【文献】
都道府県・市町村デジタル移動通信システム ARIB STD−T79,日本,社団法人 電波産業会,2009年 7月29日,3.0版(第1分冊),p.3−6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の端末局と、第2の端末局と、前記第1の端末局及び前記第2の端末局と無線通信を行う基地局と、前記基地局に接続され、第1の記憶部を有し、前記第1の端末局及び前記第2の端末局の発信規制設定及び解除を行う発信規制設定解除局と、前記基地局に接続され、第2の記憶部を有し、前記第2の端末局の発信規制設定要求及び発信規制解除要求を行う発信規制要求局とを備えた無線通信システムであって、
前記発信規制設定解除局は、前記第1の端末局及び前記第2の端末局が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを示す発信規制状態情報を前記第1の記憶部に記憶し、
前記発信規制要求局は、前記第2の端末局の発信規制を設定する発信規制設定要求、又は、前記第2の端末局の発信規制を解除する発信規制解除要求を送信し、
前記発信規制設定解除局は、前記基地局を介して前記発信規制設定要求を受信すると、前記第2の端末局の発信規制を設定し、前記第2の端末局が発信規制設定状態であることを示す前記発信規制状態情報を前記発信規制要求局へ送信し、前記発信規制解除要求を受信すると、前記第2の端末局の発信規制を解除し、前記第2の端末局が発信規制解除状態であることを示す前記発信規制状態情報を前記発信規制要求局へ送信し、
前記発信規制要求局は、前記発信規制状態情報を受信すると、当該発信規制状態情報が示す前記第2の端末局の発信規制の状態を前記第2の記憶部に記憶することを特徴とする無線通信システム。
第1の端末局と、第2の端末局と、前記第1の端末局及び前記第2の端末局と無線通信を行う基地局と、前記基地局に接続され、第1の記憶部を有し、前記第1の端末局及び前記第2の端末局の発信規制設定及び解除を行う発信規制設定解除局と、前記基地局に接続され、第2の記憶部を有し、前記第2の端末局の発信規制設定要求及び発信規制解除要求を行う発信規制要求局とを備えた無線通信システムであって、
前記発信規制設定解除局は、前記第1の端末局及び前記第2の端末局が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを示す発信規制状態情報を前記第1の記憶部に記憶し、
前記発信規制要求局は、前記第2の端末局の発信規制状態が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを問合せる発信規制状態問合せ要求を送信し、
前記発信規制設定解除局は、前記基地局を介して前記発信規制状態問合せ要求を受信すると、前記第1の記憶部に記憶した前記発信規制状態情報に基づき、前記第2の端末局の発信規制状態を示す発信規制状態問合せ応答を送信し、
前記発信規制要求局は、前記発信規制状態問合せ応答を受信すると、当該発信規制状態問合せ応答が示す前記第2の端末局の発信規制状態を前記第2の記憶部に記憶することを特徴とする無線通信システム。
第1の端末局と、第2の端末局と、前記第1の端末局及び前記第2の端末局と無線通信を行う基地局と、前記基地局に接続され、第1の記憶部を有し、前記第1の端末局及び前記第2の端末局の発信規制設定及び解除を行う発信規制設定解除局と、前記基地局に接続され、第2の記憶部を有し、前記第2の端末局の発信規制設定要求及び発信規制解除要求を行う発信規制要求局とを備えた無線通信システムであって、
前記発信規制設定解除局は、前記第1の端末局及び前記第2の端末局が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを示す発信規制状態情報を前記第1の記憶部に記憶するものであり、前記第2の端末局の発信規制設定又は解除を行って、該第2の端末局の発信規制状態が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを前記第1の記憶部に記憶するとともに、前記第2の端末局の発信規制状態を示す発信規制更新通知を送信し、
前記発信規制要求局は、前記基地局を介して前記発信規制更新通知を受信すると、前記発信規制更新通知に基づき、前記第2の端末局の発信規制状態が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを、前記第2の記憶部に記憶することを特徴とする無線通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(無線通信システムの構成)
本実施形態の無線通信システムの構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態における無線通信システムの構成を示す図である。
図1の無線通信システムは、例えば、標準規格ARIB STD−T79(Association of Radio Industries and Businesses−T79)の「都道府県・市町村デジタル移動通信システム」、あるいは「市町村デジタル移動通信システム」で定められているデジタル無線システムである。このデジタル無線システムは、基地局を経由した端末局間の通信接続サービスが行なわれるように構成されている。
【0014】
本実施形態では、県庁統制局10内の回線制御装置11aに接続される基地局30が、異なる無線通信システムの共用基地局、例えば県の防災無線システムと市区町村の防災無線システムの共用基地局を構成する。つまり、本実施形態の無線通信システムは、県の防災無線システムと市町村の防災無線システムとが同一の基地局を共同して運用する基地局共用型の無線通信システムである。
図1の例では、基地局1とその傘下の市端末局A、つまり基地局1と基地局1に接続される市端末局Aとを含むようにA市の防災無線システムが構成され、基地局1及び基地局2とそれらの傘下の市端末局Bを含むようにB市の防災無線システムが構成され、基地局1及び基地局2とそれらの傘下の県端末局を含むように県の防災無線システムが構成される。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の無線通信システムは、主として、県庁統制局10と、基地局30(1)〜30(2)と、統制端末局である無線統制局40A〜40Bと、移動可能な端末局である移動局51A(1)〜51A(2),51B(1)〜51B(4),52(1)〜52(2)と、固定された県固定端末局53(1)〜53(3)とを備える。
40A、51A(1)〜51A(2)はA市無線通信システム傘下の端末局、つまりA市無線通信システムに属する端末局であり、40B、51B(1)〜51B(4)はB市無線通信システム傘下の端末局であり、52(1)〜52(2)と53(1)〜53(3)は県無線通信システム傘下の端末局である。
【0016】
基地局30(1)は、A市とB市と県の防災無線システムの端末局の少なくとも一部と接続され、A市とB市と県の防災無線システムで共用される。基地局30(2)は、B市と県の防災無線システムの端末局の少なくとも一部と接続され、B市と県の防災無線システムで共用される。
無線統制局40Aは、基地局30(1)と無線接続され、A市無線通信システム傘下の端末局51Aを統制する統制端末局である。無線統制局40Bは、基地局30(1)と無線接続され、B市無線通信システム傘下の端末局51Bを統制する無線統制局である。
30(1)A、30(2)Aは、それぞれ基地局30(1)、30(2)の基地局エリア、即ち、基地局30の通信エリアを示している。
【0017】
図1の例では、基地局30は、2つ示されているが、3つ以上であってもよい。また、無線統制局40は、2つ示されているが、3つ以上であってもよく、
図1のように1つの基地局30に対し複数設置されることもできる。また、端末局51〜53は計11つ示されているが、1つ以上であれば11つ以外であってもよい。なお、基地局を代表する場合は基地局30と称する。無線統制局を代表する場合は無線統制局40と称する。端末局51〜53を代表する場合は端末局50と称する。各市無線通信システムの端末局を代表する場合は市端末局51と称する。県移動端末局を代表する場合は県移動端末局52と称する。県固定端末局を代表する場合は県固定端末局53と称する。県移動端末局と県固定端末局を代表する場合は県端末局と称する。
【0018】
また、
図1の例では、県庁統制局10内の回線制御装置11aと基地局30との間は、例えばマイクロ波回線(多重回線)を用いて接続されるが、有線接続としてもよい。基地局30と端末局50との間、及び基地局30と無線統制局40との間は、例えば260MHzのデジタル無線により無線通信可能なように接続される。なお、基地局30と無線統制局40との間を有線接続としてもよい。この場合、無線統制局40は固定局となる。
【0019】
県庁統制局10は、県庁統制局10内の県庁統制台13により、基地局30と回線制御装置11aを介して、県防災無線システム傘下の県移動端末局52や県固定端末局53との間で通信可能である。また、県庁統制局10は、各市の無線統制局40との間で通信可能である。また、県庁統制局10は、県庁統制台13により、基地局30と回線制御装置11aを介して、県移動端末局52と県固定端末局53に対して統制可能である。また、県庁統制局10は、基地局30と回線制御装置11aを介して、県移動端末局52と県固定端末局53、及び各市無線通信システム傘下の市端末局51に対して発信規制設定又は発信規制解除を行うことのできる発信規制設定解除局である。このように、県庁統制局10は、県防災無線システムに属し、県防災無線システムに属する端末局を統制し発信規制する統制局であるが、各市無線通信システムに属する端末局に対しても発信規制することができる。
図1の例では、県庁統制局10は、基地局30(1)及び基地局30(2)に接続されている。
【0020】
また、各市の無線統制局40は、基地局30と回線制御装置11aを介して、それぞれの市無線通信システム傘下の市端末局51と通信可能であり、また、それぞれの市無線通信システム傘下の市端末局51に対して統制可能である。このように、無線統制局40は、市防災無線システムに属し、その市防災無線システムに属する端末局を統制する統制局である。また、各市の無線統制局40は、それぞれの市無線通信システム傘下の市端末局51に対する発信規制設定又は解除を行うよう、県庁統制局10に対して要求を行うことのできる発信規制要求局である。なお、各市の無線統制局40は、県端末局である県移動端末局52と県固定端末局53に対する発信規制設定要求又は解除要求を行うことはできない。
図1の例では、A市及びB市の無線統制局40は、基地局30(1)に接続されている。また、各市の無線統制局40は、基地局30と回線制御装置11aを介して、県庁統制局10との間で通信可能である。
県庁統制局10と無線統制局40の統制機能や発信規制機能については、後述する。
【0021】
また、各市の市端末局51は、基地局30と回線制御装置11aを介して、それぞれの市無線通信システム傘下の市端末局51や無線統制局40と通信可能である。しかし、通常時は、他市や県の無線通信システム傘下の端末局等とは通信できない。回線制御装置11aは、通常時は、市端末局51が発呼時に発信した通信接続要求に含まれる発信元アドレスやシステムコード等に基づき、同じ市無線通信システム傘下の市端末局51とは通信接続を行うが、他の市無線通信システム傘下の市端末局51や県の無線通信システム傘下の端末局52等とは通信接続を行わないようになっている。
【0022】
例えば、通信エリア30(2)Aに存在するB市の端末局51B(2)は、基地局30(2)と回線制御装置11aを介して、同じ通信エリア30(2)Aに存在するB市の端末局51B(3)と通信可能であり、基地局30(2)と回線制御装置11aと基地局30(1)とを介して、通信エリア30(1)Aに存在するB市の端末局51B(1)と通信可能であるが、県やA市の端末局とは通信できない。
【0023】
同様に、各市の無線統制局40は、基地局30と回線制御装置11aを介して、それぞれの市無線通信システム傘下の市端末局51と通信可能であるが、他市や県の無線通信システム傘下の端末局等とは通信できない。例えば、通信エリア30(1)Aに存在するB市の無線統制局40Bは、基地局30(1)と回線制御装置11aを介して、同じ通信エリア30(1)Aに存在するB市の端末局51B(1)と通信可能であり、基地局30(1)と回線制御装置11aと基地局30(2)とを介して、通信エリア30(2)Aに存在するB市の端末局51B(2)と通信可能であるが、県やA市の端末局とは通信できない。
【0024】
また、県移動端末局52や県固定端末局53は、基地局30と回線制御装置11aを介して、県庁統制台13や同じ通信エリア又は他の通信エリアに存在する県移動端末局52や県固定端末局53と通信可能であるが、他市の無線通信システム傘下の端末局等とは通信できない。例えば、通信エリア30(1)Aに存在する県移動端末局52(1)は、基地局30(1)と回線制御装置11aを介して、同じ通信エリア30(1)Aに存在する県固定端末局53(1)や県固定端末局53(2)と通信可能であり、基地局30(1)と回線制御装置11aと基地局30(2)とを介して、通信エリア30(2)Aに存在する県移動端末局52(2)や県固定端末局53(3)と通信可能であるが、A市やB市の端末局とは通信できない。
【0025】
(通信チャネルの構成)
標準規格ARIB STD−T79で定められているデジタル無線技術を用いたデジタル無線システムで使用が許可されている無線キャリア(carrier)周波数割当ての一例を
図9に示す。
図9において、例えば、上り方向、即ち、端末局→基地局の方向では、約260MHz〜266MHzの無線キャリアfで、25kHz幅で、複数波(f1、f2、・・・)が認められている。また、下り方向、即ち、基地局→端末局の方向では、上り方向の260MHzから9MHz離れた約269MHz〜275MHzの無線キャリアFで、25kHz幅で、複数波(F1、F2、・・・)が認められている。従って、デジタル無線システムの通信においては、上り方向f1、f2、・・・、下り方向F1、F2、・・・の各周波数が使用される。そして、各システムは、その規模に応じて1又は複数の無線キャリアを使用することができる。例えば、
図1の例では、基地局30(1)はf1とF1を使用し、基地局30(2)はf2とF2を使用することが可能である。
【0026】
更に、各無線キャリア、例えば、F1、f1は、
図10に示すようなフレームに分割され、さらにフレームを4つのスロットに分けられた後、そのスロットに制御チャネルCと通信チャネルS1、S2、S3が割り当てられている。なお、通信チャネルS1、S2、S3を代表する場合は、通信チャネルSと称する。ここで、1フレームは、例えば、40ms、1スロットは10msである。制御チャネルCは、無線回線の接続制御を行うチャネルであり、通信チャネルSは、通話やデータ通信を行うチャネルである。なお、
図10は、一例を示すもので、システムの規模、使用目的に応じて上り下りのペア波の数、制御チャネル、通信チャネルの数等を適宜変更することができる。
【0027】
(県庁統制局)
県庁統制局について、
図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態における県庁統制局の構成である。県庁統制局10は、統制局制御装置11と、記憶部12と、県庁統制台13と、管理装置14と、統制局制御装置11と基地局30とを接続するための接続部としてのインターフェース(IF)であるIF15を備える。統制局制御装置11は、回線制御装置11aを含む、つまり回線制御機能を含む。
なお、統制局制御装置11は、基地局30の1つと一体に構成される場合もあれば、
図1のように離れた場所に設置される場合もある。また、回線制御装置11aを、県庁統制局10と分離して構成することも可能である。
【0028】
回線制御装置11aは、本実施形態では、県庁統制台13と、基地局30(1)と、基地局30(2)とに接続されている。そして、回線制御装置11aは、県庁統制台13と県端末局との間と、県の端末局間と、無線統制局40と当該無線統制局40が属する市無線通信システム内の端末局との間と、同じ市無線通信システム内の端末局間と、無線統制局40と統制局制御装置11との間の回線接続制御を行う。
このように、回線制御装置11aは、県庁統制局10や無線統制局40や端末局50からの発呼制御あるいは通信ルートの設定等を行い、県庁統制局10や無線統制局40や端末局50間の通信接続およびサービスエリアの維持、管理等を行う。
【0029】
詳しくは、県庁統制局10や無線統制局40や端末局50からの発信情報には、宛先を示す宛先アドレス(例えば送信先端末の呼出電話番号)、発信元を示す発信元アドレス(例えば発信元端末の電話番号)、県や各市の防災無線システムを識別するシステムコードが含まれる。なお、システムコードはアドレスの一部であってもよい。また、回線制御装置11aは、各無線統制局40や各端末局50が接続されている基地局30の情報、つまり各無線統制局40や各端末局50の位置登録情報を把握している。回線制御装置11aは、上述の発信情報と位置登録情報に基づいて、通信ルートの設定を行う、つまり、その通信に使用する基地局30や通信スロットを決定する。
【0030】
統制局制御装置11は、県庁統制局10を構成する各構成部や、県庁統制局10全体を制御する。
また、統制局制御装置11は、無線統制局40からの発信規制設定要求を、基地局30を介して受信すると、該無線統制局40が発信規制対象として指定した市端末局51に対する発信規制設定を行うよう制御する。発信規制設定に成功した場合は、発信規制設定要求を送信した無線統制局40に対し、基地局30を介して、無線統制局40からの発信規制設定要求が県庁統制局10で受け入れられたことを示す発信規制応答(成功)を送信する。発信規制に失敗した場合は、無線統制局40からの発信規制設定要求が県庁統制局10で受け入れられなかったことを示す発信規制応答(失敗)を送信する。
【0031】
詳しくは、統制局制御装置11は、無線統制局40からの発信規制設定要求を受信すると、統制局制御装置11と管理装置14とが通信接続されている場合(つまり通信可能な状態である場合)は、無線統制局40から受信した発信規制設定要求を、システム情報設定要求(発信規制設定)として、管理装置14へ送信する。システム情報設定要求(発信規制設定)には、無線統制局40から受信した発信規制設定要求が含まれる。
管理装置14は、統制局制御装置11からのシステム情報設定要求(発信規制設定)を受信すると、該受信したシステム情報設定要求(発信規制設定)に基づき、発信規制対象の市端末局51を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)を、記憶部12内の発信規制対象テーブル12aに登録する。
【0032】
その後、市端末局51が発呼を行ったときに、統制局制御装置11は、この市端末局51からの発信要求を基地局30を介して受信すると、発信規制対象テーブル12aを参照し、発信要求を行った市端末局51が発信規制対象端末局であるか否かを判定する。具体的には、受信した発信要求に含まれる発信元の市端末局51の識別子が、発信規制対象テーブル12aに登録されているか否かを判定する。市端末局51からの発信要求には、発信元と発信先(宛先)の市端末局51を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)が含まれている。
【0033】
発信要求を行った市端末局51が発信規制対象端末局であった場合は、統制局制御装置11は、発信要求を受け付けず、その市端末局51へ基地局30を介して、発信拒否を通知する。発信要求を行った市端末局51が発信規制対象端末局でなかった場合は、統制局制御装置11は、発信要求を受け付け、発信元と発信先の市端末局51の間の通信接続を行う。
【0034】
また、統制局制御装置11は、無線統制局40からの発信規制解除要求を、基地局30を介して受信すると、該無線統制局40が発信規制解除対象として指定した市端末局51に対する発信規制を解除するよう制御する。発信規制解除に成功した場合は、発信規制解除要求を送信した無線統制局40に対し、基地局30を介して、発信規制応答(成功)を送信する。発信規制解除に失敗した場合は、発信規制応答(失敗)を送信する。
【0035】
詳しくは、統制局制御装置11は、無線統制局40からの発信規制解除要求を受信すると、統制局制御装置11と管理装置14とが通信接続されている場合(つまり通信可能な状態である場合)、無線統制局40から受信した発信規制解除要求を、システム情報設定要求(発信規制解除)として、管理装置14へ送信する。システム情報設定要求(発信規制解除)には、無線統制局40から受信した発信規制解除要求が含まれる。
管理装置14は、統制局制御装置11からのシステム情報設定要求(発信規制解除)を受信すると、該受信したシステム情報設定要求(発信規制解除)に基づき、発信規制解除対象の市端末局51を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)を、記憶部12内の発信規制対象テーブル12aから削除する。
【0036】
また、統制局制御装置11は、管理装置14から操作者が県又は市の特定の端末局50を指定して発信規制設定要求を行うと、発信規制対象として指定された端末局50に対して、発信規制(発信拒否)を行うよう動作する。そして、発信規制対象の端末局50が市端末局51である場合は、その市端末局51が属する無線統制局40へ、発信規制対象の市端末局51の発信規制状態を示す発信規制更新通知を、基地局30を介して送信する。発信規制更新通知を受信することにより、無線統制局40は、該無線統制局40が属する市町村の防災無線システム傘下の市端末局51が発信規制設定又は解除されたことを認識することができる。
【0037】
詳しくは、統制局制御装置11は、管理装置14からのシステム情報設定要求(発信規制設定要求)を受信すると、システム情報設定要求(発信規制設定要求)が統制局制御装置11へ届いたことを示すシステム情報設定応答(成功)を、管理装置14へ返信するとともに、発信規制対象の端末局50が市端末局51である場合は、その市端末局51が属する無線統制局40へ、発信規制対象の市端末局51の発信規制状態が更新されることと該更新後の発信規制状態とを示す発信規制更新通知を、基地局30を介して送信する。管理装置14は、統制局制御装置11からシステム情報設定応答(成功)を受信すると、発信規制対象の端末局50を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)を、記憶部12内の発信規制対象テーブル12aに登録する。
【0038】
その後、県又は市の端末局50が発呼を行ったときに、この端末局50からの発信要求を基地局30を介して受信すると、統制局制御装置11は、発信規制対象テーブル12aを参照し、発信要求を行った端末局50が発信規制対象端末局であるか否かを判定する。端末局50からの発信要求には、発信元と発信先(宛先)の端末局50を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)が含まれている。
【0039】
発信要求を行った端末局50が発信規制対象端末局であった場合は、統制局制御装置11は、発信要求を受け付けず、その端末局50へ基地局30を介して、発信拒否を通知する。発信規制対象端末局でなかった場合は、統制局制御装置11は、発信要求を受け付け、宛先の端末局50との間の通信接続を行う。
【0040】
また、統制局制御装置11は、管理装置14から操作者が県又は市の特定の端末局50を指定して発信規制解除要求を行うと、発信規制解除対象として指定された端末局50に対する発信規制(発信拒否)を行わないよう動作する。そして、発信規制解除対象の端末局50が市端末局51である場合は、その市端末局51が属する無線統制局40へ、基地局30を介して発信規制更新通知を送信する。発信規制更新通知を受信することにより、無線統制局40は、該無線統制局40が属する市町村の防災無線システム傘下の市端末局51が発信規制解除されたことを認識することができる。
【0041】
詳しくは、統制局制御装置11は、管理装置14からのシステム情報設定要求(発信規制解除要求)を受信すると、システム情報設定要求(発信規制解除要求)が統制局制御装置11へ届いたことを示すシステム情報設定応答(成功)を、管理装置14へ返信するとともに、発信規制解除対象の端末局50が市端末局51である場合は、その市端末局51が属する無線統制局40へ、基地局30を介して発信規制更新通知を送信する。管理装置14は、統制局制御装置11からシステム情報設定応答(成功)を受信すると、発信規制解除対象の端末局50を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)を、記憶部12内の発信規制対象テーブル12aから削除する。
【0042】
また、統制局制御装置11は、無線統制局40からの発信規制状態問合せ要求を、基地局30を介して受信すると、該無線統制局40が属する市町村の防災無線システム傘下の市端末局51が発信規制対象端末局であるか否かを示す情報、つまり発信規制設定状態であるか解除状態であるかを示す情報を、発信規制状態問合せ応答として、発信規制状態問合せ要求を行った無線統制局40へ、基地局30を介して送信する。発信規制状態問合せ応答には、発信規制された市端末局51を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)が含まれている。
【0043】
上述した無線統制局40から基地局30へ送信される発信規制設定要求と発信規制解除要求と発信規制状態問合せ要求、基地局30から無線統制局40へ送信される発信規制応答(成功)、発信規制応答(失敗)、発信規制更新通知、発信規制状態問合せ応答は、本実施形態では、
図10に示す制御チャネルCを用い、制御情報の一種であるショートメッセージとして無線送信される。
【0044】
このショートメッセージには、この制御情報がショートメッセージであることを示すメッセージ種別と、発信元を示す識別子である発信者識別(例えば電話番号)と、発信先(宛先)を示す識別子である宛先識別としての呼出番号(例えば電話番号)と、拡張情報とが含まれている。
【0045】
無線統制局40から基地局30へ送信される発信規制設定要求と発信規制解除要求と発信規制状態問合せ要求の場合は、発信者識別は、無線統制局40の例えば電話番号であり、宛先識別は、県庁統制局10の例えば電話番号である。また、基地局30から無線統制局40へ送信される発信規制応答(成功)、発信規制応答(失敗)、発信規制更新通知、発信規制状態問合せ応答の場合は、発信者識別は、県庁統制局10の例えば電話番号であり、宛先識別は、無線統制局40の例えば電話番号である。
【0046】
本実施形態では、発信規制設定要求の場合は、ショートメッセージ中の拡張情報に、発信規制設定したい市端末局51の局番号(つまり電話番号)が含まれている。例えば、拡張情報に、発信規制したい市端末局51の局数、発信規制したい市端末局51の先頭の局番号を含むように構成するのが好ましい。このように構成すると、先頭の局番号から昇順又は降順に指定した数の市端末局51が、発信規制設定の対象となるので、複数の市端末局51を発信規制する際の指定が容易となる。
【0047】
また、発信規制解除要求の場合は、拡張情報に、発信規制解除したい市端末局51の局番号(電話番号)が含まれている。例えば、拡張情報に、発信規制解除したい市端末局51の局数、発信規制解除したい市端末局51の先頭の局番号を含むように構成するのが好ましい。このように構成した場合は、複数の市端末局51を発信規制解除する際の指定が容易となる。
【0048】
また、発信規制状態問合せ要求の場合は、拡張情報に、発信規制状態を問合せしたい市端末局51の局番号(電話番号)が含まれている。例えば、拡張情報に、問合せしたい市端末局51の局数、問合せしたい市端末局51の先頭の局番号を含むように構成するのが好ましい。このように構成した場合は、複数の市端末局51に問合せする際の指定が容易となる。
【0049】
また、発信規制応答(成功)と発信規制応答(失敗)の場合は、拡張情報に、発信規制状態を問合せされた市端末局51の局番号(電話番号)が含まれている。例えば、拡張情報に、問合せされた市端末局51の局数、問合せされた市端末局51の先頭の局番号を含むように構成するのが好ましい。このように構成した場合は、問合せ応答する際の市端末局51の指定が容易となる。
なお、問合せした無線統制局40は、発信規制状態を問合せされた市端末局51の局番号(電話番号)を知っているので、発信規制応答(成功)と発信規制応答(失敗)に、発信規制状態を問合せされた市端末局51の局番号(電話番号)が含まれないよう構成することも可能である。
【0050】
記憶部12は、上述した発信規制対象テーブル12aを記憶する、つまり、県の防災無線システムと市の防災無線システム傘下の各端末局50が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを示す発信規制状態情報を記憶する。
【0051】
また、記憶部12は、各端末局50や各無線統制局40を識別する識別子、例えば呼出電話番号を、各端末局50や各無線統制局40が接続されている基地局30の識別子、例えば基地局番号と対応付けて記憶する。各端末局50や各無線統制局40の呼出電話番号と基地局番号との対応付けは、公知の位置登録技術により取得することができる。詳しくは、各端末局50や各無線統制局40がどの基地局30に接続されているかを示す位置登録情報は、各基地局30から周期的に、回線制御装置11aへ送信され、回線制御装置11aにより記憶部12に登録される。各端末局50や各無線統制局40は、周期的に自己の識別情報(例えば呼出電話番号)を発信しており、該識別情報を受信することにより、各基地局30は、各端末局50や各無線統制局40の位置情報を取得し、回線制御装置11aへ送信する。
【0052】
県庁統制台13は、操作表示部(不図示)やマイクやスピーカ(不図示)等を備え、操作者が県庁統制台13を操作して、県防災無線システム傘下の各端末局との間で、回線制御装置11aと基地局30を介して通信することができる。また、操作者が県庁統制台13を操作して、県防災無線システム傘下の各端末局へ緊急の指示を出す等の統制動作を行うことができる。
【0053】
県庁統制局10の統制機能は、例えば一斉通信機能と通話切断機能とを含む。一斉通信機能は、県庁統制台13から県防災無線システム傘下の全端末局に対し一斉通信するものである。通話切断機能は、県庁統制台13から県防災無線システム傘下の端末局を指定して、通話切断するものである。
【0054】
また、県庁統制局10の発信規制機能は、県防災無線システム傘下及び市町村防災無線システム傘下の特定の端末局に対し発信規制設定又は発信規制解除を行うものである。発信規制設定された端末局は、通話のための発呼を行っても、該発呼を県庁統制局10が受け付けない(発信拒否)ので、通話することができない。例えば、ある時点において比較的重要でない端末局を発信規制することにより、通信チャネルが確保できるので、より重要な端末局から確実に発信を行うことができる。
【0055】
管理装置14は、操作表示部14aを備え、無線通信システムの状態確認等、無線通信システムの基本的な管理情報の設定やメンテナンスをする機能を有する。管理装置14は、主に無線通信システムの管理者が、上記操作表示部14aを用いて操作するように構成されている。
【0056】
また、管理装置14は、上述したように、統制局制御装置11からシステム情報設定要求(発信規制設定)を受信すると、発信規制対象の市端末局51を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)を、記憶部12内の発信規制対象テーブル12aに登録し、統制局制御装置11からシステム情報設定要求(発信規制解除)を受信すると、発信規制対象の市端末局51を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)を、発信規制対象テーブル12aから削除する。
【0057】
また、管理装置14は、上述したように、操作表示部14aから操作者が特定の端末局50を指定して行った発信規制設定要求を受け付けると、システム情報設定要求(発信規制設定)を、統制局制御装置11へ送信する。そして、該システム情報設定要求(発信規制設定)の応答であるシステム情報設定応答(成功)を、統制局制御装置11から受信すると、発信規制対象の端末局50を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)を、記憶部12内の発信規制対象テーブル12aに登録する。
【0058】
また、管理装置14は、操作表示部14aから操作者が県又は市の特定の端末局50を指定して行った発信規制解除要求を受け付けると、システム情報設定要求(発信規制解除)を、統制局制御装置11へ送信する。そして、該システム情報設定要求(発信規制解除)の応答であるシステム情報設定応答(成功)を、統制局制御装置11から受信すると、発信規制対象の市端末局51を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)を、発信規制対象テーブル12aから削除する。
【0059】
(基地局)
基地局について、
図3を用いて説明する。
図3は、本実施形態における基地局の構成である。基地局30は、制御部31と、記憶部32と、送信部33と、受信部34と、基地局30と県庁統制局10とを接続するための接続部としてのインターフェース(IF)であるIF35を備える。
【0060】
送信部33は、アンテナ33aを備え、制御部31から出力されたベースバンド信号を無線周波数信号に変換し、当該基地局傘下の端末局50や無線統制局40に対して、アンテナ33aを介して、無線キャリアFを用いて無線送信を行う。受信部34は、アンテナ34aを備え、アンテナ34aを介して当該基地局傘下の端末局50や無線統制局40から、無線キャリアfを用いた無線周波数信号を受信し、ベースバンド信号に変換して制御部31へ出力する。
【0061】
記憶部32には、当該基地局傘下の端末局50や無線統制局40を識別する識別子である呼出電話番号や、上述したシステムコードが記憶されている。
【0062】
制御部31は、基地局30を構成する各構成部や、基地局30全体を制御するもので、また、制御部31は、県庁統制局10や端末局等から受信した受信情報に含まれるシステムコードが、記憶部32に記憶している自局のシステムコードと異なる場合は、その受信情報を無視し送信しない。
【0063】
(無線統制局)
無線統制局(無線統制局)について、
図4を用いて説明する。
図4は、本実施形態における無線統制局の構成である。無線統制局40は、制御部41と、記憶部42と、送信部43と、受信部44と、統制台45と、操作表示部46とを備える。
【0064】
統制台45は、制御部41と接続され、操作表示部46やマイクやスピーカ(不図示)等を備える。そして、操作者が統制台45の操作表示部46を操作することにより、当該無線統制局40と同じ市防災無線システム傘下の各端末局51との間で通信することができ、また、当該無線統制局40と同じ市防災無線システム傘下の各端末局51へ緊急の指示を出す等の統制動作を行うことができ、また、当該無線統制局40と同じ市防災無線システム傘下の各端末局51に対する発信規制設定要求又は発信規制解除要求を、県庁統制局10に対して行うことができる。
【0065】
無線統制局40の統制機能は、県庁統制局10の統制機能と同様に、例えば一斉通信機能と通話切断機能とを含む。
無線統制局40の一斉通信機能は、無線統制局40の統制台45から、当該無線統制局40と同じ市防災無線システム傘下の全端末局51に対し一斉通信するものである。
無線統制局40の通話切断機能は、統制台45から、当該無線統制局40と同じ市防災無線システム傘下の端末局51を指定して、通話切断するものである。
無線統制局40の発信規制機能は、統制台45から、当該無線統制局40と同じ市防災無線システム傘下の端末局51を指定して、発信規制設定要求又は発信規制解除要求を、県庁統制局10に対して行うものである。
【0066】
このように、無線統制局40は、当該無線統制局40が属する市防災無線システム傘下の各端末局51を統制するとともに、当該無線統制局40が属する市防災無線システム傘下の各端末局51と通信可能な統制端末局であり、当該無線統制局40と同じ市防災無線システム傘下の端末局51に対する発信規制設定要求又は発信規制解除要求を、県庁統制局10に対して行う発信規制要求局である。なお、本実施形態では、無線統制局40は、他の端末局51と同じ通信機能を有する必要はなく、少なくとも発信規制機能を有すればよい。
【0067】
また、無線統制局40は、操作表示部46により、操作者からの発信規制設定要求や発信規制解除要求を受け付けると、該受け付けた発信規制設定要求や発信規制解除要求を、ショートメッセージを用いて、基地局30を介して県庁統制局10へ送信する。これらの発信規制設定要求や発信規制解除要求には、上述したように、発信規制対象の市端末局51を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)が含まれている。
【0068】
そして、無線統制局40は、発信規制設定要求や発信規制解除要求への応答である発信規制応答(成功)を、県庁統制局10から基地局30を介して、ショートメッセージで受信することにより、発信規制設定要求や発信規制解除要求が成功したことを認識するとともに、発信規制設定対象の市端末局51を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)を自身の記憶部42へ登録する、又は、発信規制解除対象の市端末局51を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)を自身の記憶部42から削除する。
【0069】
また、無線統制局40は、発信規制状態が更新(つまり発信規制が設定又は解除)されたことと、更新後の発信規制状態とを示す発信規制更新通知を、県庁統制局10から基地局30を介して、ショートメッセージで受信することにより、発信規制状態が更新されたことと、更新後の発信規制状態とを認識するとともに、当該無線統制局40が属する市防災無線システム傘下の発信規制設定対象の市端末局51を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)を自身の記憶部42へ登録する、又は、発信規制解除対象の市端末局51を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)を自身の記憶部42から削除する。
【0070】
また、無線統制局40は、操作者から操作表示部46を介して、当該無線統制局40と同じ市防災無線システム傘下の端末局51に対する発信規制状態問合せを受け付けると、該受け付けた問合せ対象の端末局51の発信規制状態が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを問合せる発信規制状態問合せ要求を、ショートメッセージを用いて、基地局30を介して県庁統制局10へ送信する。この発信規制状態問合せ要求には、上述したように、問合せ対象の市端末局51を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)が含まれている。
【0071】
そして、無線統制局40は、発信規制状態問合せ要求への応答である発信規制状態問合せ応答を、県庁統制局10から基地局30を介して、ショートメッセージで受信することにより、問合せ対象の市端末局51が発信規制設定状態であるか解除状態であるかの発信規制状態を認識することができる。県庁統制局10からの発信規制状態問合せ応答には、問合せ対象の端末局51の発信規制状態が示されている。
【0072】
記憶部42には、当該無線統制局40を識別する識別子である呼出電話番号や、上述したシステムコードや、当該無線統制局40に関係する基地局30、例えば、無線統制局40のシステムが使用する基地局30の識別子である基地局番号、つまり、当該無線統制局40が属する市防災無線システム傘下の基地局30の基地局番号が登録されている。この登録は、例えば、操作表示部46を介して操作者により行われる。
例えば、
図1の例のように、B市無線統制局40Bが基地局30(1)と基地局30(2)とを使用する場合は、B市無線統制局40Bの記憶部42には、基地局30(1)と基地局30(2)の基地局番号が、関係する使用基地局番号として登録される。
【0073】
また、記憶部42には、当該無線統制局40と同じ市防災無線システム傘下の各端末局51が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを示す発信規制状態が登録される。この登録は、当該無線統制局40の操作表示部46を介して、上述した発信規制設定要求又は発信規制解除要求を操作者が行うことにより、又は、管理装置14の操作表示部14aを介して、上述したシステム情報設定要求を操作者が行うことにより、行われる。
【0074】
無線統制局40で発信規制状態を変更する場合は、無線統制局40から送信された発信規制要求(設定又は解除)が管理装置14へ送信され、その応答として、管理装置14から送信されたシステム情報設定応答(成功)を、無線統制局40が、基地局30から発信規制応答(成功)として受信する。そして、発信規制応答(成功)を受信した後、記憶部42の発信規制状態が更新される。
【0075】
また、管理装置14で発信規制状態を変更する場合は、管理装置14から送信されたシステム情報設定要求(発信規制設定又は解除)を、無線統制局40が、基地局30から発信規制更新通知として受信する。そして、発信規制更新通知を受信した後、記憶部42の発信規制状態が更新される。
【0076】
このようにすることで、統制局記憶部12に登録されている発信規制状態と、無線統制局記憶部42に登録されている発信規制状態との整合を図るようにしている。
【0077】
制御部41は、無線統制局40を構成する各構成部や、無線統制局40全体を制御するもので、上述した無線統制局40の統制機能や発信規制機能や通信機能を制御する。
また、制御部41は、県庁統制局10や他の端末局等から受信した受信情報に含まれるシステムコードが自局のシステムコードと異なる場合は、その受信情報を無視する。
【0078】
送信部43は、アンテナ43aを備え、制御部41から出力されたベースバンド信号を無線周波数信号に変換し、アンテナ43aを介して周波数fで無線送信を行う。
受信部44は、アンテナ44aを備え、アンテナ44aを介して周波数Fの無線周波数信号を受信し、ベースバンド信号に変換して制御部41へ出力する。
【0079】
(端末局)
端末局について、
図5を用いて説明する。
図5は、本実施形態における端末局の構成である。端末局50は、制御部61と、記憶部62と、送信部63と、受信部64と、送受信を切換える切換スイッチ65と、アンテナ65aと、操作表示部67と、マイク68と、スピーカ69を備える。
【0080】
記憶部62には、当該端末局50を識別する識別子である呼出電話番号や、上述したシステムコードが予め記憶され登録されている。この登録は、例えば、操作表示部67を介して操作者により行われる。
【0081】
制御部61は、端末局50を構成する上記各構成部や、端末局50全体を制御するもので、例えば、マイク68から出力された音声信号をベースバンド信号に変換して送信部63へ出力し、受信部64から出力されたベースバンド信号を音声信号に変換してスピーカ69へ出力する。
また、制御部61は、県庁統制局10や他の端末局等から受信した受信情報に含まれるシステムコードが自局のシステムコードと異なる場合は、その受信情報を無視する。
【0082】
送信部63は、制御部61から出力されたベースバンド信号を周波数fの無線周波数信号に変換し、アンテナ65aを介して無線送信を行う。受信部64は、アンテナ65aを介して周波数Fの無線周波数信号を受信し、ベースバンド信号に変換して制御部61へ出力する。切換スイッチ65は、制御部61の指示に基づき、送信部63又は受信部64とアンテナ65aとを接続する。
【0083】
回線制御装置11a、統制局制御装置11、管理装置14、基地局制御部31、無線統制局制御部41、端末局制御部61は、それぞれ、ハードウエア構成としては、CPU(Central Processing Unit)と当該制御装置や制御部の動作プログラム等を格納するメモリを備えており、CPUは、この動作プログラムに従って動作する。
また、県庁統制局記憶部12、基地局記憶部32、無線統制局記憶部42、端末局制御部62は、半導体メモリやハードディスク装置等により構成することができる。なお、県庁統制局記憶部12の発信規制対象テーブル12aや無線統制局記憶部42は、不揮発性メモリで構成することが望ましく、こうすると、電源断した場合も発信規制状態を保持することができる。
【0084】
(無線統制局からの発信規制設定/解除シーケンス)
図6は、本発明の実施形態における無線統制局からの発信規制設定/解除シーケンスを示す図である。
まず、無線統制局からの発信規制設定シーケンスを説明する。まず、無線統制局40の操作表示部46において、操作者が発信規制設定対象の市端末局である移動局51を指定して発信規制設定操作を行うと、発信規制設定要求が、ショートメッセージにより、基地局30へ送信される(
図6のステップS1)。この発信規制設定要求には、発信規制対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)と、発信規制設定要求元、つまり発信規制設定要求の送信元である無線統制局40を特定する識別子(例えば電話番号)と、発信規制設定要求の送信先、つまり統制局10を特定する識別子(例えば電話番号)と、発信規制設定要求であることを示す情報とが含まれる。
【0085】
無線統制局40からの発信規制設定要求を受信すると、基地局30は、受信した発信規制設定要求を、発信規制設定要求電文として、統制局制御装置11へ転送する(ステップS2)。この発信規制設定要求電文には、無線統制局40からの発信規制設定要求と同様に、発信規制対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)と、送信元である発信規制設定要求元を特定する識別子と、送信先である統制局10を特定する識別子と、発信規制設定要求であることを示す情報とが含まれる。
【0086】
基地局30からの発信規制設定要求電文を受信すると、統制局制御装置11は、管理装置14との間の通信接続状態を確認し(ステップS3)、通信接続されている場合は、システム情報設定要求電文(発信規制設定)を、管理装置14へ送信する(ステップS4)。このシステム情報設定要求電文には、発信規制対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)と、送信元である発信規制設定要求元を特定する識別子と、発信規制設定要求であることを示す情報とが含まれる。
【0087】
統制局制御装置11からのシステム情報設定要求電文を受信すると、管理装置14は、発信規制対象の移動局51を発信規制対象テーブル12aに登録するとともに、システム情報設定応答(成功)電文を、統制局制御装置11へ送信する(ステップS5)。このシステム情報設定応答(成功)電文には、送信先である発信規制設定要求元の無線統制局40を特定する識別子と、システム情報設定応答(成功)であることを示す情報とが含まれる。なお、システム情報設定応答(成功)電文に、発信規制対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)を含むように構成してもよい。
【0088】
管理装置14からのシステム情報設定応答(成功)電文を受信すると、統制局制御装置11は、発信規制応答(成功)電文を、基地局30へ送信する(ステップS6)。この発信規制応答(成功)電文には、送信先である発信規制設定要求元の無線統制局40を特定する識別子と、システム情報設定応答(成功)であることを示す情報とが含まれる。なお、発信規制応答(成功)電文に、発信規制対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)を含むように構成してもよい。
【0089】
統制局制御装置11からの発信規制応答(成功)電文を受信すると、基地局30は、ショートメッセージにより、発信規制応答(成功)を無線統制局40へ送信する(ステップS7)。この発信規制応答(成功)には、送信先である発信規制設定要求元の無線統制局40を特定する識別子と、発信規制応答(成功)であることを示す情報とが含まれる。これにより、無線統制局40は、発信規制設定要求が成功したことを認識し、発信規制対象の移動局51を無線統制局記憶部42に登録する。なお、発信規制応答(成功)に、発信規制対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)を含むように構成してもよい。
【0090】
ステップS3において、統制局制御装置11が管理装置14に通信接続されていない場合は、統制局制御装置11は、発信規制応答(失敗)電文を、基地局30へ送信する(ステップS8)。この発信規制応答(失敗)電文には、送信先である発信規制設定要求元の無線統制局40を特定する識別子と、発信規制応答(失敗)であることを示す情報とが含まれる。なお、発信規制応答(失敗)電文に、発信規制対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)を含むように構成してもよい。
【0091】
統制局制御装置11からの発信規制応答(失敗)電文を受信すると、基地局30は、ショートメッセージにより、発信規制応答(失敗)を無線統制局40へ送信する(ステップS9)。この発信規制応答(失敗)には、送信先である発信規制設定要求元の無線統制局40を特定する識別子と、発信規制応答(失敗)であることを示す情報とが含まれる。これにより、無線統制局40は、発信規制要求が失敗したことを認識し、発信規制対象の移動局51を無線統制局記憶部42に登録しない。なお、発信規制応答(失敗)に、発信規制対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)を含むように構成してもよい。
【0092】
こうして、移動局51に発信規制が設定された場合、該移動局51から発信要求がなされ(ステップS11)、基地局30が、該発信要求を統制局制御装置11へ送信しても(ステップS12)、該移動局51に発信規制が設定されているので、統制局制御装置11は、発信拒否を基地局30へ送信し(ステップS13)、基地局30は当該移動局51へ発信拒否を送信する(ステップS14)。
【0093】
次に、
図6を用いて無線統制局からの発信規制解除シーケンスを説明する。
まず、無線統制局40の操作表示部46において、操作者が発信規制解除対象の市端末局である移動局51を指定して発信規制解除操作を行うと、発信規制解除要求が、ショートメッセージにより、基地局30へ送信される(
図6のステップS1)。この発信規制解除要求には、発信規制解除対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)と、発信規制解除要求元、つまり発信規制解除要求の送信元である無線統制局40を特定する識別子(例えば電話番号)と、発信規制解除要求の送信先、つまり統制局10を特定する識別子と、発信規制解除要求であることを示す情報とが含まれる。
【0094】
無線統制局40からの発信規制解除要求を受信すると、基地局30は、受信した発信規制解除要求を、発信規制解除要求電文として、統制局制御装置11へ転送する(ステップS2)。この発信規制解除要求電文には、無線統制局40からの発信規制解除要求と同様に、発信規制解除対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)と、送信元である発信規制解除要求元を特定する識別子と、送信先である統制局10を特定する識別子と、発信規制解除要求であることを示す情報とが含まれる。
【0095】
基地局30からの発信規制解除要求電文を受信すると、統制局制御装置11は、管理装置14との間の通信接続状態を確認し(ステップS3)、通信接続されている場合は、システム情報設定要求電文(発信規制解除)を、管理装置14へ送信する(ステップS4)。このシステム情報設定要求電文には、発信規制解除対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)と、送信元である発信規制解除要求元を特定する識別子と、発信規制解除要求であることを示す情報とが含まれる。
【0096】
統制局制御装置11からのシステム情報設定要求電文を受信すると、管理装置14は、発信規制解除対象の移動局51を発信規制対象テーブル12aから削除するとともに、システム情報設定応答(成功)電文を、統制局制御装置11へ送信する(ステップS5)。このシステム情報設定応答(成功)電文には、送信先である発信規制解除要求元の無線統制局40を特定する識別子と、システム情報設定応答(成功)であることを示す情報とが含まれる。なお、システム情報設定応答(成功)電文に、発信規制対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)を含むように構成してもよい。
【0097】
管理装置14からのシステム情報設定応答(成功)電文を受信すると、統制局制御装置11は、発信規制応答(成功)電文を、基地局30へ送信する(ステップS6)。この発信規制応答(成功)電文には、送信先である発信規制解除要求元の無線統制局40を特定する識別子と、システム情報設定応答(成功)であることを示す情報とが含まれる。なお、発信規制応答(成功)電文に、発信規制対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)を含むように構成してもよい。
【0098】
統制局制御装置11からの発信規制応答(成功)電文を受信すると、基地局30は、ショートメッセージにより、発信規制応答(成功)を無線統制局40へ送信する(ステップS7)。この発信規制応答(成功)には、送信先である発信規制解除要求元の無線統制局40を特定する識別子と、発信規制応答(成功)であることを示す情報とが含まれる。これにより、無線統制局40は、発信規制解除要求が成功したことを認識し、発信規制解除対象の移動局51を無線統制局記憶部42から削除する。なお、発信規制応答(成功)に、発信規制対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)を含むように構成してもよい。
【0099】
ステップS3において、統制局制御装置11が管理装置14に通信接続されていない場合は、統制局制御装置11は、発信規制応答(失敗)電文を、基地局30へ送信する(ステップS8)。この発信規制応答(失敗)電文には、送信先である発信規制解除要求元の無線統制局40を特定する識別子と、発信規制応答(失敗)であることを示す情報とが含まれる。なお、発信規制応答(失敗)電文に、発信規制対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)を含むように構成してもよい。
【0100】
統制局制御装置11からの発信規制応答(失敗)電文を受信すると、基地局30は、ショートメッセージにより、発信規制応答(失敗)を無線統制局40へ送信する(ステップS9)。この発信規制応答(失敗)には、送信先である発信規制解除要求元の無線統制局40を特定する識別子と、発信規制応答(失敗)であることを示す情報とが含まれる。これにより、無線統制局40は、発信規制解除要求が失敗したことを認識し、発信規制解除対象の移動局51を無線統制局記憶部42から削除しない。なお、発信規制応答(失敗)に、発信規制対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)を含むように構成してもよい。
【0101】
(県庁統制局からの発信規制設定/解除シーケンス)
図7は、本発明の実施形態における県庁統制局からの発信規制設定/解除シーケンスを示す図である。
まず、県庁統制局からの発信規制設定シーケンスを説明する。
管理装置14の操作表示部14aにおいて操作者から県又は市の特定の端末局50を指定して発信規制設定要求が行われると、管理装置14は、システム情報設定要求(発信規制設定)を、統制局制御装置11へ送信する(
図7のステップS21)。このシステム情報設定要求(発信規制設定)には、発信規制解除対象の端末局50を特定する識別子(例えば電話番号)と、システム情報設定要求(発信規制設定)であることを示す情報とが含まれる。
【0102】
そして、管理装置14は、システム情報設定要求(発信規制設定)への応答であるシステム情報設定応答(成功)を、統制局制御装置11から受信すると(ステップS22)、発信規制対象の端末局50を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)を、記憶部12内の発信規制対象テーブル12aに登録する。
【0103】
すなわち、管理装置14と統制局制御装置11とが通信接続状態である場合は、管理装置14からのシステム情報設定要求(発信規制設定)に対し、統制局制御装置11は、システム情報設定応答(成功)を管理装置14へ送信する。管理装置14と統制局制御装置11とが未接続状態である場合は、管理装置14は、統制局制御装置11からのシステム情報設定応答(成功)を受信できないので、発信規制対象の端末局50を発信規制対象テーブル12aに登録しない。
【0104】
発信規制対象の端末局50が市端末局51である場合は、統制局制御装置11は、システム情報設定応答(成功)を管理装置14へ返信した後、発信規制更新通知電文を基地局30へ送信する(ステップS23)。統制局制御装置11からの発信規制更新通知電文を受信すると、基地局30は、ショートメッセージにより、発信規制更新通知を無線統制局40へ送信する(ステップS24)。これらの発信規制更新通知電文や発信規制更新通知には、発信規制解除対象の市端末局51を特定する識別子(例えば電話番号)が含まれる。基地局30からの発信規制更新通知を受信すると、無線統制局40は、発信規制設定対象の市端末局51を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)を、自身の記憶部42に登録する。
【0105】
こうして、移動局51に発信規制が設定された場合、該移動局51から発信要求がなされ(ステップS11)、基地局30が、該発信要求を統制局制御装置11へ送信しても(ステップS12)、該移動局51に発信規制が設定されているので、統制局制御装置11は、発信拒否を基地局30へ送信し(ステップS13)、基地局30は当該移動局51へ発信拒否を送信する(ステップS14)。
【0106】
発信規制対象の端末局50が市端末局51でない場合、つまり県端末局である場合も、発信規制対象の端末局50が市端末局51である場合と同様に、発信規制が行われる。すなわち、県端末局に発信規制が設定されると、該県端末局から発信要求がなされ(ステップS11)、基地局30が、該発信要求を統制局制御装置11へ送信しても(ステップS12)、該県端末局に発信規制が設定されているので、統制局制御装置11は、発信拒否を基地局30へ送信し(ステップS13)、基地局30は当該県端末局へ発信拒否を送信する(ステップS14)。
【0107】
次に、県庁統制局からの発信規制解除シーケンスを説明する。
管理装置14の操作表示部14aにおいて操作者から県又は市の特定の端末局50を指定して発信規制解除要求が行われると、管理装置14は、システム情報設定要求(発信規制解除)を、統制局制御装置11へ送信する(
図7のステップS21)。このシステム情報設定要求(発信規制解除)には、発信規制解除対象の端末局50を特定する識別子(例えば電話番号)と、システム情報設定要求(発信規制解除)であることを示す情報とが含まれる。
【0108】
そして、管理装置14は、システム情報設定要求(発信規制解除)への応答であるシステム情報設定応答(成功)を、統制局制御装置11から受信すると(ステップS22)、発信規制解除対象の端末局50を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)を、記憶部12内の発信規制対象テーブル12aから削除する。
【0109】
発信規制対象の端末局50が市端末局51である場合は、統制局制御装置11は、システム情報設定要求(発信規制解除)を管理装置14から受信すると、システム情報設定応答(成功)を管理装置14へ返信した後、発信規制更新通知電文を基地局30へ送信する(ステップS23)。統制局制御装置11からの発信規制更新通知電文を受信すると、基地局30は、ショートメッセージにより、発信規制更新通知を無線統制局40へ送信する(ステップS24)。この発信規制更新通知には、発信規制解除対象の市端末局51を特定する識別子(例えば電話番号)が含まれる。基地局30からの発信規制更新通知を受信すると、無線統制局40は、発信規制解除対象の市端末局51を示す識別子であるアドレス(例えば電話番号)を、自身の記憶部42から削除する。
【0110】
発信規制対象の端末局50が市端末局51でない場合、つまり県端末局である場合は、統制局制御装置11は、システム情報設定要求(発信規制解除)を管理装置14から受信すると、システム情報設定応答(成功)を管理装置14へ返信するが、基地局30への発信規制更新通知電文は送信しない。
【0111】
なお、
図6や
図7の例では、管理装置14が発信規制解除対象の端末局50を発信規制対象テーブル12aに登録又は削除するようにしたが、統制局制御装置11が発信規制解除対象の端末局50を発信規制対象テーブル12aに登録又は削除するように構成することも可能である。このように構成すると、発信規制機能に関しては、管理装置14は不要となる。ただし、
図7の例において、管理装置操作表示部14aの機能を、例えば県庁統制台13が行うように構成する必要がある。
【0112】
(無線統制局からの発信規制問合せシーケンス)
図8は、本発明の実施形態における無線統制局からの発信規制問合せシーケンスを示す図である。
まず、無線統制局40の操作表示部46において、操作者が問合せ対象の市端末局である移動局51を指定して発信規制状態問合せ操作を行うと、発信規制状態問合せ要求が、ショートメッセージにより、基地局30へ送信される(
図8のステップS31)。この発信規制状態問合せ要求には、問合せ対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)と、発信規制状態問合せ要求元、つまり発信規制状態問合せ要求の送信元である無線統制局40を特定する識別子(例えば電話番号)と、発信規制状態問合せ要求の送信先、つまり統制局10を特定する識別子と、発信規制状態問合せ要求であることを示す情報とが含まれる。
【0113】
無線統制局40からの発信規制状態問合せ要求を受信すると、基地局30は、受信した発信規制状態問合せ要求を、発信規制状態問合せ要求電文として、統制局制御装置11へ転送する(ステップS32)。この発信規制状態問合せ要求電文には、発信規制状態問合せ対象の移動局51を特定する識別子(例えば電話番号)と、送信元である発信規制状態問合せ要求元を特定する識別子と、送信先である統制局10を特定する識別子と、発信規制状態問合せ要求であることを示す情報とが含まれる。
【0114】
基地局30からの発信規制設定要求電文を受信すると、統制局制御装置11は、問合せ対象の移動局51が発信規制対象テーブル12aに登録されているか否かを調べ、その結果を、発信規制状態問合せ応答電文として、基地局30へ送信する(ステップS33)。この発信規制状態問合せ応答電文には、送信先である発信規制状態問合せ要求元の無線統制局40を特定する識別子と、問合せ対象の移動局51が発信規制対象テーブル12aに登録されているか否かの情報と、発信規制状態問合せ応答であることを示す情報とが含まれる。
【0115】
統制局制御装置11からの発信規制状態問合せ応答電文を受信すると、基地局30は、ショートメッセージにより、発信規制状態問合せ応答を無線統制局40へ送信する(ステップS34)。この発信規制状態問合せ応答には、送信先である発信規制状態問合せ要求元の無線統制局40を特定する識別子と、問合せ対象の移動局51が発信規制対象テーブル12aに登録されているか否かの情報と、発信規制状態問合せ応答であることを示す情報とが含まれる。
【0116】
基地局30からの発信規制状態問合せ応答を受信すると、無線統制局40は、該発信規制状態問合せ応答に含まれる発信規制状態情報を用いて、自身の記憶部42に記憶していた発信規制状態情報を更新する。こうすることにより、無線統制局記憶部42に記憶していた発信規制状態情報を、発信規制対象テーブル12aに登録されている正しい内容と同じ内容になるよう更新することができる。このような無線統制局記憶部42の発信規制状態情報と、発信規制対象テーブル12aの発信規制状態情報との相違は、例えば、統制局制御装置11からの発信規制更新通知が送信エラー等の原因により無線統制局40へ伝わらなかったような場合に生じ得る。
【0117】
本実施形態によれば、少なくとも次の効果を得ることができる。
(A1)市無線システムの無線統制局40が、該無線統制局40の属する市無線システムの端末局に対し発信規制状態の更新要求を行う場合に、無線統制局40から基地局30を介して、発信規制要求(設定又は解除)を県庁統制局10へ送信し、県庁統制局10において、前記端末局に対し発信規制状態の更新を行うよう構成したので、前記端末局の発信規制状態を、県庁統制局10で一元管理することができる。したがって、無線統制局40が管理する発信規制状態と、県庁統制局10が管理する発信規制状態との間に、相違が生じることを抑制できる。
(A2)上記の(A1)の場合において、県庁統制局10において発信規制状態の更新が行われた場合は発信規制応答(成功)を、県庁統制局10から基地局30を介して無線統制局40へ送信するよう構成したので、無線統制局40において、発信規制要求(設定又は解除)の結果を知ることができる。したがって、無線統制局40が管理する発信規制状態と、県庁統制局10が管理する発信規制状態との間に、相違が生じることを抑制できる。
(A3)県庁統制局10から操作者が市無線システムの端末局に対し発信規制状態の更新を行った場合に、県庁統制局10から基地局30を介して、前記端末局の属する市無線システムの無線統制局40へ、発信規制更新通知を送信するよう構成したので、県庁統制局10から市無線システムの端末局に対し発信規制状態の更新を行った場合においても、無線統制局40において、前記端末局の発信規制状態を知ることができる。
(A4)市無線システムの無線統制局40から、基地局30を介して県庁統制局10へ、発信規制状態問合せ要求を送信し、県庁統制局10から、基地局30を介して無線統制局40へ、発信規制状態問合せ応答を行うよう構成したので、無線統制局40において県庁統制局10が管理する端末局の発信規制状態を知ることができ、無線統制局40が管理する発信規制状態と県庁統制局10が管理する発信規制状態との間に相違が生じることをさらに抑制できる。
(A5)無線統制局40と基地局30との間で交信する、発信規制要求(設定又は解除)、発信規制応答(成功)、発信規制応答(失敗)、発信規制更新通知、発信規制状態問合せ要求、発信規制状態問合せ応答を、制御チャネルのショートメッセージを用いて送信するよう構成したので、無線統制局40と基地局30との間の通信トラフィックの増加を抑制できる。
(A6)ショートメッセージにおいて、発信規制状態の更新を行う対象の端末局や発信規制状態の問合せ又は応答を行う対象の端末局を、先頭の局番号と問合せを行う局数とにより指定するよう構成したので、対象の端末局を容易に指定することができる。
【0118】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形、組み合わせて実施することができる。
上述した実施形態では、県防災無線システムと市町村防災無線システムとで基地局を共有する場合を説明したが、これに限られるものではない。例えば、異なる集団(例えば、複数事業者や各種団体/グループ)が回線制御装置や基地局を共有する場合であってもよい。また、本発明は、同一システム内に県庁統制局(発信規制設定解除局)と無線統制局(発信規制要求局)を備えた場合にも適用することができることはいうまでもない。
【0119】
また、上述した実施形態では、統制機能を有する県庁統制局を発信規制設定解除局とし、統制機能を有する無線統制局を発信規制要求局としたが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、特定の端末局を発信規制設定解除局とし、別の端末局を発信規制要求局とすることも可能である。
【0120】
また、上述した実施形態では、県庁統制局(発信規制設定解除局)が統制局制御装置と管理装置とを含むよう構成したが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、管理装置の機能を統制局制御装置に統合するよう構成することも可能である。その場合は、県庁統制台が管理装置操作表示部の機能を有するように構成する。
【0121】
また、本発明は、本発明に係る処理を実行するシステムとしてだけでなく、装置、方法として、或いは、このような方法やシステムを実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして把握することができる。
また、本発明は、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行することにより制御する構成としてもよく、あるいは、CPUを用いないハードウエア回路として構成してもよい。
【0122】
本明細書には、少なくとも次の構成が含まれる。すなわち、
第1の構成は、
第1の端末局と、第2の端末局と、前記第1の端末局及び前記第2の端末局と無線通信を行う基地局と、前記基地局に接続され、第1の記憶部を有し、前記第1の端末局及び前記第2の端末局の発信規制設定及び解除を行う発信規制設定解除局と、前記第2の端末局の発信規制設定要求及び発信規制解除要求を行う発信規制要求局とを備えた無線通信システムであって、
前記発信規制設定解除局は、前記第1の端末局及び前記第2の端末局が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを示す発信規制状態情報を前記第1の記憶部に記憶し、
前記発信規制要求局は、前記第2の端末局の発信規制を設定する発信規制設定要求、又は、前記第2の端末局の発信規制を解除する発信規制解除要求を送信し、
前記発信規制設定解除局は、前記基地局を介して前記発信規制設定要求を受信すると、前記第2の端末局の発信規制を設定し、前記発信規制解除要求を受信すると、前記第2の端末局の発信規制を解除することを特徴とする無線通信システム。
【0123】
第2の構成は、
第1の構成の無線通信システムであって、
前記発信規制設定解除局は、管理装置と制御装置とを備え、前記管理装置と前記制御装置が通信接続状態にある場合は、前記発信規制設定要求を受信すると、前記第2の端末局の発信規制を設定し、前記発信規制解除要求を受信すると、前記第2の端末局の発信規制を解除し、前記管理装置と前記制御装置が通信接続状態にない場合は、前記発信規制設定要求を受信しても、前記第2の端末局の発信規制を設定せず、前記発信規制解除要求を受信しても、前記第2の端末局の発信規制を解除しないことを特徴とする無線通信システム。
【0124】
第3の構成は、
第1の構成又は第2の構成の無線通信システムであって、
前記第2の端末局が複数存在し、
前記発信規制設定要求、又は前記発信規制解除要求において、前記発信規制設定要求の対象、又は前記発信規制解除要求の対象である前記第2の端末局が、先頭の局番号及び局数で指定されることを特徴とする無線通信システム。
【0125】
第4の構成は、
第1の端末局と、第2の端末局と、前記第1の端末局及び前記第2の端末局と無線通信を行う基地局と、前記基地局に接続され、第1の記憶部を有し、前記第1の端末局及び前記第2の端末局の発信規制設定及び解除を行う発信規制設定解除局と、前記第2の端末局の発信規制設定要求及び発信規制解除要求を行う発信規制要求局とを備えた無線通信システムであって、
前記発信規制設定解除局は、前記第1の端末局及び前記第2の端末局が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを示す発信規制状態情報を前記第1の記憶部に記憶し、
前記発信規制要求局は、前記第2の端末局の発信規制状態が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを問合せる発信規制状態問合せ要求を送信し、
前記発信規制設定解除局は、前記基地局を介して前記発信規制状態問合せ要求を受信すると、前記第1の記憶部に記憶した前記発信規制状態情報に基づき、前記第2の端末局の発信規制状態を示す発信規制状態問合せ応答を送信することを特徴とする無線通信システム。
【0126】
第5の構成は、
第4の構成の無線通信システムであって、
前記第2の端末局が複数存在し、
前記発信規制状態問合せ要求において、発信規制状態問合せ対象の前記第2の端末局が、先頭の局番号及び局数で指定されることを特徴とする無線通信システム。
【0127】
第6の構成は、
第1の端末局と、第2の端末局と、前記第1の端末局及び前記第2の端末局と無線通信を行う基地局と、前記基地局に接続され、第1の記憶部を有し、前記第1の端末局及び前記第2の端末局の発信規制設定及び解除を行う発信規制設定解除局と、前記基地局に接続され、第2の記憶部を有し、前記第2の端末局の発信規制設定要求及び発信規制解除要求を行う発信規制要求局とを備えた無線通信システムであって、
前記発信規制設定解除局は、前記第1の端末局及び前記第2の端末局が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを示す発信規制状態情報を前記第1の記憶部に記憶するものであり、前記第2の端末局の発信規制設定又は解除を行って、該第2の端末局の発信規制状態が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを前記第1の記憶部に記憶するとともに、前記第2の端末局の発信規制状態を示す発信規制更新通知を送信し、
前記発信規制要求局は、前記基地局を介して前記発信規制更新通知を受信すると、前記発信規制更新通知に基づき、前記第2の端末局の発信規制状態が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを、前記第2の記憶部に記憶することを特徴とする無線通信システム。
【0128】
第7の構成は、
第6の構成の無線通信システムであって、
前記第2の端末局が複数存在し、
前記発信規制更新通知において、発信規制状態更新対象の前記第2の端末局が、先頭の局番号及び局数で指定されることを特徴とする無線通信システム。
【0129】
第8の構成は、
第1の端末局と、第2の端末局と、前記第1の端末局及び前記第2の端末局と無線通信を行う基地局と、前記基地局に接続され、管理装置と制御装置と第1の記憶部とを備え、前記第1の端末局及び前記第2の端末局の発信規制設定及び解除を行う発信規制設定解除局と、前記第2の端末局の発信規制設定要求及び発信規制解除要求を行う発信規制要求局とを備えた無線通信システムにおける発信規制設定又は解除方法であって、
前記発信規制設定解除局が、前記第1の端末局及び前記第2の端末局が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを示す発信規制状態情報を前記第1の記憶部に記憶するステップと、
前記発信規制要求局が、前記第2の端末局の発信規制を設定する発信規制設定要求、又は、前記第2の端末局の発信規制を解除する発信規制解除要求を送信するステップと、
前記発信規制設定解除局が、前記基地局を介して前記発信規制設定要求又は前記発信規制解除要求を受信すると、前記管理装置と前記制御装置との通信接続状態を確認するステップと、
前記管理装置と前記制御装置が通信接続状態でない場合は、前記発信規制設定要求又は前記発信規制解除要求が前記発信規制設定解除局で受け入れられなかったことを示す発信規制応答(失敗)を、前記発信規制設定解除局から前記基地局を介して前記発信規制要求局へ送信するステップと、
前記管理装置と前記制御装置が通信接続状態である場合は、前記制御装置から前記管理装置へ、前記発信規制設定要求又は前記発信規制解除要求を送信し、前記管理装置において、前記発信規制設定要求又は前記発信規制解除要求に基づき、前記第1の記憶部に記憶している前記第2の端末局の発信規制状態情報を更新し、前記発信規制設定要求又は前記発信規制解除要求が前記発信規制設定解除局で受け入れられたことを示す発信規制応答(成功)を、前記管理装置から前記制御装置へ送信し、前記発信規制応答(成功)を前記発信規制設定解除局から前記基地局を介して前記発信規制要求局へ送信するステップと、
を備えることを特徴とする発信規制設定又は解除方法。
【0130】
第9の構成は、
第1の端末局と、第2の端末局と、前記第1の端末局及び前記第2の端末局と無線通信を行う基地局と、前記基地局に接続され、管理装置と制御装置と第1の記憶部とを備え、前記第1の端末局及び前記第2の端末局の発信規制設定及び解除を行う発信規制設定解除局と、前記第2の端末局の発信規制設定要求及び発信規制解除要求を行う発信規制要求局とを備えた無線通信システムにおける発信規制設定又は解除方法であって、
前記発信規制設定解除局が、前記第1の端末局及び前記第2の端末局が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを示す発信規制状態情報を前記第1の記憶部に記憶するステップと、
前記管理装置が、前記第2の端末局に対する発信規制設定要求又は前記第2の端末局に対する発信規制解除要求を含むシステム情報設定要求を、前記制御装置へ送信するステップと、
前記制御装置が、前記システム情報設定要求が前記制御装置へ届いたことを示すシステム情報設定応答(成功)を前記管理装置へ送信し、また、前記第1の記憶部に記憶されている前記第2の端末局の発信規制状態情報の更新を示す発信規制更新通知を、前記基地局を介して前記発信規制要求局へ送信するステップと、
前記システム情報設定応答(成功)を受信すると、前記管理装置が、前記第1の記憶部に記憶されている前記第2の端末局の発信規制状態情報を更新するステップと、
を備えることを特徴とする発信規制設定又は解除方法。
【0131】
第10の構成は、
第1の端末局と、第2の端末局と、前記第1の端末局及び前記第2の端末局と無線通信を行う基地局と、前記基地局に接続され、第1の記憶部を有し、前記第1の端末局及び前記第2の端末局の発信規制設定及び解除を行う発信規制設定解除局と、前記第2の端末局の発信規制設定要求及び発信規制解除要求を行う発信規制要求局とを備えた無線通信システムにおける発信規制状態問合せ方法であって、
前記発信規制設定解除局が、前記第1の端末局及び前記第2の端末局が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを示す発信規制状態情報を前記第1の記憶部に記憶するステップと、
前記発信規制要求局が、前記第2の端末局が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを問合せる発信規制状態問合せ要求を、前記基地局を介して前記発信規制設定解除局へ送信するステップと、
前記発信規制設定解除局が、前記発信規制状態問合せ要求を受信すると、前記第1の記憶部に記憶している前記第2の端末局の発信規制状態情報に基づき、前記第2の端末局が発信規制設定状態であるか解除状態であるかを示す発信規制状態問合せ応答を、前記基地局を介して前記発信規制要求局へ送信するステップと、
を備えることを特徴とする発信規制状態問合せ方法。