(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
弾性変形の復元力により大きな環状に展開される使用姿勢(X1)と弾性変形により小さな環状に折り畳まれる折畳姿勢(Y1)とに姿勢変更自在な弾性環状体(3)に、膜体(4)を張設してうちわ本体(7)が構成され、弾性環状体(3)の一部を挟持固定する把持部材(5)が設けられた携帯うちわであって、
弾性環状体(3)の一部に、弾性環状体(3)の環状方向に沿う弧状支持部(19)と、弧状支持部(19)から突出した突出支持部(20)とが設けられ、把持部材(5)で弧状支持部(19)と突出支持部(20)とを挟持固定するようにしたことを特徴とする携帯うちわ。
弾性環状体(3)は弾性線材を環状に弾性変形してなり、弾性環状体(3)の一端側が、前記突出支持部(20)とその両側に位置する一対の弧状支持部(19)とを具備するように山形に屈曲され、弾性環状体(3)の他端側には、前記一端側の一対の弧状支持部(19)に重合するように環状方向に配置された弧状支持部(19)が設けられ、
前記一端側の一対の弧状支持部(19)と他端側の弧状支持部(19)との重合部分が互いに連結固定されると共に、前記一端側の突出支持部(20)とその両側に位置する一対の弧状支持部(19)と他端側の弧状支持部(19)とが把持部材(5)で挟持固定されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯うちわ。
前記一端側の一対の弧状支持部(19)と他端側の弧状支持部(19)との重合部分にカシメ菅(22)が外嵌され、重合部分がカシメ菅(22)上から圧着されて互いに連結固定されていることを特徴とする請求項2に記載の携帯うちわ。
弾性環状体(3)は弾性線材を環状に弾性変形してなり、弾性環状体(3)の中途部が、前記突出支持部(20)とその両側に位置する一対の弧状支持部(19)とを具備するように山形に屈曲され、前記中途部の突出支持部(20)とその両側の一対の弧状支持部(19)とが把持部材(5)で挟持固定されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯うちわ。
前記把持部材(5)は、弾性環状体(3)の弧状支持部(19)と突出支持部(20)とをうちわ本体(7)の表裏から挟持する一対の挟持板部(27)を有し、一対の挟持板部(27)は、弾性環状体(3)の一端部を挟持する挟持姿勢と、挟持を解除する解除姿勢とに姿勢変更自在になるようにヒンジ部を介して互いに連結されており、一対の挟持板部(27)間に、一対の挟持板部(27)を挟持姿勢に保持する保持手段(34)が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の携帯うちわ。
把持部材(5)は、前記一対の挟持板部(27)側からそれぞれヒンジ部を介して突出した一対の把持板部(29)を有し、一対の把持板部(29)は、うちわ本体(7)から外方突出して互いに重合する把持姿勢(X2)と、うちわ本体(7)の面内に納まる収納姿勢(Y2)とに姿勢変更自在とされ、一対の把持板部(29)間に、把持姿勢(X2)になったときに互いに重合した状態に係合保持する係合手段(47)が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の携帯うちわ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、従来の場合、把持部材で弾性環状体を構成する弾性線材の一部を単に挟持固定するのみであったため、把持部材によって弾性環状体乃至うちわ本体を安定に保持することができず、このため、短期間の使用によって、把持部材に対して弾性環状体乃至うちわ本体が把持部材に挟持された弾性環状体の一部を支点に揺動したりガタ付いたりするおそれがあった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑み、把持部材によって弾性環状体乃至うちわ本体を安定に保持することができて、長期間使用しても把持部材に対して弾性環状体乃至うちわ本体が揺動したりガタ付いたりするのを防止できる頑丈な携帯うちわを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、弾性変形の復元力により大きな環状に展開される使用姿勢X1と弾性変形により小さな環状に折り畳まれる折畳姿勢Y1とに姿勢変更自在な弾性環状体3に、膜体4を張設してうちわ本体7が構成され、弾性環状体3の一部を挟持固定する把持部材5が設けられた携帯うちわであって、
弾性環状体3の一部に、弾性環状体3の環状方向に沿う弧状支持部19と、弧状支持部19から突出した突出支持部20とが設けられ、把持部材5で弧状支持部19と突出支持部20とを挟持固定するようにした点にある。
【0007】
また、本発明の他の技術的手段は、弾性環状体3は弾性線材を環状に弾性変形してなり、弾性環状体3の一端側が、前記突出支持部20とその両側に位置する一対の弧状支持部19とを具備するように山形に屈曲され、弾性環状体3の他端側には、前記一端側の一対の弧状支持部19に重合するように環状方向に配置された弧状支持部19が設けられ、
前記一端側の一対の弧状支持部19と他端側の弧状支持部19との重合部分が互いに連結固定されると共に、前記一端側の突出支持部20とその両側に位置する一対の弧状支持部19と他端側の弧状支持部19とが把持部材5で挟持固定されている点にある。
【0008】
また、本発明の他の技術的手段は、前記一端側の一対の弧状支持部19と他端側の弧状支持部19との重合部分にカシメ菅22が外嵌され、重合部分がカシメ菅22上から圧着
されて互いに連結固定されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、弾性環状体3は弾性線材を環状に弾性変形してなり、弾性環状体3の中途部が、前記突出支持部20とその両側に位置する一対の弧状支持部19とを具備するように山形に屈曲され、前記中途部の突出支持部20とその両側の一対の弧状支持部19とが把持部材5で挟持固定されている点にある。
【0009】
また、本発明の他の技術的手段は、前記把持部材5は、弾性環状体3の弧状支持部19と突出支持部20とをうちわ本体7の表裏から挟持する一対の挟持板部27を有し、一対の挟持板部27は、弾性環状体3の一端部を挟持する挟持姿勢と、挟持を解除する解除姿勢とに姿勢変更自在になるようにヒンジ部を介して互いに連結されており、一対の挟持板部27間に、一対の挟持板部27を挟持姿勢に保持する保持手段34が設けられている点にある。
【0010】
また、本発明の他の技術的手段は、把持部材5は、前記一対の挟持板部27側からそれぞれヒンジ部を介して突出した一対の把持板部29を有し、一対の把持板部29は、うちわ本体7から外方突出して互いに重合する把持姿勢X2と、うちわ本体7の面内に納まる収納姿勢Y2とに姿勢変更自在とされ、一対の把持板部29間に、把持姿勢X2になったときに互いに重合した状態に係合保持する係合手段47が設けられている点にある。
【0011】
また、本発明の他の技術的手段は、前記把持部材5の一対の把持板部29は、折畳姿勢Y1になった弾性環状体3内に納まらないように長く形成され、
一対の把持板部29は、それぞれ基部側把持片29aと先端側把持片29bとを有し、一対の把持板部29を収納姿勢Y2にしたときに折畳姿勢Y1にした弾性環状体3内に納まるように、基部側把持片29aに対して先端側把持片29bが2つ折りに屈曲自在とされている点にある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、弾性環状体の一部に、弾性環状体の環状方向に沿う弧状支持部と、弧状支持部から膜体の内外方向に突出した突出支持部とが設けられ、把持部材で弧状支持部と突出支持部とを挟持固定するようにしたので、把持部材に対して弾性環状体が弧状支持部を支点に揺動するのを突出支持部で規制できるし、突出支持部を支点に揺動するのを弧状支持部で規制することができ、把持部材によって弾性環状体乃至うちわ本体を安定に保持することができて、長期間使用しても把持部材に対して弾性環状体乃至うちわ本体が揺動したりガタ付いたりするのを防止できる頑丈な携帯うちわになし得る。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜
図10は本発明の第1実施形態を示している。
図2及び
図8において、携帯うちわ1は、弾性環状体3と膜体4と把持部材5とを備え、弾性環状体3に膜体4を張設してうちわ本体7が構成され、把持部材5で弾性環状体3の一部を挟持固定している。
携帯うちわ1に止め具9及び鎖10を介して収納ケース13が着脱自在に連結されている。収納ケース13は厚紙や合成樹脂等により正方形の扁平な箱形に形成され、一端に開口14を有している。収納ケース13の開口14側の角部に鎖10を挿通するための挿通孔15が設けられている。
【0015】
図1〜
図8において、弾性環状体3は鋼材又は合成樹脂等により構成した細い帯板状の弾性線材を環状に弾性変形してなり、
図2及び
図8に示すように弾性変形の復元力により大きな環状に展開される使用姿勢X1と、
図10に示すように弾性変形により小さな環状に折り畳まれる折畳姿勢Y1とに姿勢変更自在になっている。
弾性環状体3の一端側が、膜体4の内方に向けて山形に屈曲され、これにより弾性環状体3の一端側に弾性環状体3の環状方向に沿う一対の弧状支持部19が形成されると共に、弧状支持部19から膜体4の内方向に向けて山形に突出した突出支持部20が形成され、一対の弧状支持部19は突出支持部20の両側に位置している。
【0016】
弾性環状体3の他端側は、前記一端側の一対の弧状支持部19に重合するように環状方向に配置され、これにより弾性環状体3の他端側に弾性環状体3の環状方向に沿う弧状支持部19が形成され、弧状支持部19は前記一端側の一対の弧状支持部19に重合されている。
前記一端側の一対の弧状支持部19と他端側の弧状支持部19との重合部分にカシメ菅(金属管)22が外嵌され、重合部分がカシメ菅22上から圧着されて(かしめられて)互いに連結固定されている。
【0017】
而して、弾性環状体3の一端側と他端側とが連結固定されて、弾性環状体3は環状に保持され、弾性環状体3の一部である弾性環状体3の一端側又は他端側に、後述の如く把持部材5で挟持固定するための3つの弧状支持部19と1つの突出支持部20とが設けられている。
膜体4は、
図8に示すように、不織布や和紙やナイロン布等の弾性がある布材や弾性を有する合成樹脂シート等で円形に構成され、その外周部に折り返して縫着等し又は別途帯状の布材を縫着等してなる保持筒部24が形成されており、この保持筒部24に弾性環状体3を挿通保持することにより、膜体4が弾性環状体3に張設されている。
【0018】
把持部材5は、ポリプロピレン(PP)等の合成樹脂により一体成形され、一対の挟持板部27と一対の連結板部28と一対の把持板部29と連結片部30とを有し、一対の挟持板部27は連結片部30によって互いに連結されている。
一対の挟持板部27はヒンジ部31を介して連結片部30にそれぞれ連結されており、一対の挟持板部27は、
図3に示すように弾性環状体3の一端部を挟持する挟持姿勢と、
図4に示すように挟持を解除する解除姿勢とに姿勢変更自在になり、挟持姿勢になったとき弾性環状体3の弧状支持部19と突出支持部20とをうちわ本体7の表裏から挟持するように構成されている。
【0019】
一対の挟持板部27間に、一対の挟持板部27を挟持姿勢に保持する保持手段34が設けられている。
一対の挟持板部27の内面に保持溝36が互いに対応して設けられ、一対の挟持板部27が挟持姿勢になったときに弾性環状体3の(一部の)弧状支持部19と突出支持部20とを保持溝36内に保持すると共に、保持溝36の底面間で保持筒部24を介して挟持固定するように構成されている。
【0020】
一対の挟持板部27内面の保持溝36の両外方に一対の挿通溝37が設けられ、一対の挟持板部27が挟持姿勢になったときに弾性環状体3の一端側の弧状支持部19の外端部を挿通溝37間に挿通保持して一対の挿通溝37の底面間で保持筒部24を介して挟持固定するように構成されている。
一対の挟持板部27の内面の保持溝36内に、弾性環状体3の山形に突出した突出支持部20に嵌合する嵌合凸部39が互いに対応して設けられ、一対の挟持板部27が挟持姿勢になったときに嵌合凸部39同士で膜体4を挟むように構成されている。
【0021】
前記保持手段34は保持溝36内の嵌合凸部39の両側に一対配置され、各保持手段34は、一方の挟持板部27内面の保持溝36内に設けた雄嵌合部41と、他方の挟持板部27内面の保持溝36内に設けた雌嵌合部42とで構成され、雄嵌合部41と雌嵌合部42とが嵌合固着されて一対の挟持板部27を挟持姿勢に保持するようになっている。
一対の連結板部28は、一対の挟持板部27と一対の把持板部29との間にそれぞれ設けられており、一対の連結板部28はヒンジ部44を介して挟持板部27に対して重合するように2つ折りに屈曲されて、接着剤等で挟持板部27に接着固定されている。
【0022】
一対の把持板部29は、一対の挟持板部27側である連結板部28からそれぞれヒンジ部45を介して突出されており、一対の把持板部29は、
図2及び
図3に実線で示すようにうちわ本体7から外方突出して互いに重合する把持姿勢X2と、
図2及び
図3に2点鎖線で示すようにうちわ本体7の面内に納まる収納姿勢Y2とに姿勢変更自在とされている。一対の把持板部29の先端部に円形の連結孔46が貫通形成されており、この連結孔46によって止め具9を着脱自在に連結するように構成されている。
【0023】
一対の把持板部29間に、把持姿勢X2になったときに互いに重合した状態に係合保持
する係合手段47が設けられている。
前記係合手段47は、一対の把持板部29の中途部に互いに対応して設けた雄ホック49と雌ホック50とで構成され、雄ホック49と雌ホック50とが係脱自在に係合して一対の把持板部29を把持姿勢X2に保持するようになっている。
【0024】
上記第1実施形態によれば、携帯うちわ1を使用する場合、一対の挟持板部27を挟持姿勢にして、一対の挟持板部27で弾性環状体3の弧状支持部19と突出支持部20とをうちわ本体7の表裏から挟持し、一対の把持板部29を把持姿勢X2にすると共に、弾性環状体3を使用姿勢X1にして、把持部材5を把持して携帯うちわ1を使用すればよい。
この場合、弾性環状体3の一端側の突出支持部20とその両側に位置する一対の弧状支持部19と他端側の弧状支持部19とが把持部材5で挟持固定されているので、把持部材5に対して弾性環状体3が弧状支持部19を支点に揺動するのを突出支持部20で規制できるし、突出支持部20を支点に揺動するのを弧状支持部19で規制することができ、把持部材5によって弾性環状体3乃至うちわ本体7を安定に保持することができる。従って、長期間使用しても把持部材5に対して弾性環状体3乃至うちわ本体7が揺動したりガタ付いたりするのを防止できる。
【0025】
しかも、本実施形態の場合、一端側の一対の弧状支持部19と他端側の弧状支持部19との重合部分にカシメ菅22が外嵌され、この重合部分がカシメ菅22上から圧着されて互いに連結固定されているので、弾性環状体3の一端側と他端側とが径方向に2重になっていて、カシメ菅2を利用して、弾性環状体3の一端側と他端側とを2箇所で強固に連結することができると同時に、弾性環状体3の一端側における突出支持部20の両側を他端側に対して強固に連結することができるため、弾性環状体3の把持部材5によって把持する部分を頑丈な構造になすことができ、この点からも、長期間使用しても把持部材5に対して弾性環状体3乃至うちわ本体7が揺動したりガタ付いたりするのをより一層確実に防止できる。
【0026】
次に、携帯うちわ1を携帯する場合には、
図9に示すように、把持部材5を収納姿勢Y2にし、弾性環状体3乃至うちわ本体7を360度程度捻って弾性変形により2重の小さな環状に折り畳んで折畳姿勢Y1にし、その後、
図10に示すように、携帯うちわ1を収納ケース13に収納すればよく、携帯うちわ1はコンパクトに折り畳まれて、収納ケース13に収納されるので、携帯や保管等に非常に便利である。
【0027】
図11は第2実施形態を示し、弾性環状体3は弾性線材を環状に弾性変形してなり、弾性環状体3の中途部が、突出支持部20とその両側に位置する一対の弧状支持部19とを具備するように膜体4の内方向に向けて山形に屈曲され、この中途部の突出支持部20とその両側の一対の弧状支持部19とが把持部材5で挟持固定されている。
なお、図示省略しているが、弾性環状体3の一端部と他端部とは、互いに重合されてカシメ菅が外嵌され、このカシメ菅上から圧着することにより互いに連結固定されている。
【0028】
その他の点は前記第1実施形態の場合と同様の構成であり、図示省略しているが、把持部材5は、一対の挟持板部27と一対の連結板部28と一対の把持板部29と連結片部30とを有している。
図12〜
図17は第3実施形態を示し、弾性環状体3は前記第1実施形態の場合と同様の構成であり、弾性環状体3の一端側の一対の弧状支持部19と他端側の弧状支持部19との重合部分がカシメ菅22上から圧着されて互いに連結固定されると共に、前記一端側の突出支持部20とその両側に位置する一対の弧状支持部19と他端側の弧状支持部19とが把持部材5で挟持固定されている。
【0029】
把持部材5は、一対の挟持板部27と一対の把持板部29と連結片部30とを有し、一対の挟持板部27は連結片部30によりヒンジ部31を介して連結され、前記第1実施形態における一対の連結板部28は省略されている。一対の把持板部29は、一対の挟持板部27の先端部からそれぞれヒンジ部45を介して突出されており、うちわ本体7から外方突出して互いに重合する把持姿勢X2と、うちわ本体7の面内側に納まる収納姿勢Y2とに姿勢変更自在とされている。
【0030】
そして、一対の把持板部29は、折畳姿勢Y1になった弾性環状体3の直径よりも長く
形成されている。即ち、一対の把持板部29は折畳姿勢Y1になった弾性環状体3内に納まらないように長く形成されている。
また、一対の把持板部29は、それぞれ基部側把持片29aと先端側把持片29bとを有し、一対の把持板部29の各先端側把持片29bは基部側把持片29aに対してヒンジ部51を介してそれぞれ連結されており、一対の把持板部29を収納姿勢Y2にしたときに折畳姿勢Y1にした弾性環状体3内に納まるように、基部側把持片29aに対して先端側把持片29bが2つ折りに屈曲自在とされている。
【0031】
一対の把持板部29間に、把持姿勢X2になったときに互いに重合した状態に係合保持する係合手段47が設けられている。この係合手段47は、一対の基部側把持片29aに互いに対応して設けた基部側雄ホック49aと基部側雌ホック50aとを有し、また、一対の先端側把持片29bに互いに対応して設けた先端側雄ホック49bと先端側雌ホック50bとを有しており、一対の把持板部29が把持姿勢X2になったときに、基部側雄ホック49aと基部側雌ホック50aとが係脱自在に係合して一対の基部側把持片29a同士を重合状態に保持すると共に、先端側雄ホック49bと先端側雌ホック50bとが係脱自在に係合して一対の先端側把持片29b同士を重合状態に保持するようになっている。
【0032】
また、一対の把持板部29を収納姿勢Y2にして、基部側把持片29aに対して先端側把持片29bが2つ折りに屈曲したときに、基部側雄ホック49aと先端側雌ホック50bとが係脱自在に係合すると共に、基部側雌ホック50aと先端側雄ホック49bとが係脱自在に係合して、一対の基部側把持片29aと一対の先端側把持片29bとを屈曲した重合状態に保持するようになっている。
【0033】
而して、係合手段47で、基部側把持片29a同士を重合状態に保持すると共に先端側把持片29b同士を重合状態に保持することにより、一対の把持板部29乃至把持部材5を把持姿勢X2に保持するように構成されている。また、係合手段47で、一対の基部側把持片29aと一対の先端側把持片29bとを屈曲した重合状態に保持して、一対の把持板部29を収納姿勢Y2に保持するように構成されている。
【0034】
この第3実施形態の場合、把持部材5の一対の把持板部29は長く形成されており、把持姿勢X2にしたとき、うちわ本体7から大きく外方突出するので、把持部材5が把持し易くなり、携帯うちわ1の使用に便利になる。しかも、一対の把持板部29を収納姿勢Y2にしたときに、基部側把持片29aに対して先端側把持片29bが2つ折りに屈曲して、折畳姿勢Y1にした弾性環状体3内に納めることができ、携帯にも便利である。
【0035】
図18は第4実施形態を示し、弾性環状体3は弾性線材を環状に弾性変形してなり、弾性環状体3の中途部が、突出支持部20とその両側に位置する一対の弧状支持部19とを具備するように山形に屈曲され、この中途部の突出支持部20とその両側の一対の弧状支持部19とが把持部材5で挟持固定されている。なお、図示省略しているが、弾性環状体3の一端部と他端部とは重合されてカシメ菅22が外嵌されて、カシメ菅22上から圧着して連結固定されている。
【0036】
その他の点は前記第3実施形態の場合と同様の構成であり、図示省略しているが、把持部材5は、一対の挟持板部27と一対の把持板部29と連結片部30とを有し、一対の把持板部29は、それぞれ基部側把持片29aと先端側把持片29bとを有し、基部側把持片29aに対して先端側把持片29bが2つ折りに屈曲自在とされている。
図19〜
図23は第5実施形態を示し、把持部材5は、一対の挟持板部27と一対の連結板部28と一対の把持板部29とを有し、第1実施形態における連結片部30は省略され、一対の挟持板部27はヒンジ部31を介して互いに連結されている。また、弾性環状体3の中途部が、突出支持部20とその両側に位置する一対の弧状支持部19とを具備するように膜体4の内方向に向けて山形に屈曲され、この中途部の突出支持部20とその両側の一対の弧状支持部19とが把持部材5で挟持固定されている。その他の点は前記第1実施形態の場合と同様の構成である。
【0037】
図24〜
図26は第6実施形態を示し、弾性環状体3は弾性線材を環状に弾性変形してなり、弾性環状体3の中途部が、突出支持部20とその両側に位置する一対の弧状支持部19とを具備するように膜体4の内方向に向けて山形に屈曲され、この中途部の突出支持
部20とその両側の一対の弧状支持部19とが把持部材5で挟持固定されている。また、膜体4の突出支持部20に対応する外周部は、その保持筒部24と共に内方に屈曲された屈曲凹部53とされている。従って、膜体4は嵌合凸部39から外れており、一対の挟持板部27が挟持姿勢になっても嵌合凸部39同士で膜体4を挟むようにはなっていない。
【0038】
また、把持部材5は、一対の挟持板部27と一対の把持板部29とを有し、連結片部30は省略され、一対の挟持板部27はヒンジ部31を介して互いに連結されている。
その他の点は前記
図18の第4実施形態の場合と同様の構成であり、一対の把持板部29は、それぞれ基部側把持片29aと先端側把持片29bとを有し、基部側把持片29aに対して先端側把持片29bが2つ折りに屈曲自在とされている。
【0039】
図27〜
図29は第7実施形態を示し、
図11の第2実施形態の場合と同様に弾性環状体3の中途部が突出支持部20とその両側に位置する一対の弧状支持部19とを具備するように膜体4の内方向に向けて山形に屈曲され、この中途部の突出支持部20とその両側の一対の弧状支持部19とが把持部材5で挟持固定されている。
また、第5実施形態の場合と同様に、把持部材5は、一対の挟持板部27と一対の連結板部28と一対の把持板部29とを有し、第1実施形態における連結片部30は省略され、一対の挟持板部27はヒンジ部31を介して互いに連結されている。
【0040】
そして、一対の連結板部28の外面に嵌合凹部54が設けられており、把持板部29が収納姿勢Y2に姿勢変更されたとき把持板部29の基部を嵌合保持するように構成されている。また、一対の連結板部28の内面に複数(図例では3つ)の係合凸部55が厚み方向に突設され、これに対応して挟持板部27に複数の係止凹部56が設けられ、係合凸部55と係止凹部56とが係脱自在に係合することにより、一対の連結板部28を挟持板部27に対して重合保持するように構成されている。
【0041】
また、一対の把持板部29に凹溝58が設けられると共に、一対の把持板部29の凹溝58内に、一対の把持板部29が把持姿勢X2になったときに互いに重合した状態に係合保持する係合手段47が設けられている。この係合手段47は、一対の把持板部29の凹溝58内に互いに対応して設けた第1ホック59と第2ホック60とで構成され、第1ホック59は、外環状凸部61と内環状凹部62と線状凸部63とを備えてなり、第2ホック60は、外環状凹部65と内環状凸部66と線状凹部67とを備えてなり、外環状凸部61と外環状凹部65とが嵌合し、内環状凹部62と内環状凸部66とが嵌合し、線状凸部63と線状凹部67とが嵌合することによって、第1ホック59と第2ホック60とが係脱自在に係合して一対の把持板部29を把持姿勢X2に保持するようになっている。
【0042】
その他の点は第1実施形態の場合と同様の構成である。
図30〜
図34は第8実施形態を示し、弾性環状体3の中途部が突出支持部20とその両側に位置する一対の弧状支持部19とを具備するように膜体4の内方向に向けて山形に屈曲され、この中途部の突出支持部20とその両側の一対の弧状支持部19とが把持部材5で挟持固定されている。
【0043】
また、把持部材5は、一対の挟持板部27と一対の連結板部28と一対の把持板部29とを有し、一対の挟持板部27はヒンジ部31を介して互いに連結されている。
そして、一対の把持板部29は、折畳姿勢Y1になった弾性環状体3の直径よりも長く形成されている。即ち、一対の把持板部29は折畳姿勢Y1になった弾性環状体3内に納まらないように長く形成されている。
【0044】
また、一対の把持板部29は、それぞれ基部側把持片29aと先端側把持片29bとを有し、一対の把持板部29の各先端側把持片29bは基部側把持片29aに対してヒンジ部51を介してそれぞれ連結されており、これらヒンジ部51は把持板部29の幅方向に対して互いに逆方向に傾斜している。
従って、
図34に示すように、一対の把持板部29を収納姿勢Y2にして、基部側把持片29aに対して先端側把持片29bが2つ折りに屈曲したときに、一対の先端側把持片29bが基部側把持片29aに対して互いに異なる方向に傾斜した状態で重合し、折畳姿勢Y1にした弾性環状体3内に納まるようになっている。また、一対の把持板部29を把持姿勢X2にしたときに、一対の基部側把持片29a同士が重合すると共に、一対の先端
側把持片29b同士が重合する。このとき、ヒンジ部51同士が把持板部29の幅方向に対して互いに逆方向に傾斜するので、ヒンジ部51で一対の先端側把持片29bが一対の基部側把持片29aに対して不測に屈曲するのを防ぐことができるようになっている。
【0045】
また、一対の基部側把持片29aにそれぞれ凹溝69が設けられ、一対の先端側把持片29bにそれぞれ凹溝70が設けられている。また、一対の把持板部29間に係合手段47が設けられ、この係合手段47は、一対の基部側把持片29aの凹溝69に互いに対応して設けた雄ホック49aと雌ホック50aと備えると共に、一対の先端側把持片29bの凹溝70に互いに対応して設けた一対の雄ホック49bと一対の雌ホック50bとを備え、雄ホック49aと雌ホック50aとが係脱自在に係合して一対の基部側把持片29a同士を重合状態に保持し、雄ホック49aと雌ホック50bとが係脱自在に係合して一対の先端側把持片29b同士を重合状態に保持するようになっている。
【0046】
而して、係合手段47で、基部側把持片29a同士を重合状態に保持すると共に、先端側把持片29b同士を重合状態に保持することにより、一対の把持板部29乃至把持部材5を把持姿勢X2に保持するように構成されている。
また、把持部材5を収納姿勢Y2にした際には、雄ホック49aと雌ホック50bとが係脱自在に係合して一方の把持板部29の基部側把持片29aと先端側把持片29bとを重合状態に保持し、雌ホック50aと雄ホック49bとが係脱自在に係合して他方の把持板部29の基部側把持片29aと先端側把持片29bとを重合状態に保持するようになっている。
【0047】
その他の点は前記第3実施形態の場合と同様の構成である。
図35〜
図53は、それぞれ弾性環状体3の変形例を示している。
図35〜
図42は、弾性環状体3の一端側と他端側とに弧状支持部19と突出支持部20とを設けると共に、カシメ菅22で両者を連結するようにしたものであり、
図35は、弾性環状体3の一端側が、膜体4の外方に向けて山形に屈曲され、
図36は、弾性環状体3の一端側が、膜体4の内方に向けてなだらかな山形に屈曲され、
図37は、弾性環状体3の一端側が、膜体4の外方に向けてなだらかな山形に屈曲されている。
図38は、弾性環状体3の一端側が、膜体4の内方に向けてフック状に屈曲され、
図39は、弾性環状体3の一端側が、膜体4の外方に向けてフック状に屈曲されている。
図40は、弾性環状体3の一端部と他端部とが、膜体4の内方又は外方に向けて屈曲され、
図41は、弾性環状体3の一端部と他端部とが、膜体4の内方に向けてL字状に屈曲され、
図42は、弾性環状体3の一端部と他端部とが、膜体4の外方に向けてL字状に屈曲されている。
【0048】
図43〜
図45は、弾性環状体3の中途部を屈曲してここに弧状支持部19と突出支持部20とを設けるようにしたものであり、
図43は、弾性環状体3の中途部を膜体4の外方に向けて角張った山形に屈曲し、
図44は、弾性環状体3の中途部を膜体4の内方に向けて円弧状の山形に屈曲し、
図45は、弾性環状体3の中途部を膜体4の外方に向けて円弧状の山形に屈曲している。
【0049】
図46〜
図51は、弾性環状体3の一端側と他端側とを屈曲してここに弧状支持部19と突出支持部20とを設けると共に、カシメ菅22で一端側と他端側とを連結固定することなく、把持部材5で把持固定するようにしたものであり、
図46は、弾性環状体3の一端部と他端部とを膜体4の内方に向けて屈曲し、
図47は、弾性環状体3の一端部と他端部とを膜体4の外方に向けて屈曲し、
図48は、弾性環状体3の一端部と他端部とを膜体4の内方に向けて鈎形に屈曲し、
図49は、弾性環状体3の一端部と他端部とを膜体4の外方に向けて鈎形に屈曲し、
図50は、弾性環状体3の一端部と他端部とを膜体4の内方に向けてフック状に屈曲し、
図51は、弾性環状体3の一端部と他端部とを膜体4の外方に向けてフック状に屈曲している。
【0050】
図52は、弾性環状体3の中途部を膜体4の内外方向に広がるように変形させて、弾性環状体3の中途部に弧状支持部19と突出支持部20とを設け、これら弧状支持部19と突出支持部20とを把持部材5で挟持するようにしたものである。
なお、前記実施形態では、弾性環状体3乃至うちわ本体7は、使用姿勢X1のときに弾性変形の復元力により大きな円形の環状に展開されると共に、折畳姿勢Y1のときに弾性
変形により小さな円形の環状に折り畳まれるように構成されているが、これに代え、弾性環状体3乃至うちわ本体7を、使用姿勢X1のときに弾性変形の復元力により大きな楕円形、多角形、ハート形その他の環状に展開されると共に、折畳姿勢Y1のときに弾性変形により小さな環状に折り畳まれるようにしてもよい。
【0051】
また、前記実施形態では、弾性環状体3の一端側と他端側とをカシメ菅22を利用して連結固定するようにしているが、これに代え、弾性環状体3の一端側と他端側とを溶接や接着剤等による接着によって連結固定するようにしてもよい。 また、前記実施形態では、把持部材5で、弾性環状体3の一部の弧状支持部19と突出支持部20とを膜体4の保持筒部24を介して挟持固定するようにしているが、これに代え、例えば、弾性環状体3の把持部材5で挟持する部分について膜体4や保持筒部24を切り欠いておいて、把持部材5で、弾性環状体3の弧状支持部19と突出支持部20とを膜体4の保持筒部24を介することなく直接挟持固定するようにしてもよい。
【0052】
また、前記実施形態では、弾性環状体3に設けた突出支持部20は、弧状支持部19から膜体4の内外方向に突出しており、このため、うちわ本体7や把持部材5を扁平に形成することができて、携帯うちわ1全体を扁平な形状になし得るが、これに代え、弾性環状体3に設けた突出支持部20を、弧状支持部19から膜体4の内外方向以外の方向、例えば膜体4直交する方向や膜体4に対して傾斜する方向に突出するようにしてもよい。
【0053】
また、収納ケース13は箱形に代えて袋状に形成してもよい。