(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記退避手段は、予め定められた回転中心を中心に前記画像形成手段を回転させることで、前記一部の前記搬送経路上からの退避を行うことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
前記第1の画像形成ヘッドが前記重なり部分に対して吐出するインクの一滴あたりの量と前記第2の画像形成ヘッドが当該重なり部分に対して吐出するインクの一滴あたりの量との和が、当該第1の画像形成ヘッドが当該重なり部分以外に対して吐出するインクの一滴あたりの量と等しくなっている請求項8に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置100を示した図である。なお、同図(A)は、画像形成装置100を上方から眺めた場合の状態を示し、同図(B)は、画像形成装置100を正面から眺めた場合の状態を示している。
【0009】
同図(A)、(B)に示すように、本実施形態の画像形成装置100には、ターレットと呼ばれる円盤状の旋回テーブル110が設けられている。また、旋回テーブル110の上には、サーボモータ140を駆動するサーボアンプ120が配置されている。さらに、旋回テーブル110の外周部には、円筒状に形成されるとともに缶体10に挿入され、缶体10の保持を行う保持部材(マンドレル)130が設けられている。
【0010】
なお、本実施形態の缶体10は、筒状に形成され、軸方向における一方の端部に、底部を備え、他方の端部に、開口を備えている。ここで、缶体10への保持部材130の挿入は、缶体10の開口を通じて行われる。また、本実施形態では、保持部材130は、複数設けられるとともに、放射状に配置されている。さらに本実施形態では、この保持部材130を周方向に回転させる複数のサーボモータ140が設けられている。
【0011】
また、旋回テーブル110の外周部には、
図1(B)に示すように、保持部材130を上下動させることで缶体10を上下動させるリニアサーボ(サーボ制御直動システム)150が設けられている。なお、本実施形態では、保持部材130が上下動すると、この保持部材130に付随するようにサーボモータ140も上下動を行う。また、本実施形態では、
図1(B)に示すように、旋回テーブル110の下方に、旋回テーブル110を周方向に回転させるダイレクトサーボドライブ160が設けられている。
【0012】
また、本実施形態では、保持部材130が移動する際に通る移動経路(周回状の移動経路)の上方に、缶体10への画像形成を行う画像形成手段として機能するインクジェットヘッド(デジタルプリントヘッド)170が設けられている。付言すると、本実施形態の画像形成装置100には、デジタルの画像情報に基づき缶体10への画像の形成を行うインクジェットヘッド170が設けられている。なお、本実施形態では、合計で6個のインクジェットヘッド170が放射状に設けられており、6色のインクを缶体10に対して供給できるようになっている。
【0013】
なお、インクジェットヘッド170には、オンデマンド型とよばれる分類に属するものを採用することができる。具体的には、ピエゾ素子(圧電素子)を変形させることにより発生する圧力により微小な穴からインクを吐出させるピエゾ方式や、蒸気圧により微小な穴からインクを吐出させる熱方式を採用することができる。そのほか、コンティニアス型とよばれる分類に属する、電気的な力などによってインクを吐出する方式を採用することもできる。
【0014】
ここで、画像形成装置100における基本的な動作を説明する。
缶体10への画像形成に際しては、まず、ダイレクトサーボドライブ160によって、旋回テーブル110の回転(本実施形態では反時計回り方向の回転)が行われる。これにより、保持部材130の各々も、反時計周り方向に向かって移動する。
そして、本実施形態では、一つの保持部材130が缶体投入部100A(
図1(A)参照)に達する度に、旋回テーブル110の回転が停止され、保持部材130による缶体10の保持が行われる。具体的には、保持部材130によって缶体10が吸引されることで缶体10の内部に保持部材130が入り込み、これにより、保持部材130による缶体10の保持が開始される。
【0015】
また、本実施形態では、6つ設けられたインクジェットヘッド170の各々に缶体10が達する度に旋回テーブル110の回転が停止される。次いで、リニアサーボ150の駆動が行われ、缶体10の上昇が行われる。これにより、缶体10がインクジェットヘッド170に接近する。そして、インクジェットヘッド170による缶体10への画像形成が行われる。具体的には、保持部材130が回転することで缶体10が周方向へ回転し、回転を行なっている缶体10の外周面に対し、インクジェットヘッド170からのインクが付着する。
【0016】
その後、リニアサーボ150の駆動が行われ、缶体10の下降が行われる。次いで、本実施形態では、旋回テーブル110の回転が再開され、缶体10は、次の(隣接する)インクジェットヘッド170に向かって移動する。以後、これらの動作が繰り返される。これにより、缶体10に対して複数の色により構成された画像が形成されるようになる。そして、本実施形態では、缶体排出部100B(
図1(A)参照)に保持部材130が達すると、保持部材130からの缶体10の離脱がなされるようになる。なお、この離脱は、保持部材130の内部に圧縮空気が供給されることで行われる。
【0017】
なお、各インクジェットヘッド170から吐出されるインクの色に特に制限はないが、例えば、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色を用いることができる。また、必要に応じ、例えばW(ホワイト)が用意される。さらに、色の調製を予め行なった特色(例えば、コーポレートカラー)のインクを用意することもできる。
【0018】
図2は、インクジェットヘッド170を説明するための図である。なお、同図(A)は、
図1(A)における矢印IIA方向からインクジェットヘッド170を眺めた場合の図であり、
図2(B)は、
図2(A)における矢印IIB方向(缶体10の軸方向)からインクジェットヘッド170を眺めた場合の図である。なお、同図(A)、(B)では、缶体10も併せて表示している。
【0019】
図2(A)に示すように、本実施形態では、インクジェットヘッド170として、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の二つのインクジェットヘッドを設けている。ここで、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の各々は、缶体10の周方向における位置が互いに異なるように配置されている。この結果、本実施形態では、同図(B)に示すように、缶体10の径方向における中央部を中心として、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172が放射状に配置されるようになる。
【0020】
また、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の各々は、缶体10の軸方向における位置が互いに異なるように配置されている。さらに、本実施形態では、缶体10の軸方向において、第1インクジェットヘッド171と第2インクジェットヘッド172とをオーバーラップさせている。
【0021】
ここで、インクジェットヘッドのサイズに制約がある場合があり、この場合、大きい一つのインクジェットヘッドを用意することが難しくなり、本実施形態のように、小さい二つのインクジェットヘッド(第1インクジェットヘッド171、第2インクジェットヘッド172)が用いられることがある。ところで、このように二つのインクジェットヘッドを用いる場合、この二つのインクジェットヘッドを直線状に並べて配置してしまうと、缶体10の一部に、インクの供給がなされない領域が生じてしまう。
【0022】
詳細に説明すると、インクジェットヘッドのうちの長手方向における端部には、インク吐出口が形成されていないのが一般的であり、このようなインクジェットヘッドを上記のように直線状に並べてしまうと、各インクジェットが互いに隣り合う箇所に、インク吐出口が存在しない領域が生じるようになる。そして、この場合、上記のとおり、缶体10の一部に、インクの供給がなされない領域が生じるようになる。
【0023】
一方で、本実施形態では、上記のとおり、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の各々を、缶体10の周方向における位置が互いに異なるように配置し、さらに、缶体10の軸方向において、第1インクジェットヘッド171と第2インクジェットヘッド172とをオーバーラップさせている。この場合、缶体10の軸方向において、一定の間隔でインク吐出口が並ぶようになり、缶体10の一部にインクが供給されなくなるという上記不具合の発生が抑制される。
【0024】
ところで、本実施形態のように、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の二つのインクジェットヘッドが、缶体10の周方向においてずらされて配置されていると、この二つのインクジェットヘッドを缶体10の真上に配置することができず、
図2(B)に示すように、少なくとも一方のインクジェットヘッドが、缶体10の真上から外れた箇所に設置される。この場合、同図に示すように、インクジェットヘッドは鉛直方向に対して傾斜するようになり、また、インクジェットヘッドの下面(インク吐出口が形成されている面)も、水平方向に対して傾斜するようになる。
【0025】
ところで、この場合、上流側から移動してきた缶体10とインクジェットヘッドとの干渉が起こるようになってしまう。具体的には、水平方向に沿って缶体10が移動してきた場合、第2インクジェットヘッド172における符号2Aで示す部位と、缶体10とが干渉してしまう。そして、このように干渉が生じると、インクジェットヘッド170の直下に缶体10を配置できなくなる。
【0026】
付言すると、本実施形態のように、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の二つのインクジェットヘッドが、缶体10の周方向においてずらされて配置された場合、
図2(B)に示すように、缶体10よりも上流側および下流側にて、インクジェットヘッド170の一部が、缶体10の搬送経路上に突出するようになる。そして、この場合、缶体10がインクジェットヘッド170へ搬送されてきた際、および、インクジェットヘッド170から下流側へ缶体10が搬送される際、缶体10とインクジェットヘッド170との干渉が生じるようになる。
【0027】
そこで、本実施形態では、上記のように、リニアサーボ150を用いて缶体10を上下動させる処理を行う。これにより、インクジェットヘッド170と缶体10との干渉をさけたうえで、インクジェットヘッド170の直下に缶体10を配置できるようになる。また、後述するが、本実施形態では、インクジェットヘッド170を移動させることで、インクジェットヘッド170のうちの上記搬送経路上に突出する部位を、この搬送経路上から退避させ、インクジェットヘッド170の直下への缶体10の搬送、および、インクジェットヘッド170から下流側への缶体10の搬送を行う。
【0028】
なお、符号2Bで示す経路のように(
図2(B)参照)、下方にずらした搬送経路に沿って缶体10を移動させれば、缶体10とインクジェットヘッド170との干渉は避けられるが、この場合は、缶体10とインクジェットヘッド170との間の間隙が拡がり、缶体10に形成される画像の質の低下を招くおそれがある。付言すると、この場合、インクジェットヘッド170から吐出されたインクの液滴が缶体10に付着する際の付着位置の精度が悪化し、これに起因し、形成される画像の質が低下するおそれがある。
【0029】
なお、
図1に示す態様では、インクジェットヘッド170を移動させず缶体10を移動させてインクジェットヘッド170の直下に缶体10を配置するが、後述するように、インクジェットヘッド170を移動させることでも、インクジェットヘッド170の直下に缶体10を配置できる。なお、インクジェットヘッド170を移動させる場合は、インクジェットヘッド170の移動を停止させてからインクジェットヘッド170内部のインクの揺れがおさまるまで、インクの吐出ができなくなるなどの不具合が生じるおそれがあるが、缶体10を移動させる場合は、このような不具合の発生を抑えられる。
【0030】
図3は、インクジェットヘッド170に缶体10が到達した際の缶体10の動きを説明する図である。
本実施形態では、まず、搬送手段の一部として機能する旋回テーブル110(
図1(A)参照)の回転によって、
図3(A)に示すように、インクジェットヘッド170の下方まで缶体10が搬送されるとともに、インクジェットヘッド170の下方にて缶体10が停止する。なお、缶体10のこの停止は、旋回テーブル110の回転を停止することで行う。
【0031】
その後、缶体移動手段として機能するリニアサーボ150(
図1(B)参照)が駆動されることで、
図3(B)に示すように、インクジェットヘッド170の直下まで缶体10が上昇する。
付言すると、本実施形態では、
図3(B)中、右方向から左方向に向かうように形成された搬送経路(水平方向に沿って延びる搬送経路、以下、「水平方向搬送経路」と称する)に沿って缶体10は搬送されていくが、缶体10がインクジェットヘッドの170の直下に達すると、缶体10は、この水平方向搬送経路が延びる方向と交差(直交)する方向に向かって移動し、インクジェットヘッド170に向かって移動する。
【0032】
さらに説明すると、本実施形態では、水平方向搬送経路は、インクジェットヘッド170の脇を通過するように形成されており、缶体10がインクジェットヘッド170の脇に達すると、缶体10は、この水平方向搬送経路を外れ、インクジェットヘッド170に向かうようになる。
【0033】
次いで、インクジェットヘッド170からインクを吐出し缶体10への画像形成を行う(同図(C)参照)。なお、画像形成が行われている際、缶体10は周方向への回転を行っている。次いで、リニアサーボ150が駆動され、同図(D)に示すように、缶体10が下降する。その後、旋回テーブル110の回転が再開され、同図(E)に示すように、缶体10は、次のインクジェットヘッド170に向かって移動する。
図3(A)〜(E)に示した処理を行う場合、缶体10とインクジェットヘッド170との干渉を避けられるようになり、また、インクジェットヘッド170の直下に缶体10を配置できるようになる。
【0034】
ここで、
図3にて示した態様では、インクジェットヘッド170の直下から鉛直方向上方に向けて缶体10を移動させ、また、缶体10への画像形成終了後、鉛直方向下方に向けて缶体10を移動させた。ところで、缶体10の上下動は、
図4(缶体の他の移動態様を示した図)に示すように行うことができる。
【0035】
図4に示す態様では、インクジェットヘッド170に向けての缶体10の移動(上方に向かう移動)を、インクジェットヘッド170の直下よりも手前側(直下よりも上流側)から開始する。また、缶体10の下方への移動は、インクジェットヘッド170の直下に向けてではなく、この直下よりも下流側に向けて行う。このような処理を行う場合、
図3に示した態様に比して、缶体10の移動距離が短くなる。そして、この場合、缶体10の移動に要する時間が減り、単位時間当たりに画像形成を行うことができる缶体10の個数を増やせるようになる。
【0036】
さらに説明すると、本実施形態では、インクジェットヘッド170による缶体10への画像形成が行われる際、缶体10の軸心が、
図4(A)中、符号4Aで示す箇所(以下、「軸心配置箇所4A」と称する)に配置される。そして、本実施形態では、軸心配置箇所4Aへの軸心(缶体10)の配置は、この軸心配置箇所4Aよりも上流側から、缶体10を、この軸心配置箇所4Aに向けて移動させることで行う。
【0037】
さらに説明すると、本実施形態では、
図4(A)にて左右方向に延びる水平方向搬送経路における予め定められた箇所を始点として、軸心配置箇所4Aに向けての缶体10の移動を開始するが、本実施形態では、この始点が、軸心配置箇所4Aよりも上流側に位置している。さらに説明すると、
図4(A)に示すように、水平方向搬送経路に対する垂線であって軸心配置箇所4Aを通る垂線と、水平方向搬送経路との交差箇所の位置と、上記始点の位置とを比較した場合に、始点の方が、交差箇所よりも上流側に位置している。
【0038】
さらに説明すると、
図4に示す態様では、同図(A)に示すように、インクジェットヘッド170に向けての缶体10の移動(上方に向かう移動)を行う際、第2インクジェットヘッド172の下面172Aが延びる方向に沿うように缶体10を移動させる。同様に、下方への缶体10の移動を行う際には、同図(C)に示すように、第1インクジェットヘッド171の下面171Aが延びる方向に沿うように缶体10を移動させる。
【0039】
付言すると、本実施形態では、対峙面との一例としての上記下面171A,172Aには、複数のインク吐出口が形成されており、この下面171A,172Aを缶体10に対峙させた状態にて、缶体10へのインクの吐出を行い、缶体10への画像形成を行う。さらに、本実施形態では、この下面171A,172Aが、水平方向搬送経路が延びる方向に対して傾斜した状態で配置されている。そして、本実施形態では、傾斜した状態で配置されたこの下面171A,172Aが延びる方向に沿うように缶体10を移動させる。
【0040】
この場合、缶体10とインクジェットヘッド170との干渉を避けつつ、缶体10の移動距離を最少の距離とすることができる。ここで、例えば、
図4(A)における符号4Cで示す経路に沿って缶体10が移動する場合、缶体10の移動距離をさらに小さくできるが、この場合は、缶体10とインクジェットヘッド170との干渉が生じてしまう。また、符号4Bで示す経路に沿って缶体10が移動する場合は、缶体10とインクジェットヘッド170との干渉は避けられるが、缶体10の移動距離が大きくなる。
【0041】
図5は、インクジェットヘッド170等の他の構成例を示した図である。
この構成例では、同図(A)に示すように、第1インクジェットヘッド171を下降させておき、その一方で、第2インクジェットヘッド172を上昇させておく。その後、同図(A)、(B)に示すように、缶体10がインクジェットヘッド170の下方に到達する。
【0042】
このとき、第2インクジェットヘッド172は上昇しており、第2インクジェットヘッド172と缶体10との干渉は避けられる。次いで、同図(B)、(C)に示すように、第2インクジェットヘッド172が下降し、第1インクジェットヘッド171と第2インクジェットヘッド172の直下に缶体10が位置するようになる。付言すると、水平方向搬送経路に向かって第2インクジェットヘッド172が移動し、第2インクジェットヘッド172が缶体10に接近した状態で配置されるようになる。
【0043】
その後、上記と同様、インクジェットヘッド170からインクを吐出し缶体10への画像形成を行う(同図(D)参照)。その後、同図(E)に示すように、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172を上昇させる。付言すると、水平方向搬送経路から離れる方向に向けて、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172を移動させる。
【0044】
そして、同図(E)、(F)に示すように、缶体10を下流側に向けて移動させる。ここで、このとき、第1インクジェットヘッド171は上方に位置しており、缶体10と第1インクジェットヘッド171との干渉は避けられる。なお、缶体10が下流側へ移動した後は(同図(F)の状態の後は)、第1インクジェットヘッド171が下降し、
図5(A)に示す状態に復帰する。
【0045】
ここで、
図6(インクジェットヘッド170の移動機構を説明するための図)を参照し、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172を上下動させる機構を説明する。なお、同図(A)は上面図であり、同図(B)は正面図であり、同図(C)は側面図である。
【0046】
この構成例では、
図6(A)〜(C)に示すように、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172を上下動させるリニアサーボ180が設けられており、このリニアサーボ180の各々を駆動することで、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172が上下動する。
なお、この構成例では、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の各々に対応するようにリニアサーボ180が二つ設けられているが、一つのリニアサーボ180で、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172を上下動させるようにしてもよい。
【0047】
付言すると、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の各々を個別に移動させるのはなく、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172をまとめて(一体として)移動させることもできる。
より具体的には、例えば、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172を共通の支持部材で支持することで、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172をまとめて(一体として)移動させることができる。
この場合、第1インクジェットヘッド171と第2インクジェットヘッド172との相対的な位置ずれが生じにくくなり、第1インクジェットヘッド171と第2インクジェットヘッド172との相対的な位置ずれに起因する形成画像の質の低下が抑制される。
【0048】
図7は、インクジェットヘッド170等の他の構成例を示した図である。
この構成例では、同図(A)に示すように、予め定められた回転中心7Aを中心に、第2インクジェットヘッド172を反時計回り方向に回転させ、第2インクジェットヘッド172を鉛直方向に沿わせた状態で待機させておく。そして、この構成例では、この状態にて、インクジェットヘッド170の下方に缶体10が到達する。このとき、第2インクジェットヘッド172は、缶体10の搬送経路の上方に退避しており、第2インクジェットヘッド172と缶体10との干渉は避けられる。
【0049】
次いで、同図(B)、(C)に示すように、回転中心7Aを中心に、第2インクジェットヘッド172が時計回り方向に回転し、これにより、第1インクジェットヘッド171と第2インクジェットヘッド172の直下に缶体10が位置するようになる。その後、上記と同様、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172からインクが吐出され、缶体10への画像形成が行われる(同図(D)参照)。
【0050】
次いで、本実施形態では、同図(E)に示すように、回転中心7Aを中心に、第1インクジェットヘッド171を時計回り方向に回転させ、第1インクジェットヘッド171を鉛直方向に沿う状態とする。その後、同図(E)、(F)に示すように、缶体10を下流側に向けて移動させる。なお、缶体10の下流側に向けての移動が行われると、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の各々が、回転中心7Aを中心に反時計回り方向に回転し、
図7(A)に示す状態に復帰する。
【0051】
ここで、
図8(インクジェットヘッド170の回転機構を説明するための図)を参照し、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172を回転させる機構を説明する。なお、同図(A)は上面図であり、同図(B)は正面図であり、同図(C)は側面図である。
【0052】
この構成例では、
図8(A)〜(C)に示すように、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の各々に対応するように二つ設けられ、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172を回転させるダイレクトサーボドライブ190が設けられている。このダイレクトサーボドライブ190が駆動されると、
図8(C)における符号8Aで示す箇所を中心に、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172は回転する。そして、本実施形態では、この回転によって、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の上下動が行われる。
【0053】
インクジェットヘッド170等の他の構成例を更に説明する。
図9は、インクジェットヘッド170等の他の構成例を示した図である。
この構成例では、
図9(A)における符号9Aで示す箇所(缶体10の軸心が配置される箇所、以下「回転中心9A」と称する)を中心として、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172を、図中反時計回り方向に回転させ、第2インクジェットヘッド172を、缶体10の到達箇所の上方に配置しておく。
【0054】
そして、この状態にて、同図(A)、(B)に示すように、第2インクジェットヘッド172の下方に缶体10が到達する。このとき、第2インクジェットヘッド172は缶体10の搬送経路から外れた箇所に位置しており(水平方向搬送経路上から退避しており)、第2インクジェットヘッド172と缶体10との干渉は避けられる。
【0055】
その後、回転中心9Aを中心として、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172を、図中時計回り方向に回転させる。これにより、同図(C)に示すように、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の直下に缶体10が位置するようになる。次いで、上記と同様、また、
図9(D)に示すように、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172からインクが吐出され、缶体10への画像形成が行われる。
【0056】
その後、
図9(E)に示すように、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172を、回転中心9Aを中心に、図中時計回り方向に回転させる。これにより、缶体10の上方に、第1インクジェットヘッド171が位置するようになる。付言すると、水平方向搬送経路上から第1インクジェットヘッド171が退避するようになる。
【0057】
また、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172を、回転中心9Aを中心に、図中時計回り方向に回転させると、缶体10よりも缶体10の搬送方向上流側に、第2インクジェットヘッド172が位置するようになる。その後は、上記と同様、缶体10の下流側への搬送が行われる。なお、缶体10の下流側への搬送がなされると、
図9(A)に示す状態に復帰する。
【0058】
次に、
図10(第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172を回転させる回転機構を説明する図)を参照し、回転機構を詳細に説明する。なお、上記と同様、同図(A)は上面図であり、同図(B)は正面図であり、同図(C)は側面図である。
【0059】
図10(C)に示すように、回転機構には、印刷位置にて停止された缶体10の外周面に沿うように配置された円弧状の曲線ガイド201が設けられている。さらに、本実施形態では、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172を支持するヘッドマウント202が設けられている。
【0060】
ここで、このヘッドマウント202は、ベアリングを収容したベアリングケース203(同図(B)参照)を介して曲線ガイド201により案内されるようになっている。また、本実施形態では、ヘッドマウント202がこの曲線ガイド201により案内されることで、缶体10の外周面に沿って、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172が移動するようになっている。
【0061】
さらに、本実施形態では、同図(C)に示すように、ヘッドマウント202を移動させる移動機構205が設けられている。この移動機構205は、回転軸206を備えたサーボモータ207と、回転軸206の回転運動を直線運動に変換するボールねじ部208とから構成されている。
【0062】
ここで、サーボモータ207が駆動されると回転軸206が回転し、そして、回転軸206が回転すると、ボールねじ部208が回転軸206の軸方向に沿って直線運動を行う。そして、この直線運動によって、ヘッドマウント202が移動するようになり、これにより、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172が缶体10の外周面に沿って移動する。付言すると、本実施形態では、移動機構205が退避手段として機能しており、この移動機構205を駆動することで、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の、水平方向搬送経路上からの退避が行われるようになる。
【0063】
なお、本実施形態では、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の各々は、個別に移動せず、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172は、一体で移動する。付言すると、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172は、ヘッドマウント202という共通の支持部材により支持され、一体となって移動する。この場合、第1インクジェットヘッド171と第2インクジェットヘッド172との相対的な位置ずれが生じにくくなり、第1インクジェットヘッド171と第2インクジェットヘッド172との相対的な位置ずれに起因する形成画像の質の低下が抑制される。
【0064】
インクジェットヘッド170等の他の構成例を更に説明する。
図11は、インクジェットヘッド170等の他の構成例を示した図である。なお、
図11は、インクジェットヘッド170等を上方から眺めた場合の状態を示している。
この構成例では、缶体10の軸方向に沿って、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172が移動可能に設けられており、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172がこの軸方向に移動することで、同図(A)に示すように、缶体10の搬送経路から外れた箇所(搬送経路の脇)に、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172が配置される。
【0065】
具体的には、缶体10の搬送経路の一方の脇に、第1インクジェットヘッド171が位置し、他方の脇に、第2インクジェットヘッド172が位置する。なお、インクジェットヘッド170の退避は、このような態様に限定されず、一方の脇および他方の脇の何れか一方に、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の二つのインクジェットヘッドを退避させるようにしてもよい。
但し、一方の脇および他方の脇のそれぞれにインクジェットヘッドを退避させた方が、インクジェットヘッドを移動させる際の移動距離が少なくてすみ、単位時間当たりに画像形成を行える缶体10の数を増やせるようになる。
【0066】
ここで、処理の一連の流れを説明すると、まず、上記と同様、水平方向搬送経路に沿って上流側から缶体10が搬送されてくる(
図11(A)参照)。そして、この缶体10は、予め定められた停止箇所にて停止する。その後、同図(B)、(C)に示すように、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の、缶体10の軸方向に沿った移動が行われ、缶体10の上方に、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172が配置される。
【0067】
次いで、上記と同様、缶体10へのインクの吐出が行われる。その後、本実施形態では、同図(D)に示すように、缶体10の搬送経路の脇に第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172が退避する。そして、同図(E)に示すように、下流側への缶体10の搬送が行われる。
【0068】
図12は、缶体10の軸方向に第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172を移動させる移動機構を示した図である。
同図に示すように、缶体10の軸方向への第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の移動は、缶体10の軸方向に沿って配置されたリニアサーボ220により行われる。
【0069】
付言すると、この構成例では、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の二つのインクジェットヘッドに対応させて、二つのリニアサーボ220が設けられており、各リニアサーボ220を駆動することで、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172が缶体10の軸方向に沿って移動する。
なお、本実施形態では、リニアサーボ220が二つ設けられた場合を一例に説明したが、一つのリニアサーボ220を用い、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の二つのインクジェットヘッド170を移動させるようにしてもよい。
【0070】
(その他)
上記では、各インクジェットヘッドの全長よりも缶体10の全長の方が大きい場合を一例に説明したが、上記にて説明した構成は、各インクジェットヘッドの全長よりも缶体10の全長の方が小さい場合にも適用できる。
【0071】
例えば、各インクジェットヘッドの全長よりも缶体10の全長の方が小さい場合、缶体10の周囲に且つ放射状に複数のインクジェットヘッドを設けるとともに、各インクジェットヘッドから異なる色のインクを吐出させれば、缶体10が一回転する間に、一色ではなく複数色のインクを缶体10に供給できるようになる。そしてこの場合、缶体10への画像形成の効率を高められるようになる。
ところで、この場合、上記にて説明した干渉が生じるが、上記にて説明した構成を用いることで、この干渉を避けつつ、インクジェットヘッドの直下に缶体を配置できるようになる。
【0072】
また、上記では、缶体10の搬送経路の上方に、インクジェットヘッド170が設けられた場合を一例に説明したが、上記にて説明した構成は、缶体10の搬送経路の側方や下方にインクジェットヘッドが設けられている態様にも適用できる。
【0073】
さらに、本実施形態では、
図1に示すように、旋回テーブル110の回転中心を中心として、6個のインクジェットヘッド170が放射状に配置された態様を説明した。ところで、インクジェットヘッド170の配置態様は特に限定されず、例えば、一つの直線に沿って6個のインクジェットヘッド170が並ぶようにしてもよい。この場合、缶体10が直線状に移動していく過程で、缶体10への画像形成が行われる。
【0074】
また、上記では、個々のインクジェットヘッド170の下方にて缶体10を回転させ、さらに、回転しているこの缶体10に対し、二つのインクジェットヘッド(第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172)から同時並行的に、インクの吐出を行った。ところで、この場合は、上記にて説明したように、二つのインクジェットヘッドのうちの少なくも一方が、鉛直方向に対して傾斜し、これにより、缶体10とインクジェットヘッドとの干渉が生じるようになる。
【0075】
ここで、同時並行でのインクの吐出は行えないが、
図13(第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172の他の配置態様を示した図)の(A)、(B)に示す構成とした場合は、二つのインクジェットヘッドを傾斜させずに、缶体10への画像形成を行えるようになり、インクジェットヘッドの移動(
図5〜12にて示したような移動)や、缶体10の移動(
図3、4にて示したような移動)を行わないでも、インクジェットヘッドと缶体10との干渉を避けられるようになる。
【0076】
なお、
図13に示す構成例では、6個設けられた上記インクジェットヘッド170の各々に含まれている二つのインクジェットヘッドである、第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172を例示している。付言すると、この構成例でも、上記と同様、6個のインクジェットヘッド(6組の第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172)が設けられているが、この
図13では、1個のインクジェットヘッド170(1組の第1インクジェットヘッド171および第2インクジェットヘッド172)のみを図示している。
【0077】
さらに、
図13では、同図(A)が上方から眺めた場合の状態を示しており、同図(B)が右側方から眺めた場合の状態を示している。また、この
図13では、一つの直線に沿って6個のインクジェットヘッド170が並ぶように配置され、缶体10が直線状に移動していく過程で、缶体10への画像形成が行われる。
【0078】
ここで、この構成例では、同図(B)に示すように、第1インクジェットヘッド171の下方に位置する第1の箇所13Eにて缶体10の移動が一旦停止され、缶体10への画像形成が行われる。ここで、この構成例では、この第1インクジェットヘッド171のすぐ横に第2インクジェットヘッド172が位置していないため、第1インクジェットヘッド171が鉛直方向に沿った状態で配置されている。
【0079】
そして、この場合、第1インクジェットヘッド171の移動(
図5〜12にて示したような移動)や、缶体10の移動(
図3、4にて示したような移動)を行わないでも、缶体10と第1インクジェットヘッド171との干渉を避けられるようになる。
なお、ここでは、第1インクジェットヘッド171によって、
図13(A)に示すように、缶体10の開口側(底部が設けられている側とは反対側)に位置する領域(符号13Aで示す領域)に、画像が形成される。
【0080】
その後、この缶体10は、同図(B)に示すように、第2インクジェットヘッド172の下方の第2の箇所13Hへ移動し、第2インクジェットヘッド172の下方にて停止する。そして、第2インクジェットヘッド172からインクの吐出がなされ、第2インクジェットヘッド172による画像形成が行われる。なお、ここでも、この第2インクジェットヘッド172のすぐ横に第1インクジェットヘッド171が位置していないため、第2インクジェットヘッド172は鉛直方向に沿った状態で配置されている。
【0081】
そして、この場合、上記と同様、第2インクジェットヘッド172の移動や缶体10の移動を行わないでも、缶体10と第2インクジェットヘッド172との干渉を避けられるようになる。なお、この第2インクジェットヘッド172では、
図13(A)に示すように、缶体10の底部側に位置する領域(符号13Bで示す領域)に、画像が形成される。
【0082】
ところで、本実施形態では、
図13(A)の、符号13A、13Bで示す領域のように、第1の画像形成ヘッドの一例としての第1インクジェットヘッド171により形成される画像の形成領域(第1の形成部位)と、第2の画像形成ヘッドの一例としての第2インクジェットヘッド172により形成される画像の形成領域(第2の形成部位)とがオーバーラップしており、第1インクジェットヘッド171により形成される画像と、第2インクジェットヘッド172により形成される画像との間に空白領域が形成されることが防止される。
【0083】
ここで、部材の寸法公差等に起因し、缶体10の軸方向において、第1インクジェットヘッド171と第2インクジェットヘッド172とが互いに離れることがあり、この場合、上記空白の領域が形成されてしまう。付言すると、本実施形態のように、第1インクジェットヘッド171により形成される画像の形成領域と、第2インクジェットヘッド172により形成される画像の形成領域とが、缶体10の軸方向においてずれている場合(互いに隣接している場合)、第1インクジェットヘッド171と第2インクジェットヘッド172とが離れてしまうと、この二つの形成領域の間に、画像が形成されない空白領域が形成されてしまう。
【0084】
一方で、本実施形態のように、二つの画像形成領域を、予めオーバーラップさせておけば、第1インクジェットヘッド171と第2インクジェットヘッド172とが互いに離れたとしても、空白の領域の形成を抑えられるようになる。
なお、オーバーラップさせる領域では、インクの吐出量(インク吐出口から吐出されるインク液滴の一滴当たりの吐出量)を、オーバーラップさせる領域以外の領域におけるインクの吐出量よりも減らすことが好ましい。
【0085】
例えば、
図14(缶体10へのインクの吐出例を示した図)では、第1インクジェットヘッド171から缶体10に吐出されたインクの状態を示しているが、この
図14では、オーバーラップさせる領域にて、インクの吐出量が抑えられ、点状の画像の大きさが小さくなっている。なお、第2インクジェットヘッド172でも同様であり、オーバーラップさせる領域にて、インクの吐出量が抑えられる。
【0086】
ここで、インクの吐出量を抑えずに、オーバーラップさせる領域に対して画像を形成してしまうと、このオーバーラップさせる領域では、本来の画像密度よりも大きい画像密度で画像が形成されてしまう。上記のように、インクの吐出量を抑えると、この画像密度の増大を抑えられる。なお、二つの画像形成領域をオーバーラップさせる態様や、二つの画像形成領域をオーバーラップさせ且つインクの吐出量をオーバーラップさせる領域では減らす態様は、
図1〜
図12にて説明した実施形態(第1インクジェットヘッド171と第2インクジェットヘッド172が接近した状態で配置される実施形態)に対しても同様に適用できる。
【0087】
なお、インクの具体的な吐出量であるが、例えば、非オーバーラップ領域にて吐出されるインクの一滴当たりの量を1とした場合に、オーバーラップ領域にて第1インクジェットヘッド171から吐出されるインクの一滴当たりの量と、オーバーラップ領域にて第2インクジェットヘッド172から吐出されるインクの一滴当たりの量と和が、この1となるように、インクの吐出量を設定することができる。