特許第6259512号(P6259512)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6259512
(24)【登録日】2017年12月15日
(45)【発行日】2018年1月10日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13357 20060101AFI20171227BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20171227BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20171227BHJP
【FI】
   G02F1/13357
   G02F1/1333
   F21S2/00 438
【請求項の数】16
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-513574(P2016-513574)
(86)(22)【出願日】2014年4月16日
(86)【国際出願番号】JP2014060859
(87)【国際公開番号】WO2015159397
(87)【国際公開日】20151022
【審査請求日】2016年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】512225287
【氏名又は名称】堺ディスプレイプロダクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 智雄
【審査官】 右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−171948(JP,A)
【文献】 特開2013−049346(JP,A)
【文献】 特開平09−147617(JP,A)
【文献】 特開2009−224207(JP,A)
【文献】 特開2006−235179(JP,A)
【文献】 特開2008−299181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
G02F 1/1333
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面から入射される光を一面から出射させる導光板を備え、該導光板からの光にて画像表示を行う表示装置において、
前記導光板と一体成型され、一面が該導光板の他面と接し、該導光板から熱を吸収する吸熱板を備え、
前記吸熱板は他面に凸部及び凹部を有し、
前記凸部は空洞を有し、
前記導光板の一面側に設けられた光学シートと、
前記導光板の一面の縁部に設けられ、該導光板及び前記光学シートの間隔を保持する間隔保持部とを備え、
該間隔保持部は空洞を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記光学シートを介して入射される光を用いて画像を表示する表示パネルを備え、
前記間隔保持部は、前記光学シート及び表示パネルの間隔を保つように構成されていることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
前記間隔保持部、導光板、及び吸熱板は一体成型されていることを特徴とする請求項又はに記載の表示装置。
【請求項4】
側面から入射される光を一面から出射させる導光板を備え、該導光板からの光にて画像表示を行う表示装置において、
前記導光板と一体成型され、一面が該導光板の他面と接し、該導光板から熱を吸収する吸熱板を備え、
前記吸熱板は他面に凸部及び凹部を有し、
前記凸部は空洞を有し、
前記導光板の一側面の付近に設けられた光源を備え、
前記光源は、発光素子と、該発光素子を一面に実装した基板とを有しており、
前記基板の他面側に該基板の熱を吸収する中空の吸熱部を備え、
該吸熱部は前記吸熱板と一体成型されていることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
前記吸熱板の前記凸部は、前記導光板の一側面に係る縁部に設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記吸熱板が有する前記空洞内には冷却液が注入されていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
側面から入射される光を一面から出射させる導光板を備え、該導光板からの光にて画像表示を行う表示装置において、
前記導光板と一体成型され、一面が該導光板の他面と接し、該導光板から熱を吸収する吸熱板と、
前記導光板の一面側に設けられた光学シートと、
前記導光板の一面の縁部に設けられ、該導光板及び前記光学シートの間隔を保持する間隔保持部とを備え、
前記間隔保持部は空洞を有することを特徴とする表示装置。
【請求項8】
前記光学シートを介して入射される光を用いて画像を表示する表示パネルを備え、
前記間隔保持部は、前記光学シート及び表示パネルの間隔を保つように構成されていることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記間隔保持部、導光板、及び吸熱板は一体成型されていることを特徴とする請求項又はに記載の表示装置。
【請求項10】
前記吸熱板は他面に凸部及び凹部を有することを特徴とする請求項からの何れか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記吸熱板の前記凸部は、前記導光板の一側面に係る縁部に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記吸熱板は空洞を有することを特徴とする請求項から11の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記吸熱板が有する前記空洞内には冷却液が注入されていることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記導光板の一側面の付近に設けられた光源を備え、
前記光源は、発光素子と、該発光素子を一面に実装した基板とを有しており、
前記基板の他面側に該基板の熱を吸収する中空の吸熱部を備え、
該吸熱部は前記吸熱板と一体成型されていることを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記吸熱板の一面は白色であることを特徴する請求項1から14の何れか一項に記載の表示装置。
【請求項16】
前記吸熱板の他面と接する放熱板を備えることを特徴とする請求項1から15の何れか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側面から入射される光を一面から出射させる導光板を備え、該導光板からの光にて画像表示を行う表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大画面の液晶表示装置が広く普及しており、これと共に、画像の高精細化が求められている。
【0003】
一方、特許文献1においては、パネルフレームのLED光源ブロックを配置した端部において、LED光源ブロックから導光板・反射シートの少なくとも一部まで広がる凹み部を設け、さらに凹み部に、LED光源ブロックの端部から導光板・反射シートの少なくとも一部まで広がり、かつパネルフレームに固定された、反射断熱部材を設けることにより、光の取り出し効率を向上し、かつ光学部材の劣化を抑制することで、良好な光学特性を有する液晶表示装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2においては、パイプ部を有するプレート型放熱部と、このプレート型放熱部の側端部に配置されたLED光源と、このLED光源に接して受熱し、前記プレート型放熱部に接続される受熱部とを備え、優れた放熱性を有する液晶表示装置用バックライトユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−072262号公報
【特許文献2】特開2006−293182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、液晶表示装置の巨大化及び高精細化に伴い、光源(例えば、LED)に高電力を供給する必要があり、これによって、斯かる光源及び液晶表示装置において、稼働中の発熱量が多くなっている。
【0007】
これに対して、特許文献1に斯かる液晶表示装置においては、斯かる発熱の抑制又は放熱に対して考慮しておらず、対応出来ない。
【0008】
また、引用文献2においては、プレート型放熱部を設けて、LED光源からの熱を放熱しているものの、パイプ部、受熱部等を必要とする複雑な構成であり、装置の生産コストが増加し、生産性も劣る。
【0009】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、側面から入射される光を一面から出射させる導光板を備え、該導光板からの光にて画像表示を行う表示装置において、前記導光板と一体成型され、一面が該導光板の他面と接し、該導光板から熱を吸収する吸熱板を備えることにより、一層簡単な構造にて優れた放熱性を発揮でき、かつ、部品点数を減らして生産性を高めることができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る表示装置は、側面から入射される光を一面から出射させる導光板を備え、該導光板からの光にて画像表示を行う表示装置において、前記導光板と一体成型され、一面が該導光板の他面と接し、該導光板から熱を吸収する吸熱板を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、前記吸熱板が前記導光板と一体成型されているので、部品点数を減らすことができる。また、前記吸熱板が、前記導光板の他面から、該導光板が発する熱を吸収する。
【0012】
本発明に係る表示装置は、前記吸熱板は空洞を有し、該空洞内には冷却液が注入されていることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、前記吸熱板によって前記導光板の他面から吸収された熱は、前記空洞内の冷却液により冷却される。従って、効率良く前記導光板が発する熱を放熱できる。
【0014】
本発明に係る表示装置は、前記吸熱板は他面に凸凹を有することを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、前記吸熱板の他面が凸凹を有するので、該他面での比表面積が増加し、より効果的に放熱することができる。また、該他面での強度を高め、前記吸熱板の変形を防止する。
【0016】
本発明に係る表示装置は、前記吸熱板の一面は白色であることを特徴する。
【0017】
本発明にあっては、前記導光板の他面と接する前記吸熱板の一面が白色であり、前記導光板の他面を介して出射される光を前記導光板の一面に向けて反射させて、画像表示における輝度を高めることができる。
【0018】
本発明に係る表示装置は、前記吸熱板の他面と接する放熱板を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、前記吸熱板によって前記導光板の他面から吸収された熱は、前記空洞内に注入されている冷却液により冷却され、かつ、前記放熱板に伝導されて、空気中に放熱される。
【0020】
本発明に係る表示装置は、前記導光板の一面側に設けられた光学シートと、前記導光板の一面の縁部に設けられ、該導光板及び前記光学シートの間隔を保持する間隔保持部とを備え、該間隔保持部は空洞を有することを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、前記間隔保持部が内部に空洞を有するので、ある程度の変形が可能であり、例えば、外部から衝撃を受けた場合でも、それを吸収して、前記導光板及び光学シートの間隔を保持する。
【0022】
本発明に係る表示装置は、前記光学シートを介して入射される光を用いて画像を表示する表示パネルを備え、前記間隔保持部は、前記光学シート及び表示パネルの間隔を保つように構成されていることを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、前記間隔保持部は、前記導光板及び光学シートの間隔のみならず、前記光学シート及び表示パネルの間隔も維持するように構成されているので、更に部品点数を減らすことができる。
【0024】
本発明に係る表示装置は、前記間隔保持部、導光板、及び吸熱板は一体成型されていることを特徴とする。
【0025】
本発明にあっては、前記間隔保持部、導光板、及び吸熱板が一体成型されているので、部品点数が減少し、かつ、組み立て工程が簡単になり、生産性が増加する。
【0026】
本発明に係る表示装置は、前記導光板の一側面の付近に設けられた光源を備え、前記吸熱板の凸部は、前記導光板の一側面に係る縁部に設けられていることを特徴とする。
【0027】
本発明にあっては、前記吸熱板の凸部は、前記光源の付近である、前記導光板の一側面に係る縁部に設けられ、前記導光板の発熱の原因となる光源から熱が伝導される場合、前記導光板の全体に拡散される前、斯かる熱を吸収する。
【0028】
本発明に係る表示装置は、前記光源は、発光素子と、該発光素子を一面に実装した基板とを有しており、前記基板の他面側に該基板の熱を吸収する中空の吸熱部を備え、該吸熱部は前記吸熱板と一体成型されていることを特徴とする。
【0029】
本発明にあっては、前記光源において、前記発光素子から発せられる熱が前記基板を介して、該基板の他面側の前記吸熱部に吸収され、吸収された熱は、前記吸熱板を介して放熱される。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、その一面が前記導光板の他面と接し、該導光板から熱を吸収する吸熱板が該導光板と一体成型されているので、より簡単な構造にて優れた放熱性を発揮でき、かつ、部品点数を減らして生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施の形態1に係るテレビジョン受像機の外観を示す正面図である。
図2図1のA−A線による縦断面図である
図3図2の一部を拡大した拡大図である。
図4】本発明の実施の形態1に係るテレビジョン受像機における、放熱板の配置を説明する説明図である。
図5図4のB−B線による部分断面図である。
図6】本発明の実施の形態1に係るテレビジョン受像機において、一体成型された間隔保持部、導光板及び吸熱板を示す例示図である。
図7】本発明の実施の形態2に係るテレビジョン受像機の要部構成を示す部分的縦断面図である。
図8】本発明の実施の形態3に係るテレビジョン受像機の要部構成を示す部分的縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明の実施の形態に係る表示装置を、テレビジョン受像機に適用した場合を例として、図面に基づいて詳述する。
【0033】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係るテレビジョン受像機の外観を示す正面図である。図中符号100は、本発明の実施の形態1に係るテレビジョン受像機を示す。以下、説明の便宜上、図面視左右方向を横方向、図面視上下方向を縦方向という。
【0034】
図2図1のA−A線による縦断面図である。本発明の実施の形態1に係るテレビジョン受像機100は、図1に示したように、表側の一面に映像を表示する矩形の液晶表示パネル2を備えている。また、液晶表示パネル2の裏側には、液晶表示パネル2に光を照射する光源装置1が配置されている。
【0035】
光源装置1は、光源部3と、光学シート4と、導光板5と、吸熱板6とを備えている。また、図3図2の一部を拡大した拡大図である。
【0036】
光学シート4は一面が液晶表示パネル2の他面と対向するように配置されており、また、導光板5は一面が光学シート4の他面と対向するように配置され、更に吸熱板6は一面が導光板5の他面と対向するように配置されている。
【0037】
液晶表示パネル2の縁側には、フロントカバー7が配置されている。フロントカバー7は、ユーザによって視認される液晶表示パネル2の一面の形状に倣う中空の矩形の表示窓71を有している。ユーザは表示窓71を介して液晶表示パネル2の前記一面に表示される画像を視認することができる。
【0038】
また、図3で示すように、液晶表示パネル2は、前記一面の周縁部が表示窓71によって覆われている。より詳しくは、液晶表示パネル2の前記一面の周縁部に沿って設けられたクッションCを介して、表示窓71が液晶表示パネル2の周縁部を後述する間隔保持部8に押し付けることにより、液晶表示パネル2を保持している。
【0039】
また、液晶表示パネル2は前記他面に偏光板(図示せず)を設けており、該偏光板を用いて入射される光をP波(水平偏向成分)とS波(垂直偏向成分)に分離し、P波だけが一面に向けて出て行き、S波は該偏光板に吸収されるように構成されている。液晶表示パネル2は、例えば電気泳動液晶パネルであっても良い。
【0040】
光学シート4は、光源部3から発せられ、導光板5を介して入射される光に対して拡散、集光等を行ない、より均一な光を液晶表示パネル2に向けて出射させる、公知のものである。例えば、光学シート4は、2枚の拡散シートと、1枚のプリズムシートとからなり、該プリズムシートは2枚の拡散シートの間に介在している。
【0041】
前記2枚の拡散シートのうち導光板5側に配置された一の拡散シートは、導光板5を介して光源部3から入射される光を拡散させて前記プリズムシートに入射させる光学シートである。また、前記プリズムシートは、前記一の拡散シートを介して入射される光を集光して他の拡散シートに向けて出射させる光学シートである。前記プリズムシートを通過した光は、該プリズムシートに対して垂直に前記他の拡散シートへ入射される。
【0042】
前記2枚の拡散シートのうち液晶表示パネル2側に配置された前記他の拡散シートは、前記プリズムシートを介して入射される光を更に拡散させてより均一な輝度分布にして液晶表示パネル2に向けて出射させる光学シートである。
【0043】
光学シート4の他面側には、矩形の導光板5が配置されている。導光板5は光源部3が発する光を光学シート4(液晶表示パネル2)に導く。例えば、導光板5は、光学シート4の他面と対向する一面に、光源部3から入射された光が液晶表示パネル2方向に進行するようにパターンが形成された出射面を有するように構成してもよい。これによって、導光板5は、光源部3から入射される光を平面光に変えて前記出射面を通じて光学シート4に均一に伝達することができる。
【0044】
また、導光板5は、例えば透明度の高いアクリル樹脂からなり、導光板5の他面には、その一面61が該他面と接するように、吸熱板6が配置されている。
【0045】
吸熱板6は、例えば、プラスチック製であり、一面61が導光板5と略等しい形状及び大きさを有しており、一面61が反射性の良い白色である。従って、光源部3から導光板5に入射して導光板5の他面から出射される光を反射し、光を導光板5の前記出射面側に戻す機能を有する。また、一面61の色は白色に限るものでなく、無彩色であって、導光板5の他面から出射される光を反射するという目的を達成できる色であれば良い。
【0046】
更に、吸熱板6は、他面が凸凹するように形成されている。吸熱板6の他面は、このように凸凹することから、強度が高くなり、導光板5と、後述する放熱板9との間に介在して、スペーサーとしての役割をなし得る。換言すれば、吸熱板6の他面を凸凹するように構成することにより、吸熱板6の他面を支える、いわゆるバックライトシャーシを省くことができる。
【0047】
吸熱板6の他面には、凸部64,64,・・・64と、凹部63,63,・・・63とが形成されており、凸部64は内部が空洞65である。従って、凸部64(凹部63)は所定範囲での変形が可能であるので、放熱板9の表面形状に関わることなく、スペーサーとして導光板5と所定の間隔を保持することができる。
【0048】
また、吸熱板6は、凸部64の空洞65内に冷却液66が注入されている。従って、導光板5が発する熱は、吸熱板6の一面61を介して凸部64の冷却液66に冷却され、導光板5(又は光源装置1)が過熱になることを未然に防ぐことができる。
【0049】
一方、吸熱板6の他面側には、その一面が吸熱板6の他面と接するように、2枚の放熱板9が配置されている。放熱板9は、例えば、熱伝導性の優れたアルミニウムからなる。すなわち、吸熱板6の他面側の凸部64が放熱板9の一面と接触している。
【0050】
図4は本発明の実施の形態1に係るテレビジョン受像機100における、放熱板9の配置を説明する説明図である。また、図5図4のB−B線による部分断面図である。
【0051】
放熱板9は短冊状を有しており、長手方向の寸法が導光板5又は吸熱板6の長手方向の寸法と略等しい。また、放熱板9は、導光板5又は吸熱板6の長辺側の両縁部に沿って各々設けられている。更に、放熱板9は、後述する光源部3の基板32の他面側に、該他面に沿って設けられた屈曲部91を有している。換言すれば、放熱板9は、光源部3側の端が放熱板9の厚み方向に曲げられている。
【0052】
このような放熱板9は、吸熱板6を介して伝導される導光板5が発する熱を、空気中に放熱する。すなわち、導光板5(光源部3)が発する熱は、吸熱板6の一面61を介して凸部64の冷却液66に冷却され、また、冷却液66によって放熱板9に伝導される。更に、凸部64(冷却液66)から放熱板9に伝導された熱は、放熱板9の全体に熱拡散し、放熱板9の他面全体から空気中に放熱される。
【0053】
本発明においては、上述したような構成を有することから、導光板5(光源部3)が発する熱を効果的に冷却することができる。すなわち、凸部64の空洞65内に冷却液66が注入されているので、空洞65に冷却液66が注入されていない場合に比べ、導光板5からの熱の吸収量が多くなる。
【0054】
また、冷却液66は液体であるので、空洞65に冷却液66が注入されていない場合に比べ、放熱板9への熱伝導が容易になる。
【0055】
更に、光源部3(基板32)の熱が屈曲部91を介して放熱板9の全体に拡散され、放熱板9の他面全体から空気中に放熱されるので、直接的に光源部3が発する熱を放熱することも可能である。
【0056】
以上の記載に限るものでなく、本発明に係るテレビジョン受像機100においては、放熱板9の他面又は吸熱板6(凹部63)にVESA規格の金具V,Vを更に取り付けることも可能である。
【0057】
更に、本発明に係るテレビジョン受像機100は、上述した、液晶表示パネル2、光学シート4及び導光板5の各々を所定の間隔にて保持する間隔保持部8を備えている。間隔保持部8は、液晶表示パネル2、光学シート4及び導光板5の長辺側の縁部に沿って設けられている。間隔保持部8は、図2及び図3に示すように、縦断面視クランク状をなしており、2段の屈曲部を有している。
【0058】
換言すれば、間隔保持部8は、液晶表示パネル2、光学シート4又は導光板5と平行な2つの平面部81,82を備えており、前記クランク状に係る一端部が光学シート4及び導光板5の間に介在している。一方の平面部81は、間隔保持部8の前記クランク状の他端部に形成されており、他方の平面部82は、前記クランク状の一端部及び他端部の間に形成されている。以下、前記クランク状の一端部、及び、前記クランク状の他端部を、単に、一端部及び他端部と言う。
【0059】
平面部82には、光学シート4の縁部が載置され、かつ、上述したように、間隔保持部8の一端部は光学シート4及び導光板5の間に介在することにより、光学シート4及び導光板5が一定の間隔を維持しながら保持される。
【0060】
また、平面部81には、液晶表示パネル2の縁部が載置される。これによって、液晶表示パネル2及び光学シート4が一定の間隔を維持しながら保持される。
【0061】
更に、間隔保持部8は内部に空洞83を有する。このように、間隔保持部8は空洞83を有することから、所定範囲の変形が可能であり、いわゆるクッションとしての役割をなす。従って、外部からの衝撃を吸収しつつ、液晶表示パネル2、光学シート4及び導光板5を保持することが可能である。
【0062】
なお、間隔保持部8は白色を有している。従って、導光板5及び光学シート4からの光を反射する。すなわち、導光板5及び光学シート4からの光を間隔保持部8が反射することにより、これらの縁部において、局所的に輝度のムラが生じることを未然に防止できる。
【0063】
一方、本発明に係るテレビジョン受像機100において、間隔保持部8、導光板5及び吸熱板6は一体成型されている。図6は本発明の実施の形態1に係るテレビジョン受像機100において、一体成型された間隔保持部8、導光板5及び吸熱板6を示す例示図である。
【0064】
図6に示すように、本発明に係るテレビジョン受像機100においては、間隔保持部8、導光板5及び吸熱板6は一体成型されており、これらは、例えば、ガスアシスト成形方法によって成型される。斯かるガスアシスト成形方法は、射出成形の際、ガスを注入することにより、製品内に空洞を形成する公知の技術であり、ここでは詳しい説明を省略する。
【0065】
また、本発明に係るテレビジョン受像機100においては、間隔保持部8、導光板5及び吸熱板6の一体成型に、いわゆる2色成型方法が更に用いられる。斯かる2色成型方法は、射出成形の際、複数ノズルを用いて順次的に注入を行うことにより、複数色を有する製品を得ることができる公知の技術であり、ここでは詳しい説明を省略する。
【0066】
本発明に係るテレビジョン受像機100においては、前記2色形型方法を用いることにより、上述したように、吸熱板6の一面及び間隔保持部8のみを白色にすることができる。また、前記2色形型方法を用いることにより、放熱板9の他面又は吸熱板6(凹部63)に金具V,Vを取り付けるためのBOSSを予め作成することも可能である。
【0067】
このように、本発明に係るテレビジョン受像機100においては、間隔保持部8、導光板5及び吸熱板6が一体成型されている。更に、上述したように、バックライトシャーシを省くことができる。従って、製品の組み立てが容易となり、製造工程が簡単になって、製品の生産性を高めることができる。
【0068】
なお、間隔保持部8の前記他端部には、導光板5から吸熱板6方向に延びる脚板84が設けられている。脚部84が放熱板9(屈曲部91)の外側と外嵌することにより、間隔保持部8、導光板5及び吸熱板6の一体物に放熱板9が取り付けられる。
【0069】
一方、縦方向における、導光板5の一側面付近には、光源部3が設けられている。光源部3は、導光板5の前記一側面に対して対向配置された短冊状の基板32と、基板32の長手方向に沿って基板32の一面に実装された複数の光源31,31,・・・31とを有する。
【0070】
光源31は、例えば、冷陰極蛍光ランプ(CCFL:Cold Cathode Fluorescence Lamp)、外部電極蛍光ランプ(EEFL:External Electrode Fluorescent Lamp)、熱陰極管(HCFL:Hot Cathode Fluorescent Lamp)又は発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等である。
【0071】
(実施の形態2)
実施の形態1においては、吸熱板6が導光板5と略等しい形状及び大きさを有し、凸部64及び凹部63が、吸熱板6の他面に全体的に形成されている場合について説明したが、本発明はこれに限るものでない。
【0072】
図7は本発明の実施の形態2に係るテレビジョン受像機100の要部構成を示す部分的縦断面図である。本発明の実施の形態2に係るテレビジョン受像機100においては、吸熱板6の他面に凸部64のみが形成されている。
【0073】
本発明の実施の形態2に係るテレビジョン受像機100において、凸部64は、吸熱板6の他面であって、矩形である吸熱板6の長辺側の縁部に形成されている。より詳しくは、凸部64は、光源部3付近の吸熱板6の縁部にのみ形成されている。吸熱板6の前記他面において、凸部64以外の部分は、後述するバックライトシャーシ10と接する扁平面67である。扁平面67はバックライトシャーシ10によって支えられている。
【0074】
凸部64は、実施の形態1のそれと同様、内部が空洞65である。また、凸部64の空洞65内に冷却液66が注入されていても良い。
【0075】
特に、実施の形態2に係るテレビジョン受像機100においては、凸部64が光源部3付近の吸熱板6の縁部にのみ形成されているので、より効果的に、光源部3及び導光板5からの熱を吸収することができる。
【0076】
すなわち、導光板5が発する熱は、そもそも光源部3が発する熱に起因することから、光源部3付近に凸部64を形成した構成を有することにより、光源部3が発する熱を、該光源部3から直接的に吸収でき、かつ導光板5の全体に熱が拡散される前、光源部3付近の吸熱板6の縁部から間接的に吸収する。従って、より効率的に、導光板5(又は光源装置1)が過熱になることを未然に防ぐことができる。
【0077】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0078】
(実施の形態3)
実施の形態1においては、吸熱板6が導光板5と略等しい形状及び大きさを有し、凸部64及び凹部63が、吸熱板6の他面に全体的に形成されている場合について説明したが、本発明はこれに限るものでない。
【0079】
図8は本発明の実施の形態3に係るテレビジョン受像機100の要部構成を示す部分的縦断面図である。本発明の実施の形態3に係るテレビジョン受像機100は、間隔保持部8が別部材として設けられており、凸部64,凹部63及び放熱板9を省いた構成を有する。
【0080】
本発明の実施の形態3に係るテレビジョン受像機100における吸熱板6は、凸部64及び凹部63が形成されておらず、内部に空洞69を有している。また、空洞69は複数の領域に区切られている。更に、吸熱板6の他面は扁平であり、空気と接するように構成されている。また、空洞69内には冷却液66が注入されていても良い。
【0081】
従って、吸熱板6は導光板5(光源部3)が発する熱を空気中に放熱する。すなわち、導光板5(光源部3)が発する熱は、吸熱板6の前記一面を介して空洞69に吸収され、冷却液66によって冷却される。また、空洞69によって吸収された熱は、吸熱板6の他面から空気中に放熱される。すなわち、放熱板を省いた構成であるにも関わらず、導光板5が発する熱を効果的に放熱でき、部品点数を減らし、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0082】
また、吸熱板6は、光源部3側の端にて、吸熱板6の厚み方向に曲げられた屈曲部68を有している。換言すれば、屈曲部68(吸熱部)は、吸熱板6の光源部3側の端から、光源部3の基板32の他面側に、該他面に沿って延設されている。屈曲部68の内部には空洞69が形成されており、該空洞69には冷却液66が注入されている構成であっても良い。
【0083】
従って、光源部3(基板32)の熱が屈曲部68(冷却液66)を介して吸熱板6の全体に拡散され、吸熱板6の他面全体から空気中に放熱されるので、直接的に光源部3が発する熱を放熱することも可能である。
【0084】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0085】
なお、以上の記載では、間隔保持部8、導光板5及び吸熱板6が一体成型されており、これらの一体成型は、ガスアシスト成形方法及び2色成型方法にて行われることについて説明したが、本発明はこれに限るものでない。導光板5のみを予め用意しておき、金型にセットして、いわゆるインサート成型を行うことにより、一体成型しても良い。
【符号の説明】
【0086】
2 液晶表示パネル
3 光源部(光源)
4 光学シート
5 導光板
6 吸熱板
8 間隔保持部
9 放熱板
31 光源
32 基板
61 一面
63 凹部
64 凸部
65 空洞
66 冷却液
68 突出部(吸熱部)
83 空洞
100 テレビジョン受像機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8