特許第6259791号(P6259791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6259791クロスBEFコリメータおよび偏光保存拡散器を備えるデュアルパネルディスプレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6259791
(24)【登録日】2017年12月15日
(45)【発行日】2018年1月10日
(54)【発明の名称】クロスBEFコリメータおよび偏光保存拡散器を備えるデュアルパネルディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1347 20060101AFI20171227BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20171227BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20171227BHJP
【FI】
   G02F1/1347
   G02F1/1335
   G09F9/00 324
   G09F9/00 336E
【請求項の数】15
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2015-152166(P2015-152166)
(22)【出願日】2015年7月31日
(62)【分割の表示】特願2014-508503(P2014-508503)の分割
【原出願日】2012年4月25日
(65)【公開番号】特開2015-232722(P2015-232722A)
(43)【公開日】2015年12月24日
【審査請求日】2015年7月31日
(31)【優先権主張番号】61/479,966
(32)【優先日】2011年4月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507236292
【氏名又は名称】ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】エリンジップラース、ゴパール
(72)【発明者】
【氏名】ギルバート、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジャレッタ、ジョルジオ
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ヴィンセント
【審査官】 磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−310376(JP,A)
【文献】 特表2010−510545(JP,A)
【文献】 特開2010−256890(JP,A)
【文献】 特開2010−049937(JP,A)
【文献】 特開2007−286413(JP,A)
【文献】 特表2007−503091(JP,A)
【文献】 特開2007−214142(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1335−1/13363
G02F 1/1347
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアルパネルディスプレイであって、
画像生成パネルと、
少なくとも1つのコントラスト強調パネルと、
バックライトであって、前記バックライトは、前記バックライトからの光が、前記コントラスト強調パネルを照明するように配置され、前記コントラスト強調パネルを透過された光が、前記画像生成パネルを照明する、前記バックライトと、
前記コントラスト強調パネルと前記画像生成パネルとの間にある偏光保存拡散器と、
前記バックライトと、前記コントラスト強調パネルとの間にあるBEFコリメータ装置であって、該BEFコリメータ装置は、2つの積層された明るさ向上フィルムを含み、各明るさ向上フィルムは、該明るさ向上フィルム上に配置された反射フィーチャを有し、前記2つの明るさ向上フィルムの反射フィーチャの延長方向が互いに交差する、前記BEFコリメータ装置と、
を備え、前記コントラスト強調パネルが、初期偏光子と検光偏光子との間の能動層を含み、前記画像生成パネルが、初期偏光子と検光偏光子との間の能動層を含み、
前記コントラスト強調パネルの解像度が、前記画像生成パネルの解像度よりも高く、
前記コントラスト強調パネルが、前記バックライトと前記画像生成パネルとの間に配置されている、デュアルパネルディスプレイ。
【請求項2】
前記コントラスト強調パネルが、特定の偏光を有する変調光を透過するように構成され、前記偏光保存拡散器が、前記変調光の偏光を保ちながら前記変調光を拡散するように構成され、かつ方向付けられている、請求項1に記載のデュアルパネルディスプレイ。
【請求項3】
前記BEFコリメータ装置と前記コントラスト強調パネルとの間に配置された反射偏光子をさらに備え、前記反射偏光子は、前記反射偏光子によって透過される光の偏光が、前記初期偏光子によって透過される光の偏光と一致するように、前記コントラスト強調パネルの前記初期偏光子に対して方向付けられ、前記反射偏光子が、DBEF−D(登録商標)フィルムである、請求項2に記載のデュアルパネルディスプレイ。
【請求項4】
前記反射偏光子と、前記コントラスト強調パネルの前記初期偏光子と、前記コントラスト強調パネルの前記能動層と、前記コントラスト強調パネルの前記検光偏光子とが、一体に積層され、前記画像生成パネルの前記初期偏光子と、前記画像生成パネルの前記能動層と、前記画像生成パネルの前記検光偏光子とが一体に積層されている、請求項3に記載のデュアルパネルディスプレイ。
【請求項5】
デュアルパネルディスプレイであって、
画像生成パネルと、
少なくとも1つのコントラスト強調パネルと、
バックライトであって、前記バックライトは、前記バックライトからの光が、前記画像生成パネルを照明するように配置され、前記画像生成パネルを透過された光が、前記コントラスト強調パネルを照明する、前記バックライトと、
前記コントラスト強調パネルと前記画像生成パネルとの間にある偏光保存拡散器と、
前記バックライトと、前記コントラスト強調パネルとの間にあるBEFコリメータ装置であって、該BEFコリメータ装置は、2つの積層された明るさ向上フィルムを含み、各明るさ向上フィルムは、該明るさ向上フィルム上に配置された反射フィーチャを有し、前記2つの明るさ向上フィルムの反射フィーチャの延長方向が互いに交差する、前記BEFコリメータ装置と、
を備え、前記コントラスト強調パネルが、初期偏光子と検光偏光子との間の能動層を含み、前記画像生成パネルが、初期偏光子と検光偏光子との間の能動層を含み、
前記コントラスト強調パネルの解像度が、前記画像生成パネルの解像度よりも高く、
前記画像生成パネルが、前記バックライトと前記コントラスト強調パネルとの間に配置され、前記画像生成パネルが、特定の偏光を有する変調光を透過するように構成され、前記偏光保存拡散器が、前記変調光の偏光を保ちながら前記変調光を拡散するように構成され、かつ方向付けられており、
前記BEFコリメータ装置と前記画像生成パネルとの間に配置された反射偏光子をさらに備え、前記反射偏光子は、前記反射偏光子によって透過される光の偏光が前記初期偏光子によって透過される光の偏光と一致するように、前記画像生成パネルの前記初期偏光子に対して方向付けられている、デュアルパネルディスプレイ。
【請求項6】
前記反射偏光子が、DBEF−D(登録商標)フィルムである、請求項5に記載のデュアルパネルディスプレイ。
【請求項7】
前記反射偏光子と、前記画像生成パネルの前記初期偏光子と、前記画像生成パネルの前記能動層と、前記画像生成パネルの前記検光偏光子とが、一体に積層され、前記コントラスト強調パネルの前記初期偏光子と、前記コントラスト強調パネルの前記能動層と、前記コントラスト強調パネルの前記検光偏光子とが、一体に積層されている、請求項5に記載のデュアルパネルディスプレイ。
【請求項8】
前記偏光保存拡散器が、ホログラフィ拡散器であるか、または
前記デュアルパネルディスプレイが、ハイダイナミックレンジのディスプレイとして実装されている、請求項1に記載のデュアルパネルディスプレイ。
【請求項9】
前記デュアルパネルディスプレイが、デュアルLCDパネルディスプレイであり、前記画像生成パネルが、カラーLCDパネルであり、前記コントラスト強調パネルが、無彩色LCDパネルである、請求項1に記載のデュアルパネルディスプレイ。
【請求項10】
前記無彩色LCDパネルが、前記バックライトと前記カラーLCDパネルとの間に配置され、前記無彩色LCDパネルが、特定の偏光を有する変調光を透過するように構成され、前記偏光保存拡散器が、前記変調光の偏光を保ちながら前記変調光を拡散するように構成され、かつ方向付けられ、前記カラーLCDパネルが、入力偏光を有する光を変調するように構成され、前記無彩色LCDパネルによって透過される前記変調光の偏光が、前記カラーLCDパネルの前記入力偏光と一致し、
前記BEFコリメータ装置と前記無彩色LCDパネルとの間に配置された反射偏光子をさらに備え、前記反射偏光子は、前記反射偏光子によって透過される光の偏光が前記初期偏光子によって透過される光の偏光と一致するように、前記無彩色LCDパネルの前記初期偏光子に対して方向付けられている、請求項9に記載のデュアルパネルディスプレイ。
【請求項11】
前記反射偏光子が、DBEF−D(登録商標)フィルムであるか、または
前記反射偏光子と、前記無彩色LCDパネルの前記初期偏光子と、前記無彩色LCDパネルの前記能動層と、前記無彩色LCDパネルの前記検光偏光子とが、一体に積層され、前記カラーLCDパネルの前記初期偏光子と、前記カラーLCDパネルの前記能動層と、前記カラーLCDパネルの前記検光偏光子とが、一体に積層されている、請求項10に記載のデュアルパネルディスプレイ。
【請求項12】
デュアルパネルディスプレイであって、
画像生成パネルと、
少なくとも1つのコントラスト強調パネルと、
バックライトであって、前記バックライトは、前記バックライトからの光が、前記画像生成パネルを照明するように配置され、前記画像生成パネルを透過された光が、前記コントラスト強調パネルを照明する、前記バックライトと、
前記コントラスト強調パネルと前記画像生成パネルとの間にある偏光保存拡散器と、
前記バックライトと、前記コントラスト強調パネルとの間にあるBEFコリメータ装置であって、該BEFコリメータ装置は、2つの積層された明るさ向上フィルムを含み、各明るさ向上フィルムは、該明るさ向上フィルム上に配置された反射フィーチャを有し、前記2つの明るさ向上フィルムの反射フィーチャの延長方向が互いに交差する、前記BEFコリメータ装置と、
を備え、前記コントラスト強調パネルが、初期偏光子と検光偏光子との間の能動層を含み、前記画像生成パネルが、初期偏光子と検光偏光子との間の能動層を含み、
前記コントラスト強調パネルの解像度が、前記画像生成パネルの解像度よりも高く、
前記デュアルパネルディスプレイが、デュアルLCDパネルディスプレイであり、前記画像生成パネルが、カラーLCDパネルであり、前記コントラスト強調パネルが、無彩色LCDパネルであり、
前記カラーLCDパネルが、前記バックライトと前記無彩色LCDパネルとの間に配置され、前記カラーLCDパネルが、特定の偏光を有する変調光を透過するように構成され、前記偏光保存拡散器が、前記変調光の偏光を保ちながら前記変調光を拡散するように構成され、かつ方向付けられており、
前記BEFコリメータ装置と前記カラーLCDパネルとの間に配置された反射偏光子をさらに備え、前記反射偏光子は、前記反射偏光子によって透過される光の偏光が前記初期偏光子によって透過される光の偏光と一致するように、前記カラーLCDパネルの前記初期偏光子に対して方向付けられている、デュアルパネルディスプレイ。
【請求項13】
前記反射偏光子が、DBEF−D(登録商標)フィルムである、請求項12に記載のデュアルパネルディスプレイ。
【請求項14】
前記反射偏光子と、前記カラーLCDパネルの前記初期偏光子と、前記カラーLCDパネルの前記能動層と、前記カラーLCDパネルの前記検光偏光子とが、一体に積層され、前記無彩色LCDパネルの前記初期偏光子と、前記無彩色LCDパネルの前記能動層と、前記無彩色LCDパネルの前記検光偏光子とが、一体に積層されている、請求項12に記載のデュアルパネルディスプレイ。
【請求項15】
前記無彩色LCDパネルの前記能動層が、カラーフィルタのないセルのアレイであり、前記カラーLCDパネルの前記能動層が、カラーフィルタを有するセルのアレイであり、
前記偏光保存拡散器が、ホログラフィ拡散器であり、
前記デュアルパネルディスプレイが、ハイダイナミックレンジのディスプレイとして実装されている、請求項9に記載のデュアルパネルディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態の一類において、本発明は、2つの変調LCDパネル、すなわち無彩色LCDパネルとカラーLCDパネルを含むデュアルLCDパネルディスプレイに関する。実施形態の一類において、本発明によるデュアルLCDパネルディスプレイは、無彩色LCDパネルと、カラーLCDパネルと、バックライトアセンブリと、バックライトアセンブリとカラーLCDパネルおよび無彩色LCDパネルの一方との間にあるクロスBEF(「明るさ向上フィルム」)コリメータと、無彩色LCDパネルとカラーLCDパネルとの間にある偏光保存拡散器とを含む。
【背景技術】
【0002】
特許請求の範囲に含まれる本開示を通じて、信号またはデータ「に対する」操作(例えば、信号またはデータのフィルタリング、スケーリング、または変換)を行うという表現は、信号またはデータに対して直接操作を行う、または、信号もしくはデータの処理されたバージョン(例えば、操作の実施前に予備フィルタリングが行われた信号のバージョン)に対して操作を行うことを表すために、広範な意味で使用される。
【0003】
特許請求の範囲に含まれる本開示を通じて、名詞「ディスプレイ」と表現「ディスプレイスクリーン」は、同義で使用される。表現「ハイダイナミックレンジ」のディスプレイ(HDRディスプレイ)は、本明細書では、800:1よりも大きいダイナミックレンジを有するディスプレイを表す。近年の技術進歩により、1000000:1を超えるコントラスト比を求めるディスプレイが製造されている。
【0004】
特許請求の範囲に含まれる本開示を通じて、表現「デュアルLCDパネルディスプレイ」は、2つの変調LCDパネル(無彩色LCDパネルとカラーLCDパネル)と、LCDパネルを照明するためのバックライトシステムとを含むディスプレイシステムを表すために使用される。バックライトシステムは、空間的に可変なバックライトシステム(例えば、個別に制御可能なLCDのアレイを備える空間的に可変なバックライトパネル、または他の空間的に可変なバックライトパネル)または固定バックライトでよい。無彩色LCDパネルとカラーLCDパネルは、一方のLCDパネル(「第1の」LCDパネル)がバックライトシステムによって背面照明され、他方のLCDパネルが、第1のLCDパネルを透過された光によって背面照明されるように配置される。バックライトシステムが空間的に可変なバックライトシステムであるデュアルLCDパネルディスプレイが、本明細書で定義する「デュアル変調ディスプレイ」の一例である。
【0005】
本開示を通じて、表現「デュアル変調ディスプレイ」は、変調前面LCDパネルシステムと、前面LCDパネルシステムを背面照明するための空間的に可変なバックライトシステム(例えば、個別に制御可能なLEDのアレイを備える空間的に可変なバックライトパネル、または別の空間的に可変なバックライトパネル)とを含むディスプレイシステムを表すために使用される。デュアル変調ディスプレイの変調前面LCDパネルシステムの例は、(限定はしないが)LCD素子のアレイを備える単一のLCDパネルと、2つのLCDパネル(無彩色LCDパネルとカラーLCDパネル)とを含み、上記2つのLCDパネルは、一方のLCDパネル(「第1の」LCDパネル)がバックライトシステムによって背面照明され、他方のLCDパネルが、第1のLCDパネルを透過された光によって背面照明されるように配置される。
【0006】
本明細書で「一軸対称性」を有するフィルムまたは層である光学要素は、少なくとも実質的に平坦な主面を有し、(主面に垂直な)1つの垂直軸と、垂直軸に垂直な2つの直交軸(本明細書では、簡便にするために時として「表面」軸または「X」および「Y」表面軸と表す)とを有する光学要素を示し、ここで、フィルムまたは層の光学特性は、第1の表面軸(「X」表面軸)に対して少なくとも実質的に一様であるが、他方の表面軸(「Y」表面軸)に対しては一様でない。主面は、「少なくとも実質的に平坦」でよいが、表面フィーチャ(例えばリッジ)を有し、表面フィーチャは、光学要素の全体サイズに比べて小さく、そのようなフィーチャの(小さな)長さスケールで表面を平坦でなくす。「一軸対称性」を有するフィルムまたは層である光学要素は、その垂直軸に直交する平面内で放射対称性を有さない。光学システム(例えばデュアルLCDパネルディスプレイ)での使用時、「一軸対称性」を有するフィルムまたは層である光学要素は、典型的には、その垂直軸がシステムの光軸と少なくとも実質的に位置合わせされるように方向付けられる。
【0007】
本明細書において、表現「BEF」(または「明るさ向上フィルム(brightness enhancing film)」)は、一軸対称性を有するフィルムまたは層であって、光学要素の垂直軸と、光学要素の第1の表面軸(例えば「X」表面軸)とによって定義される平面内での光の入射角に応じて(第1の伝達関数に従って)入射光を選択的に透過および/または反射するように構成され、しかし、垂直軸と他方の表面軸(例えば「Y」表面軸)とによって定義される直交面での入射角に依存する(別の伝達関数に従う)透過率および反射率も有するように構成される光学要素を表す。BEFは、フィーチャ(例えばリッジ)を有することがあり、フィーチャは、BEFの主面の全体的な寸法に比べて小さく、垂直軸に平行な表面内に/表面から外に延びる。したがって、BEFは、その両方の直交表面軸に関して同じコリメーション機能を有さない。しかし、主面が互いに平行であり、「X」表面軸は互いに90度ずれるように方向付けられた2つの個別のBEFからなる光学要素は、その両方の直交表面軸に関して同じコリメーション機能を有することができる。
【0008】
典型的なBEFは、プリズム表面パターンをインプリントされた(例えばポリマー材料からなる)シートであり、このパターンは、シートの垂直軸から内側および外側に延びる鋸歯パターンに類似する。これらのプリズムにより、BEFは、高い入射角では入射しない(例えばLCDディスプレイのバックライトからの)入射光を再指向(反射)し、高い入射角で入射する光(例えばBEFの垂直軸にほぼ垂直に伝播する光)を透過させる。BEFで反射された光は、他の要素で再び反射されることがあり、それにより再びBEFに入射するが、この時にはBEFを透過されるような入射角である(例えば、BEFを含むバックライト式LCDディスプレイシステムによって表示される画像の明るさを、BEFがディスプレイシステムから省かれた場合に画像が有するであろう明るさに比べて高める)。
【0009】
BEFの一例は、「DBEF」(デュアルBEF)フィルムである。典型的なDBEFは、(前の段落で述べたように)シートの垂直軸から内側および外側に延びるプリズム表面パターンをインプリントされた(例えばポリマー材料からなる)シートであり、また、プリズムに入射するが、透過に適正な角度ではない光を(反射によって)リサイクルするための追加の反射層も含む。
【0010】
BEFの別の例は、「BEF−D」(BEF拡散)フィルムであり、これは、BEF層(例えばDBEF層。この場合、BEF−Dフィルムは、「DBEF−D」フィルムと呼ばれることがある)と、少なくとも1つの拡散層とを含む多層フィルムである。バックライト式LCDディスプレイシステムでの使用時、BEF−Dは、BEF−DフィルムでないBEFフィルムによってBEF−Dが交換された場合にディスプレイシステムで実現することができる視野角よりも広い視野角を提供することができる。
【0011】
デュアルLCDパネルディスプレイ、他のデュアルパネルディスプレイ、およびハイダイナミックレンジディスプレイのいくつかの実施形態が、Gopal ErinjippurathおよびJohn Gilbertによる2010年5月14日出願の米国特許出願第12/780,749号に記載されている。デュアルLCDパネルディスプレイの無彩色LCDパネルおよびカラーLCDパネルを駆動するためのいくつかの方法およびシステムが、上記の出願に記載されている。米国特許出願第12/780,749号には、拡散器、コリメータ、明るさ向上フィルム(BEF)、およびデュアル明るさ向上フィルム(DBEF)の任意のものを含めた様々な光学要素を、そのようなデュアルLCDパネルディスプレイの光/画像チェーン内の実質的に任意の点に配置することができることが述べられている。
【0012】
コントラスト比は、ディスプレイが生成することができる最も暗い色に対する最も明るい色の比と定義される。正確な画像再生には高いコントラスト比が望ましいが、従来のディスプレイではしばしば制限される。1つの従来のディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)パネルと、LCDパネルの後方に配設されたバックライト、典型的には低陰極蛍光管(CCFL)とからなる。ディスプレイコントラスト比は、LCDコントラスト比によって設定され、典型的には1000:1未満である。デュアルLCDパネルディスプレイは、ただ1つのLCDパネルのみを含む従来のディスプレイまたはデュアル変調ディスプレイが提供することができるよりも高いコントラスト比を提供することができる。
【0013】
デュアル変調ディスプレイまたはデュアルLCDパネルディスプレイが、空間的に可変なバックライトシステムを含むとき、最適なバックライトを実現するようにバックライト駆動値(例えばLED駆動値)を選択すべきであり、そのような最適なバックライトの実現は、視覚アーチファクト(例えば、白色クリッピング、黒色クリッピング、およびハロー)およびこれらのアーチファクトの時間変化を最小限にしながらコントラストを最大にし、エネルギー効率を最大にすることを含む。理想的な解決策は、所与の用途に関してこれらの基準のバランスを図る。好ましくは、バックライト駆動値は、バックライトシステムを制御して、ディスプレイアーチファクト、例えば、明るいピクセルのクリッピング、暗いピクセルのクリッピング、および輪郭処理、ならびに運動および画像変形に伴う出力変化を緩和する。
【0014】
空間的に可変なLEDバックライトシステムを含むデュアル変調ディスプレイでは、LCD前面パネルシステムでのコントラストは、LEDバックライトのコントラストによる乗算によって増加される。通常、バックライト層は、低解像度バージョンの画像に対応する光を放出し、(より高い解像度を有する)LCD前面パネルシステムは、高解像度バージョンの画像を表示するように(バックライト層からの光を選択的に阻止することによって)光を透過する。実際、高解像度の「画像」と低解像度の「画像」は、光学的に乗算される。
【0015】
空間的に可変なLEDバックライトシステムを含むデュアル変調ディスプレイでは、典型的には、近くのLCDピクセルが同様の背面照明を有する。入力画像がLCDパネルのコントラスト範囲を超えるピクセル値を含む場合、バックライトは、すべてのLCDピクセルに関して最適なわけではない。典型的には、LCDパネルの局所領域に関する背面照明レベルの選択は、その領域内でのすべてのLCDピクセルに関して最適なわけではない。いくつかのLCDピクセルに関しては、バックライトが高すぎることがあり、他のものに関しては、バックライトが低すぎることがある。背面照明は、知覚の観点から入力信号を最良に表現するように設定すべきであり、すなわち、バックライトレベルは、明るいピクセルおよび暗いピクセルの最良の知覚的表現を可能にするように選択すべきである。これらは、どちらも正確には表現できないことが多い。
【0016】
背面照明が高すぎる場合、黒を含めた正確な低レベルが補償される。最小LCD透過率に近いLCD値を必要とする入力画像ピクセル値は、輪郭処理(定量化)され、最小LCD透過率未満のLCD値を必要とするピクセルは、最小レベルにクリップされる。背面照明が低すぎる場合、バックライトレベルを超えるピクセルは、最大LCDレベルにクリップされる。これらのクリッピングおよび輪郭処理のアーチファクトは、従来の一定バックライト式LCDディスプレイで生じることがある。
【0017】
それぞれ画像生成パネル(例えばカラーLCDパネル。しかし代替として別の画像生成パネル)およびコントラスト強調パネル(例えば無彩色LCDパネル。しかし代替として別のコントラスト強調パネル)と、バックライトとを含む、米国特許出願第12/780,749号に記載されているタイプのデュアルパネルディスプレイの例を、図1図2図2A図3A図3B図4A図4B図4C、および図4Dを参照して説明する。
【発明の概要】
【0018】
実施形態の一類において、本発明によるデュアルLCDパネルディスプレイは、カラーLCDパネル(本明細書では時として「画像生成」パネルと呼ぶ)と、カラーフィルタを有さないLCDパネル(無彩色LCDパネル)と、バックライトと、無彩色LCDパネルとカラーLCDパネルとの間にある偏光保存拡散器と、バックライトと無彩色LCDパネルおよびカラーLCDパネルの一方との間にあるクロスBEF(「明るさ向上フィルム」)コリメータとを備える。カラーLCDパネルと無彩色LCDパネルはそれぞれ、初期偏光子と検光偏光子との間に(LCDセルを含む)能動層を含む。したがって、典型的な実施形態では、無彩色LCDパネルは、2つの偏光子(初期偏光子と検光偏光子)を含み、特定の偏光を有する光を透過し、偏光保存拡散器は、この光の偏光を保ち、カラーLCDパネル(これも2つの偏光子、すなわち初期偏光子と検光偏光子を含む)が、偏光保存拡散器によって拡散された光をさらに変調する。いくつかの実施形態では、2つのパネルの位置が逆であり、したがって、カラーLCDパネルが無彩色LCDパネルの上流にある。
【0019】
好ましくは、無彩色LCDパネルは、(無彩色LCDパネルがバックライトとカラーLCDパネルとの間にあるという意味合いで)カラーLCDパネルの上流に配置され、反射偏光子(いくつかの実施形態では、DBEF−Dフィルムとして実装される)が、クロスBEFコリメータと無彩色LCDパネルとの間に配置され、この反射偏光子は、反射偏光子によって透過される光の偏光が初期偏光子によって透過される光の偏光と一致するように、無彩色LCDパネルの初期偏光子に対して方向付けられる。クロスBEFコリメータから無彩色LCDパネルに向かって伝播するコリメートされた光が、反射偏光子によって偏光バイアスを与えられ、反射偏光子は、不正確に偏光された光をクロスBEFコリメータに向けて反射し返す。好ましくは、クロスBEFコリメータは、反射偏光子と共にレンズ効果を生み出し、この効果は、クロスBEFコリメータに鈍角で(バックライトから)入射する光をコリメートして偏光し、(鈍角でない)他の角度でクロスBEFコリメータに入射した光をリサイクルして(バックライトに向けて反射し返して)、光学スタックの全体的な効率を改良する。代替として、カラーLCDパネルが無彩色LCDパネルの上流にある実施形態では、反射偏光子は、クロスBEFコリメータとカラーLCDパネルとの間に配置される。
【0020】
本発明によるデュアルLCDパネルディスプレイは、典型的にはまた、(カラーLCDパネル用の駆動信号を決定する)カラーパネル駆動値と、(無彩色LCDパネル用の駆動信号を決定する)無彩色パネル駆動値とを生成するように構成されたLCD制御装置を含む。いくつかの実施形態では、本発明によるデュアルパネルディスプレイ(例えば、デュアルLCDパネルディスプレイ)は、ハイダイナミックレンジのディスプレイとして実装される。
【0021】
典型的な実装形態では、無彩色LCDパネルは、(バックライト光源のアレイまたは単一のバックライト光源を備えることがある)バックライトと、カラーLCDパネルとの間に配置され、それにより、動作時、無彩色LCDパネルが背面照明され、バックライトから無彩色LCDパネルを通過する光がカラーLCDパネルを照明する。典型的な実装形態では、無彩色LCDパネルは、ディスプレイによって表示すべき(入力画像ピクセルによって決定される)基本バージョンの画像を生成し、カラーLCDパネルは、さらに、ベース画像を変調して、表示すべき画像を生成する。ベース画像は、表示すべき画像の明るさ強度に比例した明るさ強度を備えることができる。ベース画像の明るさ強度は、表示すべき画像よりも鮮明な画像でよく、またはベース画像は、表示すべき画像の明るさレベルに比例する明るさレベルのぼやけた近似でもよい。無彩色LCDパネルの解像度は、カラーLCDパネルの解像度よりも高いまたは低い(しかし典型的には高い)ことがある。
【0022】
いくつかの実施形態では、バックライトは、1つまたは複数のCCFL、LED、およびOLEDを備える。これらは、直接照明してもよく、またはライトパイプを通して光を搬送することもできる(例えば、エッジライト式バックライト構成の場合)。いくつかの実施形態では、バックライトは、以下のものの少なくとも1つを備える光源のアレイである。白色光源または広帯域スペクトル光源、RGB光源、RGBW光源、RGBと1つまたは複数のさらなる原色光源、あるいは他の多原色光源の色組合せ。光源(例えばエッジライト式光源)のアレイは、局所的に減光されることがある。一実施形態では、光源は様々な色を含み、各色の明るさが個別に制御可能である。
【0023】
より一般的には、本発明の他の実施形態は、画像生成パネル(例えばカラーLCDパネル。しかし代替として別の画像生成パネル)と、少なくとも1つのコントラスト強調パネル(例えば少なくとも1つの無彩色LCDパネル。しかし代替として別のコントラスト強調パネル)と、バックライトと、コントラスト強調パネルと画像生成パネルとの間にある偏光保存拡散器と、バックライトと画像生成パネルおよびコントラスト強調パネルの一方との間にあるクロスBEF(「明るさ向上フィルム」)コリメータとを含むデュアルパネルディスプレイである。コントラスト強調パネルおよび画像生成パネルはそれぞれ、初期偏光子と検光偏光子との間に能動層(光を変調するために駆動することができる)を含む。したがって、典型的な実施形態では、コントラスト強調パネルは、2つの偏光子(初期偏光子と検光偏光子)を含み、特定の偏光を有する光を透過し、偏光保存拡散器は、この光の偏光を保ち、画像生成パネル(これも2つの偏光子、すなわち初期偏光子と検光偏光子を含む)が、偏光保存拡散器によって拡散された光をさらに変調する。いくつかの他の実施形態では、2つのパネルの位置が逆であり、したがって、画像生成パネルがコントラスト強調パネルの上流にある。
【0024】
好ましくは、コントラスト強調パネルは、(コントラスト強調パネルがバックライトと画像生成パネルとの間にあるという意味合いで)画像生成パネルの上流に配置され、反射偏光子(いくつかの実施形態では、DBEF−Dフィルムとして実装される)が、クロスBEFコリメータとコントラスト強調パネルとの間に配置され、この反射偏光子は、反射偏光子によって透過される光の偏光が初期偏光子によって透過される光の偏光と一致するように、コントラスト強調パネルの初期偏光子に対して方向付けられる。クロスBEFコリメータからコントラスト強調パネルに向かって伝播するコリメートされた光は、反射偏光子によって強い偏光バイアスを与えられ、反射偏光子は、不正確に偏光された光をクロスBEFコリメータに向けて反射し返す。好ましくは、クロスBEFコリメータは、反射偏光子と共にレンズ効果を生み出し、この効果は、クロスBEFコリメータに鈍角で(バックライトから)入射する光をコリメートして偏光し、(鈍角でない)他の角度でクロスBEFコリメータに入射した光をリサイクルして(バックライトに向けて反射し返して)、光学スタックの全体的な効率を改良する。代替として、画像生成パネルがコントラスト強調パネルの上流にある実施形態では、反射偏光子は、クロスBEFコリメータと画像生成パネルとの間に配置される。
【0025】
実施形態の最後に述べた形態において、両方のパネルが画像を生成し、両方のパネルが、表示用の最終的な画像にコントラストを与えることを理解すべきである。画像生成パネルは、典型的には、フィルタリングと明るさ変調との組合せによって色およびコントラストを与え、コントラスト強調パネルは、典型的には、明るさ変調によってコントラストを与え、またはコントラストを向上させる。また、上述した実施形態に対する変形形態では、コントラスト強調パネルがカラーフィルタリングも含むことができ、あるいは、コントラスト強調パネルと画像生成パネルの一方または両方における機能の他の変形形態を実装することもできることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に従って変更することができるデュアルLCDパネルディスプレイの概略図である。
図2】本発明の一実施形態に従って変更することができる別のデュアルLCDパネルディスプレイの概略図である。
図2A】デュアルLCDパネルディスプレイで伝送される光の高周波数フィーチャおよび拡散を示すグラフである。
図3A】典型的なLCDパネルでの層の配置を示す図である。
図3B】無彩色LCDパネルと、カラーLCDパネルと、制御装置とを含むデュアルLCDパネルディスプレイの一部の図であって、各LCDパネルにおける層の構成を示す図である。
図4A】ディスプレイのカラーLCDパネルおよび無彩色LCDパネル用の駆動信号を生成するために本発明の一実施形態において含むことができる制御装置(電子デバイス)のアーキテクチャを示す、デュアルLCDパネルディスプレイ用の制御装置のブロック図である。
図4B】ディスプレイのカラーLCDパネルおよび無彩色LCDパネル用の駆動信号を生成するために本発明の一実施形態において含むことができる制御装置(電子デバイス)のアーキテクチャを示す、デュアルLCDパネルディスプレイのブロック図である。
図4C】ディスプレイのカラーLCDパネルおよび無彩色LCDパネル用の駆動信号を生成するために本発明の一実施形態において含むことができる制御装置(電子デバイス)のアーキテクチャを示す、デュアルLCDパネルディスプレイ用の制御装置のブロック図である。
図4D】ディスプレイのカラーLCDパネルおよび無彩色LCDパネル用の駆動信号を生成するために本発明の一実施形態において含むことができる制御装置(電子デバイス)のアーキテクチャを示す、デュアルLCDパネルディスプレイのブロック図である。
図5】本発明によるデュアルLCDパネルディスプレイの一実施形態の要素の簡略側断面図である。
図6】デュアルLCDパネルディスプレイの要素の分解斜視図、およびディスプレイのバックライトおよびLCDパネルを制御するための要素のブロック図である。
図7】本発明によるデュアルLCDパネルディスプレイの別の実施形態の要素の簡略側断面図である。
図8】本発明によるデュアルLCDパネルディスプレイの別の実施形態の要素の簡略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1図2図3B図4A図4B図4C図4D、および図5図7を参照して説明するデュアルLCDパネルディスプレイ実施形態を含めた、本発明によるデュアルパネルディスプレイの多くの実施形態が企図される。(デュアルLCDパネルディスプレイのカラーLCDパネルおよび無彩色LCDパネル用の駆動信号を生成するための)制御装置の例示的実施形態を、図4A図4B図4C図4D、および図6を参照して説明する。
【0028】
図1の)ハイダイナミックレンジのデュアルLCDパネルディスプレイ200は、バックライト110を含み、バックライト110は、標準のCCFLまたは他の広帯域発光源(例えば、LEDやOLEDなど)でよい。バックライト110は、(下流のパネル240および250を直接照明する(1つまたは複数の)光源を備えることがある)直下式でも、(多くの薄型画面LCDディスプレイ設計でよく用いられているような)エッジライト式でもよく、一定のバックライト、全体的に減光されたバックライト、または局所的に減光されたバックライトを放出することができる。バックライトは、白色にすることができ、輝度を制御可能にすることができ、または多色駆動式にすることもできる。
【0029】
バックライト110は、2つの下流の変調器、すなわちカラーLCDパネル250と、(パネル250の上流に配置された)無彩色LCDパネル240とを照明する。バックライト210は、光218で無彩色LCDパネル240を照明する。無彩色パネル240は、変調光248を生成し、変調光248は、バックライト218の局所的に減光されたバージョンである。変調光248は、カラーLCDパネル250によって、色および明るさに関してさらに変調され、最終的な画像光258を生成する。制御装置251は、入力画像データ(例えば、入力ビデオ)に応答して、パネル240および250の能動要素に駆動信号をアサートする。
【0030】
図示されるように、無彩色パネル240は、初期偏光子242と、能動要素パネル242(典型的には、カラーフィルタのないねじれネマティック液晶(「TN」)の層)とを含む。カラーパネル250は、カラーパネル用の初期偏光子としても能動要素パネル242用の検光子としても働く偏光子246(例えば吸光偏光子)と、偏光子246を透過された光を偏光および色に関して変調するカラー能動層254(典型的には、TNセルの層と、その上のカラーフィルタの層)と、偏光ベースのフィルタリングによって強度変調を行う受動偏光子256とを備える。
【0031】
偏光子242は、偏光子242を透過されないような偏光を有するバックライト110からの光を反射する反射偏光子でよい。反射してバックライト110に戻る光は、バックライト110の1つまたは複数の要素による(偏光変化を伴わない)再反射によって「リサイクル」して、再び偏光子242に向けることができる。例えば、図1に示される実装形態に対する変形形態では、バックライト110の右面に配置(例えば接着)された反射偏光子(「バックライトアセンブリ反射偏光子」)が、パネル240によって(例えば、パネル240の偏光子242によって)反射されてバックライト110に向けて戻された光を再反射して、その光の偏光を変える。パネル240からのそのような反射は、典型的には、ディスプレイによるさらに下流での処理を行うために光の偏光が正確な向きではなかったために、偏光子242の反射実装形態で反射されてバックライト110に向けて戻された光を含む。バックライトアセンブリ反射偏光子による再反射は、好ましくは、再反射される光の偏光を変え、それにより、再反射された光は、偏光子242の反射実装形態を透過されて所望の画像の生成に利用される機会を再び得る。バックライト110の右(下流)面にある任意のバックライトアセンブリ反射偏光子は、バックライト110によって放出された光がパネル240に向かって伝播することができるように透過すべきである。
【0032】
一定のバックライトの場合、バックライト110は、一定または一様な初期光218を生成する。他の実施形態では、初期光218を変調することができる(例えば、空間変調された光、事前変調された光、全体的に減光された光、RGBごとに減光された光、一時的に変調された光、またはこれらのタイプの光の組合せでよい)。光218は、パネル240を照明する。デュアルLCDパネルディスプレイ(例えば、図1のディスプレイ)の光/画像チェーン内の実質的に任意の点に追加の光学要素を配置することができることに留意すべきである。そのような追加の光学要素は、ディスプレイ設計に応じて、(例えばバックライト110とパネル240との間にある)拡散器、コリメータ、DEV、明るさ向上フィルム(BEF)、および反射器の任意のものを含む。
【0033】
図1のディスプレイは、本発明の一実施形態によれば、クロスBEFコリメータと、反射偏光子(例えばDBEF−Dフィルム)と、パネル240の下流面上の検光偏光子と、パネル240と250の間のホログラフィ拡散器とを含むように修正することができる。図1のカラーLCDパネルは、画像生成パネルの一例であり(いくつかの実施形態では、カラーLCDパネルでない画像生成パネルで置き換えられ)、図1の無彩色LCDパネルは、コントラスト強調パネルの一例であり、いくつかの実施形態では、無彩色LCDパネルでないコントラスト強調パネルによって置き換えられることを理解すべきである。
【0034】
図2は、ハイダイナミックレンジのデュアルLCDパネルディスプレイ260の概略図である。ディスプレイ260は、適切に設計された拡散器、すなわちアップストリーム拡散器272とミッドストリーム拡散器274とを含むことによって、図1のディスプレイよりも良い性能を有することができる。拡散器272および274以外の図2におけるすべての要素は、図1における同一の番号を付された要素と同じであり、それらの説明は図2を参照して繰り返さない。アップストリーム拡散器272は、バックライトを、一様に分散された光源に拡散するように設計された「粗い」拡散器である。(個別に制御可能なバックライト要素のアレイからの)局所的に減光されたバックライトの場合、アップストリーム拡散器272(拡散器スタックでもよい)は、無彩色パネル240のピクセルにわたってバックライトを滑らかに変化させるように設計される。
【0035】
(パネル240と250の間の)ミッドストリーム拡散器274は、特に、無彩色パネル240から放出された光を滑らかにするように設計される。好ましくは、ミッドストリーム拡散器274は、パネル240のピクセルから放出された光パターンの粗い縁部を除去して滑らかにする。これを行うために、ミッドストリーム拡散器274は、アップストリーム拡散器272よりも高い拡散解像度を有する(例えば、より小さなフィーチャを拡散することが可能である)ことがあり、また、パネル240から放出された光の変調された解像度を維持することが可能であることもある。例えば、図2Aに示されるグラフは、無彩色パネル240から放出されることがある、(パネル240の面に沿った空間的位置に対する)変調光280の強度の「オンオフ」パターンを示す。ミッドストリーム拡散器274は、(例えば、図2Aに示される拡散光パターン285を有する拡散光を生成するために)好ましくはピークの明るさおよび暗さをできるだけ維持しながら、放出光パターン280の鋭い縁部を除去する(放出光パターン280を滑らかにする)ように機能することができる。
【0036】
拡散器274からパネル250に伝送される拡散光のパターンは、その鋭い縁部(例えば、より高い周波数)を除去されており、この拡散は、好ましくは、モアレパターンを「破壊」する、またはモアレパターンの生成を防止するのに十分である。モアレパターンは、典型的には、格子状パネルおよび/または他の光学要素の様々な組合せを備えるディスプレイにおいてアーチファクトとして生じる。ミッドストリーム拡散器274から伝送される拡散光285は、好ましくは、アップストリーム拡散器272から伝送される拡散光とは全く異なる拡散レベルである。アップストリーム拡散器は、例えば、拡散されたバックライトが、バックライト内の1つの発光素子の位置から次の発光素子の位置に滑らかに変化することができるようにする。対照的に、ミッドストリーム拡散器は、例えば、パネル240の単一のピクセルの寸法に対応する位置の各範囲にわたる発光の滑らかな変化を提供し、パネル240の直接隣接するピクセルからのみ光を混合する。一実施形態では、アップストリーム拡散器とミッドストリーム拡散器は、例えば1桁以上、拡散の粗さが異なる。実際、アップストリーム拡散器とミッドストリーム拡散器との解像度の差がはるかに大きいと、最良の結果が得られることがある。
【0037】
図2の一実装形態では、アップストリーム拡散器272は、バックライト内の複数の光源からの光を混合して滑らかにし、一方、ミッドストリーム拡散器274は、無彩色パネル240の単一のピクセルからの光を滑らかにする。別の実装形態では、アップストリーム拡散器272は、アップストリーム拡散器272の単一のピクセルがバックライト内の複数の光源によって照明されるように光を混合するものとして表すことができ、ミッドストリーム拡散器274は、サブピクセルレベルでの無彩色パネル240からの光(無彩色パネルの個々のピクセルからの光。以下に説明するように、これらのピクセルは、本明細書では時として「サブピクセル」と呼ぶ)を混合するものとして表すことができる。一実施形態では、アップストリーム拡散器272は、粗い拡散器であり、ミッドストリーム拡散器274は、比較的細かい拡散器である。一実施形態では、ミッドストリーム拡散器は、サブピクセル解像度未満での拡散を提供する。別の実施形態では、ミッドストリーム拡散器は、通常であれば放出される光の高周波数成分をカットオフ、除去、位置変更、または消去する空間伝達関数を有する拡散器を備える。別の実施形態では、ミッドストリーム拡散器は、アップストリームピクセルの非矩形性を補償するために、ある方向で別の方向よりも大きく光を拡散する材料を備える。
【0038】
別の実施形態では、ミッドストリーム拡散器274は、変調光の解像度が変えられないように十分なディテールを保つ(例えば、解像度は変えられないが、より高い周波数のディテールはもはや存在しない)。ミッドストリーム拡散器は、無彩色パネルによって変調された光の高周波数ディテールをマスクするように設計することができる。例えば、ミッドストリーム拡散器は、4つの最低高調波(例えば、図2Aでは、画像280の4つの最低高調波が画像285を近似的に再生する)、または別の1組の最低高調波(例えば、基本周波数の2、3、5、6、7、または8個の最低高調波)を通過させる光学ローパスフィルタを備えることができる。ミッドストリーム拡散器は、例えば、無彩色パネルによって光ストリーム中に配置されたサブピクセルレベルのフィーチャを除去する。ほとんどの実施形態において、無彩色パネルでのピクセルのサイズは、無彩色パネルと画像生成パネルとの間の距離よりも小さい。
【0039】
ミッドストリーム拡散器の粗さは、例えば、一因子として、無彩色パネルのセルおよび周囲領域の幾何形状によって決定することができる。例えば、無彩色パネルが、すべてのサイズに関して等しい量のハードウェア(ワイヤ、セル壁など)を有する正方形のセルを備える場合、ミッドストリーム拡散器の粗さは、すべての方向で概して一様である。無彩色パネルのセルが長方形である場合、ミッドストリーム拡散器の粗さは、他の因子すべてが等しいと仮定して、長方形の長辺に対応する方向でより粗く、長方形の短辺に対応する方向でより細かい。
【0040】
また、ミッドストリーム拡散器274の粗さは、例えば、スケール、および/または物理的フィーチャまたは他の制御されていないフィーチャ、および/または無彩色パネル240のセルの不完全性によって決定されることもある。粗さは、制御不可能なフィーチャをマスクするが、(変調光の形での)パネルの解像度をほとんど変えずに済む解像度に定められ得る。例えば、無彩色パネルのセル間の空間は、光を阻止することも、いくらかの量の非変調光を通すこともある。無彩色パネルによって阻止された光または通過された非変調光は、制御されていないフィーチャまたは制御不可能なフィーチャを画像内に生成し、これは、拡散器274によってマスクすることができる。
【0041】
他の制御不可能なフィーチャは、例えば、通電レベルに起因しない無彩色パネルセルの変調の差、および/またはセルの内部での不均一性を含むことがある。これらはいずれも、例えば製造または構成要素の品質のばらつきによることがある。一実施形態では、ミッドストリーム変調器の粗さは、制御不可能なフィーチャの1つまたは複数が、除去、マスク、または拡散による最小化の少なくとも1つを行われるように選択される。一実施形態では、制御不可能なフィーチャは、方向(例えば水平および垂直)に応じて異なり、各方向(単一の拡散器で少なくとも2方向)が、それらの方向で見られる異なる量の制御不可能なフィーチャに関連付けられる異なる拡散性質を有する。
【0042】
図1および図2の実施形態において、偏光子246は、パネル240用の検光子としても、ダウンストリームパネル250用の初期方位偏光子としても使用される。ミッドストリーム拡散器274は、偏光を含むように、または既存の偏光を維持するように特別に構成することができる。ミッドストリーム拡散器274が偏光を維持する(例えば、拡散された光の偏光を実質的に変えない)場合、偏光子246は、上述したように、検光子としても初期方向偏光子としても働く。しかし、拡散器は、典型的には、望まれるよりも大きい偏光変化を与え、したがって、拡散要素274への偏光子の追加が望ましいことがあり、それにより、拡散および関連の偏光変化の前に検光することができる。この追加の偏光子は、明るさを犠牲にしてコントラストを高めることができる。
【0043】
図1および図2の実施形態は、典型的には、変調器(無彩色パネル240と画像生成パネル250)が互いに近接するように構成され、これは、1つの利点として、パネル同士の離隔によって引き起こされる視差を減少させる。変調器は、直接挟み合わせることができ、または薄膜、空気ギャップ、もしくは光学スタック要素などによって離隔して挟み合わせることができる。そのような光学スタック要素は、例えば、拡散器、コリメータ、または他の光学要素であり、これらは、LCDパネルのガラスおよび他の層よりも比較的薄い。パネルが近接している場合でさえ、特に複雑な画像またはパターンが垂直ではない角度で表示されて視聴されるときには、視差が生じることがある。
【0044】
図2のディスプレイは、本発明の一実施形態によれば、クロスBEFコリメータと、反射偏光子(例えばDBEF−Dフィルム)と、パネル240の下流面上の検光偏光子と、拡散器274のホログラフィ実装形態とを含むように修正することができる。図2のカラーLCDパネルは、画像生成パネルの一例であり(いくつかの実施形態では、カラーLCDパネルでない画像生成パネルで置き換えられ)、図2の無彩色LCDパネルは、コントラスト強調パネルの一例であり、いくつかの実施形態では、無彩色LCDパネルでないコントラスト強調パネルによって置き換えられることを理解すべきである。
【0045】
図3Aに、典型的な従来のLCDパネル310の構成が示されている。視聴側からの第1の層は、偏光(検光)層312である。次に、比較的厚い透明基板314(例えばガラス)が示されている。ガラスの非視聴側に、例えば、液晶層316を制御するためのワイヤおよび/または電子回路がエッチングされる。基板および(1つまたは複数の)液晶層と共に、カラーフィルタ層318および初期偏光層320が積層される。動作時、バックライトがパネル310を照明し、偏光層320が、初期偏光を設定し、カラーフィルタ318が、原色(赤色、緑色、および青色)を提供し、液晶層316が、R、G、B光それぞれの偏光を、各光を減衰すべき量だけ回転させる。次いで、検光層が、液晶層によって与えられたそれぞれの偏光に基づいた量のR、G、およびB光を吸収する。
【0046】
図3Bは、無彩色LCDパネル350と、カラーLCDパネル370と、制御装置379とを含むデュアルLCDパネルディスプレイの一部の図であって、各LCDパネルにおける層の構成を示す図である。この構成は、カラーLCDパネル370の能動層のできるだけ近くに無彩色LCDパネル350の能動層を配置するように特別に設計される。無彩色パネル350の層は、(バックライト側から)透明基板352と、初期偏光層354と、能動層356(例えば制御可能な偏光層)とを備える。偏光子360(個別の構成要素であっても、無彩色パネル350またはカラーLCDパネル370と共に積層されていてもよい)が、無彩色パネル350用の検光偏光子として、かつまたカラーLCDパネル370用の初期偏光層として、二重の役割を果たす。
【0047】
バックライト側から続けて、カラーLCDパネル370の層は、カラーフィルタ層372と、能動層374と、基板376と、偏光(検光)層378とを備える。例えば基板376のバックライト側に偏光(検光)層378を配置することを含めた、これらの層の他の構成が利用されることもある。また、偏光(検光)層378を、カラーフィルタ層372のバックライト側に配置することもでき、能動層374を、パネル370のバックライト側に第1の層として配置することもできる(例えば、能動層−カラーフィルタ層−偏光(検光)層)。制御装置379は、入力画像データ(例えば、入力ビデオ)に応答して、パネル350および370の能動要素に駆動信号をアサートする。
【0048】
図3Bのディスプレイは、本発明の一実施形態によれば、クロスBEFコリメータと、反射偏光子(例えばDBEF−Dフィルム)と、無彩色パネル350の下流面上の検光偏光子と、(共有の偏光子360の代わりに)カラーLCDパネル370の上流面上にある個別の偏光層と、パネル350と370の間のホログラフィ拡散器とを含むように修正することができる。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態では、無彩色パネルと画像生成パネルは、同様に構成されたLCDパネルから提供される。無彩色パネルは、例えば、LCDパネルに対して後ろ向き、または上下逆(裏返しまたは反転)でよい。この構成は、同様に方向付けられた典型的な市販の構成のパネルの場合よりも、無彩色パネルと画像生成パネルの能動層を互いに近くに配置する。
【0050】
図4Aは、(例えば、図5および図5Aを参照して説明するように実装されたモジュール410を用いて)ディスプレイのカラーLCDパネルおよび無彩色LCDパネル用の駆動信号を生成する制御装置(電子デバイス)のアーキテクチャを示す、デュアルLCDパネルディスプレイ用の制御装置のブロック図である。無彩色LCDパネルは、ディスプレイのいくつかの典型的な実施形態では、カラーLCDパネルの上流に物理的に位置されるが、ディスプレイの他の実施形態では、カラーLCDパネルの下流に位置される(LCDパネルの相対位置に関わらず、パネル用の駆動信号を生成することができる)。制御装置400は、カラーLCDパネルおよび無彩色LCDパネル用の駆動信号を生成する電子システムまたはデバイス(例えば、電子回路、ソフトウェアアーキテクチャ、プログラマブルデバイスアーキテクチャ、プラグインなど、またはそれらの組合せ)である。画像またはビデオソース(例えば、DVD、ケーブル、ブロードキャスト、衛星、ストリーミングビデオ、インターネット、リムーバブルメディア、サム駆動など)から、カラーLCDパネル制御モジュール410および無彩色パネル制御モジュール420に入力信号(Rin、Gin、およびBin値を示す)が提供および/または抽出される。無彩色パネル制御モジュールは、信号Pout(参照番号425で示される)を生成し、この信号Poutは、無彩色LCDパネルにアサートされる(この無彩色LCDパネルは、典型的には、デュアルLCDパネルディスプレイにおける対応するカラーLCDパネルの上流に位置される)。本質的に、Pout信号425は、無彩色パネルのどのピクセルを減衰させるべきか、および(例えば、減衰すべきピクセルの偏光を、そのピクセルに関する所望の減衰の量に比例する量だけ回転させることによって実施される)減衰の量を示す。Pout信号425は、例えば、Rinininデータから導出される輝度値でよい。
【0051】
カラーパネル制御モジュール410での処理は、例えば、特徴付けと補正の両方を実施することができ、(例えば、入力RGB値を、それらの所与の輝度に応答して補正する)補正応答曲線と、局所コントラストを増加または減少させる(カラーLCDパネルのピクセルをより暗く、またはより明るくする)非線形伝達関数とを生成する。無彩色パネル制御モジュール420での処理は補正を実施することができ、この補正は、入力RGB値から求められる輝度値に伝達関数(例えば非線形伝達関数)を適用して、局所コントラストを増加または減少させる(無彩色LCDパネルのピクセルをより暗く、またはより明るくする)。非線形関数は、例えば、隣接するピクセルの相対明るさを考慮しながら、ピクセルを明るく、または暗くすることができる。図示されるように、Poutは、カラーパネル制御モジュール410にアサートされ、それにより、モジュール410の出力は、入力Rinininデータと、Pout信号によって決定される各無彩色パネル駆動値によって決定される。代替として、(モジュール420で生成された)中間データ424が、排他的または追加的にカラーパネル制御モジュール410に転送されることがある。中間データ424は、例えば、Poutを生成するために実施されるステップの1つまたは複数を行うことによって生成される多少処理されたデータでよい(例えば、非線形関数を適用していない特徴付け)。Rinininデータに応答して、カラーパネル制御モジュール410は、Routoutout駆動信号430を生成し、この駆動信号430は、ディスプレイのカラーLCDパネル(例えば1920×1080ピクセルのパネル)にアサートされて、カラーLCDパネルのピクセルを駆動する。
【0052】
図4Bは、(例えば、図5および図5Aを参照して説明するように実装されたモジュール462を用いて)ディスプレイのカラーLCDパネル460用の駆動信号を生成する制御装置450(例えば、電子回路、ソフトウェアアーキテクチャ、プログラマブルデバイスアーキテクチャ、プラグインなど、またはそれらの組合せ)のアーキテクチャを示す、デュアルLCDパネルディスプレイのブロック図である。制御装置450は、バックライト456、無彩色LCDパネル460、およびカラーLCDパネル464用の駆動信号を生成する電子デバイス450(例えば、プログラムされた処理装置)として実装される。Rininin入力ピクセル値を示すソース画像/ビデオ信号は、画像またはビデオソース(例えば、DVD、ケーブル、ブロードキャスト、衛星、ストリーミングビデオ、インターネット、リムーバブルメディア、サム駆動など)からグローバル明るさ計算モジュール452に提供および/または抽出され、グローバル明るさ計算モジュール452は、光を、R、G、およびBの原色成分に分け、これらの成分をバックライト制御装置454に提供する。応答時、制御装置454は、バックライトユニット456を駆動するためのバックライト制御信号を生成する。バックライト制御信号は、バックライトアレイの各ピクセルの各原色成分に関するバックライト駆動値、またはバックライトに関する単一のバックライト駆動値を決定することができる。
【0053】
一実施形態では、バックライトユニット456の局所的に減光可能な実装形態の場合(例えば、局所的に減光される(または局所的に減光可能な)光源を含むバックライト)、バックライトユニット456は、各入力画像の領域内の相対明るさに従って下流の無彩色パネル460およびカラーLCDパネル464を照明する空間変調されたバックライトを生成することができる。相対明るさは、例えば、対応するバックライトピクセルにおける各原色の相対強度に基づいて計算することができる。また、空間変調されたバックライトの生成は、例えば、隣接するバックライトピクセルまたは近傍のバックライトピクセルの明るさ、および/またはビデオの場合には、先行および/または後続の画像フレームでのピクセルの明るさの考慮を含むこともできる。
【0054】
無彩色LCDパネル制御装置458は、入力ビデオ/画像信号、および任意選択でさらにバックライト制御信号を受信し、それらに応答して、無彩色パネル制御(駆動)信号を生成する。無彩色パネル制御信号は、無彩色パネル460の各ピクセルによって生成される減光の量を指定する。無彩色パネル460は、カラーLCDパネル464よりも高い(または低い、または等しい)解像度のものでよい。
【0055】
一実施形態では、画像生成(カラーLCD)パネル464は、無彩色パネル460の下流にあり、(典型的にはパネル464よりも高い解像度の)無彩色パネル460を利用して、意図的にぼやけさせた照明プロファイルを生成する(無彩色パネルが低解像度であるためにぼやけるのではなく、無彩色パネルのより高い解像力を使用してぼやけさせる)。意図的にぼやけさせた画像は、バックライトまたはバックライト中の個々の光の点拡がり関数または他の品質/向きに起因するバックライトの混合により生じるぼやけとは別に、ディスプレイのより高い解像力を使用してぼやけさせる。上述したぼやけは、バックライトのぼやけまたは混合とは別であるが、それにもかかわらず、本発明のいくつかの実施形態は、バックライトの個別の要素の混合またはぼやけの量を含むことがある。
【0056】
カラーLCDパネル制御装置462は、無彩色パネル制御信号、画像/ビデオ信号、および任意選択でさらにバックライト制御信号を受信し、それらに応答して、(カラーLCDパネル464の各ピクセルを駆動するための)カラーLCDパネル制御信号を生成する。
【0057】
図4Cは、無彩色パネル制御モジュール472およびLCD色補正モジュール474に提供される入力信号(入力値Rin、Gin、およびBinのシーケンス)に応答して、(例えば、図5および図5Aを参照して説明するように実装されるモジュール474を用いて)ディスプレイのカラーLCDパネルおよび無彩色LCDパネル用の駆動信号を生成する制御装置(電子デバイス)のアーキテクチャを示す、デュアルLCDパネルディスプレイ用の制御装置(470)のブロック図である。LCD色補正モジュール474は、RGBピクセルの1920×1080LCDアレイを駆動するための出力(カラーLCDパネル駆動値Rout、Gout、およびBout)を補正および生成するように構成することができる。無彩色パネル制御モジュール472(モジュール476および478を備える)は、より低い解像度、例えば1680×1050ピクセルのLCDアレイを有する無彩色LCDパネルを制御するための駆動値を生成するように構成することができる。無彩色パネル制御モジュール472(モジュール476および478を備える)は、1920×1080ピクセルの解像度を有する無彩色LCDパネルを制御するための駆動値を生成するように構成することもできる。
【0058】
無彩色パネル制御モジュール472は、各三つ組の入力値Rin、Gin、およびBinに応答して、1組の駆動値P1’、P2’、およびP3’(これらは、カラーLCDパネルと同じ解像度を有する無彩色LCDパネルのピクセルの3つのLCDセルを駆動するのに有用である)を出力し、それらの駆動値を、サブピクセル補間および登録モジュール476とフィルタリングモジュール478それぞれにアサートする。実際の無彩色LCDパネルは、典型的には、カラーLCDパネルよりも高い解像度を有するので、モジュール476は、値P1’、P2’、およびP3’に対する補間を実施して、無彩色LCDパネルの各ピクセルに対して1組の補間された駆動値を生成する(1組の3つの補間された駆動値によって駆動される無彩色パネルの各ピクセルは、カラーLCDパネルのより大きなピクセルよりも小さいので、「サブピクセル」と呼ぶ)。補間および登録モジュール476の動作は、好ましくは、制御装置が、様々な制御解像度およびサイズを有する様々な無彩色パネルを駆動できるようにする。フィルタモジュール478は、(モジュール476からの)補間された駆動値に対する空間およびレンジフィルタリングを行って、駆動された無彩色パネルによって生成される単色画像を滑らかにして、より良い視野角性能を実現し、その一方で、縁部を維持し、画像内の高周波数ディテールを残して、局所コントラストを高める。モジュール478でのフィルタリングは、駆動を無彩色LCDパネルに拡げて、オフ角視野を改良することができる。
【0059】
モジュール478の出力は、無彩色パネルの各ピクセルの3つのセルを駆動するための無彩色パネル駆動値P1、P2、およびP3の組(モジュール476からの1組の3つの補間された駆動値に応答して生成された値P1、P2、P3の各組)のシーケンスである。また、無彩色パネル駆動値P1、P2、およびP3は、それらに応答してカラーLCDパネル駆動値Rout、Gout、およびBoutを生成するためにモジュール474にアサートされる。
【0060】
モジュール474から出力されるカラーLCDパネル制御信号は、カラーLCDパネルの各ピクセルのセルを駆動するためのカラーパネル駆動値Rout、Gout、およびBoutの組(1組の3つの入力値Rin、Gin、およびBinに応答して生成された値Rout、Gout、およびBoutの各組)のシーケンスである。
【0061】
図4Dは、図4Dの無彩色パネル制御モジュールおよびLCD色補正モジュールに提供される入力信号(入力値Rin、Gin、およびBinのシーケンス)に応答して、本発明によるディスプレイの一実施形態の無彩色LCDパネルおよびカラーLCDパネル用の駆動信号を生成するための別の制御装置のアーキテクチャである。図4Dのアーキテクチャは、以下に説明することを除いて、図4Cのものと同一である。図4Dの対応する態様と同じ図4Cの態様の説明は、図4Dを参照して繰り返さない。
【0062】
図4Dのアーキテクチャは、ハイダイナミックレンジ(HDR)の入力信号、例えば、平均でヒューマンビジュアルシステム(HVS)のダイナミックレンジに相当するダイナミックレンジを有する1つまたは複数の画像(例えばビデオ)を示すHDR信号を利用するためのフレームワークを提供する。HVSは、ほとんどのディスプレイよりも大きいダイナミックレンジを平均で有するので、(図4Dのグローバルトーンマッピングモジュール482によって実施される)トーンマッピングアルゴリズムが適用されて、入力信号によって示される(1つまたは複数の)画像のダイナミックレンジを、それらの画像がディスプレイシステムの輝度範囲内となるように変化させる。HDRフレームシーケンス(その各ピクセルが三つ組の値{Xin,Yin,Zin}によって定義される)が、図4Dのグローバルトーンマッピングモジュール482に提供される。モジュール482は、各三つ組のXininin値を、RGB色空間内のRGB値に変換し、得られたRGB信号を、図4Dの無彩色パネル制御モジュールおよびLCD色補正モジュール(これらは、図4Cの対応する無彩色パネル制御モジュール472およびLCD色補正モジュール474と同一である)にアサートする。このRGB信号に応答して、図4Dのシステムの要素(モジュール482以外)は、図4Cのシステムと同様に動作する。
【0063】
次に、本発明によるディスプレイのいくつかの実施形態の無彩色LCDパネルおよび画像生成(カラー)LCDパネルを駆動するための方法のさらなる詳細を述べる。(例えば同様の構成の)無彩色LCDパネルとカラーLCDパネルを含むディスプレイアーキテクチャが、サブピクセル(またはより高い解像度)での局所的な減光の実施を可能にする。変調器の1つは、各次元で、他とは異なる解像度または同じ解像度を有することができる。
【0064】
無彩色LCDパネルのピクセルは、対応する(または関連の)入力ピクセルの輝度に基づいて駆動することができる。無彩色LCDパネルの出力輝度応答の正確な特徴付けを使用して、入力RGBピクセル値を特定の駆動レベルにマッピングすることができる。
【0065】
1組の入力画像値Rin、Gin、およびBinに応答する無彩色パネル用の駆動値は、フルホワイト(最大駆動信号コードワード)に設定されたカラーLCDパネル駆動値を用いた無彩色パネルの制御の線形変化に応答する複合型デュアルパネルシステムの輝度応答の関数と、駆動値の非線形性を表す輝度を有するコードワードの歪みを表す非線形伝達関数とに従って生成することができる。この関数を使用して、暗い領域をより暗くし、明るい領域をより明るくする非線形入出力関係を用いてディスプレイの局所コントラストを改良することができる。駆動値計算を使用して、無彩色パネルの各ピクセルごとに、または無彩色パネルの各ピクセルの各セルごとに駆動値を計算することができる。無彩色LCDパネルの各ピクセルは3つのセルを備えることがあり、例えば無彩色LCDパネルのセルがカラーLCDパネルの各ピクセルのセルのようにカラーフィルタされないことを除いて、無彩色LCDパネルがカラーLCDパネルと同様の構成および向きを有する場合には、これらのセルは、同じまたは異なる無彩色パネル駆動値によって駆動される。
【0066】
画像生成(カラーLCD)パネルと無彩色パネルの相互作用は、色補正関数として表すことができる。この関数は、(1組の入力色値に応答して生成された)1組の無彩色パネル駆動値に応答して無彩色パネルからの光によって照明されるときの画像生成パネルの原色を特徴付け(すなわち測定し)、上記1組の入力色値に応答して(実際に測定される色ではなく)所望の色を実現するように補正関数を決定することによって決定することができる。次いで、カラーLCDパネルは、(例えば、ルックアップテーブルを使用して1組の入力色値に応答して決定される)補正された駆動値によって駆動することができ、一方、無彩色パネルは、(例えば、別のルックアップテーブルを使用して同じ1組の入力色値に応答して生成される)1組の無彩色パネル駆動値によって駆動され、入力色値に応答して(デュアルLCDパネルディスプレイによって)所望の色を表示する。
【0067】
カラーLCDパネルに関する得られるRGB駆動値は、例えば、以下の形態のものでよい(ここで、Rout、Gout、およびBoutは、カラーLCDパネルの1つのピクセルの3つのセルに関する駆動値である)。
【0068】
out=f(Rin,f(Rin,Yout))
out=f(Gin,f(Gin,Yout))
out=f(Bin,f(Bin,Yout))
ここで、f、f、およびfは、1組の入力ピクセル値および計算されたYout値(ここで、Youtは、入力される原色ピクセル値の組から求められる輝度である)に関する出力される原色をそれぞれ定義する特徴付け関数であり、f、f、およびfはそれぞれ、特徴付け関数の1つによって決定される入力された原色と出力される原色の非線形結合関数である。
【0069】
無彩色LCDパネルのサブピクセル制御(例えば、「サブピクセル」と呼ぶ無彩色LCDパネルのピクセルは、カラーLCDパネルのピクセルよりも小さい)を使用して、無彩色LCDパネルの使用によって生じる視差を平滑化することができる。サブピクセル制御は、無彩色パネルの実効解像度を高めるので、平滑化/ディザリング操作をより洗練させ、正確にすることができる。これは、例えば、以下のような無彩色パネルへの駆動画像に対する平滑化マスクを使用して実施することができる。
【0070】
[Smoothed driveachromatic panel(i,j)=fint R([driveachromatic panel(i,j)
ここで、fint Rは、無彩色パネルのRサブピクセルの空間半径に対して適用される平滑化演算子である。カラーLCDパネル上の各ピクセルに対応する無彩色パネルの4つのピクセル(サブピクセルと呼ぶ)を有する構成において、適用されるクワッド設計は、幅方向と高さ方向との両方に沿って、無彩色パネルの解像度を画像生成(カラーLCD)パネルの解像度の2倍に高める。
【0071】
一実施形態では、ソース画像は、無彩色パネルを変調するために非線形関数によって処理することができる。これは、認識されるコントラスト拡張効果を生み出すことができる。既存のトーンマッピングアルゴリズムは、コントラストを拡張するために、ソフトウェアアルゴリズムのみに依拠する。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態は、RGB個別制御式の三刺激ベースのバックライト(例えば、エッジライト式構成、直下式アレイ、または他の構成で配置されたLED)を使用する。RGB個別制御式の三刺激LEDバックライトに現行駆動値をスケーリングすることにより、表現される色の輝度対色度の3D表面を調節することができる。輝度制御は、主に、減光面、およびLEDバックライトと減光面の組合せからのものであり、LEDへのカラー駆動値のスケーリングは、より高い輝度値でのより広い色域を可能にする。目標ディスプレイ輝度に関して、輝度と現行の特徴付けとの関係を表す曲線を使用して、その目標輝度での色域のより良い制御のために設計された現行駆動値に関する正しいスケーリングパラメータを決定/生成することができる。これは、全域的バックライト制御装置の実施形態に関する基礎となる。
【0073】
全域的バックライト制御装置の実施形態は、例えば、カラーLCDおよび減光面に関連付けてエッジライト式の区域的減光バックライトを形成するように近接して配置された複数のLED上で使用することができる。複数のLEDを一度に作動させることにより、全域的バックライト制御装置の実施形態はまた、ある区域からの光の出力波長のドリフトを輝度に関して補正し、より高い波長でより正確な色特性を保つために使用することもできる。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態は、疎らな(sparse)測定データセットからの原色回転行列の計算を含む。ディスプレイシステムへの入力画像として疎らな1組の三刺激原色(R、G、B)を仮定すると、上記の疎らな1組での各三つ組の入力RGB値を、ディスプレイのカラーLCDパネルに関する対応する1組の駆動値(XYZ)に変換するために、色回転行列(例えば、最適色回転行列)が決定される。行列は、予め決定することができ、次いでルックアップテーブル(LUT)として実装され、その後、ディスプレイ駆動値の演算中に使用されて、1組の入力RGB値(および入力RGB値から決定される無彩色パネル駆動値)に応答して、ディスプレイのカラーLCDパネルに関する1組の駆動値を生成する。例えば、1組の入力RGB値(およびそこから決定される無彩色パネル駆動値)に応答してカラーLCDパネル用の1組の駆動値を(LUTから)読み取る操作は、回転行列との(LUTへの入力の)乗算に相当することがある。
【0075】
計算される色回転行列は、図4Cまたは図4Dのモジュール474によって、または図4Aの制御装置モジュール410によって、または図4Bの制御装置モジュール462によって、または2011年4月28日出願の米国仮特許出願第61/479958号明細書に記載されている任意のタイプのLUTまたは処理装置によって実装することができ、好ましくは、行列を決定するために測定されているサンプルデータ点の数を前提として、出力される色空間内での最小二乗色歪みに関して最適化される。より均等に間隔を空けられたデータ点を仮定すると、計算される色回転行列は、ディスプレイによる真の回転操作のより正確な表現となる。
【0076】
色回転行列は、ディスプレイでの予備測定の結果として決定することができ、予備測定において、ディスプレイが(例えば一定の既知のバックライトを用いて)背面照明され、疎らな1組の三つ組の入力色値(Rin、Gin、およびBin)によって駆動され、各三つ組の入力色値から三つ組の無彩色パネル駆動値(P1、P2、およびP3)が決定され、各三つ組の入力色値(Rin、Gin、Bin)および対応する1組の無彩色パネル駆動値(P1、P2、P3)に応答するディスプレイによって放出される実際の色が測定され、その1組の入力色値および対応する1組の無彩色パネル駆動値に応答する目標(所望)の1組の色と比較される。測定の結果、色回転行列は、三つ組の入力色値(Rin、Gin、およびBin)および対応する三つ組の無彩色パネル駆動値(P1、P2、およびP3)を係数として有するベクトルと行列乗算されたときに、補正されたカラーLCDパネル駆動値(Rout、Gout、およびBout)および無彩色パネル駆動値(P1、P2、およびP3)を決定する行列となるように決定することができ、駆動値は、三つ組の入力色値(Rin、Gin、およびBin)によって決定される目標の色を表示するようにディスプレイを駆動する。
【0077】
フルセットの三つ組の入力色値(Rin、Gin、およびBin)と、各三つ組の入力色値によって決定された三つ組の無彩色パネル駆動値(P1、P2、およびP3)とのそれぞれに応答して色回転行列によって決定された1組のカラーパネル駆動値(Rout、Gout、およびBout)は、カラー駆動LUTに記憶することができる。カラー駆動LUTは、図4Cまたは図4Dのモジュール474において、または図4Aの制御装置モジュール410によって、または図4Bの制御装置モジュール462によって、または2011年4月28日出願の米国仮特許出願第61/479958号明細書に記載されている任意のタイプのLUTによって実装することができる。カラー駆動LUTを生成するために、(疎らな1組の三つ組の入力画像色値および対応する三つ組の無彩色パネル駆動値から)疎らな1組の補正されたカラーパネル駆動値を決定することができ、次いで、それに対して補間を行うことができ、(例えば、入力色値Rin、Gin、およびBinの取り得る各組ごとに、三つ組の出力カラーパネル駆動値Rout、Gout、およびBoutを含む)フルセットの補正されたカラーパネル駆動値を生成し、次いで、そのフルセットをカラー駆動LUTにロードすることができる。
【0078】
本発明によるディスプレイの他の実施形態では、カラーパネル駆動値は、カラー駆動LUTから読み取る以外の形で、入力画像ピクセルに応答して生成または提供される(例えば、行列乗算によってオンザフライで(on the fly)計算される)。
【0079】
本発明によるディスプレイのいくつかの実施形態は、ディスプレイのカラーLCDパネルおよび無彩色LCDパネルに関する駆動信号を生成するために、2011年4月28日出願の米国仮特許出願公第61/479958号明細書に記載されている任意のタイプの制御装置を含むことができる。そのような制御装置は、典型的には、入力画像ピクセル(三つ組の色値Rin、Gin、およびBinによって決定された各入力画像ピクセル)に応答して無彩色LCDパネルおよびカラーLCDパネル用の駆動値を生成し、ピクセルごとに演算を行い、無彩色LCDパネルの各ピクセルごとに単一の無彩色駆動値を生成し、それにより、(無彩色LCDパネルの各ピクセルが3つのセルを備える場合には)無彩色LCDパネルのピクセルの各セルが同じ無彩色駆動信号によって駆動される(P1=P2=P3=P)。
【0080】
本発明によるディスプレイの図5の実施形態は、個別に変調されるバックライト光源のアレイを備える変調型のバックライト701を備えるバックライトアセンブリを含む。好ましくは、バックライト701は、LEDのアレイ(例えば、図6に示されるようにエッジライト式構成での192個のRGB LED)、およびLEDを駆動するための制御装置(図6の要素804および86)として実装される。LED(図6に示されるように、92個のLEDの上縁部アレイ702、および92個のLEDの下縁部アレイ703)が、導波路(図6の要素803)の縁部を照明して、(無彩色LCDパネルに面する)バックライト701の前面に、一様な平坦な白色フィールドを生成する。LEDドライバカード(例えば、図6に示されるように、処理装置804からの制御値に応答するCAT1042 LEDドライバカード806)は、RGB LED原色に対する区域的制御を提供することができる。192個のRGB LEDが16組で制御されるとき、上縁部および下縁部に沿った12の制御区域があり、それにより、バックライトに関するカスタム白色点を生成して、スクリーンの前面での色の不均一性を補正することができるようになる。
【0081】
バックライト701は、2010年9月15日出願の米国特許出願公開第12/882,825号明細書に記載されているタイプの区域的エッジライト式バックライトユニットとして実装することができ、ディスプレイパネルの縁部に沿って配置された個別に制御可能なLEDと、LEDからの光をディスプレイパネルのピクセルの区域に方向付けるサブシステムとを含む。米国特許出願公開第12/882,825号明細書の本文および開示全体を、参照により本明細書に組み込む。バックライト701から放出された光は、無彩色LCDパネル(図6のパネル807、または図5に示されるように要素712、714、および716を備えるLCDパネル)のLCDセルを背面照明する働きをする。
【0082】
反射器700が、バックライト701の後方(下流)に配置されて、バックライト701から放出されたバックライトを無彩色LCDパネルに向けて反射することによって、バックライトアセンブリの効率を改良する。反射器700は、好ましくは、3M社から市販されている「Vikuiti(商標)ESR」フィルムとして知られている市販のESRなど、機能向上型の鏡面反射フィルム(ESR)として実装される。
【0083】
バルク拡散器704が、バックライト701からの光を拡散し、好ましくは、その光を一様に平坦なフィールドにする。図5に示される要素は、ハウジング(図示せず)内に取り付けられる。
【0084】
明るさ向上フィルム(BEF)706およびBEF708が、拡散器704と無彩色LCDパネルとの間に配置される。BEF706とBEF708は、典型的には同一のBEFであり、(垂直軸を有する)それぞれ実質的に平坦な主面と、垂直軸に直交する第1の表面軸(「X」表面軸)に平行に配置された反射フィーチャ(例えばリッジ)とを有する。BEF706とBEF708は、それらの主面を互いに平行にして配置され、それらの「X」表面軸が互いに90度ずれるように方向付けられる。この相対向きにより、BEF706と708は、バルク拡散器704から伝送された光を効率的にコリメートする。
【0085】
BEF706は、好ましくは、図5のディスプレイの最左端側および最右端側からBEF706に入射する拡散光を折り曲げることによって、拡散器704からの拡散光をコリメートして、BEF708に向けて光を伝播させるように方向付けられる(また、BEF706は、そこに入射する他の拡散光をバックライト701に向けて反射して戻すか、コリメートせずに透過させる)。
【0086】
BEF708は、好ましくは、BEF706を介し、次いで図5のディスプレイの最上端側および最下端側からBEF708に入射した光を折り曲げることによって、拡散器704からの光をさらにコリメートして、そのような光を無彩色LCDパネルに向けてディスプレイの光軸に少なくとも実質的に平行に伝播させるように方向付けられる。2つのBEFフィルム706と708は、本明細書では、まとめて「クロスBEF」要素または「クロスBEFコリメータ」とも呼ぶ。
【0087】
反射偏光子710(いくつかの実施形態では、DBEF−Dフィルムとして実装される)が、クロスBEF要素と無彩色LCDパネルとの間に配置される。BEF708から無彩色LCDパネルに向けて伝播するコリメートされた光は、偏光子710によって強い偏光バイアスを与えられ、偏光子710は、不正確に偏光された光をBEF706および708に向けて反射し返す。偏光子710は、偏光子710によって透過される光の偏光が偏光子712によって(無彩色LCDパネルのアレイ714に)透過される光の偏光と一致するように、(無彩色LCDパネルの)初期偏光子712に対して方向付けられるべきである。クロスBEF要素(706、708)は、反射偏光子710と共にレンズ効果を生み出し、この効果は、クロスBEF要素に鈍角で(バックライト701および拡散器704から)入射する光をコリメートして偏光し、(鈍角でない)他の角度でクロスBEF要素に入射した光をリサイクルして(拡散器704に向けて反射し返して)、光学スタックの全体的な効率を改良する。
【0088】
デュアルLCDパネルディスプレイにクロスBEFコリメータ(例えばBEF706と708を備えるクロスBEF要素)と反射偏光子(例えば偏光子701)とを含めることは、クロスBEFコリメータおよび反射偏光子を用いずに得ることができるものと比較して、クロスBEF要素および反射偏光子からディスプレイの無彩色LCDパネルに(例えば図5の無彩色LCDパネル要素712、714、および716に)アサートされる光のコリメーションを改良し(高め)、ディスプレイによって表示される画像の明るさを高め、さらに、ディスプレイによって表示される画像のコントラストも(例えば2倍に)高めることが観察されている。この効果は、クロスBEFコリメータおよび反射偏光子が、ディスプレイのミッドストリーム拡散器(例えば、以下に述べる図5のホログラフィミッドストリーム拡散器718)に光を鈍角ではあまり入射させず、乱れた方向に散乱しないためと考えられる。また、典型的には、デュアルLCDパネルディスプレイにクロスBEF要素および反射偏光子を含めると、暗くすべきディスプレイスクリーンの領域内に光があまり逃げないので、より広い角度で、知覚されるコントラストを高める。
【0089】
図5の実施形態は、無彩色LCDパネル(「積層無彩色LCDスタック」と表される)を含み、これは、受動初期偏光子712と、受動検光偏光子716と、偏光子712と714の間にある能動要素パネル714(カラーフィルタなしのねじれネマティック液晶(「TN」)セルのアレイとして実装される)とを含む。また、無彩色LCDパネルは、バックライトに面する側に、反射偏光子(例えば、DBEF−Dフィルム)710を含む。要素710、712、714、および714は、好ましくは、図示される順序で一体に積層される。
【0090】
無彩色LCDパネルを透過された光は、カラーLCDパネル(「積層カラーLCDスタック」と表される)に向けて伝播し、カラーLCDパネルは、受動初期偏光子720と、受動検光偏光子724と、偏光子720と724の間にある能動要素パネル722(好ましくは、カラーフィルタの層を有するTNセルのアレイとして実装される)とを含む。要素720、722、および724は、好ましくは、一体に積層される。
【0091】
図5の無彩色LCDパネルの偏光子712および716は、好ましくは高コントラスト偏光子であり、互いに対して90度に方向付けられ、好ましくは、アレイ714のセルがTNセルであるときには、アレイ714の縁部に対して+45度または−45度に方向付けられる(またはアレイ714のセルがインプレーンスイッチングまたは「IPS」LCDセルであるときには、アレイ714の縁部に対して0度または90度に方向付けられる)。偏光子712の向き設定は、偏光子716の向き設定に対して90度回転すべきである。要素712および716の偏光の方向は、より高い駆動値に応答して光を透過し、より低い駆動値に応答して光を遮断する光変調器として無彩色LCDパネルを機能させるのに重要である。反射偏光子710、偏光子712、アレイ714、および偏光子716は、好ましくは、無彩色LCDパネルスタック内の異なる層間の空気ギャップを減少させるように、(示した順序で)一体に積層される。この積層ステップは、スタックのコントラスト比を約8%改良することが観察されている。
【0092】
図5に示されるように、偏光保存拡散器718(好ましくは、ホログラフィ拡散器として実装される)が、無彩色LCDパネルとカラーLCDパネルとの間に配置される。拡散器718は、無彩色LCDパネルから透過されたコリメートされた光を、その偏光を保ちながら拡散するように機能する。これは、光学アーチファクト、例えば色縁およびモアレパターンを防止する。偏光保存拡散器718が間に挟まれた(無彩色LCDパネルの)偏光子716と(カラーLCDパネルの)偏光子720は、同じ偏光角であり、最大量の光がディスプレイを通過できるようにする。図5の2つのLCDパネルの様々な偏光要素(712、716、720、および724)の適正な相対向きは、システムの適正な動作に重要である。
【0093】
図5の構成によって得られる1つの大きな利点は、複数の層(要素704、706、708、718、ならびに無彩色LCDパネルおよびカラーLCDパネル)が、光バッフルとして作用することである。視聴者側からディスプレイに入る任意の迷走光は、偏光子、カラーフィルタ、またはスタック内の他の層によって吸収される可能性が高い。これは、よく照明された視聴環境で黒色レベルを補助する暗い外観をディスプレイに与える。
【0094】
図5のシステムは、典型的には、処理装置(例えば図6の処理装置804。これはPCでよい)および/または(1つまたは複数の)他の制御装置を使用し(含み、またはそれらに結合され)、バックライト701および2つのLCDパネル用の制御信号を生成する。図6に示されるように、バックライト制御値は、処理装置804からバックライト制御装置ボード806(例えば、CAT1042 LED制御装置ボード)に送信することができ、バックライト制御装置ボード806は、バックライト701のエッジライト式LED(702および703)を駆動する。処理装置804は、(そこに記憶された、またはそこにアサートされた)入力画像信号に応答して動作して、好ましくはリアルタイムでフレームごとに、無彩色LCDパネル(図6では無彩色LCDパネル807として識別される)のセルを駆動するための無彩色LCDパネル駆動値(例えば、図6に示されるように8ビットワード)を生成し、また、カラーLCDパネル(図6ではカラーLCDパネル808として識別される)のセルを駆動するためのカラーLCDパネル駆動値(例えば、図6に示されるように8ビットワード)を生成する。図6に示されるように、LCDパネル駆動値は、処理装置804からタイミング制御装置805にアサートされ、タイミング制御装置805は、駆動値に応答して、駆動信号を生成(して、パネル807および808にアサート)する。本発明によるデュアルLCDパネルディスプレイのいくつかの実施形態では、ディスプレイのカラーLCDパネルおよび無彩色LCDパネル用の駆動値を生成するために、処理装置804は、2011年4月28日出願の米国仮特許出願第61/479958号明細書に記載されているLCDパネル制御装置実施形態の任意のものを実装する。
【0095】
次に、図7を参照して、本発明によるディスプレイの別の実施形態を説明する。本発明によるディスプレイの図7の実施形態は、図7のバックライトアセンブリが、一定バックライト光源802(好ましくはCCFLランプとして実装される)と、バックライト光源802の前方にある薄膜拡散器803と、バックライト光源802の後方(下流)にある反射器800とを備える点で図5の実施形態とは異なる。反射器800は、バックライト光源802から無彩色LCDパネルに向けて放出されるバックライトを反射することによって、バックライトアセンブリの効率を改良する。バックライトアセンブリ以外の図7におけるすべての要素は、図5において同一の番号を付された要素と同じであり、それらの説明は図7を参照して繰り返さない。制御装置(例えば、図6の制御装置要素804および805)が、図7の無彩色LCDパネルおよびカラーLCDパネルを駆動するために採用される。図7の実施形態では、バックライト制御は必要とされない。
【0096】
図8は、本発明によるデュアルLCDパネルディスプレイの代替実施形態であり、カラーLCDパネル(パネル903。本明細書では、時として「画像生成」パネルと呼ぶ)が、無彩色LCDパネル(パネル905)の上流に配置される。図8では、クロスBEFコリメータ901が、バックライト900とカラーLCDパネル903との間に配置され、偏光保存拡散器904(好ましくは、ホログラフィ拡散器として実装される)が、カラーLCDパネル903と無彩色LCDパネル905との間に配置される。カラーLCDパネル903と無彩色LCDパネル905はそれぞれ、初期偏光子と検光偏光子との間に(LCDセルを含む)能動層を含む。カラーLCDパネル903は、2つの偏光子(初期偏光子と検光偏光子)を含み、特定の偏光を有する光を透過し、偏光保存拡散器904は、この光の偏光を保ち、無彩色LCDパネル905(これも2つの偏光子、すなわち初期偏光子と検光偏光子を含む)が、偏光保存拡散器904によって拡散された光をさらに変調する。
【0097】
図8の反射偏光子902(好ましくは、DBEF−Dフィルムとして実装される)は、クロスBEFコリメータ901とカラーLCDパネル903との間に配置される。クロスBEFコリメータ901からカラーLCDパネル903に向けて伝播するコリメートされた光は、反射偏光子902によって強い偏光バイアスを与えられ、反射偏光子902は、不正確に偏光された光をコリメータ901に向けて反射し返す。反射偏光子902は、反射偏光子によって透過される光の偏光が初期偏光子によって透過される光の偏光と一致するように、カラーLCDパネル903の初期偏光子に対して方向付けられるべきである。好ましくは、クロスBEFコリメータ901は、反射偏光子902と共にレンズ効果を生み出し、この効果は、クロスBEFコリメータに鈍角で(バックライト900から)入射する光をコリメートして偏光し、(鈍角でない)他の角度でクロスBEFコリメータ901に入射した光をリサイクルして(バックライト900に向けて反射し返して)、光学スタックの全体的な効率を改良する。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態は、視野角を広げる。無彩色LCDパネルとして(赤色、緑色、または青色フィルタを有さない)従来のLCDパネルを使用することは、各無彩色LCDパネルが、別の(カラーLCD)パネルと共に背面パネルまたは前面パネルとして使用されるときに、コントラスト強調のはるかに大きな解像度を可能にする。このさらなる解像度は、無彩色LCDパネルが異なる解像度を有するカラーLCDパネルに結合されるときに、視覚アーチファクトを最小限に抑えながらディスプレイにわたる調節可能な視野角を可能にするので、さらに重要になる。
【0099】
本発明によるディスプレイのいくつかの実施形態の無彩色LCDパネルが、正方形状での4つのクラスタ(カラーLCDパネルの1つのピクセルと位置合わせされた無彩色パネルのサブピクセルの各2×2クラスタ)でのピクセル(同じ画像チェーン内のカラーLCDパネルのピクセルよりも小さいので「サブピクセル」と呼ぶ)を有する場合、これは、水平方向でも垂直方向でも解像度を2倍にするので、より大きな制御が可能である。これらのサブピクセルクラスタが個別の制御点として処理される場合、画像スケーリングに関する既存の画像処理技術をこれらのサブピクセルクラスタに適用することができ、様々な視野角および距離を実現可能にする。視野角を拡げるために(例えば、複数の同時視聴者に対応するために)、(例えば、空間またはレンジフィルタリングを行うように構成された図4Cの双方向性フィルタリングモジュール478によって)無彩色パネル駆動値にガウスフィルタまたは同様のローパスフィルタを適用することができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、本発明によるディスプレイは、無彩色LCDパネルおよびカラーLCDパネルに加えて変調器を含む。例えば、1つのそのようなディスプレイは、3つの変調LCDパネル(例えば、2つの無彩色LCDパネルと、1つのカラーLCDパネル)を含む。例えば、図5(または図7)のカラーLCDパネル724と視聴者との間にある追加の制御可能な偏光子アレイが、ディスプレイの出力での光を様々な偏光角で直線状または円状に操縦する。3D偏光眼鏡に関連付けてそのようなディスプレイシステムを使用することによって、表示された物体を、追加の制御可能な偏光子アレイに関する変調駆動値に基づいて視聴者の左目または右目に操縦することができる。立体視駆動層は、単独で、または同時に、従来の2次元コンテンツと共に空間、時間、または色ベースの立体視技法を使用して、多くの異なる様式の任意のもので駆動することができる。
【0101】
典型的な実施形態では、本発明によるデュアルLCDパネルディスプレイは、カラーLCDパネルと、少なくとも1つの無彩色LCDパネルと、バックライトと、バックライトと無彩色LCDパネルとの間にあるクロスBEF(「明るさ向上フィルム」)コリメータと、無彩色LCDパネルとカラーLCDパネルとの間にある偏光保存拡散器とを含む。より一般的には、本発明の他の実施形態は、画像生成パネル(例えばカラーLCDパネル。しかし代替として別の画像生成パネル)と、少なくとも1つのコントラスト強調パネル(例えば少なくとも1つの無彩色LCDパネル。しかし代替として別のコントラスト強調パネル)と、バックライトと、コントラスト強調パネルと画像生成パネルとの間にある偏光保存拡散器と、バックライトと画像生成パネルおよびコントラスト強調パネルの一方との間にあるクロスBEF(「明るさ向上フィルム」)コリメータとを含むデュアルパネルディスプレイである。コントラスト強調パネルおよび画像生成パネルはそれぞれ、初期偏光子と検光偏光子との間に能動層(光を変調するために駆動することができる)を含む。したがって、典型的な実施形態では、コントラスト強調パネルは、2つの偏光子(初期偏光子と検光偏光子)を含み、特定の偏光を有する光を透過し、偏光保存拡散器は、この光の偏光を保ち、画像生成パネル(これも2つの偏光子、すなわち初期偏光子と検光偏光子を含む)が、偏光保存拡散器によって拡散された光をさらに変調する。いくつかの他の実施形態では、2つのパネルの位置が逆であり、したがって、画像生成パネルがコントラスト強調パネルの上流にある。
【0102】
好ましくは、コントラスト強調パネルは、(コントラスト強調パネルがバックライトと画像生成パネルとの間にあるという意味合いで)画像生成パネルの上流に配置され、反射偏光子(いくつかの実施形態では、DBEF−Dフィルムとして実装される)が、クロスBEFコリメータとコントラスト強調パネルとの間に配置される。クロスBEFコリメータからコントラスト強調パネルに向かって伝播するコリメートされた光は、反射偏光子によって強い偏光バイアスを与えられ、反射偏光子は、不正確に偏光された光をクロスBEFコリメータに向けて反射し返す。反射偏光子は、反射偏光子によって透過される光の偏光が初期偏光子によって透過される光の偏光と一致するように、コントラスト強調パネルの初期偏光子に対して方向付けられるべきである。好ましくは、クロスBEFコリメータは、反射偏光子と共にレンズ効果を生み出し、この効果は、クロスBEFコリメータに鈍角で(バックライトから)入射する光をコリメートして偏光し、(鈍角でない)他の角度でクロスBEFコリメータに入射した光をリサイクルして(バックライトに向けて反射し返して)、光学スタックの全体的な効率を改良する。代替として、画像生成パネルがコントラスト強調パネルの上流にある実施形態では、反射偏光子は、クロスBEFコリメータと画像生成パネルとの間に配置される。
【0103】
前の2つの段落で述べた実施形態の広範な形態において、両方のパネルが画像を生成し、両方のパネルが、表示用の最終的な画像にコントラストを与えることを理解すべきである。画像生成パネルは、典型的には、フィルタリングと明るさ変調との組合せによって色およびコントラストを与え、コントラスト強調パネルは、典型的には、明るさ変調によってコントラストを与え、またはコントラストを向上させる。また、上述した実施形態に対する変形形態では、コントラスト強調パネルがカラーフィルタリングも含むことができ、あるいは、コントラスト強調パネルと画像生成パネルの一方または両方における機能の他の変形形態を実装することもできることを理解すべきである。
【0104】
図5図6図7、および図8それぞれのカラーLCDパネルは、画像生成パネルの一例であり(本発明のいくつかの実施形態では、カラーLCDパネルでない画像生成パネルで置き換えられ)、図5図6図7、および図8それぞれの無彩色LCDパネルは、コントラスト強調パネルの一例であり、本発明のいくつかの実施形態では、無彩色LCDパネルでないコントラスト強調パネルによって置き換えられることを理解すべきである。
【0105】
図面に示した本発明の好ましい実施形態の説明では、分かりやすくするために特定の用語が採用されている。しかし、本発明は、そのようにして選択されている特定の用語に限定する意図はなく、各特定の要素が、同様に動作するすべての技術的な均等物を含むことを理解されたい。さらに、説明した部分の代わりに、現在知られていない新規に開発される技術も使用することができ、それでも本発明の範囲から逸脱しないと本発明者は認識している。限定はしないが、パネル、LCD、偏光子、制御可能なパネル、ディスプレイ、フィルタ、ガラス、ソフトウェア、および/またはアルゴリズムなどを含むすべての他の説明した要素も、あらゆる利用可能な均等物に鑑みて考察すべきである。
【0106】
本発明は、適切には、本明細書で述べたような要素(本発明の様々な部分または特徴)およびそれらの均等物を備える、それらからなる、またはそれらから本質的になることがある。さらに、本明細書で例示的に開示した本発明は、本明細書に具体的に開示したか否かに関わらず、任意の要素がなくても実施することができる。上の教示に鑑みれば、明らかに、本発明の多くの修正形態および変形形態が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本明細書に具体的に記載した以外の形で本発明を実施することもできることを理解されたい。
図1
図2
図2A
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8