特許第6259541号(P6259541)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6259541不連続受信方法および不連続受信方法を使用するユーザ機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6259541
(24)【登録日】2017年12月15日
(45)【発行日】2018年1月10日
(54)【発明の名称】不連続受信方法および不連続受信方法を使用するユーザ機器
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20171227BHJP
   H04W 28/16 20090101ALI20171227BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20171227BHJP
【FI】
   H04W52/02 110
   H04W28/16
   H04W72/04 111
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-124874(P2017-124874)
(22)【出願日】2017年6月27日
(62)【分割の表示】特願2015-535947(P2015-535947)の分割
【原出願日】2012年10月10日
(65)【公開番号】特開2017-216694(P2017-216694A)
(43)【公開日】2017年12月7日
【審査請求日】2017年7月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】ルー, チエンシー
(72)【発明者】
【氏名】チャオ, チェンシャン
【審査官】 ▲高▼橋 真之
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第2469733(EP,A2)
【文献】 特表2012−522456(JP,A)
【文献】 特開2011−061820(JP,A)
【文献】 特開2011−223575(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/040516(WO,A1)
【文献】 特表2013−530636(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0238880(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/078365(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不連続受信(DRX)モードでのユーザ機器(UE)のDRX方法であって、
それぞれがUEにサービングしている少なくとも2つの基地局(BS)の1つの物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の新規送信を検出するステップ(401、702)と、
記少なくとも2つのBSの第1のBSのPDCCHの新規送信が検出された場合に、前記少なくとも2つのBSの第2のBSのPDCCHに対するDRXスレッドはロングDRXサイクルに留まりつつ、前記第1のBSのPDCCHのダウンリンク割当を連続的にモニタリングするためにDRXスレッドを起動する、又は、前記第2のBSのPDCCHの新規送信が検出された場合に、前記第1のBSのPDCCHに対するDRXスレッドはロングDRXサイクルに留まりつつ、前記第2のBSのPDCCHのアップリンクグラントを連続的にモニタリングするためにDRXスレッドを起動するステップ(402、704、706)とを備え、
前記第1のBSは、ダウンリンクサービングノードであり、一方、前記第2のBSは、アップリンクサービングノードである、
DRX方法。
【請求項2】
初期RRC確立中にRRCシグナリングを介して検出され、前記少なくとも2つのBSの前記PDCCHのリソース構成についての情報を受信するステップ(701)をさらに備える、請求項1に記載のDRX方法。
【請求項3】
前記UEが前記少なくとも2つのBSによってサービングされる領域に入った場合に検出され、前記少なくとも2つのBSの前記PDCCHのリソース構成についての情報を受信するステップ(701)をさらに備える、請求項1に記載のDRX方法。
【請求項4】
前記UEは、DRX構成パラメータのまったく同一のセットを、前記少なくとも2つのBSの前記各DRXスレッドに適用する、請求項2または3に記載のDRX方法。
【請求項5】
前記DRXスレッドを起動するステップは、ショートサイクルタイマ無しに、非アクティビティタイマを構成するステップを備える、請求項2または3に記載のDRX方法。
【請求項6】
前記DRXスレッドを起動するステップは、非アクティビティタイマおよびショートサイクルタイマをも構成するステップを備える、請求項2または3に記載のDRX方法。
【請求項7】
以下のタイマ、すなわち、HARQ RTTタイマおよびdrx−再送信タイマの少なくとも一方は、前記検出された新規送信が前記第2のBSからのものであった場合に、前記起動されたDRXスレッドで無効化される(705)、請求項に記載のDRX方法。
【請求項8】
前記UEがゼロバッファ状態レポート(zero−BSR)を前記第2のBSに送信した後、連続的PDCCHモニタリングを停止するステップをさらに備える、請求項に記載のDRX方法。
【請求項9】
前記UEがゼロバッファ状態レポート(zero−BSR)を前記第2のBSに送信した後に所定のタイマ(840)が切れた場合に、連続的PDCCHモニタリングを停止するステップをさらに備え、前記所定のタイマは、前記UEが前記zero−BSRを前記第2のBSに送信すると開始される、請求項に記載のDRX方法。
【請求項10】
前記第1のBSは、前記第2のBSよりも高い送信電力を有する、請求項に記載のDRX方法。
【請求項11】
前記第1のBSのダウンリンクは、前記第2のBSのアップリンクから切り離される、請求項に記載のDRX方法。
【請求項12】
前記PDCCHは、拡張PDCCH(ePDCCH)を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のDRX方法。
【請求項13】
不連続受信(DRX)モードでのユーザ機器(UE)であって、
それぞれが前記UEにサービングしている少なくとも2つの基地局(BS)の1つの物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を検出するよう構成される検出ユニット(802)と、
前記UEのDRXサイクルを制御するよう構成されるDRX制御ユニット(803)と
を備え、
前記DRX制御ユニットは、前記少なくとも2つのBSの第1のBSのPDCCHの新規送信検出された場合に、前記少なくとも2つのBSの第2のBSのPDCCHに対するDRXスレッドはロングDRXサイクルに留まりつつ、前記第1のBSのPDCCHのダウンリンク割当連続的にモニタリングするためにDRXスレッドを起動する、又は、前記第2のBSのPDCCHの新規送信が検出された場合に、前記第1のBSのPDCCHに対するDRXスレッドはロングDRXサイクルに留まりつつ、前記第2のBSのPDCCHのアップリンクグラントを連続的にモニタリングするためにRXスレッドを起動するよう構成され、
前記第1のBSは、ダウンリンクサービングノードであり、一方、前記第2のBSは、アップリンクサービングノードである、
ユーザ機器。
【請求項14】
初期RRC確立中にRRCシグナリングを介して検出され、前記少なくとも2つのBSの前記PDCCHのリソース構成についての情報を受信するよう構成されるリソース構成受信ユニット(801)をさらに備える、請求項13に記載のUE。
【請求項15】
前記UEが前記少なくとも2つのBSによってサービングされる領域に入った場合に検出され、前記少なくとも2つのBSの前記PDCCHのリソース構成についての情報を受信するよう構成されるリソース構成受信ユニット(801)をさらに備える、請求項13に記載のUE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、不連続受信(DRX)方法に関する。特に、本出願は、DRX方法およびCoMP(協調マルチポイント)シナリオでのDRX方法を使用するユーザ機器(UE)に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書に別段示されない限り、この項で説明される手法は、本出願の特許請求の範囲に対する従来技術ではなく、この項内に含まれることにより従来技術とみなされるものではない。
【0003】
第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)は、電気通信協会のさまざまなグループ間の共同作業の結果であるグローバルに適用可能な第3世代携帯電話システムの仕様であり、そのようなグループには、欧州電気通信標準化機構、社団法人電波産業会/社団法人情報通信技術委員会(ARIB/TTC)、中国通信標準化協会、および米国電気通信標準化連盟がある。3GPPの作業は、ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)ロングタームエボリューション(LTE)で進行中である。3GPP RAN2作業グループは、ユーザ機器(UE)のバッテリー寿命およびリソースを保存するために、不連続受信(DRX)機構を定義した。DRXの主原理は、ユーザ機器(UE)挙動が、UEによる物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の正常な復号化に対して定義されることである。UEがDRXにある場合、UEは、一時的にPDCCHのモニタリングを停止することが可能になる。DRXは、1つまたは2つの所定のサイクル(ロングサイクルおよび/またはショートサイクル)を使用し、「オン期間(On Duration)」タイマに従い、サイクルのはじめに、UEが、ある程度の送信時間間隔(TTI)にわたってPDCCHをモニタリングする。PDCCHは、ダウンリンク(DL)割当およびアップリング(UL)グラントを搬送する。
【0004】
UEがオン期間後に起動している(例えば、PDCCHをモニタリングしている)か、停止しているかは、動作(すなわち、その期間の間の、受信可能なPDCCH制御データ)による。不要なスケジューリングを避け、さらに無線リソースの浪費を避けるために、基地局(例えば、eノードB)は、基地局からUEにダウンリンクデータを送信する場合に、UEの状態を把握するべきである。したがって、動作状態からDRXおよびその逆に変更するための明確なルールのセットが、参照文献1(3GPP Technical Specification(TS)36.321,「Medium Access Control(MAC)Specification」V10.1.0,March,2011)に定義される。
【0005】
図1は、ロングDRXサイクルおよびショートDRXサイクルを含む、従来のDRX機構を示す。UEは、その受信器を起動し、PDCCHについてのスケジューリング情報をモニタリングする。PDCCHの送信信号が何ら検出されない場合、すなわち、UEが起動しているが、PDCCHの送信信号が何ら検出されない場合、UEは、受信器を終了し、すなわち、スリープ状態にし、バッテリー消費を減らすことができる。スリープ期間後、UEは、再び、受信器を起動し、PDCCHをモニタリングする。本サイクルは、ロングDRXサイクルと呼ばれる。PDCCHの送信信号が、ある時点で検出された場合、すなわち、UEが起動し、PDCCHの送信信号が検出された場合、UEは、PDCCHを連続的にモニタリングし、すなわち、非アクティビティタイマ(Inactivity Timer)が起動し、PDCCHをモニタリングするための動作時間を延長する。非アクティビティタイマが切れると、ショートDRXサイクルが開始し、その間、UEは、ロングDRXサイクルで使用したスリープ期間よりも短いスリープ期間で起動する。ショートDRXサイクルの後、UEは、ロングDRXサイクルに入る。DRXモードは、スモールヘッドセットなどのモバイルデバイスの待機時間を増やすために重要である。
【0006】
参照文献1はまた、drx−再送信タイマ(drx−Retransmission Timer)、mac−競合解除タイマ(mac−Contention Resolution Timer)、HARQ RTTタイマ(HARQ RTT Timer)およびDRXモードで使用される他のものなどの、他のいくつかのパラメータを提供する。図1には、説明を簡単にするため、これらのパラメータは示さない。
【0007】
現在、CoMP作業項目は、3GPP RAN plenary #53ミーティングで承認された。CoMPシナリオにおけるUEは、UEが、少なくとも2つの基地局(BS)によって、同時にサービングされたことを意味する。CoMPシナリオでは、少なくとも2つの基地局(BS)は、別々の(e)PDCCHについてのスケジューリング情報を送信し、UEは、同時に、別々の(e)PDCCHをモニタリングする。拡張PDCCH(ePDCCH)は、PDCCH制御チャネルの補足、増強、または交換のために使用される。2つ以上の(e)PDCCHを使用する場合、(e)PDCCHは、異なるリソース位置を割り当てられ、干渉を避ける。例えば、従来の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)は、物理ダウンリンク制御チャネルの第1領域で送信され、一方、拡張物理ダウンリンク制御チャネル(ePDCCH)は、物理ダウンリンク制御チャネルの第2の領域で送信される。
【0008】
CoMPシナリオでは、新しいDRX方法が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本出願の目的は、CoMPシナリオにおけるDRX方法、およびDRX方法を使用するユーザ機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様によれば、DRXモードでのユーザ機器(UE)の不連続受信(DRX)方法を提供し、それぞれがUEにサービングしている少なくとも2つの基地局(BS)の一方の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の新規送信を検出するステップと、新規送信が検出された一方のBSのPDCCHを連続的にモニタリングするためにDRXスレッドを起動するステップとを備える。
【0011】
DRX方法は、初期RRC確立中にRRCシグナリングを介して検出されるよう、少なくとも2つのBSのPDCCHのリソース構成についての情報を受信するステップをさらに備えることが好ましい。
【0012】
DRXは、UEが少なくとも2つのBSによってサービングされる領域に入った場合に検出されるよう、少なくとも2つのBSのPDCCHのリソース構成についての情報を受信するステップをさらに備えることが好ましい。
【0013】
UEは、DRX構成パラメータのまったく同一のセットを、少なくとも2つのBSの各DRXスレッドに適用することができることが好ましい。
【0014】
DRXスレッドを起動するステップは、ショートサイクルタイマ(shortCycle Timer)無しに、非アクティビティタイマを構成するステップを備えることが好ましい。
【0015】
DRXスレッドを起動するステップは、非アクティビティタイマおよびショートサイクルタイマをも構成するステップを備えることが好ましい。
【0016】
少なくとも2つのBSの第1のBSは、ダウンリンクサービングノードであり、一方、少なくとも2つのBSの第2のBSは、アップリンクサービングノードであることが好ましい。
【0017】
以下のタイマ、すなわち、HART RTTタイマおよびdrx−再送信タイマの少なくとも一方は、検出された新規送信が第2のBSからであった場合に、起動されたDRXスレッドで無効化されることが好ましい。
【0018】
DRX方法は、UEがゼロバッファ状態レポート(zero−BSR)を第2のBSに送信した後、連続的PDCCHモニタリングを停止するステップをさらに備えることが好ましい。
【0019】
好ましくは、DRX方法は、UEがゼロバッファ状態レポート(zero−BSR)を第2のBSに送信した後に所定のタイマ(840)が切れた場合に、連続的PDCCHモニタリングを停止するステップをさらに備え、所定のタイマは、UEがzero−BSRを第2のBSに送信すると開始される。
【0020】
第1のBSは、第2のBSよりも高い送信電力を有することが好ましい。
【0021】
第1のBSのダウンリンクは、第2のBSのアップリンクから切り離されることが好ましい。
【0022】
PDCCHは、拡張PDCCH(ePDCCH)を備えることが好ましい。
【0023】
第2の態様によれば、不連続受信(DRX)モードでのユーザ機器(UE)が提供され、ユーザ機器(UE)は、それぞれがUEにサービングしている少なくとも2つの基地局(BS)の一方の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を検出するよう構成される検出ユニットと、UEのDRXサイクルを制御するよう構成されるDRX制御ユニットとを備え、DRX制御ユニットは、検出ユニットが、そのPDCCHの新規送信を検出すると、PDCCHを連続的にモニタリングするために、DRXスレッドを起動するよう構成される。
【0024】
UEは、初期RRC確立中にRRCシグナリングを介して検出されるよう、少なくとも2つのBSのPDCCHのリソース構成についての情報を受信するよう構成されるリソース構成受信ユニットをさらに備えることができることが好ましい。
【0025】
UEは、UEが少なくとも2つのBSによってサービングされる領域に入った場合に検出されるよう、少なくとも2つのBSのPDCCHのリソース構成についての情報を受信するよう構成されるリソース構成受信ユニットをさらに備えることができることが好ましい。
【0026】
DRX制御ユニットは、DRX構成パラメータのまったく同一のセットを、少なくとも2つのBSの各DRXスレッドに適用するよう構成されることが好ましい。
【0027】
DRX制御ユニットは、DRXスレッドを起動する場合に、ショートサイクルタイマ無しに、非アクティビティタイマを構成するようさらに構成されることが好ましい。
【0028】
DRX制御ユニットは、DRXスレッドを起動する場合に、非アクティビティタイマおよびショートサイクルタイマをも構成するようさらに構成されることが好ましい。
【0029】
少なくとも2つのBSの第1のBSは、ダウンリンクサービングノードであり、一方、少なくとも2つのBSの第2のBSは、アップリンクサービングノードであることが好ましい。
【0030】
DRX制御ユニットは、起動されたDRXスレッドにおいて、以下のタイマ、すなわち、HART RTTタイマおよびdrx−再送信タイマの少なくとも一方を無効にするようさらに構成されることが好ましい。
【0031】
DRX制御ユニットは、UEがゼロバッファ状態レポート(zero−BSR)を第2のBSに送信した後、連続的PDCCHモニタリングを停止するようさらに構成されることが好ましい。
【0032】
好ましくは、DRX制御ユニットは、UEがゼロバッファ状態レポート(zero−BSR)を第2のBSに送信した後に所定のタイマが切れた場合に、連続的PDCCHモニタリングを停止するようさらに構成され、所定のタイマは、UEがzero−BSRを第2のBSに送信した後に開始される。
【0033】
本出願の実施形態によれば、本出願は、以下の利点を有する。
DRX構成のただ1つのセットを使用して、分離シナリオにおけるマクロBSおよびピコBSなどの、複数のBSからの(e)PDCCHをモニタリングすることができる。
ブラインド検出の回数を、ほぼ半分に減らすことができる。
計算の複雑度を低減することができる。
UEの電力を節約できる。
【0034】
本開示の上記および他の特徴は、添付図面と併せて以下の説明および添付の特許請求の範囲から、より完全に明らかになるであろう。これらの図面は、本開示によるいくつかの実施形態のみを示し、その範囲を限定するものとみなされるべきではなく、本開示は、添付図面の使用を通じてさらに具体的かつ詳細に説明されることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】従来のDRX機構を示す図である。
図2】本発明を実施することができる無線通信システムの図である。
図3図2に示すような無線通信システムにおける既存のDRX機構を直接適用することによって得られるDRX機構を示す図である。
図4】本発明の一実施形態によるDRX方法のフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態によるDRX方法を適用することによって得られるDRX機構を示す図である。
図6】典型的な分離アップリンクおよびダウンリンクシナリオを示す図である。
図7図6に示すような分離DL/ULシナリオにおける本発明の一実施形態によるDRX方法のフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態によるユーザ機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の詳細な説明では、多数の特定の詳細が記載され、特許請求される発明の主題の完全な理解をもたらす。しかしながら、特許請求される発明の主題は、これらの特定の詳細なしに実施してもよいことが、当業者によって理解されるであろう。他の例では、周知の方法、プロシージャ、構成要素、および/または回路は、詳細に説明していない。
【0037】
本明細書で説明する技術は、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMA、および他のネットワークなどの、さまざまな無線通信ネットワークに対して使用することができる。「ネットワーク」および「システム」という用語は、区別なく使用されることが多い。本明細書で説明する技術は、上記の無線ネットワークおよび無線技術、ならびに他の無線ネットワークおよび無線技術に対して使用することができる。明瞭にするために、本技術のある態様は、LTEの場合について以下で説明し、LTEという用語は、以下の説明で多く使用される。
【0038】
例示的無線通信システム
次に、図2を参照すると、本発明を実施することができる無線通信システム200の図について説明する。無線通信システム200は、いくつかの拡張ノードB(eNB)およびユーザ機器を含むことができる。
【0039】
eNBは、ユーザ機器(UE)と通信するステーションとすることができ、基地局、ノードB、アクセスポイントなどと称してもよい。各eNBは、特定の地理的領域に対して通信カバレッジをもたらすことができる。3GPPでは、「セル」という用語は、用語が使用される文脈に応じて、eNBのカバレッジ領域および/またはこのカバレッジ領域をもたらすeNBサブシステムを表すことができる。
【0040】
eNBは、マクロセル、ピコセル、フェムトセル、および/または他の種類のセルに対する通信カバレッジをもたらすことができる。マクロセルは、比較的広い地理的領域(例えば、半径数キロメートル)をカバーすることができ、サービスに加入しているUEによる非制限アクセスを可能にすることができる。ピコセルは、比較的狭い地理的領域をカバーすることができ、サービスに加入しているUEによる非制限アクセスを可能にすることができる。フェムトセルは、比較的狭い地理的領域(例えば、家)をカバーすることができ、フェムトセルとの関連を有するUE(例えば、クローズド加入者グループ(CSC)のUE、および家の中のユーザのUEなど)による制限付きアクセスを可能にすることができる。マクロセルの場合のeNBは、マクロeNB(すなわち、マクロ基地局)と称することがある。ピコセルの場合のeNBは、ピコeNB(すなわち、ピコ基地局)と称することがある。フェムトセルの場合のeNBは、フェムトeNB(すなわち、フェムト基地局)またはホームeNBと称することがある。
【0041】
無線通信システム200はまた、リレーステーション(図示せず)を含むことができる。リレーステーションは、上流ステーション(例えば、eNBまたはUE)からデータおよび/または他の情報の送信信号を受信し、データおよび/または他の情報の送信信号を下流ステーション(例えば、UEまたはeNB)に送信するステーションである。
【0042】
UEは、無線通信システム200全体にわたって配置することができ、各UEは、静止体または移動体とすることができる。UEはまた、端末、モバイルステーション、加入者ユニット、およびステーションなどと称してもよい。UEは、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、無線モデム、無線通信デバイス、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、コードレス電話、無線ローカルループ(WLL)ステーション、およびタブレットなどであってもよい。UEは、マクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、およびリレーなどと通信可能とすることができる。
【0043】
説明を簡単にするために、図2には、2つの基地局、すなわち、BS210およびBS220、ならびに1つのユーザ機器、すなわち、UE230のみを示す。
【0044】
図のように、UE230は、BS210およびBS220によってカバーされる領域内に位置し、そのそれぞれが、UE230にサービングする。図2に示すように、BS210およびBS220の両方が、PDCCHについてのスケジューリング情報を、UE230に送信して、UE230をスケジューリングする。例えば、BS210は、PDCCHを使用し、一方、BS220は、ePDCCHを使用する。2つのBSのPDCCH(PDCCHおよびePDCCH)のリソース位置は、干渉を避けるために異なる。
【0045】
ソフトセルの観点から、BS210およびBS220は、UE観点内の同じセルにある。何らのCoMPシナリオも考慮されていないDRXモードについての現在の3GPP仕様によれば、非アクティビティタイマおよびショートサイクルタイマは、特定のUEに対するPDCCHの送信信号によって起動される。すなわち、UEが、PDCCHの、C−RNTI、TPC−PUCCH−RNTI、TPC−PUSCH−RNTI、またはSemi−Persistent Scheduling C−RNTIを検出した場合、非アクティビティタイマおよびショートサイクルタイマが起動して、PDCCHを連続的にモニタリングする。
【0046】
図3は、図2に示すような無線通信システム200において既存のDRX機構を直接適用することによって得られるDRX機構を示す。図3に示すように、BS210のPDCCHの送信信号が検出された場合、UEは、非アクティビティタイマおよびショートサイクルタイマを開始して、BS210およびBS220の両方の(e)PDCCHを連続的にモニタリングする。BS210のPDCCHの送信信号が、BS202のePDCCHの送信信号に結びつけられない場合、BS210のPDCCHの送信信号は、BS220のePDCCH動作を意味せず、逆も同様である。さらに、(e)PDCCHをモニタリングすることは、電力を消費する。したがって、BS210のPDCCHの送信信号を伴って起動された連続的ePDCCHモニタリングは、電力が限られたUEに対して不要であり、UEの電力を浪費する。
【0047】
例示的DRX動作
図4は、本発明の一実施形態によるDRX方法400のフローチャートを示す。本方法は、図2に示すような無線通信システム200におけるUEに適用される。図4に示すように、本方法は、UEが、2つのBSによってカバーされる領域に来ると開始され、DRXモードでのUEは、ステップS401で、BS210およびBS220の任意の(e)PDCCHの送信信号を検出する。一方のBSの(e)PDCCHの新規送信がステップS401で検出された場合、例えば、BS210からのPDCCHの送信信号が検出された場合、本方法は、ステップS402に進み、DRXスレッドが起動し、新規送信が検出されたPDCCHをモニタリングする。
【0048】
図5は、本発明の一実施形態によるDRX方法を適用することによって得られるDRX機構を示す図である。はじめに、何らの(e)PDCCHの送信信号も検出されず、UEは、従来のDRX機構と同様に、ロングDRXサイクルにある。UEが、BS210からPDCCHの新規送信を検出した場合、DRXスレッドが起動し、すなわち、非アクティビティタイマおよびショートサイクルタイマが開始されて、BS210のPDCCHを連続的にモニタリングする。同時に、BS220のePDCCHに対して、何らの新規送信も検出されないため、UEは、ロングDRXサイクルに留まる。すなわち、BS210のPDCCHに対するDRXスレッドは、BS220のePDCCHに対するDRXスレッドと無関係である。同様に、BS220からのePDCCHの送信信号が代わりに検出された場合(図5には図示せず)、UEは、DRXスレッドを開始して、ePDCCHを連続的にモニタリングし、一方、PDCCHのDRXスレッドは、変更されないままである。
【0049】
図2に示すような無線通信システムにおいて本発明によるDRX方法を適用することによって、UEは、送信信号が検出されたPDCCHのみを連続的にモニタリングし、何らの送信信号も検出されない他のPDCCHに対してロングDRXサイクルに留まり、それにより、UEの電力消費を低減することができる。
【0050】
例示的分離シナリオ
図6は、典型的な分離アップリンクおよびダウンリンクシナリオを示す。図6に示すように、UE630は、マクロセルおよびピコセルによってカバーされる領域内に位置する。マクロセルがピコセルよりもはるかに高い送信電力を有するので、カバレッジは、マクロセルおよびピコセルに対して異なる。UE630が、マクロセルカバレッジに位置するが、ピコセルの境界にある場合、マクロセルから受信したダウンリンク信号は、ピコセルからのものよりも強い。したがって、UE630は、マクロセルと関連付けられ、マクロセルからのダウンリンク信号を受信する。アップリンクの場合、UE630は、マクロセルよりピコセルに近いため、受信ポイントとしてピコセルを選択する方がよく、UEの送信電力を低減し、ピコセル内の他のUEへの干渉を減らす。したがって、UE630に対して、マクロBSは、ダウンリンクサービングノードであり、一方、ピコBSは、アップリンクサービングノードである。これは、いわゆる、分離ダウンリンク/アップリンクシナリオである。
【0051】
分離DL−ULシナリオでは、何らかのバックホール接続(良好:遅延〜0.5ms未満、中間:遅延〜5ms、任意:遅延〜50−100ms)が考慮される場合、マクロBSとピコBSとの間の瞬時の情報交換をサポートすることは難しく、すなわち、マクロBS(DL)とピコBS(UL)との間のDL/UL分離を実現する必要がある。例えば、極度の干渉を避けるために、マクロポイントによって予約されたリソースで、マクロBSがDLのためにPDCCHおよび/またはePDCCH1を使用することによって、およびピコBSがULのためにePDCCH2を使用することによって、実現することができ、図6に示す。
【0052】
分離シナリオでの例示的DRX動作
図7は、図6に示すような分離DL/ULシナリオにおける本発明の一実施形態によるDRX方法700のフローチャートを示す。本方法は、UE630が、分離領域に入ると開始される。分離領域内で現在動作していることを通知するために、ネットワークからUEへのRRCシグナリングが存在する。UE630は、ステップS701でマクロBSおよびピコBSの(e)PDCCHのリソース構成についての情報を受信することができる。本情報は、UEが分離領域に入った場合に送信されるRRCシグナリングについてピギーバックすることができる。あるいは、UEは、初期RRC確立段階の間、RRCシグナリングを介して、マクロBSおよびピコBSの(e)PDCCHのリソース構成についての情報を受信してもよい。その場合、UEは、ステップS702で、両BSの(e)PDCCHについての送信信号を検出することができる。(e)PDCCHは、異なるリソース位置を有し、したがって、UEは、異なるBSの(e)PDCCHを区別することができる。一方のBSの(e)PDCCHの新規送信が、ステップS702で検出された場合、例えば、ピコBSからのePDCCH2の送信信号が検出された場合、本方法は、ステップS703に進み、UEは、検出したPDCCHが、マクロBSからか、ピコBSからかを判断する。検出された送信信号が、マクロBSのPDCCHである場合、本方法は、ステップS704に進み、DRXスレッドが起動して、マクロBSのPDCCHを連続的にモニタリングする。検出された送信信号が、ステップS703で、ピコBSからであると判断された場合、本方法は、ステップS705に進み、DRXスレッドが起動して、ピコBSのePDCCHを連続的にモニタリングする。
【0053】
DRX方法700では、UEは、DRX構成パラメータのまったく同一のセットを、マクロBSおよびピコBSの各DRXスレッドに適用することができる。すなわち、DRX構成パラメータのただ1つのセットを、例えば、MAC−MainConfig RRC IEで、RRC接続セットアップ段階の間、ネットワークによって、UEに送信すればよく、その場合、UEは、DRX構成パラメータのセットを格納し、そのようなセットは、例えば、オン期間タイマ、非アクティビティタイマ、ショートサイクルタイマ、drx−送信タイマ(drx−Transmission Timer)、mac−競合解除タイマ、HARQ RTTタイマ、およびストレージ内の他のものを含む。本開示では、さまざまなタイマに対する名称は、参照文献1での定義と同じであり、各タイマは、同じ名称を有するものと同じ方法で機能する。最も共通の場合では、マクロBSに対して起動されたDRXスレッドは、ピコBSに対して起動されたDRXスレッドと同じである。言い換えると、(e)PDCCHの新規送信が検出された場合、UEが作動し、従来のDRXスキームと同様に検出されたPDCCHを連続的にモニタリングし、すなわち、非アクティビティタイマおよびショートサイクルタイマ、ならびに他の適切なタイマも開始する。したがって、UEは、ロングDRXサイクルから起動し、検出された(e)PDCCHを連続的にモニタリングし、次いで、ショートDRXサイクルに入り、最終的に、非アクティビティタイマおよびショートサイクルタイマが切れた場合に、再びロングDRXサイクルに入る。代替実施形態において、UEは、DRXスレッドを起動すると、ショートサイクルタイマを構成しない。本実施形態では、UEは、検出された(e)PDCCHを連続的にモニタリングするために起動し、次いで、非アクティビティタイマがショートDRXサイクル無しに切れた場合に、ロングDRXサイクルにすぐに入る。
【0054】
単純化は、分離DL/ULシナリオで実現してもよい。一方で、ステップS704でのUEに対するダウンリンクサービングノードであるマクロBSのPDCCHを連続的にモニタリングするためにDRXスレッドを起動する場合、既存のDRXタイマ、すなわち、オン期間タイマ、drx−非アクティビティタイマ、drx−再送信タイマ、ロングDRXサイクル開始オフセット(longDRX−CycleStartOffset)、ショートDRXサイクル(shortDRX Cycle)、およびdrxショートサイクルタイマ(drxShortCycle Timer)をすべて適用することができる。これは、DLデータが、ネットワーク、すなわち、マクロBSに起因するためであり、UEが、DLバッファ状態に対してブラインド状態であるためである。したがって、UEは、遅延と電力消費とを均衡させるために、DRXに依存する必要がある。
【0055】
他方で、ステップS705でのUEに対するアップリンクサービングノードであるピコBSのePDCCHを連続的にモニタリングするためにDRXスレッドを起動する場合、DRXスレッドは、UEがULバッファ状態を把握しているため、ある程度単純化することができる。例えば、何らのDLスケジューリングも、検出されたePDCCHで予期されないので、DL専用タイマを構成する必要がない。したがって、ステップS706では、UEによりDL関連タイマが無効になり、そのようなタイマには、HART RTTタイマおよびdrx−再送信タイマの少なくとも一方が含まれる。ULデータはUE自身に起因するので、UEのULバッファが空であり、UEがアップリンクで送信すべきデータをこれ以上有していないとゼロバッファ状態レポート(zero−BSR)が示すので、zero−BSRをピコBSに送信した後、UEは、連続的ePDCCHモニタリングをすぐに停止することができ、例えば、非アクティビティタイマおよび可能なショートサイクルタイマを停止して、ロングDRXサイクルに入ることができる。そのような場合では、UEのHARQ再送信は、独立して続き、データが正確に送信されることを確実にすることができる。代替実施形態として、UEは、ステップS707で、zero−BSRを、ピコBSに送信し、タイマを開始する。タイマは、UEにおいて、所定の期間を有する追加タイマである。ステップS708で、タイマが切れたかどうかを判断する。タイマが切れた場合、UEは、ステップS709で、連続的なePDCCHモニタリングを停止する。
【0056】
さらに、検出されたピコBSのePDCCHの送信信号である場合、UEは、ULグラントのみがピコBSから送信されるので、DCIフォーマット関連ULをブラインド検出することのみが必要である。したがって、計算の複雑度および電力消費を、さらに低減することができる。
【0057】
上記した方法700は、図7の対応する機能を実行することを可能にする何らかの適切な構成要素または他の手段によって実行することができる。例えば、図7に示した方法は、UEなどの、図8で以下に示す送信点の構成要素によって実行してもよい。
【0058】
図8は、本発明の一実施形態によるユーザ機器800のブロック図である。図8に示すように、UE800は、検出ユニット802およびDRX制御ユニット803を備える。DRXモードのUEの場合、検出ユニット802は、サービングノードの(e)PDCCHの送信信号を検出するよう構成される。DRX制御ユニット803は、UE800のDRXサイクルを制御するよう構成される。DRXモードのUEの場合、DRX制御ユニット803は、サービングノードの(e)PDCCHを不連続的にモニタリングするために適切なDRXタイマを構成する。検出ユニット802が、あるサービングノードの(e)PDCCHでの新規送信を検出した場合、DRX制御ユニット803は、DRXスレッドを起動し、新規送信が検出された(e)PDCCHを連続的にモニタリングする。
【0059】
UE800は、サービングノードの(e)PDCCHのリソース構成についての情報を受信するよう構成されるリソース構成受信ユニット801をさらに備えることができる。リソース構成受信ユニット801は、UE800が分離領域に入った場合に送信されるRRCシグナリングで情報を受信することができる。RRCシグナリングは、UEに、そのUEが現在、分離領域で動作していることを知らせるために送信される。あるいは、リソース構成受信ユニット801は、初期RRC確立段階の間、RRCシグナリングを介して、情報を受信してもよい。モニタリング対象の(e)PDCCHのリソース位置を把握すると、次いで、UE800は、(e)PDCCHをモニタリングすることによって、(e)PDCCHの送信信号を検出することができる。
【0060】
UE800は、ストレージ(図8には図示せず)をさらに備えることができ、DRXモード中に適用されるべきDRX構成パラメータを格納することができる。一実施形態において、UE800は、1セットのDRX構成パラメータを格納することができ、DRXスレッドが互いに別々であるため、同一セットのDRX構成パラメータを、サービングノードの各DRXスレッドに適用することができる。最も共通の場合では、図6に示すように、UE800が領域に入ると、DRX制御ユニット802は、同じDRX構成パラメータ(例えば、タイマ)を適用して、ピコBSに対してDRXスレッドを起動するように、マクロBSに対してDRXスレッドを起動するよう構成することができる。言い換えると、検出ユニット802が、(e)PDCCHの新規送信を検出した場合、DRX制御ユニット803は、DRXスレッドを起動し、従来のDRXスキームと同様に検出されたPDCCHを連続的にモニタリングし、すなわち、非アクティビティタイマならびにショートサイクルタイマ、および他の適切なタイマも開始するように構成される。したがって、UE800は、ロングDRXサイクルから起動し、検出された(e)PDCCHを連続的にモニタリングし、次いで、ショートDRXサイクルに入り、最終的に、非アクティビティタイマおよびショートサイクルタイマが切れた場合に、再びロングDRXサイクルに入る。代替実施形態において、DRX制御ユニット803は、DRXスレッドを起動すると、ショートサイクルタイマを構成しない。本実施形態では、UE800は、検出された(e)PDCCHを連続的にモニタリングするために起動し、次いで、非アクティビティタイマがショートDRXサイクル無しに切れた場合に、ロングDRXサイクルにすぐに入る。
【0061】
単純化は、分離DL/ULシナリオ内にあるUE800で実現してもよい。例えば、DRX制御ユニット803は、DRXスレッドを起動し、UEへのダウンリンクサービングノードであるマクロBSのPDCCHを連続的にモニタリングする場合、既存のDRXタイマ、すなわち、オン期間タイマ、drx−非アクティビティタイマ、drx−再送信タイマ、ロングDRXサイクル開始オフセット、ショートDRXサイクル、およびdrxショートサイクルタイマを適用するよう構成される。DRX制御ユニット803は、DRXスレッドを起動して、UEに対するアップリンクサービングノードであるピコBSのPDCCHを連続的にモニタリングする場合に、単純化DRXスレッドを起動するようさらに構成される。単純化DRXスレッドは、無効化DL関連タイマを備え、そのようなタイマには、HART RTTタイマおよびdrx−再送信タイマの少なくとも一方が含まれる。さらに、UEのULバッファが空であるとゼロバッファ状態レポート(zero−BSR)が示すので、UE800がzero−BSRをピコBSに送信した後、DRX制御ユニット803は、連続的ePDCCHモニタリングをすぐに停止するように構成でき、例えば、非アクティビティタイマおよび可能なショートサイクルタイマを停止して、ロングDRXサイクルに入ることができる。あるいは、UE800は、既存のDRXタイマに加えて提供される追加タイマ804をさらに備えてもよい。追加タイマ804は、UE800がzero−BSRをピコBSに送信すると開始される。DRX制御ユニット803は、タイマ840が切れると、連続的PDCCHモニタリングを停止するよう構成される。
【0062】
図8のユーザ機器800は、さまざまな構成において、図示したよりも多いか、または少ない構成要素を含んでもよく、請求項に記載された発明の主題の範囲は、この点において限定されないことに留意されたい。
【0063】
本出願の上記実施形態によれば、本出願は、以下の利点を有する。
DRX構成のただ1つのセットを使用して、分離シナリオにおけるマクロBSおよびピコBSなどの、複数のBSからの(e)PDCCHをモニタリングすることができる。
ブラインド検出の回数を、ほぼ半分に減らすことができる。
計算の複雑度を低減することができる。
UEの電力を節約できる。
【0064】
実装態様の前述の説明は、例示および説明を提供するが、網羅的であること、または開示された正確な形態に本発明を限定することを意図しない。修正および変形が上記の教示に照らして可能であり、または本発明の実践から取得することができる。例えば、ブロックについて、特定の順序で、図4および図7に関して説明したが、ブロックの順序は、本発明の原理と一致する他の実装態様で修正することができる。さらに、非依存性ブロックを、並列に実行してもよい。
【0065】
本発明の態様はまた、方法および/またはコンピュータプログラム製品で実現してもよい。したがって、本発明は、ハードウェアで、および/またはハードウェア/ソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、およびマイクロコードなど)で、実施することができる。さらに、本発明は、命令実行システムによって、または命令実行システムと関連して使用するためにメディアで実施されるコンピュータ使用可能またはコンピュータ読込み可能プログラムコードを有するコンピュータ使用可能またはコンピュータ読込み可能ストレージメディア上のコンピュータプログラム製品の形式としてもよい。本明細書で説明する実施形態を実現するために使用される実際のソフトウェアコードまたは専門制御ハードウェアによって、本発明は限定されない。したがって、本態様の動作および挙動は、特定のソフトウェアコードを参照することなく説明され、当業者はまた、ソフトウェアおよび制御ハードウェアを設計して、本明細書の記述に基づいて本態様を実現することができることが理解されよう。
【0066】
さらに、本発明のある部分は、1つまたは複数の機能を実行する「ロジック」として実現してもよい。このロジックは、ハードウェアを含んでもよく、そのようなハードウェアには、特定用途向け集積回路もしくはフィールド・プログラマブル・ゲートアレイまたはハードウェアならびにソフトウェアの組み合わせなどがある。
【0067】
本明細書で使用される場合、「備える/備えている」という用語は、記載した特徴、完全体、ステップ、構成要素、またはグループの存在を明示するものと解釈されるが、1つまたは複数の他の特徴、完全体、ステップ、構成要素、またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことが強調されるべきである。
【0068】
本発明において使用される何らの要素、動作、または命令も、明示的にそのように説明しない限り、本発明に対して重要または本質的なものとして解釈されるべきではない。また、本明細書で使用される場合、冠詞「a」は、1つまたは複数の項目を含むことが意図される。ただ1つの項目のみを含む場合、「1つの(one)」という用語または同様の言葉が使用される。さらに、「に基づいて」というフレーズは、特に明記しない限り、「に少なくとも部分的に基づいて」という意味を意図する。
【0069】
上記は、本開示の実施形態のみを提供し、本開示を限定する意図はまったくない。したがって、本発明の精神と原理内で行われるすべての変更、置換、または改良などは、本開示の範囲に包含されるべきである。
また、本発明は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
不連続受信(DRX)モードでのユーザ機器(UE)のDRX方法であって、
それぞれがUEにサービングしている少なくとも2つの基地局(BS)の一方の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の新規送信を検出するステップ(401、702)と、
前記新規送信が検出された前記一方のBSの前記PDCCHを連続的にモニタリングするためにDRXスレッドを起動するステップ(402、704、706)とを備える、DRX方法。
(態様2)
初期RRC確立中にRRCシグナリングを介して検出されるよう、前記少なくとも2つのBSの前記PDCCHのリソース構成についての情報を受信するステップ(701)をさらに備える、態様1に記載のDRX方法。
(態様3)
前記UEが前記少なくとも2つのBSによってサービングされる領域に入った場合に検出されるよう、前記少なくとも2つのBSの前記PDCCHのリソース構成についての情報を受信するステップ(701)をさらに備える、態様1に記載のDRX方法。
(態様4)
前記UEは、DRX構成パラメータのまったく同一のセットを、前記少なくとも2つのBSの前記各DRXスレッドに適用する、態様2または3に記載のDRX方法。
(態様5)
前記DRXスレッドを起動するステップは、ショートサイクルタイマ無しに、非アクティビティタイマを構成するステップを備える、態様2または3に記載のDRX方法。
(態様6)
前記DRXスレッドを起動するステップは、非アクティビティタイマおよびショートサイクルタイマをも構成するステップを備える、態様2または3に記載のDRX方法。
(態様7)
前記少なくとも2つのBSの第1のBSは、ダウンリンクサービングノードであり、一方、前記少なくとも2つのBSの第2のBSは、アップリンクサービングノードである、態様1に記載のDRX方法。
(態様8)
以下のタイマ、すなわち、HART RTTタイマおよびdrx−再送信タイマの少なくとも一方は、前記検出された新規送信が前記第2のBSからであった場合に、前記起動されたDRXスレッドで無効化される(705)、態様7に記載のDRX方法。
(態様9)
前記UEがゼロバッファ状態レポート(zero−BSR)を前記第2のBSに送信した後、連続的PDCCHモニタリングを停止するステップをさらに備える、態様7に記載のDRX方法。
(態様10)
前記UEがゼロバッファ状態レポート(zero−BSR)を前記第2のBSに送信した後に所定のタイマ(840)が切れた場合に、前記連続的PDCCHモニタリングを停止するステップをさらに備え、前記所定のタイマは、前記UEが前記zero−BSRを前記第2のBSに送信すると開始される、態様7に記載のDRX方法。
(態様11)
前記第1のBSは、前記第2のBSよりも高い送信電力を有する、態様7に記載のDRX方法。
(態様12)
前記第1のBSのダウンリンクは、前記第2のBSのアップリンクから切り離される、態様7に記載のDRX方法。
(態様13)
前記PDCCHは、拡張PDCCH(ePDCCH)を備える、態様1から12のいずれか一項に記載のDRX方法。
(態様14)
不連続受信(DRX)モードでのユーザ機器(UE)であって、
それぞれが前記UEにサービングしている少なくとも2つの基地局(BS)の一方の物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を検出するよう構成される検出ユニット(802)と、
前記UEのDRXサイクルを制御するよう構成されるDRX制御ユニット(803)と
を備え、前記DRX制御ユニットは、前記検出ユニットが、そのPDCCHの新規送信を検出すると、PDCCHを連続的にモニタリングするために、DRXスレッドを起動するよう構成される、ユーザ機器。
(態様15)
初期RRC確立中にRRCシグナリングを介して検出されるよう、前記少なくとも2つのBSの前記PDCCHのリソース構成についての情報を受信するよう構成されるリソース構成受信ユニット(801)をさらに備える、態様14に記載のUE。
(態様16)
前記UEが前記少なくとも2つのBSによってサービングされる領域に入った場合に検出されるよう、前記少なくとも2つのBSの前記PDCCHのリソース構成についての情報を受信するよう構成されるリソース構成受信ユニット(801)をさらに備える、態様14に記載のUE。
(態様17)
前記DRX制御ユニットは、DRX構成パラメータのまったく同一のセットを、前記少なくとも2つのBSの前記各DRXスレッドに適用するよう構成される、態様15または16に記載のUE。
(態様18)
前記DRX制御ユニットは、前記DRXスレッドを起動する場合に、ショートサイクルタイマ無しに、非アクティビティタイマを構成するようさらに構成される態様15または16に記載のUE。
(態様19)
前記DRX制御ユニットは、前記DRXスレッドを起動する場合に、非アクティビティタイマおよびショートサイクルタイマをも構成するようさらに構成される態様15または16に記載のUE。
(態様20)
前記少なくとも2つのBSの第1のBSは、ダウンリンクサービングノードであり、一方、前記少なくとも2つのBSの第2のBSは、アップリンクサービングノードである、態様14に記載のUE。
(態様21)
前記DRX制御ユニットは、前記起動されたDRXスレッドにおける以下のタイマ、すなわち、HART RTTタイマおよびdrx−再送信タイマの少なくとも一方を無効にするようさらに構成される、態様20に記載のUE。
(態様22)
前記DRX制御ユニットは、前記UEがゼロバッファ状態レポート(zero−BSR)を前記第2のBSに送信した後、連続的PDCCHモニタリングを停止するようさらに構成される、態様20に記載のUE。
(態様23)
前記DRX制御ユニットは、前記UEがゼロバッファ状態レポート(zero−BSR)を前記第2のBSに送信した後に所定のタイマ(840)が切れた場合に、連続的PDCCHモニタリングを停止するようさらに構成され、前記所定のタイマは、前記UEが前記zero−BSRを前記第2のBSに送信すると開始される、態様20に記載のUE。
(態様24)
前記第1のBSは、前記第2のBSよりも高い送信電力を有する、態様20に記載のUE。
(態様25)
前記第1のBSのダウンリンクは、前記第2のBSのアップリンクから切り離される、態様20に記載のUE。
(態様26)
前記PDCCHは、拡張PDCCH(ePDCCH)を備える、態様14から25のいずれか一項に記載のUE。
【0070】
略記
以下において、本発明において使用される略記を一覧表示する。
UE ユーザ機器
BS 基地局
UL アップリンク
DL ダウンリンク
3GPP 第3世代パートナーシップ・プロジェクト
eNB E−UTRANノードB
LTE ロング・ターム・エボリューション
PDCCH 物理ダウンリンク制御チャネル
ePDCCH 拡張PDCCH
CoMP 協働マルチポイント
UL−CoMP アップリンクCoMP
DRX 不連続受信
DCT ダウンリンク制御情報
BSR バッファ状態レポート
UTRAN ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8