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特許6259558電子レシートシステム、サーバ、および、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6259558
(24)【登録日】2017年12月15日
(45)【発行日】2018年1月10日
(54)【発明の名称】電子レシートシステム、サーバ、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20171227BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20171227BHJP
【FI】
   G06Q30/02 376
   G06Q30/02 328
   G07G1/12 321N
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-179973(P2012-179973)
(22)【出願日】2012年8月14日
(65)【公開番号】特開2014-38443(P2014-38443A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2015年6月1日
【審判番号】不服2017-740(P2017-740/J1)
【審判請求日】2017年1月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】509271897
【氏名又は名称】ネットラピュタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】高津 祐一
(72)【発明者】
【氏名】竹中 翔
【合議体】
【審判長】 佐藤 智康
【審判官】 金子 幸一
【審判官】 宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−33051(JP,A)
【文献】 特開2009−75745(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q30/02,G07G1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗毎に配置され該店舗での会計処理を行う店舗端末と、前記各店舗端末とネットワークを介して接続されるサーバと、を備えた電子レシートシステムであって、
前記各店舗端末は、
会計処理時に顧客であるユーザの所有する端末からユーザ識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取ったユーザ識別情報と該店舗端末が配置されている店舗の店舗識別情報とを含んだクーポン取得要求を前記サーバに送信する送信手段と、を備え、
前記サーバは、
ユーザのユーザ識別情報と属性情報と保有するクーポンのクーポン情報と購入履歴情報と電子レシートの宛先とを記憶するユーザ情報記憶手段と、
店舗識別情報と該店舗で利用可能なクーポンのクーポン情報とを記憶する店舗情報記憶手段と、
配信タイミングと配信条件とが設定されたクーポン情報を記憶するクーポン情報記憶手段と、
前記ユーザ情報記憶手段と前記店舗情報記憶手段とを参照し、前記店舗端末から受信したクーポン取得要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザが保有しており且つ受信したクーポン取得要求に含まれる店舗識別情報が示す店舗で利用可能なクーポンを特定する利用可能クーポン特定手段と、
前記利用可能クーポン特定手段が特定したクーポンのクーポン情報を前記クーポン取得要求の送信元である店舗端末に送信するクーポン送信手段と、を備え、
前記各店舗端末は、
前記サーバから受信したクーポン情報が示すクーポンを使用した会計処理を行うクーポン使用手段と、
前記会計処理で作成された売上データと該店舗端末が配置されている店舗の店舗識別情報と前記読取手段で読み取ったユーザ識別情報とを含むレシート要求を前記サーバに送信するレシート要求送信手段と、を備え、
前記サーバは、
店舗毎に、該店舗で発行する電子レシートのテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段と、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれるユーザ識別情報により特定されるユーザの購入履歴情報に、受信したレシート要求に含まれる売上データを追加して前記ユーザ情報記憶手段に記憶する更新手段と、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれる前記ユーザ識別情報で特定されるユーザに付与するクーポンのクーポン情報を配信タイミングと配信条件とに基づいて取得し、取得したクーポン情報を、前記ユーザ識別情報で特定されるユーザの保有するクーポンのクーポン情報として前記ユーザ情報記憶手段に追加するクーポン配信手段と、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれる店舗識別情報で識別される店舗で発行される電子レシートのテンプレートを前記テンプレート記憶手段から取得し、電子レシート表示用の情報として、取得したテンプレートと該レシート要求に含まれる売上データと取得したクーポン情報とをユーザの所有する端末に送信する電子レシート送信手段と、を備える、
ことを特徴とする電子レシートシステム。
【請求項2】
前記サーバは、
ーザの属性情報と購入履歴とを含むユーザ情報に基づいて、配信するクーポンと配信タイミングと配信するユーザとを特定する配信クーポン特定手段と、
前記配信クーポン特定手段が特定した配信タイミングで、特定したクーポンを、特定したユーザのクーポン情報として前記ユーザ情報記憶手段に追加すると共に該ユーザの端末宛に配信するクーポン配信手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子レシートシステム。
【請求項3】
前記クーポン配信手段は、前記特定したクーポンを、前記特定したユーザの保有するクーポンとして前記サーバ内の前記ユーザ情報記憶手段に記憶するとともに、該ユーザの所有する端末に送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子レシートシステム。
【請求項4】
前記電子レシート送信手段は、電子レシート表示用の情報として、売上データと、クーポン情報と、店舗の広告情報と、テンプレートとに基づいて、画像データを生成し、生成した画像データを前記ユーザの所有する端末に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子レシートシステム。
【請求項5】
店舗での会計処理を行う店舗端末とネットワークを介して接続されたサーバであって、
ユーザのユーザ識別情報と属性情報と保有するクーポンのクーポン情報と購入履歴情報と電子レシートの宛先とを記憶するユーザ情報記憶手段と、
店舗識別情報と該店舗で利用可能なクーポンのクーポン情報とを記憶する店舗情報記憶手段と、
配信タイミングと配信条件とが設定されたクーポン情報を記憶するクーポン情報記憶手段と、
前記店舗端末から、ユーザ識別情報と店舗識別情報とを含んだクーポン取得要求を受信するクーポン取得要求受信手段と、
前記ユーザ情報記憶手段と前記店舗情報記憶手段とを参照し、前記店舗端末から受信した前記クーポン取得要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザが保有しており且つ前記クーポン取得要求に含まれる店舗識別情報が示す店舗で利用可能なクーポンを特定する利用可能クーポン特定手段と、
前記利用可能クーポン特定手段が特定したクーポンのクーポン情報を前記クーポン取得要求の送信元である店舗端末に送信するクーポン送信手段と、
店舗毎に、該店舗で発行する電子レシートのテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段と、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれるユーザ識別情報により特定されるユーザの購入履歴情報に、受信したレシート要求に含まれる売上データを追加して前記ユーザ情報記憶手段に記憶する更新手段と、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれる前記ユーザ識別情報で特定されるユーザに付与するクーポンのクーポン情報を配信タイミングと配信条件とに基づいて取得し、取得したクーポン情報を、前記ユーザ識別情報で特定されるユーザの保有するクーポンのクーポン情報として前記ユーザ情報記憶手段に追加するクーポン配信手段と、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれる店舗識別情報で識別される店舗で発行される電子レシートのテンプレートを前記テンプレート記憶手段から取得し、電子レシート表示用の情報として、取得したテンプレートと該レシート要求に含まれる売上データと取得したクーポン情報とをユーザの所有する端末に送信する電子レシート送信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項6】
店舗での会計処理を行う店舗端末とネットワークを介して接続されたコンピュータを、
ユーザのユーザ識別情報と属性情報と保有するクーポンのクーポン情報と購入履歴情報と電子レシートの宛先とを記憶するユーザ情報記憶手段、
店舗識別情報と該店舗で利用可能なクーポンのクーポン情報とを記憶する店舗情報記憶手段、
配信タイミングと配信条件とが設定されたクーポン情報を記憶するクーポン情報記憶手段、
前記店舗端末から、ユーザ識別情報と店舗識別情報とを含んだクーポン取得要求を受信するクーポン取得要求受信手段、
前記ユーザ情報記憶手段と前記店舗情報記憶手段とを参照し、前記店舗端末から受信した前記クーポン取得要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザが保有しており且つ前記クーポン取得要求に含まれる店舗識別情報が示す店舗で利用可能なクーポンを特定する利用可能クーポン特定手段、
前記利用可能クーポン特定手段が特定したクーポンのクーポン情報を前記クーポン取得要求の送信元である店舗端末に送信するクーポン送信手段、
店舗毎に、該店舗で発行する電子レシートのテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれるユーザ識別情報により特定されるユーザの購入履歴情報に、受信したレシート要求に含まれる売上データを追加して前記ユーザ情報記憶手段に記憶する更新手段、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれる前記ユーザ識別情報で特定されるユーザに付与するクーポンのクーポン情報を配信タイミングと配信条件とに基づいて取得し、取得したクーポン情報を、前記ユーザ識別情報で特定されるユーザの保有するクーポンのクーポン情報として前記ユーザ情報記憶手段に追加するクーポン配信手段、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれる店舗識別情報で識別される店舗で発行される電子レシートのテンプレートを前記テンプレート記憶手段から取得し、電子レシート表示用の情報として、取得したテンプレートと該レシート要求に含まれる売上データと取得したクーポン情報とをユーザの所有する端末に送信する電子レシート送信手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レシートシステム、サーバ、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品購入時に電子クーポンを記憶させた携帯電話をPOS(Point of Sale)端末に読み取らせることで、割引サービスの提供を可能にしたシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、サーバからユーザの携帯電話にクーポンをダウンロードし、商品を購入する際に、携帯電話にダウンロードされているクーポンをPOS端末に出力するシステムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−252258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のシステムでは、クーポンを利用する場合、顧客が携帯電話を操作して利用したいクーポンを選択する等の操作が必要がある。従って、多数のクーポンを携帯電話に記憶させている場合、ユーザは、対応するクーポンを探すのが面倒であった。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、商品購入時に、ユーザが容易にクーポンを使用することができる電子レシートシステム、サーバ、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る電子レシートシステムは、
店舗毎に配置され該店舗での会計処理を行う店舗端末と、前記各店舗端末とネットワークを介して接続されるサーバと、を備えた電子レシートシステムであって、
前記各店舗端末は、
会計処理時に顧客であるユーザの所有する端末からユーザ識別情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段が読み取ったユーザ識別情報と該店舗端末が配置されている店舗の店舗識別情報とを含んだクーポン取得要求を前記サーバに送信する送信手段と、を備え、
前記サーバは、
ユーザのユーザ識別情報と属性情報と保有するクーポンのクーポン情報と購入履歴情報と電子レシートの宛先とを記憶するユーザ情報記憶手段と、
店舗識別情報と該店舗で利用可能なクーポンのクーポン情報とを記憶する店舗情報記憶手段と、
配信タイミングと配信条件とが設定されたクーポン情報を記憶するクーポン情報記憶手段と、
前記ユーザ情報記憶手段と前記店舗情報記憶手段とを参照し、前記店舗端末から受信したクーポン取得要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザが保有しており且つ受信したクーポン取得要求に含まれる店舗識別情報が示す店舗で利用可能なクーポンを特定する利用可能クーポン特定手段と、
前記利用可能クーポン特定手段が特定したクーポンのクーポン情報を前記クーポン取得要求の送信元である店舗端末に送信するクーポン送信手段と、を備え、
前記各店舗端末は、
前記サーバから受信したクーポン情報が示すクーポンを使用した会計処理を行うクーポン使用手段と、
前記会計処理で作成された売上データと該店舗端末が配置されている店舗の店舗識別情報と前記読取手段で読み取ったユーザ識別情報とを含むレシート要求を前記サーバに送信するレシート要求送信手段と、を備え、
前記サーバは、
店舗毎に、該店舗で発行する電子レシートのテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段と、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれるユーザ識別情報により特定されるユーザの購入履歴情報に、受信したレシート要求に含まれる売上データを追加して前記ユーザ情報記憶手段に記憶する更新手段と、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれる前記ユーザ識別情報で特定されるユーザに付与するクーポンのクーポン情報を配信タイミングと配信条件とに基づいて取得し、取得したクーポン情報を、前記ユーザ識別情報で特定されるユーザの保有するクーポンのクーポン情報として前記ユーザ情報記憶手段に追加するクーポン配信手段と、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれる店舗識別情報で識別される店舗で発行される電子レシートのテンプレートを前記テンプレート記憶手段から取得し、電子レシート表示用の情報として、取得したテンプレートと該レシート要求に含まれる売上データと取得したクーポン情報とをユーザの所有する端末に送信する電子レシート送信手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0008】
前記サーバは、
ーザの属性情報と購入履歴とを含むユーザ情報に基づいて、配信するクーポンと配信タイミングと配信するユーザとを特定する配信クーポン特定手段と、
前記配信クーポン特定手段が特定した配信タイミングで、特定したクーポンを、特定したユーザのクーポン情報として前記ユーザ情報記憶手段に追加すると共に該ユーザの端末宛に配信するクーポン配信手段と、を備えてもよい。
【0009】
前記クーポン配信手段は、前記特定したクーポンを、前記特定したユーザの保有するクーポンとして前記サーバ内の前記ユーザ情報記憶手段に記憶するとともに、該ユーザの所有する端末に送信してもよい。
【0011】
前記電子レシート送信手段は、電子レシート表示用の情報として、売上データと、クーポン情報と、店舗の広告情報と、テンプレートとに基づいて、画像データを生成し、生成した画像データを前記ユーザの所有する端末に送信してもよい。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るサーバは、
店舗での会計処理を行う店舗端末とネットワークを介して接続されたサーバであって、
ユーザのユーザ識別情報と属性情報と保有するクーポンのクーポン情報と購入履歴情報と電子レシートの宛先とを記憶するユーザ情報記憶手段と、
店舗識別情報と該店舗で利用可能なクーポンのクーポン情報とを記憶する店舗情報記憶手段と、
配信タイミングと配信条件とが設定されたクーポン情報を記憶するクーポン情報記憶手段と、
前記店舗端末から、ユーザ識別情報と店舗識別情報とを含んだクーポン取得要求を受信するクーポン取得要求受信手段と、
前記ユーザ情報記憶手段と前記店舗情報記憶手段とを参照し、前記店舗端末から受信した前記クーポン取得要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザが保有しており且つ前記クーポン取得要求に含まれる店舗識別情報が示す店舗で利用可能なクーポンを特定する利用可能クーポン特定手段と、
前記利用可能クーポン特定手段が特定したクーポンのクーポン情報を前記クーポン取得要求の送信元である店舗端末に送信するクーポン送信手段と、
店舗毎に、該店舗で発行する電子レシートのテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段と、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれるユーザ識別情報により特定されるユーザの購入履歴情報に、受信したレシート要求に含まれる売上データを追加して前記ユーザ情報記憶手段に記憶する更新手段と、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれる前記ユーザ識別情報で特定されるユーザに付与するクーポンのクーポン情報を配信タイミングと配信条件とに基づいて取得し、取得したクーポン情報を、前記ユーザ識別情報で特定されるユーザの保有するクーポンのクーポン情報として前記ユーザ情報記憶手段に追加するクーポン配信手段と、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれる店舗識別情報で識別される店舗で発行される電子レシートのテンプレートを前記テンプレート記憶手段から取得し、電子レシート表示用の情報として、取得したテンプレートと該レシート要求に含まれる売上データと取得したクーポン情報とをユーザの所有する端末に送信する電子レシート送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
店舗での会計処理を行う店舗端末とネットワークを介して接続されたコンピュータを、
ユーザのユーザ識別情報と属性情報と保有するクーポンのクーポン情報と購入履歴情報と電子レシートの宛先とを記憶するユーザ情報記憶手段、
店舗識別情報と該店舗で利用可能なクーポンのクーポン情報とを記憶する店舗情報記憶手段、
配信タイミングと配信条件とが設定されたクーポン情報を記憶するクーポン情報記憶手段、
前記店舗端末から、ユーザ識別情報と店舗識別情報とを含んだクーポン取得要求を受信するクーポン取得要求受信手段、
前記ユーザ情報記憶手段と前記店舗情報記憶手段とを参照し、前記店舗端末から受信した前記クーポン取得要求に含まれるユーザ識別情報が示すユーザが保有しており且つ前記クーポン取得要求に含まれる店舗識別情報が示す店舗で利用可能なクーポンを特定する利用可能クーポン特定手段、
前記利用可能クーポン特定手段が特定したクーポンのクーポン情報を前記クーポン取得要求の送信元である店舗端末に送信するクーポン送信手段、
店舗毎に、該店舗で発行する電子レシートのテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれるユーザ識別情報により特定されるユーザの購入履歴情報に、受信したレシート要求に含まれる売上データを追加して前記ユーザ情報記憶手段に記憶する更新手段、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれる前記ユーザ識別情報で特定されるユーザに付与するクーポンのクーポン情報を配信タイミングと配信条件とに基づいて取得し、取得したクーポン情報を、前記ユーザ識別情報で特定されるユーザの保有するクーポンのクーポン情報として前記ユーザ情報記憶手段に追加するクーポン配信手段、
前記店舗端末から受信したレシート要求に含まれる店舗識別情報で識別される店舗で発行される電子レシートのテンプレートを前記テンプレート記憶手段から取得し、電子レシート表示用の情報として、取得したテンプレートと該レシート要求に含まれる売上データと取得したクーポン情報とをユーザの所有する端末に送信する電子レシート送信手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、商品購入時に、ユーザが容易にクーポンを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る電子レシートシステムの構成を示す図である。
図2】店舗端末の構成を示すブロック図である。
図3】管理サーバの構成を示すブロック図である。
図4】ユーザ情報の構成例を示す図である。
図5】購入履歴の例を示す図である。
図6】店舗情報の構成例を示す図である。
図7】クーポン情報の構成例を示す図である。
図8】顧客が商品を購入する際の処理の動作を示す図(その1)である。
図9】顧客が商品を購入する際の処理の動作を示す図(その2)である。
図10】クーポン配信処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で下記の実施形態及び図面に変更を加えることが出来るのはもちろんである。また、図中同一または相当部分には同一符号を付す。
【0017】
本発明の実施形態に係る電子レシートシステム1について説明する。電子レシートシステム1は、店舗で商品を購入した顧客(ユーザ)の携帯端末30に電子レシートを送信するとともに、クーポンの配信や広告の表示等の種々のサービスを提供する。なお、携帯端末30は、一般的なスマートフォンや携帯電話等である。また、携帯端末30は、非接触通信機能を備える。
【0018】
本発明の実施形態に係る電子レシートシステムは、図1に示すように、各店舗に配置された店舗端末10と、該店舗端末10とネットワーク40を介して接続する管理サーバ20とを備える。なお、この図において店舗は1つしか示されていないが、実際には店舗は複数あり、各店舗毎に店舗端末10が配置されている。また、1つの店舗に複数の店舗端末10が配置されていてもよい。また、ネットワーク40は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)である。
【0019】
店舗端末10は、例えば、POS(Point of Sale)端末であり、顧客であるユーザが商品を購入した際の会計処理を行うとともに、購入時に近接されたユーザの携帯端末30に電子レシートやクーポンを配信する。店舗端末10は、図2に示すように、非接触通信部11と、通信部12と、操作部13と、表示部14と、記憶部15と、コード読取部16と、制御部17と、を備える。
【0020】
非接触通信部11は、変調回路、復調回路、高周波増幅回路などの各種回路やアンテナ等を備え、制御部17の制御のもと、近接された顧客の携帯端末30と非接触通信を行う。例えば、非接触通信部11は、顧客(ユーザ)の携帯端末30から、ユーザIDを受信する。
【0021】
通信部12は、NIC(Network Interface Card)等を備え、制御部17からの指示に従い、ネットワーク40を介して、管理サーバ20と通信を行う。
【0022】
操作部13は、キーボタン等を備え、ユーザからの操作に対応した操作信号を制御部17に供給する。表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)等を備え、制御部17の指示に従って各種のデータや画面を表示する。
【0023】
記憶部15は、RAM(Readom Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、および、ハードディスクドライブ等の記憶装置によって構成され、各種のデータやプログラム等を記憶する。また、記憶部15は、制御部17が処理を行う際のワーク領域として利用される。また、記憶部15には、店舗端末10が配置されている店舗を個別に識別可能なID情報(店舗ID)や店舗内で販売する各商品の商品マスタファイル等が格納されている。
【0024】
コード読取部16は、近接された商品のバーコードを読取、商品コード等を取得する。
【0025】
制御部17は、マイクロプロセッサユニット等を備え、記憶部15に記憶されているプログラムを実行することで、店舗端末10全体の動作(各部の動作)を制御する。
【0026】
図1に戻り、管理サーバ20は、ネットワーク40を介して各店舗の店舗端末10やユーザの携帯端末30と接続され、電子レシートやクーポンの配信等の処理を行う。管理サーバ20は、図3に示すように、通信部21と、操作部22と、表示部23と、記憶部24と、制御部25と、を備える。
【0027】
通信部21は、NIC等の通信インターフェースによって構成される。通信部21は、制御部25の制御のもと、ネットワーク30を介して各店舗端末10と通信を行う。
【0028】
操作部22は、管理サーバ20を使用するユーザ(管理者)の操作を受け付けるものであり、例えば、キーボードやマウスによって構成される。操作部22は、各種キーが操作されると操作に対応する操作信号を制御部25に供給する。表示部23は、CRTディスプレイなどから構成され、制御部25の指示に基づいて各種の情報や画面を表示する。
【0029】
記憶部24は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、RAM、及び、ROM等によって構成される。記憶部24は、制御部25が動作するためのメインメモリ及びワークメモリとして機能する。また、記憶部24は、制御部25によって実行される動作プログラムを記憶する。また、記憶部は、ユーザDB241と店舗DB242とクーポンDB243とを備える。
【0030】
ユーザDB241は、電子レシートシステム1に会員登録したユーザ毎に、ユーザに関する情報(ユーザ情報)が格納されるデータベースである。ユーザ情報は、具体的には、図4に示すような、ユーザの識別情報であるユーザID、氏名、住所、年齢、性別、誕生日、メールアドレス、保有クーポン、購入履歴等から構成される。
なお、メールアドレスは、このユーザの携帯端末30のメールアドレスである。また、保有クーポンは、ユーザが所有しているクーポンのクーポンIDのリストを示す。また、購入履歴は、図5に示すような、この顧客による各店舗での商品購入の履歴を記録した情報(購入日時、店舗名、商品名、金額等を示した情報)である。
【0031】
図3に戻り、店舗DB242は、電子レシートシステム1に会員登録した店舗毎に、店舗に関する情報(店舗情報)が格納されるデータベースである。店舗情報は、具体的には、図6に示すような、店舗の識別情報である店舗ID、店舗名、住所、電話番号、利用可能クーポン、レシートテンプレートデータ、および、広告情報等から構成される。
なお、利用可能クーポンは、この店舗で利用することが可能なクーポンのクーポンIDのリストである。広告情報は、会計時に顧客の端末に送信する電子レシートに記載する定型句、文字書体、文字サイズ、広告表示位置などを規定するデータである。また、広告情報は、レシートの一部に埋め込まれ広告の画像データである。
【0032】
クーポンDB243は、電子レシートシステム1で利用可能なクーポン毎に、クーポンを定義する情報(クーポン情報)が格納されるデータベースである。クーポン情報は、具体的には、図7に示すような、クーポンの識別情報であるクーポンID、クーポン名、使用期限、配信タイミング、配信条件、値引情報等で構成される情報である。
なお、使用期限は、クーポンが使用できる期限を示す。なお、使用期限が切れたクーポンのクーポン情報をクーポンDB243から削除してもよい。
また、配信タイミングは、クーポンを配信する契機(タイミング)を規定する情報である。配信タイミングは、例えば、「店舗Aでの購入時に配信」や、「商品aの購入時に配信」や、「クリスマスイブ(12月24日)に配信」や、「過去に店舗Aで購入した顧客の誕生日に配信」等と定義される。
また、配信条件は、どのような顧客に対してクーポンを配信するかを示す条件である。配信条件は、例えば、「男性顧客」、「過去に店舗Aで購入したことがある顧客」、「過去に○×県で購入したことがある顧客」等と定義される。
また、値引情報は、クーポンを使用することによる割引率や値下額を示す。値引情報は、例えば、「10%割引」、「100円値下」等と定義される。
【0033】
図3に戻り、制御部25は、例えば、CPU(Central Processing Unit)によって構成され、管理サーバ20の各部の制御を行い、管理サーバ20全体の制御を行う。
【0034】
(商品を購入する際の動作)
続いて、電子レシートシステム1により顧客(ユーザ)が商品を購入する際の動作について、図8図9のフローチャートを参照して説明する。なお、予め、処理の対象となるユーザと店舗とは、それぞれ、ユーザDB241と店舗DB242とに会員として登録されているものとする。また、適切なクーポンがクーポンDB243に登録されているものとする。
【0035】
まず、顧客(ユーザ)は、商品を店員に渡し、自身の携帯端末30からクーポンを利用してこの商品を購入する旨を伝える。なお、この際、顧客は、使用したいクーポンを選択するための操作を行う必要はない。
クーポンを利用して商品を購入する旨を伝えられた店員は、店舗端末10のコード読取部16に携帯端末30を近接させることを顧客に告げる。顧客は、店舗端末10のコード読取部16に携帯端末30を近接させ、店舗端末10と携帯端末30との間で非接触通信が開始される。そして、携帯端末30は、所有者である顧客(ユーザ)のユーザIDを含んだ搬送波を送信する(ステップS11)。
【0036】
店舗端末10の非接触通信部11は、携帯端末30から送信されている搬送波を受信し、受信した搬送波を復調してユーザIDを取得する(ステップS21)。店舗端末10の制御部17は、通信部12を制御して、受信したユーザIDと店舗端末10に予め設定されている店舗IDとを含んだクーポン取得要求を管理サーバ20に送信する(ステップS22)。
【0037】
管理サーバ20の制御部25は、通信部21が店舗端末10からクーポン取得要求を受信すると、記憶部24内の各データベース241〜243を検索して、使用するクーポンを特定する(ステップS31)。
【0038】
具体的には、制御部25は、クーポン取得要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報をユーザDB241から検出し、検出したユーザ情報からユーザ(購入者)が保有しているクーポン(ユーザ保有クーポン)を特定する。続いて、制御部25は、クーポン取得要求に含まれる店舗IDを有する店舗情報を店舗DB242から検出し、検出した店舗情報から購入店舗で利用可能なクーポン(店舗利用可能クーポン)を特定する。そして、制御部25は、ユーザ保有クーポンが店舗利用可能クーポンに含まれる場合、そのクーポンを今回使用するクーポンとして特定すればよい。
【0039】
続いて、管理サーバ20の制御部25は、ステップS31で特定したクーポンのクーポン情報をクーポンDB243から検出し、通信部21を制御して、クーポン取得要求の送信元である店舗端末10に送信する(ステップS32)。
【0040】
店舗端末10が管理サーバ20からクーポン情報を受信すると、その旨が表示部14に表示される。店員は、この表示を確認した後、顧客が購入した商品のバーコードを店舗端末10のコード読取部16に読み取らせる。コード読取部16が商品のバーコードを読み取ると、店舗端末10の制御部17は、会計処理を行う(ステップS23)。具体的には、店舗端末10の制御部17は、コード読取部16がバーコードから読み取った商品コードで特定される商品について、商品データ(商品名や単価)を商品マスタファイルから読み出す。そして、制御部17は、読み出した商品データと、取得したクーポン情報が示す値引情報とに基づいて、クーポンを使用して商品を購入した場合の購入内容を示す売上データを生成して記憶部15に記憶する。なお、バッチ処理などにより、制御部17は、蓄積した売上データを外部の図示せぬ集計サーバ等に定期的に送信してもよい。
【0041】
続いて、店舗端末10の制御部17は、通信部12を制御して、ステップS23の会計処理で作成した売上データと、自身の店舗IDと、ステップS21で取得したユーザIDとを含んだレシート要求を管理サーバ20に送信する(ステップS24)。
【0042】
レシート要求を受信すると、管理サーバ20の制御部25は、当該レシート要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報をユーザDB241から検出し、検出したユーザ情報の購入履歴に売上データの内容を記録(追記)する(図9、ステップS33)。
【0043】
続いて、管理サーバ20の制御部25は、レシート要求に含まれる店舗IDを有する店舗情報を店舗DB242から検出し、検出した店舗情報からレシートテンプレートデータと広告情報とを取得する(ステップS34)。
【0044】
続いて、制御部25は、クーポンDB243から配信条件に合致するクーポンを検出して購入者の保有クーポンとして登録する(ステップS35)。
【0045】
具体的には、まず、制御部25は、受信したレシート要求に含まれる売上データの内容に合致する配信タイミングが設定されているクーポンをクーポンDB243から検出する。例えば、レシート要求に含まれる売上データが、店舗Aで商品aを1000円で購入したことを示している場合、制御部25は、「店舗Aでの購入時に配信」、「商品aの購入時に配信」、「1000円以上の購入時に配信」等の配信タイミングが設定されているクーポンをクーポンDB243から検出する。
続いて、制御部25は、レシート要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報をユーザDB241から検出し、検出したユーザ情報が示すユーザの属性(性別・年齢等)や購入履歴に基づいて、さきほど検出したクーポンのなかから配信条件を満たすものを絞り込む。そして、制御部25は、絞り込んだクーポンのクーポンIDを、検出したユーザ情報の保有クーポンに登録すればよい。
【0046】
続いて、制御部25は、通信部21を制御して、ステップS34で取得したレシートテンプレートデータと広告情報、受信したレシート要求に含まれる売上データ、および、ステップS35で登録したクーポンのクーポン情報を購入者であるユーザの携帯端末30宛に送信する(ステップS36)。なお、携帯端末30への宛先は、レシート要求に含まれるユーザIDを有するユーザ情報に含まれるメールアドレスから取得すればよい。また、ステップS36による携帯端末30への送信処理を、プッシュ型情報配信を行う図示せぬ別のサーバに行わせてもよい。
【0047】
続いて、携帯端末30は、受信したクーポン情報を自身のハードディスク等に記憶する(ステップS12)。
【0048】
続いて、携帯端末30は、受信したレシートテンプレートデータと広告情報と売上データとに基づいて、レシート表示用の画像データ(レシート画像データ)を作成する(ステップS13)。そして、携帯端末30は、作成したレシート画像データに基づいて、液晶ディスプレイにレシート画像を表示する(ステップS14)。ユーザは、この表示を確認することで、紙のレシートを確認すること無しに、何を購入したかを確認することができる。また、このレシート画像には、その購入店舗に対応した広告が表示されているため、ユーザに対する宣伝効果を期待することができる。以上で商品購入時の処理は終了する。
【0049】
(クーポン配信処理)
上記処理では、顧客の店舗での商品購入時にクーポンが携帯端末30に配信された。しかし、本システムでは、クーポンDB243に記憶されているクーポン情報の配信タイミングを適宜設定することで、商品購入時に限らず、任意のタイミングでクーポンを配信することが可能である。以下、任意のタイミングでクーポンを配信するクーポン配信処理について説明する。
【0050】
管理サーバ20の制御部25は、例えば、毎日の決まった時刻に、図10のフローチャートに示すクーポン配信処理を実行する。
【0051】
まず、管理サーバ20の制御部25は、クーポンDB243を参照して、今日が配信タイミングとなっているクーポンのクーポン情報を検出する(ステップS41)。例えば、今日が8月1日である場合、制御部25は、配信タイミングが「8月1日配信」や「月初配信」等と設定されているクーポン情報を検出する。また、制御部25は、ユーザDB241内に今日が誕生日であるユーザが登録されている場合、配信タイミングが「誕生日配信」と設定されているクーポン情報を検出してもよい。
【0052】
続いて、制御部25は、ステップS41で検出したクーポン情報のなかから1つを選択する(ステップS42)。そして、制御部25は、選択したクーポン情報が示す配信条件に合致するユーザのユーザ情報をユーザDB241から取得する(ステップS43)。
【0053】
続いて、制御部25は、取得したユーザ情報が示すユーザの保有クーポンに、ステップS42で選択したクーポンのクーポンIDを登録する(ステップS44)。そして、制御部25は、取得したユーザ情報が示すユーザのメールアドレス宛にそのクーポン情報を送信する(ステップS45)。
【0054】
続いて、制御部25は、ステップS41で検出した全てのクーポン情報に対して、ステップS42〜ステップS45の一連の処理を行ったか否かを判別する(ステップS46)。
【0055】
検出した全てのクーポン情報に対して処理を行っていない場合(ステップS46;No)、制御部25は、未処理のクーポン情報を選択して、条件に合致するユーザにクーポンを配信するステップS42〜ステップS45の処理を繰り返す。
【0056】
検出した全てのクーポン情報に対して処理を行った場合(ステップS46;Yes)、クーポン配信処理は終了する。
【0057】
このように、本発明によれば、ユーザは、商品購入時に使用するクーポンを選択すること無しに、携帯端末30を店舗端末10に読み取らせるだけで最適なクーポンを使用することが可能となる。
【0058】
また、本発明によれば、最適なタイミングで、ユーザの属性等の条件に合致した最適なクーポンをユーザに配信することも可能となる。また、クーポンを配信する際には、管理サーバ20のユーザDB241内のユーザ情報にクーポンを登録するだけでなく、クーポン情報をユーザの携帯端末30に送信する。従って、ユーザは、携帯端末30に記憶されているクーポン情報を確認するだけで、管理サーバ20にアクセスすること無しに保有しているクーポンを確認することができる。
【0059】
(変形例)
なお、上記実施形態は、種々の変形、および、応用が可能である。
【0060】
例えば、上記実施形態ではクーポンを顧客の携帯端末30に配信したが、クーポンに限らず、特定のキャンペーンサイトに誘導するためのキャンペーン情報(例えば、キャンペーンサイトのURL)や広告等を配信してもよく、店舗での商品購入時の処理、および、クーポン配信処理において、任意のサービスを配信してもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、店舗での購入時に、店舗端末10に近接させた顧客の携帯端末30に電子レシートを送信したが、顧客の自宅のPC(Personal Computer)等にも電子レシートを送信してもよい。なお、この場合、この顧客のユーザ情報のメールアドレスに、自宅PCのメールアドレスを設定しておく必要がある。
【0062】
また、店舗端末10と管理サーバ20とに、暗号キーとこの暗号キーに対応した復号化キーとを格納させておく。そして、図8のフローチャートにおいて、店舗端末10と管理サーバ20との間で送受信する情報を暗号化して送受信するようにしてもよい。このようにすることで、よりセキュリティを向上させることが可能となる。
【0063】
また、上記実施形態では、顧客が携帯端末30を店舗端末10に読み取らせることでクーポンを使用した。しかし、顧客が非接触通信可能なクレジットカードやポイントカード等のICカードを店舗端末10に読み取らせることで、クーポンを利用可能にしてもよい。このようにすることで、携帯端末30を所持するのを忘れた顧客も同様にクーポンを利用することができ、より利便性を向上させることが可能となる。
なお、この場合、ICカード内に記憶されているユーザを一意に識別可能なカードID(クレジット番号等)を、ユーザDB241内のユーザ情報に保持させておく必要がある。そして、商品購入時に店舗端末10は、顧客のICカードから読み取ったカードIDを含んだクーポン取得要求を管理サーバ20に送信する。そして、管理サーバ20は、受信したクーポン取得要求に含まれるカードIDを有するユーザ情報を検出し、このユーザ情報から、上述した処理と同様に、使用するクーポンや電子レシートの発行先等を特定すればよい。
【0064】
また、上記実施形態では、管理サーバ20が電子クーポン表示用の情報を携帯端末30に送信し(図9、ステップS36)、携帯端末30がこの情報からレシート画像データを作成した(ステップS13)。しかし、管理サーバ20がレシート画像データを作成して、作成したレシート画像データを携帯端末30に送信してもよい。
【0065】
また、例えば、本発明の店舗端末10や管理サーバ20は、専用のハードウェアに限られるものではなく、通常のコンピュータシステムによっても実現することができる。
具体的には、上記各実施の形態では、店舗端末10や管理サーバ20のプログラムが、記憶部15,24等に予め記憶されているものとして説明した。しかし、上述の処理動作を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する店舗端末10や管理サーバ20を構成してもよい。
【0066】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するようにしてもよい。さらに、通信ネットワークを介してプログラムを転送しながら起動実行することによっても、上述の店舗端末10や管理サーバ20の処理を達成することができる。
また、上述の機能を、OS(Operating System)が分担又はOSとアプリケーションの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、コンピュータにダウンロード等してもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 電子レシートシステム
10 店舗端末
20 管理サーバ
30 携帯端末
40 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10