特許第6259968号(P6259968)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6259968
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】排水栓の水抜き構造
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/22 20060101AFI20180104BHJP
【FI】
   E03C1/22 A
【請求項の数】9
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-253710(P2013-253710)
(22)【出願日】2013年12月7日
(65)【公開番号】特開2015-113556(P2015-113556A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年12月6日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(72)【発明者】
【氏名】堀江 進
【審査官】 七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−344313(JP,A)
【文献】 特開平11−107341(JP,A)
【文献】 特開2000−336723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/232
A47K 1/14
E03C 1/22
E03C 1/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に排水口2を開口した槽体1と、
排水口周縁21に係止する係止部31を備え、且つ係止部31から垂下して構成される筒状体32から成る排水栓3と、
排水栓3から排出される排水を最終的には下水管へと排水するための排水部材4と、
から構成される排水栓の水抜き構造において、
前記係止部31を槽体1の排水口周縁21上方に係止させ、槽体1裏面から排水部材4に排水栓3の筒状体32を挿入し、排水栓3の係止部31と排水部材4の間に槽体1の排水口周縁21を介在させることによって排水栓3を槽体1に取付けた上で、
前記排水栓3の外表面と排水口周縁21の間に、係止部31裏面の水を排水部材4へと排水する水抜き構造5を備え
前記排水口2は槽体1底面から落ちくぼんで形成され、
係止部31は前記排水口2の落ちくぼみと連続することを特徴とする排水栓の水抜き構造。
【請求項2】
前記水抜き構造5を、排水栓3又は槽体1の排水口2とは別部材のアダプター53によって構成したことを特徴とする前記請求項1に記載の排水栓の水抜き構造。
【請求項3】
前記水抜き構造5は、排水栓3の外表面と排水口周縁21の間に構成した凸部51から構成したことを特徴とする前記請求項1又は請求項2に記載の排水栓の水抜き構造。
【請求項4】
前記水抜き構造5は、排水栓3の外表面と排水口周縁21の間に構成した凹部52から構成したことを特徴とする前記請求項1又は請求項2に記載の排水栓の水抜き構造。
【請求項5】
前記水抜き構造5は、係止部31の側面又は裏面から、筒状体32の任意の箇所まで連続して構成されることを特徴とする前記請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の排水栓の水抜き構造。
【請求項6】
前記水抜き構造5を、排水栓3の上下方向に向けて構成される筋状としたことを特徴とする前記請求項5に記載の排水栓の水抜き構造。
【請求項7】
前記水抜き構造5は、排水栓3の筒状体32に通水孔54を開口し、係止部31裏面の水を当該通水孔54から排水栓3内部に通水させて排水部材4へと排水することを特徴とする前記請求項1に記載の排水栓の水抜き構造。
【請求項8】
前記水抜き構造5は、槽体1の排水口周縁21に通水孔54を開口し、係止部31裏面の水を当該通水孔54から直接的に槽体1裏の排水部材4へと排水させることを特徴とする前記請求項1に記載の排水栓の水抜き構造。
【請求項9】
前記係止部31は、筒状体32の上端から外側方向へ向かって鍔状に突出して構成したことを特徴とする前記請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の排水栓の水抜き構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽や流し台、洗面台や各種槽体の排水口に取り付けられ、その下端は排水部材に接続される排水栓の水抜き構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よく知られた排水栓の構造は、例えば図19に示した物がある。本従来例の排水栓の構造は、洗面台に用いられる排水栓の構造である。
本従来例の排水栓の構造は、槽体と、排水栓と、排水部材としてのオーバーフロー配管・止水部材・止水用三角パッキン・固定部材・配管部材・排水トラップ(図示せず)と、から構成されている。
槽体は、洗面所の陶器製の洗面ボウルであり、底部には排水用の排水口が槽体の底面から一段落ちくぼんだ形で開口されている。この排水口の周縁には後述する排水栓の係止部が係止される。また、当該従来例の洗面ボウルは、ボウルに貯水した水が溢れないようにオーバーフロー用の開口を槽体側面に開口し、オーバーフローした排水を後述する配管部材へと排水するためのオーバーフロー配管を洗面ボウルに一体的に構成している。また、このオーバーフロー配管は、排水部材として機能する。
排水栓は、前記槽体の排水口周縁に係止する係止部を備え、且つ係止部から垂下して構成される筒状体から成る。係止部は、筒状体上端から側面方向に向かって飛び出す鍔状体であって、当該係止部の裏面には後述する止水部材を介した上で、係止部は槽体の排水口周縁に係止される。また、筒状体の側面にはオーバーフロー用の開口窓が構成されており、この開口窓から槽体のオーバーフロー配管からの流路を排水栓内へと合流させることができる。また、当該開口窓は、槽体のオーバーフロー配管部分に配置される。筒状体下端には、後述する固定部材の雌ねじと螺合する雄ねじが螺設されている。
止水部材は、排水部材の一部であって、排水栓の係止部の裏面と槽体の排水口周縁の上に配置されるリング状のパッキンである。また槽体上の排水が排水栓の係止部裏面から槽体下面に漏れ出さないように止水している。
止水用三角パッキンは、排水部材の一部であって、断面視三角形状をしたリング状のパッキンであり、後述する固定部材によって押し上げられて、頂点部分が洗面ボウル下面に当接し、止水用三角パッキンの側面の傾斜面に当接して内方に倒れ縮径することで洗面ボウル下面及び排水栓の筒状体外周を止水する。
固定部材は、排水部材の一部であって、内周に雌ねじを螺設した板ナットである。固定部材上部には止水用三角パッキンを配置する。固定部材の内周の雌ねじは、前記排水栓の筒状体下端の雄ねじと螺合し、両者を螺合させると、固定部材の上方に配置された止水用三角パッキンが押し上げられ、上述のように洗面ボウルと排水栓の止水を行う。
配管部材は、排水栓の筒状体下端に接続される排水管であって、その下端には図示しないが排水トラップが接続される。排水トラップは周知のとおり、内部に封水を貯水することで、下水からの臭気や害虫を室内側へと逆流させないようにする部材である。尚、排水部材内に流入した排水は、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
また、排水部材は、前述した、オーバーフロー配管・止水部材・止水用三角パッキン・固定部材・配管部材・排水トラップ(図示せず)を指す。(特許文献1)
【0003】
また、そのほかの従来よく知られた排水栓の構造は、例えば図20に示した物がある。本従来例の排水栓の構造は、洗面台に用いられる排水栓の構造である。
本従来例の排水栓の構造は、槽体と、排水栓と、止水部材と、排水部材としての止水用Uパッキン・オーバーフローアダプター部材・止水用三角パッキン・固定部材・配管部材・排水トラップ(図示せず)と、から構成されている。
槽体は、洗面所の琺瑯製の洗面ボウルであり、底部には排水用の排水口が槽体の底面から一段落ちくぼんだ形で開口されている。この排水口の周縁には後述する排水栓の係止部が係止される。また、当該従来例の洗面ボウルは、ボウルに貯水した水が溢れないようにオーバーフロー用の開口を槽体側面に開口し、オーバーフローした排水を後述する排水部材へと排水するためのオーバーフロー配管を洗面ボウルとは別体で構成している。
排水栓は、前記槽体の排水口周縁に係止する係止部を備え、且つ係止部から垂下して構成される筒状体から成る。係止部は、筒状体上端から側面方向に向かって飛び出す鍔状体であって、当該係止部の裏面には後述する止水部材を介した上で、係止部は槽体の排水口周縁に係止される。また、筒状体の側面にはオーバーフロー用の開口窓が構成されており、この開口窓から槽体のオーバーフロー配管からの流路を排水部材内へと合流させることができる。また、当該開口窓は、後述するオーバーフローアダプター部材中に配置される。筒状体下端には、後述する固定部材の雌ねじと螺合する雄ねじが螺設されている。
止水部材は、排水栓の係止部の裏面と槽体の排水口周縁の上に配置されるリング状のパッキンであって、槽体上の排水が排水栓の係止部裏面から槽体下面に漏れ出さないように止水している。
止水用Uパッキンは、排水部材であって、後述するオーバーフローアダプター部材の上部と、槽体排水口周縁の裏面(下面)の間に配される断面視U字状のパッキンである。(尚、本従来例ではUパッキンを用いているが、その他の形状のパッキンでも構わない。)当該止水用Uパッキンにより、排水栓の下面側からの排水が槽体裏面へと漏れ出すことを防止する。
オーバーフローアダプター部材は、排水部材であって、円筒状の部材であり、側面にオーバーフロー配管の流入口を構成するとともにオーバーフロー配管に接続される。このオーバーフローアダプター部材は、槽体裏面の排水口直下に構成され、内部に排水栓が排水口に係止された状態で配され、排水栓下端から後述する固定部材と止水用三角パッキンによって、上部は止水用Uパッキン、下方は止水用三角パッキンにて止水されつつ洗面ボウルに押し当てられ取り付けられる。オーバーフロー配管からの排水は、当該オーバーフローアダプター部材内に流入し、排水栓の開口窓から排水部材内部へと合流することができる。
止水用三角パッキンは、排水部材であって、断面視三角形状をしたリング状のパッキンである。また後述する固定部材によって押し上げられて、頂点部分がオーバーフローアダプター部材下面に当接し、止水用三角パッキンの側面の傾斜面に当接して内方に倒れ縮径することでオーバーフローアダプター部材下面及び排水栓の筒状体外周を止水する。
固定部材は、排水部材であって、内周に雌ねじを螺設した板ナットである。固定部材上部には止水用三角パッキンを配置する。固定部材の内周の雌ねじは、前記排水栓の筒状体下端の雄ねじと螺合し、両者を螺合させると、固定部材の上方に配置された止水用三角パッキンが押し上げられ、上述のようにオーバーフローアダプター部材と排水栓の止水を行う。
配管部材は、排水部材であって、排水栓の筒状体下端に接続される排水管である。配管部材下端には図示しないが排水部材としての排水トラップが接続される。排水トラップは周知のとおり、内部に封水を貯水することで、下水からの臭気や害虫を室内側へと逆流させないようにする部材である。尚、排水部材内に流入した排水は、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
また、排水部材は、前述した、止水用Uパッキン・オーバーフローアダプター部材・止水用三角パッキン・固定部材・配管部材・排水トラップ(図示せず)を指す。(特許文献2)
【0004】
また、そのほかの従来よく知られた排水栓の構造は、例えば図21に示した物がある。本従来例の排水栓の構造は、洗面台に用いられる排水栓の構造である。
本従来例の排水栓の構造は、槽体と、排水栓と、止水部材と、固定部材と、止水用Oリング(上部)と、排水部材としてのオーバーフローアダプター部材・止水用Oリング(下部)・配管部材・排水トラップ(図示せず)と、から構成されている。
槽体は、洗面所の陶器製の洗面ボウルであり、底部には排水用の排水口が段押しするように、大きく落ちくぼんだ形で開口されている。この排水口の周縁には後述する排水栓の係止部が係止される。また、当該従来例の洗面ボウルは、ボウルに貯水した水が溢れないようにオーバーフロー用の開口を槽体側面に開口し、オーバーフローした排水を後述する排水部材へと排水するためのオーバーフロー配管を洗面ボウルとは別体で構成している。当該槽体の排水口の止水を行う際は、洗面ボウルの段押し部分に弁体のパッキンを当接することで止水を行うことができる。
排水栓は、前記槽体の排水口周縁に係止する係止部を備え、且つ係止部から垂下して構成される筒状体から成る。係止部は、筒状体上端から側面方向に向かって飛び出す鍔状体であって、当該係止部の裏面には後述する止水部材を介した上で、係止部は槽体の排水口周縁に係止される。筒状体外周部には、後述する固定部材の雌ねじと螺合する雄ねじが螺設され、筒状体下端には後述するオーバーフローアダプター部材が取り付けられる係合部が構成される。
止水部材は、排水栓の係止部の裏面と槽体の排水口周縁の間に配置されるリング状のパッキンであって、槽体上の排水が排水栓の係止部裏面から槽体下面に漏れ出さないように止水している。
固定部材は、内周に雌ねじを螺設した板ナットであって、内周の雌ねじが前記排水栓の筒状体外周の雄ねじと螺合し、両者を螺合させると、排水栓の係止部が排水口周縁に係止されているので、槽体の排水口の周縁を介して係止部と固定部材が締め付け固定される。このようして排水栓は槽体の排水口に取り付けられる。
止水用Oリング(上部)は、後述するオーバーフローアダプター部材の内周と、排水栓外周の間に配されるOリング状のパッキンである。当該止水用Oリング(上部)により、排水栓とオーバーフローアダプター部材間の排水が外部へと漏れ出すことを防止する。
オーバーフローアダプター部材は、排水部材であって、円筒状の部材である。また側面にオーバーフロー配管の流入口を構成するとともにオーバーフロー配管に接続される。オーバーフロー配管からの排水は、当該オーバーフローアダプター部材内に流入し、排水部材内部へと合流することができる。また、本オーバーフローアダプター部材は排水栓下端の係合部に係合されて接続される。
止水用Oリング(下部)は、後述する排水部材の内周と、オーバーフローアダプター部材外周の間に配されるOリング状のパッキンである。当該止水用Oリング(下部)により、排水部材とオーバーフローアダプター部材間の排水が外部へと漏れ出すことを防止する。
配管部材は、排水部材であって、オーバーフローアダプター部材に接続される排水管である。また配管部材下端には図示しないが排水部材としての排水トラップが接続される。排水トラップは周知のとおり、内部に封水を貯水することで、下水からの臭気や害虫を室内側へと逆流させないようにする部材である。尚、排水部材内に流入した排水は、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
また、排水部材は、前述した、オーバーフローアダプター部材・止水用Oリング(下部)・配管部材・排水トラップ(図示せず)を指す。(特許文献3)
【0005】
前記した排水栓の構造の排水の流れは以下のようになる。
特許文献1での排水の流れとしては、槽体上に排水が発生すると、槽体の排水口周縁に取り付けられた排水栓から排水栓内部に排水が流入し、排水部材を介して排水される。排水部材内の排水は、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
また、オーバーフロー配管から排水があった際は、洗面ボウルに一体的に構成されたオーバーフロー配管から排水栓の開口窓を介して排水栓内に排水は流入し、配管部材を介して排水される。配管部材内の排水は、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
また、槽体内に水を貯水したい際は排水栓に弁体を配置すればよいが、特許文献1での止水部は排水栓の係止部上又は、排水栓の内周面が弁体との止水面となる。
特許文献2での排水の流れとしては、槽体上に排水が発生すると、槽体の排水口周縁に取り付けられた排水栓から排水栓内部に排水が流入し、オーバーフローアダプター部材内部を通過して配管部材へと排水される。配管部材内の排水は、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
また、オーバーフロー配管から排水があった際は、洗面ボウルとは別体に構成されたオーバーフロー配管からオーバーフローアダプター部材の流入口からオーバーフローアダプター部材内部に排水が流入し、排水栓の開口窓を介して排水栓内を通過し、配管部材を介して排水される。こうして排水部材内の排水は、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
また、槽体内に水を貯水したい際は排水栓に弁体を配置すればよいが、特許文献2での止水部は排水栓の係止部上又は、排水栓の内周面が弁体との止水面となる。
特許文献3での排水の流れとしては、槽体上に排水が発生すると、槽体の排水口周縁に取り付けられた排水栓から排水栓内部に排水が流入し、オーバーフローアダプター部材内部を通過して配管部材へと排水される。配管部材内の排水は、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
また、オーバーフロー配管から排水があった際は、洗面ボウルとは別体に構成されたオーバーフロー配管からオーバーフローアダプター部材の流入口からオーバーフローアダプター部材内部に排水が流入し、配管部材へと排水される。こうして排水部材内の排水は、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
また、槽体内に水を貯水したい際は排水栓に弁体を配置すればよいが、特許文献3での止水部は槽体の排水口の上部、すなわち槽体の段押し部分が弁体との止水面となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公平3−45661号
【特許文献2】実開平7−15871号
【特許文献3】特開2012−36560号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1と特許文献2従来例での排水栓構造では、係止部の裏面と槽体の排水口周縁の上面の間に止水部材を介する必要がある為、排水口周縁はパッキンの厚み分、一段落ちくぼんだ、段押し形状にする必要がある。なぜならば、段押し形状が無ければ係止部が槽体の排水口周縁に係止されるため、係止部の厚み分水残りが発生する。よって、排水口の周縁は一段落ちくぼんだ形状となる必要がある。すると、今度はこの落ちくぼんだ段押し部分と排水栓の係止部裏面の止水部材との間に、常時排水が水残りすることとなる。
また、特許文献3に記載したような技術は、特許文献1又は特許文献2のような技術と比較して、排水栓の係止部を槽体の上方から使用者から視認されないようにするため、槽体の排水口を深く落ちくぼませて弁体をその上方の槽体に当接させることで槽体の止水を図る技術である。このような技術であれば、使用者から係止部が見えない為、槽体の意匠性を高めることができる。
しかし、前記した特許文献1乃至特許文献3の技術では以下のような問題があった。
排水栓は、前述したように、係止部によって排水栓下に配管される排水部材全ての重量を吊り下げねばならないこと、また排水栓の下方からは固定部材によって常時強い力で締め付け固定されている為、係止部付近には常時強い応力・負荷がかかっている状態となる。このような状態の排水栓に、前述のように係止部付近に水残りが常時発生した状態となってしまうと、排水中の薬剤、さらには熱湯等の負荷により、常時負荷が加わっている排水栓にストレスを与えてしまう。そうすると、結果的にケミカルクラック、又はストレスクラッキング等のように呼ばれている、樹脂製品の割れが発生してしまうことが多発していた。
また、排水栓の係止部の周囲に常時水が残っている状態は使用者にも視認されることから、非常に意匠性が悪く、更に汚れの原因にもなってしまうことから、このような排水口周縁と係止部付近の水残りは非常に問題であった。
【0008】
以上のことから、本願発明は以下の課題を解決する。
1.排水栓係止部と、槽体排水口周縁の間に水残りを発生させない。
2.排水栓にケミカルクラックによる割れを発生させない。
3.排水栓の係止部周囲の汚れや意匠性を高める。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の排水栓の水抜き構造は、底部に排水口2を開口した槽体1と、排水口周縁21に係止する係止部31を備え、且つ係止部31から垂下して構成される筒状体32から成る排水栓3と、排水栓3から排出される排水を最終的には下水管へと排水するための排水部材4と、から構成される排水栓の水抜き構造において、前記係止部31を槽体1の排水口周縁21上方に係止させ、槽体1裏面から排水部材4に排水栓3の筒状体32を挿入し、排水栓3の係止部31と排水部材4の間に槽体1の排水口周縁21を介在させることによって排水栓3を槽体1に取付けた上で、前記排水栓3の外表面と排水口周縁21の間に、係止部31裏面の水を排水部材4へと排水する水抜き構造5を備ええ、前記排水口2は槽体1底面から落ちくぼんで形成され、係止部31は前記排水口2の落ちくぼみと連続することを特徴とする排水栓の水抜き構造である。

【0010】
請求項2に記載の排水栓の水抜き構造は、水抜き構造5を、排水栓3又は槽体1の排水口2とは別部材のアダプター53によって構成したことを特徴とする前記段落0009に記載の排水栓の水抜き構造である。
【0011】
請求項3に記載の排水栓の水抜き構造において、水抜き構造5は、排水栓3の外表面と排水口周縁21の間に構成した凸部51から構成したことを特徴とする前記段落0009又は段落0010に記載の排水栓の水抜き構造である。
【0012】
請求項4に記載の排水栓の水抜き構造において、水抜き構造5は、排水栓3の外表面と排水口周縁21の間に構成した凹部52から構成したことを特徴とする前記段落0009又は段落0010に記載の排水栓の水抜き構造である。
【0013】
請求項5に記載の排水栓の水抜き構造において、水抜き構造5は、係止部31の側面又は裏面から、筒状体32の任意の箇所まで連続して構成されることを特徴とする前記段落0009乃至段落0012のいずれか一つに記載の排水栓の水抜き構造である。
【0014】
請求項6に記載の排水栓の水抜き構造において、水抜き構造5を、排水栓3の上下方向に向けて構成される筋状としたことを特徴とする前記段落0013に記載の排水栓の水抜き構造である。
【0015】
請求項7に記載の排水栓の水抜き構造において、水抜き構造5は、排水栓3の筒状体32に通水孔54を開口し、係止部31裏面の水を当該通水孔54から排水栓3内部に通水させて排水部材4へと排水することを特徴とする前記段落0009に記載の排水栓の水抜き構造である。
【0016】
請求項8に記載の排水栓の水抜き構造において、水抜き構造5は、槽体1の排水口周縁21に通水孔54を開口し、係止部31裏面の水を当該通水孔54から直接的に槽体1裏の排水部材4へと排水させることを特徴とする前記段落0009に記載の排水栓の水抜き構造である。
【0017】
請求項9に記載の排水栓の水抜き構造において、記係止部31は、筒状体32の上端から外側方向へ向かって鍔状に突出して構成したことを特徴とする前記段落0009乃至段落0016のいずれか一つに記載の排水栓の水抜き構造である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の本発明は、係止部31を槽体1の排水口周縁21上方に係止させ、槽体1裏面から排水部材4に排水栓3の筒状体32を挿入し、排水栓3の係止部31と排水部材4の間に槽体1の排水口周縁21を介在させることによって排水栓3を槽体1に取付けた上で、前記排水栓3の外表面と排水口周縁21の間に、係止部31裏面の水を排水部材4へと排水する水抜き構造5を備えたことから、係止部31の裏面の水が排水部材4側へと排水できるので、排水が係止部31裏にいつまでも残ることが無くなり、排水中に薬剤や熱湯があったとしても、排水栓3にケミカルクラック現象による割れが発生しない。また、排水栓3の係止部31の周囲に水が残らないので、排水栓3の係止部31の周囲に汚れが蓄積することもないので、意匠性が向上する。
請求項2に記載の本発明は、水抜き構造5を、排水栓3又は槽体1の排水口2とは別部材のアダプター53によって構成したことから、既存の排水栓3において当該アダプター53を取り付ければ、排水栓3の係合部裏面と排水口周縁21付近の水は円滑に排水部材4側へと排水される。
請求項3及び請求項4に記載の本発明は、排水栓3の外表面と排水口周縁21の間に構成した凸部51又は凹部52から構成したことから、係止部31の裏面の水が排水部材4側へと排水できるので、排水が係止部31裏にいつまでも残ることが無くなり、排水中に薬剤や熱湯があったとしても、排水栓3にケミカルクラック現象による割れが発生しない。また、排水栓3の係止部31の周囲に水が残らないので、排水栓3の係止部31の周囲に汚れが蓄積することもないので、意匠性が向上する。
請求項5に記載の本発明は、前記水抜き構造5は、係止部31の側面又は裏面から、筒状体32の任意の箇所まで連続して構成されることから、より確実に係止部31裏面の排水が排水部材4へと排水することができる。
請求項6に記載の本発明は、前記水抜き構造5を、排水栓3の上下方向に向けて構成される筋状としたことから、より確実に係止部31裏面の排水が排水部材4へと排水することができる。
請求項7に記載の本発明は、前記水抜き構造5は、排水栓3の筒状体32に通水孔54を開口し、係止部31裏面の水を当該通水孔54から排水栓3内部に通水させて排水部材4へと排水することから、排水栓3の裏側からわざわざ排水を通過させることなく排水栓3の通水孔54から排水することができるので、係止部31の裏面と槽体1排水口の周縁21の間に排水中の汚れ等が付着することが無く衛生的である。
請求項8に記載の本発明は、前記水抜き構造5は、槽体1の排水口周縁21に通水孔54を開口し、係止部31裏面の水を当該通水孔54から直接的に槽体1裏の排水部材4へと排水させることから、排水栓3の裏側から排水を通過する前に、槽体1の通水孔54から排水部材4へと排水することができるので、係止部31の裏面と槽体1排水口の周縁21の間に排水中の汚れ等が付着することが無く衛生的である。
請求項9に記載の本発明は、前記係止部31は、筒状体32の上端から外側方向へ向かって鍔状に突出して構成したことから、係止部31によって槽体1の排水口周縁21に係止して取り付けることが出きる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例1の施工状態を示す断面図である。尚、破線で示しているのは弁体の上昇を示す想像線である。
図2】実施例1における排水栓に構成された水抜き構造を示す、排水栓の一部側面図である。
図3】実施例1における分解斜視図である。
図4】実施例1の施工状態を示す、一部断面斜視図である。
図5】実施例2を示す分解斜視図である。
図6】実施例2の施工状態を示す、一部断面斜視図である。
図7】実施例3における分解斜視図である。
図8】実施例3の施工状態を示す、斜視図である。
図9図8におけるA部の拡大断面図である。尚、図中の矢印は水の流れを示す。
図10】実施例4の分解斜視図及びA部詳細図である。
図11】実施例4の施工状態を示す、一部断面斜視図である。
図12】排水栓に構成する凸部のその他の実施例を示す斜視図及びA部拡大断面図である。
図13】排水栓に構成する凸部のその他の実施例を示す斜視図及びA部拡大断面図である。
図14】槽体に構成する凹部のその他の実施例を示す図である。(a)断面図(b)、(c)斜視図
図15】アダプターに凹部を構成した場合の実施例を示す斜視図である。
図16図15におけるアダプターを槽体に載置した状態を示す図である。(a)断面図(b)、(c)斜視図
図17】槽体の排水口に通水孔を構成したその他の実施例を示す図である。(a)断面図(b)、(c)斜視図
図18】排水栓に通水孔を構成したその他の実施例を示す斜視図である。
図19】従来例を示す図である。
図20】従来例を示す図である。
図21】従来例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
本実施例は、図1乃至図4に示される、洗面台の洗面ボウルに用いられる排水栓の水抜き構造である。
本実施例の排水栓の水抜き構造は、槽体1と、弁体6と、排水栓3と、排水部材4としての止水用Uパッキン41・オーバーフローアダプター部材42・止水用三角パッキン43・固定部材45・配管部材46・排水トラップ(図示せず)と、から構成されている。
槽体1は、洗面所の琺瑯製の洗面ボウルであり、底部には排水用の排水口2が槽体1の底面から一段深く落ちくぼんだ形で開口されている。この排水口の周縁21には後述する排水栓3の係止部31が係止される。また、当該実施例の洗面ボウルは、ボウルに貯水した水が溢れないようにオーバーフロー用の開口を槽体1側面に開口し、オーバーフローした排水を後述する配管部材46へと排水するためのオーバーフロー配管47を洗面ボウルとは別体で構成している。
弁体6は、図1に図示したように従来から周知の、排水口2に配置した弁体6に対して離れた箇所に設置している操作部7を操作することで、遠隔的に排水口2の弁体6を開閉できるという遠隔操作式排水栓装置を用いており、この弁体6が排水口2に取り付けられる後述の排水栓3内部に上下動自在に配置されている。また、この弁体6は、弁体6が下降して槽体1の排水口2の落ちくぼんだ箇所の傾斜面に弁体6のパッキン61が当接して着座する事で排水口2の止水を達成することが出来、排水口2を開口する時は弁体6が上動して排水口2の傾斜面の着座状態が解除されて排水口2が開口し、排水が排水栓3方向へと排水することができるものである。つまり、弁体6は排水栓3ではなく槽体1に当接し、排水栓3をすっぽり包むように配置される。
排水栓3は、前記槽体1の排水口周縁21に係止する係止部31を備え、且つ係止部31から垂下して構成される筒状体32から成る。係止部31は、筒状体32上端から側面方向に向かって飛び出す鍔状体であって、係止部31は槽体1の排水口周縁21に係止される。
また、本実施例の排水栓3は、排水栓3の係止部31自体に傾斜を設け、係止部31の傾斜が槽体1の排水口2の落ちくぼみの傾斜に連続するようにした。そうすると、従来の排水栓3の鍔部が水平方向に構成されているよりも、排水口2と排水栓3が連続するように視認できるので、非常に意匠性が良い構造となっている。
係止部31の裏面には図1のA部詳細及び図2に示したように水抜き構造5が構成されており、排水栓3の係止部31の裏面、すなわち係止部31の排水口2に接する面に複数構成した凸状のリブからなる凸部51を水抜き構造5とした。この凸部51は、係止部31の裏面の端部を始点とし筒状体32の途中位置を終点として、排水栓3の上下方向に向かう縦筋状のリブで構成される。なお、凸部51の終点である筒状体32の途中位置は、具体的には排水栓3の後述する開口窓33上端まで構成される。この水抜き構造5である凸部51の終点は、排水栓3の筒状体32まであることが望ましいが、それは排水栓3の最下端まで構成してもよく、結果的には係止部31裏の排水が排水部材4内に流入すれば良い。
また、筒状体32の側面にはオーバーフロー用の開口窓33が構成されており、この開口窓33から槽体1のオーバーフロー配管47からの流路を排水栓3内へと合流させることができる。また、当該開口窓33は、後述するオーバーフローアダプター部材42中に配置される。筒状体32下端には、後述する固定部材45の雌ねじと螺合する雄ねじが螺設されている。
排水部材4は、後述する止水用Uパッキン41・オーバーフローアダプター部材42・止水用三角パッキン43・固定部材45・配管部材46・排水トラップ(図示せず)である。
排水部材4の止水用Uパッキン41は、後述するオーバーフローアダプター部材42の上部と、槽体1排水口周縁21の裏面(下面)の間に配される断面視U字状のパッキンである。(尚、本実施例ではUパッキンを用いているが、その他の形状のパッキンでも構わない。)当該止水用Uパッキン41により、排水口2からの排水や、排水栓3の係止部31裏の排水が槽体1下側の表面へと漏れ出すことを防止する。
排水部材4のオーバーフローアダプター部材42は、円筒状の部材であり、側面にオーバーフロー配管47の流入口を構成するとともにオーバーフロー配管47に接続される。このオーバーフローアダプター部材42は、槽体1裏面の排水口2直下に構成され、内部に排水栓3が排水口2に係止された状態で配され、上部は止水用Uパッキン41、下方は止水用三角パッキン43にて止水されつつ洗面ボウルに押し当てられ取り付けられる。オーバーフロー配管47からの排水は、当該オーバーフローアダプター部材42内に流入し、排水栓3の開口窓33から排水栓3内部へと合流することができる。
排水部材4の止水用三角パッキン43は、断面視三角形状をしたリング状のパッキンであり、後述する固定部材45によって押し上げられて、頂点部分がオーバーフローアダプター部材42下面に当接し、止水用三角パッキン43の側面の傾斜面に当接して内方に倒れ縮径することでオーバーフローアダプター部材42下面及び排水栓3の筒状体32外周を止水する。
排水部材4の固定部材45は、内周に雌ねじを螺設した板ナットであって、その上部には止水用三角パッキン43を配置する。固定部材45の内周の雌ねじは、前記排水栓3の筒状体32下端の雄ねじと螺合し、両者を螺合させると、固定部材45の上方に配置された止水用三角パッキン43が押し上げられ、上述のようにオーバーフローアダプター部材42と排水栓3の止水を行う。
排水部材4の配管部材46は、排水栓3の筒状体32下端に接続される排水管であって、その下端には図示しないが排水トラップが接続される。排水トラップは周知のとおり、内部に封水を貯水することで、下水からの臭気や害虫を室内側へと逆流させないようにする部材である。尚、排水部材4内に流入した排水は、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
【0021】
前記した排水栓の水抜き構造は以下のように施工される。
図3に示すように、槽体1の排水口2の上方から排水栓3を差し込み、排水栓3の係止部31を排水口周縁21に係止させる。このとき、水抜き構造5である凸部51が排水口の周縁上21に載置されるので、排水口周縁21の上面と排水栓3の係止部31裏面の間には凸部51によって隙間が構成される。
また、槽体1の裏面から止水用Uパッキン41を介してオーバーフローアダプター部材42を排水口2に差し込まれた排水栓3に差し込み、槽体1の裏面側排水口周縁21に止水用Uパッキン41を押し当てるようにオーバーフローアダプター部材42を押し当てる。その後、止水用三角パッキン43を排水栓3に差し込み、排水栓3の筒状体32下端の雄ねじに固定部材45を螺合させ、止水用三角パッキン43を介してオーバーフローアダプター部材42を水密的に槽体1に取り付ける。この作業により、結果的に排水栓3は排水口周縁21とオーバーフローアダプター部材42を介して係止部31と固定部材45が締め付け固定され、排水栓3、止水用Uパッキン41、オーバーフローアダプター部材42、止水用三角パッキン43、固定部材45は槽体1に強固且つ水密的に取り付けられる。
その後、排水栓3下端に配管部材46を接続し、又、配管部材46は排水トラップを介して下水管へと接続され、本実施例の施工は完了する。
上記のように、係止部31の下側の面と排水口周縁21など、係止部31の外縁から開口窓33までの水抜き構造5の部分には止水を行うためのパッキンなどの水密部材は配置されていない。
【0022】
本実施例の排水栓の水抜き構造は以下のような排水の流れとなる。
まず、図1における弁体6が槽体1の排水口2に着座している状態(弁体6の実線部分)から遠隔操作式排水栓装置の操作部7を操作すると、排水口2内の弁体6が上昇し、図1における弁体6の想像線(破線)部分のように排水口2が開口し、開口が維持される。すると、槽体1内の排水は、排水口2に取り付けられた排水栓3を介し配管部材46へと排出され、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。なお、この排水が排出されている時、又は排水が終了した際に排水口周縁21と排水栓3の係合部の裏面に流入した排水は、水抜き構造5である係合部の裏面に構成された凸部51により形成された隙間から、排水口2を介して排水栓3又は排水部材4へと合流することになる。このとき、凸部51は排水栓3の開口窓33まで連続して構成されていることから、係合部裏面の排水は円滑に排水部材4側へと通水することができる。よって、排水口2の周囲、つまり排水栓3の係合部裏面付近に水が残ることがないので、排水栓3が長時間薬剤によって汚染された排水に晒されるようなことがないのでケミカルクラックが発生するようなことが無くなる。また水残りによる汚れなども防止でき、意匠性も向上した。
また、この状態から再度遠隔操作式排水栓装置の操作部7を操作すると、図1における弁体6の実線部分のように弁体6が下降し、槽体1の排水口2の落ちくぼんだ部分である傾斜面に着座し、弁体6のパッキン61が槽体1の排水口2に当接する。そうすると、結果的に弁体6は排水栓3の係合部よりも上流部分で止水されるので、排水栓3の水抜き構造5から下流へと排水が漏れ出すようなことがない。
この動作の繰り返しにより、排水/貯水を行うことができる。
また、オーバーフロー配管47から排水があった際は、洗面ボウルに別体で構成されたオーバーフロー配管47からオーバーフローアダプター部材42内に流入し、さらにはオーバーフローアダプター部材42内の排水栓3の開口窓33を介して排水栓3内に排水は流入し、配管部材46を介して排水される。排水部材4内の排水は、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
【実施例2】
【0023】
本実施例は、図5乃至図6に示され洗面台の洗面ボウルに用いられる排水栓の水抜き構造である。
本実施例の排水栓の水抜き構造は、槽体1と、弁体6と、排水栓3と、排水部材4としての止水用平パッキン44・排水部材4・排水トラップ(図示せず)と、から構成されている。
槽体1は、洗面所の琺瑯製の洗面ボウルであり、底部には排水用の排水口2が槽体1の底面から一段深く落ちくぼんだ形で開口されている。この排水口の周縁21には後述する排水栓3の係止部31が係止される。
弁体6は、本実施例では図示しないが、従来から周知の、排水口2に配置した弁体6に対して離れた箇所に設置している操作部7(図示せず)を操作することで、遠隔的に排水口2の弁体6を開閉できるという遠隔操作式排水栓装置を用いており、この弁体6が排水口2に取り付けられる後述の排水栓3内部に上下動自在に配置されている。また、この弁体6は、弁体6が下降して槽体1の排水口2の落ちくぼんだ箇所の傾斜面に弁体6のパッキン61が当接して着座する事で排水口2の止水を達成することが出来、排水口2を開口する時は弁体6が上動して排水口2の傾斜面の着座状態が解除されて排水口2が開口し、排水が排水栓3方向へと排水することができるものである。つまり、弁体6は排水栓3ではなく槽体1に当接し、排水栓3をすっぽり包むように配置される。
排水栓3は、前記槽体1の排水口2に係止する係止部31を備え、且つ係止部31から垂下して構成される筒状体32から成る。係止部31は、筒状体32上端から側面方向に向かって飛び出す鍔状体であって、係止部31は槽体1の排水口2に係止される。
係止部31の裏面には図5及び図6に示すように、水抜き構造5が構成されており、排水栓3の係止部31の裏面、すなわち排水口2に接する面に複数構成した凹状の溝からなる凹部52を水抜き構造5とした。この凹部52は、係止部31の裏面の端部を始点とし筒状体32の下端を終点として、排水栓3の上下方向に向かう縦筋状の溝で構成される。なお、凹部52の終点である筒状体32の最下端には、排水部材4が螺合する為の雄ねじが螺設されている。
排水部材4は、後述する止水用平パッキン44・排水部材4・排水トラップ(図示せず)である。
排水部材4の止水用平パッキン44は、後述する排水部材4の上部と、槽体1排水口周縁21の裏面(下面)の間に配される断面視平板形状のパッキンである。(尚、本実施例では平パッキンを用いているが、その他の形状のパッキンでも構わない。)当該止水用平パッキン44により、排水口2からの排水や、排水栓3の係止部31裏の排水が槽体1下側の表面へと漏れ出すことを防止する。
排水部材4は、排水栓3の筒状体32下端に接続される排水管であって、その上端内周には排水栓3の雄ねじに螺合する雌ねじが螺設されている。この排水部材4は、排水栓3をその内周に配置させた上で、下端には図示しないが排水部材4としての排水トラップが接続される。排水トラップは周知のとおり、内部に封水を貯水することで、下水からの臭気や害虫を室内側へと逆流させないようにする部材である。尚、排水部材4内に流入した排水は、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
【0024】
前記した排水栓の水抜き構造は以下のように施工される。
図5に示すように、槽体1の排水口2の上方から排水栓3を差し込み、排水栓3の係止部31を排水口周縁21に係止させる。このとき、水抜き構造5である凹部52が排水口の周縁21上に載置されるので、排水口周縁21の上面と排水栓3の係止部31裏面の間には凹部52によって通水用の溝(通路)が構成される。
また、槽体1の裏面から止水用平パッキン44を介して配管部材46を排水口2に差し込まれた排水栓3に差し込み、槽体1の裏面側排水口周縁21に止水用平パッキン44を押し当てるように配管部材46の雌ねじを排水栓3の雄ねじに螺合させていき押し上げてゆく。止水用平パッキン44が槽体1裏面の排水口周縁21に水密的に当接するまで締め付ける。この作業により、結果的に排水栓3は排水口周縁21を介して係止部31と排水部材4が締め付けられることで固定され、排水栓3、止水用平パッキン44、排水部材4は槽体1に強固且つ水密的に取り付けられる。
その後、排水部材4下端に排水トラップを接続し、最終的には排水管等により下水管に接続され、本実施例の施工は完了する。
上記のように、係止部31の下側の面と排水口周縁21など、係止部31の外縁から排水栓3の筒状体32下端までの水抜き構造5の部分には、止水を行うためのパッキンなどの水密部材は配置されていない。
【0025】
本実施例の排水栓の水抜き構造は以下のような排水の流れとなる。
まず、弁体6が槽体1の排水口2に着座している状態から遠隔操作式排水栓装置の操作部7(図示せず)を操作すると、排水口2内の弁体6が上昇し、排水口2が開口し、開口が維持される。すると、槽体1内の排水は、排水口2に取り付けられた排水栓3を介し排水部材4へと排出され、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。なお、この排水が排出されている時、又は排水が終了した際に排水口周縁21と排水栓3の係合部の裏面に流入した排水は、水抜き構造5である係合部の裏面に構成された凹部52により形成された通水用通路から、排水口2を介して排水栓3又は排水部材4へと合流することになる。このとき、凹部52は排水栓3の下端まで連続して構成されていることから、係合部裏面の排水は円滑に凹部52を通過して排水部材4側へと通水することができる。よって、排水口2の周囲、つまり排水栓3の係合部裏面付近に水が残ることがないので、排水栓3が長時間薬剤によって汚染された排水に晒されるようなことがないのでケミカルクラックが発生するようなことが無い。また、水残りによる汚れなども防止でき、意匠性も向上した。
また、この状態から再度遠隔操作式排水栓装置の操作部7を操作すると、弁体6が下降し、槽体1の排水口2の落ちくぼんだ部分である傾斜面に着座し、弁体6のパッキン61が槽体1の排水口2に当接する。そうすると、結果的に弁体6は排水栓3の係合部よりも上流部分で止水されるので、排水栓3の水抜き構造5から下流へと排水が漏れ出すようなことがない。
この動作の繰り返しにより、排水/貯水を行うことができる。
【実施例3】
【0026】
本実施例は、図7乃至図9に示される洗面台の洗面ボウルに用いられる排水栓の水抜き構造である。
本実施例の排水栓の水抜き構造は、槽体1と、弁体6と、排水栓3と、アダプター53と、排水部材4としてのオーバーフロー配管47・止水用三角パッキン43・固定部材45・配管部材46・排水トラップ(図示せず)と、から構成されている。
本実施例の排水栓の構造は、槽体1と、排水栓と、止水用三角パッキン43と、固定部材45と、排水部材4と、排水トラップ(図示せず)と、から構成されている。
槽体1は、洗面所の陶器製の洗面ボウルであり、底部には排水用の排水口2が槽体1の底面から一段深く落ちくぼんだ形で開口されている。この排水口の周縁21には後述する排水栓3の係止部31が係止される。また、当該実施例の洗面ボウルは、ボウルに貯水した水が溢れないようにオーバーフロー用の開口を槽体1側面に開口し、オーバーフローした排水を後述する排水栓3または配管部材46へと排水するためのオーバーフロー配管47を洗面ボウルに一体的に構成している。
弁体6は、本実施例では図示しないが、従来から周知の、排水口2に配置した弁体6に対して離れた箇所に設置している操作部7(図示せず)を操作することで、遠隔的に排水口2の弁体6を開閉できるという遠隔操作式排水栓装置を用いており、この弁体6が排水口2に取り付けられる後述の排水栓3内部に上下動自在に配置されている。また、この弁体6は、弁体6が下降して槽体1の排水口2の落ちくぼんだ箇所の傾斜面に弁体6のパッキン61が当接して着座する事で排水口2の止水を達成することが出来、排水口2を開口する時は弁体6が上動して排水口2の傾斜面の着座状態が解除されて排水口2が開口し、排水が排水栓3方向へと排水することができるものである。つまり、弁体6は排水栓3ではなく槽体1に当接し、排水栓3をすっぽり包むように配置される。
排水栓3は、前記槽体1の排水口周縁21に係止する係止部31を備え、且つ係止部31から垂下して構成される筒状体32から成る。係止部31は、筒状体32上端から側面方向に向かって飛び出す鍔状体であって、係止部31は槽体1の排水口周縁21上に載置されたアダプター53に係止される。尚、アダプター53は排水口周縁21に載置されているので、間接的に排水口2に係止部31は係止されることになる。また、筒状体32の側面にはオーバーフロー用の開口窓33が構成されており、この開口窓33から槽体1のオーバーフロー配管47からの流路を配管部材46内へと合流させることができる。また、当該開口窓33は、槽体1のオーバーフロー配管47部分に配置される。筒状体32下端には、後述する固定部材45の雌ねじと螺合する雄ねじが螺設されている。
アダプター53は、図7乃至図9に示すように、水抜き構造5として使用される部材であって、槽体1の排水口周縁21に載置する部材であって、本実施例では、平板状のリング体であるリング部533と、リング部533の下面から垂下するように構成された凸状のリブである凸部51を複数構成する部材である。当該凸部51を排水口周縁21に載置し、リング体の上面に排水栓3の係止部31が載置されて係止する。結果的に、当該水抜き構造5であるアダプター53によって、係止部31の裏面には水抜き構造5が構成されることになり、排水栓3の係止部31の裏面、すなわち排水口2に接する面に、アダプター53によって形成された凸部51を水抜き構造5とした。
排水部材4は、後述するオーバーフロー配管47・止水用三角パッキン43・固定部材45・配管部材46・排水トラップ(図示せず)である。
排水部材4のオーバーフロー配管47は、前述のように洗面ボウルのオーバーフロー用開口から排水栓3までに連通する配管であって、本実施例では洗面ボウルに二層構造のように一体的に構成されている。当該オーバーフロー配管47は、槽体1の排水口2に排水栓が取り付けられることで、オーバーフロー排水が排水栓3の開口窓33から排水栓3内へ流入するように構成されている。
排水部材4としての止水用三角パッキン43は、断面視三角形状をしたリング状のパッキンであり、後述する固定部材45によって押し上げられて、頂点部分が洗面ボウル下面に当接し、止水用三角パッキン43の側面の傾斜面に当接して内方に倒れ縮径することで洗面ボウル下面及び排水栓3の筒状体32外周を止水する。
排水部材4の固定部材45は、内周に雌ねじを螺設した板ナットであって、その上部には止水用三角パッキン43を配置する。固定部材45の内周の雌ねじは、前記排水栓3の筒状体32下端の雄ねじと螺合し、両者を螺合させると、固定部材45の上方に配置された止水用三角パッキン43が押し上げられ、上述のように洗面ボウルと排水栓3の止水を行う。
排水部材4の配管部材46は、図示しないが、排水栓3の筒状体32下端に接続される排水管であって、その下端には図示しないが排水部材4としての排水トラップが接続される。排水トラップは周知のとおり、内部に封水を貯水することで、下水からの臭気や害虫を室内側へと逆流させないようにする部材である。尚、排水部材4内に流入した排水は、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
【0027】
前記した排水栓の水抜き構造は以下のように施工される。
図7に示すように、槽体1の排水口2の上方から、排水口周縁21にアダプター53を凸部51を下にして載置する。
そして、槽体1の排水口2の上方から排水栓3を差し込み、排水栓3の係止部31をアダプター53のリング部533に係止させる。このとき、水抜き構造5のアダプター53の凸部51が排水口の周縁21上に載置されて排水口周縁21の上面と排水栓3の係止部31裏面の間には凸部51によって隙間が構成される。
また、槽体1の裏面から止水用三角パッキン43を排水栓3に差し込み、排水栓3の筒状体32下端の雄ねじに固定部材45を螺合させ、止水用三角パッキン43を介して排水栓3を水密的に槽体1に取り付ける。この作業により、結果的に排水栓3は排水口周縁21を介して係止部31と固定部材45で締め付け固定され、排水栓3、止水用三角パッキン43、固定部材45は槽体1に強固且つ水密的に取り付けられる。
その後、排水栓3下端に配管部材46を接続し、又、排水部材4は排水トラップを介して下水管へと接続され、本実施例の施工は完了する。
上記のように、係止部31の下側の面と排水口周縁21など、排水栓3の外表面と排水口周縁21の間に構成される、水抜き構造5としてのアダプター53の部分には、止水を行うためのパッキンなどの水密部材は配置されていない。
【0028】
本実施例の排水栓の水抜き構造は以下のような排水の流れとなる。
まず、弁体6が槽体1の排水口2に着座している状態から遠隔操作式排水栓装置の操作部7を操作すると、排水口2内の弁体6が上昇し、排水口2が開口し、開口が維持される。すると、槽体1内の排水は、排水口周縁21に取り付けられた排水栓3を介し配管部材46へと排出され、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。なお、この排水が排出されている時、又は排水が終了した際に排水口周縁21と排水栓3の係合部の裏面に流入した排水は、図9に示すように、水抜き構造5であるアダプター53の凸部51により形成された隙間から、排水口2を介して排水栓3又は配管部材46へと合流することになる。よって、排水口2の周囲、つまり排水栓3の係合部裏面付近に水が残ることがないので、排水栓3が長時間薬剤によって汚染された排水に晒されるようなことがないのでケミカルクラックが発生するようなことが無い。また、水残りによる汚れなども防止でき、意匠性も向上した。
また、この状態から再度遠隔操作式排水栓装置の操作部7を操作すると、弁体6が下降し、槽体1の排水口2の落ちくぼんだ部分である傾斜面に着座し、弁体6のパッキン61が槽体1の排水口2に当接する。そうすると、結果的に弁体6は排水栓3の係合部よりも上流部分で止水されるので、排水栓3の水抜き構造5から下流へと排水が漏れ出すようなことがない。
この動作の繰り返しにより、排水/貯水を行うことができる。
また、オーバーフロー配管47から排水があった際は、洗面ボウルに一体で構成されたオーバーフロー配管47から排水栓3の開口窓33を介して排水栓3内に排水は流入し、配管部材46を介して排水される。排水部材4内の排水は、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
【実施例4】
【0029】
本実施例は、図10乃至図11に示される洗面台の洗面ボウルに用いられる排水栓の水抜き構造である。
本実施例の排水栓の水抜き構造は、槽体1と、弁体6と、排水栓3と、排水部材4としての止水用Uパッキン41・オーバーフローアダプター部材42・止水用三角パッキン43・固定部材45・配管部材46・排水トラップ(図示せず)と、から構成されている。
槽体1は、洗面所の琺瑯製の洗面ボウルであり、底部には排水用の排水口2が槽体1の底面から一段深く落ちくぼんだ形で開口されている。この排水口の周縁21には後述する排水栓3の係止部31が係止される。また、当該実施例の洗面ボウルは、ボウルに貯水した水が溢れないようにオーバーフロー用の開口を槽体1側面に開口し、オーバーフローした排水を後述する排水部材4へと排水するためのオーバーフロー配管47を洗面ボウルとは別体で構成している。
また、図10及び図10のA部詳細図に示されているように、槽体1の排水口の周縁21には水抜き構造5が一体的に構成されている。具体的には槽体1の排水口周縁21の上面及び排水口2の側面に亘って複数凸設したリブからなる凸部51を水抜き構造5とした。この凸部51は、排水口の周縁21上面を始点とし排水口2の側面下端までを終点として、排水口2の上下方向に向かう縦筋状のリブで構成される。
弁体6は、本実施例では図示しないが、従来から周知の、排水口2に配置した弁体6に対して離れた箇所に設置している操作部7(図示せず)を操作することで、遠隔的に排水口2の弁体6を開閉できるという遠隔操作式排水栓装置を用いており、この弁体6が排水口2に取り付けられる後述の排水栓3内部に上下動自在に配置されている。また、この弁体6は、弁体6が下降して槽体1の排水口2の落ちくぼんだ箇所の傾斜面に弁体6のパッキン61が当接して着座する事で排水口2の止水を達成することが出来、排水口2を開口する時は弁体6が上動して排水口2の傾斜面の着座状態が解除されて排水口2が開口し、排水が排水栓3方向へと排水することができるものである。つまり、弁体6は排水栓3ではなく槽体1に当接し、排水栓3をすっぽり包むように配置される。
排水栓3は、前記槽体1の排水口2に係止する係止部31を備え、且つ係止部31から垂下して構成される筒状体32から成る。係止部31は、筒状体32上端から側面方向に向かって飛び出す鍔状体であって、係止部31は槽体1の排水口周縁21に構成された凸部51に係止される。
また、筒状体32の側面にはオーバーフロー用の開口窓33が構成されており、この開口窓33から槽体1のオーバーフロー配管47からの流路を配管部材46又は排水栓3内へと合流させることができる。また、当該開口窓33は、後述するオーバーフローアダプター部材42中に配置される。筒状体32下端には、後述する固定部材45の雌ねじと螺合する雄ねじが螺設されている。
排水部材4は、後述する止水用Uパッキン41・オーバーフローアダプター部材42・止水用三角パッキン43・固定部材45・配管部材46・排水トラップ(図示せず)である。
排水部材4の止水用Uパッキン41は、後述するオーバーフローアダプター部材42の上部と、槽体1排水口周縁21の裏面(下面)の間に配される断面視U字状のパッキンである。(尚、本実施例ではUパッキンを用いているが、その他の形状のパッキンでも構わない。)当該止水用Uパッキン41により、排水口2からの排水や、排水栓3の係止部31裏の排水が槽体1表面へと漏れ出すことを防止する。
排水部材4のオーバーフローアダプター部材42は、円筒状の部材であり、側面にオーバーフロー配管47の流入口を構成するとともにオーバーフロー配管47に接続される。このオーバーフローアダプター部材42は、槽体1裏面の排水口2直下に構成され、内部に排水栓3が排水口2に係止された状態で配され、上部は止水用Uパッキン41、下方は止水用三角パッキン43にて止水されつつ洗面ボウルに押し当てられ取り付けられる。オーバーフロー配管47からの排水は、当該オーバーフローアダプター部材42内に流入し、排水栓3の開口窓33から排水栓3内部へと合流することができる。
排水部材4の止水用三角パッキン43は、断面視三角形状をしたリング状のパッキンであり、後述する固定部材45によって押し上げられて、頂点部分がオーバーフローアダプター部材42下面に当接し、止水用三角パッキン43の側面の傾斜面に当接して内方に倒れ縮径することでオーバーフローアダプター部材42下面及び排水栓3の筒状体32外周を止水する。
排水部材4の固定部材45は、内周に雌ねじを螺設した板ナットであって、その上部には止水用三角パッキン43を配置する。固定部材45の内周の雌ねじは、前記排水栓3の筒状体32下端の雄ねじと螺合し、両者を螺合させると、固定部材45の上方に配置された止水用三角パッキン43が押し上げられ、上述のようにオーバーフローアダプター部材42と排水栓3の止水を行う。
排水部材4の配管部材46は、排水栓3の筒状体32下端に接続される排水管であって、その下端には図示しないが排水トラップが接続される。排水トラップは周知のとおり、内部に封水を貯水することで、下水からの臭気や害虫を室内側へと逆流させないようにする部材である。尚、排水部材4内に流入した排水は、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
【0030】
前記した排水栓の水抜き構造は以下のように施工される。
図10に示すように、槽体1の排水口2の上方から排水栓3を差し込み、排水栓3の係止部31を排水口周縁21に構成した水抜き構造5としての凸部51に係止させる。このとき、水抜き構造5である凸部51が排水口の周縁21上に載置されるので、排水口周縁21の上面と排水栓3の係止部31裏面の間には凸部51によって隙間が構成される。
また、槽体1の裏面から止水用Uパッキン41を介してオーバーフローアダプター部材42を排水口2に差し込まれた排水栓3に差し込み、槽体1の裏面側排水口周縁21に止水用Uパッキン41を押し当てるようにオーバーフローアダプター部材42を押し当てる。その後、止水用三角パッキン43を排水栓3に差し込み、排水栓3の筒状体32下端の雄ねじに固定部材45を螺合させ、止水用三角パッキン43を介してオーバーフローアダプター部材42を水密的に槽体1に取り付ける。この作業により、結果的に排水栓3は排水口周縁21とオーバーフローアダプター部材42を介して係止部31と固定部材45が締め付け固定され、排水栓3、止水用Uパッキン41、オーバーフローアダプター部材42、止水用三角パッキン43、固定部材45は槽体1に強固且つ水密的に取り付けられる。
その後、排水栓3下端に配管部材46を接続し、又、排水部材4は排水トラップを介して下水管へと接続され、本実施例の施工は完了する。
上記のように、係止部31の下側の面と排水口周縁21など、排水口周縁21の上面から排水口2側面の水抜き構造5の部分には、止水を行うためのパッキンなどの水密部材は配置されていない。
【0031】
本実施例の排水栓の水抜き構造は以下のような排水の流れとなる。
まず、弁体6が槽体1の排水口2に着座している状態から遠隔操作式排水栓装置の操作部7を操作すると、排水口2内の弁体6が上昇し、排水口2が開口し、開口が維持される。すると、槽体1内の排水は、排水口2に取り付けられた排水栓3を介し配管部材46へと排出され、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。なお、この排水が排出されている時、又は排水が終了した際に排水口周縁21と排水栓3の係合部の裏面に流入した排水は、水抜き構造5である槽体1の排水口周縁21に一体的に構成された凸部51により形成された隙間から、排水口2を介して排水栓3又は配管部材46へと合流することになる。このとき、凸部51は排水口2の側面まで連続して構成されていることから、係合部裏面の排水は円滑に排水部材4側へと通水することができる。よって、排水口2の周囲、つまり排水栓3の係合部裏面付近に水が残ることがないので、排水栓3が長時間薬剤によって汚染された排水に晒されるようなことがないのでケミカルクラックが発生するようなことが無い。また水残りによる汚れなども防止でき、意匠性も向上した。
また、この状態から再度遠隔操作式排水栓装置の操作部7を操作すると、弁体6が下降し、槽体1の排水口2の落ちくぼんだ部分である傾斜面に着座し、弁体6のパッキン61が槽体1の排水口2に当接する。そうすると、結果的に弁体6は排水栓3の係合部よりも上流部分で止水されるので、排水栓3の水抜き構造5から下流へと排水が漏れ出すようなことがない。
この動作の繰り返しにより、排水/貯水を行うことができる。
また、オーバーフロー配管47から排水があった際は、洗面ボウルに別体で構成されたオーバーフロー配管47からオーバーフローアダプター部材42内に流入し、さらにはオーバーフローアダプター部材42内の排水栓3の開口窓33を介して排水栓3内に排水は流入し、配管部材46を介して排水される。排水部材4内の排水は、排水トラップを介して最終的には下水管へと排水される。
【0032】
本発明は前記した実施例のほか、特許請求の範囲を越えない範囲で適宜変更は可能である。
上記実施例では水抜き構造を、排水栓3の上下方向に亘る縦筋状のリブや溝で構成しているが、例えば図12図13に示したように、凸部51の形状を、排水栓3の係止部31裏又は槽体1の排水口周縁21付近に複数構成した球状や角形状のリブであったり、側面視三角形状とした形状のリブを用いたとしても、係止部31の裏面に水抜き用の隙間を備えることができるので問題はない。
また、上記実施例では排水口周縁21に凸部51を一体的に構成しているが、例えば図14に示すように、排水口周縁21から排水口2側面まで構成した凹溝によって構成しても良い。
また、上記実施例では水抜き構造5を構成したアダプター53に凸部51を構成しているが、例えば図15及び図16に示すようにアダプター53に凹部52を構成しても良い。
また、上記実施例では水抜き構造5を排水栓3や槽体1の排水口周縁21に構成したり、別部材としてアダプター53に構成したりしているが、例えば図17に示すように槽体1の排水口周縁21に通水孔54を構成しても良い。この場合においては、排水栓3の裏面を排水が通過せずとも排水口2の段押し部の水は槽体1の通水孔54より排水部材4側へと流出できるようになるので、より排水栓3裏の清掃性が向上されるとともに、排水栓3が常時排水に晒されるようなこともない。
また、図18に示すように、排水栓3に通水孔54を開口して排水栓3の裏面の水を排水栓3内に流入させるようにしてもよい。
また、上記実施例では洗面台の洗面ボウルにて使用されているが、例えば浴槽の排水口2であったり、台所の流し台の排水口2に用いられる排水栓3の水抜き構造5としてもかまわない。
また、上記第1実施例では、オーバーフロー用の開口窓33を介して通水するような水抜き構造5としているが、必ずしもオーバーフロー用の開口窓33を採用する必要はなく、オーバーフロー配管47のない排水部材4の排水栓3筒状体32の側面などに水抜き構造5の専用の通水路を設けても良い。
また、水抜き構造5の凸部51の始点は、排水栓3の係止部31外側面から構成されていても良い。
排水口周縁21側に凹部52凸部51が構成されている場合についても、始点は排水口周縁21の内側面から開始されていてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 槽体
2 排水口
21 排水口周縁
3 排水栓
31 係止部
32 筒状体
33 開口窓
4 排水部材
41 止水用Uパッキン
42 オーバーフローアダプター部材
43 止水用三角パッキン
44 止水用平パッキン
45 固定部材
46 配管部材
47 オーバーフロー配管
5 水抜き構造
51 凸部
52 凹部
53 アダプター
533 リング部
54 通水孔
6 弁体
61 (弁体の)パッキン
7 操作部
図1
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