特許第6259543号(P6259543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 佐藤 嘉正の特許一覧

特許6259543二重給排気筒の接続解除用工具および二重給排気筒の接続解除方法
<>
  • 特許6259543-二重給排気筒の接続解除用工具および二重給排気筒の接続解除方法 図000002
  • 特許6259543-二重給排気筒の接続解除用工具および二重給排気筒の接続解除方法 図000003
  • 特許6259543-二重給排気筒の接続解除用工具および二重給排気筒の接続解除方法 図000004
  • 特許6259543-二重給排気筒の接続解除用工具および二重給排気筒の接続解除方法 図000005
  • 特許6259543-二重給排気筒の接続解除用工具および二重給排気筒の接続解除方法 図000006
  • 特許6259543-二重給排気筒の接続解除用工具および二重給排気筒の接続解除方法 図000007
  • 特許6259543-二重給排気筒の接続解除用工具および二重給排気筒の接続解除方法 図000008
  • 特許6259543-二重給排気筒の接続解除用工具および二重給排気筒の接続解除方法 図000009
  • 特許6259543-二重給排気筒の接続解除用工具および二重給排気筒の接続解除方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6259543
(24)【登録日】2017年12月15日
(45)【発行日】2018年1月10日
(54)【発明の名称】二重給排気筒の接続解除用工具および二重給排気筒の接続解除方法
(51)【国際特許分類】
   F23L 17/04 20060101AFI20171227BHJP
   B25B 27/02 20060101ALI20171227BHJP
【FI】
   F23L17/04 Z
   B25B27/02 B
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-193027(P2017-193027)
(22)【出願日】2017年10月2日
【審査請求日】2017年10月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517345937
【氏名又は名称】佐藤 嘉正
(74)【代理人】
【識別番号】100126402
【弁理士】
【氏名又は名称】内島 裕
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 嘉正
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04723800(US,A)
【文献】 実開平04−041942(JP,U)
【文献】 米国特許第04697830(US,A)
【文献】 特公昭46−010105(JP,B1)
【文献】 特開2014−200805(JP,A)
【文献】 特開昭60−060391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23L17/04
B25B25/00−29/02,33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蝶番で結合された2つのリング形成部材により、開いた状態と閉じた状態とに遷移可能なリング部であって、内表面側に滑り止め用の凹凸部が設けられ、外表面側にハンドル部を脱着可能とする取付部が、前記リング部の径方向において対向する位置に2つとさらに所定位置に少なくとも1つ設けられた前記リング部と、
滑り止め用部材が装着された二重給排気筒を前記リング部に嵌まるように締め過ぎないように調整しながら締め付けて、2つの前記リング形成部材を閉じた状態に固定するためのボルトとナットからなるネジ機構による留め具部と、
前記取付部のうち任意の2つの前記取付部にそれぞれ脱着可能な2つの前記ハンドル部と
を備え、
2つの前記取付部にそれぞれ装着された2つの前記ハンドル部が手でそれぞれ把持されて、接続解除用工具の全体が前記リング部の周方向に回転させられたり、該回転の回転面と垂直方向に引っ張られることで、
湯沸器の二重給排気部と前記二重給排気筒とが重ね合わされ接続された状態を解除する
二重給排気筒の接続解除用工具。
【請求項2】
湯沸器の二重給排気部と重ね合わされ接続された二重給排気筒に滑り止め用部材を装着するステップと、
接続解除用工具の蝶番で結合された2つのリング形成部材により開いた状態と閉じた状態とに遷移可能な内表面側に滑り止め用の凹凸部が設けられたリング部の2つの前記リング形成部材が閉じられた状態で前記二重給排気筒を前記リング部に嵌まるように前記接続解除用工具を位置させるステップと、
前記接続解除用工具のボルトとナットからなるネジ機構による留め具部により、前記二重給排気筒を、前記リング部に嵌まるように締め過ぎないように調整しながら締め付けて、2つの前記リング形成部材を閉じた状態に固定するステップと、
外表面側にハンドル部を脱着可能とする取付部が、前記リング部の径方向において対向する位置に2つとさらに所定位置に少なくとも1つ設けられた前記リング部に対して、前記取付部のうち任意の2つの前記取付部にそれぞれ2つの前記ハンドル部を装着するステップと
2つの前記ハンドル部を手でそれぞれ把持して、前記接続解除用工具の全体を前記リング部の周方向に回転したり、該回転の回転面と垂直方向に引っ張ることで、前記湯沸器の二重給排気部と前記二重給排気筒とが重ね合わされ接続された状態を解除するステップと
を有する二重給排気筒の接続解除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス器具等に接続される二重給排気筒の接続状態を解除する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガス器具等(例えば、湯沸器である。)の二重給排気部(図8参照)に対して、重ね合わされ接続されるステンレス製のスライド式で伸縮可能な二重給排気筒(図9参照)は、使用を継続していると経年劣化が生じ、特に、5年〜10年の長期間の使用により、排気中に含まれる水素から水が発生し、二重給排気筒の内側の排気筒に結露が生じ、錆等の発生に起因して、本来的には摺動可能な接続部分が固着してしまい、修理等の際に容易に接続状態を解除する(取り外す)ことができなくなることが多い。
【0003】
そのような場合、二重給排気筒はステンレス製の薄い部材であり、レンチ等の工具を用いると変形してしまうため、腕力の強い作業員を手配して、手袋を装着したうえで力任せに回転させて引っ張りながら、スライド式の伸縮部材により二重給排気筒の長さ寸法を縮ませることにより接続状態を解除していた。
【0004】
例えば、関連技術として、燃焼後の排気及び燃焼用の空気の給気を、壁の貫通孔を貫通する給排気筒本体と給排気筒トップを備えた二重筒構造の給排気装置を介して屋外より行うようにしたものに於いて、給排気筒トップの外側排気筒と密接して嵌合している給排気筒本体の内側排気筒の先端部に輪状の凹部を設けたため、不純物を含んだ結露水が給排気筒本体の内側排気筒と給排気筒トップの外側排気筒の嵌合部全体に浸入して固着するのを防ぐことができ、壁から給排気筒本体と給排気筒トップを取り外す作業を容易に行うことができる技術がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−32280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、それでもなお、二重給排気筒の接続部分が強固に固着しており(特に、内側の排気筒の接続部分が強固に固着していると、外部からの力が直接に伝わりにくいため、接続状態を解除することが困難となり易い事情がある。)、そのままの状態では接続状態を解除することができないため二重給排気筒を破壊する必要があるケースや、無理な力が加えられることで二重給排気筒が壊れてしまうケースもあったため、特別に腕力の強い作業員でなくても、誰でも大きな力を必要とせずに二重給排気筒の本来の形状のまま確実に二重給排気筒の接続状態を解除する手法が求められていた。
【0007】
本発明の目的は、大きな力を必要とせずに二重給排気筒の本来の形状のまま確実に二重給排気筒の接続状態を解除することができる二重給排気筒の接続解除用工具および二重給排気筒の接続解除方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の二重給排気筒の接続解除用工具は、
蝶番で結合された2つのリング形成部材により、開いた状態と閉じた状態とに遷移可能なリング部であって、内表面側に滑り止め用の凹凸部が設けられ、外表面側にハンドル部を脱着可能とする取付部が、前記リング部の径方向において対向する位置に2つとさらに所定位置に少なくとも1つ設けられた前記リング部と、
滑り止め用部材が装着された二重給排気筒を前記リング部に嵌まるように締め過ぎないように調整しながら締め付けて、2つの前記リング形成部材を閉じた状態に固定するためのボルトとナットからなるネジ機構による留め具部と、
前記取付部のうち任意の2つの前記取付部にそれぞれ脱着可能な2つの前記ハンドル部と
を備え、
2つの前記取付部にそれぞれ装着された2つの前記ハンドル部が手でそれぞれ把持されて、接続解除用工具の全体が前記リング部の周方向に回転させられたり、該回転の回転面と垂直方向に引っ張られることで、
湯沸器の二重給排気部と前記二重給排気筒とが重ね合わされ接続された状態を解除する。
【0009】
このように構成することにより、リング部であって、内表面側に滑り止め用の凹凸部が設けられるので、接続解除用工具の全体を回転させたり引っ張る際に滑ることが抑制され小さい力でも確実に有効利用することができる。なお、二重給排気筒にも滑り止め用部材が装着されているので、より一層、滑ることが抑制されている。
また、ハンドル部は、2つあるので、2つのハンドル部を、作業者が両手で把持して回転させて、引っ張るという、接続状態を解除するための力を効果的かつ効率的に加えることができる。また、二重給排気筒は作業のし難い狭い箇所に設置されていることもあり、作業者の腕力が100%発揮できないケースにも対処することができる。
また、ハンドル部は、リング部の取付部に脱着可能であるので、二重給排気筒が壁面等の近傍に設置されており、ハンドル部が長いため壁部にぶつかってリング部を回転させることができない、というような状況等であっても、一旦、壁部にぶつかる1つのハンドル部を外して、リング部を少し回転移動させて、リング部のねじ溝部を壁部が障害とならない位置としたうえで改めてハンドル部を装着するという対応が可能となっている。
【0010】
本発明の二重給排気筒の接続解除方法は、
湯沸器の二重給排気部と重ね合わされ接続された二重給排気筒に滑り止め用部材を装着するステップと、
接続解除用工具の蝶番で結合された2つのリング形成部材により開いた状態と閉じた状態とに遷移可能な内表面側に滑り止め用の凹凸部が設けられたリング部の2つの前記リング形成部材が閉じられた状態で前記二重給排気筒を前記リング部に嵌まるように前記接続解除用工具を位置させるステップと、
前記接続解除用工具のボルトとナットからなるネジ機構による留め具部により、前記二重給排気筒を、前記リング部に嵌まるように締め過ぎないように調整しながら締め付けて、2つの前記リング形成部材を閉じた状態に固定するステップと、
外表面側にハンドル部を脱着可能とする取付部が、前記リング部の径方向において対向する位置に2つとさらに所定位置に少なくとも1つ設けられた前記リング部に対して、前記取付部のうち任意の2つの前記取付部にそれぞれ2つの前記ハンドル部を装着するステップと
2つの前記ハンドル部を手でそれぞれ把持して、前記接続解除用工具の全体を前記リング部の周方向に回転したり、該回転の回転面と垂直方向に引っ張ることで、前記湯沸器の二重給排気部と前記二重給排気筒とが重ね合わされ接続された状態を解除するステップと
を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、大きな力を必要とせずに二重給排気筒の本来の形状のまま確実に二重給排気筒の接続状態を解除可能な二重給排気筒の接続解除用工具および二重給排気筒の接続解除方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態に係る二重給排気筒の接続解除用工具の使用状態を示す図である。
図2】本発明の実施の形態に係る二重給排気筒の接続解除用工具の構成を示す図である。
図3】本発明の実施の形態に係る二重給排気筒の接続解除用工具の組み立て前の状態を示す図である。
図4】本発明の実施の形態に係るリング部を開いた状態を示す図である。
図5】本発明の実施の形態に係る二重給排気筒に滑り止め用部材を装着することを説明する図である。
図6】本発明の実施の形態に係る二重給排気筒に二重給排気筒の接続解除用工具を装着することを説明する図である。
図7】本発明の実施の形態に係る二重給排気筒の接続解除方法の流れを示すフローチャートである。
図8】ガス器具の二重給排気部の構成を示す図である。
図9】二重給排気筒の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図1に、本発明の実施の形態に係る二重給排気筒の接続解除用工具(以下、単に「接続解除用工具」という場合がある。)の使用状態を示す。
所定の器具の一例としてガス湯沸器を示す。ガス湯沸器Gの二重給排気部10に二重給排気筒20が重ね合わされ接続されている。
その二重給排気筒20に、滑り止め用部材30が装着され、そこに接続解除用工具40がセットされている。
【0015】
[接続解除用工具40]
接続解除用工具40はここでは鉄製とするが、素材は本発明の効果を奏する機能を果たす限り任意である。
【0016】
図2に示すように、接続解除用工具40のリング部41に、滑り止め用部材30が装着された二重給排気筒20が嵌まるようになっており、2つのハンドル部61、62を両手で把持して回転させ、引っ張ることで、二重給排気部10と二重給排気筒20の接続状態を解除する。
リング部41の閉じた状態での内径は、二重給排気筒20の外周径よりも約3mm程度、大きくし、隙間を設けることで、滑り止め用部材30が装着された二重給排気筒20にフィットすることとなっている。
リング部41の内表面側(滑り止め用部材30等と接触する面)には滑り止め用の凹凸部42が設けられている。この凹凸部は格子状に塗布して固化させた接着剤により簡易に実現されてもよい。
【0017】
図3および図4に示すように、接続解除用工具40のリング部41は、蝶番45で結合された2つのリング形成部材43、44により、開いた状態と閉じた状態とに遷移可能に構成されている。
リング部41の2つのリング形成部材43、44が閉じた状態を固定するために、接続解除用工具40には留め具部50(ここでは一例としてネジ機構としている。)が1つ設けられている。留め具部50の締め具合は締め過ぎてリング部41の2つのリング形成部材43、44により挟み込んだ二重給排気筒20が変形しないように調整可能となっている。
リング部41の外表面側には2つのハンドル部61、62を脱着可能とする2つの取付部46、47(ここでは一例としてネジ溝としている。)が、リング部41の径方向において対向する位置に設けられている。リング部41の径方向において対向する位置に2つ設けられるので作業者の力が効果的かつ効率的に伝わることとなる。なお、取付部が、さらに1つ以上設けられ、ハンドル部61等をより作業に際して好適な位置に装着可能(二重給排気筒20が壁面等の近傍に設置されており、ハンドル部61、62が長いため壁部にぶつかってリング部41を回転させることができない、というような状況等であっても、一旦、壁部にぶつかる1つのハンドル部を外して、壁部が障害とならない位置の取付部に改めてそのハンドル部を装着する等。)等とすることであってもよく、また、取付部の数に対応してハンドル部の数も増加させることであってもよい。
【0018】
ハンドル部61、62は、取付部46、47に脱着可能なように、ここでは棒状の基端部がネジ切り加工されている。例えば棒状としているが形状は任意である。ハンドル部は、2つあるので、2つのハンドル部を作業者が両手で把持して回転させて、引っ張るという、接続状態を解除するために必要な力を効果的かつ効率的に加えることができる。また、二重給排気筒20は作業のし難い狭い箇所に設置されていることもあり、作業者の腕力が100%発揮できないケースにも接続解除用工具40を用いることで対処することができる。
ハンドル部61、62は、取付部46、47に脱着可能であるので、二重給排気筒20が壁面等の近傍に設置されており、ハンドル部61、62が長いため壁部にぶつかってリング部41を回転させることができない、というような状況等であっても、一旦、壁部にぶつかる1つのハンドル部を外して、リング部41を少し回転移動させて、リング部41の取付部46、47を壁部が障害とならない位置としたうえで改めてハンドル部を装着するという対応が可能となっている。
【0019】
[滑り止め用部材30]
図5および図6に示すように、滑り止め用部材30(ここでは一例として滑り止め用ネットとしている。)が、二重給排気筒20に装着される。二重給排気筒20はステンレス製等でありそのままでは接続解除用工具40が滑りやすいためである。滑り止め用部材30は、二重給排気筒20の外周に沿うように2周巻き付けることであってもよい。また、滑り止め用部材30は、適度な弾力性があり、二重給排気筒20の変形を防止する機能も果たしている。なお、滑り止め用部材30として、市販の滑り止め用マット(厚み3mm、塩化ビニル製)等を必要量だけ切り取って利用することであってもよい。
【0020】
次に、図7を参照して本実施の形態に係る二重給排気筒の接続解除方法のフローを詳細に説明する。
【0021】
まず、所定の器具としてのガス湯沸器Gの二重給排気部10と重ね合わされ接続された二重給排気筒20に滑り止め用部材30を装着する(ステップS701)。
【0022】
次に、接続解除用工具40の蝶番45で結合された2つのリング形成部材43、44により開いた状態と閉じた状態とに遷移可能な内表面側に滑り止め用の凹凸部42が設けられたリング部41の2つのリング形成部材43、44が閉じられた状態で二重給排気筒20(滑り止め用部材30が装着済み。)をリング部41に嵌まるように接続解除用工具40を位置させる(ステップS702)。
【0023】
次に、接続解除用工具40の留め具部50により、二重給排気筒20を、リング部41に嵌まるように締め付けて、2つのリング形成部材43、44を閉じた状態に固定する(ステップS703)。
【0024】
次に、外表面側にハンドル部61、62を脱着可能とする取付部46、47が少なくともリング部41の径方向において対向する位置に2つ設けられたリング部41に対して、2つの取付部46、47にそれぞれ2つのハンドル部61、62を装着する(ステップS704)。なお、このステップS704は省略されてもよい、すなわち、予め2つの取付部46、47にそれぞれ2つのハンドル部61、62が装着された状態であってもよい。
【0025】
そして、2つのハンドル部61、62を作業者が両手を用いてそれぞれを片手で把持して、接続解除用工具40の全体をリング部41の周方向に回転したり、当該回転の回転面と垂直方向(図1における上下方向)に引っ張ることで(その周方向の回転とその回転面と垂直方向に引っ張ることが同時になされるような動作を当然に含む。)、ガス湯沸器Gの二重給排気部10と二重給排気筒20とが重ね合わされ接続された状態を解除する(ステップS705)。なお、二重給排気筒20は、スライド式で伸縮可能な構成であってもよい。
【0026】
上記の本実施の形態によれば、特別に腕力の強い作業員でなくても、誰でも大きな力を必要とせずに、二重給排気筒を破壊したり、壊してしまったりすることなく、二重給排気筒20の本来の形状のまま確実に二重給排気筒20の接続状態を解除することができる。
【0027】
[変形例]
接続解除用工具40は、二重給排気部10と二重給排気筒20とが重ね合わされ接続された状態を解除することのみでなく、逆に、二重給排気部10と二重給排気筒20とを重ね合わせて接続する際に用いることもできる。
【0028】
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、二重給排気筒に限らず、ストーブ・ボイラーの煙突等の一重排気筒などや、一重排気筒タイプのガス湯沸器等の接続箇所にも適用可能である。
【符号の説明】
【0029】
G ガス湯沸器
10 二重給排気部
20 二重給排気筒
30 滑り止め用部材
40 接続解除用工具
41 リング部
42 凹凸部
43、44 リング形成部材
45 蝶番
46、47 取付部
50 留め具部
61、62 ハンドル部
【要約】
【課題】大きな力を必要とせずに二重給排気筒の本来の形状のまま確実に二重給排気筒の接続状態を解除することができる二重給排気筒の接続解除用工具および二重給排気筒の接続解除方法を提供すること。
【解決手段】蝶番で結合された2つのリング形成部材により、開いた状態と閉じた状態とに遷移可能なリング部であって、内表面側に滑り止め用の凹凸部が設けられ、外表面側にハンドル部を脱着可能とする取付部が、少なくとも前記リング部の径方向において対向する位置に2つ設けられた前記リング部と、滑り止め用部材が装着された二重給排気筒を前記リング部に嵌まるように締め付けて、2つの前記リング形成部材を閉じた状態に固定するための留め具部と、2つの前記取付部にそれぞれ脱着可能な2つの前記ハンドル部とを備え、2つの前記取付部にそれぞれ装着された2つの前記ハンドル部が手でそれぞれ把持されて、接続解除用工具の全体が前記リング部の周方向に回転させられたり、該回転の回転面と垂直方向に引っ張られることで、所定の器具の二重給排気部と前記二重給排気筒とが重ね合わされ接続された状態を解除する二重給排気筒の接続解除用工具。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9