特許第6260028号(P6260028)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6260028
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】車両用ドアラッチ装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 77/28 20140101AFI20180104BHJP
   E05B 79/08 20140101ALI20180104BHJP
【FI】
   E05B77/28
   E05B79/08
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-109465(P2014-109465)
(22)【出願日】2014年5月27日
(65)【公開番号】特開2015-224456(P2015-224456A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2017年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148896
【氏名又は名称】三井金属アクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(72)【発明者】
【氏名】依田 勇二
(72)【発明者】
【氏名】多賀 隆雄
【審査官】 佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4972803(JP,B2)
【文献】 米国特許第5454608(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00− 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアの車内側ロック操作部材に連係され、かつ支軸に枢支されることにより、前記車内側ロック操作部材の操作に基づいてロック位置及びアンロック位置へ回動可能な第1ロックレバーと、
前記支軸により枢支され、電気的駆動源の駆動及び前記第1ロックレバーに従動することにより、前記ドアの車外側開操作ハンドルによる前記ドアの開放を不能とするロック位置及び前記ドアの開放を可能とするアンロック位置へ回動可能な第2ロックレバーと、
前記支軸からその軸方向と直交する方向へ離間する位置に設けられ、前記第2ロックレバーが前記第1ロックレバーに従動して、ロック位置からアンロック位置へ回動しうるように、前記第1ロックレバーと前記第2ロックレバーとに付勢力を作用させるばねと、
前記ドアの車内側開操作ハンドルの操作に基づいて、ロック位置にある前記第1ロックレバーに当接することにより、前記第1ロックレバー及び前記第2ロックレバーをアンロック位置に移動させ、前記ドアを開放可能とするインサイドレバーと、
前記第2ロックレバーのロック位置からアンロック位置への回動を許容するダブルアンロック位置、及び前記第2ロックレバーまたは前記第2ロックレバーに同期して移動する部材に当接することにより、前記第2ロックレバーのロック位置からアンロック位置への回動を阻止するダブルロック位置に移動可能なブロック部材とを備えることを特徴とする車両用ドアラッチ装置。
【請求項2】
前記ばねは、ねじりコイルばねであり、当該ねじりコイルばねのコイル部を、前記第1ロックレバーと前記第2ロックレバーとのいずれか一方のロックレバーに設けた支持軸に巻装して支持し、前記ねじりコイルばねにおける一方の足片を、前記第1ロックレバーと前記第2ロックレバーとのいずれか一方のロックレバーに、また、他方の足片を、前記第1ロックレバーと前記第2ロックレバーとのいずれか他方のロックレバーにそれぞれ係止し、
前記ねじりコイルばねのコイル部を、前記他方のロックレバーに対して前記支軸の軸方向へ重ならない位置に配置したことを特徴とする請求項1に記載の車両用ドアラッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロック機構がロック状態のときドアのインサイドハンドルが開操作されると、ロック状態をアンロック状態に切り替えてドアを開けることができるワンモーション操作が可能であるとともに、ドアの車内側ロック操作部材がアンロック操作されてもロック機構がロック状態からアンロック状態に切り替わらないダブルロック状態とすることができる車両用ドアラッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の車両用ドアラッチ装置としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。
特許文献1に記載されているドアラッチ装置は、ドアの車内側ロック操作部材に連係され、車内側ロック操作部材の操作に基づいて、ロック位置及びアンロック位置に回動可能な第1ロックレバーと、モータに連係され、このモータの駆動及び第1ロックレバーの回動に従動し、ドアの車外側開操作ハンドルによるドアの開放を不能とするロック位置及び開放を可能とするアンロック位置に回動可能な第2ロックレバーと、この第2ロックレバーが第1ロックレバーに従動して、ロック位置からアンロック位置に移動しうるように、第1ロックレバーと第2ロックレバーとに付勢力を作用させるねじりコイルばねと、ドアの車内側開操作ハンドルの操作に基づいて、ロック位置にある第1ロックレバーに当接することにより、第1ロックレバー及び第2ロックレバーをアンロック位置に強制的に回動させ、ドアの開放を可能とするインサイドレバーと、第2ロックレバーのロック位置からアンロック位置への回動を許容するダブルアンロック位置、及び第2ロックレバーまたは第2ロックレバーに同期して移動する部材に当接することにより、第2ロックレバーのロック位置からアンロック位置への回動を阻止するダブルロック位置に移動可能なブロック部材とを備え、ブロック部材がダブルロック位置にある場合において、車内側開操作ハンドルの操作に基づいてインサイドレバーが作動されたとき、ロック位置にある第1ロックレバーは、インサイドレバーと当接することにより、ねじりコイルばねの付勢力に抗してアンロック位置へ移動するが、ロック位置にある第2ロックレバーは、この第2ロックレバーまたはそれに同期して移動する部材がブロック部材に当接することにより、ロック位置に保持されるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4972803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されているドアラッチ装置においては、第2ロックレバーが第1ロックレバーに従動してロック位置からアンロック位置に回動しうるように、第1ロックレバーと第2ロックレバーとに付勢力を作用させるねじりコイルばねが、第1ロックレバーと第2ロックレバーとの対向面間において、それらを回動可能に枢支する同軸の支軸に巻装されている。そのため、第1ロックレバーと第2ロックレバーとの対向面間に、ねじりコイルばねを配置するための空間を確保しなければならず、その分、第1ロックレバーと第2ロックレバーとの枢支部の支軸方向の寸法が大となる。このようになると、モータ、第1、第2ロックレバー、インサイドレバー等の操作機構等が組み付けられる操作ユニットの車内外方向の厚さが大となり、ドアラッチ装置が大型化するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑み、第1、第2ロックレバー枢支部の支軸方向の寸法を小とすることにより、小型化が図れるようにした車両用ドアラッチ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
第1の発明は、ドアの車内側ロック操作部材に連係され、かつ支軸に枢支されることにより、前記車内側ロック操作部材の操作に基づいてロック位置及びアンロック位置へ回動可能な第1ロックレバーと、前記支軸により枢支され、電気的駆動源の駆動及び前記第1ロックレバーに従動することにより、前記ドアの車外側開操作ハンドルによる前記ドアの開放を不能とするロック位置及び前記ドアの開放を可能とするアンロック位置へ回動可能な第2ロックレバーと、前記支軸からその軸方向と直交する方向へ離間する位置に設けられ、前記第2ロックレバーが前記第1ロックレバーに従動して、ロック位置からアンロック位置へ回動しうるように、前記第1ロックレバーと前記第2ロックレバーとに付勢力を作用させるばねと、前記ドアの車内側開操作ハンドルの操作に基づいて、ロック位置にある前記第1ロックレバーに当接することにより、前記第1ロックレバー及び前記第2ロックレバーをアンロック位置に移動させ、前記ドアを開放可能とするインサイドレバーと、前記第2ロックレバーのロック位置からアンロック位置への回動を許容するダブルアンロック位置、及び前記第2ロックレバーまたは前記第2ロックレバーに同期して移動する部材に当接することにより、前記第2ロックレバーのロック位置からアンロック位置への回動を阻止するダブルロック位置に移動可能なブロック部材とを備えることを特徴としている。
【0007】
第2の発明は、上記第1の発明において、前記ばねは、ねじりコイルばねであり、当該ねじりコイルばねのコイル部を、前記第1ロックレバーと前記第2ロックレバーとのいずれか一方のロックレバーに設けた支持軸に巻装して支持し、前記ねじりコイルばねにおける一方の足片を、前記第1ロックレバーと前記第2ロックレバーとのいずれか一方のロックレバーに、また、他方の足片を、前記第1ロックレバーと前記第2ロックレバーとのいずれか他方のロックレバーにそれぞれ係止し、前記ねじりコイルばねのコイル部を、前記他方のロックレバーに対して前記支軸の軸方向へ重ならない位置に配置したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の車両用ドアラッチ装置によると、第2ロックレバーが第1ロックレバーに従動して、ロック位置からアンロック位置へ回動しうるように、第1ロックレバーと第2ロックレバーとに付勢力を作用させるばねを、第1ロックレバー及び第2ロックレバーを枢支する支軸からその軸方向と直交する方向へ離間する位置に設けたことにより、ばねを第1ロックレバーと第2ロックレバーとの対向面間において、それらを枢支する支軸に設けた従来のドアラッチ装置に比して、第1、第2ロックレバー枢支部の支軸方向の寸法を小とすることができる。その結果、ドアラッチ装置の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る車両用ドアラッチ装置を、車両後方より見た正面図である。
図2】同じく、ドアラッチ装置を、車内側より見た側面図である。
図3】同じく、ドアラッチ装置の分解斜視図である。
図4】アンロック状態における操作ユニットの内部構造を示す側面図である。
図5】第1ロックレバーと第2ロックレバーとを車外側より見た分解斜視図である。
図6】同じく、組付後の第1ロックレバーと第2ロックレバーの側面図である。
図7】ロック状態における操作ユニットの要部の側面図である。
図8】ダブルロック状態における操作ユニットの要部の側面図である。
図9】ダブルロック状態においてインサイドハンドルが開操作されたときの操作ユニットの要部の側面図である。
図10】ロック状態においてインサイドハンドルが開操作されたときの作動途中の要部の側面図である。
図11】ロック状態においてインサイドハンドルが開操作されたときの作動終了時の要部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、図1における図面奥側及び図2における左方を「前方」とし、図1における図面手前側及び図2における右方を「後方」とし、図1における右方及び図2における図面奥側を「車外側」とし、図1における左方及び図2における図面手前側を「車内側」とする。
【0011】
図1図4に示すように、ドアラッチ装置1は、自動車のフロントドア(以下、ドアと記す)の後端内側に取り付けられるとともに、ドアを閉位置に拘束するための噛合機構2を有する噛合ユニット3と、噛合ユニット3に組み付けられる操作ユニット4とを備えている。
【0012】
噛合ユニット3は、合成樹脂製のボディ5を有し、このボディ5内に、車体側のストライカ6と係合可能なラッチ7、及びラッチ7に係合可能なラチェット8よりなる噛合機構2が収容されている。ボディ5の前面には、ラチェット8と一体的に回動可能なオープンレバー9が枢支されている。ドアが閉じられると、ストライカ6がラッチ7に係合するとともに、ラチェット8がラッチ7に係合して、ラッチ7の開き方向(図1において時計方向)への回動を阻止することにより、ドアは閉位置に拘束される。
【0013】
操作ユニット4は、ボディ5の前面にバックプレート10を介して取り付けられる合成樹脂製のケーシング11と、ケーシング11の車内側を向く開口を閉塞する合成樹脂製のカバー12とを備えている。なお、図4においては、操作ユニット4の内部構造を明示するために、噛合ユニット3とカバー12は省略してある。
【0014】
ケーシング11とカバー12との間に形成される部品収容空間には、電気的駆動源をなすロック・アンロック操作用の第1モータ13と、ケーシング11に一体的に設けられた車内外方向を向く支軸111により枢支され、第1モータ13の駆動により回転可能なウォームホイール14と、ダブルロック操作用の第2モータ15と、ケーシング11に設けられた車内外方向を向く支軸112により枢支され、第2モータ15の駆動により所定角度回動可能なブロックレバー16と、ドアの車外側に設けられるロック、アンロック操作用のキーシリンダKCによるロック及びアンロック操作に基づいて、中立位置からロック方向(図4において反時計方向)とアンロック方向(図4において時計方向)とに回動可能な第1キーレバー17と、第1キーレバー17の下部に上端部が連結され、キーシリンダKCの操作に伴う第1キーレバー17の動作に同期して、図4の中立位置からロック方向(図4において時計方向)及びアンロック方向(図4において反時計方向)へ所定角度回動する第2キーレバー18と、第2キーレバー18と同軸の支軸113に枢支され、図4に示すアンロック位置と図7に示すロック位置とに回動可能な連係レバー19と、ケーシング11とカバー12間においてケーシング11に一体的に設けられた車内外方向を向く支軸114により枢支され、キーシリンダKC、ロックノブLK及び第1モータ13の駆動によるウォームホイール14の回転に基づいて、図4に示すアンロック位置と図7に示すロック位置とに回動可能な第1ロックレバー20と、第1ロックレバー20と同軸の支軸114により枢支され、第1ロックレバー20との間に作用する後述のねじりコイルばね30の付勢力により、第1ロックレバー20と一体的に従動するとともに、連係レバー19とも同期して図4に示すアンロック位置及び図7に示すロック位置へ回動可能な第2ロックレバー21と、第2ロックレバー21に連係され、第2ロックレバー21と共に図4に示すアンロック位置から図7に示すロック位置、またはその逆へ揺動するとともに、第2ロックレバー21がロック位置にあるときには、ロック位置から上方のオープン方向へ移動し、第2ロックレバー21がアンロック位置にあるときには、アンロック位置から上方のオープン方向へ移動可能な第1リフトレバー22と、第1リフトレバー22と同軸上に設けられ、第1リフトレバー22と一体的に図4に示すアンロック位置と図7に示すロック位置及び上方のオープン方向へ移動可能な第2リフトレバー23と、ケーシング11に一体的に設けられた車内外方向の支軸115に枢支され、ドアの車内側に設けられたインサイドハンドルIHの開操作により、図4に示す待機位置からオープン方向(時計方向)へ所定角度回動するインサイドレバー24と、ケーシング11の下部に設けた前後方向の支軸116により枢支され、車内側の作動端部251に、第1、第2リフトレバー22、23の下部が前後方向に揺動可能に連結されるとともに、車外連結部252がドアの車外側に設けられるアウトサイドハンドルに連係されたアウトサイドレバー25とが設けられている。
【0015】
第1モータ13、ウォームホイール14、連係レバー19、第1、第2ロックレバー20、21等により、噛合機構2のストライカ6との係合状態を解除可能とするアンロック状態、及び解除不能とするロック状態に切替え可能な操作機構が構成されている。操作機構のロック状態は、少なくとも連係レバー19及び第2ロックレバー21がロック位置にある状態であり、また、操作機構のアンロック状態は、連係レバー19、第1、第2ロックレバー20、21がそれぞれアンロック位置にある状態である。従って、ロック状態において、第1ロックレバー20のみがアンロック位置へ移動しても、連係レバー19、第2ロックレバー21がロック位置に移動しない限り、操作機構のロック状態は保持される。
【0016】
ケーシング11の下部には、第1ロックレバー20の連結部201及びインサイドレバー24の連結部241、並びにドアの車内側開操作ハンドルをなすインサイドハンドルIHの操作力を伝達可能な操作力伝達部材26、ドアの車内側ロック操作部材をなすロックノブLKの操作力を伝達可能な操作力伝達部材27の端部を隠蔽する合成樹脂製の蓋部材28が開閉可能に連結されている。蓋部材28は、ケーシング11に各部品を組み付ける作業中は開放され、操作力伝達部材26、27を第1ロックレバー20の連結部201、及びインサイドレバー24の連結部241にそれぞれ連結した後に閉鎖される。
【0017】
連係レバー19の前部には、連係レバー19がロック位置にあり、かつブロックレバー16が後述のダブルロック位置(図8図9参照)にあるとき、ブロックレバー16に設けられたブロック部161に係合可能な突起状の被ブロック部191が設けられている。図9に示すように、被ブロック部191がダブルロック位置にあるブロックレバー16のブロック部161に係合することにより、連係レバー19、及び連係レバー19と同期する第2ロックレバー21のロック位置からアンロック位置への移動が阻止される。
【0018】
図7に示すように、連係レバー19がロック位置にあるとき、第1、第2キーレバー17、18がキーシリンダKCのアンロック操作に基づいて中立位置からアンロック方向へ回動すると、第2キーレバー18が連係レバー19の被当接部192の一側部に当接することにより、連係レバー19は、反時計方向へ回動して図4に示すアンロック位置に移動する。また、図4に示すように、連係レバー19がアンロック位置にあるとき、第1、2キーレバー17、18がキーシリンダKCのロック操作に基づいて中立位置からロック方向へ回動すると、第2キーレバー18が連係レバー19の被当接部192の他側部(一側部と反対側の部分)に当接することにより、連係レバー19は、時計方向へ回動して図7に示すロック位置に回動する。
【0019】
第1ロックレバー20の下端部の連結部201は、操作力伝達部材27を介してロックノブLKに連結される。これにより、ロックノブLKのロック、アンロック操作は、操作力伝達部材27を介して第1ロックレバー20に伝達され、第1ロックレバー20は、図4に示すアンロック位置と図7に示すロック位置とに回動する。
【0020】
第1リフトレバー22は、下部に設けた鼓状の軸受孔222にアウトサイドレバー25の作動端部251が挿入されることによって、作動端部251を中心に前後方向へ所定角度回動可能に枢支されている。
【0021】
第1ロックレバー20の下端部には、これがロック位置にあるとき、インサイドレバー24に設けられたワンモーション作用部242が直接当接可能な被ワンモーション作用部202が設けられている。
【0022】
図4に示すアンロック位置及び図7に示すロック位置へ回動した第2ロックレバー21は、ケーシング11に支持された保持ばね29の弾性力によって各位置に弾性保持される。
【0023】
図4図6に示すように、第1ロックレバー20には、第1ロックレバー20と第2ロックレバー21とに付勢力をさせるねじりコイルばね30を支持するための前方を向くばね支持部203が、第2ロックレバー21の下部と対向しないように、すなわち第2ロックレバー21の下部の前下端211よりも前方に突出するように一体的に設けられ、ねじりコイルばね30は、そのコイル部303が、第1及び第2ロックレバー20、21の支軸114からその軸方向と直交する方向へ離間する位置に設けた支持軸、すなわち、ばね支持部203の車外側の側面にケーシング11方向に向かって突出された車内外方向の支持軸204により支持されている。ねじりコイルばね30の一方の足片301は、第1ロックレバー20の車外側の側面に一体的に設けられた係止突部205に、同じく他方の足片302は、第2ロックレバー21における車外側の側面の下端部に設けた係止突部212に、それぞれ係止されている。これにより、ねじりコイルばね30のコイル部303は、第1ロックレバー20に対して支軸114の軸方向に重ならない位置に配置されている。
【0024】
第2ロックレバー21は、ねじりコイルばね30により、第1ロックレバー20に対して反時計方向、すなわちロック方向への付勢力が付与される。ロック方向へ付勢された第2ロックレバー21は、その下部上縁が、第1ロックレバー20の上縁に設けられた車外方向を向く係止片206の下面に当接することにより、ロック方向への回動が阻止された通常状態(図4図7に示す状態)で、第1ロックレバー20に従動してロック位置からアンロック位置へ一体的に回動する。
【0025】
このように、第2ロックレバー21が第1ロックレバー20に従動して、ロック位置からアンロック位置へ回動しうるように、第1ロックレバー20と第2ロックレバー21とに付勢力を作用させるねじりコイルばね30を、第2ロックレバー21の下部の前下端211よりも前方に突出する位置において、第1ロックレバー20におけるばね支持部203の車外側の側面に設けた支持軸204により支持すると、従来のドアラッチ装置のように、ねじりコイルばね30を、第1ロックレバー20と第2ロックレバー21との対向面間において、それらを枢支する支軸114に嵌合しなくてもよくなる。その結果、第1ロックレバー20と第2ロックレバー21との対向面間に、ねじりコイルばね30を配置するための空間を確保する必要はなく、第1ロックレバー20と第2ロックレバー21とを支軸114の軸線方向に接近させて配置することが可能となるので、第1ロックレバー20と第2ロックレバー21との枢支部の支軸114方向の寸法を小とすることができる。これにより、操作ユニット4の車内外方向の厚さを小とすることができ、ドアラッチ装置1の小型化が可能となる。
【0026】
図7に示すように、第1、第2ロックレバー20、21及び連係レバー19がロック位置にある場合、キーシリンダKCのアンロック操作は、第1キーレバー17、第2キーレバー18、連係レバー19、第2ロックレバー21、及びねじりコイルばね30を介して第1ロックレバー20に伝達される。また、図4に示すように、第1、第2ロックレバー20、21及び連係レバー19がアンロック位置にある場合には、キーシリンダKCのロック操作は、アンロック操作と同様に、第1キーレバー17、第2キーレバー18、連係レバー19、第2ロックレバー21、及びねじりコイルばね30を介して、第1ロックレバー20に伝達される。
【0027】
第2ロックレバー21の上方を向く作動アーム部213における上端部の一側面(車外側を向く面)には、車外方向に突出する第1突部214が設けられ、この第1突部214は、連係レバー19の長孔193に係合している。
【0028】
第2ロックレバー21の作動アーム部213における第1突部214が設けられた面と反対側の面には、車内側へ突出する円柱状の第2突部215が設けられている。第2突部215は、第1リフトレバー22に設けられた上下方向の第1長溝221に摺動可能に係合し、これにより、第2ロックレバー21と第1リフトレバー22とが連係されている。
【0029】
第2ロックレバー21には、第1、第2係合アーム216、217が設けられ、第1係合アーム216と第2係合アーム217は、互いにウォームホイール14の両側の回転面を挟むように支軸114の軸線方向へ離間するとともに、回転方向にも所定角度離間するように形成されている。
【0030】
第1係合アーム216は、回転面がウォームホイール14の一方の回転面(カバー12に対向する面)に近接して対向し、ウォームホイール14の一方の回転面に円周方向に等間隔おきに設けられた3個の第1係合突部141のいずれかに対して当接可能となっている。また、第2係合アーム217は、回転面がウォームホイール14の他方の回転面(ケーシング11に対向する面)に近接対向し、ウォームホイール14の他方の回転面に設けられた3個の第2係合突部142のいずれかに対して当接可能となっている。なお、第2係合突部142は、第1係合突部141と同一形状で、背中合わせに、かつ鏡映対称をなすように設けられているため、その符号を図4において括弧書きで示し、図示は省略する。
【0031】
ウォームホイール14は、第1モータ13の回転軸に止着されたウォーム31に噛合することにより、第1モータ13の回転により正逆回転させられる。
【0032】
図7に示すように、連係レバー19、第1、第2ロックレバー20、21がそれぞれロック位置にある場合には、第2ロックレバー21の第1係合アーム216は、ウォームホイール14の第1係合突部141の回動軌跡内に位置し、第2係合アーム217は、ウォームホイール14の第2係合突部142の回動軌跡外に位置する。
【0033】
図4に示すように、連係レバー19、第1、第2ロックレバー20、21がアンロック位置にある場合には、第2ロックレバー21の第1係合アーム216は、ウォームホイール14の第1係合突部141の回動軌跡外に位置し、第2係合アーム217はウォームホイール14の第2係合突部142の回動軌跡内に位置する。
【0034】
ブロックレバー16の外周には、セクタギヤ162が設けられ、このセクタギヤ162が第2モータ15の回転軸に止着されたウォーム32に可逆転可能に噛合することにより、操作スイッチの操作及びキーシリンダKCのアンロック操作による第2モータ15の回転に基づいて、ダブルアンロック位置(図4図6参照)と、ダブルロック位置(図8図9参照)とに回動可能となっている。なお、第2モータ15は、連係レバー19がロック位置にあるときのみ駆動し得るように制御される。
【0035】
ブロックレバー16における連係レバー19に隣接する部分には、ブロックレバー16がダブルアンロック位置にあるときには、連係レバー19の被ブロック部191が係合不能であり、また、ブロックレバー16がブロック位置にあり、かつ連係レバー19がロック位置にあるときには、連係レバー19の被ブロック部191が係合可能なブロック部161と、第2キーレバー18に設けられる解除アーム部181に対して回転方向へ当接可能な被ダブルロック解除部163が設けられている。
【0036】
ブロック部161は、ブロックレバー16がダブルアンロック位置にある場合には、被ブロック部191の移動軌跡外に退避して、連係レバー19のロック位置からアンロック位置、及びその逆への移動を可能にし、すなわち操作機構のロック状態からアンロック状態への切り替えを許容し、また、ブロックレバー16がダブルロック位置にある場合には、被ブロック部191の移動軌跡内に進入し、被ブロック部191が係合することにより、連係レバー19のロック位置からアンロック位置への移動が阻止される。
【0037】
被ダブルロック解除部163は、ブロックレバー16がダブルアンロック位置にある場合には、図4図7に示すように、第2キーレバー18の解除アーム部181の移動軌跡外に退避し、また、ブロックレバー16がダブルロック位置にある場合には、図8に示すように、解除アーム部181の移動軌跡内に進入し、第2キーレバー18の中立位置からアンロック方向への回動に基づいて解除アーム部181と当接する。これにより、ブロックレバー16は、第2モータ15を逆転させつつ、ダブルロック位置からダブルアンロック位置へ回動する。
【0038】
次に、上記実施形態に係るドアラッチ装置の動作、特に、ワンモーション操作及びダブルロック状態の動作について説明する。
図7に示すロック状態においてインサイドハンドルIHが開操作され、インサイドレバー24が待機位置からオープン方向(図7において時計方向)へ回動すると、図10に示すように、インサイドレバー24のワンモーション作用部242が、第1ロックレバー20の被ワンモーション作用部202に直接当接することにより、第1ロックレバー20は、ロック位置からアンロック位置へ強制的に回動させられる。そして、この直後、インサイドレバー24のオープン作用部243がアウトサイドレバー25の被オープン作用部253に当接し、図11に示すように、第1、第2ロックレバー20、21及び連係レバー19をアンロック位置へ移動させるとともに、アウトサイドレバー25を待機位置からオープン方向へ回動させる。この結果、連係レバー19、第1、第2ロックレバー20、21がロック位置、すなわちロック状態にあっても、インサイドハンドルIHの開操作をもって、ロック状態にある操作機構をアンロック状態に切り替えてドアを開けることができるワンモーション操作が可能となる。
【0039】
操作スイッチがダブルロック操作されて第2モータ15がダブルロック方向へ回転すると、ブロックレバー16は、図7に示すダブルアンロック位置から反時計方向へ回動し、図8に示すダブルロック位置に回動して停止する。
【0040】
ブロックレバー16がダブルロック位置に回動すると、図8に示すように、ブロックレバー16のブロック部161は、ロック位置にある連係レバー19の被ブロック部191の移動軌跡内に進入し、連係レバー19のロック位置からアンロック位置への移動を阻止するダブルロック状態となる。
【0041】
ダブルロック状態の場合には、連係レバー19、第1、第2ロックレバー20、21、第1、第2リフトレバー22、23がそれぞれロック位置にあるため、アウトサイドハンドルが開操作されてもドアを開けることはできない。
【0042】
図8に示すダブルロック状態のときには、ブロックレバー16がブロック位置にあって、連係レバー19のロック位置からアンロック位置への移動が阻止される状態にあり、また、連係レバー19と同期して各位置に移動する第2ロックレバー21、第1、第2リフトレバー22、23もロック位置からアンロック位置への移動が阻止される状態にある。
【0043】
ダブルロック状態のときにインサイドハンドルIHが開操作されると、インサイドハンドルIHの開操作は、操作力伝達部材26を介してインサイドレバー24に伝達され、インサイドレバー24は、図8に示す待機位置からオープン方向(時計方向)へ回動し、ワンモーション作用部242がロック位置にある第1ロックレバー20の被ワンモーション作用部202に直接当接することにより、図9に示すように、第1ロックレバー20のみが、ねじりコイルばね30の付勢力に抗してロック位置からアンロック位置(図9において時計方向)へ向けて回動する。
【0044】
従って、ダブルロック状態においては、インサイドハンドルIHが開操作されてインサイドレバー24がオープン方向へ回動しても、連係レバー19、第2ロックレバー21、第1、第2リフトレバー22、23はロック位置に保持されたままの状態となるので、ドアを開けることができなくなり、防盗性が向上する。
なお、上述の状態からインサイドハンドルIHの開操作が解除されて、インサイドレバー24が待機位置に復帰すると、第1ロックレバー20は、ねじりコイルばね30の付勢力により再びロック位置に復帰する。
【0045】
また、ダブルロック状態のとき、ロックノブLKがアンロック操作されると、第1ロックレバー20は、ねじりコイルばね30の付勢力に抗してロック位置からアンロック位置へ回動する。しかし、連係レバー19、第2ロックレバー21、第1、第2リフトレバー22、23はロック位置に保持されているので、ロック状態からアンロック状態に切り替わることはない。ロックノブLKのアンロック操作が解除されると、ロックノブLK及び第1ロックレバー17は、ねじりコイルばね30の付勢力によって再びロック位置へ戻る。従って、ダブルロック状態のときには、ロックノブLKがアンロックされても、アンロック状態に切り替わることはないので、防盗性が向上する。
【0046】
操作スイッチがダブルアンロック操作されて、第2モータ15がダブルアンロック方向へ回転すると、ブロックレバー16は、図8に示すダブルロック位置から時計方向へ回動し、ダブルアンロック位置に回動して停止する。
【0047】
ブロックレバー16がダブルアンロック位置に回動すると、図7に示すように、ブロックレバー16のブロック部161がロック位置にある連係レバー19の被ブロック部191の移動軌跡外に退避し、連係レバー19及び第1、第2ロックレバー20、21、第1、第2リフトレバー22、23のロック位置からアンロック位置への移動が可能となる。
【0048】
図8に示すダブルロック状態において、キーシリンダKCがアンロック操作されると、第1キーレバー17は、中立位置からアンロック方向(図4において時計方向)へ回動し、当該回動は、第2キーレバー18に伝達される。これにより、第2キーレバー18は、図8に示す中立位置から反時計方向へ回動し、第2キーレバー18の解除アーム部181がブロックレバー16の被ダブルロック解除部163に当接し、ブロックレバー16を第2モータ15を逆転させつつダブルアンロック位置に回動させると共に、被当接部192に当接して連係レバー19をアンロック位置に回動させる。これにより、ダブルロック状態が解除され、第1、第2ロックレバー20、21、第1、第2リフトレバー22、23がアンロック位置に移動してアンロック状態となる。
【0049】
上述したように、本発明に係るドアラッチ装置1においては、第2ロックレバー21が第1ロックレバー20に従動して、ロック位置からアンロック位置へ回動しうるように、第1ロックレバー20と第2ロックレバー21とに付勢力を作用させるねじりコイルばね30を、第1、第2ロックレバー20、21を枢支する支軸114からその軸方向と直交する方向へ離間する位置、すなわち、第2ロックレバー21の下部の前下端211よりも前方に突出する位置において、第1ロックレバー20におけるばね支持部203の車外側の側面に設けた、第2ロックレバー21方向を向く支持軸204により支持し、ねじりコイルばね30のコイル部303が支軸114の軸方向へ重ならないように配置したことにより、第1、第2ロックレバーとの対向面間において、それらを枢支する支軸にねじりコイルばねを設けた従来のドアラッチ装置に比して、第1、第2ロックレバー20、21の枢支部の支軸114方向の寸法を小とすることができる。その結果、操作ユニット4の車内外方向の厚さを小とすることができ、ドアラッチ装置1の小型化が可能となる。
【0050】
また、支持軸204は、第2ロックレバー21と離間する位置において、第1ロックレバー20のばね支持部203に設けられているので、第1、第2ロックレバー20、21を支軸114に枢支した後でも、ねじりコイルばね30を支持軸204に容易に組み付けることができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態に対して、次のような種々の変形や変更を施すことが可能である。
【0052】
(i)ねじりコイルばね30を、第2ロックレバー21側に設けた支持軸に巻装する。この際には、第2ロックレバー21の下部を、第1ロックレバー20と対向しないように長寸とし、その長寸とした部分に、支持軸を、第1ロックレバー20方向に突出するように設ければよい。
(ii)第1ロックレバー20と第2ロックレバー21とに付勢力を作用させるばねを、ねじりコイルばね30に代えて、引っ張りばね等を用いる。
(iii)第1ロックレバー20に操作力伝達部材27を連結しないでロックノブLKを無くした構造とする。この場合は、車内側ロック操作部材を、操作スイッチ及び車内側開操作ハンドルにより構成する。
【符号の説明】
【0053】
1 ドアラッチ装置
2 噛合機構
3 噛合ユニット
4 操作ユニット
5 ボディ
6 ストライカ
7 ラッチ
8 ラチェット
9 オープンレバー
10 バックプレート
11 ケーシング
12 カバー
13 第1モータ(電気的駆動源)
14 ウォームホイール
15 第2モータ
16 ブロックレバー(ブロック部材)
17 第1キーレバー
18 第2キーレバー
19 連係レバー
20 第1ロックレバー
21 第2ロックレバー
22 第1リフトレバー
23 第2リフトレバー
24 インサイドレバー
25 アウトサイドレバー
26 操作力伝達部材
27 操作力伝達部材
28 蓋部材
29 保持ばね
30 ねじりコイルばね
31、32 ウォーム
111〜116 支軸
251 作動端部
252 車外連結部
141 第1係合突部
142 第2係合突部
161 ブロック部
162 セクタギヤ
163 被ダブルロック解除部
181 解除アーム部
191 被ブロック部
192 被当接部
193 長孔
201 連結部
202 被ワンモーション作用部
203 ばね支持部
204 支持軸
205 係止突部
206 係止片
211 前下端
212 係止突部
213 作動アーム部
214 第1突部
215 第2突部
216 第1係合アーム
217 第2係合アーム
221 第1長溝
222 軸受孔
241 連結部
242 ワンモーション作用部
243 オープン作用部
251 作動端部
252 車外連結部
253 被オープン作用部
301、302 足片
303 コイル部
IH インサイドハンドル(車内側開操作ハンドル)
KC キーシリンダ
LK ロックノブ(車内側ロック操作部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11