(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、登録されるICカードごと、または登録されるICカードのグループごとに管理用ICカードが存在すると、ICカードの数やグループ数が多い場合には、管理用ICカードの数が膨大になる。したがって、管理用ICカードの管理が煩雑であり、コストも増大する。また、管理者は多数の管理用ICカードを管理するため、誤って他の管理用ICカードを用いる可能性もある。さらに、ICカードが複数のグループに所属する場合、その複数のグループのうちの一部のグループへの所属のみを解除するのは困難であるため、通常は無効化によって全てのグループへの所属が解除されてしまい、必要なグループに再度所属させるためには、煩雑な管理を伴う。
【0006】
そこで、本発明は、認証用タグを紛失しても、その無効化を容易に行うことができる上に、認証用タグの管理を簡易にする認証登録・無効化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明にかかる認証登録・無効化装置は、認証用タグおよび操作用タグを含むRFIDタグのうち、前記認証用タグを、前記操作用タグを用いて認証登録または認証無効化する装置であって、認識エリア内に位置するRFIDタグからの信号を受信するRFIDリーダと、前記RFIDリーダが受信する信号に基づいて、前記認識エリア内に位置するRFIDタグを認識するRFIDタグ認識手段と、前記認識エリア内の操作用タグが発信した登録指示を含むRFID信号を前記RFIDリーダが受信して未だ登録可能モードに設定されていない場合には、操作モードを登録可能モードに設定し、この登録可能モードの設定後で前記操作モードが前記登録可能モードの間に、前記RFIDタグ認識手段が認証用タグを認識すると、この認証用タグを、操作対象認証用タグとし、ある一のグループのみに所属させる登録手段と、前記認識エリア内の操作用タグが発信した無効化指示を含むRFID信号を前記RFIDリーダが受信して未だ無効化可能モードに設定されていない場合には、前記操作モードを無効化可能モードに設定し、この無効化可能モードの設定前、または設定後で前記操作モードが前記無効化可能モードの間に、前記RFIDタグ認識手段が認証用タグを認識すると、この認証用タグを無効化するか、またはこの認証用タグが所属するグループに所属する全ての認証用タグを無効化する無効化手段とを備える。
【0008】
ここで、「認証用タグ」と「操作用タグ」は、例えば、それらが発信するRFID信号に認証用タグまたは操作用タグであることを示す識別子を含み、RFIDリーダで認証用タグと操作用タグのいずれから発信されたRFID信号であるかを判定できるようにしてもよい。
【0009】
また、「グループ」は、任意に設定が可能である。グループの例として、企業であれば部署がグループに相当してもよく、マンションであれば部屋(賃貸や分譲の単位)がグループに相当してもよい。グループが部署の場合、その構成員である社員がそれぞれ同一グループに所属する認証用タグが内蔵されたICカードを所持する。グループがマンションの部屋の場合、同一の部屋の住人(同居人)がそれぞれ同一グループに所属する認証用タグが内蔵されたICカードを所持する。
【0010】
また、「登録指示」と「無効化指示」は、単一の操作用タグが発信するRFID信号を切替えることで、そのRFID信号に含めるようにしてもよい。代わりに、登録のための操作用タグと無効化のための操作用タグとが別個のものであってもよい。
【0011】
さらに、「無効化可能モードの設定前」とは、ある時点からこのモードを設定する時点までの期間であって、これらモードの設定時点も含む。一方、「登録可能モードの設定後」および「無効化可能モードの設定後」とは、これらモードの設定時点直後からこれらモードが終了するまでの期間である。特に、RFIDタグが、電池を内蔵する、セミアクティブ型またはアクティブ型で、RFIDリーダが認証用タグと操作用タグのRFID信号を同時に受信できる場合には、このモードの設定時点においてその認証用タグを認識する場合に、「無効化可能モードの設定前」に認証用タグを認識したとするのが好ましい。一方、RFIDタグが電池を内蔵しないパッシブ型の場合、RFIDリーダは認証用タグと操作用タグのRFID信号を同時に受信できないため、このモードの設定時点よりも所定期間前の時点から設定時点までの間に瞬間的に認証用タグを認識する場合でも、「無効化可能モードの設定前」に認証用タグを認識したとする。
【0012】
なお、登録手段が「認証用タグをある一のグループに所属させる」ことには、未登録の認証用タグを一の新規グループに所属させて登録することと、未登録の認証用タグを一の既存グループに所属させて登録することと、既登録の認証用タグを一の新規グループに所属させることと、既登録の認証用タグを別の一の既存グループに所属させることとの4種類の場合が含まれる。
【0013】
この構成によれば、登録手段では認証用タグをある一のグループのみに所属させ、複数のグループに所属させるわけではないため、認証用タグとグループは必ず一対一に対応し、認証用タグとグループとの対応関係を管理者は容易に把握できる。仮に認証用タグが複数のグループに所属する場合、パーソナルコンピュータのディスプレイなどによって、認証用タグとグループとの対応関係を表示して管理者がそれを確認する必要があるが、認証用タグが一のグループのみに所属するため、このような表示は不要である。
【0014】
また、認証用タグは必ず一のグループに所属するため、認証用タグを含むICカードが紛失した場合には、その認証用タグが所属するグループに所属する全ての認証用タグを無効化することで、容易に紛失した認証用タグを無効化できる。なお、このようにICカードの紛失に備えて、各グループには、好ましくは、2つ以上の認証用タグが所属する。
【0015】
さらに、操作用タグからの指示に応じて、操作モードが登録可能モードまたは無効化可能モードに設定され、登録可能モードでは認識された認証用タグを一のグループに所属させ、無効化可能モードでは認識された認証用タグを無効化するか、またはこの認証用タグが所属するグループに所属する全ての認証用タグを無効化するので、操作用タグは、この認証登録・無効化装置に1つあればよく、グループごとの操作用タグは不要である。したがって、操作用タグの管理が煩雑になることはない。
【0016】
好ましい実施形態によれば、前記無効化手段が前記認証用タグを無効化するかまたは前記認証用タグが所属するグループに所属する全ての認証用タグを無効化するかは、前記無効化可能モードの設定前と、設定後で前記操作モードが前記無効化可能モードの間のいずれに前記RFIDタグ認識手段によって前記認証用タグが認識されたかに応じる。
【0017】
このように、無効化可能モードの設定前と設定後のいずれに認証用タグが認識されたかに応じて無効化する認証用タグが異なるため、モードの設定と認証用タグの認識の順序を変更するだけで、多様な無効化に対応できる。したがって、単一の操作用タグが無効化指示を含むRFID信号を発信できさえすれば、1つの認証用タグの無効化とグループに所属する全ての認証用タグの無効化の両方が可能となる。なお、単一の操作用タグは登録指示と無効化指示を含むRFID信号を発信できるものでも、登録指示用の単一の操作用タグと無効化指示用の単一の操作用タグからなるものであってもよい。
【0018】
好ましい実施形態によれば、前記登録可能モードの設定前に、前記RFIDタグ認識手段によって前記操作対象認証用タグとは別の既登録認証用タグが認識されたか否かに応じて、前記登録手段が前記操作対象認証用タグを所属させる前記ある一のグループは、前記別の既登録認証用タグが所属する一のグループと新規な一のグループのいずれかに分類される。
【0019】
ここで、「登録可能モードの設定前」とは、ある時点からこのモードを設定する時点までの期間であって、これらモードの設定時点も含む。特に、RFIDタグが、電池を内蔵する、セミアクティブ型またはアクティブ型で、RFIDリーダが認証用タグと操作用タグのRFID信号を同時に受信できる場合には、好ましくは、このモードの設定時点を指す。そのため、登録可能モードの設定前に別の既登録認証用タグを認識するかしないかは、好ましくは、このモードの設定時点においてその既登録認証用タグを認識するかしないかによる。一方、RFIDタグが電池を内蔵しないパッシブ型の場合、RFIDリーダは認証用タグと操作用タグのRFID信号を同時に受信できないため、このモードの設定時点よりも所定期間前の時点から設定時点までの間に瞬間的に認証用タグを認識する場合に、「登録可能モードの設定前」に認証用タグを認識したとする。
【0020】
このように、登録可能モードの設定前に操作対象認証用タグとは別の既登録認証用タグが認識されたかに応じて所属させるグループが異なるため、別の既登録認証用タグがあるかないかだけで、多様な登録に対応できる。したがって、単一の操作用タグが登録指示を含むRFID信号を発信できさえすれば、認証用タグは異なるグループへの所属が可能である。
【0021】
前記登録可能モードまたは前記無効化可能モードは、前記操作モードが前記登録可能モードまたは前記無効化可能モードの間に、前記認識エリア内の操作用タグが発信するRFID信号から登録指示または無効化指示がなくなった時点で終了してもよい。代わりに、前記登録可能モードまたは前記無効化可能モードは、その設定から所定時間後に終了してもよい。
【0022】
別の好ましい実施形態によれば、前記無効化手段は、前記無効化可能モードの設定前に前記RFIDタグ認識手段が既登録認証用タグを認識すると、この既登録認証用タグが所属するグループに所属する全ての認証用タグを無効化し、前記無効化可能モードの設定後で前記操作モードが前記無効化可能モードの間に前記RFIDタグ認識手段が既登録認証用タグを認識すると、この既登録認証用タグを無効化する。
【0023】
このように、無効化可能モードの設定前に既登録認証用タグが認識されると、この既登録認証用タグが所属するグループに所属する全ての認証用タグを無効化するため、認証用タグが紛失した場合でも、その紛失した認証用タグと同一のグループに所属する認証用タグを用いて一旦そのグループに所属する全ての認証用タグを無効化し、その後、紛失したタグ以外の無効化された認証用タグを同一のグループに所属させて登録することで、紛失した認証用タグのみを容易に無効化できる。また、認証用タグを紛失した場合に限らず、既登録認証用タグの所持者が不在の場合でも、その既登録認証用タグを用いずに同様の方法で無効化できる。その一方、無効化可能モードの設定後のそのモードの間に既登録認証用タグが認識されると、この既登録認証用タグのみが無効化される。すなわち、単一の認証用タグを、その認証用タグを用いても用いなくても無効化できる。
【0024】
さらに好ましい実施形態によれば、前記登録手段は、前記登録可能モードの設定前に前記RFIDタグ認識手段が前記別の既登録認証用タグを認識せず、前記RFIDタグ認識手段が前記操作対象認証用タグとして未登録認証用タグを認識すると、この未登録認証用タグを、新規な一のグループに所属させ、前記登録可能モードの設定前に前記RFIDタグ認識手段が前記別の既登録認証用タグを認識し、前記RFIDタグ認識手段が前記操作対象認証用タグとして未登録認証用タグを認識すると、この未登録認証用タグを、前記別の既登録認証用タグが所属する一のグループに所属させ、前記登録可能モードの設定前に前記RFIDタグ認識手段が前記別の既登録認証用タグを認識せず、前記RFIDタグ認識手段が前記操作対象認証用タグとして既登録認証用タグを認識すると、この既登録認証用タグを、その時点で所属しているグループへの所属は解除して、そのグループとは別の新規な一のグループに所属させ、前記登録可能モードの設定前に前記RFIDタグ認識手段が前記別の既登録認証用タグを認識し、前記RFIDタグ認識手段が前記操作対象認証用タグとして既登録認証用タグを認識すると、この既登録認証用タグを、その時点で所属しているグループへの所属は解除して、前記別の既登録認証用タグが所属する一のグループに所属させる。
【0025】
これによれば、未登録認証用タグであるか既登録認証用タグであるかにかかわらず既存グループに所属させるには、単にそのグループに所属する別の既登録認証用タグを登録可能モードの設定前に認識させればよい。したがって、簡易な操作で既存グループに認証用タグを所属させることができる。一方、未登録認証用タグであるか既登録認証用タグであるかにかかわらず、登録可能モードの設定前に別の既登録認証用タグが認識されなければ、新規な一のグループへの所属となる。したがって、認証用タグの現在の登録状況とは無関係に、認証用タグを容易に新規なグループに所属させることができる。
【0026】
さらに好ましくは、前記登録可能モードの設定前に前記RFIDタグ認識手段によって前記別の既登録認証用タグが認識された場合に、前記登録手段が、前記操作モードを登録可能モードに設定するのは、前記登録可能モードの設定前に前記RFIDタグ認識手段によって認識される前記別の既登録認証用タグが1つの場合と、当該別の既登録認証用タグが複数で全て同一のグループに所属する場合とのいずれか一方の場合のみである。これによれば、異なるグループに所属する既登録認証用タグが登録可能モードの設定前に認識されると、登録可能モードの間に認識されたタグを前記異なるグループのうちのいずれのグループに所属させるべきか選択できないため、そのような場合には登録手段による処理が行われないようにする。
【0027】
さらに好ましくは、前記無効化可能モードの設定前に既登録認証用タグが認識された場合に前記無効化手段が前記操作モードを無効化可能モードに設定するのは、前記無効化可能モードの設定前に前記RFIDタグ認識手段によって認識される既登録認証用タグが1つの場合と、当該既登録認証用タグが複数で全て同一のグループに所属する場合とのいずれか一方の場合のみである。これは、別個の異なるグループに所属する既登録認証用タグが無効化可能モードの設定前に認識された場合に、一方の認証用タグが、無効化の対象ではなく、たまたま認識エリア内に位置する場合があるからである。すなわち、これによれば、無効化の対象ではない既登録認証用タグが所属するグループの全ての認証用タグを無効化することを防止して、無効化の対象である既登録認証用タグが所属するグループのみの全ての認証用タグを無効化できる。
【0028】
好ましくは、さらに、前記RFIDタグ認識手段が認識したRFIDタグのうち、認証用タグについて、前記登録・無効化手段が設定した状態に基づいて、認証登録されているか否かを判定する認証手段と、前記認証手段が認証登録されていると判定すると、認証登録されている旨の結果を出力する認証通知手段とを備える。すなわち、本認証登録・無効化装置は、認証装置によって実現されている。したがって、認証装置とは別個に認証登録・無効化のための装置を設ける必要がない。
【0029】
好ましくは、前記認証通知手段が前記結果を出力することによって、開閉手段の開放が許可される。前記開放手段は、例えば、自動式または手動式のドアやシャッタである。代わりに、前記認証通知手段が前記結果を出力することによって、例えば、ランプが点滅されて報知されるものであってもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明の認証登録・無効化装置によれば、認証用タグを紛失しても、その無効化を容易に行うことができる上に、認証用タグの管理を簡易にできる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一実施形態に係る認証登録・無効化装置について図面に基づいて説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る認証登録・無効化装置1を示す。この認証登録・無効化装置1は、人間によって携帯されたRFIDタグが認証登録されているか否かを判定する認証装置自体に、認証登録・無効化のための機能を組み込むことによって実現されている。
【0033】
本認証登録・無効化装置1は、例えば、企業の建物における重要な出入口やマンションの出入口に設置されており、RFIDタグが認証登録されていると判定した場合にのみ、出入口に設けたドア5のような開閉手段の開放を、制御装置6を介して許可する。
図2に示すように、認証登録・無効化装置1は、例えば、両開き自動ドア5の周辺の壁51に取付けられる。なお、開閉手段5としては、シャッタであってもよく、その他、認証した場合に開放が許可されるものであれば、自動か手動かにかかわらずいかなるものであってもよい。
【0034】
図1に戻って、認証登録・無効化装置1は、RFIDリーダ2および処理部3を備える。RFIDリーダ2は、
図3に示すように、認識エリアA内のRFIDタグ10からのRFID信号(電波)を受信する。認識エリアA内には、複数のRFIDタグ10が位置できる。これら複数のRFIDタグ10が認識エリアA内で定期的に発信するRFID信号には、各RFIDタグ10に固有のID情報が含まれる。RFIDリーダ2は、これら複数のRFIDタグ10からのRFID信号を受信する。なお、認識エリアAは、認証登録・無効化装置1が認証装置として機能している際には、認証エリアとなる。
【0035】
本実施形態において、RFIDタグ10は、電池を内蔵し、起動源によって起動される起動エリア内でのみ自ら電波を発信するいわゆるセミアクティブ型である。
【0036】
RFIDタグ10がいわゆるセミアクティブ型であるため、認識エリアAを構成するトリガ磁界を発生する磁界発生手段21が存在する。磁界発生手段21は、トリガコイル21aおよびこのトリガコイル21aに磁界を発生させるトリガユニット21bとからなる。
図2に示すように、トリガコイル21aは例えば建物の外側のドア5近傍の床に埋め込まれ、トリガユニット21bは壁51に取付けられ、図示しない配線でトリガコイル21aに接続される。
【0037】
図3において、RFIDタグ10は認証用タグ10aと操作用タグ10bのいずれか一方に分類される。認証用タグ10aは認証に用いられる。したがって、権限を有する人物は、認証登録された認証用タグ10aが内蔵されたICカードのような被認証物を携帯する。ただし、RFIDタグ10がいわゆるセミアクティブ型の場合、この被認証物はカード形状に限定されず、携帯しやすい形状からなるものであれば、いかなるものであってもよい。
【0038】
操作用タグ10bは、
図4に示すように、人間の掌に収まる程度の寸法からなる指示装置40内に内蔵されている。指示装置40は、切替用ボタン41および指示用ボタン42を有する。切替用ボタン41は登録、無効化および終了を切り替えるためのボタンであり、このボタンの押下により、指示用ボタン42の指示が登録、無効化および終了の間で切り替えられる。指示用ボタン42は、切替用ボタン41による切替えに応じて、登録可能モードの設定、無効化可能モードの設定または登録可能モードもしくは無効化可能モードの終了を指示するためのボタンである。
【0039】
指示装置40は、また、LEDランプなどからなる報知手段43を有する。LEDランプ43は、点滅などによって、この指示装置40の操作者に、ボタン41,42の操作が実行されたことを報知する。
【0040】
なお、RFIDタグ10(
図3)が操作用タグ10bであるか認証用タグ10a(
図3)であるかは、その発信するRFID信号に含まれる、認証用タグまたは操作用タグであることを示す識別子で判定される。したがって、この指示装置40に含まれる操作用タグ10bは、図示しないボタンの押下によって認証用タグと操作用タグとの間で切り替えられて、認証用タグと操作用タグのいずれにもなり得るものであってもよい。操作用タグ10bは、また、登録可能モード設定のための操作用タグ、無効化可能モード設定のための操作用タグ、および登録可能モードもしくは無効化可能モードの終了のための操作用タグが、それぞれ別個のものであってもよい。
【0041】
図1に戻って、処理部3は、RFIDタグ認識部31、登録・無効化処理部32、認証処理部33およびメモリ上に構成された管理テーブル4を有する。ここで、登録・無効化処理部32と認証処理部33とは、同時に処理を実行することはない。すなわち、認証登録または認証無効化を行っている間は、登録・無効化処理部32の処理が実行されるのに対して、開閉手段5の開放を許可するために認証を行っている間は、認証処理部33の処理が実行される。
【0042】
RFIDタグ認識部31はRFIDタグ認識手段31aを含む。RFIDタグ認識手段31aは、RFIDリーダ2が受信する信号に基づいて、認識エリアA(
図2)内に位置する全てのRFIDタグを認識する。
【0043】
登録・無効化処理部32は、登録手段32aおよび無効化手段32bを含む。登録手段32aは、後述するように、認証用タグをある一のグループに所属させる。無効化手段32bは、認証用タグを無効化する。ここで、認証用タグは、登録されると必ずある一のグループのみに所属し、無効化されるとそのグループの所属が解除される。
【0044】
認証処理部33は、認証手段33aおよび認証通知手段33bを含む。認証手段33aは、RFIDタグ認識手段31aが認識した全てのRFIDタグについて、管理テーブル4を参照して登録されているか否かを判定する。認証通知手段33bは、認証手段33aが少なくとも1つの認証用タグが登録されていると判定すると、ドア5の開放を許可する信号をドア制御装置6に出力する。
【0045】
次に、本実施形態に係る認証登録・無効化装置1の登録処理手順および無効化処理手順について説明する。なお、登録処理手順には、未登録の認証用タグを一のグループに所属させて登録する処理手順のみならず、既登録の認証用タグを別のグループに所属させる処理手順も含まれる。
【0046】
<登録処理手順1>
この登録処理は、例えば、本認証登録・無効化装置1の導入後や、マンションに新たな家族が加わった場合などにおいて実行される。すなわち、未登録の認証用タグを新規なグループに登録する際の処理である。
【0047】
まず、
図5(a)において、認識エリアAを利用してICカードに内蔵された認証用タグの登録を行う操作者Oは、認識エリアAを目視で確認することはできないが、トリガコイル21a(
図3)の取付場所を認識しているため、認識エリアAを概ね把握している。
【0048】
この操作者Oは、例えば、一方の手に指示装置40を把持して認識エリアA内に入る。認識エリアAに入ることで指示装置40内の操作用タグ10bが磁界発生手段21(
図3)によって起動されて、RFID信号を発信する。この時点で発信するRFID信号は、指示についての情報を含まない。しかし、操作用タグ10bは所定の時間間隔でRFID信号を発信するため、RFIDタグ認識手段31a(
図1)は、認識エリアA内の操作用タグ10bを認識する。
【0049】
次に、操作者Oが切替・操作用ボタン41,42(
図4)を押下して登録の指示を行なうと、操作用タグ10bが発信するRFID信号には、登録指示を示す情報が含まれる。そして、認識エリアA内に位置する指示装置40内の操作用タグ10bは所定の時間間隔で登録指示を含むRFID信号を発信し続ける。
【0050】
登録手段32aは、この登録指示を含むRFID信号をRFIDリーダ2が最初に受信した時点で、操作モードを登録可能モードに設定する。なお、操作モードは、装置1のメモリ上で記憶されて管理される。
【0051】
その後、この登録可能モードの間に、
図5(b)に示すように、操作者Oが未登録認証用タグ10a(「タグ11」とする)を内蔵するICカードを認識エリアA内に入れると、この認証用タグ10a(「タグ11」)がRFIDタグ認識手段31a(
図1)によって認識される。そして、登録手段32aが、管理テーブル4においてこの認証用タグ10a(「タグ11」)が登録されていないことを確認してから、新規グループIに登録して、管理テーブル4に記録する。
【0052】
そして、登録可能モードの間に、
図5(c)に示すように、操作者Oが別の未登録認証用タグ10a(「タグ12」とする)を内蔵するICカードを認識エリアA内に入れると、先に認識エリアA内に入れられたICカードの認証用タグ10a(「タグ11」)と同様に、登録手段32aが、管理テーブル4においてこの認証用タグ10a(「タグ12」)が登録されていないことを確認してから、先に認識エリアA内に入れられた認証用タグ10a(「タグ11」)と同一の新規グループIに所属させて登録し、管理テーブル4に記録する。
【0053】
その後、操作者Oが、切替・操作用ボタン41,42(
図4)を押下して終了の指示を行なうと、操作用タグ10bが発信するRFID信号から登録指示がなくなり、登録手段32aが登録可能モードを終了させる。
【0054】
なお、別の新規なグループに未登録認証用タグを登録する場合には、登録可能モードが終了した後に、上述した登録処理を繰り返せばよい。
【0055】
<登録処理手順2>
この登録処理は、例えば、企業の建物であれば新たに社員が入社して既存の部署に配属される場合や、マンションであれば同居人が増える場合などに実行される。すなわち、未登録の認証用タグを既存のグループに登録する際の処理である。
【0056】
まず、
図6(a)において、操作者Oは、例えば、一方の手に指示装置40を把持し、他方の手に既登録の認証用タグ10a(「タグ21」とする)を内蔵するICカードを把持して認識エリアA内に入る。なお、この既登録の認証用タグ10a(「タグ21」)を内蔵するICカードは、例えば、通常所持している者から操作者Oが一時的に借りたものであり、既存グループIIに所属しているとする。認識エリアAに入ることで指示装置40内の操作用タグ10bおよび認証用タグ10a(「タグ21」)が磁界発生手段21(
図3)によって起動されて、RFID信号を発信する。この時点で発信するRFID信号は、指示についての情報を含まない。
【0057】
次に、操作者Oが切替・操作用ボタン41,42(
図4)を押下して登録の指示を行なうと、操作用タグ10bが発信するRFID信号には、登録指示を示す情報が含まれる。そして、認識エリアA内に位置する指示装置40内の操作用タグ10bは所定の時間間隔で登録指示を含むRFID信号を発信し続ける。
【0058】
登録手段32aは、この登録指示を含むRFID信号をRFIDリーダ2が最初に受信した時点で、操作モードを登録可能モードに設定する。
【0059】
その後、この登録可能モードの間に、
図6(b)に示すように、操作者Oが、操作対象である未登録認証用タグ10a(「タグ22」とする)を内蔵する登録対象のICカードを認識エリアA内に入れると、RFIDタグ認識手段31a(
図1)が、認証用タグ10a(「タグ22」)を認識する。そして、登録手段32aが、管理テーブル4においてこの認証用タグ10a(「タグ22」)が登録されていないことを確認してから、登録可能モードの設定前から認識エリアA内に存在する認証用タグ10a(「タグ21」)が所属する既存グループIIに所属させて登録し、管理テーブル4に記録する。
【0060】
次に、登録可能モードの間に、
図6(c)に示すように、操作者Oが別の未登録認証用タグ10a(「タグ23」とする)を内蔵するICカードを認識エリアA内に入れると、先に認識エリアA内に入れられたICカードの認証用タグ10a(「タグ22」)と同様に、登録手段32aが、管理テーブル4においてこの認証用タグ10a(「タグ23」)が登録されていないことを確認してから、登録可能モードの設定前から認識エリアA内に存在する認証用タグ10a(「タグ21」)が所属する既存グループIIに所属させて登録し、管理テーブル4に記録する。
【0061】
その後、操作者Oが、切替・操作用ボタン41,42(
図4)を押下して終了の指示を行なうと、操作用タグ10bが発信するRFID信号から登録指示がなくなり、登録手段32aが登録可能モードを終了させる。
【0062】
なお、別の既存グループに未登録認証用タグを登録する場合には、登録可能モードが終了した後に、上述した登録処理を繰り返せばよい。
【0063】
<登録処理手順3>
この登録処理は、例えば、企業の建物であれば社員が新設された部署に移動した場合などにおいて実行される。すなわち、既存のグループに所属する既登録の認証用タグを新規なグループに変更する際の処理である。したがって、この登録処理は、認証用タグを新たに登録するものではなく、単に所属グループを変更させるための処理である。
【0064】
まず、
図7(a)において、操作者Oは、例えば、一方の手に指示装置40を把持して認識エリアA内に入る。これにより、RFIDタグ認識手段31a(
図1)は、認識エリアA内の操作用タグ10bを認識する。
【0065】
次に、操作者Oが切替・操作用ボタン41,42(
図4)を押下して登録の指示を行なうと、認識エリアA内に位置する指示装置40内の操作用タグ10bは所定の時間間隔で登録指示を含むRFID信号を発信し続ける。
【0066】
登録手段32aは、この登録指示を含むRFID信号をRFIDリーダ2が最初に受信した時点で、操作モードを登録可能モードに設定する。
【0067】
この際、既存グループIIIに所属する既登録認証用タグ10a(「タグ31」とする)を内蔵するICカードと、既存グループIVに所属する既登録認証用タグ10a(「タグ32」とする)を内蔵するICカードとが、認識エリア外に存在するとする。
【0068】
その後、この登録可能モードの間に、
図7(b)に示すように、操作者Oが既存グループIIIに所属する既登録認証用タグ10a(「タグ31」)を内蔵するICカードを認識エリアA内に入れると、RFIDタグ認識手段31a(
図1)は、認識エリアA内に位置する認証用タグ10a(「タグ31」)を認識し、登録手段32bが、この認証用タグ10a(「タグ31」)を既存グループIIIの所属から新規グループVの所属に変更し、管理テーブル4に記録する。
【0069】
次に、変更可能モードの間に、
図7(c)に示すように、操作者Oが、別の既登録認証用タグ10a(「タグ32」とする)を内蔵するICカードを認識エリアA内に入れると、先に認識エリアA内に入れられた認証用タグ10a(「タグ31」)と同様に、登録手段32bが、この認証用タグ10a(「タグ32」)を既存グループIVの所属から新規グループVの所属に変更し、管理テーブル4に記録する。
【0070】
その後、操作者Oが、切替・操作用ボタン41,42(
図4)を押下して終了の指示を行なうと、操作用タグ10bが発信するRFID信号から登録指示がなくなり、登録手段32aが登録可能モードを終了させる。
【0071】
なお、別の新規なグループに既登録認証用タグを変更する場合には、登録可能モードが終了した後に、上述した登録処理を繰り返せばよい。
【0072】
<登録処理手順4>
この登録処理は、例えば、企業の建物であれば社員が別の既存の部署に配属される場合などに実行される。すなわち、既登録の認証用タグを、所属するグループから別の既存のグループに変更する際の処理である。したがって、この登録処理は、認証用タグを新たに登録するものではなく、単に所属グループを変更させるための処理である。
【0073】
まず、
図8(a)において、操作者Oは、例えば、一方の手に指示装置40を把持し、他方の手に既登録の認証用タグ10a(「タグ41」とする)を内蔵するICカードを把持して認識エリアA内に入る。なお、この既登録の認証用タグ10a(「タグ41」)を内蔵するICカードは、例えば、通常所持している者から操作者Oが一時的に借りたものであり、既存グループVIに所属しているとする。
【0074】
次に、操作者Oが切替・操作用ボタン41,42(
図4)を押下して登録の指示を行なうと、認識エリアA内に位置する指示装置40内の操作用タグ10bは所定の時間間隔で登録指示を含むRFID信号を発信し続ける。
【0075】
登録手段32aは、この登録指示を含むRFID信号をRFIDリーダ2が最初に受信した時点で、操作モードを登録可能モードに設定する。
【0076】
この際、既存グループVIIに所属する既登録認証用タグ10a(「タグ42」とする)を内蔵するICカードと、既存グループVIIIに所属する既登録認証用タグ10a(「タグ43」とする)を内蔵するICカードとが、認識エリア外に存在するとする。
【0077】
その後、この登録可能モードの間に、
図8(b)に示すように、操作者Oが、操作対象である既登録認証用タグ10a(「タグ42」とする)を内蔵する登録対象のICカードを認識エリアA内に入れると、RFIDタグ認識手段31a(
図1)は、認識エリアA内に位置する認証用タグ10a(「タグ42」)を認識する。そして、登録手段32aが、この認証用タグ10a(「タグ42」)を既存グループVIIの所属から既存グループVIの所属に変更し、管理テーブル4に記録する。
【0078】
次に、登録可能モードの間に、
図8(c)に示すように、操作者Oが、操作対象である、別の既登録認証用タグ10a(「タグ43」)を内蔵する登録対象のICカードを認識エリアA内に入れると、先に認識エリアA内に入れられた認証用タグ10a(「タグ42」)と同様に、登録手段32aが、管理テーブル4において、この認証用タグ10a(「タグ43」)を既存グループVIIIの所属から既存グループVIの所属に変更し、管理テーブル4に記録する。
【0079】
その後、操作者Oが、切替・操作用ボタン41,42(
図4)を押下して終了の指示を行なうと、操作用タグ10bが発信するRFID信号から登録指示がなくなり、登録手段32aが登録可能モードを終了させる。
【0080】
なお、別の既存グループに既登録認証用タグを所属させる場合には、登録可能モードが終了した後に、上述した登録処理を繰り返せばよい。
【0081】
<無効化処理手順1>
この無効化処理は、例えば、企業の建物であれば社員が退職する場合や、マンションであれば同居人のうちの一部の人物のみが退去する場合などに実行される。すなわち、既登録の認証用タグを無効化する処理である。
【0082】
まず、
図9(a)において、操作者Oは、例えば、一方の手に指示装置40を把持して認識エリアA内に入る。認識エリアAに入ることで指示装置40内の操作用タグ10bが磁界発生手段21(
図3)によって起動されて、RFID信号を発信する。この時点で発信するRFID信号は、指示についての情報を含まない。しかし、操作用タグ10bは所定の時間間隔でRFID信号を発信するため、RFIDタグ認識手段31a(
図1)は、認識エリアA内の操作用タグ10bを認識する。
【0083】
次に、操作者Oが切替・操作用ボタン41,42(
図4)を押下して無効化の指示を行なうと、操作用タグ10bが発信するRFID信号には、無効化指示を示す情報が含まれる。そして、認識エリアA内に位置する指示装置40内の操作用タグ10bは所定の時間間隔で無効化指示を含むRFID信号を発信し続ける。
【0084】
無効化手段32bは、この無効化指示を含むRFID信号をRFIDリーダ2が最初に受信した時点で、操作モードを無効化可能モードに設定する。
【0085】
この際、既存グループIに所属する既登録認証用タグ10a(「タグ11」とする)を内蔵するICカードと、既存グループIIに所属する既登録認証用タグ10a(「タグ12」とする)を内蔵するICカードとが、認識エリア外に存在するとする。
【0086】
その後、この無効化可能モードの間に、
図9(b)に示すように、操作者Oが既登録認証用タグ10a(「タグ11」とする)を内蔵するICカードを認識エリアA内に入れると、RFIDタグ認識手段31a(
図1)は、認識エリアA内に位置する認証用タグ10a(「タグ11」)を認識する。そして、無効化手段32bが、この認証用タグ10a(「タグ11」)を無効化して管理テーブル4に記録するか、または管理テーブル4から削除する。なお、認証用タグ10aが無効化されると、同時に既存グループへの所属が解除される。
【0087】
次に、無効化可能モードの間に、
図9(c)に示すように、操作者Oが、別の既登録認証用タグ10a(「タグ12」とする)を内蔵するICカードを認識エリアA内に入れると、先に認識エリアA内に入れられた認証用タグ10a(「タグ11」)と同様に、無効化手段32bが、この認証用タグ10a(「タグ12」)を無効化して管理テーブル4に記録するか、または管理テーブル4から削除する。
【0088】
その後、操作者Oが、切替・操作用ボタン41,42(
図4)を押下して終了の指示を行なうと、操作用タグ10bが発信するRFID信号から無効化指示がなくなり、無効化手段32bが無効化可能モードを終了させる。
【0089】
<無効化処理手順2>
この無効化処理は、例えば、既登録の認証用カードを紛失した場合や、マンションの入居者が退去する場合などにおいて実行される。すなわち、既登録の認証用タグを用いてその認証用タグが所属するグループに所属する全ての認証用タグを無効化する処理である。
【0090】
まず、
図10(a)において、操作者Oは、例えば、一方の手に指示装置40を把持し、他方の手に紛失された既登録認証用タグが所属するグループIIIと同一のグループに所属している認証用タグ10a(「タグ21」とする)を含むICカードを把持して認識エリアA内に入る。なお、この認証用タグ10a(「タグ21」とする)は、例えば、紛失せずに通常所持している者から操作者Oが一時的に借りたものである。また、この認証用タグ10a(「タグ21」とする)が所属するグループIIIには、紛失された認証用タグ(「タグ22」とする)と、その他の認証用タグ(「タグ23」〜「タグ25」とする)が所属するとする。
【0091】
認識エリアAに入ることで指示装置40内の操作用タグ10bおよび認証用タグ10a(「タグ21」)が磁界発生手段21(
図3)によって起動されて、RFID信号を発信する。この時点で発信するRFID信号は、指示についての情報を含まない。
【0092】
次に、
図9(b)において、操作者Oが切替・操作用ボタン41,42(
図4)を押下して無効化の指示を行なうと、操作用タグ10bが発信するRFID信号には、無効化指示を示す情報が含まれる。この時点で、RFIDタグ認識手段31a(
図1)は、認識エリアA内に位置する認証用タグ10a(「タグ21」)を認識するため、無効化手段32bが、この認証用タグ10a(「タグ21」)が所属するグループIIIに所属する全ての認証用タグ10a(「タグ21」〜「タグ25」)を無効化して管理テーブル4に記録するか、または管理テーブル4から削除する。なお、これら認証用タグ10a(「タグ21」〜「タグ25」)が、無効化されると同時に既存グループIIIへの所属が解除されるだけでなく、このグループIIIも無効となる。
【0093】
その後、操作者Oが、切替・操作用ボタン41,42(
図4)を押下して終了の指示を行なうと、操作用タグ10bが発信するRFID信号から無効化指示がなくなり、無効化手段32bが無効化可能モードを終了させる。
【0094】
認証用タグ10a(「タグ22」)が紛失した場合には、この無効化処理手順2によって、その紛失した認証用タグ10a(「タグ22」)が所属するグループに所属する全ての認証用タグ10a(「タグ21」〜「タグ25」)が無効化される。したがって、グループに所属する認証用タグ10aの数が多すぎなければ、影響を最小限に抑えながら、紛失した認証用タグ10aを容易に無効化できる。このようにグループIIIの全ての認証用タグ10a(「タグ21」〜「タグ25」)を無効化した後は、上記登録処理手順1、つまり未登録の認証用タグを新規なグループに登録する手順に従って、無効化された認証用タグ10a(「タグ21」〜「タグ25」)に相当する数の未登録認証用タグ10aを、新規グループに登録すればよい。
【0095】
以上のとおり、本発明に係る認証登録・無効化装置によれば、認証用タグを紛失しても、その無効化を容易に行うことができる上に、認証用タグの管理を簡易にできる。
【0096】
なお、本実施形態では、上記登録処理手順1および3のように認証用タグ10a(
図5(c)の「タグ11」および「タグ12」、もしくは
図7(c)の「タグ31」および「タグ32」)が新規グループに登録されるか、または、上記登録処理手順2および4のように認証用タグ10a(
図6(c)の「タグ22」および「タグ23」、もしくは
図8(c)の「タグ42および「タグ43」))が既存グループに登録されるかは、それらの認証用タグ10aが登録可能モードの設定前と設定後のいずれに認識されたかに起因するものとしたが、このような順序、つまり登録可能モードの設定と認証用タグ10aの認識の順序によらないものであってもよい。
【0097】
例えば、登録指示が、新規グループへの登録の指示と既存グループへの登録の指示との2種類の指示を含んでもよい。さらに指示の種類を細分化して、未登録認証用タグの新規グループへの登録の指示、既登録認証用タグの新規グループへの登録の指示、未登録認証用タグの既存グループへの登録の指示、および既登録認証用タグの既存グループへの登録の指示という4種類の指示を含んでもよい。なお、4種類の指示を含む場合、操作対象の認証用タグが未登録であるか既登録であるかと、指示とが整合しないことがある。整合しない場合には、その旨を指示装置40から操作者に報知する。
【0098】
同様に、本実施形態では、上記無効化処理手順1のように認識された認証用タグ10a(
図9(c)の「タグ11」および「タグ12」)のみを無効化するか、または、上記無効化処理手順2のように認識された認証用タグが所属するグループの全ての認証用タグ10a(
図10(c)の「タグ21」〜「タグ25」)を無効化するかは、それらの認証用タグ10aが無効化可能モードの設定前と設定後のいずれに認識されたかに起因するものとしたが、このような順序、つまり、無効化可能モードの設定と認証用タグ10aの認識の順序によらないものであってもよい。例えば、無効化指示が、認識された認証用タグのみの無効化の指示とその所属するグループの全ての認証用タグの無効化の指示との2種類の指示を含んでもよい。
【0099】
このように、登録と無効化の指示が複数種類存在する場合には、これら指示に対応して、複数の個別のボタンが指示装置40(
図4)に設けられてもよい。したがって、例えば登録の指示が4種類で無効化の指示の種類が2種類あれば、合計6種類のボタンが指示装置40(
図4)に設けられてもよい。代わりに、単一のボタンでモードが切り替えられて例えば6種類の指示モードが実現されてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、RFIDタグ10がセミアクティブ型である場合について説明したが、RFIDタグ10は、電池を内蔵しないいわゆるパッシブ型や、電池を内蔵して自ら電波を発信するいわゆるアクティブ型であってもよい。
【0101】
さらに、登録および無効化は、それぞれ、一旦、仮登録および仮無効化の指示を受けて仮状態に設定してから本登録および本無効の状態に遷移することで実行されてもよい。特に、上記無効化処理手順1は、
図9(a)に示すように、認識エリアA内に認証用タグ10aが存在しない状態から開始する。しかし、ある認証用タグ10aが認識エリアA内に存在していることを操作者Oが気付かずに、上記無効化処理手順1ではなく誤って上記無効化処理手順2が実行されると、その認証用タグ10aが所属するグループの全ての認証用タグ10aが無効化されてしまう。これに対して、一旦、仮無効化の指示を受けて仮状態に設定してから本無効の状態に遷移することで、このような誤った無効化を最小限に抑えることができる。