けられている。尚、これら支柱部4c、ライトガイド9及び開口部4bの数、配置等については、適宜変更することができる。
【0022】
煙感知器1は、前記の通り構成されるものであるところ、ライトガイド9を筐体2の前部に設けられるカバー4の前端保護部となる天板部4dを支持する支柱部を兼ねるように設けられたものとしていることで、筐体2の前部に至るまで内部を軸方向に貫通させずに、ライトガイド9を筐体2の前部に位置させることができるようになっている。それにより表示灯10の視認性を向上させることができるようになっていながら、筐体2の内部にライトガイド9を貫通させるための大きなスペースを設ける必要がなく、筐体2の小型化をすることができるようになっている。
【0023】
又、ライトガイド9を筐体2の前部に設けられるカバー4の前端保護部となる天板部4dを支持する支柱部を兼ねるように設けられたものとしていることで、その支柱部を兼ねる部分を外部に露出させることができるので、例えば、詳細は後記で説明するが、外部に露出する部分の先端部に筐体2の前方に向けて光を照射させるための先端出射部9bを設けると共に、外部に露出する部分の側部に筐体2の側方に向けて光を照射させるための側部出射部9cを設けることができるようになっており、導光した光を筐体2の前方だけでなく、筐体2の側方に向けても照射させるようにすることができ、表示灯10の視認性を近い位置からのものだけでなく、煙感知器1を側方から見ることとなる遠い位置からのものも向上させることができるようになっている。
【0024】
つまり、煙感知器1は、ライトガイド9を筐体2の前部に設けられるカバー4の前端保護部となる天板部4dを支持する支柱部を兼ねるように設けられたものとしていることで、表示灯10の視認性を向上させることができ、且つ、感知器の小型化をすることができるようになっており、又、表示灯10の視認性を更に向上させることができるようになっている。
【0025】
ここで、煙感知器1において、ライトガイド9を単に開口部4b内に臨むように設けることによっても、ライトガイド9を筐体2の前部に位置させることができるが、開口部4bは、前記の通り、検煙部への煙を含む気流の流通口として機能するものであり、それら開口部4b内に位置する部材を設けるのは好ましくない。煙感知器1は、ライトガイド9を天板部4dを支持する支柱部を兼ねるものとしていることで、ライトガイドを開口部4b内に位置させることなしに、即ち、開口部4bの煙を含む気流の流通口としての機能を阻害することなしに、ライトガイド9を筐体2の前部に位置させることができるようになっている。
【0026】
尚、煙感知器1は、前記の通り、本実施形態においては、表示灯10が筐体2の径方向対称位置に2つ設けられたものとなっており、それによっても表示灯10の視認性を更に向上させることができるものとなっている。また、前端保護部である天板部4dは円形でなくともよく、その場合には、ライトガイド9を天板部4dの中心を挟むように対称位置に配置されて設けられることで、天板部4dが円形であるときと同様の効果をもたらす。
【0027】
本実施形態の煙感知器1について、更に詳細に説明する。
【0028】
各表示灯10において、ライトガイド9は、全体として断面略L字をなす形状を有し、その形状に沿った略L字状の導光軌跡A1を有しているが、長辺部分の下部がカバー4の周壁部4aの内部側に当接し接着され、長辺部分の上部がカバー4の周壁部4aの上端から筐体2の内部より外部に臨み、周壁部4aと天板部4dとの間に位置して隣接する開口部4b間を仕切る部分において筐体2の外部に露出している。ライトガイド9は、その露出する部分に導光した光を出射する出射部として、本実施形態の場合、筐体2の前方に向けて光を出射する先端出射部9bと、側方に向けて光を出射する側部出射部9cとを有している。尚、回路基板5に実装されている発光素子8が発する光が入射する入射部9aは、筐体2の内部に位置する短辺部分に設けられているが、本実施形態の場合、回路基板5の光学台6が取り付けられる側の面に対向する位置に設けられており、回路基板5の反対側の面に実装される発光素子8からの光が回路基板5に設けられている貫通孔5aを介して集光されて入射するものとなっている。
【0029】
又、ライトガイド9は、長辺部分の先端部がカバー4の前端保護部である天板部4dまで至るものとなっており、その先端部に前記の先端出射部9bが設けられている。即ち、ライトガイド9は、カバー4の略前端位置において先端出射部9bから光を筐体2の前方に向けて出射するものとなっている。尚、本実施形態の場合、先端出射部9bは、表面が多面カット(多面カットの形状については、後記で更に詳細に説明する。)された形状になっており、光を拡散させながら筐体2の前方に向けて光を出射することができるようになっている。
【0030】
又、天板部4dの外径は、周壁部4aの内径より小さく、ライトガイド9は両者の間に位置し、前記の通り、先端部が天板部4dまで至るものとなっており、その先端部に先端出射部9bが設けられているが、本実施形態においては、その先端部に天板部4dに当接する当接部9dが更に設けられている。天板部4dは、主としてそれと一体に形成されている支柱部4cによって支持されているが、天板部9dに当接する当接部9dが設けられていることによりライトガイド9によっても支持されるようになっている。具体的には、当接部9dは、先端出射部9bの内側に隣接するように設けられており、天板部4dの周縁部の内面に設けられている受け部4eに当接するものとなっている。
【0031】
又、ライトガイド9は、前記の通り、長辺部分に前記の通り側部出射部9cも有するものとなっており、それにより筐体2の側方に向けても光を照射させることができるようになっている。この側部出射部9cは、本実施形態の場合、ライトガイド9の長辺部分の筐体2の内側に面する側面に設けられており、筐体2の外部に向けて光を出射する斜面部9eと筐体2の内部に向けて光を出射する斜面部9fを有するものとなっている。発光素子8から発せられ導光軌跡A1を通ってきた光は、斜面部9eで反射されると平凸レンズを形成する曲面部9gによって筐体2の側方に向けて拡散できるようになっている。また、ライトガイド9は、光学台6の外周に設けられている金属製(光沢のある樹脂製としてもよい。)の防虫網7の外周面に対向する位置に設けられており、斜面部9fで反射され出射した光を曲面である防虫網7の外周面によって筐体2の側方に向けて拡散させながら反射させることができるようになっている。尚、この側部出射部9cは、本実施形態の場合、長辺部分の軸方向に沿って連続する断面鋸刃形状をなすものとなっている(これについては、後記で更に詳細に説明する。)。
【0032】
次に、図4及び5に基づいて、ライトガイド9について更に詳細に説明する。
【0033】
ライトガイド9において、先端出射部9bは、前記の通り長辺部分の先端部に設けられているが、そのドーム状に隆起した表面が多面カット(図示の例では複数の六角錐状の隆起が組み合わさり24面カットとなっている)された形状のものとなっており、光を前方に向けて拡散させながら出射させることができるようになっている。このライトガイド9における先端出射部9bの多面カットの形状によっても、表示灯10の視認性を更に向上させることができるようになっている。
【0034】
又、ライトガイド9において、側部出射部9cは、前記の通り長辺部分の筐体2の内側に面する側の側面に設けられ、曲面である曲面部9gおよび防虫網7の外周面によって筐体2の側方に向けて拡散させることができるようになっているが、本実施形態の場合、その形状が長辺部分の軸方向に連続する断面略鋸刃形状をなすものとなっており、曲面部9gおよび防虫網7の外周面に向けて光を出射する際にも光を拡散させることができるようになっている。即ち、ライトガイド9は、側部出射部9cの断面鋸刃の形状によっても、表示灯10の視認性を更に向上させることができるようになっている。尚、ライトガイド9において、側部出射部9cは、筐体2の外側に面する側の側面に設けるようにしてもよい。
【0035】
又、ライトガイド9において、当接部9dは、前記の通り、長辺部分の先端部に設けられ、天板部4dの受け部4eと当接して天板部4dを支持するようになっているが、具体的には、先端出射部9bの内側の位置に設けられており、天板4dの周縁部の内面に設けられている受け部4e(図3参照)と当接するものとなっている。尚、本実施形態の場合、ライトガイド9の当接部9dは、平坦な形状のものとなっているが、ライトガイド9による天板部4dの支持力を高めることができるようにそれぞれの形状が互いに嵌り合うように接合する形状のものとしてもよい。例えば、当接部9dの形状は、長辺部分の先端部に凸状に形成されたものとし、その形状に対応するように受け部4eは天板部4dの周縁部の内面に凹状に形成されたものとし(凹凸を逆にしてもよい)、両者が嵌り合うように接合するものとしてもよい。
【0036】
以上、この発明の実施形態の一例について説明したが、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲以内で適宜変更等が可能である。
【0037】
例えば、上記の実施形態では、ライトガイド9の長辺部分の下部がカバー4の周壁4aに当接するようにしているが、従来の特許文献1の火災感知器のように、カバー4が周壁4aと鍔状の正面部を有し、正面部から突出するように天板部4dが形成される場合には、ライトガイド9の長辺部分の下部を正面部と当接する適切な形状としてもよい。
【0038】
尚、上記の実施形態は煙感知器についてのものであるが、この発明は、感知器筐体の前部に支柱部によって支持された前端保護部を有するカバーを有するものであれば、煙感知器以外の火災感知器にも適用することができる。即ち、熱感知器においても、検知部(サーミスタ等)を前方から保護する部分として、支柱部よって支持された前端保護部を有するカバーを感知器筐体の前部に有するものがあるが(この種の熱感知器においても、検知部への熱気流の流通口として機能するものであるが、カバーの周囲に複数の開口部が周方向に並んで設けられており、各開口部間が前端保護部を支持する複数の支柱部によって支持されたものとなっている。尚、この種の熱感知器において、前端保護部は一般に環状の形状を有している。)、そのようなカバーを有するものであれば、表示灯を上記の実施形態で示したような配置構造によって設けることは可能であり、この発明の適用は可能である。
【符号の説明】
【0039】
1:煙感知器 2:感知器筐体 3:本体 3a:周壁部 4:カバー
4a:周壁部 4b:開口部 4c:支柱部 4d:天板部 4e:受け部
5:回路基板 5a:貫通孔 6:光学台 6a:光学台カバー 6b:ラビリンス部
7:防虫網 8:発行素子 9:ライトガイド 9a:入射部 9b:先端出射部
9c:側部出射部 9d:当接部 9e,9f:斜面部 9g:曲面部 10:表示灯
11:嵌合金具 A1:導光軌跡
図1
図2
図3
図4
図5