特許第6260046号(P6260046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6260046
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】欠陥検査システム、及びマーキング方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/892 20060101AFI20180104BHJP
【FI】
   G01N21/892 A
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-197095(P2013-197095)
(22)【出願日】2013年9月24日
(65)【公開番号】特開2015-64224(P2015-64224A)
(43)【公開日】2015年4月9日
【審査請求日】2016年7月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】592180823
【氏名又は名称】株式会社メック
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】堀 啓之介
(72)【発明者】
【氏名】小島 充
【審査官】 越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−298758(JP,A)
【文献】 特開2012−154679(JP,A)
【文献】 特開2013−092395(JP,A)
【文献】 特開2004−045071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物に存在する欠陥を、当該検査対象物を搬送させつつ検出してマーキングする欠陥検査システムであって、
待機位置から回転軸を中心に正転方向へ回転する、回転部材、及びマーキング手段と、
前記マーキング手段の先端部が検査対象物に当接する際、マーキング手段の先端部の速度と検査対象物の進行方向の速度と等しくなるように回転軸の回転制御を行う制御部と、
前記マーキング手段が検査対象物への当接時に、マーキング手段の円運動に、直線ガイドに沿った直線運動への動作を加え、マーキング手段を検査対象物に対して垂直方向に移動させるペン上下動作用カムフォロア、及び固定側カムフォロアから構成されるカム機構と、
を有することを特徴とする欠陥検査システム。
【請求項2】
検査対象物に存在する欠陥を、当該検査対象物を搬送させつつ検出してマーキングする欠陥検査システムのマーキング方法であって、
回転部材、及びマーキング手段により待機位置から回転軸を中心に正転方向へ回転する回転工程と、
制御部により前記マーキング手段の先端部が検査対象物に当接する際、マーキング手段の先端部の速度と検査対象物の進行方向の速度と等しくなるように回転軸の回転制御を行う制御工程と、
ペン上下動作用カムフォロア、及び固定側カムフォロアから構成されるカム機構により前記マーキング手段が検査対象物への当接時に、マーキング手段の円運動に、直線ガイドに沿った直線運動への動作を加え、マーキング手段を検査対象物に対して垂直方向に移動させる移動工程と、
を有することを特徴とするマーキング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マーキング装置を備えた欠陥検査システム、及びマーキング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂などからなる連続シート状物を検査対象とし、欠陥部分を検出する欠陥検査装置と、検出された欠陥部分にマーキングを施すマーキング装置と、を備えた欠陥検査システムが知られている。例えば、このような欠陥検査システムが、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−92395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図7は、欠陥検査システムにおいて用いるマーキング装置90の構成を示す図である。また、図8は、欠陥検査システムにより施されるマーキングを示す図である。
マーキング装置90は、ACサーボモータ91と、駆動ディスク92と、駆動リンク93と、を備える。
ACサーボモータ91は、不図示の欠陥検査装置から欠陥部へのマーキングを指示する駆動開始信号が入力されると、自身の回転軸91aの回転動作を開始する。駆動ディスク92は、ACサーボモータ91の回転軸91aに固定され、回転軸91aを中心に回転動作を行う。また、駆動リンク93は、駆動ディスク92の回転運動を検査対象物3(連続シート状物)に対して垂直方向の上下運動に変換する。
【0005】
駆動リンク93は、その一端において連結部材93cにより、マーキング手段93aを保持する保持部材93bに固定され、他端において連結部材92aにより駆動ディスク92の外周部に固定される。駆動リンク93は、連結部材93cの垂直方向における中心点が下死点BDC(Bottom Dead Centre)の位置に来たとき、マーキング手段93aの先端部を検査対象物3に当接させる。
【0006】
そして、マーキング装置90は、検査対象物3上の欠陥の位置に垂直にマーキング手段93aを当接させることで、欠陥を示すマーキングを施す。なお、下死点BDCは、図7に示すように、回転軸91aの中心から連結部材92aの中心への距離を半径R92とする円C92と、回転軸91aから検査対象物3に垂直に引いた直線L90との交点のうち、検査対象物3に近い方の交点に対応している。
【0007】
このように、従来のマーキング装置では、マーキング手段93aのペン先(当接部)が検査対象物3へ当接する際、マーキング手段93aの動作が上下方向に動くため、マーキング手段93aの当接部分が検査対象物へ当接している当接時間が一定の間存在することになってしまう。そのため、検査対象物3の搬送速度が速くなるにつれ、マーキング手段93aが検査対象物の進行に追従できなくなり、欠陥検査装置が検査対象物3の欠陥部に対して施すマーキングが、図8における従来技術に示すように、線状のマーキングとなってしまう。
【0008】
すなわち、従来のマーキング装置では、検査対象物の走行速度によりマーキングの長さが変化するという問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、検査対象物の走行速度にかかわらずマーキングの長さを短くできる欠陥検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の欠陥検査システムは、検査対象物に存在する欠陥を、当該検査対象物を搬送させつつ検出してマーキングする欠陥検査システムであって、待機位置から回転軸を中心に正転方向へ回転する、回転部材、及びマーキング手段と、前記マーキング手段の先端部が検査対象物に当接する際、マーキング手段の先端部の速度と検査対象物の進行方向の速度と等しくなるように回転軸の回転制御を行う制御部と、前記マーキング手段が検査対象物への当接時に、マーキング手段の円運動に、直線ガイドに沿った直線運動への動作を加え、マーキング手段を検査対象物に対して垂直方向に移動させるペン上下動作用カムフォロア、及び固定側カムフォロアから構成されるカム機構と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、上記の課題を解決するために、本発明のマーキング方法は、検査対象物に存在する欠陥を、当該検査対象物を搬送させつつ検出してマーキングする欠陥検査システムのマーキング方法であって、回転部材、及びマーキング手段により待機位置から回転軸を中心に正転方向へ回転する回転工程と、制御部により前記マーキング手段の先端部が検査対象物に当接する際、マーキング手段の先端部の速度と検査対象物の進行方向の速度と等しくなるように回転軸の回転制御を行う制御工程と、ペン上下動作用カムフォロア、及び固定側カムフォロアから構成されるカム機構により前記マーキング手段が検査対象物への当接時に、マーキング手段の円運動に、直線ガイドに沿った直線運動への動作を加え、マーキング手段を検査対象物に対して垂直方向に移動させる移動工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、マーキング手段を検査対象物の搬送方向に沿って移動させつつマーキングするようにした。これにより、検査対象物の搬送方向におけるマーキングの長さを短くすることができ、マーキングの形状を、線状のマーキングではなく、ドット形状のマーキングに近くすることができるため、欠陥部の位置を特定しやすいマーキングを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る欠陥検査システム1の概略構成図である。
図2】欠陥検査システム1におけるマーキング装置20の構成を説明するための図である。
図3】欠陥検査システム1におけるマーキング装置20の動作を説明するための図である。
図4】欠陥検査システム1におけるマーキング装置20aの構成を説明するための図である。
図5】欠陥検査システム1におけるマーキング装置20aの動作を説明するための図である。
図6】欠陥検査システムにより施されるマーキングを示す図である。
図7】欠陥検査システムにおけるマーキング装置90を説明するための図である。
図8】欠陥検査システムにより施されるマーキングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る欠陥検査システム1の概略構成図である。
欠陥検査システム1は、一部が制御室2aに設けられ、残りの一部がクリーンルーム2bに設けられる。
欠陥検査システム1は、制御室2a内に、画像処理装置13、入力装置26、及び制御部25を備える。また、欠陥検査システム1は、クリーンルーム2b内に、照明装置11、ラインセンサ12、及びマーキング装置20を備える。
また、連続シート状の検査対象物3の表面に存在する欠陥を検査するための検査ラインは、クリーンルーム2b内において、検査対象物3が巻き回された供給ロール4と、搬送ロール5a、及び搬送ロール5bを介して検査対象物3を巻き取る巻き取りロール6とを備える。
【0016】
検査対象物3は、連続シート状の金属板、フィルム、布、不織布、樹脂板等であり、検査ライン上を供給ロール4から引き出され、搬送ロール5a及び搬送ロール5bにより搬送されることで移動する。
【0017】
欠陥検査装置10は、搬送ロール5a、及び搬送ロール5bの間において移動する検査対象物3の表面に光を照射する照明装置11と、検査対象物3からの反射光を受光して、その画像信号を得るラインセンサ12と、この画像信号を処理する画像処理装置13と、を備える。
【0018】
照明装置11は、検査対象物3上における光の照射範囲の長手方向が検査対象物3の移動方向に直交するように配置されたライン状の照明装置であり、例えば、蛍光灯、ロッド
照明、光ファイバ照明、LED(Light Emitting Diode)照明等が挙げられる。
【0019】
ラインセンサ12は、撮像範囲の長手方向が検査対象物3の移動方向に直交するように配置されたライン状の光センサであり、検査対象物3からの反射光を受光し、検査対象物3の表面の光強度分布に応じた画像信号を出力する。ラインセンサ12としては、例えば、CCD(Chrage Coupled Device)カメラが挙げられる。
なお、図示する例では、ラインセンサ12を、照明装置11と同じく検査対象物3の表面側に配置する構成としている。照明装置11を、ラインセンサ12とは反対の検査対象物3の背面側に配置し、検査対象物3の背面から光を照射し、透過光をラインセンサ12が受光する構成としてもよい。
【0020】
画像処理装置13は、制御部25の制御により、ラインセンサ12が出力した画像信号を、所定のプログラムにしたがって処理する。また、画像処理装置13は、検査対象物3上に存在する欠陥を検出した場合、欠陥を検出したこと、及び検査対象物3の幅方向の位置と移動方向の位置とを表す欠陥位置情報とを示す欠陥検出信号Detectを、制御部25に対して出力する。
【0021】
マーキング装置20は、ACサーボモータ21と、回転部材23と、を含んで構成される。ACサーボモータ21は、入力装置26から回転を指示する回転開始信号Startが制御部25を介して入力されると、画像処理装置13から入力される欠陥検出信号Detectに応じて、検出された欠陥の位置に一致するように検査対象物3の幅方向へ移動するとともに、自身の回転軸21aの回転動作を開始する。なお、図1において、反時計回りの回転(検査対象物3の搬送方向Aに対応する方向の回転;図1に示す方向B、C、Dの順)を正転、時計回りの回転(検査対象物3の搬送方向Aに対向する方向の回転)を反転とする。
【0022】
回転部材23は、一端がACサーボモータ21の回転軸21aに固定され、ACサーボモータ21の回転に応じて、回転軸21aを中心に回転動作を行う。また、回転部材23は、他端がマーキング手段24が保持される。この回転部材23は、保持部材でもある(詳細後述)。
回転部材23、及び回転部材23により保持されたマーキング手段24は、ACサーボモータ21の回転軸21aを中心とし、検査対象物3に対し垂直方向の面上であって、かつ、検査対象物3の搬送方向と平行である面上において回転運動を行う。
【0023】
マーキング手段24としては、例えば、先端部がペン先となって、このペン先がインクを貯めるペン軸と一体をなすマーキングペンを挙げることができる。先端部を構成するペン先としては、検査対象物3を破損するおそれがない点で、比較的柔らかい材質のもの、例えばフェルト束からなるものが用いられる。
【0024】
入力装置26は、制御室2aにいる作業者から欠陥検査を開始させる信号を、入力装置26に手入力する。検査中にマーキングすべき欠陥を検出すると、入力装置26は、回転開始信号Startを制御部25に対して出力する。
制御部25は、この回転開始信号Startが入力されている間、画像処理装置13から入力される欠陥検出信号Detectに応じて回転制御信号RotをACサーボモータ21に対して出力し、ACサーボモータ21の回転軸21aを正転方向に回転させる。これにより、回転部材23、及びマーキング手段24が、図1に破線で示す位置(待避位置にある状態)から、回転軸21aを中心に正転方向(図1におけるD方向からB方向)へ回転することにより、マーキング手段24の先端部(当接部)が検査対象物3に当接する。
【0025】
この際、制御部25は、マーキング手段24の先端部の回転方向における移動速度が、少なくとも先端部が検査対象物3への当接時において、検査対象物3の進行方向(図1において、搬送ロール5aから搬送ロール5b側へ向かう方向;搬送方向A)の速度と略等しくなるように、回転軸21aの回転を制御する。ここでは、マーキング手段の先端部の速度と、検査対象物3の移動速度とが一致することが望ましい。なお、制御部25は、検査対象物3への当接時以外においても、マーキング手段24の速度が検査対象物3の速度と等しくなるように、回転軸21aの回転を制御してもよい。或いは、回転開始後、検査対象物3と当接する迄の期間、または検査対象物3との当接後に、図1に示す待避位置へ戻るまでの期間においては、マーキング手段24の先端部の速度が検査対象物3の速度より速くなるように、回転軸21aの回転を制御してもよい。ここで、制御部25は、検査対象物3の搬送速度を示す信号を、検査対象物3を搬送する搬送装置から得ることで認識することができる。
【0026】
なお、マーキング手段24の先端部と回転軸21aとの間の距離(ここではdislとする)は、回転軸21aと検査対象物3との間の距離(ここでは、dis2とする)に応じて、人手によりマーキング装置20の稼働前に設定される。例えば、dis1はdis2より大きく設定する。この設定値は手動式スライド昇降機器を用い、マイクロメーターや送りネジ等を併用することにより微調整できる。これは、マーキング手段24の先端部の予想される摩耗の程度を考慮するためであり、摩耗の程度が少ないと予想される場合、dis1はdis2と略等しく設定される。
【0027】
一方、先端部の摩耗の程度が大きいと予想され、頻繁にマーキング手段24の回転部材23への取り付け調整が必要と判断される場合、予想される摩耗の程度と取り付け調整の頻度とを考量して、dis1はdis2より大きく設定される。なお、dis1をdis2より大きく設定すると、取り付け当初においてはマーキングの形状が線状になり易くなる傾向にあるが、この線状になり易さの程度も、dis1をdis2より大きく設定する際、考慮される。
【0028】
このように、欠陥検査システム1は、移動する検査対象物3に存在する欠陥部分を検出してマーキングする欠陥検査システムであって、ACサーボモータ21と、マーキング手段24と、制御部25と、を有する。マーキング手段24は、ACサーボモータ21の回転軸21aから検査対象物3との当接部までの距離dis1が、回転軸21aから検査対象物3までの距離に応じて設定される。制御部25は、マーキング手段24の当接部が検査対象物3へ当接する時の、マーキング手段24が回転する回転方向における移動する速さを、検査対象物3の進行方向における速さと一致させ、かつ、正転の方向に、ACサーボモータ21の回転軸21aを回転運動させる。
【0029】
上述したように、本実施形態の欠陥検査システム1によれば、マーキング手段24における当接部が検査対象物3へ当接する時の速さを、検査対象物3の進行方向における速さと一致させる。これにより、マーキングの形状を、図6に本実施形態により示すように、検査対象物3の移動方向に長くなってしまうこと(図8参照)を低減させ、ドット形状のマーキングに近くすることができるため、欠陥部の位置を正確に反映したマーキングを施すことができる。
【0030】
以下、マーキング装置20の具体的な構成、及び動作について詳述する。
図2は、欠陥検査システム1におけるマーキング装置20の構成を説明するための図である。図2において、図1に示すマーキング装置20と同じ部分には同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
マーキング装置20は、以下に詳述するカム機構を有している。
図2において、図2(a)、及び図2(b)は、カム機構が機能する直前の状態を示しており、図2(c)、及び図2(d)は、カム機構が機能した直後の状態を示している。
【0031】
回転部材23は、図2に示す、保持部材23a、取付部材23b、連結部材23c、ペン上下動作用カムフォロワ23d、摺動ブロック23e、ガイドレール23f、ばね保持部材23g、ストッパ23h、ばね23i、ばね保持部材23j、ベース部材23k、ストッパ取付部材23lを含んで構成される。
回転部材23を構成する、これらの部材のうち、ベース部材23kがACサーボモータ21の回転軸21aに取り付けられている。
また、ACサーボモータ21には、取付部材21bが取り付けられている。この取付部材21bは、板状であり、一方の主面が回転軸21aとは接触しないようにACサーボモータ21に取り付けられ、他方の主面のうち、その検査対象物3側の一端に固定側カムフォロワ21cを有する。例えば、取付部材21bをACサーボモータ21に取り付ける際に、取付部材21bと回転軸21aとが干渉する場合には、回転軸21aに対応する取付部材21b上の位置に切欠きや、開口部を設けることにより、回転軸21aに接触しないようになっている。
【0032】
また、回転部材23を構成する、上記部材のうち、ベース部材23kには、ガイドレール23f、ばね保持部材23j、及びストッパ取付部材23lが取り付けられている。
ばね保持部材23jには、ばね23iの一端が取り付けられている。また、ストッパ取付部材23lには、その一部が水平方向に延在し、その端部に取付部材23bが検査対象物3から一定距離以上離れないように制限するストッパ23hが取り付けられている。
【0033】
また、回転部材23を構成する、上記部材のうち、取付部材23bには、保持部材23a、連結部材23c、ばね保持部材23g、及び摺動ブロック23eが取り付けられている。
摺動ブロック23e、及び上記ガイドレール23fが、本実施形態の直線ガイドを構成する。
ガイドレール23fは、ベース部材23kの長手方向(検査対象物3に対して垂直方向)に沿って、ベース部材23kに取り付けられている。
取付部材23bには、一方の主面に摺動ブロック23eが取り付けられており、摺動ブロック23eがガイドレール23fに沿って移動することにより、取付部材23bは、検査対象物3に対して垂直方向に移動することが可能である。
取付部材23bの他方の主面のうち、ばね保持部材23jに近い端部には、ばね保持部材23gを介して、ばね23i、ばね23iのそれぞれの他端が連結されている。
【0034】
また、取付部材23bの他の主面には、保持部材23aが取り付けられている。マーキング手段24は、保持部材23aに保持され、ガイドレール23fに沿って摺動ブロック23e、取付部材23b、保持部材23aが移動することにより、検査対象物3に対して垂直方向に移動し、検査対象物3に対して当接したときにマーキングする。
【0035】
連結部材23cは、一端側が取付部材23bの一方の主面のうち、検査対象物3に近い端部に取り付けられており、他端側にペン上下動作用カムフォロワ23dが取り付けられている。このペン上下動作用カムフォロワ23dは、上記固定側カムフォロワ21cとともに、本実施形態のカム機構を構成する。
【0036】
ここで、回転軸21aの中心とペン上下動作用カムフォロワ23dの回転軸21a側に一番近い部分(円周面の一部)との距離を、図2(d)に示すdis3とし、回転軸21aの中心と固定側カムフォロワ21cの回転軸21a側から一番遠い部分(円周面の一部)との距離を、図2(b)に示すdis4とする。
回転部材23のうち、取付部材23bに取り付けられた各部材が、回転軸21aを中心に円運動している場合であって、円運動の最下点(ペン先が検査対象物3にいちばん近い側の点)に来たとき、dis3<dis4であれば、ペン上下動作用カムフォロワ23dが固定側カムフォロワ21cに接触することにより、各部材は円運動から直線ガイドに沿った直線運動へと動作を変更する。
【0037】
また、ばね保持部材23gには、上述のように、ばね23iの他端が取り付けられている。ばね23iは、回転部材の23のうち、取付部材23bに取り付けられた各部材が、円運動の最下点に到達し、直線ガイドの方向に沿って、すなわち回転軸21aから遠い側へ移動すると、各部材を回転軸21a側に戻す働きをする。この際、ストッパ23hは、各部材がストッパ23hを設けた位置より回転軸21a側へ戻ることを防ぐ働きをする。
【0038】
以上、欠陥検査システム1におけるマーキング装置20の構成を説明したが、次に、上記構成を有するマーキング装置20の動作について説明する。図3は、欠陥検査システム1におけるマーキング装置20の動作を説明するための図である。
図3においては、図2のうち、保持部材23a、マーキング手段24、ペン上下動作用カムフォロワ23d、固定側カムフォロワ21cを示している。
また、図3において、「回転の中心位置」とはACサーボモータ21の回転軸21aの中心を示している。また、図3において、「上下用カムフォロワの回転奇跡C3」は、ペン上下動作用カムフォロワ23dの回転軸21aに一番近い部分の軌跡を示す。また、図3において、「Δd」は、上記(dis4−dis3)を表す。
なお、破線P1は、マーキング手段24とペン上下動作用カムフォロワ23dとが待避位置にある状態を示している。
【0039】
制御室2aにいる作業者が欠陥検査を開始させる信号を、入力装置26に手入力する。検査中にマーキングすべき欠陥を検出すると、入力装置26は、回転開始信号Startを制御部25に対して出力する。
制御部25は、この回転開始信号Startが入力されている間、画像処理装置13から入力される欠陥検出信号Detectが入力されると、回転制御信号RotをACサーボモータ21に対して出力し、ACサーボモータ21の回転軸21aを正転方向に回転させる。
【0040】
これにより、回転部材23、及びマーキング手段24は、破線P1で示す待避位置から、回転軸21aを中心に正転方向へ回転し、マーキング手段24の先端部(当接部)が検査対象物3に当接する。この際、制御部25は、マーキング手段24の先端部の速度が、少なくとも検査対象物3への当接時において、検査対象物3の進行方向(図3において搬送ロール5a側から搬送ロール5b側へ向かう方向A)の速度と等しくなるように回転軸21aの回転を制御している。
また、ペン上下動作用カムフォロワ23d、及び固定側カムフォロワ21cから構成されるカム機構は、マーキング手段24の検査対象物3への当接時に、マーキング手段24の円運動に、直線ガイドに沿った直線運動への動作を加え(円運動を、検査対象物に対する垂直方向の直線運動へ変更し)、マーキング手段24を検査対象物3に対して垂直方向(検査対象物3に近づく方向)に移動させ、マーキング手段24の先端部を検査対象物3へ押し込む。
さらに、円運動がすすみ、ペン上下動作用カムフォロワ23dが固定側カムフォロワ21cと接触しない位置まで到達すると、ばね23iによって回転部材23が回転軸21a側に引き戻され、ストッパ23hの位置まで移動して停止する。このとき、マーキング手段24の当接部は、円運動によって検査対象物3から離れる方向(図1に示す方向C)に移動し、ばね23iにより回転部材23とともにマーキング手段24が回転軸21a方向に引き戻されることによって、検査対象物3から離間する。
【0041】
このように、マーキング装置20では、マーキング装置20に対してカム機構を設けたことにより、回転動作だけでは得られない、マーキング手段24を検査対象物3に押し付ける動作を行うことが可能となる。なお、図3を用いて説明したように、マーキング手段24の当接部を、同じ回転方向にほぼ一周分の円運動させることにより、マーキング手段24に再度マーキングさせることなく、マーキング手段24を退避位置P1へ戻すことが可能となる。また、マーキング手段24のペン先が短時間で乾きやすい性質であったとしても、回転運動によりインクを遠心力によってペン先に移動させることで、ペン先を乾きにくくすることもできる。
【0042】
次に、図4は、欠陥検査システム1におけるマーキング装置20aの構成を説明するための図である。図4において、図2に示すマーキング装置20と同じ部分には同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
マーキング装置20aは、図2に示すマーキング装置20と同様にマーキング機能を有するが、マーキング装置20a自体は回転せず、マーキング手段24を往復運動させることでマーキングする。また、マーキング装置20aは、さらに、以下に詳述するヒンジ機構を有している。
【0043】
図4において、図4(a)、及び図4(b)は、マーキング直前においてヒンジ機構が作用する状態を示しており、図4(c)、及び図4(d)は、マーキング直後においてカム機構が作用する状態を示している。
回転部材23は、マーキング装置20と同様に、図4に示す、保持部材23a、取付部材23b、連結部材23c、ペン上下動作用カムフォロワ23d、摺動ブロック23e、ガイドレール23f、ばね保持部材23g、ストッパ23h、ばね23i、ばね保持部材23j、ベース部材23k、ストッパ取付部材23lを含んで構成される。
【0044】
図4(a)、及び図4(c)において示すように、ACサーボモータ21に取り付けられる取付部材21bには、固定側カムフォロワ21cに代えて、ヒンジ機構を構成する回転用部材21dが取り付けられている。
この回転用部材21dは、図4(a)、及び図4(c)に示すように、取付部材21bの検査対象物3に臨む一端側の一部に切り欠かれることで形成された凹部に対応する領域に、取付部材21bの一方の主面に対して垂直方向に固定された回転軸に対して取り付けられている。
また、連結部材21eは、回転用部材21dの円周部の一部に対してその一端が取り付けられ、回転用部材21dが取り付けられた回転軸を起点として、検査対象物3の進行方向(下流側)またはその逆方向(上流側)に対して往復動可能である。
【0045】
可動カムフォロワ21fは、部材21iにより、連結部材21eに固定して取り付けられる。可動カムフォロワ21fは、ペン上下動作用カムフォロワ23dとともに、カム機構を構成する。すなわち、可動カムフォロワ21fは、上述の固定側カムフォロワ21cの機能に対応するものであるが、連結部材21eの他端にその円周面の一部が取り付けられていることにより、回転用部材21dを中心として、検査対象物3の下流側または上流側に対して往復動可能である。これにより、可動カムフォロワ21fは、図4(a)に示すように、ペン上下動作用カムフォロワ23dが検査対象物3の上流側から下流側へ移動してくるとき、連結部材21eがストッパ21hに当接する位置(固定位置)にあるので、ペン上下動作用カムフォロワ23dとともにカム機構を構成し、上述したカム機構としての機能を働かせる。
このように、カム機能を働かせる際、ペン上下動作用カムフォロワ23dは可動カムフォロワ21fに当接しつつ、円運動に加えて直線運動をし、マーキング手段24を検査対象物3側へ押し付けてマーキングさせる。さらに円運動がすすみ、ペン上下動作用カムフォロワ23dが可動カムフォロワ21fの検査対象物3に最も近い点をこえる位置まで到達すると、マーキング手段24が回転軸21a側にばね23iにより引き戻される。
【0046】
一方、可動カムフォロワ21fは、図4(c)に示すように、ペン上下動作用カムフォロワ23dが検査対象物3の下流側から上流側へ移動してくるとき、ペン上下動作用カムフォロワ23dとともに上流側へ回転し、上述したカム機構としての機能を働かせないようにすることができる。
【0047】
このように、ペン上下動作用カムフォロワ23dが上流側から移動してくるときにカム機能を働かせ、一方、下流側から移動してくるときにカム機能を働かせないため、連結部材21eには、ばね21gの一端が取り付けられている。このばね21gの他端は、ばね取付ポスト21jにより、ばね21gの一端が取り付けられた位置よりも下流側の取付部材21bに取り付けられている。ばね21gは、図4(c)に示すように、連結部材21e、及び可動カムフォロワ21fがペン上下動作用カムフォロワ23dとともに検査対象物3の上流側に移動するとき、検査対象物3の上流側に伸びる。また、ばね21gは、連結部材21e、及び可動カムフォロワ21fがペン上下動作用カムフォロワ23dと離れたあと、連結部材21e、及び可動カムフォロワ21fを、検査対象物3の下流側へ引っ張り戻す。
【0048】
このとき、連結部材21e、及び可動カムフォロワ21fが、検査対象物3の下流側へ戻りすぎないように、ストッパ21hが取付部材21bに取り付けられている。ストッパ21hは、連結部材21e、及び可動カムフォロワ21fの検査対象物3の下流側への移動を防ぐ働きをし、図4(a)に示すように、連結部材21e、及び可動カムフォロワ21fの移動を停止させる。これにより、可動カムフォロワ21fは、固定側カムフォロワ21cと同様に、上述したカム機能を働かせる。
【0049】
このように、マーキング装置20aでは、回転用部材21d、連結部材21e、可動カムフォロワ21f、ばね21g、ストッパ21hにより、ヒンジ機構を構成する。このヒンジ機能により、マーキング装置20aでは、可動カムフォロワ21fが検査対象物3の上流側から下流側に回転するときはマーキング装置20で説明したカム機能の機能を発揮させる一方、可動カムフォロワ21fが検査対象物3の下流側から上流側に回転するときはカム機能の機能を発揮させないようにすることができる。
【0050】
以上、欠陥検査システム1におけるマーキング装置20aの構成を説明したが、次に、上記構成を有するマーキング装置20aの動作について説明する。図5は、欠陥検査システム1におけるマーキング装置20aの動作を説明するための図である。
図5においては、図4のうち、マーキング手段24、ペン上下動作用カムフォロワ23d、ヒンジ機構(回転用部材21d、連結部材21e、可動カムフォロワ21f、ばね21g、ストッパ21h)を示している。
なお、図5において、「回転の中心位置」とは、図3と同じくACサーボモータ21の回転軸21aの中心を示している。また、図5において、「Δd」は、上記(dis4−dis3)を表す。
また、破線P2は、マーキング手段24とペン上下動作用カムフォロワ23dとが待避位置にある状態を示している。また、破線P3は、マーキング手段24とペン上下動作用カムフォロワ23dとが移動可能な範囲のうち、待避位置から一番離れた位置を示している。すなわち、マーキング手段24とペン上下動作用カムフォロワ23dとは、図5に示すP2からP3へとマーキング方向(検査対象物3の搬送方向)に沿って移動したのち、P3からP2へと非マーキング方向(検査対象物3の搬送方向とは逆の方向)に沿って移動する。
【0051】
まず、制御室2aにいる作業者が欠陥検査を開始させる信号を、入力装置26に手入力する。検査中にマーキングすべき欠陥を検出すると、入力装置26は、回転開始信号Startを制御部25に対して出力する。制御部25は、この回転開始信号Startが入力されている間、画像処理装置13から入力される欠陥検出信号Detectが入力されると、回転制御信号RotをACサーボモータ21に対して出力し、ACサーボモータ21の回転軸21aを、マーキング手段24を回転させる。
【0052】
これにより、ヒンジ機構、及びマーキング手段24は、破線P2で示す待避位置から、回転軸21aを中心にマーキング方向へ回転し、マーキング手段24の先端部(当接部)が検査対象物3に当接する。この際、制御部25は、マーキング手段24の先端部の速度が、少なくとも検査対象物3への当接時において、検査対象物3の進行方向(図5において左方向)の速度と等しくなるように回転軸21aの回転を制御している。
【0053】
このとき、可動カムフォロワ21fは、ヒンジ機構を構成するストッパ21hにより定位置にあるので、可動カムフォロワ21f、及びペン上下動作用カムフォロワ23dから構成されるカム機構は、マーキング手段24の検査対象物3への当接時に、マーキング手段24の円運動を直線ガイドに沿った直線運動へと動作を変更し、マーキング手段24の先端部を検査対象物3へ押し込む。
【0054】
次に、マーキング手段24は、直線ガイド、及びばね23iの働きにより、回転軸21a側に引き戻され、スタート時の半径での円運動に戻り、制御部25の回転制御によりP3の位置まで回転する。制御部25は、マーキング手段がP3の位置まで回転すると、回転軸21aを逆回転させ、マーキング手段24を非マーキング方向へ移動させる。このとき、マーキング手段24は検査対象物3に対して垂直の位置にさしかかる。
ただし、このとき、ヒンジ機構を構成する可動カムフォロワ21fがペン上下動作用カムフォロワ23dとともに移動することにより、ペン上下動作用カムフォロワ23d、及びマーキング手段24は検査対象物3の方へ押し下げられることはない。つまり、マーキング手段24の当接部が検査対象物3に当接することなく、また、押し込まれることはなく、ペン上下動作用カムフォロワ23dは、同一半径で待避位置P3まで移動する。なお、ヒンジ機構におけるばね21gが働くことにより、可動カムフォロワ21fはストッパによって停止される定位置に戻り、次のマーキング動作に備えることになる。
【0055】
このように、マーキング装置20aでは、マーキング装置20と同様、マーキング装置20に対してカム機構を設けたことにより、回転動作だけでは得られない、マーキング手段24を検査対象物3に押し付ける動作を行うことが可能となる。なお、図5を用いて説明したように、マーキング手段24の当接部を一周分の円運動させずに、P2の状態からP3の状態の間の円弧運動としている理由は、マーキング手段24を退避位置P2へ速やかに戻すためである。つまり、マーキング手段24の当接部の移動距離を短くできるので、マーキング手段24の当接部が一周する間に欠陥が到来する場合であっても、それぞれの欠陥に対してマーキング処理を施すことができる。
【0056】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。例えば、幅方向に複数の欠陥が検出される場合に、マーキング装置20(あるいはマーキング装置20a)を検査対象物3の幅方向に複数配置し、互いに並行する複数のマークを検査対象物3にマーキングする構成としてもよい。また、検査対象物3の上を2次元方向に移動し、マーキングする構成としてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1…欠陥検査システム、2a…制御室、2b…クリーンルーム、3…検査対象物、4…供給ロール、5a,5b…搬送ロール、6…巻き取りロール、10…欠陥検査装置、11…照明装置、12…ラインセンサ、13…画像処理装置、20,20a,90…マーキング装置、21,91…ACサーボモータ、21a,91a…回転軸、21c…固定側カムフォロワ、21f…可動カムフォロワ、23…回転部材、23a,93b…保持部材、23d…ペン上下動作用カムフォロワ、23e…摺動ブロック、23f…ガイドレール、24,93a…マーキング手段、25…制御部、26…入力装置、92…駆動ディスク、92a,93c…連結部材、93…駆動リンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8