(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明には本発明の実施形態に関連する具体的な情報が含まれる。本願の添付図面及びそれらの詳細説明は模範的な実施形態を対象にしているにすぎない。特に断らない限り、図中の同等もしくは対応する構成要素は同等もしくは対応する参照番号で示されている。更に、本願の図面及び説明図は一般に正しい寸法比で示されておらず、実際の相対寸法に対応するものではない。
【0009】
図1Aはパワー・カッド・フラット・ノーリード(PQFN)100の模範的な回路の回路図を示す。
図1Bは多相パワーインバータ回路150に含まれるPQFNパッケージ100の概略図を示す。
【0010】
図1A及び
図1Bにつき説明すると、PQFNパッケージ100は、ドライバ集積回路(IC)102及び多相インバータ180を含む。多相インバータ180は、U相パワースイッチ104a及び104b、V相パワースイッチ106a及び106b、及びW相パワースイッチ108a及び108bを含む。ドライバIC102は、入力論理部162、レベルシフタ164、レベルシフタ166、不足電圧保護回路168、比較器170、ラッチ172、ゲートドライバ174a(例えば、高圧側ドライバ)、ゲートドライバ174b(例えば、低圧側ドライバ)、キャパシタCR、及びブートストラップダイオード176を含む。ドライバ174aはドライバ142c、142b及び142aを含む。ブートストラップダイオード176は、U相ブートストラップダイオードD1、V相ブートストラップダイオードD2及びW相ブートストラップダイオードD3(ブートストラップダイオードD1、D2及びD3とも称す)を含む。
図1Bのブートストラップキャパシタ178は、U相ブートストラップキャパシタCB1、V相ブートストラップキャパシタCB2及びW相ブートストラップキャパシタCB3(ブートストラップキャパシタC1、C2及びC3とも称す)を含む。
【0011】
図1Bの多相インバータ回路150内において、PQFNパッケージ100は、一例として、バス電圧源114、供給電圧源116、マイクロコントローラ124、モータ126、ブートストラップキャパシタ178、抵抗R1、キャパシタC1、及びシャントRSに接続される。PQFNパッケージ100、マイクロコントローラ124、モータ126、抵抗R1、キャパシタC1、ブートストラップキャパシタ178及びシャントRSのどれもプリント回路板(PCB)に装着することができる。更に、PQFNパッケージ100は、PCB上の導電リードを介してバス電圧源114、供給電圧源116、マイクロコントローラ124、モータ126、抵抗R1、キャパシタC1、ブートストラップキャパシタ178、及びシャントRSのどれにも接続することができる。
【0012】
PQFNパッケージ100は、VBUS端子112a、VCC端子112b、HIN1端子112c、HIN2端子112d、HIN3端子112e、LIN1端子112f、LIN2端子112g、LIN3端子112h、EN端子112i、FAULT端子112j、RCIN端子112k、IM端子112l、VSS端子112m、VCOM端子112n、SW1端子112o、SW2端子112p、SW3端子112q、VB1端子112r、VB2端子112s、及びVB3端子112tも含み、これらの端子は総称してI/O端子112という。
【0013】
PQFNパッケージ100において、VBUS端子112aはバス電圧源114から入力としてVBUS(例えば、バス電圧)を受ける。VCC端子112bは、供給電圧源116からドライバIC102への入力としてVCCを受け、PQFNパッケージ100の供給電圧端子112bと呼ぶこともできる。HIN1端子112c、HIN2端子112d及びHIN3端子112eはマイクロコントローラ124からドライバIC102への入力としてHIN1、HIN2及びHIN3をそれぞれ受信する。LIN1端子112f、LIN2端子112g及びLIN3端子112hはマイクロコントローラ124からドライバIC102への入力としてLIN1、LIN2及びLIN3をそれぞれ受信する。
【0014】
更にPQFNパッケージ100において、EN端子112iはマイクロコントローラ124からドライバIC102への入力としてENを受信する。FAULT端子112jはドライバIC102からマイクロコントローラ124への出力としてFAULTを受信する。RCIN端子112kは抵抗R1及びキャパシタC1からドライバIC102への入力としてRCINを受ける。IM端子121lはU相パワースイッチ104b、V相パワースイッチ106b及びW相パワースイッチ108bからドライバIC102及びマイクロコントローラ124への入力としてITRIPを受ける。
【0015】
更にPQFNパッケージ100において、VSS端子112mは論理接地G
VSSからドライバIC102への入力としてVSSを受ける。VCOM端子112nは電力段接地G
COMからドライバIC102、U相パワースイッチ104b、V相パワースイッチ106b及びW相パワースイッチ108bへの入力としてVCOMを受ける。SW1端子112oはU相出力ノード110aからモータ126への出力としてSW1を受ける。ドライバIC102もU相出力ノード110aから入力としてSW1を受ける。SW2端子112pはV相出力ノード110bからモータ126への出力としてSW2を受ける。ドライバIC102もV相出力ノード110bから入力としてSW2を受ける。SW3端子112qはW相出力ノード110cからモータ126への出力としてSW3を受ける。ドライバIC102もW相出力ノード110cから入力としてSW3を受ける。
【0016】
更にPQFNパッケージ100において、VB1端子112rはブートストラップキャパシタCB1からドライバIC102への入力としてVB1を受けとり、ブートストラップ電源端子112rと呼ぶこともできる。VB2端子112sはブートストラップキャパシタCB2からドライバIC102への入力としてVB2を受けとり、ブートストラップ電源端子112sと呼ぶこともできる。VB3端子112tはブートストラップキャパシタCB3からドライバIC102への入力としてVB3を受けとり、ブートストラップ電源端子112tと呼ぶこともできる。
【0017】
様々な実施形態において、I/O端子112の数、量及び位置は図に示すものと相違させることができることは理解されよう。例えば、様々な実施形態において、ドライバIC102と異なる能力及び/又はI/O要件を有する異なるドライバICを使用することができる。この変更はPQFNパッケージ100のI/O端子112にも、他の接続にも反映させることができる。一つの特定の例として、一実施形態においては、その代わりにドライバIC102をドライバIC102とマイクロコントローラ124の機能を組み込んだ機能統合ICとすることができる。この場合にはマイクロコントローラ124の機能用に追加のI/O端子112が必要とされるが、FAULT端子112j等の所定のI/O端子112が不要になる。
【0018】
PQFNパッケージ100において、ドライバIC102は、多相パワーインバータ180のU相パワースイッチ104a及び104b、V相パワースイッチ106a及び106b、及びW相パワースイッチ108a及び108bを駆動する高電圧IC(HVIC)とすることができる。ドライバIC102の例として、インターナショナル・レクティフィアー社(登録商標)から入手し得る「第5世代」HVICがある。本実施形態において、U相パワースイッチ104a及び104b、V相パワースイッチ106a及び106b、及びW相パワースイッチ108a及び108bは、縦導通型パワーデバイスであり、例えばファスト・リバース・エピタキシャル・ダイオード・電界効果トランジスタ(FREDFET)のようなIV族半導体パワー金属−酸化物−半導体電界トランジスタ(パワーMOSFET)又はIV族半導体絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)である。他の実施形態においては、III−V族半導体FET、HEMT(高電子移動度トランジスタ)、特にGaN FET及び/又はHEMTをU相パワースイッチ104a及び104b、V相パワースイッチ106a及び106b、及びW相パワースイッチ108a及び108bのパワーデバイスとして使用することができる。上で定義したように、本明細書で使用する「窒化ガリウム」又は「GaN」はIII族窒化物化合物半導体を意味し、III族元素は若干量又は相当量のガリウムを含むが、ガリウムに加えて他のIII族元素も含むことができる。前述したように、III−V族又はGaNトランジスタは、III−V族又はGaNトランジスタを低電圧IV族トランジスタとカスコード接続することによって形成される複合高電圧エンハンスメントモードトランジスタも指す。PQFNパッケージ100はフルブリッジパワーデバイスを提供するが、代替実施形態は特定の用途により要求される他のパッケージ構成を提供することができる。
【0019】
PQFNパッケージ100において、HIN1、HIN2及びHIN3は高圧側トランジスタであるU相パワースイッチ104a、V相パワースイッチ106a及びW相パワースイッチ108a用の制御信号である。入力論理部162はHIN1、HIN2及びHIN3を受信し、それらをレベルシフタ164にそれぞれ供給する。本実施形態においては、レベルシフタ164は、例えば約600ボルトを維持できる成端を有する高電圧レベルシフタである。
図1Aに示すように、レベルシフトされたバージョンのHIN1、HIN2及びHIN3は、U相パワースイッチ104a、V相パワースイッチ106a及びW相パワースイッチ108aに高圧側ゲート信号H1、H2及びH3を供給するために、ドライバ174aにより受信される。ドライバ174aはHIN1、HIN2及びHIN3から高圧側ゲート信号H1、H2及びH3をそれぞれ発生する。ゲートドライバ174aは更にU相出力ノード110a、V相出力ノード110b及びW相出力ノード110cからSW1、SW2及びSW3をそれぞれ受信する。よって、ドライバ174aは高圧側ドライバであり、多相インバータ180の高圧側スイッチに結合される。
【0020】
同様に、LIN1、LIN2及びLIN3は低圧側トランジスタであるU相パワースイッチ104b、V相パワースイッチ106b及びW相パワースイッチ108b用の制御信号である。入力論理部162はLIN1、LIN2及びLIN3を受信し、それらをレベルシフタ166にそれぞれ供給する。本実施形態においては、レベルシフタ166は低電圧レベルシフタであり、論理接地G
VSSと電力段接地G
COMとの差を補償する。これは、例えば約1〜約2ボルトとすることができる。
図1Aに示すように、レベルシフトされたバージョンのLIN1、LIN2及びLIN3は、U相パワースイッチ104b、V相パワースイッチ106b及びW相パワースイッチ108bに低圧側ゲート信号L1、L2及びL3を供給するために、ゲートドライバ174bにそれぞれ供給される。ドライバ174bはLIN1、LIN2及びLIN3から低圧側ゲート信号L1、L2及びL3をそれぞれ発生する。よって、ドライバ174bは低圧側ドライバであり、多相インバータ180の低圧側スイッチに結合される。
【0021】
よって、ドライバIC102はゲートドライバ174a及び174bを使ってU相パワースイッチ104a及び104b、V相パワースイッチ106a及び106b、及びW相パワースイッチ108a及び108bをスイッチング駆動して(一例として)モータ126を給電し、これによりモータ電流I
M(すなわち、負荷電流)が発生する。本実施形態においては、ゲートドライバ174a及び174bはU相パワースイッチ104a及び104b、V相パワースイッチ106a及び106b、及びW相パワースイッチ108a及び108bのそれぞれに対してインピーダンス整合される。よって、ドライバ174a及び174bはゲート抵抗なしでU相パワースイッチ104a及び104b、V相パワースイッチ106a及び106b、及びW相パワースイッチ108a及び108bを駆動することができ、それによりPQFNパッケージ100をより小型にすることが可能になる。
【0022】
VBUSはバス電圧源114からのバス電圧であり、この電圧はU相パワースイッチ104a、V相パワースイッチ106a及びW相パワースイッチ108aのそれぞれのドレインに結合される。一例として、バス電圧源114はAC−DC整流器とすることができる。ACは一例として、例えば230ボルトのアウトレット電圧とすることができる。DC電圧は、例えばVBUS用に約300ボルトから約400ボルトにすることができる。
【0023】
VSSは、論理接地G
VSSからの、ドライバIC102のサポート論理回路の論理接地である。一例として、
図1AはVSSをキャパシタCRの論理接地として示している。VSSはサポート論理回路の他のコンポーネントのための論理接地でもある。サポート論理回路は入力論理部162、レベルシフタ164、不足電圧保護回路168、比較器170、ラッチ172及びキャパシタCRを含むが、異なるコンポーネントを含むこともできる。VCOMは、電力段接地G
COMからの、U相パワースイッチ104a及び104b、V相パワースイッチ106a及び106b、及びW相パワースイッチ108a及び108bの電力段接地である。
図1Aは、パッケージ100内のU相パワースイッチ104a及び104b、V相パワースイッチ106a及び106b、及びW相パワースイッチ108a及び108bのソースに接続されたVCOMを示している。
図1Aに示すように、VCOMはドライバIC102のゲートドライバ174bに結合される。
【0024】
電力段接地と別個の論理接地は多相インバータ回路150にシャントRSを用いることで与えられる。シャントRSはVSS端子112m及びVCOM端子112nを超えて結合される。シャントRSはVCOM端子112nを経てU相パワースイッ104b、V相パワースイッチ106b、及びW相パワースイッチ108bの各々のソースにも結合される。従って、
図1Aに示すモータ126からのモータ電流I
Mは、多相インバータ180において、U相レグ182a、V相レグ182b、及びW相レグ182cからの合成相電流である。モータ電流I
Mは、例えば端末112lからマイクロコントローラ124に供給される。マイクロコントローラ124は、それぞれの相電流(U、V及びW)を再構成するために、モータ電流I
Mを用いてHIN1、HIN2、HIN3、LIN1、LIN2及びLIN3を制御することによってパルス幅変調(PWM)制御を行う。
【0025】
このように、本実施形態においては、PQFNパッケージ100は電力段接地と別個の論理接地を備える。U相パワースイッチ104a及び104b、V相パワースイッチ106a及び106b、及びW相パワースイッチ108a及び108bのスイッチング中に、シャントRSの両端間に電圧が発生し得る。論理接地を電力段接地と別個にすることによって、サポート論理回路のための供給電圧VCCをシャントRS間の電圧ではなく論理接地に対するものとすることができる。従って、別々の接地を使用することによって、PQFNパッケージ100は、さもなければU相パワースイッチ104a及び104b、V相パワースイッチ106a及び106b、及びW相パワースイッチ108a及び108bからの過度のスイッチング電圧により生じ得るラッチアップ及びノイズ誤動作から保護される。
【0026】
他の実施形態においては、PQFNパッケージ100は論理部及び電力部に対して単一の接地を有する。例えば、VSS端子112m及びVCOM端子112nは単一の端子に結合することができ、或いは互いに短絡することができる。このような一実施形態においては、PQFNパッケージ100はオープンソース/エミッタPQFNパッケージであり、このパッケージでは多相インバータ180のU相レグ182a、V相レグ182b及びW相レグ182cの少なくとも2つからのモータ電流がPQFNパッケージ100のそれぞれの出力として供給される。従って、例えばマイクロコントローラ124及び/又は他の装置はこれらのモータ電流を用いてHIN1、HIN2、HIN3、LIN1、LIN2及びLIN3を制御することによってパルス幅変調(PWM)制御を行うことができる。
【0027】
PQFNパッケージ100において、供給電圧VCCは供給電圧源116からのドライバIC102用の供給電圧であり、この電圧は例えば約15ボルトとすることができる。一部の実施形態においては、供給電圧源116はVBUSからVCCを発生する。ドライバ174bは供給電圧VCCにより給電されるが、ドライバ174aはブートストラップ供給電圧VB1、VB2及びVB3により給電される。
【0028】
ブートストラップ供給電圧VB1、VB2及びVB3はブートストラップキャパシタ178、ブートストラップダイオード176及び供給電圧VCCを用いて発生される。
図1Aに示されるように、ブートストラップダイオード176はPQFNパッケージ100の供給電圧端子112bに結合されるとともにドライバ174aにそれぞれ結合される。ブートストラップダイオード176及びドライバ174aはそれぞれブートストラップ供給電圧端子112r、112s及び112tに結合される。
図1Bに示されるように、ブートストラップキャパシタ178の各々はSW1端子112o、SW2端子112p及びSW3端子112qとブートストラップ供給電圧端子112r、112s及び112tとの間にそれぞれ結合される。従って、本実施形態においては、ブートストラップダイオード176はそれぞれのブートストラップキャパシタ178への接続を与え、ブートストラップ供給電圧VB1、VB2及びVB3を充電することができるように構成される。
【0029】
一般的なQFNパッケージは簡単な構成で少数の電気コンポーネントを備えた制限された機能性を有する。機能性が増加するにつれて、接続ワイヤを配線交差及び配線短絡を避けながらルーティングすることが困難になる。更に、長い配線は電機的及び熱的性能に悪影響を及ぼす。しかしながら、本開示の様々な実施形態によるPQFNは、配線交差及び配線短絡の回避及び高い電気的及び熱的性能を達成しながら、高いレベルの機能性を有するものとすることができる。
【0030】
図示の実施形態において、PQFNパッケージ100はリードフレーム上に位置する多相インバータ180を収容する。更に、PQFNパッケージ100はリードフレーム上に位置するドライバ174a及び174bを収容し、多相インバータ180を駆動するように構成される。更に、PQFNパッケージ100はドライバ174aにそれぞれ結合されたブートストラップダイオード176を収容する。これらの要素は、例えば約12mm×約12mmのフットプリントを有するとともに高い電気的及び熱的性能を有するPQFNパッケージ100で収容することができる。他の実施形態においては、PQFNパッケージ100は12mm×12mmより大きいフットプリントを有するものとすることができる。更に他の実施形態においては、PQFNパッケージ100は12mm×12mmより小さいフットプリントを有するものとすることができる。
【0031】
ブートストラップダイオードは一般的に半導体パッケージの外部、特に多相インバータ用の半導体パッケージの外部に設けられる。しかしながら、ブートストラップダイオード176をPQFNパッケージ100内に含めることにより、回路設計が簡単になり、コストが減少し、少なくとも関連及び依存する回路要素を近接近位置に維持することによってより高い効率及び向上した性能を提供することができる。更に、PQFNパッケージ100はアプリケーション統合を容易にするとともに電気的及び熱的性能を向上する。
図1Aに示されるように、ブートストラップダイオードD1、D2及びD3はPQFNパッケージ100の回路を著しく複雑にする。しかしながら、ダイオードD1、D2及びD3を共通IC、例えばドライバIC102に含めることによって、この回路の複雑さがPQFNパッケージ100の構成に与える影響が低減される。また、PQFNパッケージ100のように、共通ICがドライバ174a及び/又は174bを含む実施形態においては、前記影響は更に低減され得る。
【0032】
ブートストラップダイオードD1、D2及びD3は、個別のコンポーネントとして含める場合、大きなパッケージ空間を費やす。例えば、本実施形態においては、PQFNパッケージ100は高電力用である。それゆえ、ブートストラップダイオードD1、D2及びD3は例えば約200ボルト乃至約600ボルトのような高い降伏電圧を有する。従って、ブートストラップダイオードD1、D2及びD3は個別のコンポーネントとして非常に大きくなる。しかしながら、ブートストラップダイオードD1、D2及びD3を共通IC、例えばドライバIC102に含めることによって、ブートストラップダイオードD1、D2及びD3の大きさがPQFNパッケージ100の構成に与える影響が低減される。これにより、PQFNは入力に対するイネーブル/ディセーブル応答、故障指示、不足電圧保護、過電流保護、及び/又は別個の論理接地及び電力段接地などの機能を組み込むことが可能になる。
【0033】
図示の実施形態においては、VCCは不足電圧保護回路168に結合される。不足電圧保護回路168は、VCCが例えば約9ボルトの閾値電圧以下に下がるとき不足電圧状態を検出する。VCCは入力論理部162に不足電圧状態を知らせ、ドライバIC102のスイッチングをディセーブルする。ドライバIC102のスイッチングはENを用いて変更することもできる。ENは、例えばマイクロコントローラ124がドライバIC102のスイッチングをエネーブルするのに使用できる。特に、ドライバIC102はENに応答してH1、H2、H3、L1、L2及びL3のスイッチングをエネーブルするように構成される。
【0034】
図1Aは、ドライバIC102に供給されるモータ電流I
MをITRIPとして示している。ドライバIC102はITRIPを過電流保護のために使用している。例えば、
図1AはITRIPをキャパシタCRにより発生される基準電圧と比較する比較器170を示している。ITRIPが基準電圧を超過すると、比較器170はラッチ172をトリガし、ラッチ172はFAULTをFAULT端子112jに供給して過電流状態をマイクロコントローラ124に知らせる。入力論理部162もFAULTを受信し、ドライバIC102のスイッチングを無効にする。ドライバIC102はRCINを用いてラッチ172を自動的に過電流保護からリセットする。
図1Bに示すように、キャパシタC1を充電するために抵抗R1がVCC端子112bとRCIN端子112kとの間に結合される。キャパシタC1はRCIN端子112kとVSS端子112mとの間に結合される。抵抗R1及びキャパシタC1は過電流保護に対する自動リセットのタイミングを変更するために変えることができる。
【0035】
次に
図2A、2B及び2Cにつき説明すると、
図2Aは
図2B及び
図2CのPQFNパッケージ200のリードフレームの上面図を示す。
図2BはPQFNパッケージ200の上面図である。
図2CはPQFNパッケージ200の底面図である。本実施形態において、PQFNパッケージ200はマルチチップモジュール(MCM)PQFNパッケージであり、約12mm×約12mmのフットプリントを有するものとし得る。他の実施形態では、PQFNパッケージ200は12mm×12mmより大きいフットプリントを有するものとし得る。更に他の実施形態においては、PQFNパッケージ200は12mm×12mmより小さいフットプリントを有するものとし得る。
【0036】
PQFNパッケージ200は
図1A及び1BのPQFNパッケージ100に対応する。例えば、PQFNパッケージ200は、
図1AのドライバIC102、U相パワースイッチ104a及び104b、V相パワースイッチ106a及び106b、及びW相パワースイッチ108a及び108bにそれぞれ対応する、ドライバIC202、U相パワースイッチ204a及び204b、V相パワースイッチ206a及び206b、及びW相パワースイッチ208a及び208bを含む。
【0037】
更に、PQFNパッケージ200は、PQFNパッケージ100内のVBUS端子112a、VCC端子112b、HIN1端子112c、HIN2端子112d、HIN3端子112e、LIN1端子112f、LIN2端子112g、LIN3端子112h、EN端子112i、FAULT端子112j、RCIN端子112k、IM端子112l、VSS端子112m、VCOM端子112n、SW1端子112o、SW2端子112p、SW3端子112q、VB1端子112r、VB2端子112s、及びVB3端子112tにそれぞれ対応する、VBUS端子212a、VCC端子212b、HIN1端子212c、HIN2端子212d、HIN3端子212e、LIN1端子212f、LIN2端子212g、LIN3端子212h、EN端子212i、FAULT端子212j、RCIN端子212k、IM端子212l、VSS端子212m(「論理接地端子212m」とも称される)、VCOM端子212n(「電力段接地端子212n」とも称される)、SW1端子212o(「U相出力端子212o」とも称される)、SW2端子212p(「V相出力端子212p」とも称される)、SW3端子212q(「W相出力端子212q」とも称される)、VB1端子212r、VB2端子212s、及びVB3端子212t(「I/O端子212」とも称される)を含む。
【0038】
図2Aは、ドライバICダイパッド220、W相ダイパッド222a、V相ダイパッド222b、U相ダイパッド222c、共通ダイパッド228を含むリードフレーム260を示す。リードフレームアイランド233はドライバICダイパッド220に電気的に且つ機械的に(例えば一体的に)接続される。リードフレーム260は更にリードフレームストリップ230及び232、及びI/0端子212を含む。リードフレームアイランド234はリードフレーム260のリードストリップ230の上にあり、リードフレームストリップ230はリードフレーム260のV相ダイパッド222bに電気的に且つ機械的に(例えば一体的に)接続される。リードフレームアイランド236はリードフレーム260のリードストリップ232の上にあり、リードフレームストリップ232はリードフレーム260のU相ダイパッド222cに電気的に且つ機械的に(例えば一体的に)接続される。
図2Bに示すように、リードフレームストリップ230及び232は必要に応じPQFNパッケージ200のエッジ242cまで延長することができる。そうすれば、リードフレーム230及び232のどちらもPQFNパッケージ200の追加のI/O端子を供与することができる。例えば、リードフレームストリップ232はPQFNパッケージ200のエッジ242cにおいて追加のSW1端子212oを供与するものとして示されている。
【0039】
リードフレーム260はオリン・ブラス(登録商標)から入手し得る銅(Cu)合金C194のような高い熱及び電気伝動率を有する材料で構成することができる。リードフレーム260の上面240aはデバイスダイ及びワイヤへの付着性を高める材料で選択的にめっきすることもできる。このめっきはリードフレーム260に選択的に被着された銀(Ag)めっきとすることができ、この銀めっきはQPLリミテッドなどの会社から入手できる。
【0040】
図2A及び2Bは、リードフレーム260はエッチングされたリードフレーム、例えばハーフエッチングされたリードフレームであることを示す。リードフレーム260のエッチング(例えばハーフエッチング)されてない部分は
図2A及び2Bに破線で示されている。リードフレームアイランド233、234及び236はこのようなエッチングされてない部分の例である。例えば、
図2Cはリードフレーム260の底面240bを示す(PQFNパッケージ200の底面にも相当する)。
図2Cは更に、リードフレーム260のエッチングされた部分を覆うPQFNパッケージ200のモールドコンパウンド265も示している。モールドコンパウンド265は日立(登録商標)ケミカルから入手しうるCEL9220ZHF10(v79)等の低い曲げ弾性率を有するプラスチックとすることができる。パッケージのクラッキングに耐える弾性を与えるために、モールドコンパウンド265で決まるPQFNパッケージ200の高さ(又は厚さ)を薄く保つことができ、例えば0.9mm以下にすることができる。
【0041】
I/O端子212、リードフレームアイランド233、リードフレームアイランド234及びリードフレームアイランド236はエッチングされず、モールドコンパウンド265を経てリードフレーム260の底面240b(PQFNパッケージ200の底面に相当する)に露出される。したがって、I/O端子212、リードフレームアイランド233、リードフレームアイランド234及びリードフレームアイランド236は電気伝導性及び/又は熱放散を高めるためにリードフレーム260の底面240bに露出される。PCBに対応ランドを設けることによって、露出底面を必要に応じ利用することができる。リードフレーム260の露出領域は、例えば錫(Sn)でめっきすることがでえきる。
【0042】
ドライバIC202はリードフレーム260の上に置かれ、U相パワースイッチ204a及び204b、V相パワースイッチ206a及び206b、及びW相パワースイッチ208a及び208b(
図1Aの多相インバータ180に相当する)を駆動するように構成される。具体的には、ドライバIC202はリードフレーム260のドライバICダイパッド220の上に置かれる。ドライバICパッド220はドライバIC202より大きいため、ドライバIC202と異なる機能を有するもっと大きな異なるドライバICを収容することができる。ドライバIC202、U相パワースイッチ204a及び204b、V相パワースイッチ206a及び206b、及びW相パワースイッチ208a及び208bはワイヤボンド及びリードフレーム260を用いて相互接続される。
【0043】
図2Bには更に、ワイヤボンド244aのようなワイヤボンドによってドライバIC202が、VCC端子212b、HIN1端子212c、HIN2端子212d、HIN3端子212e、LIN1端子212f、LIN2端子212g、LIN3端子212h、EN端子212i、FAULT端子212j、RCIN端子212k、IM端子212l、VSS端子212m、VB1端子212r、VB2端子212s、及びVB3端子212tに、及びU相パワースイッチ204a及び204b、V相パワースイッチ206a及び206b、W相パワースイッチ208a及び208bのそれぞれのゲートに電気的に且つ機械的に接続されることが示されている。
【0044】
図2Bに示されるワイヤボンド244a及び同様に示されるワイヤボンドは、例えば直径1.3ミルのG1タイプの金(Au)ワイヤとすることができる。ワイヤボンド246a、246b、246c、246d、246e及び246f(「ワイヤボンド246」)等の電力接続のためにはもっと太いワイヤを使用することができる。ワイヤボンド246は、例えば直径2.0ミルの銅(Cu)ワイヤとすることができ、例えばクリッケ・アンド・ソッファ(登録商標)から入手し得るMaxsoft(登録商標)LDワイヤとすることができる。ワイヤボンド246は、ボンドステッチオンボール(BSOB)ボンドを使用して、接着されうる。
図2Bに示されるように、ワイヤボンド246に対しては、追加の処理能力を与えるために複数のワイヤボンド、例えば2つのワイヤボンドを並列に設けることもできる。
【0045】
図2Bは、U相パワースイッチ204a及び204b、V相パワースイッチ206a及び206b、W相パワースイッチ208a及び208b、及びドライバIC202はリードフレーム260に電気的に且つ機械的に接続されることを示している。この接続は、ヘンケルコーポレーションから入手し得る銀充填QMI529HT等の半田又は導電性接着剤を使用して達成できる。
【0046】
図2Bに示すように、U相パワースイッチ204b、V相パワースイッチ206b、及びW相パワースイッチ208bはPQFNパッケージ200のエッジ242aに沿ってリードフレーム260上に置かれる。W相パワースイッチング208bはW相ダイパッド222aの上に置かれる。具体的には、W相パワースイッチ208bのドレイン236aがW相ダイパッド222aの上に置かれる。同様に、V相パワースイッチング206bはV相ダイパッド222bの上に置かれる。具体的には、V相パワースイッチ206bのドレイン236bがV相ダイパッド222bの上に置かれる。同様に、U相パワースイッチング204bはU相ダイパッド222cの上に置かれる。具体的には、U相パワースイッチ204bのドレイン236cがU相ダイパッド222cの上に置かれる。従って、U相パワースイッチ204b、V相パワースイッチ206b、及びW相パワースイッチ208bはリードフレーム260のそれぞれのダイパッドに個別に結合される。従って、
図2Bに示すように、W相ダイパッド222aはPQFNパッケージ200のW相出力端子212qに対応させることができ、V相ダイパッド222bはPQFNパッケージ200のV相出力端子212pに対応させることができ、U相ダイパッド222cはPQFNパッケージ200のU相出力端子212oに対応させることができる。
【0047】
同様に
図2Bに示すように、U相パワースイッチ204a、V相パワースイッチ206a、及びW相パワースイッチ208aはPQFNパッケージ200のエッジ242aと交差するエッジ242bに沿ってリードフレーム260上に置かれる。U相パワースイッチ204a、V相パワースイッチ206a、及びW相パワースイッチ208aは共通ダイパッド228の上に置かれる。具体的には、U相パワースイッチ204aのドレイン236d、V相パワースイッチ206aのドレイン236e、及びW相パワースイッチ208aのドレイン236fがリードフレーム260の共通ダイパッド228の上に置かれる。従って、
図2Bに示すように、共通ダイパッド228はPQFNパッケージ200のVBUS端子212a(例えばバス電圧入力端子)に対応させることができる。
【0048】
この構成の一例は
図2Dに詳細に示されている。
図2DはPQFNパッケージ200の断面図を示す。
図2Dの断面図は
図2B及び2Cの断面2D−2Dに対応する。
図2Dはリードフレーム260の導電性接着剤254及びめっき層248aにより共通ダイパッド228に接続されたV相パワースイッチ206aのドレイン236eを示す。導電性接着剤254はQMI529HT等の銀充填接着剤とすることができる。PQFNパッケージ200内に他のダイも同様にしてリードフレーム260に接続することができる。
【0049】
U相パワースイッチ204b、V相パワースイッチ206b、及びW相パワースイッチ208bはそれぞれU相パワースイッチ204a、V相パワースイッチ206a、及びW相パワースイッチ208aにリードフレーム260を介して結合される。
【0050】
図2Bにおいて、ワイヤボンド246aはU相パワースイッチ204aのソース238dをリードフレーム260に電気的に且つ機械的に接続する。具体的には、ソース238dはワイヤボンド246aによりリードフレームストリップ232のリードフレームアイランド236に接続される。従って、
図1AのU相出力ノード110aはリードフレーム260のリードフレームストリップ232上に置かれ、このリードフレームストリップ232がリードフレーム260のU相ダイパッド222cに接続される。従って、PQFNパッケージ200はワイヤボンド246a、及びワイヤボンド244b等の他のワイヤボンドの配置に大きなフレキシビリティを有し、配線交差に起因する配線短絡を回避しながら高い電気的及び熱的性能を達成することができる。
【0051】
同様に、ワイヤボンド246bはV相パワースイッチ206aのソース238eをリードフレーム260に電気的に且つ機械的に接続する。
図2Dはこの接続の一例を示す。ソース238eはワイヤボンド246bによりリードフレームストリップ230のリードフレームアイランド234にリードフレーム260のめっき層248bを介して接続される。リードフレームストリップ230は続いてV相ダイパッド222bを経てV相パワースイッチ206bのドレイン236bに接続する。ソース238dをU相パワースイッチ204bのドレイン236cに接続するのと同様の接続を使用することができる。ワイヤボンド246bはリードフレームアイランド234においてV相パワースイッチ206aのソース238eをリードフレームストリップ230に接続する。従って、
図1AのV相出力ノード110bはリードフレーム260のリードフレームストリップ230上に置かれ、このリードフレームストリップ230はリードフレーム260のV相ダイパッド222bに接続される。従って、PQFNパッケージ200はワイヤボンド246b及びワイヤボンド244c等の他のワイヤボンドの配置に大きなフレキシビリティを有し、配線交差に起因する配線短絡を回避しながら高い電気的及び熱的性能を達成することができる。
【0052】
PQFNパッケージ200はリードフレームストリップ230及び/又は232のないリードフレームアイランド234及び/又は236を含むこともできる点に注意されたい。例えば、リードフレームアイランド234はPCB上のトラックを経てV相ダイパッド222bに接続することもできる。更に、PQFNパッケージ200はリードフレームアイランド234及び/又は236のないリードフレームストリップ230及び/又は232を含むこともできる。しかしながら、リードフレームアイランド234及び/又は236を有するリードフレームストリップ230及び/又は232は多くの場合PQFNパッケージ200内のワイヤボンドの配置に大きなフレキシビリティをもたらし、高い電気的及び熱的性能を達成することができる。
【0053】
図2Bにおいて、ワイヤボンド246cはW相パワースイッチ208aのソース238fをリードフレーム260に電気的に且つ機械的に接続する。具体的には、ワイヤボンド246cはW相パワースイッチ208aのソース238fをリードフレーム260上のW相ダイパッド222aに接続する。従って、
図1AのW相出力ノード110cはW相パワースイッチ208bとともにリードフレーム260のW相ダイパッド222a上に置かれる。W相パワースイッチ208bはW相パワースイッチ208aに隣接するので、W相パワースイッチ208aのソース238fを、配線交差に起因する配線短絡を容易に避けながら、W相パワースイッチ208bのドレイン236aに結合することができ、高い電気的及び熱的性能を達成することができる。これはリードフレームストリップ及び/又はリードフレームアイランドを使用することなく達成することもできる。
【0054】
従って、PQFNパッケージ200は、U相出力ノード110a、V相出力ノード110b及びW相出力ノード110c間のアーク放電を避けながら大幅に小さくすることができる。例えば、追加のリードフレームストリップ及び/又はリードフレームアイランドは、アーク放電の防止のためにリードフレームストリップ230及び232間の間隔252を十分に大きく(例えば1mm以上)維持するために大きなPQFNパッケージ200を必要とする。更に、この構成はPQFNパッケージ200内のワイヤボンド配置のフレキシビリティにあまり影響を与えない。また、W相ダイパッド222aはPQFNパッケージ200の底面240bで露出するので(
図2C参照)、W相出力ノード110aで発生する熱をPQFNパッケージ200から効率的に放散することができる。
【0055】
PQFNパッケージ200はドライバIC202のサポート論理回路に結合されたリードフレーム260の論理接地を含む。リードフレーム260の論理接地は論理接地端子212mを含む。少なくともワイヤボンド244gがリードフレーム260の論理接地端子212mをドライバIC202に電気的に且つ機械的に接続し、具体的にはリードフレーム260の論理接地端子212mをドライバIC202のサポート論理回路に接続する。
【0056】
PQFNパッケージ200は更に、U相パワースイッチ204b、V相パワースイッチ206b、及びW相パワースイッチ208bのソース238c、238b及び238aに結合されたリードフレーム260の電力段接地を含む。リードフレーム260の電力段接地は電力段接地端子212n、ドライバICダイパッド220、及びリードフレームアイランド233を含む。
図2Bにおいて、少なくともワイヤボンド246dがリードフレーム260の電力段接地の電力段接地端子212nをW相パワースイッチ208bのソース238aに電気的に且つ機械的に接続する。少なくともワイヤボンド246eがW相パワースイッチ208bのソース238aをV相パワースイッチ206bのソース238bに電気的に且つ機械的に接続する。同様に、少なくともワイヤボンド246fがV相パワースイッチ206bのソース238bをU相パワースイッチ204bのソース238cに電気的に且つ機械的に接続する。従って、ソース238a、238b及び238cはPQFNパッケージ200内で互いに電気的に且つ機械的に接続される。
【0057】
他の実施形態においては、PQFNパッケージ200はソース238a、238b及び230cがPQFNパッケージ200内で互いに電気的に接続されないオープンソース/エミッタ型PQFNパッケージ(オープンエミッタ型PQFNパッケージとも称す)である。例えば、ワイヤボンド246などのワイヤボンドはソース238a、238b及び238cをPQFNパッケージ200の個別の電流源端子に電気的に機械的に接続することができる。
【0058】
本実施形態においては、リードフレーム260の電力段接地はドライバIC202のゲートドライバ(例えば
図1のゲートドライバ174b)に結合される。ワイヤボンド244e及び244fがリードフレーム260を介してU相パワースイッチ204bのソース238cをドライバIC202のドライバ174bに接続する。ワイヤボンド244eがU相パワースイッチ204bのソース238cをリードフレーム260のリードフレームアイランド233に電気的に且つ機械的に接続する。ワイヤボンド244fがリードフレーム260のリードフレームアイランド233をドライバIC202に電気的に且つ機械的に接続する。U相パワースイッチ204bのソース238cをリードフレーム260を介してドライバIC202に接続することによってPQFNパッケージ200の接続配線にフレキシビリティがもたらされる。しかしながら、リードフレームアイランド233は任意選択であり、ワイヤボンドによってU相パワースイッチ204bのソース238cをドライバIC202に直接接続しても良いことに注意されたい。更に、一部の実施形態においては、ドライバIC202は任意選択としてリードフレーム260のドライバICダイパッド220の上に置かれた接地256を有することができる。接地256は電力段接地及び/又は論理接地とすることができる。図示の実施形態においては、接地256が電力段接地である場合には、ワイヤボンド244fは除去することができる。
【0059】
このように、PQFNパッケージ200は、リードフレーム260の上に置かれた多相インバータ(例えば多相インバータ180)と、リードフレーム260の上に置かれ且つ多相インバータを駆動するように構成されたドライバ(例えばドライバ174a)とを含む。PQFNパッケージ200は更にドライバにそれぞれ結合されたブートストラップダイオード(例えばブートストラップダイオード176)を含み、これらのブートストラップダイオードはリードフレーム260の上に置かれた共通集積回路(IC)(ドライバIC202)内に含めることができる。
【0060】
図示の実施形態において、共通IC(例えばドライバIC202)はドライバ174aを含む。ワイヤボンド244bは、リードフレームアイランド236においてドライバIC202(例えばU相ドライバ142a)とリードフレーム260のリードフレームストリップ232とを電気的に且つ機械的に接続する。
図1AのU相出力ノード110aもリードフレーム260のリードフレームアイランド236上に位置する。従って、
図1AのU相ドライバ142aは多相インバータ180のU相出力ノード110aに結合され、U相出力ノード110aはリードフレーム260のリードフレームアイランド236(及び/又はリードフレームストリップ232)上に位置する。
【0061】
同様に、ワイヤボンド244cは、リードフレームアイランド234においてドライバIC202(例えばV相ドライバ142b)とリードフレーム260のリードフレームストリップ230とを電気的に且つ機械的に接続する。
図1AのV相出力ノード110bもリードフレーム260のリードフレームアイランド234上に位置する。従って、
図1AのV相ドライバ142bは多相インバータ180のV相出力ノード110bに結合され、V相出力ノード110bはリードフレーム260のリードフレームアイランド234(及び/又はリードフレームストリップ230)上に位置する。
【0062】
同様に、ワイヤボンド244dは、ドライバIC202(例えばW相ドライバ142c)とW相パワースイッチ208aのソース238fとを電気的に且つ機械的に接続する。本実施形態においては、ワイヤボンド244dはドライバIC202とソース238fとの間の直接電気接続である。これにより、
図1AのW相ドライバ142cは多相インバータ180のW相出力ノード110cに結合される。
【0063】
PQFNパッケージ200は更に、共通IC(例えばドライバIC202)をPQFNパッケージ200のブートストラップ供給電圧端子212r、212s及び212tに結合するワイヤボンド244g、244h及び244iを含む。ブートストラップダイオード176は共通IC内にあるので、PQFNパッケージ200は単一の供給電圧端子(VCC端子212b)を必要とするのみであり、ワイヤボンド244aがVCC端子212bをブートストラップダイオード176の各々に結合する。ドライバ174aを給電するために、ブートストラップ供給電圧端子212r、212s及び212tからU出力端子212o、V相出力端子212p及びW相出力端子212qにブートストラップキャパシタ178をそれぞれ結合することができる。
【0064】
従って、
図1A、1B及び
図2A−2Dにつき述べたように、様々な実施形態において、PQFNパッケージはリードフレーム上に位置する共通IC内にブートストラップダイオードを含むことができる。幾つかの実施形態において、共通ICは多相インバータのドレインを含む。そうすることで、PQFNパッケージは配線交差及び配線短絡の回避及び高い電気的及び熱的性能を達成しながら一般的なQFNより大幅に複雑にすることができる。
【0065】
以上の説明から明らかなように、本願に記載の発明の概念は本発明の概念の範囲を逸脱することなく種々の技術を用いて実施することができる。更に、特に幾つかの実施形態について本発明の概念を説明したが、当業者であれば、それらの形態及び細部に本発明の概念の精神及び範囲を逸脱することなく種々な変更を加えることができることは理解されよう。従って、上述した実施形態はあらゆる点において例示的なものであり、限定的なものではないと考慮されたい。更に、本発明は上述した特定の実施形態に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなしに、本発明に多くの再配置、変形及び置換を行い得ることを理解されたい。