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特許6260033電子デバイスによるハンドバッグ内検出のための方法及び機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6260033
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】電子デバイスによるハンドバッグ内検出のための方法及び機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20130101AFI20180104BHJP
   G06F 3/0487 20130101ALI20180104BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   G06F3/0481
   G06F3/0487
   H04M1/00 R
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2016-159647(P2016-159647)
(22)【出願日】2016年8月16日
(65)【公開番号】特開2017-41246(P2017-41246A)
(43)【公開日】2017年2月23日
【審査請求日】2016年8月29日
(31)【優先権主張番号】14/829,107
(32)【優先日】2015年8月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510284071
【氏名又は名称】モトローラ モビリティ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA MOBILITY LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ラシッド エム.アラメ
(72)【発明者】
【氏名】サンバビ、ジャヤベラン
(72)【発明者】
【氏名】パドマジャ、プッチャ
(72)【発明者】
【氏名】ポール シュトイアー
(72)【発明者】
【氏名】アリエル ピー.サンデル
【審査官】 加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−268330(JP,A)
【文献】 特開2005−354544(JP,A)
【文献】 特開2003−204389(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/083572(WO,A1)
【文献】 特開2001−197158(JP,A)
【文献】 特開2006−238141(JP,A)
【文献】 特開2004−120445(JP,A)
【文献】 特表2013−529445(JP,A)
【文献】 特開2000−295318(JP,A)
【文献】 特開2005−110180(JP,A)
【文献】 特開平09−139764(JP,A)
【文献】 特開2003−274459(JP,A)
【文献】 特開2001−320476(JP,A)
【文献】 特開2004−266569(JP,A)
【文献】 特開2009−147932(JP,A)
【文献】 特表2007−531158(JP,A)
【文献】 米国特許第09075435(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0274159(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
G06F 3/0487
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスを制御するための方法であって、
1つ又は複数のセンサによって、前記電子デバイスがハンドバッグなどの収納コンテナ内に置かれていることを、少なくとも、
受信周囲光の強度が、所定の閾値未満であること、
前記電子デバイスのハウジングに沿ったタッチセンサの作動の欠如と、
前記電子デバイスの第1の位置及び前記電子デバイスの第2の位置の両方で発生するほぼ共通の温度の検出と、の関数に応じて検出すること、
前記電子デバイスが前記収納コンテナ内に置かれていることに応じて、前記1つ又は複数のセンサと共に動作可能な1つ又は複数のプロセッサによって、制御動作を実行すること、を備える方法。
【請求項2】
前記電子デバイスの運動の更なる関数が、前記電子デバイスのおおよその回転安定性を示すパラメータデータによって少なくとも定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
運動センサによって、前記電子デバイスの運動を、
タッチセンサによって、タッチセンサの作動の欠如を、
光センサによって、受信周囲光の強度を、
1つ又は複数の近接センサコンポーネントによって、ほぼ共通の温度を、検出することを更に備える請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ほぼ共通の温度が、前記電子デバイスの第1の位置と前記電子デバイスの第2の位置との間のプラス又はマイナス華氏2度以下の温度差によって定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ほぼ静的な温度の関数が、少なくとも更に、所定の温度測定間隔中に、前記第1の位置又は前記第2の位置において発生する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記制御動作が、オーディオ出力装置を増加させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記制御動作が、運動検出器を監視することを含み、
前記運動検出器によって、所定の運動を検出すること、
前記所定の運動を検出すると、前記電子デバイスが前記収納コンテナ内に置かれているという通知を出力装置を用いて送出すること、を更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記制御動作が、遠隔電子デバイスからの着信通信の受信に応じて、前記1つ又は複数のプロセッサと共に動作可能な通信回路を用いて、フォーマット済みの応答メッセージを送出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記制御動作が、運動検出器を監視することを含み、
前記1つ又は複数のプロセッサと共に動作可能な通信回路によって、遠隔電子デバイスからの着信通信を受信すること、
前記運動検出器によって、前記所定の運動を検出すること、
前記所定の運動を検出すると、出力装置によって、前記着信通信が受信されたという通知を送出すること、を更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ又は複数のセンサによって、前記収納コンテナが開いていることを示す状態を検出することであって、前記状態が、
受信周囲光の強度が、前記所定の閾値以上に移行すること、
周囲温度変化が、温度の所定の閾値を超えて発生すること、または
熱物体が、前記電子デバイスの所定の熱放射範囲内に移動すること、のうちの1つ又は複数を含むこと、
前記状態の検出に応じて、前記1つ又は複数のプロセッサによって別の制御動作を実行すること、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記別の制御動作が、オーディオ出力装置のボリュームを低下させることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記別の制御動作が、出力装置によって、前記電子デバイスが前記収納コンテナ内に置かれているという通知を送出することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記別の制御動作が、出力装置によって、前記収納コンテナが閉じていた間に遠隔電子デバイスからの着信電子通信が受信されたという通知を送出することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記別の制御動作が、前記1つ又は複数のプロセッサと共に動作可能な通信回路によって、遠隔電子デバイスから前記電子デバイスのコンパニオン電子デバイスへの着信電子通信を転送することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
1つ又は複数のプロセッサと、
前記1つ又は複数のプロセッサと共に動作可能な光センサと、
前記1つ又は複数のプロセッサと共に動作可能なタッチセンサと、
前記1つ又は複数のプロセッサと共に動作可能な1つ又は複数の近接センサと、を備える電子デバイスであって、
前記1つ又は複数のプロセッサが、
前記光センサからの受信周囲光の強度と、
前記タッチセンサからの、前記電子デバイスのハウジングに沿ったタッチセンサの作動の欠如と、及び
前記電子デバイスの第1の位置及び前記電子デバイスの第2の位置の両方で検出された温度が所定の範囲内にあるかどうかということ、を判定し、
前記1つ又は複数のプロセッサが、
前記光センサによって検出されるような受信周囲光の強度が、所定の閾値未満である場合に、
タッチセンサの作動の欠如が確認される場合に、且つ前記第1の位置及び前記第2の位置の両方における温度が、前記所定の範囲内にある場合に、
前記電子デバイスが収納コンテナ内に置かれていることを確認し、
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記電子デバイスが前記収納コンテナ内に置かれていることの確認に応じて、制御動作を実行する電子デバイス。
【請求項16】
前記1つ又は複数のプロセッサと共に動作可能な運動検出器を更に備え、
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記運動検出器によって判定されるような前記電子デバイスの運動が前記電子デバイスのおおよその回転安定性を示すパラメータデータによって定義される場合に、前記電子デバイスが前記収納コンテナ内に置かれていることを更に確認する、請求項15に記載の電子デバイス。
【請求項17】
前記制御動作が、
オーディオ出力装置のボリュームを増加させること、
遠隔電子デバイスからの着信通信の受信に応じて、前記1つ又は複数のプロセッサと共に動作可能な通信回路によってフォーマット済みの応答メッセージを送出すること、運動検出器を監視すること、のうちの1つ又は複数を含む、請求項15に記載の電子デバイス。
【請求項18】
前記1つ又は複数のプロセッサが、
前記光センサによって検出されるような受信周囲光の強度が、前記所定の閾値以上に移行する場合に、
前記1つ又は複数の近接センサによって検出されるような周囲温度の増加が、所定の温度閾値を超過する場合に、又は
熱物体が、前記1つ又は複数の近接センサによって検出されるような前記電子デバイスの所定の熱放射範囲内に移動する場合に、前記収納コンテナが開いていることを確認し、
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記収納コンテナが開いていることを確認すると、別の制御動作を更に実行する、請求項15に記載の電子デバイス。
【請求項19】
前記別の制御動作が、
オーディオ出力装置のボリュームを低下させること、
運動生成装置によって、身体的な警報を送出すること、
ユーザインターフェース装置によって、前記電子デバイスが前記収納コンテナ内に置かれているという通知を送出すること、
前記ユーザインターフェース装置によって、前記収納コンテナが閉じていた間に遠隔電子デバイスからの着信電子通信が受信されたという別の通知を送出すること、又は
前記1つ又は複数のプロセッサと共に動作可能な通信回路によって、前記遠隔電子デバイスから前記電子デバイスのコンパニオン電子デバイスへの前記着信電子通信を転送すること、のうちの1つ又は複数を含む、請求項18に記載の電子デバイス。
【請求項20】
前記収納コンテナがハンドバッグを含み、
各近接センサが、前記ハウジングの外部の物体からの赤外線放射を受信するために赤外線信号受信機を含む近接センサコンポーネントを含む、請求項15に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に電子デバイス及び対応する方法に関し、特に近接及び他のセンサを備えた電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、スマートフォン、ゲーム機などの携帯電子通信装置が、何十億もの人々によって用いられている。これらの所有者は、限定するわけではないが、音声通信及びテキストメッセージング用のデータ通信、インターネットブラウジング、銀行取引などの商取引、並びにソーシャルネットワーキングを含む多くの異なる目的に携帯通信装置を用いる。
【0003】
これらの装置の技術が進歩するにつれて、それらの特徴もまた整えられた。例えば、少し前には全ての電子デバイスが、物理的なキーパッドを有した。今日、タッチセンシティブディスプレイが、より頻繁にユーザインターフェース装置と見なされる。同様に、以前は、ユーザ入力を装置に送る唯一の方法は、キーパッド又はタッチセンシティブディスプレイを介した接触だった。今日、幾つかの装置は、ユーザが、コマンドをタイプする代わりに、装置にコマンドを語ることができるようにする音声認識を装備している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
これらのより小さいがより強力な装置は、多くの異なる環境において多くの異なる用途に使用されている。或る環境を検出することができ、且つ所与の環境においてより良く機能するように電子デバイスの性能を適応させ得ることが有利であろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】先行技術のハンドバッグを携行するユーザを示す。
図2】先行技術のハンドバッグに存在する説明のための中身及び乱雑さを示す。
図3】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って、1つの説明用の電子デバイスの概略ブロック図を示す。
図4】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って構成された電子デバイスに含むことができるセンサの例を示す。
図5】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って、説明のための近接センサコンポーネント及び近接検出器コンポーネント構成を示す。
図6】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って構成された電子デバイスをハンドバッグ内に置くユーザを示す。
図7】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って、1つ又は複数の方法ステップを示す。
図8】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って、1つ又は複数の方法ステップを示す。
図9】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って、1つ又は複数の方法ステップを示す。
図10】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って、1つ又は複数の方法ステップを示す。
図11】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って、1つ又は複数の方法ステップを示す。
図12】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って、1つ又は複数の方法ステップを示す。
図13】本開示の1つ又は複数の実施形態による方法及び電子デバイスと共に用いるのに適した説明のための制御動作を示す。
図14】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って、電子デバイスの1つの説明のための方法を示す。
図15】本開示の1つ又は複数の実施形態による方法及び電子デバイスと共に用いるのに適した説明のための制御動作を示す。
図16】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って、1つ又は複数の方法ステップを示す。
図17】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って、1つ又は複数の方法ステップを示す。
図18】本開示の1つ又は複数の実施形態に従って、1つ又は複数の方法ステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
当業者は、図における要素が、単純さ及び明確さのために示され、必ずしも一定の比例で描かれていないことを理解されよう。例えば、図における幾つかの要素の寸法は、本開示の実施形態の理解の向上を支援するために、他の要素に対して誇張されている場合がある。
【0007】
本開示による実施形態を詳細に説明する前に、実施形態が、ハンドバッグ(purse)内に電子デバイスが置かれていることの検出に関係する方法ステップ及び機器コンポーネントの組み合わせに主として関することに留意されたい。流れ図におけるプロセスの説明又はブロックは、プロセスにおけるマシン又はステップの特定の論理機能を実行するか、又は代替として、特定のハードウェアコンポーネントを異なる状態若しくは動作モードに遷移させるモジュール、セグメント又はコードの一部とすることができる。代替実装形態が含まれ、関係する機能に依存して、機能が、ほぼ同時又は逆の順序を含めて、図示又は説明される順序から外れて実行されてもよいことが明らかであろう。
【0008】
本明細書で説明される本開示の実施形態が、ハンドバッグなどの収納コンテナ(repository container)内に電子デバイスが置かれていることを検出する機能の幾つか、ほとんど又は全てを或る非プロセッサ回路と共に実行するために、1つ又は複数の従来のプロセッサと、1つ又は複数のプロセッサを制御するユニークな格納プログラム命令と、で構成されてもよいことが理解されよう。1つ又は複数のプロセッサは、収納コンテナが開いているかどうかを任意選択的に検出することができ、且つ加えて本明細書で説明されるように、コンテナ内の状態又は開いているコンテナ内の状態の1つ又は複数に応じて、1つ又は複数の制御動作を任意選択的に実行することができる。非プロセッサ回路は、限定するわけではないが、マイクロホン、ラウドスピーカ、音響増幅器、デジタル/アナログ変換器、信号ドライバ、クロック回路、センサ、電源回路、及びユーザ入力装置を含んでもよい。かかるものとして、これらの機能は、デバイスが収納コンテナ内に置かれていること、及び/又は収納コンテナが開いた状態若しくは閉じた状態であるかどうかの検出を実行する方法のステップとして解釈されてもよい。代替として、幾つか又は全ての機能は、格納プログラム命令を有しない状態機械によって、又は各機能若しくは幾つかの機能の幾つかの組み合わせがカスタム論理として実行される1つ若しくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)において、実行することが可能である。もちろん、2つのアプローチの組み合わせを用いることが可能である。そのように、これらの機能のための方法及び手段が、本明細書で説明された。更に、例えば利用可能な時間、現在の技術、及び経済的考慮によって動機付けられる恐らくかなりの労力及び多くの設計選択にもかかわらず、本明細書で開示される概念及び原理によって導かれた場合に、当業者が、最小の実験で、かかるソフトウェア命令及びプログラム並びにICを容易に生成できることが期待される。
【0009】
本開示の実施形態は、ビジネス情報の処理を目指したどんな普通のビジネス方法の実装形態を列挙もしないし、それらは、周知のビジネスプロセスをインターネットの特定の技術環境に適用もしない。更に、本開示の実施形態は、一般的なコンピュータ機能及び従来のネットワーク運用を用いる契約関係を生成も変更もしない。全く反対に、本開示の実施形態は、電子デバイス及び/又はユーザインターフェース技術に適用された場合に、電子デバイスユーザ対話に関連する技術領域に特に生じる問題を克服するために、電力消費を削減し、実行時間を延長し、且つ全体的なユーザ経験を改善することによって、電子デバイス自体の機能を改善する。
【0010】
ここで、本開示の実施形態を詳細に説明する。図面を参照すると、同様の番号は、図の全体を通して同様の部分を示す。本明細書の説明において且つ特許請求の範囲の全体を通して用いられているように、文脈が明白に特段の指示をしていない限り、次の用語は、本明細書に明示的に関連する意味をとる。即ち、「a」、「an」及び「the」は、複数の言及を含む。「in(における、において)」の意味は、「in(における、において)」及び「on(の上で、の上の)」を含む。第1及び第2、上部及び底部などの関係を示す用語は、1つのエンティティ又はアクションを別のエンティティ又はアクションから区別するために、かかるエンティティ又はアクション間のどんな実際のかかる関係又は順序も必ずしも要求することも意味することもせずに、単独で用いられてもよい。本明細書で用いられているように、コンポーネントは、たとえ間に又は接続経路に沿って1つ又は複数の中間コンポーネント又は介在コンポーネントが存在し得ても、かかるコンポーネント間で情報を送信することができる場合に「動作可能に結合」され得る。また本明細書において括弧で示されている識別子は、論じられている以外の図に示されているコンポーネントを示す。例えば、図Aを説明しながら装置(10)について語ることは、図A以外の図に示されている要素10を指すことになろう。
【0011】
ここで図1を見ると、そこには、収納コンテナ、この場合にはハンドバッグ101を持っている人102が示されている。本明細書で用いられているように、「収納コンテナ」は、囲まれているか又は半分囲まれているコンパートメント(compartment)、即ち、その中でスマートフォンなどの携帯電子デバイスが「迷子になる」ほど大きなコンパートメントを示すために用いられる。収納コンテナの例は、図1のハンドバッグ101、ブリーフケース、学生カバン、ダッフルバッグ、スーツケース、ハンドバック、バックパック、ショルダーバッグ、クラッチ、コンピュータバッグ、アタッシュケース、メッセンジャーバッグなどを含む。収納コンテナの他の例が、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0012】
更に、本明細書で用いられているような「収納コンテナ」は、携帯電子デバイスを見つけることを困難にするほど多数の物体又は品物が中に詰め込まれるほど十分に大きい。この実例的な実施形態において、図2に示されているように、例によって示すと、ハンドバッグ101は、硬貨201、薬剤202、指の爪やすり203などの身だしなみ用品、ノートカード204、キー205、ローション206、ノートパッド207、リップクリーム208及び他の品物などの多数の品物を含む。本開示の実施形態は、収納コンテナが幾つかの品物を収容する場合に、いずれか1つの特定の品物を見つけるのが困難になり得ると考える。例えば、スマートフォンが、図2のハンドバッグ101に置かれている間は、スマートフォンは、他の品物の山の下に埋もれているので、見つけることができない。従って、スマートフォンがハンドバッグ101の中で埋もれているかどうかを人(102)が判断したい場合に、これは、とても大きな仕事になり得る。人(102)は、スマートフォンを見つけるために、ハンドバッグ101を完全に空にする必要があり得る。次に、人は、全ての品物をハンドバッグ101に戻さなければならない。これは、時間がかかるだけでなく、人は、ハンドバッグ101に再び詰め込む場合に、自分のキー205など、重要な品物を不注意で忘れてしまう可能性がある。
【0013】
本開示の実施形態は、このジレンマに対する解決策を提供する。具体的には、本開示の実施形態は、ハンドバッグ101、ダッフル、学生カバン、ブリーフケース又は他のコンテナなどの収納コンテナ内に電子デバイスが置かれていることを検出するための正確で繰り返し可能な方法及び機器を提供する。更に、1つ又は複数の実施形態において、収納コンテナが開いた状態か又は閉じた状態かどうかを電子デバイスが判断することができる。例えば、一実施形態において、1つ又は複数のセンサを装備した電子デバイスを制御するための方法は、受信周囲光の強度が所定の閾値未満であることと、電子デバイスのハウジングに沿ったタッチセンサの作動の欠如と、電子デバイスの第1の位置及び電子デバイス第2の位置の両方で発生するほぼ共通の温度と、の1つ又は複数を検出することの関数として、電子デバイスが収納コンテナ内に置かれていることを1つ又は複数のセンサを用いて検出することを含む。関数は、更に、デバイスの運動とすることができる。何故なら、収納コンテナ内に置かれている電子デバイスは、おおよその回転安定性を示す傾向にあり、回転安定性は、デバイスが絶えず持ち手を替えるか、歩いているユーザの手にあるか、又はテーブルから持ち上げられる(その場合に、デバイスは、上下から角度へと方向を変えることなどになろう)状況と対照的であるからである。
【0014】
一実施形態において、これら又は他の状態が満たされる場合に、1つ又は複数のセンサと共に動作可能な1つ又は複数のプロセッサは、電子デバイスが、ユーザの手に、テーブルの上に、又は引き出し内に置かれるなどの別の位置ではなく、収納コンテナにあることを検出する。一実施形態において、1つ又は複数のプロセッサは、電子デバイスが収納コンテナ内に置かれていることの検出に応じて、制御動作を任意選択的に実行することができる。
【0015】
例によって示すと、一実施形態において、電子デバイスが収納コンテナ内に置かれ、且つ収納コンテナが閉じられている場合に、電子デバイスの表面に沿って配置された熱センサが、電子デバイスの第1の位置及び電子デバイスの第2の位置の両方で発生するほぼ共通の温度を検出する。第1の位置及び第2の位置は、電子デバイスの同じ側にあることができ、又は代替として電子デバイスの異なる側若しくは端部にあることができる。
【0016】
本明細書で用いられているように、用語「ほぼ(おおよその)」は、通常は製作公差範囲である所定の許容誤差範囲内を意味する。例えば、製作公差が、プラスマイナス華氏2度以下である場合に、華氏78度及び81度は、華氏80度と「ほぼ共通」であろう。他の製作公差範囲が、当業者の電子コンポーネント、設計面の配慮、動作環境などを考慮して本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0017】
一実施形態において、ほぼ共通の温度を検出することに加えて、本開示の実施形態は、約1分などの所定の温度測定間隔中に、第1の位置又は第2の位置で発生するほぼ静的な温度を検出する。ほぼ静的な温度は、ユーザが、自分の手で様々な表面に接触し、それが急速な加熱及び冷却を引き起こす場合のようには、温度が急速に変化しないことを意味する。
【0018】
一実施形態において、所定の温度測定間隔にわたって、ほぼ共通の温度及びほぼ静的な温度な検出することに加えて、光センサが、暗い環境を更に検出する。例えば、光センサは、受信周囲光の強度が所定の輝度閾値未満であることを検出してもよく、それは、電子デバイスが比較的暗い環境にあることを示すことになろう。同様に、タッチセンサは、電子デバイスのハウジングに沿ってタッチセンサの作動がないことを判定することができる。更に、運動センサが、電子デバイスのおおよその回転安定性を検出することができる。即ち、運動センサは、電子デバイスが、ユーザが歩いている間にユーザの手にある、ユーザの手の間で渡されている、テーブルからユーザの耳に持ち上げられているなど(そのそれぞれが、電子デバイスに回転変化を経験させるであろう)の場合のような大きな回転が発生していないことを判定することができる。一実施形態において、これらの様々な状態が検出されると、電子デバイスの1つ又は複数のプロセッサが、収納コンテナ内の状態を検出する。
【0019】
収納コンテナ内の状態が検出されると、1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数のプロセッサは、制御動作を実行することができる。単純な例によって示すと、一実施形態において、制御動作は、運動センサを監視することを含む。本開示の実施形態は、ユーザのスマートフォンが、例えば収納コンテナ内に置かれているかどうかをユーザが気づいていない可能性があると考える。従って、運動センサを監視する制御動作の実行は、ユーザがチェックする単純な方法を提供する。一実施形態において、ユーザが、収納コンテナの外側からハンドバッグをタップするか又はダブルタップすると、1つ又は複数のプロセッサは、この所定の運動を運動センサで検出することができる。
【0020】
一実施形態において、所定の運動を検出すると、1つ又は複数のプロセッサは、電子デバイスがハンドバッグ内に置かれているという通知を、出力装置を用いて送出することができる。この通知は、真面目であるか、奇抜であるか又は他の形態をとることができる。例えば、ユーザが、ハンドバッグの外側をダブルタップしてもよく、1つ又は複数のプロセッサは、「僕はかくれんぼをするのが大好きだよ」、「君はポカポカしているね」、又は「やあ、君は僕を見つけたよ。僕は君に会いたい」などの可聴メッセージを出力装置に送出させてもよい。他の通知が、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0021】
別の実施形態において、収納コンテナ内の状態が検出されると、制御動作は、オーディオ出力装置のボリュームを増加させることを含むことができる。本開示の実施形態は、電子デバイスが収納コンテナ内に置かれている場合に、リンガー(ringer)又は他の可聴通知がミュートされている可能性があると考える。従って、一実施形態において、制御動作は、任意のオーディオ出力装置も、「大きな響き」又は他の高いボリューム状態にすることを含むことができる。
【0022】
別の実施形態において、収納コンテナ内の状態が検出されると、制御動作は、遠隔電子デバイスからの着信通信の受信に応じて、自動応答メッセージを送信することを含むことができる。例えば、電子デバイスが、ハンドバッグにある間にテキストメッセージを受信した場合に、1つ又は複数のプロセッサは、受信者の手があいていない可能性があることか、又は受信者が後で送信者と連絡をとることを元の通信の送信者に知らせる応答メッセージを送信してもよい。1つ又は複数の実施形態において、応答メッセージは、ユーザ定義可能であってもよい。一実施形態において、ユーザは、自動応答として送信されるメッセージを定義することができる。他の実施形態において、内容は、時間又は他の因子の関数として変化することができる。
【0023】
別の実施形態において、制御動作は、運動センサを監視することを再び含むことができる。収納コンテナが静止していることを1つ又は複数のプロセッサが運動検出器を用いて判定した場合に、1つ又は複数のプロセッサは、ユーザが収納コンテナから離れており、どんな着信通信通知も聞かれないか又は見過ごされる可能性があると結論を下してもよい。従って、1つ又は複数のプロセッサは、ユーザが収納コンテナを動かす場合を判定するために、運動センサを監視することができる。これが生じた場合に、一実施形態において、1つ又は複数のプロセッサは、受信通信の告知又は警報を再び送出する。1つ又は複数の実施形態において、この警報の再放送は、ユーザがそれを聞くことができるように、より大きい。
【0024】
電子デバイスが収納コンテナ内に置かれている場合を判定することに加えて、本開示の実施形態は、収納コンテナが開いている場合を判定することができる。これは、多くの任意選択の方法で達成することができる。一実施形態において、収納コンテナが開いている場合に、受信周囲光の強度は、光の流入によって所定の閾値以上に移行する。別の実施形態において、周囲温度は、ユーザの手又は他の熱放射物体が収納コンテナに入ることにより、所定の温度閾値以上に上昇する。別の実施形態において、1つ又は複数の近接センサコンポーネントが、電子デバイスの所定の熱放射範囲(thermal radius)内に移動するユーザの一部、例えば手を検出することができる。他の技術が、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0025】
1つ又は複数の実施形態において、開いた収納コンテナの状態が検出されると、1つ又は複数のプロセッサは、別の制御動作を実行することができる。第1の制御動作と同様に、第2の制御動作は、様々な形態のいずれかをとることができる。例えば、制御動作が、オーディオ出力装置のボリュームを増加させることを含んだ場合に、もう一方の制御動作は、オーディオ出力装置のボリュームを低下させることを含むことができる。別の実施形態において、第2の制御動作は、ユーザの手が収納コンテナ内に置かれた場合にユーザがデバイスを感じ得るように、振動モードを作動させることを含むことができる。
【0026】
別の実施形態において、収納コンテナが開けられつつあることを1つ又は複数のプロセッサが検出した場合に、それらのプロセッサは、電子デバイスがハンドバッグ内に置かれているという通知を送出することができる。この通知は、「僕はかくれんぼをするのが大好きだよ」など、面白く奇抜であってもよい。代替として、通知は、ブザー音又はトーンなど、より単純であってもよい。他の通知が、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0027】
他の制御動作は、より複雑にすることができる。例えば、もう一方の制御動作は、1つ又は複数の近接センサコンポーネントを監視することを含むことができる。それらは、ひとたび熱物体が熱受信半径内にあれば、電子デバイスに近づいているユーザの手などの熱物体を検出することができる。一実施形態において、手又は他の暖かい物体が近づいている場合に、1つ又は複数のプロセッサは、オーディオ出力装置にソナータイプの警報を鳴らさせてもよい。この警報は、距離の関数とすることができる。即ち、それは、物体が電子デバイスにより近くなるにつれて、ピッチ/パターン/レベル/タイプを変更することができる。これは、ユーザが、見ることなしに電子デバイスの位置に集中できるようにする。
【0028】
別の実施形態において、収納コンテナが開いているか又は熱物体が電子デバイスに近づいている場合に、1つ又は複数のプロセッサは、見過ごされたメッセージの警報を出力装置を用いて初めて送出してもよい。別の実施形態において、もう一方の制御動作は、運動センサを監視することを含むことができる。例えば、収納コンテナがハンドバッグであり、ハンドバッグが、例えば車で移動している間に、ハンドバッグ内及び開いたハンドバッグの状態が検出されると、1つ又は複数のプロセッサは、近距離無線通信プロトコルを介して、車両のオーディオ装置又はコンパニオンウェアラブル装置などのコンパニオン装置(companion device)に着信通信を転送してもよい。他の制御動作が、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0029】
有利なことに、本開示の実施形態は、デバイスが、呼応して1つ又は複数の制御動作を実行できるように、収納コンテナによる包蔵(encapsulation)を素早く正確に決定することができる。本開示の実施形態は、更に、この収納コンテナ内の状態を、ユーザが電子デバイスを自分の顔まで上げた場合などの他の状態から区別することができる。本開示の実施形態は、ユーザインターフェースに音声コマンドもタッチ入力も送る必要なしに、電子デバイスを制御するための自然で、即時的で、直観的な方法を提供する。
【0030】
一実施形態において、電子デバイスは、少なくとも光センサ、タッチセンサ、及び1つ又は複数の近接センサを含む。1つ又は複数の近接センサは、それぞれ、ハウジングの外部に置かれた熱物体からの赤外線熱放射を受信するために、赤外線受信機を含むことができる。従って、1つ又は複数の近接センサは、ユーザの身体又は手などの熱物体からの熱を検出する熱センサとして機能する。
【0031】
一実施形態において、センサと共に動作可能な1つ又は複数のプロセッサは、電子デバイスが収納コンテナ内に置かれていると結論を下すために、センサを用いて背景状態を検出する。例えば、1つ又は複数のプロセッサは、電子デバイスが収納コンテナ内に置かれていると判定するために、受信周囲光の強度が所定の閾値未満であることを検出する。同様に、1つ又は複数のプロセッサは、ユーザが、電子デバイスのハウジングにもユーザインターフェースにも積極的に触れていないことを判定する。これは、タッチセンサを用いた「タッチセンサの作動の欠如」の検出と呼ばれる。
【0032】
以下でより詳細に説明するように、「タッチセンサの作動の欠如」は、収納コンテナ内の状態を判定するために用いられる新規で革新的な概念である。本開示の実施形態は、現代の電子デバイスが多くの異なるタイプのセンサを含み得ると考える。例えば、本開示の実施形態は、タッチセンサを含み、タッチセンサは、容量タッチセンサであってもよく、且つそれらは、電子デバイスのハウジングに沿った様々な位置に配置されてもよい。一実施形態において容量タッチセンサを用いることができるが、機械式タッチセンサ、抵抗タッチセンサ、及び他のタイプのタッチセンサも同様に用いることができる。当業者は、ユーザの存在、ユーザ入力及び他の状態を検出するために、タッチセンサが、積極的な状態、即ちタッチを検出するように用いられることが分かる。しかしながら、本開示の実施形態は、消極的な状態の革新的な使用法、即ち、タッチ入力を待っているが、所定のセンサ読み出し時間内にタッチ入力を受信しない能動タッチセンサを用いる。これは、タッチセンサの作動の欠如として周知である。有利なことに、本開示の実施形態は、電子デバイスが収納コンテナ内に置かれていると結論を下す因子として、この推論状態をユニークに用いる。本明細書で用いられているように、「タッチセンサの作動の欠如」の検出は、タッチ入力を受信できる能動状態にあるが、しかし所定のセンサ読み出し時間内に、ユーザの皮膚からのどんなタッチ入力も受信しないタッチセンサを参照するように用いられる。これらの所定のセンサ読み出し時間の例は、数ミリ秒から数秒に及ぶ。
【0033】
一実施形態において、1つ又は複数のプロセッサは、電子デバイス上の第1の位置及び電子デバイス上の第2の位置の両方における温度がほぼ共通の温度であることを更に判定することができる。本明細書で用いられているように、「ほぼ共通の」温度は、所定の範囲内にある温度を指す。別の言い方をすると、例えば、各端部における温度間の差がプラス又はマイナス華氏2度以内であった場合に、一実施形態において、電子デバイスの第1の位置における温度は、電子デバイスの第2の位置における温度とほぼ共通であろう。更に、用語「ほぼ(おおよその)」は、絶対的である必要がないが、しかし幾らかの設計許容誤差を含むことができる量を示すために用いられる。例えば、華氏79.378度又は華氏80.125度は、機械及び電気システム並びにセンサの許容誤差を含む場合に、「ほぼ」華氏80度とすることが可能である。これは、ユーザが装置を保持している状態から(その場合に、ユーザの手に隣接するハウジングの部分は、ハウジングの他の部分より著しく暖かいことになろう)、収納コンテナ内の状態を区別する。プラス又はマイナス華氏2度は、「ほぼ共通の」温度を構成する1つの説明的範囲であり、他のものが、本開示の利益を有する当業者には容易に明らかになろう。
【0034】
一実施形態において、周囲光の強度が所定の閾値未満であること、タッチ入力がタッチセンサに送られていないこと、及び装置の2つの異なる位置に同じほぼ同じ温度が存在することを1つ又は複数のプロセッサが判定した場合に、1つ又は複数のプロセッサは、電子デバイスが、収納コンテナ内に置かれていると結論を下すことができる。1つ又は複数のプロセッサは、同様に収納コンテナ内の状態を判定するために、パラメータデータによって定義される電子デバイスの運動が、電子デバイスのおおよその回転安定性を示すことを任意選択的に追加して検出することができる。1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数のプロセッサは、電子デバイスが収納コンテナ内に置かれていることに応じて、制御動作を実行することができる。
【0035】
上述の3つの因子に加えて、電子デバイスが、例えば単に引き出し内に置かれているのではなく、収納コンテナ内に位置していることを一層確実に確認するために、他のセンサからの他の入力が利用され得る。例えば、一実施形態において、1つ又は複数の近接センサは、ほぼ共通の温度が、急速には変化していないこと、即ち、1分などの所定の測定間隔中に第1の位置又は第2の位置においてほぼ静的な温度であることを確認することができる。ハンドバッグ内の状態を判定するために用いられる他のセンサ情報が、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0036】
ここで図3を見ると、そこには本開示の1つ又は複数の実施形態に従って構成された1つの説明のための電子デバイス300が示されている。図3の電子デバイス300は、携帯電子デバイスであり、実例用のスマートフォンとして示されている。しかしながら、他の電子デバイスが、図3の説明のためのスマートフォンの代わりしてもよいことが、本開示の利益を有する当業者には明らかに違いない。例えば、電子デバイス300は、同様に、従来のデスクトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ゲーム機、メディアプレーヤ、又は上記の図1のハンドバッグ(101)などの収納コンテナ内に配置するのに適した他の装置とすることが可能である。
【0037】
この実例的な電子デバイス300は、ディスプレイ302を含み、ディスプレイ302は、任意選択的にタッチセンシティブであってもよい。ディスプレイ302が、タッチセンシティブである一実施形態において、ディスプレイ302は、電子デバイス300の主要なユーザインターフェースとして働くことができる。ユーザは、指、スタイラス、又はディスプレイに近接して配置された他の物体からタッチ入力を送出することによって、かかる実施形態のディスプレイ302にユーザ入力を送出することができる。一実施形態において、ディスプレイ302は、アクティブマトリックス有機発光ダイオード(active matrix organic light emitting diode : AMOLED)ディスプレイとして構成される。しかしながら、液晶ディスプレイを含む他のタイプのディスプレイが、本開示の利益を有する当業者には明らかになるであろうことに留意されたい。
【0038】
図3の説明用の電子デバイス300は、ハウジング301を含む。一実施形態において、ハウジング301は、2つのハウジング部材を含む。前面ハウジング部材327は、一実施形態において、ディスプレイ302の周囲に配置される。裏面ハウジング部材328が、この実例的な実施形態において電子デバイス300の裏面を形成し、電子デバイスの裏面の主フェースを画定する。機能は、ハウジング部材327、328に組み込むことができる。かかる機能の例は、任意選択のカメラ329又は任意選択のスピーカポート332を含み、それらは、この実施形態において電子デバイス300の裏面の主フェース(rear major face)に配置されて示されている。この実例的な実施形態において、ボタン又はタッチセンシティブ面であってもよいユーザインターフェースコンポーネント314がまた、裏面ハウジング部材328に沿って配置され得る。これらの機能は、この実施形態において、電子デバイス300の裏面の主フェース上に配置されて示されているが、しかし他の実施形態において、前面の主フェースなど、他の所に位置することが可能である。
【0039】
一実施形態において、電子デバイス300は、1つ又は複数のコネクタ312、313を含み、1つ又は複数のコネクタ312、313は、アナログコネクタ、デジタルコネクタ、又はそれらの組み合わせを含むことができる。この実例的な実施形態において、コネクタ312は、電子デバイス300の第1の端部350、即ち上端に配置されたアナログコネクタであり、一方でコネクタ313は、第1の端部350の反対側の第2の端部351に配置されたデジタルコネクタであり、第2の端部351は、この実施形態において底端である。
【0040】
電子デバイス300の概略ブロック図315もまた、図3に示されている。一実施形態において、電子デバイス300は、1つ又は複数のプロセッサ316を含む。一実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ316は、アプリケーションプロセッサ及び任意選択的に1つ又は複数の補助プロセッサを含むことができる。アプリケーションプロセッサ又は補助プロセッサの1つ又は両方は、1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。アプリケーションプロセッサ又は補助プロセッサの1つ又は両方は、マイクロプロセッサ、処理コンポーネントのグループ、1つ若しくは複数のASIC、プログラマブル論理、又は他のタイプの処理装置とすることができる。
【0041】
アプリケーションプロセッサ及び補助プロセッサは、電子デバイス300の様々なコンポーネントと共に動作可能である。アプリケーションプロセッサ及び補助プロセッサのそれぞれは、電子デバイス300の様々な機能を実行するために、実行可能なソフトウェアコードを処理及び実行するように構成することができる。メモリ318などの記憶装置が、動作中に1つ又は複数のプロセッサ316によって用いられる実行可能なソフトウェアコードを任意選択的に格納し得る。
【0042】
この実例的な実施形態において、電子デバイス300はまた、1つ又は複数の他の装置又はネットワークとの有線又は無線通信用に構成できる通信回路325を含む。ネットワークは、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、及び/又はパーソナルエリアネットワークを含むことができる。ワイドエリアネットワークの例は、GSM、CDMA、W−CDMA、CDMA−2000、iDEN、TDMA、第2.5世代3GPP GSMネットワーク、第3世代3GPP WCDMAネットワーク、3GPPロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、及び3GPP2 CDMA通信ネットワーク、UMTSネットワーク、E−UTRAネットワーク、GPRSネットワーク、iDENネットワーク、及び他のネットワークを含む。
【0043】
通信回路325はまた、限定するわけではないが、HomeRF、Bluetooth及びIEEE 802.11(a、b、g又はn)などのピアツーピア又はアドホック通信、並びに赤外線技術などの他の形態の無線通信など、通信用に無線技術を利用してもよい。通信回路325は、無線通信回路と、受信機、送信機又はトランシーバの1つと、1つ又は複数のアンテナ326と、を含むことができる。
【0044】
一実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ316は、電子デバイス300の主要機能を実行する役割を負うことができる。例えば、一実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ316は、1つ又は複数のユーザインターフェース装置311と共に動作可能な1つ又は複数の回路を含み、1つ又は複数のユーザインターフェース装置311は、ユーザに提示情報を示すために、ディスプレイ302を含むことができる。1つ又は複数のプロセッサ316によって用いられる実行可能なソフトウェアコードは、1つ又は複数のプロセッサ316と共に動作可能な1つ又は複数のモジュール320として構成することができる。かかるモジュール320は、命令、制御アルゴリズム、論理ステップなどを格納することができる。
【0045】
一実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ316は、オペレーティングシステム環境321を実行する役割を負う。オペレーティングシステム環境321は、カーネル322及び1つ又は複数のドライバ、アプリケーションサービス層323、並びにアプリケーション層324を含むことができる。オペレーティングシステム環境321は、電子デバイス300の1つ又は複数のプロセッサ又は制御回路上で動作する実行可能コードとして構成することができる。
【0046】
アプリケーション層324は、アプリケーションサービスモジュールを実行する役割を負うことができる。アプリケーションサービスモジュールは、1つ又は複数のアプリケーション又は「app」を支援してもよい。図3に示されているかかるアプリケーションの例は、音声電話呼び出しを行うための携帯電話アプリケーション303と、ユーザが、電子デバイス300のディスプレイ302上でウェブページを見ることができるように構成されたウェブブラウジングアプリケーション304と、電子メールを送信及び受信するように構成された電子メールアプリケーション305と、1つ又は複数の近接検出器コンポーネント341を用いて、電子デバイス300の近くの又はそれに沿ったユーザからジェスチャ動作を検出するように構成されたジェスチャアプリケーション306と、静止(及び任意選択的にビデオ)画像を捕捉するように構成されたカメラアプリケーション307と、を含む。
【0047】
これらのアプリケーションは、単に実例であり、他のアプリケーションが、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。アプリケーション層324のアプリケーションは、アプリケーションプログラムインターフェース(API)、メッセージ、イベント又は他のプロセス間通信インターフェースを介してサービスと通信するために、アプリケーションサービス層323のクライアントとして構成することができる。補助プロセッサが用いられる場合に、それらは、入力/出力機能を実行し、ユーザフィードバック装置を作動させるなどのために用いることができる。
【0048】
一実施形態において、1つ又は複数の近接センサ308が、1つ又は複数のプロセッサ316と共に動作し得る。一実施形態において、1つ又は複数の近接センサ308は、1つ又は複数の近接センサコンポーネント340を含む。近接センサ308はまた、1つ又は複数の近接検出器コンポーネント341を含むことができる。一実施形態において、近接センサコンポーネント340は、信号受信機だけを含む。対照的に、近接検出器コンポーネント341は、信号受信機及び対応する信号送信機を含む。
【0049】
各近接検出器コンポーネント341が、限定するわけではないが、容量、磁気、誘導、光/光電、撮像素子、レーザ、音響/音波、レーダベース、ドップラーベース、熱、放射ベース近接センサなど、様々なタイプの近接センサのいずれか1つとし得る一方で、1つ又は複数の実施形態において、近接検出器コンポーネント341は、赤外線送信機及び受信機を含む。赤外線送信機は、一実施形態において、近接センサコンポーネントによって受信される波長より1〜2桁短い約860ナノメートルの波長を有する赤外線信号を送信するように構成される。近接検出器コンポーネント341は、同様の波長、即ち約860ナノメートルを受信する信号受信機を有することができる。
【0050】
1つ又は複数の実施形態において、近接センサコンポーネント340は、近接検出器コンポーネントが、(人の身体からの反射と対照的に)人の身体などの熱物体から直接発する熱を検出するという事実故に、近接検出器コンポーネント341が有するより長い検出範囲を有し、一方で近接検出器コンポーネントは、信号送信機から放射された赤外光に依存する。例えば、近接センサコンポーネント340は、約304.8cm(約10フィート)の距離からの放射熱を介して、人の身体などの熱物体を検出することが可能であり、一方で近接検出器コンポーネント341の信号受信機は、約30.48〜60.96cm(1〜2フィート)の距離で、送信機からの反射信号を検出可能なだけである。
【0051】
一実施形態において、近接センサコンポーネント340は、人又は人の一部などの熱物体からの赤外線放射を検出できるように赤外線信号受信機を含む。従って、近接センサコンポーネント340は、送信機を必要としない。何故なら、ハウジングの外部に配置された物体が、赤外線受信機によって受信される放射を送出するからである。送信機が必要とされないので、各近接センサコンポーネント340は、非常に低い電力レベルで動作することができる。行われた評価は、赤外線信号受信機のグループが、わずか数マイクロアンペア(センサ当たり約10マイクロアンペア)の合計電流消費で動作できることを示している。対照的に、信号送信機を含む近接検出器コンポーネント341は、数百マイクロアンペア〜数ミリアンペアを引き出す可能性がある。
【0052】
一実施形態において、1つ又は複数の近接検出器コンポーネント341は、それぞれ、信号受信機及び対応する信号送信機を含むことができる。信号送信機は、近くの物体から反射する、且つ対応する信号受信機によって受信される赤外光ビームを送信することができる。近接検出器コンポーネント341は、例えば、反射信号に関連する特徴から、いずれか近くの物体までの距離を計算するために用いることができる。反射信号は、対応する信号受信機によって検出されるが、対応する信号受信機は、反射された発光ダイオード(LED)光を検出し、変調された赤外線信号に応答し、且つ/又は受信赤外線信号の三角測量を実行するために用いられる赤外線フォトダイオードであってもよい。反射信号はまた、電子デバイス300にユーザにユーザが行うタッチ又はジェスチャ入力からユーザ入力を受信するために用いることができる。
【0053】
一実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ316は、1つ又は複数の近接センサ308から受信された情報に基づいて、コマンドを生成するか又は制御動作を実行してもよい。1つ又は複数のプロセッサ316はまた、1つ又は複数の近接センサ308及び1つ又は複数の他のセンサ309の組み合わせから受信された情報に基づいて、コマンドを生成するか又は制御動作を実行してもよい。代替として、1つ又は複数のプロセッサ316は、1つ又は複数の他のセンサ309だけから受信された情報に基づいて、コマンドを生成するか又は制御動作を実行することができる。更に、1つ又は複数のプロセッサ316は、受信情報を単独で又はメモリ318に格納された情報などの他のデータと組み合わせて処理してもよい。
【0054】
1つ又は複数の他のセンサ309は、マイクロホン360、受話器スピーカ361、第2のラウドスピーカ(スピーカポート332の下に配置される)、及びボタンなどのユーザインターフェースコンポーネント314を含んでもよい。1つ又は複数の他のセンサ309はまた、キー選択センサ、タッチパッドセンサ、タッチスクリーンセンサ、容量タッチセンサ、及び1つ又は複数のスイッチを含んでもよい。タッチセンサ355は、ディスプレイ302上に存在するユーザ作動ターゲットのいずれかが作動されているかどうかを示すために用いられてもよい。代替として、ハウジング301に配置されたタッチセンサ355は、電子デバイス300が側部エッジでタッチされているかどうか、又は電子デバイス300の主フェースがユーザによって実行されているかどうかを判定するために用いることができる。タッチセンサ355は、一実施形態において、表面及び/又はハウジング容量センサを含むことができる。他のセンサ309はまた、オーディオセンサ及びビデオセンサ(カメラなど)を含むことができる。
【0055】
他のセンサ309はまた、1つ又は複数の加速度計352又はジャイロスコープ353などの運動センサ342を含むことができる。例えば、加速度計352は、垂直方位、一定の傾斜、及び/又は電子デバイス300が静止しているかどうかを示すために、電子デバイス300の電子回路に埋め込まれてもよい。重力に対する傾斜の測定は、「静的加速度」と呼ばれ、一方で運動及び/又は振動の測定は、「動的加速度」と呼ばれる。ジャイロスコープ353は、同様の方法で用いることができる。
【0056】
加速度計352又はジャイロスコープ353は、同様に電子デバイス300の運動を検出するために含むことができる。更に、加速度計352又はジャイロスコープ353は、ユーザのジェスチャの幾つかを感知するために用いることができる。加速度計352又はジャイロスコープ353はまた、重力方向を検出することによって、三次元空間において同様に電子デバイス300の空間定位を判定するために用いることができる。加速度計352又はジャイロスコープ353に加えて又はそれらの代わりに、地球磁場に対する電子デバイス300の空間定位を検出するために電子コンパスを含むことができる。
【0057】
用いられる運動センサ342のタイプにかかわらず、一実施形態において、運動センサ342はまた、ユーザによる電子デバイス300の移動及び移動方向を検出するように動作可能である。1つ又は複数の実施形態において、他のセンサ309及び運動センサ342は、それぞれ、収納コンテナの運動、ユーザの身体、又は人の手の運動に対応する運動を検出するために用いることができる。この情報は、電子デバイス300が、ユーザの身体に近接して位置していることを判定するために用いることができる。
【0058】
例によって示すと、一実施形態において、運動センサ342は、電子デバイス300の運動に対応するパラメータデータを検出することができる。電子デバイス300が、ハンドバッグ(101)などの収納コンテナ内に置かれている場合に、運動センサ342は、この検出されたパラメータデータが、おおよその回転安定性に対応すると判定することができる。何故なら、電子デバイス300が、収納コンテナ内で比較的一定の位置に留まりそうであるからである。これは、電子デバイス300が、ユーザの手にあり、且つ様々な軸を中心に多くの回転を経験する場合と対照的である。収納コンテナにある場合に、電子デバイス300は、振動、揺れ、縦揺れ、微動などの小さな運動を経験する可能性がある。しかしながら、電子デバイス300は、軸を中心に回転しそうもなく、従って、おおよその回転安定性を経験する。次に、1つ又は複数のプロセッサ316は、収納コンテナ内における電子デバイスの運動に応じて、これらの運動センサ342によって送出された電気信号からパラメータデータを抽出することができる。パラメータデータをメモリ318に格納された参照ファイルと比較することによって、1つ又は複数のプロセッサ316は、おおよその回転安定性を識別することができる。1つ又は複数のプロセッサ316は、電子デバイス300が収納コンテナにあることを、例えばユーザの手にあることと比較して区別するために、この情報を用いることができる。パラメータデータによって容易に検出できる他のユーザ運動は、運転、バイクに乗ること、又はそれらの座席における単純な移動に関連する運動を含む。1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ316は、これらの運動から、収納コンテナ内又は収納コンテナ外のいずれかにあって電子デバイス300が移動していると結論を下すことができる。
【0059】
電子デバイス300におけるセンサの多くは、移動、ジェスチャ、又は他のユーザ入力を検出するために用いることができる。例えば、1つ又は複数の近接センサ308は、ディスプレイ302の上で手を振るユーザのジェスチャを検出することができる。別の実施形態において、ユーザは、ディスプレイ302にタッチすることによって、ジェスチャ入力を送ることができる。更に別の実施形態において、加速度計352は、ユーザが、電子デバイス300を持ち上げる、揺らす、又はそうでなければ故意に動かすことからジェスチャ入力を検出することができる。更に他の実施形態において、ユーザは、電子デバイス300の方位を回転又は変更することによって、ジェスチャ入力を送ることができ、それは、多数の加速度計352又はジャイロスコープ353によって検出することができる。
【0060】
追加のセンサが、図3に示されている他のセンサ309と共に含まれ得ることが、本開示の利益を有する当業者には明らかに違いない。図4を簡単に見ると、そこに示されているのは、同様に1つ又は複数のプロセッサ(316)と共に動作することができる幾つかの追加のセンサである。1つ又は複数の実施形態において、これらの他のセンサ309の多くは、電子デバイス(300)のまわりの環境状態を検出する環境センサである。これらのセンサの一般的な例は、時間センサ、日付センサ、環境センサ、気象センサ、超音波センサ、位置センサなどを含む。
【0061】
一実施形態において、皮膚センサ405が、電子デバイス(400)が人の皮膚に接触している場合を判定するように構成される。例えば、電子デバイス(300)が、ユーザの手に保持されている場合に、これは、皮膚センサ405によって検出することができる。皮膚センサ405は、電極を自らに配置した基板を含むことができる。電極は、一実施形態において、心臓の鼓動によって生成される電気信号を検出することによって、皮膚センサ405に接触している物体が皮膚であると確認することができる。皮膚センサの他の形態が、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0062】
タッチセンサ355は、皮膚センサ405と共に、又はその代わりに動作可能である。タッチセンサ355は、容量タッチセンサ、赤外線タッチセンサ、抵抗タッチセンサ、又は別のタッチセンシティブ技術を含むことができる。容量タッチセンシティブ装置は、基板に沿って配置される複数の容量センサ、例えば電極を含む。各容量センサは、一組の容量センサ間の電気力線(electric field line)を確立し、且つ次にそれらの電気力線の混乱を検出することによって、電子デバイス(300)のディスプレイ(302)の表面又はハウジング(301)に近い(又は接触している)物体を検出するために、関連する制御回路、例えば1つ又は複数のプロセッサ(316)と共に構成される。
【0063】
電気力線は、方形波、正弦波、三角波などの周期波形、又は1つのセンサによって放射され、且つ別のセンサによって検出される他の周期波形に従って確立することができる。容量センサは、例えば、電極としてパターン化された酸化インジウム錫を基板上に配置することによって形成することができる。酸化インジウム錫は、それが透明で導電性なので、かかるシステムに有用である。更に、それは、印刷プロセスによって、薄層に配置することができる。容量センサはまた、電子ビーム蒸着、物理蒸着、又は他の様々なスパッタ堆積技術によって基板上に配置されてもよい。
【0064】
力センサ(force sensor)403を含むことができる。力センサ403は、様々な形態をとることができる。例えば、一実施形態において、力センサ403は、電子デバイス(300)のディスプレイ(302)又はハウジング(301)のいずれかとの接触を検出するように構成された抵抗スイッチ又は力スイッチのアレイを含む。「アレイ」は、少なくとも1つのスイッチのセットを指す。抵抗スイッチのアレイは、電子デバイス(300)のディスプレイ(302)の表面又はハウジング(301)のいずれかとの接触がなされた場合に、スイッチのいずれかにおけるインピーダンスの変化が検出され得るという点で、力感知層として機能することができる。スイッチのアレイは、抵抗感知スイッチ、メンブレンスイッチ、圧電スイッチなどの力感知スイッチ、又は他の同等のタイプの技術のいずれであってもよい。別の実施形態において、力センサ403は、容量性とすることができる。更に別の実施形態において、圧電センサが、同様に力を感知するように構成され得る。例えば、ディスプレイ(302)のレンズと結合された場合に、圧電センサは、力を判定するために、レンズの変位量を検出するように構成することができる。圧電センサはまた、ディスプレイ(302)ではなく、電子デバイス(300)のハウジング(301)に対する接触力を判定するように構成することができる。
【0065】
温度センサ412が、環境の温度を監視するように構成され得る。光センサ407は、周囲光が、電子デバイス(300)のハウジング(301)に入射するか否かを検出するために使用され得る。光センサ407はまた、周囲光の強度が、所定の閾値を超えるか又は所定の閾値未満であることを検出するために用いることができる。1つ又は複数の実施形態において、光センサ407は、電子デバイス(300)の近くにおける光強度、色、光又は影の変化を検出することができる。このことは、電子デバイス(300)が、同様に収納コンテナ内に置かれているかどうかに関する推測を行うために用いることができる。例えば、光センサ407が、低い光状態、即ち受信周囲光の強度が所定の閾値未満であることを検出した場合に、このことは、電子デバイス(300)が、収納コンテナ内に置かれていることを示すことができる。一実施形態において、光センサ407は、気象状態を検出するために、デバイスに関する連続画像を捕捉し、且つ画像間の光度、色、又は他の空間変動を比較する画像感知装置として構成することができる。
【0066】
1つ又は複数のマイクロホン408が、音響入力を受信するために含まれ得る。1つ又は複数のマイクロホン408が、音声入力、音声コマンド、及び他のオーディオ入力を感知するために使用され得るが、1つ又は複数の実施形態において、電子デバイス(300)を包蔵する収納コンテナの柔軟な表面のしわなど、環境音を感知する環境センサとして用いることができる。代替として、1つ又は複数のマイクロホン408は、硬貨(201)、薬剤(202)、身だしなみ用品、ノートカード(204)、キー(205)、ローション(206)、ノートパッド(207)、リップクリーム(208)、及び図2のハンドバッグ(101)内に置かれた他の品物など、収納コンテナに詰め込まれた品物の近くの存在を検出するために用いることができる。従って、収納コンテナ内の状態は、1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数のマイクロホン408によって捕捉された音響データから推測することができる。
【0067】
一実施形態において、1つ又は複数のマイクロホン408は、単一のマイクロホンを含む。しかしながら、他の実施形態において、1つ又は複数のマイクロホン408は、2つ以上のマイクロホンを含むことができる。多数のマイクロホンが含まれる場合に、それらは、例えば、どの方向から音が発したかを判定するために、選択的ビーム操作(beam steering)用に用いることができる。電子デバイス(300)が、ハンドバッグ(101)などの収納コンテナ内にある場合に、検出音は、収納コンテナの側面から又はそこに置かれた内容物から来る可能性がある。ポケット口へビームを導く能力は、1つ又は複数の実施形態において、電子デバイス(300)が収納コンテナ内に置かれているかどうかを1つ又は複数のプロセッサ(316)がより高い精度で判定できるようにする。
【0068】
例によって示すと、第1のマイクロホンは、第1の方向からのオーディオ入力を受信するために電子デバイス(300)の第1の側に配することができ、一方で第2のマイクロホンは、第2の方向からのオーディオ入力を受信するために電子デバイス(300)の第2の側に配置することができる。次に、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、特定の方向においてオーディオ受信をビーム操作するために、第1のマイクロホンと第2のマイクロホンとの間で選択することができる。代替として、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、ビーム操作を実行するために、2つ以上のマイクロホンからの信号を処理し組み合わせることができる。
【0069】
1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、電子デバイス(300)が車両にあるかどうかを知るためなど、電子デバイス(300)の位置情報を要求してもよい。従って、一実施形態において、全地球測位システム装置409が、電子デバイス(300)の位置及び/又は移動を判定するために含まれ得る。1つ又は複数の実施形態において、全地球測位システム装置409は、おおよその位置を判定するために、地球周回衛星又は地上基地局ネットワークの一群と通信するように構成される。全地球測位システム装置409は、位置判定装置の一例であるが、電子コンパス又はジャイロスコープなどの他の位置判定装置が同様に使用され得ることが、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0070】
近接検出器コンポーネント341は、電子デバイス(300)が、収納コンテナの側面又は収納コンテナに置かれた品物などの物体によって覆われている場合を判定するために、赤外線信号を放射することができる。他のセンサ及びこれらのセンサのサブセットなどが、本明細書で説明される方法に従って使用され得る。
【0071】
これらの他のセンサ309は、1つ又は複数の実施形態において、電子デバイス(300)が収納コンテナ内に置かれていることを確認するために用いることができる。別の言い方をすると、受信周囲光の強度が所定の閾値未満であることと、電子デバイス(300)のハウジングに沿ってタッチセンサの作動がないことと、ほぼ共通の温度が、電子デバイスの第1の位置及び電子デバイス(300)の第2の位置の両方で発生していることと、を1つ又は複数のプロセッサが(316)判定した場合に、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、電子デバイス(300)が、ハンドバッグ(101)又はスーツケースなどの収納コンテナ内に置かれていると結論を下す。
【0072】
これらの他のセンサ309の1つ又は複数は、1つ又は複数の実施形態において、この結論を確認するために用いることができる。例えば、運動センサ342は、運動センサ342からのパラメータデータによって定義された電子デバイス(300)の運動が、電子デバイス(300)のおおよその回転安定性を示すことを確認し、それによって、電子デバイス(300)が、収納コンテナの1つ又は複数の側面によって覆われていることを確認してもよい。マイクロホン408は、電子デバイス(300)が収納コンテナへ滑り込むときに、織物材料、革又は合成材料の音を検出してもよい。皮膚センサ405は、皮膚がハウジング(301)に接触していないことを検出してもよい。近接検出器コンポーネント341は、電子デバイス(300)が、覆われていると判定してもよい。温度センサ411は、電子デバイスの第1の位置及び第2の位置で発生するほぼ静的な温度が、30秒又は1分などの所定の温度測定間隔中に、同じままであることを判定するために用いることができる。これらは、それぞれ、収納コンテナ内の状態の確認を提供することができ、且つ単独で又は他の因子と組み合わせて用いることができる。
【0073】
ここで図3に戻ると、1つ又は複数のプロセッサ316と共に動作可能な他のコンポーネント345は、ビデオ出力部、オーディオ出力部、及び/又は機械的出力部などの出力コンポーネントを含むことができる。出力コンポーネントの例は、スピーカポート332、受話器スピーカ361、若しくは他の警報及び/若しくはブザーなどのオーディオ出力部、並びに/又は振動若しくは運動ベースの機構などの機械的出力コンポーネントを含む。更に他のコンポーネントが、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0074】
他のコンポーネント345はまた、ユーザに触覚通知又は振動通知を提供するための運動生成装置を含むことができる。例えば、圧電変換器、回転モータ、又は他の電気機械装置が、打撃、衝突、振動又は他の身体的感覚をユーザに提供するために、電子デバイス300のハウジング301上に力又は振動を与えるように構成され得る。一実施形態において、運動生成装置を含むことによって、例えば、1つ又は複数の近接センサ308が、所定の熱放射範囲内でユーザの手を検出した場合に、可聴又は触感フィードバックのいずれかを送出できるようになる。従って、ユーザは、自分の手をハンドバッグに「突っ込んで」もよく、それは、運動生成装置を振動させる。これは、人が、見ることなしにハンドバッグ内で電子デバイス300を見つける素早く容易な方法を提供する。1つ又は複数のプロセッサ316は、触感又は振動出力を単独で又は可聴出力などの他の出力と組み合わせて送出するために運動生成装置を作動させるように構成することができる。
【0075】
1つ又は複数の実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ316は、電子デバイス300の運動を検出するように動作可能である。一実施形態において、加速度計352は、1つ又は複数のプロセッサ316と共に動作可能な運動検出器として動作する。次に、ジャイロスコープ353は、1つ又は複数のプロセッサ316と共に動作可能な別の運動検出器として動作する。ジャイロスコープ353が電子デバイス300に含まれない場合に、多数の加速度計が、軸を中心とする電子デバイス300の回転を判定するために、ジャイロスコープ353の代わりをすることが可能である。かかる実施形態において、加速度計352は、運動検出器として動作し、一方で加速度計352及び別の加速度計が、ジャイロスコープ353に取って代わることになろう。これは、運動検出器と同様に加速度計352を有するもう一方の運動検出器を結果としてもたらす。
【0076】
図3が、本開示の実施形態に従って、実例のためだけに、一電子デバイス300のコンポーネントを示すために提示され、且つ電子デバイス用に必要とされる様々なコンポーネントの完全な概略図であるようには意図されていないことを理解されたい。従って、本開示の実施形態による他の電子デバイスが、図3に示されていない様々な他のコンポーネントを含んでもよく、又は2つ以上のコンポーネントの組み合わせ、若しくは2つ以上の別個のコンポーネントへの特定のコンポーネントの分割を含んでもよく、やはり本開示の範囲内にあり得る。
【0077】
ここで図5を見ると、そこに示されているのは、近接センサコンポーネント501、502及び近接検出器コンポーネント503、504(本明細書で用語が用いられているような)間の差である。図5に示されているのは、それぞれ異なる位置520、521に配置された2つの近接センサコンポーネント501、502及び2つの近接検出器コンポーネント503、504であり、それらのそれぞれは、この実例的な実施形態において、たまたま電子デバイス300の角に存在する。この実施形態において、各近接センサコンポーネント501、502は、電子デバイス300のハウジング301の外部の物体からの赤外線放射505、506を検出するために、赤外線フォトダイオードなどの信号受信機513だけを含む。対応する送信機は、近接センサコンポーネント501、502が機能するために含まれることも必要とされることはない。信号を放射する能動送信機(active transmitter)が含まれないので、各近接センサコンポーネント501、502は、ときには「受動IR(passive IR)」近接センサと呼ばれる。近接センサコンポーネント501、502が、物体からの熱放射を受信するので、1つ又は複数の実施形態において、それらは、温度センサとして用いることができる。
【0078】
対照的に、各近接検出器コンポーネント503、504は、赤外線近接センサのセットとすることができるが、この赤外線近接センサのセットは、近くの物体から反射する511、512、且つ対応する信号受信機513、514によって受信される赤外光のビーム509、510を送信する信号放射体(signal emitter)507、508を用いる。近接検出器コンポーネント503、504は、例えば、反射信号515、516に関連する特徴から、いずれか近くの物体までの距離を計算するために用いることができる。反射信号515、516は、対応する信号受信機513、514(反射された発光ダイオード(LED)光を検出するために用いられる赤外線フォトダイオードであってもよい)によって検出され、変調された赤外線信号に応答し、且つ/又は受信赤外線信号の三角測量を実行する。従って、近接検出器コンポーネント503、504は、電子デバイス300が、1つ又は複数の実施形態において、布地で覆われているかどうかを判定するために用いることができる。
【0079】
一実施形態において、近接センサコンポーネント501、502及び近接検出器コンポーネント503、504は、少なくとも2つのコンポーネントセットを含むことができる。例えば、第1のコンポーネントセットは、電子デバイス300の位置520に配置することができ、一方で別のコンポーネントセットは、電子デバイス300の第2の位置521に配置することができる。
【0080】
様々なハードウェアコンポーネントを説明したので、本開示の1つ又は複数の実施形態による方法及び使用事例に注意を向ける。ここで図6を見ると、収納コンテナ、この実例的な例ではユーザのハンドバッグ601内に電子デバイス300を置いているユーザ600が示されている。図を簡単にするために、以下の例で用いられる収納コンテナの例は、ハンドバッグ601の例である。しかしながら、上記のように、本開示の実施形態は、そのようには限定されない。収納コンテナは、ブリーフケース、学生カバン、ダッフルバッグ、スーツケース、ハンドバック、バックパック、ショルダーバッグ、クラッチ、コンピュータバッグ、アタッシュケース、メッセンジャーバッグなどを含むことができる。収納コンテナの他の例が、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0081】
ハンドバッグ601に電子デバイス300を置くために用いられる移動602は、移動602と速度及び加速度を関連付けた。一実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、移動602中に発生する運動の速度及び加速度、期間、並びに停止を含むことができる移動602及び/又は運動プロファイルが所定の閾値を超えるかどうかを、運動センサ(342)を用いて判定することができる。一実施形態において、所定の加速度閾値は、正味重力で約0.5メートル毎秒毎秒(meters per second square)である。本開示の実施形態は、電子デバイス300がハンドバッグ601内に安全に置かれることを確認するようにユーザ600が注意すると考える。従って、移動602は、遅く慎重になる。速度及び加速度などの移動の特徴が所定の閾値未満であることを確認することによって、このことは、ハンドバッグ内の状態の追加的な確認として働くことができる。
【0082】
1つ又は複数の実施形態において、加速度判定は、同様に他の方法で用いることができる。第1に、それは、電子デバイス300をハンドバッグ601に配置する場合であって、電子デバイス300をユーザの耳に上げる場合ではないように、電子デバイス300を移動させる移動602が、重力方向に、即ち下方に発生したことを確認するために用いることができる。第2に、加速度を所定の閾値と比較することによって、加速度は、ユーザが、電子デバイス300をハンドバッグ601に実際に置いているのであり、電子デバイス300を振り回すなど或る他の動作を実行しているのではないことを確認するために用いることができる。加速度データの他の使用法は、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。例によって示すと、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、移動602を重力方向と比較することができる。例えば、一実施形態において、1つ又は複数のプロセッサは、移動602の少なくとも幾らかが重力方向と一致したかどうかを判定することができる。このステップは、電子デバイス300がハンドバッグ601に入りつつあることであり、ユーザ600によって運ばれているのではないことを保証することができる。
【0083】
一実施形態において、電子デバイス300を制御するための方法は、受信周囲光の少なくとも強度が所定の閾値未満であることと、電子デバイスのハウジング301に沿ったタッチセンサの作動の欠如と、電子デバイス300に沿った第1の位置及び第2の位置の両方で発生するほぼ共通の温度と、の関数として、電子デバイス300がハンドバッグ601などの収納コンテナ内に置かれていることを1つ又は複数のセンサを用いて検出することを含む。運動センサ(342)は、電子デバイス300の運動を検出することができ、一方でタッチセンサ(355)は、タッチセンサの作動の欠如を検出することができる。光センサ(407)は、受信周囲光の強度を検出することができ、1つ又は複数の近接センサ(308)又は温度センサ(412)のいずれかは、ほぼ共通の温度を判定することができる。
【0084】
電子デバイス300が収納コンテナ内に置かれていることを検出する関数の他の因子は、電子デバイス300がおおよその回転安定性を経験していることを示すパラメータデータによって、電子デバイス300の動作が定義されることを含む。運動センサ(342)は、このおおよその回転安定性を検出することができる。更に、関数は、所定の温度測定間隔中に、第1の位置又は第2の位置で発生するほぼ静的な温度とすることができる。他の因子が、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。有利なことに、本開示の実施形態は、このコンテナ内の状態を簡単に、素早く且つ正確に検出することができる。一実施形態において、運動センサ(342)、タッチセンサ(355)及び温度センサ(411)、又は代替として1つ又は複数の近接センサコンポーネント(340)を用いて、電子デバイス300の1つ又は複数のプロセッサ(316)は、電子デバイス300が収納コンテナ、例えばハンドバッグ601内に置かれていることを判定するために1つ又は複数の状態を検出する。ひとたび電子デバイス300が収納コンテナ内に置かれていることを1つ又は複数のプロセッサが(316)検出すると、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、制御動作を実行することができる。
【0085】
ここで図7を見ると、そこに示されているのは、2つの温度因子であり、それらは、電子デバイス300がハンドバッグ701又は他の収納コンテナ内に置かれているかどうかを判定する関数において、別々に又は組み合わせて用いることができる。図7に示されているように、一実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、温度センサ(412)又は代替として近接センサコンポーネント(340)を用いて、電子デバイス300の温度705を検出する[702]ことができる。この温度検出は、全体として、選択された位置(520、521)において、又は第1の端部(350)及び第2の端部(351)において、電子デバイス300用に行うことができる。
【0086】
一実施形態において、判定703で示されているように、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、電子デバイス300の第1の位置(520)の温度及び/又は電子デバイス300の第2の位置(521)の温度が、ほぼ共通の温度を示すかどうかを判定することができる。上記のように、一実施形態において、ほぼ共通の温度は、所定の範囲内にある温度差によって定義される。1つの実例的な実施形態において、温度差は、プラス又はマイナス華氏2度である。他の範囲が、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。温度705が、ほぼ共通の温度である場合に、これは、ユーザが、第1の端部(350)又は第2の端部(351)のいずれかを手に保持して、もう一方の端部が空中にある場合にあるだろう著しい差がないことを示すことができる。これは、電子デバイス300がハンドバッグ701内に置かれていることを示す。
【0087】
一実施形態において、判定704で示されているように、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、電子デバイス300の第1の位置(520)の温度及び/又は電子デバイス300の第2の位置(521)の温度が、ほぼ静的な温度を示すかどうかを判定することができる。一実施形態において、ほぼ静的な温度は、所定の温度測定間隔の間に所定の範囲内に留まる温度差によって定義される。例えば、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、第1の時刻に、電子デバイス300の第1の位置(520)で読み取れる温度及び/又は第2の位置(521)の温度を温度センサ(412)又は1つ又は複数の近接検出器コンポーネント(341)のいずれかから受信することができる。しばらくして、恐らく5秒、10秒、30秒、又は1分後に、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、第2の時刻に、電子デバイス300の第1の位置(520)で読み取れる別の温度及び/又は第2の位置(521)の温度を受信することができる。両方の温度読み取り値が、華氏2度、3度又は5度などの所定の範囲内にある場合に、このことは、ユーザが電子デバイス300を持ち上げているか、又は手から手へと渡している場合にあり得るような、電子デバイス300のハウジング(301)に沿った温度の著しい変化がないことを示すことができる。従って、このことは、電子デバイス300がハンドバッグ701内に置かれていることを確認することができる。
【0088】
ここで図8を見ると、次に、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、電子デバイス300のハウジング(301)に沿ったタッチセンサの作動の欠如802を検出する[801]ことができる。電子デバイス300が、ハンドバッグ701内に置かれている場合に、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、それに応じて、ユーザ800が電子デバイス300に接触していないことを検出する。
【0089】
ここで図9を見ると、そこに示されているのは、運動検出因子である。図9に示されているように、一実施形態において、電子デバイス300の1つ又は複数のプロセッサ(316)は、電子デバイス300の運動902を検出する[901]。次に、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、運動センサ(342)によって送出されるような運動902に対応する信号から、パラメータデータ904を抽出する[903]。次に、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、判定905に示されているように、運動903が、おおよその回転安定性を示すかどうかを判定することができる。一実施形態において、おおよその回転安定性は、任意の一軸を中心とする電子デバイス300の回転が、所定の閾値未満である場合に発生する。例えば、ハンドバッグ701において、電子デバイス300は、前後に揺れる可能性があるが、任意の一軸を中心に約15度を超えては回転しないであろう。従って、回転が、この範囲未満にとどまる場合に、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、ほぼ回転的に安定した状態が存在すると結論を下すことができる。他の範囲及び限度が、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0090】
ここで図10を見ると、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、受信周囲光1002の強度、及び/又は周囲光1002若しくは直射日光が電子デバイス300のハウジング(301)に入射するかどうかを、光センサ(407)を用いて検出する[1001]ことができる。もちろん、電子デバイス300がハンドバッグ701によって覆われている場合に、受信周囲光1002の強度は、1ルクス未満など、ルクスの所定の閾値未満になる。多くの場合において、周囲光1002は、ハウジング301には全く入射しない。現代の光センサは(407)は、受信される周囲光1002の強度を判定できる以上のものである。従って、1つ又は複数の実施形態において、電子デバイス300がハンドバッグ701内に置かれているという判定は、周囲光1002又は直射日光が、ハウジング301上に入射していないか、又は代替として1ルクスなどの所定の閾値未満であることを、光センサ(407)を用いて判定することを含むことができる。
【0091】
ここで図11を見ると、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、ハンドバッグ701が製造される材料である布地、織物材料、又は他の天然、合成若しくは混合層などの物体1102が、電子デバイス300を覆っているかどうかを判定する[1101]ことによって、電子デバイス300がハンドバッグ701にあることを任意選択的に更に確認することができる。この判定1101は、織物材料などの物体1102が、電子デバイス300の表面1104から所定の距離1103未満であることを示す信号を、1つ又は複数のプロセッサ(316)が、1つ又は複数の近接検出器コンポーネント(341)から受信し、それによって、電子デバイス300が物体1102によって覆われていることを示す場合に行うことができる。これが発生する場合に、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、電子デバイス300がハンドバッグ701内に置かれていることを更に確認することができる。電子デバイス300を覆っている物体1102のこの検出はまた、電子デバイス300が同様に接触されていない確認として働くことができる。
【0092】
上記で挙げた因子は、電子デバイス300がハンドバッグ701内に置かれているかどうかを判定する関数において単独で組み合わせて用いることができる。例えば、関数は、因子の1つ、2つ、3つ又は全てを考慮することができる。多くの因子を考慮することが、コンテナ内の状態の誤った検出を防ぐ際に手助けとなる。本開示の実施形態は、誤った検出によってユーザが受ける影響は最小限であるべきだと考える。従って、一実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、全ての因子を考慮する。しかしながら、因子のサブセットが、多くの用途において有用になり得る。
【0093】
図12を見ると、ステップ1201において、コンテナ内の状態が確認される。1つ又は複数の実施形態において、電子デバイス300の1つ又は複数のプロセッサ(316)は、ステップ1202において、ユーザ800の気分を任意選択的に判定することができる。例えば、図12のユーザ800は、ユーザの脈拍、皮膚温度、活動レベルなどを追跡できるコンパニオンウェアラブル装置1204を着用している。無線通信プロトコルを介して検索できるこの情報を用いて、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、ひとたびハンドバッグ内の状態が検出されると、電子デバイス300がどのように動作するかを更にカスタマイズするために、ユーザ800の気分を判定することができる。警報が、奇抜又は真面目になり得ることを上記から思い出されたい。ユーザがよい気分である場合に、1つ又は複数のプロセッサは、奇抜な通知を送出してもよい。しかしながら、人が非常にストレスを受けている場合、例えば、仕事に遅れ、ドアから出て走っている場合に、通知は、より事務的な文脈的な基準を有してもよい。
【0094】
ステップ1203では、コンテナ内又はハンドバッグ内の状態の検出に応じ、一実施形態において、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、制御動作1205を実行することができる。制御動作1205は、多くの形態をとることができる。ここで図13を見ると、そこに示されているのは、実行できる幾つかの可能な制御動作である。他の制御動作が、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0095】
一実施形態において、ステップ1203の制御動作1205は、オーディオ出力装置のボリュームを増加させる[1301]ことを含むことができる。例えば、ラウドスピーカのボリュームは、電子デバイス(300)が収納コンテナ内に囲まれている場合に、増加させることができる。
【0096】
別の実施形態において、ステップ1203の制御動作1205は、近くのコンパニオン電子デバイス(図12のウェアラブル装置(1204)など)を検出することと、利用可能な場合には、1つ又は複数のプロセッサ(316)と共に動作可能な通信回路(325)を用いて、遠隔電子デバイスからの着信電子通信をコンパニオン電子デバイスに転送する[1302]ことと、を含むことができる。例えば、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、電子デバイス(300)の近距離通信半径内に置かれた別の電子デバイスにオーディオ、ビデオ又はそれらの組み合わせを無線で送出することができる。従って、ユーザは、ハンドバッグ(701)から電子デバイスを取り出す必要なしに、別のローカル装置、例えばパーソナルコンピュータにおける電子デバイスのディスプレイ上に通常提示される情報を見ることが可能である。
【0097】
別の実施形態において、近くの電子デバイスは、車両におけるオーディオ、ビデオ又は通信システムを含んでもよい。例えば、ユーザは、オーディオ出力装置、ビデオ出力装置、又はOn−Star.sup.TM安全システム若しくは携帯電話などの内蔵通信装置を有する車両にいる可能性がある。一実施形態において、ハンドバッグ(701)にある場合に、転送1302は、車両システムの1つ又は複数を検出することと、利用可能な場合には、オーディオ、ビデオ又はそれらの組み合わせを車両内に置かれた別の電子デバイスに無線で送出することと、を含むことができる。
【0098】
代替実施形態において、デバイスは、通信制御を転送してもよい。例えば、ユーザが車両にいて、電子デバイスがハンドバッグ(701)にある場合に、転送1302は、近くの電子デバイスを検出すること、及び補完装置(complementary device)に機能を転送することを含むことができる。この例において、電子デバイス(300)は、電子デバイス(300)がハンドバッグ(701)にあり、且つハンドバッグ(701)が車両にある間に、電話機能を車両の内蔵電話システムに転送してもよい。電子デバイス(300)がハンドバッグ(701)から取り出された場合、又はユーザが車両を出る場合に、電子デバイス(300)は、コンテナの包蔵故に委ねられたどんな機能も回収することができる。
【0099】
別の実施形態において、ステップ1203の制御動作1205は、電子デバイス(300)の1つ又は複数のラウドスピーカの出力通知を調整する[1303]ことを含むことができる。例えば、ユニークな着信音が、ハンドバッグ内の動作モード用に選択され得る。選択された着信音は、収納コンテナが作製される高密度材料を通して一層聞きとれるようにしてもよい。別の実施形態において、ステップ1203の制御動作1205は、電子デバイス(300)の振動モードを作動させる[1304]ことを含むことができる。更に別の実施形態において、ステップ1203の制御動作1205は、電子デバイスによって放射される警報音のピッチ、トーン、スペクトル内容、パターン、音色、又はそれらの組み合わせの1つ又は複数を調整する[1305]ことを含むことができる。例えば、着信音は、収納コンテナの壁をよりよく貫通するために、スペクトル的に変更することが可能である。
【0100】
別の実施形態において、ステップ1203の制御動作1205は、運動センサ(342)を監視する[1306]こと、及び所定の運動を検出することを含むことができる。ひとたび所定の運動が検出されると、ステップ1203の制御動作1205は、電子デバイス(300)がハンドバッグ(701)内に置かれているという通知をラウドスピーカなどの出力装置を用いて送出する[1307]ことを更に含むことができる。例えば、一実施形態において、所定の運動は、タップ又はダブルタップを含む。かかる実施形態において、通知は、「君は僕を見つけたよ!」という可聴メッセージを含むことができる。従って、ユーザ(800)は、ハンドバッグ(701)の側面をダブルタップして、ダブルタップは、この所定の運動を運動センサ(342)に検出させる。次に、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、「君は僕を見つけたよ!」と言うメッセージを、ラウドスピーカを通して出すことができる。これは、ユーザ(800)が、ハンドバッグ(701)を開ける必要なしに、電子デバイス(300)がハンドバッグ(701)内に置かれていることを判定できるようにする。通知は、もちろん、電子デバイス(300)がハンドバッグ(701)にあることをユーザ(800)に通知するための振動、警報音又は他の表示を含む他の形態をとることができる。
【0101】
別の実施形態において、ステップ1203の制御動作1205は、1つ又は複数の通知メッセージを送信する[1308]ことを含むことができる。例えば、着信メッセージ又は呼が受信された場合に、ハンドバッグ内の状態故に着信通信が受信されたことにユーザ(800)が気づいていない可能性があることを示す自動通知が返されてもよい。
【0102】
更に別の実施形態において、ステップ1203の制御動作1205は、音声メールメッセージを変更する[1309]こと、又は着信通信への自動応答を送信する[1310]ことを含むことができる。予め記録される音声メールメッセージは、「僕は手があいていますが、手に電話を持っていません」から「僕は電話に出ることができません」に変えられてもよい。音声メールメッセージにおけるかかる変更は、一実施形態において、予想された文脈データとの文脈データ比較に依存してもよい。
【0103】
別の実施形態において、ステップ1203の制御動作1205は、新しい動作モードを作動させる[1311]ことを含むことができる。例えば、ステップ1203の制御動作1205は、電子デバイス(300)に省電力動作モードに移行させることを含むことができる。代替として、ユーザ(800)の近くに位置するオーディオ又はビデオ出力装置を見つけるために、近距離通信モードが開始されてもよい。更に別の実施形態において、電子デバイスがコンテナ内にある場合に、センサ又は電子コンポーネントが停止され得る[1312]。例えば、電子デバイスのディスプレイは、デバイスがハンドバッグ(701)から取り出されるまでオフにされてもよい。
【0104】
上記の例は、単に実例である。別の実施形態において、ステップ1203の制御動作1205はまた、同様に電子デバイス(300)のユーザインターフェース装置(311)をロックする[1413]ことを含むことができる。
【0105】
ハンドバッグ(701)が静止している場合に、どんな着信メッセージも、ユーザ(800)によって聞かれないか又は見逃される可能性がある。例えば、ユーザ(800)が離れており、且つハンドバッグ(701)が単独で静止して置かれている場合に、ユーザ(800)は、着信通信を聞かない可能性がある。従って、別の実施形態において、ステップ1203の制御動作1205は、運動センサ(342)を監視する[1306]ことを含むことができる。遠隔電子デバイスからの着信通信が受信された後で、運動センサ(342)は、ユーザ(800)がハンドバッグ(701)をつかむなどの所定の運動を検出することができる。これが発生すると、ステップ1203の制御動作1205は、着信通信が受信されたという通知を、出力装置を用いて送出する[1315]ことを更に含むことができる。従って、ユーザ(800)が再びハンドバッグ(701)をつかむと、これは、運動センサ(342)によって検出され、電子デバイス(300)は、ユーザ(800)が今や通知を聞くことができると期待して、受信メッセージの警報を再び且つ恐らくより大きく告知する。
【0106】
他のステップが、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。例えば、電子デバイス(300)が、多数のマイクロホンを含む場合に、ステップ1203の制御動作1205は、最も不明瞭でないか又は最高の性能を提供するマイクロホンをアレイから選択することを含むことができる。ステップ1203の制御動作1205は、タッチセンシティブディスプレイをイネーブル又はディスエーブルにすること、ユーザインターフェース又はディスプレイのバックライト機能をオフにすること、不必要な特徴又は機能をオフにすること、無線リンクをディスエーブルにすることなどを含むことができる。1つ又は複数の実施形態において、ステップ1203の制御動作1205は、電子デバイスが、収納コンテナ内に完全に置かれている場合にのみ行われる。何故なら、部分的に覆われたデバイスは、オペレーティングモードを変更せずに通常通りに動作し得るからである。
【0107】
1つ又は複数の実施形態において、電子デバイス(300)の1つ又は複数のプロセッサ(316)は、収納コンテナ内にある場合に、収納コンテナが開いていることを更に判定することができる。ここで図14を見ると、そこに示されているのは、この判定を行うための1つの方法1400である。ステップ1401、1402、1403は、それぞれ、1つ又は複数のセンサを用いて、収納コンテナが開いていることを示す状態を検出する可能な方法を提供する。これらのステップ1401、1402、1403は、選択的に又は組み合わせて実行することができる。
【0108】
ステップ1401において、方法1400は、受信周囲光(1002)の強度が、所定の閾値の上に移行することを判定することを含む。例えば、電子デバイス(300)が、閉じているハンドバッグ(701)内に置かれている場合に、周囲光(1002)は、光センサ(407)に達しない。しかしながら、ハンドバッグ(701)が開いている場合に、幾らかの光が入る。所定の閾値が、例えば1ルクスに設定されている場合に、このことは、受信周囲光(1002)の強度を、判定1404で判定されるように閾値以上に上昇させ、それによって、ハンドバッグ(701)が開けられたことを示す。
【0109】
ステップ1402において、方法1400は、電子デバイス(300)の所定の熱放射範囲内に移動する熱物体を検出することを含む。多くの例において、ユーザ(800)が、ハンドバッグ(701)などの収納コンテナを開けた場合に、ユーザは、物体を引き出すために、自分の手をハンドバッグ(701)内に直観的に突っ込む。熱を放射するユーザの手は、熱物体を構成する。近接センサコンポーネント(340)によって検出され、且つ判定1406において判定されるように、この熱物体が、電子デバイス(300)の所定の熱放射範囲内に入った場合に、このことは、コンテナが開けられたことを示す。
【0110】
ステップ1403において、方法1400は、所定の閾値を超えて発生する周囲温度変化を検出することを含む。本開示の実施形態は、収納コンテナが開いている場合に、空気が流入するために温度の突然の変化が存在し得ると考える。1つ又は複数の実施形態において、温度センサ(412)又は近接センサコンポーネント(340)の1つ又は複数は、この温度変化を検出し、3又は4度などの所定の閾値を超えているかどうかを判定1406で判定することができる。3又は4度などの所定の閾値を超えていると判定した場合、このことは、収納コンテナが開けられたことを示す。
【0111】
1つ又は複数の実施形態において、収納コンテナが開けられた場合に、方法1400は、ステップ1408において、別の制御動作1407を1つ又は複数のプロセッサ(316)によって実行することを含むことができる。ステップ(1203)の制御動作(1205)と同様に、ステップ1408の制御動作1407は、様々な形態をとることができる。ここで図15を見ると、そこに示されているのは、幾つかの例である。更に他の例が、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0112】
一実施形態において、ステップ1408の制御動作1407は、多くのオーディオ出力装置のボリュームを低下させる[1501]ことを含む。例えば、図12のステップ(1203)においてコンテナ内又はハンドバッグ内の状態が検出されると、制御動作(1205)は、オーディオ出力装置のボリュームを増加させる[1301]ことを含むことができる。例えば、ラウドスピーカのボリュームは、電子デバイス(300)が収納コンテナで囲まれている場合に、増加させることができる。従って、コンテナが開いている場合に、ステップ1408の制御動作1407は、オーディオ出力装置のボリュームを低下させる[1501]ことを含む。
【0113】
別の実施形態において、ステップ1408の制御動作1407は、電子デバイス(300)が収納コンテナ又はハンドバッグ(701)内に置かれているという通知を出力装置を用いて送出する[1502]ことを含むことができる。通知は、「やあ、バスター、僕は君の電話だよ。僕は君のハンドバッグに隠れている。僕を見つけたよ!」という可聴メッセージを含んでもよい。他の通知が、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0114】
1つ又は複数の実施形態において、この通知は、任意選択的に、ユーザの手などの熱物体と電子デバイス(300)との間の距離の関数とすることができる。ユーザ(800)が、ハンドバッグ(701)などの収納コンテナを開ける多くの例において、ユーザが、物体を取り出すために、ハンドバッグ(701)に自分の手を直観的に突っ込むということを上記から思い出されたい。熱を放射するユーザの手は、熱物体を構成する。この熱物体が、電子デバイス(300)の所定の熱放射範囲内に入ると、それは、近接センサコンポーネント(340)によって検出することができる。1つ又は複数の実施形態において、ステップ1408の制御動作1407の一部として送出される[1502]通知は、手がますます接近するにつれて変化することができる。一実施形態において、ハンドバッグ(701)の中に入り込む接近する手は、ユーザ(800)が、見ることなしに電子デバイス(300)に集中できるように、接近する手と電子デバイス(300)との間の距離の関数として、通知のピッチ/パターン/レベル/タイプを変更するドップラー効果を備えたソナータイプ警報にする。
【0115】
更に別の実施形態において、ステップ1408の制御動作1407は、電子デバイス(300)によって放射される警報音のピッチ、トーン、スペクトル内容、パターン、音色又はそれらの組み合わせの1つ又は複数を調整する[1504]ことを含むことができる。例えば、着信音は、耳をつんざくような大きな音から柔らかな楽音に変更することが可能である。
【0116】
ハンドバッグ(701)が、例えば車で移動している場合に、ユーザ(800)が、電子デバイス(300)を操作することによって応答することは適切ではない場合がある。従って、別の実施形態において、ステップ1408の制御動作1407は、運動センサ(342)を監視する[1505]ことを含むことができる。遠隔電子デバイスからの着信通信が受信され、且つハンドバッグ(701)が開いている場合に、ステップ1408の制御動作1407はまた、1つ又は複数のプロセッサ(316)と共に動作可能な通信回路(325)を用いて、車両オーディオシステムなど、電子デバイス(300)の近距離通信半径内に置かれた別の電子デバイスに着信電子通信を転送する[1506]ことを含むことができる。上記の図13と同様に、他のステップが、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0117】
幾つかの例において、身体的感覚が、可聴通知より好まれる可能性がある。例えば、人が、静かな環境にいて、ぎっしり詰まったハンドバッグ内に置かれている電子デバイス(300)を素早く見つける必要がある可能性がある。従って、更に別の実施形態において、制御動作1407は、触覚又は振動警報を送出する[1506]ことを含むことができる。例えば、制御動作1407は、例えば1つ又は複数の近接センサが、所定の熱放射範囲内でユーザの手を検出した場合に、触覚又は振動出力を送出するために、運動生成装置を作動させることを含むことができる。これは、人が、見ることも他の人を妨げることもなしに、ハンドバッグにおける電子デバイス(300)を見つけるための迅速で容易な方法を提供する。
【0118】
別の実施形態において、電子デバイス(300)を素早く見つけることができるように、ハンドバッグ内に光を有することが助けになり得る。従って、別の実施形態において、制御動作1407は、電子デバイス(300)上のカメラフラッシュ又は懐中電灯などの明かり1507をオンにすることを含むことができる。かかる制御動作1407は、ユーザの乱雑なハンドバッグにおいて、ユーザが他の品物を捜すのを支援することができる。
【0119】
図16〜18は、本開示の1つ又は複数の実施形態に従って構成された使用中の電子デバイス300を示す少数の使用事例を示す。図16から始めると、ハンドバッグ601を身につけたユーザ600が示されている。ハンドバッグ601は、閉じられている。電子デバイス300が、ハンドバッグ601内に置かれ、温度センサ(412)又は近接センサコンポーネント(340)を用いて、電子デバイス300に沿った多数の位置で均一な温度を検出する。更に、温度センサ(412)又は近接センサコンポーネント(340)は、電子デバイス300が接触されている場合にあり得るようには温度が変化していないことを検出する。光センサ(407)は、周囲光(1002)が受信されていないので、ハンドバッグ601内の環境が暗いことを検出する。タッチセンサ(355)は、電子デバイス300のハウジング(301)が接触されていないことを示す指接触の欠如を検出する。運動センサ(342)は、電子デバイス300が、歩いているときのユーザの手1601にあるか、手の間で置き換えられているか、又は平面テーブルからユーザの手1601に移されている場合にあり得るような著しい回転が発生していないことを示す。これらの動作のどれも、電子デバイス300の方位を上下から角度などに変化させることになろう。対照的に、電子デバイス300がハンドバッグ601内に置かれている場合に、その方位は、比較的同じままである。これらの状態を与えられると、電子デバイス(300)の1つ又は複数のプロセッサ(316)は、ハンドバッグ内の状況を検出する。
【0120】
図16に示されているように、ユーザ600は、ハンドバッグ601の側面にダブルタップ1602を加える。1つ又は複数のプロセッサ(316)は、この所定の運動を運動センサ(342)を用いて検出する。一実施形態において、所定の運動を検出すると、1つ又は複数のプロセッサ(316)は、出力装置を用いて、通知1603をユーザ600に送出する。一実施形態において、通知1603は、電子デバイス300が、ハンドバッグ601内に置かれていることを示す。別の実施形態において、通知1603は、着信電子通信が受信されたことを示す。他のタイプの通知が、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0121】
ここで図17を見ると、別のユーザ800が、ハンドバッグ内の状態が検出された後で、電子デバイス300が内部に置かれたハンドバッグ701を開けた[1701]。上記のように、ハンドバッグ701が開けられた[1701]という事実は、幾つかの方法で検出することができる。一実施形態において、ハンドバッグ701が開けられた[1701]場合に、温度センサ(412)又は近接センサコンポーネント(340)の1つ又は複数によって検出される温度の突然の変化がある。代替として、ハンドバッグ701が開けられた[1701]という事実は、近接センサコンポーネント(340)によって検出されるように、接近する手がハンドバッグ701に入り込む場合に検出することができる。代替として、周囲光(1002)の流入が、光センサ(407)によって検出されてもよい。
【0122】
1つ又は複数の実施形態において、電子デバイス300の1つ又は複数のプロセッサ(316)が、ハンドバッグ701が開けられたことを検出した場合に、通知1702が、出力装置を用いてユーザ800に送出され得る。例えば、通知1702は、電子デバイス300がハンドバッグ701内に置かれていることをユーザ800に警報することができる。代替として、通知1702は、前に説明したように、ユーザ800が、見ることなしに電子デバイスの位置に集中できるようにするために、接近する手に応じてソナータイプの警報を鳴らすことができる。別の実施形態において、通知1702は、見逃されたメッセージのユーザ800に初めて警報を出すことができる。別の実施形態において、通知1702は、ユーザ800が通知1702を聞くことを期待して、受信メッセージの警報を再び且つ恐らくより大きな音で知らせることができる。他のタイプの通知が、本開示の利益を有する当業者には明らかになろう。
【0123】
図18において、ハンドバッグ内の状態が検出された後で、ユーザ800は、電子デバイス300が内部に置かれたハンドバッグ701を開けた[1701]。次に、ユーザ800は、自分の手1801をハンドバッグ701に入れる。上記のように、ハンドバッグ701が開けられた[1701]という事実は、接近する手1801がハンドバッグ701内に入り込んだ場合に、近接センサコンポーネント(340)によって検出することができる。1つ又は複数の実施形態において、電子デバイス300の1つ又は複数のプロセッサ(316)が、ハンドバッグ701が開けられたことを検出した場合に、通知が、出力装置を用いてユーザ800に送出され得る。一実施形態において、通知は、電子デバイス300の熱放射範囲内で手1801を検出する近接センサコンポーネント(340)に応じて、運動生成装置によって生成される振動又は触覚打撃などの身体的な警報1802を含む。これは、人が、見ることなしにハンドバッグ内で電子デバイス300を見つける迅速で容易な方法を提供する。1つ又は複数のプロセッサ(316)は、身体的な警報1802を単独で又は可聴出力などの他の出力と組み合わせて送出するために運動生成装置を作動させるように構成することができる。
【0124】
前述の明細において、本開示の特定の実施形態が説明された。しかしながら、当業者は、以下の特許請求の範囲に明記されているような本開示の範囲から逸脱せずに、様々な修正及び変更を行うことができることを理解されよう。従って、本開示の好ましい実施形態が、示され説明されたが、本開示が、そのように限定されないことは明らかである。次の特許請求の範囲によって定義されるような本開示の趣旨及び範囲から逸脱せずに、多数の修正、変更、変形、置換及び均等物が、当業者に生起するであろう。従って、明細及び図は、限定的な意味ではなく実例と見なされるべきであり、全てのかかる修正は、本開示の範囲内に含まれるように意図されている。いずれかの利益、利点、又は解決策を発生させるか又はより顕著にさせ得る利益、利点、問題の解決策、及びいずれかの要素は、いずれか又は全ての請求項の不可欠の、必要とされる、又は本質的な特徴若しくは要素として解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
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図10
図11
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図18