(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態の装置構成の一例を示す図である。
欠陥検査システム10は、撮像部2及び検査部3(マーキング目標位置取得装置)、マーキング制御部4(制御装置)、マーキング装置5(マーキング装置)から構成される。
欠陥検査システム10の検査対象である検査対象1(検査対象)は、矢印で示すように、撮像部2側からマーキング装置5側に向かう搬送方向に走行している連続シート状(帯状)のものであり、例えばフィルムである。以下、搬送方向において、撮像部2側を上流側、マーキング装置5側を下流側ともいう。また、
図1に示すように、搬送方向をY方向、このY方向と垂直方向、すなわち検査対象1の幅方向をX方向ともいう。
【0015】
撮像部2は、検査対象1の全幅を照明するライン状照明装置と、その透過または反射光を受光するラインセンサからなる。ライン状照明装置は、蛍光灯、石英ロッド照明、LED(Light Emitting Diode)照明などが使用される。ラインセンサは、検査対象の幅、走行速度、分解能により、適切な素子数のものが所定の台数分使用される。撮像部2のラインセンサの出力は、検査部3に入力される。
【0016】
検査部3は、撮像部2のラインセンサの出力(画像信号)を画像処理して、マーキングすべき欠陥(マーキング目標)を検出すると、その中心座標(x,y)をマーキング制御部4に出力する。ここで、xは、検査対象1のX方向における生産ラインの端を原点とし、この位置から、当該検査対象1のX方向における欠陥の中心までの位置を表す座標であり、yは、検査対象1のY方向におけるパルスリセット位置(
図1に示す、例えば先端1T)から、当該検査対象1のY方向における欠陥の中心までの位置を表す座標である。検査対象1上における欠陥のY方向での座標yは、検査対象1のY方向におけるパルスリセット位置からの距離に相当する。この座標yは、検査対象1が一定距離移動する毎に検査対象1の搬送ライン(図示略)から発せられるエンコーダパルスを、検査対象1の先頭からカウントした値(以下、カウント値と記す)に基づいて求めることができる。ここで、搬送ラインとは、検査対象1を搬送する巻取機などの生産ラインである。また、エンコーダパルスを発生するエンコーダ(図示略)は検査対象1を搬送させる手段である搬送ローラの回転に応じたエンコーダパルスを発生するものであり、検査対象1の走行速度が変化しても予め設定された分解能のパルスを発生する。
【0017】
マーキング装置5が、検査部3が検出した欠陥にマーキングを行うため、検査部3に入力されるエンコーダパルスはマーキング制御部4にも入力される。すなわち、検査部3とマーキング制御部4とには、同じエンコーダパルスが入力され、欠陥の座標yの算出に用いられる。なお、欠陥検査システム10の起動時、すなわち検査部3に装置起動のための起動信号が入力されるとき、入力されるエンコーダパルスはリセットされ、検査対象1のY方向におけるパルスリセット位置を原点とした座標yが検査部3とマーキング制御部4とに共通に入力されていく。
【0018】
マーキング装置5は、検査対象1のY方向において撮像部2より下流側に設けられている。マーキング装置5は、複数のマーキング装置51〜54から構成される。例えば、マーキング装置51においては、マーキングペン81はヘッド61に取り付けられている。ヘッド61は、マーキング制御部4からのマーク信号(マーキングの指示信号)に応じた座標に、つまりガイド71上をX方向に移動する。マーキング装置52〜53についても、マーキング装置51と同様の構成を有している。なお、マーキング装置54においては、ヘッド64は、
図1に示すように検査対象1のX方向の端部に固定され、X方向の移動は行わない。
また、マーキング装置5において、マーキング装置51は撮像部2から距離L1の位置に、マーキング装置52は撮像部2から距離L2の位置に、マーキング装置53は撮像部2から距離L3の位置に、マーキング装置54は撮像部2から距離L4の位置に、それぞれ撮像部2からの距離が異なるように配置されている。
【0019】
マーキング制御部4は、マーキング装置5のヘッド61〜63に個別にマーク信号を送ることにより、ヘッド61〜63をガイド71〜73上でX方向に移動可能とする。マーキング制御部4は、この際、ガイド71〜73に取り付けられた複数のマーキングペン81〜83を順番に使用する。また、マーキングが間に合わない場合は、固定位置でマーキングを行なうマーキングペン84を使用して、検査対象1の端部にマーキングを行なう。なお、マーキングペン81〜83を順番に使用することにより、所定のマーカーを継続して使用してしまうことで、使用されない他のマーカーのペン先が乾きやすくなることを防止することができる。
【0020】
また、マーキング制御部4は、マーキングペン81〜84が、欠陥の中心座標yの位置でマーキングを行なうように、上述の通り検査部3と同じく入力されるエンコーダパルスに基づいてマーキング装置5を制御して、マーキングペン81〜84のいずれかのペン先を欠陥の中心座標y上に当接させる。つまり、マーキング制御部4と検査部3とでは、同じエンコーダパルスが入力されるため、検査対象1のY方向におけるパルスリセット位置から距離である欠陥の中心座標yをそれぞれの装置において一致させることができ、欠陥へのマーキングをある程度の精度で行うことが可能となる。しかしながら、上述の様にマーキングペンのペン先が微細になったり、検査対象1の速度が途中で変わったりする場合、より精度よくペン先を当接させることが困難になると考えられる。そこで、本実施形態の欠陥検査システム10では、マーキング装置5を制御する際、検査対象1の搬送方向における走行速度に応じたタイミングでマーキングの指示信号を出力する。例えば、マーキングの指示信号をオンとしてから、マーキング装置5がマーキングペンを検査対象1に当接させるまでの時間を、走行速度に応じて調整する(詳細後述)。
【0021】
まず、本実施形態の欠陥検査システム10におけるマーキングを行うか否か(マーキングの可否)を判定する方法について、図面を参照して説明する。
図2は、本実施形態のマーキングの処理ステップを示す図である。
図3は、欠陥をマーキングする際の所要時間について説明するための図である。
検査部3は、欠陥(他の欠陥と区別するため欠陥No.(N)とする)を撮像部2からの画像信号に基づいて検出し、欠陥中心座標(x(N),y(N))を取得する(ステップS1)。
次に、マーキング制御部4は、検査対象1の走行速度、ヘッドのX方向における現在位置からX方向における目標の位置までの距離に応じたマーカー移動時間などから、マーキング可否を判断する。この判断の際、前提となる条件は下記の(1)〜(3)である。
(1)マーキングぺンを、マーキングぺン81〜83まで順番に選択すること。
(2)検査時の検査対象1の最高速度をS(mm/秒)として判断すること。
(3)マーキングぺン81〜83のうちの一つのマーキングぺンで前回選択した欠陥No.(N−C)が印字済みの場合は、このマーキングぺンを用いてマーキングを行うことは可能であるが、欠陥No.(N−C)が印字前の場合は、マーキング可否の判定を行う。ここで、Cは、駆動マーカーの台数であり、本実施形態において3である。
【0022】
このマーキング可否の判定方法においては、マーキング制御部4は、Tn>Tmであればマーキング可と判定し、Tn≦Tmであればマーキング不可と判定する。ここで、Tm、Tnは、下記(1)、(2)のように表される。
【0023】
(1)欠陥No.(N−C)から欠陥No.(N)までの走行時間をTmで表す。Tmは、エンコーダパルスの増加パルス数(すなわちY方向の距離y(N)−y(N−C))÷Sで求めることができる。
【0024】
(2)欠陥No.(N)をマーキングするための所要時間をTnで表す。Tnは、下記の(a)〜(e)の合計時間で求めることができる。
(a)欠陥No.(N−C)のx座標x(N−C)から欠陥No.(N)のx座標x(N)へのマーカー移動時間。このマーカー移動時間は、マーカーを設置した単軸ロボット(ヘッド61〜63)の走行速度によって求まる。
(b)検査対象1の速度検出時間。この速度検出時間は、所定時間の速度パルス(所定時間のエンコーダパルスの増加量)から速度を検出するための時間である。
【0025】
(c)マーキングペンの応答時間Tqに基づいてマーキングのタイミング制御が行われる。マーキングペンの応答時間、すなわちマーク信号がON(オン)となってから、マーキングペンのペン先がフィルムに到達するまでの時間を、
図2に示すようにマーキングペン及びヘッドが有する装置としての最短応答時間M秒とする。従って、欠陥が最高速度S(mm/秒)×M(秒)の距離だけマーキングペンの手前に位置すれば、マーク信号をONとすることにより、ペンの直下に来る欠陥に対して、オンタイミングでペン先を、検査対象1の直上方向から垂直に押し付けることが可能である。従い、このマーキングを行うか否かを判定する際には、検査対象1の最高速度Sが用いられ、マーキングを行うためのタイミング調整時間(マーク信号をONさせてから、マーキングペンのペン先がフィルムに到達するまでの時間を調整する調整時間)をないものとして、マーカーの応答時間Tqはマーキングペン及びヘッドの応答時間Mにより求められる。
【0026】
(d)マーク長の1/2の走行時間Th。マーキングペンのペン先のシートにおける接触時間(シートに当接している時間)であり、マーク長を調整する時間である。
(e)その他の時間To。なお、その他の時間とは、例えばマーキングペンが乾燥防止のためキャップを有する構成の場合に、キャップを開いてペン先を出すための時間であり、予め決められた時間を用いることができる。
【0027】
以下、
図3に示す、上記(a)〜(e)の時間(Tnを構成する各時間)の具体的な時間を用いて、
図2に示すマーキング可否の判定方法について説明する。
図3に示すように、マーカー移動時間(上記(a))は、x座標で1000mm移動する場合、単軸ロボットの走行速度より、一例として1秒と求まる。
シートの速度検出時間(上記(b)は、一例として0.2秒である。
マーカーの応答時間Tq(上記(c))、マーカーの応答時間は、最高速度50mm/秒として、オンタイミングでマーキングする場合、タイミング制御は不要となり、一例として0.1秒と求まる。
マーク長の1/2の走行時間(上記(d))は、マーク長さを3mmにしたい場合、3mm×1/2÷50mm/秒=30ms(m秒)と求まる。
その他の時間(上記(e))は、一例として0.2秒である。
【0028】
以上より、検査時の検査対象1の最高速度が50mm/秒の場合、欠陥No.(N)をマーキングするための所要時間Tnは、合計1.53秒となる。つまり、欠陥No.(N−C)から欠陥No.(N)までの走行時間が、Tm=1.53秒以上(Y座標として77mm)以上離れていれば、マーキング制御部4はマーキング可能と判断できる。
【0029】
図2に戻って、マーキング制御部4は、ステップS2においてマーキング可と判断した場合、指示を出しているマーカーが欠陥No.(N−C)に印字した後、欠陥No.(N)に印字させるため、マーカーをx座標x(N)へ移動させる(ステップS3)。
一方、マーキング制御部4は、ステップS2においてマーキング不可と判断した場合、
指示を出しているマーカーは欠陥No.(N)に印字できないので、固定マーカーであるマーキングぺン84を選択して、検査対象1の幅方向の端部に印字させる(ステップS3)。
【0030】
マーキング制御部4は、ステップS2においてマーキング可と判断した場合、マーキング直前で検査対象1の速度検出をして、マーカーによるマーキングのタイミング制御をして欠陥No.(N)に印字する(ステップS4)。
実際の検査対象1の速度は、マーキング可否の判断に用いた最高速度Sより低いので、検査対象1の最高速度S(mm/秒)×M(秒)で求まる距離以上離れた位置における検査対象1の速度(S’とする)を用いて、理論上(S/S’−1)×M秒の時間だけ、マーク信号がONとする時刻からペン先が検査対象に接触する時刻まで時間を伸ばすことにより、オンタイミングでペン先を押し付けることが可能となる。もちろん、検査対象1の速度の検出位置は、上で述べた理論上の位置より上流側であっても構わない。
なお、マーキング制御部4は、検査対象1の任意のy座標における速度を、エンコーダパルスの入力時刻を記憶しておき、(2つのエンコーダパルスが示すy座標の間隔)/(2つのエンコーダパルスの間の時間)により、求めることができる。
【0031】
続いて、マーキング制御部4が行う、マーカーによるマーキングのタイミング制御について、タイミングチャートを参照して説明する。
図4は、本実施形態のマーカーの制御タイミングを示す図である。また、
図5は、本実施形態のマークを示す図である。
図4は、横軸に時間tをとり、縦軸に主要信号のON、OFFの切替りのタイミング、または主要動作の開始時刻及び終了時刻のタイミングを示している。
図4における欠陥検出は、検査部3が欠陥を検出した時刻を示している。マーカー移動は、マーキングぺン81〜83のいずれか一つのマーカーが移動を開始した開始時刻と移動を終了した終了時刻を示している。速度検出は、マーキング制御部4が行う検査対象1の速度検出の開始時刻及び終了時刻のタイミングを示している。マーク信号ONは、マーキング制御部4がヘッド61〜63のいずれか一つのヘッドに送るマーク信号のON時刻、OFF時刻を示している。マークは、マーキングぺン81〜83のいずれか一つのマーカーが検査対象1に接触している接触時間(当接時間)の開始時刻及び終了時刻を示している。
【0032】
検査部3が時刻T1において、欠陥No.(N)の検出を行った場合、欠陥No.(N)へのマーキングを終了する時刻T13までの制御手順は、下記のとおりである。
なお、時刻T2で始まり時刻T4で終了するマーク信号ON、及び時刻T3で始まり時刻T5で終了するマークは、欠陥No.(N−C)へのマーキングを示している。
欠陥No.(N−C)へのマーキングの予定がない場合は、マーカーを即時に移動させるため、マーカーの移動開始時刻T6は、時刻T1の直後にくる。一方、欠陥No.(N−C)へのマーキングの予定がある場合は、マーク終了時刻T5の後にマーカーを即時に移動させるため、マーカーの移動開始時刻T6は、
図4に示すように、時刻T5の直後にくる。
【0033】
欠陥No.(N)にマーキングを行うためのマーカーの移動時間は、
図4に示す、時刻T6から時刻T7の時間であり、この時間はマーカーを設置した単軸ロボットの走行速度と、欠陥No.(N)と欠陥No.(N−C)とのx座標の差で決まる。
上述したマーキング制御部4が行う検査対象1の速度検出は、時刻T10のマーク信号ONの直前の時刻T8〜時刻T9において行われる。マーク信号ONは、時刻T10からT12までであるが、実際に欠陥No.(N)がマークされる時間は、時刻T11から時刻T13までの時間である。
【0034】
時刻T10から時刻T11までがマーカーの応答時間(上述のマーキング可否の判断におけるTq)であり、マーク信号ONからマーカーが検査対象1に接触するまでの時間である。このマーカーの応答時間が実際の検査対象1の速度に応じて調整される。すなわち、マーキング可否の判断においては最高速度Sを用いているので、このときはマーカーの実力値がそのまま用いられる。一方、検出した検査対象1の速度が最高速度Sより遅い場合は、検査対象1の速度に応じてマーカーの実力値以上に時間を伸ばす調整が行われる。
【0035】
また、時刻T12から時刻T13が、マーク信号OFFがマーキング装置5のヘッドに入力されてからマーカーが検査対象1から離れるまでの時間である。
つまり、マーキング制御部4は、欠陥No.(N)に施したいマーク長(目標値)に応じて、マーク信号をONしている時間(時刻T10〜時刻T12の時間)の長さを制御することにより、検査対象1にマーカーが接触している時間(時刻T11〜時刻T13の時間)を決定している。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の欠陥検査システム10では、検査対象1の最高速度S等を用いて、まずマーキングの可否を判断する。そして、マーキング可能と判断した場合、マーキングの直前で検査対象1の実際の速度を検出し、この検査対象1の速度に基づいて、マーク信号(マーキングの指示信号)をON(オン)させてから、マーカーが検査対象1に接触するまでの時間を調整する。これにより、マーキングペンのペン先を欠陥の直上から精度よく押し付けることができる。
【0037】
また、マーク長の走行時間に応じて(上記例ではマーク長の1/2の走行時間)、マーキングペンの接触時間(フィルムに当接している時間)の長さを制御することにより、微小な欠陥を精度よく塗りつぶすことができる。つまり、欠陥がマーキングされた領域に収まるように、欠陥に対してマーキングすることができる。
欠陥検査システム10のマーキング制御部4が行う、マーカーによるマーキングのタイミング制御により、
図5に示すように、欠陥No.(N)(
図5において欠陥8で示す)の直上に、幅1mm、長さ3mmの大きさのマーク9が施される。
【0038】
続いて、欠陥検査システム10の実機での効果(検査対象1の走行速度が変化しても、欠陥の直上に精度よくマーキングが可能となる効果)について、詳細に説明する。なお、以下の説明では、比較例として、欠陥検査システム10において、検査対象1の速度に基づいてマーキングのタイミングを決定しない場合について説明し、続いて、実施例として、上述の様に検査対象1の速度に基づいてマーキングのタイミングを決定する場合について説明する。
【0039】
[比較例]
図6は、検査対象、装置構成、マーキング条件を説明するための図である。また、
図7は、マーキングの結果を説明するための図である。
比較例では、
図6(a)に示すように、上記説明の検査対象1として、幅700mmの光学フィルムを選択し、検査対象1が
図1に示す搬送方向に速度5m/分から17m/分の間で走行しているものとした。
【0040】
欠陥検査システム10の装置構成については、
図6(b)に示すような装置構成とした。すなわち、撮像部2を構成するライン状照明装置としてLED照明装置を用いた。また、撮像部2を構成するラインセンサとして、5000素子ラインCCDカメラを用いた。このラインセンサの分解能(幅×流れ)は50μm×50μmである。
検査装置本体(検査部3及びマーキング制御部4)は、株式会社メック製検査装置(機種名:LSC−6000)を使用した。
マーキング装置5を構成するヘッド及びガイドとしては、可動式ヘッド3式(
図1に示すヘッド61〜63、ガイド71〜73に対応する)、固定式ヘッド1式(
図1に示すヘッド64及びガイド74に対応する)を用いた。マーカーのマーキング長(目標値)の可変範囲は8mmから50mmまでの間である。
【0041】
マーキング条件は、
図6(c)に示す条件を用いた。検査対象1を速度5m/分から17m/分の間で走行させる。マーキング信号ONからフィルム(検査対象1)にマーカ(マーキングペン)のペン先が接触するまでの時間(
図4に示す時刻T10から時刻T11までの時間)は、30ms(ミリ秒)に固定した。また、フィルムとマーカの接触時間(
図4に示す時刻T11から時刻T13までの時間)は、マーク信号ONの期間(
図4に示す時刻T10から時刻T12までの時間)を固定することにより、28msに固定した。また、マーキング長の目標値を8mmとした。
【0042】
以上の条件により、欠陥検査システム10を用いて欠陥検査及び欠陥へのマーキングを行ったとき、欠陥のマーク位置及びマーク長について、
図7に示す結果を得た。
図7においては、検査対象1を速度5m/分で走行させた場合のマーク位置、マーク長、検査対象1を速度5m/分で走行させた場合のマーク位置、マーク長を示している。
ここで、マーク位置は、マーキング信号ONからフィルムにマーカが接触するまでの時間によるフィルムの走行距離を示している。マーク長は、フィルムとマーカの接触時間によるフィルムの走行距離を示している。
【0043】
マーク位置については、マーキング信号ONからフィルムにマーカが接触するまでの時間を30msとしたため、ライン速度17m/分の場合、フィルムは8.5mm走行する。一方、ライン速度が5m/分の場合は、フィルム2.5mm走行する。従って、検査対象1の走行速度が異なる条件での差は、
図7に示すように6mmとなった。
マーク長については、フィルムとマーカの接触時間を28msとしたため、ライン速度17m/分の場合、フィルムは7.9mm走行する。一方、ライン速度が5m/分の場合は、フィルムは2.5mm走行する。従って、検査対象1の走行速度が異なる条件での差は、
図7に示すように5.5mmとなった。
【0044】
[実施例]
図8は、本実施形態でのマーキング条件を説明するための図であり、
図9は、本実施形態でのマーキングの結果を説明するための図である。
実施例では、比較例と同様に、
図6(a)に示す検査対象、
図6(b)に示す装置構成を用いた。また、マーキング条件は、
図8に示す条件を用いた。比較例と同様に、検査対象1を速度5m/分から17m/分の間で走行させる。マーキング信号ONからフィルム(検査対象1)にマーキングペンのペン先が接触するまでの時間(
図4に示す時刻T10から時刻T11までの時間)を調整する。上述の通り、本実施形態では検査対象1の最高速度等を用いて、マーキングの可否を判断し、マーキング可と判断した場合、マーキングの直前で検査対象1の速度に基づいて、調整時間を設ける。
【0045】
実施例では、検査対象1の最高速度は17m/分である。また、X方向については、欠陥のx座標が、現マーカー位置から、仕様で定められた最大700mm(
図6(a)参照)離れている場合、マーカーがX方向に700mm移動し、マーキングを実施するのに、1.2秒の時間を要する。つまり、
図3に示す実施形態の条件において、マーカー移動時間を1秒×700/1000とした場合、合計時間は1.23秒(=1.2秒)となる。
この1.2秒には、マーキングペン及びヘッドが有する装置としての最短応答時間30ms(
図6(c)参照)が含まれている。
【0046】
従って、欠陥y座標の340mm手前(マーカーのペン先から搬送方向とは逆方向に340mm遡った地点)での検査対象1の速度を検出すれば、検出した速度は17m/分となる。つまり、最高速度で走行する欠陥は、当然ながら、1.2秒の間に17m/分×1.2s=340mm進む。従って、マーキング信号ONからフィルムにマーカのペン先が接触するまでの時間を、マーキングペン及びヘッドが有する装置としての最短応答時間である30msのままとしておいても、つまり検査対象1が最高速度の場合、調整時間はゼロのままでも、マーカのペン先をフィルムの欠陥に接触させることができる。
【0047】
一方、検査対象1が速度5m/分で走行している場合、欠陥が340mm手前からマーカーに到達するまでに、340mm/(5m/分)=4.08秒の時間を要する。従って、4.08秒−1.2秒=2.88秒の時間だけ、マーキング信号ONからフィルムにマーカのペン先が接触するまでの時間を伸ばす調整を行えば、最高速度で進む場合と同様に、マーカのペン先をフィルムの欠陥に接触させることができる。
なお、マーキング信号ONからフィルムにマーカのペン先が接触するまでの時間を調整する際の調整時間の精度は±5msである。
【0048】
また、フィルムとマーカの接触時間については、接触時間(ms)=マーク長(mm)/ライン速度(mm/ms)となるように、マーキング信号のON時間(
図4に示す時刻T10から時刻T12までの時間)を制御する。この際の制御の精度は、±4msである。
また、マーキング長の目標値を、比較例と同じく8mmとした。
【0049】
以上の条件により、欠陥検査システム10を用いて欠陥検査及び欠陥へのマーキングを行ったとき、欠陥のマーク位置及びマーク長について、
図9に示す結果を得た。
図9においては、
図7と同様に、検査対象1を速度5m/分で走行させた場合のマーク位置、マーク長、検査対象1を速度17m/分で走行させた場合のマーク位置、マーク長を示している。
図9に示すように、マーク位置とマーク長には、比較例のときのような走行速度によるズレは発生しなくなった。なお、マーク位置はばらつき量のみを示しているが、中心値は比較例と同じく8mmである。ばらつき量は速度の速い方が調整精度が同じであるので大きくなるが、走行速度が17m/分の場合であっても、マーク長のバラツキ、座標ズレとも±1.5mm以内で、マーキングを行う事ができた。
【0050】
以上説明したように、本発明によれば、マーキング制御部4は、マーク信号を検査対象1の搬送方向における走行速度に基づいて出力する。検査対象1にマーキングを施すマーキング装置5は、マーキング制御部4からのマーク信号がマーク信号ONとなると、マーキングぺン81〜83のペン先を検査対象1に当接させる。これにより、本発明によれば、検査対象1の走行速度が変化しても、欠陥の直上に精度よくマーキングを施すことができる欠陥検査システムを提供することができる。
【0051】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。