【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明によれば、この目的は、半径方向カーカス補強材を備えたタイヤであって、それ自体半径方向にトレッドが被せられたクラウン補強材を有し、トレッドは、2つのビードによってサイドウォールに連結され、トレッドは、半径方向に重ね合わされると共に軸方向外側部分のところよりも中央部分の方が小さいボイド比を有する配合エラストマーコンパウンドの少なくとも2つの層を有する、タイヤにおいて、トレッドの配合エラストマーコンパウンドの第1の層は、第1の配合エラストマーコンパウンドで作られていて、少なくとも、赤道面の付近中に延びる部分と、第2の配合エラストマーコンパウンドで作られた少なくとも2つの軸方向外側部分とで構成され、第1の配合エラストマーコンパウンドは、65よりも大きなマクロ分散度Z‐値及び0.150よりも小さいtan(δ)maxで示される最大tan(δ)値を有し、第2の配合エラストマーコンパウンドの100℃における引裂き性試験(tearability test)下の破断時伸び率(elongation at break)は、第1の配合エラストマーコンパウンドの100℃における引裂き性試験下の破断時伸び率の値よりも少なくとも10%高い値を有することを特徴とするタイヤを用いて達成された。
【0024】
好ましくは、第2の配合エラストマーコンパウンドの100℃における引裂き性試験下の破断時伸び率は、第1の配合エラストマーコンパウンドの100℃における引裂き性試験下の破断時伸び率の値よりも少なくとも30%高い値を有する。
【0025】
充填剤入り配合エラストマーコンパウンドについて65よりも大きなマクロ分散度Z‐値は、充填剤が65以上の分散Z‐値で配合物のエラストマーマトリックス中に分散していることを意味している。
【0026】
本明細書における説明では、エラストマーマトリックス中の充填剤の分散度は、架橋後、ISO規格11345に準拠したエス・オットー等(S. Otto et al),「カウトゥシュック・グンミ・クンストゥストッフェ(Kautschuk Gummi Kunststoffe)」,58ヤーガング(Jahrgang),エヌアール(NR)7‐8,2005年に記載された方法を用いて測定されるZ‐値によって特徴付けられる。
【0027】
Z‐値計算は、充填剤がディニスコ(Dynisco)社によって操作手順及び“disperDATA”開発ソフトウェアが提供されている“disperGRADER+”装置によって次式を用いて測定して分散されていない表面積の百分率(「非分散度%面積」)に基づいている。
Z=100−(非分散度%面積)/0.35
【0028】
非分散度百分率面積は、それ自体、30°の角度をなして入射した光の下で試験体の表面を見るカメラを用いて測定される。淡色箇所は、充填剤及び凝集部と関連し、暗色箇所は、ゴムマトリックスと関連しており、ディジタル処理操作により、画像が白黒画像に変換されると共に非分散度面積百分率を上述の文献中においてエス・オットーにより説明された仕方で求めることができる。
【0029】
Z‐値が高ければ高いほど、ゴムマトリックス中の充填剤の分散度がそれだけ一層良好になる(100というZ‐値は、完全な分散度に対応しており、0というZ‐値は、可もなく不可もない分散度に対応している)。65以上というZ‐値は、エラストマーマトリックス中における充填剤の良好な分散度に対応しているとみなされる。
【0030】
トレッドの構成材料である配合エラストマーコンパウンドは、既知の方法を用いて調製される。
【0031】
65を超えるマクロ分散度Z‐値を達成するため、半径方向外側部分を構成している配合エラストマーコンパウンドは、有利には、ジエンエラストマー及び補強用充填剤のマスターバッチを形成することによって調製されるのが良い。
【0032】
本発明の意味の範囲内において、「マスターバッチ(master batch)」(この英語による表現は、一般に用いられている)は、充填剤が導入されたエラストマーを主成分とする複合材を意味している。
【0033】
ジエンエラストマー及び補強用充填剤のマスターバッチを得るには種々の方法が存在する。特に、1つの解決形式は、エラストマーマトリックス中における充填剤の分散度を向上させるため、エラストマーと充填剤を「液」相で混合することである。このようにするため、水中に分散させたエラストマーの粒子の形態を取るラテックスの形態をしたエラストマー及び充填剤の水性分散液、即ち水中に分散させた充填剤(一般に、「スラリ」と呼ばれる)が用いられる。
【0034】
かくして、本発明の変形形態のうちの1つによれば、マスターバッチは、液相混合によって、天然ゴムを含むジエンエラストマーラテックス及びカーボンブラックを含む充填剤の水性分散液から得られる。
【0035】
さらにより好ましくは、本発明のマスターバッチは、エラストマーマトリックス中における充填剤の極めて良好な分散度を得ることができるようにする以下のプロセスステップを用いて得られる。
‐ジエンエラストマーラテックスの連続した第1の流れを、混合ゾーンと出口との間に延びる細長い凝固ゾーンを備えた凝固反応器の混合ゾーンに供給し、
‐凝固反応器の上述の混合ゾーンに圧力下で充填剤を含む流体の第2の連続した流れを供給し、エラストマーラテックスが出口の前で充填剤と共に凝固するようにするのに十分活発に混合ゾーン内で第1の流体と第2の流体を混合することによってエラストマーラテックスとの混合物を形成し、この混合物は、連続した流れとして出口ゾーンに向かって流れ、充填剤は、エラストマーラテックスを凝固させることができ、
‐反応器の出口のところに、連続した流れの形態で先に得られた凝塊を集めてこれを乾燥させ、それによりマスターバッチを回収する。
【0036】
マスターバッチを液相で調製するかかる方法は、例えば、国際公開第97/36724号パンフレットに記載されている。
【0037】
損失係数(ロスファクタ)tan(δ)は、ゴム混合物の層の動的性質である。これは、規格ASTM・D5992‐96に従って粘度分析装置(Metravib VA4000)で測定される。10Hzの振動数、100℃の温度で単純な交番正弦剪断応力を受けた加硫済み配合物のサンプル(厚さ4mm、断面積400mm
2の円筒形試験体)の応答を記録する。変形量(歪)の振幅が0.1%から50%にスイープし(外方サイクル)、次に50%から1%にスイープする(戻りサイクル)。利用する結果は、複素(complex)動的剪断弾性率(G
*)及び損失係数tan(δ)である。戻りサイクルに関し、観察されるtan(δ)の最大値(tan(δ)
maxで表される)が示される。
【0038】
転がり抵抗は、タイヤが転動しているときに生じる抵抗であり、タイヤの上昇温度を示している。かくして、転がり抵抗は、一回転中におけるタイヤの変形量と関連したヒステリシスロスによって表される。用いられる材料のtan(δ)の値は、タイヤの転動によって生じる種々の変形頻度の効果を取り込むために10kHz、30〜100℃で測定される。かくして、100℃におけるtan(δ)の値は、転動中におけるタイヤの転がり抵抗の指標に対応している。
【0039】
引裂き性指数は、100℃で測定される。具体的に言えば、破断部(FRD)を得るために及ぼさなければならない力は、厚さのN/mmで求められ、破断時伸び率(ARD)は、5mmの深さにわたって長さに沿いその中心に切り欠きが設けられた寸法10×105×2.5mmの試験体について百分率として測定される。
【0040】
まだ全く走行していない新品のタイヤについて種々の測定が行われる。
【0041】
本発明の好ましい実施形態によれば、トレッドの中央部分のボイド比は、2〜15%、好ましくは10%未満である。
【0042】
また、好ましくは、トレッドの軸方向外側部分のボイド比は、20〜40%であり、好ましくは30%未満である。
【0043】
少なくとも一部が最も低いボイド比を備えた領域に一致するトレッドの第1の層の中央部分のための材料として65を超えるマクロ分散度Z‐値を有する第1の充填剤入り配合エラストマーコンパウンドと、少なくとも一部が最も高いボイド比を備えた領域に一致するタイヤの軸方向外側部分のための材料として100℃における引裂き性試験下の第1の配合エラストマーコンパウンドの破断時伸び率の値よりも少なくとも10%高い100℃における引裂き性試験下の第2の配合エラストマーコンパウンドの破断時伸び率の値を有する第2の配合エラストマーコンパウンドの組み合わせにより、耐摩耗性と耐攻撃性との間の妥協点が見出されると同時にトルクの伝達が有利になることを実証することができた。
【0044】
具体的に説明すると、上述したように、トレッドの中間部のボイド比は、軸方向外側部分と比較して低い。トレッドの中央部分のボイド比のこの減少により、クラウン補強材を攻撃から守ることができる。なお、石をトレッドのこの中央部分から取り除くことは、特に込み入った作業である。
【0045】
次に、トレッドの中央部分のための材料として65よりも大きいマクロ分散度Z‐値を備えた第1の充填剤入り配合エラストマーコンパウンドを選択することにより、耐摩耗性がかかるタイヤの使用の面で特に有利であり、本発明者は、最も顕著な摩耗がトルク伝達時に最も重い重量を受ける部分であるトレッドの中央部分で起こることを実証することができた。
【0046】
トレッドの軸方向外側部分のための材料として100℃における引裂き性試験下において第1のエラストマーコンパウンドの破断時伸び率の値よりも少なくとも10%高い100℃における引裂き性試験下における第2の配合エラストマーコンパウンドの破断時伸び率の値を有する第2の配合エラストマーコンパウンドを選択することも又、特に最も高いボイド比を有するトレッドの部分におけるタイヤの良好な耐攻撃性に寄与する。これにより生じることとして、第2の配合エラストマーコンパウンドの破断時伸び率の値により、トレッドパターン内でぎっしりと詰まり状態になった石の存在の結果として生じる場合のある開始状態の亀裂の広がりを制限することができるように思われる。事実、第2の配合エラストマーコンパウンドの破断時伸び率特性は、第2の配合エラストマーコンパウンドに耐攻撃性に望ましい凝集特性を与える。
【0047】
最後に、これ又0.150以下のtan(δ)max値を有するトレッド中央部分のための材料として65を超えるマクロ分散度Z‐値を有する第1の充填剤入り配合エラストマーコンパウンドを選択することにより、タイヤの加熱を少なくするのに好都合であるヒステリシス特性及びかくして良好なタイヤ耐久性が得られる。
【0048】
有利には、本発明によれば、配合エラストマーコンパウンドの第1の層の少なくとも2つの軸方向外側部分を形成する第2の配合エラストマーコンパウンドの100℃における引裂き性試験下の破断時伸び率は、350%を超え、好ましくは400%以上に等しい。
【0049】
また、有利には、本発明によれば、少なくとも、配合エラストマーコンパウンドの第1の層の赤道面の付近中に延びる部分を形成する第1の配合エラストマーコンパウンドの100℃における引裂き性試験下における破断時伸び率は、350%未満である。
【0050】
有利には、本発明によれば、第1の配合エラストマーコンパウンドの比MSA300/MSA100は、第2の配合エラストマーコンパウンドの比MSA300/MSA100の値よりも少なくとも15%高い値を有する。
【0051】
引張り試験により、破断時における弾性応力及び特性を求めることができる。この引張り試験は、1988年9月の仏国規格NF T 46-002に従って実施される。引張り試験の結果を処理することにより、伸び率の関数として弾性率の曲線をプロットすることができる。ここで用いられる弾性率は、試験体の初期断面に関して計算された第1の伸びの際に測定される公称(又は見かけ上の)割線モジュラスである。公称割線モジュラス(又は見かけ上の応力、単位MPa)は、MSA100及びMSA300とそれぞれ呼ばれている100%における第1の伸び及び300%における第1の伸びで測定される。破断時応力(単位MPa)及び破断時伸び率(単位%)は、規格NF T 46-002に従って23℃±2℃及び100℃±2℃で測定される。
【0052】
本発明の好ましい実施形態によれば、少なくとも、配合エラストマーコンパウンドの第1の層の赤道面の付近中に延びる部分を形成する第1の配合エラストマーコンパウンドは、補強用充填剤として、少なくとも、10〜70phrの比率で用いられる120m
2/gを超えるBET比表面積を備えたカーボンブラックを含む。
【0053】
また、好ましくは、少なくとも、配合エラストマーコンパウンドの第1の層の赤道面の付近中に延びる部分を形成する第1の配合エラストマーコンパウンドの補強用充填剤は、補強用充填剤として、上述したカーボンブラックと白色充填剤のブレンドを含み、充填剤の全体的レベルは、10〜90phrであり、カーボンブラックと白色充填剤の比は、2.7を超える。
【0054】
上述したような充填剤の選択により、配合エラストマーコンパウンドの第1の層の第1の配合エラストマーコンパウンドの耐摩耗性を一段と向上させることができる。
【0055】
また、有利には、本発明によれば、少なくとも、配合エラストマーコンパウンドの第1の層の赤道面の付近中に延びる部分を形成する第1の配合エラストマーコンパウンドの100℃における複素動的剪断弾性率G
*1%は、2.10を超える。
【0056】
本発明の第1の実施形態によれば、本発明のタイヤは、配合エラストマーコンパウンドの少なくとも2つの半径方向に重ね合わされた層を有し、第1の配合エラストマーコンパウンドで作られていて、少なくとも、赤道面の付近中に延びる部分及び第2の配合エラストマーコンパウンドで作られた少なくとも2つの軸方向外側部分を有する上述の第1の層は、トレッドの半径方向外側層を形成し、この半径方向外側層は、路面に接触するようになっている。
【0057】
この第1の実施形態によれば、第1の層の半径方向内側に位置し且つこの第1の層と接触状態にある配合エラストマーコンパウンドの第2の層は、有利には、100℃における引裂き性試験中に測定された破断時伸び率の値を有する配合エラストマーコンパウンドで構成されるが、この破断時伸び率の値は、第1の層の第1の配合エラストマーコンパウンドの100℃における引裂き性試験下における破断時伸び率の値よりも少なくとも10%高い。
【0058】
また、有利には、第1の層の半径方向内側に位置し且つ第1の層と接触状態にある配合エラストマーコンパウンドの第2の層は、配合エラストマーコンパウンドの第1の層の軸方向外側部分を形成する第2の配合エラストマーコンパウンドと同一である配合エラストマーコンパウンドで構成される。
【0059】
この第2の配合エラストマーコンパウンドが第1の層、特にその中央部分の半径方向内側に位置して設けられることにより、第1の層の上述の中央部分のトレッドパターンの底部に現れる場合のある亀裂の広がりを制限し、従って、トレッドの良好な耐攻撃性に好都合であるようにすることができる。
【0060】
本発明の第2の実施形態によれば、本発明のタイヤは、配合エラストマーコンパウンドの少なくとも2つの半径方向に重ね合わされた層を有し、第1の配合エラストマーコンパウンドで作られていて、少なくとも、赤道面の付近中に延びる部分及び第2の配合エラストマーコンパウンドで作られた少なくとも2つの軸方向外側部分を有する上述の第1の層は、トレッドの半径方向内側層を形成する。トレッドのかかる層は、1つ又は複数個の半径方向最も外側の層が消えるようにさせた所与の量だけトレッドが摩滅した後にのみ路面に接触するようになっている。
【0061】
この第2の実施形態によれば、好ましくは第1の層と接触状態にある配合エラストマーコンパウンドの半径方向外側の第2の層は、有利には、65よりも大きいマクロ分散度Z‐値及び0.150よりも低いtan(δ)maxで示される最大tan(δ)値を有する配合エラストマーコンパウンドで構成される。
【0062】
また、有利には、第1の層と接触状態にある配合エラストマーコンパウンドの半径方向外側の第2の層は、配合エラストマーコンパウンドの第1の層の中央部分を形成する第1の配合エラストマーコンパウンドと同一の配合エラストマーコンパウンドで構成される。
【0063】
この第1の配合エラストマーコンパウンドが第1の層、特にその軸方向外側部分の半径方向外側に位置することにより、トレッドの耐摩耗性を向上させることができる場合がある。本発明者は、コーナリングの際、軸方向幅が37インチを超えるダンパ型の産業車両のタイヤの軸方向外側部分が特に過酷な応力を受けることを実証することができた。また、これは、これら応力が加わる深刻さは、タイヤのサイズにつれて変化する場合であることが分かっており、加わる応力の量は、特に、サイドウォールの高さとタイヤの幅の比と一致して増大する。
【0064】
かくして、本発明のこの第2の実施形態としての配合エラストマーコンパウンドのこの第2の層の厚さは、有利には、タイヤのサイズに従って様々であって良い。本発明によれば、トレッドの半径方向外側部分を形成するこの第2の層の厚さは、有利には、タイヤの幅が増大するにつれて減少する。さらに、この厚さは、有利には、第2の層がパターン中のトレッドブロックの可動性の減少を招く応力の加わる量の相当な減少及びタイヤの横方向剛性の増大をもたらした摩耗に続いて消えるよう定められ、なお、かかる減少及びかかる増大は、コーナリングの際に望ましい。
【0065】
57インチ(144.78cm)(タイヤのビードのベース間で測定された直径)以下のタイヤの場合、タイヤの子午線断面で見て、半径方向最も外側のワーキング層である層の端のところで半径方向に測定した本発明のこの第2の実施形態としての配合エラストマーコンパウンドの第2の層の厚さは、好ましくは、タイヤの子午線断面で見て、半径方向最も外側のワーキング層である層の端のところで半径方向に測定した配合エラストマーコンパウンドの第1の層の厚さの50%を超える。
【0066】
57インチ(タイヤのビードのベース間で測定された直径)を超えるタイヤの場合、タイヤの子午線断面で見て、半径方向最も外側のワーキング層である層の端のところで半径方向に測定した本発明のこの第2の実施形態としての配合エラストマーコンパウンドの第2の層の厚さは、好ましくは、タイヤの子午線断面で見て、半径方向最も外側のワーキング層である層の端のところで半径方向に測定した配合エラストマーコンパウンドの第1の層の厚さの10%を超える。
【0067】
また、好ましくは、本発明のこの第2の実施形態によれば、トレッドは、第1の層の半径方向内側に位置し且つこれと接触状態にあり、有利には、100℃における引裂き性試験において第1の層の第1の配合エラストマーコンパウンドの破断時伸び率の値よりも少なくとも10%高い100℃における引裂き性試験下の破断時伸び率値を有する配合エラストマーコンパウンドの第3の層を有する。
【0068】
また、有利には、第1の層の半径方向内側に位置し且つこれと接触状態にある配合エラストマーコンパウンドの第3の層は、配合エラストマーコンパウンドの第1の層の軸方向外側部分を形成する第2の配合エラストマーコンパウンドと同一の配合エラストマーコンパウンドで構成されている。
【0069】
第1の実施形態の場合と同様、かかる半径方向内側層は、特に、トレッドの第1の層の中央部分のトレッドパターンの底部への石の存在の結果として現れる場合のある発生後の亀裂の広がりを制限することができるようになっている。
【0070】
トレッドの全厚は、タイヤの要望及び使用と関連したパラメータによって定められるので、トレッドを構成する種々の層の厚さは、上述したようにタイヤのサイズにつれて変化しなければならない。
【0071】
57インチ(タイヤのビードのベース間で測定された直径)以下のタイヤの場合、タイヤの子午線断面で見て、半径方向最も外側のワーキング層である層の端のところで半径方向に測定した本発明のこの第2の実施形態としての配合エラストマーコンパウンドの第3の層の厚さは、好ましくは、タイヤの子午線断面で見て、半径方向最も外側のワーキング層である層の端のところで半径方向に測定した配合エラストマーコンパウンドの第1の層の厚さの25%を超える。
【0072】
57インチ(タイヤのビードのベース間で測定された直径)を超えるタイヤの場合、タイヤの子午線断面で見て、半径方向最も外側のワーキング層である層の端のところで半径方向に測定した本発明のこの第2の実施形態としての配合エラストマーコンパウンドの第3の層の厚さは、好ましくは、タイヤの子午線断面で見て、半径方向最も外側のワーキング層である層の端のところで半径方向に測定した配合エラストマーコンパウンドの第1の層の厚さの35%を超える。
【0073】
また、上述した実施形態のいずれか1つによる本発明の有利な一変形形態では、配合エラストマーコンパウンドの追加の層がトレッド中の半径方向最も内側の位置に、従ってタイヤのクラウン補強材と接触関係をなして設けられ、この配合エラストマーコンパウンドは、0.100未満のtan(δ)maxで示される最大tan(δ)値を有する。
【0074】
この追加の層をトレッドの内側寄りに半径方向最も遠くに設けることにより、トレッド温度の増大を更に一層減少させ、従ってタイヤの耐久性にとって有利にすることができる。
【0075】
また、この追加の層をトレッドの内側寄りに半径方向最も遠くに設けることにより、タイヤのクラウン領域の動作温度を減少させてタイヤの転がり抵抗を減少させることができるようにすることができる。
【0076】
ワーキング層の端部のところで半径方向に測定してタイヤの子午線断面で見て半径方向最も外側に位置する配合エラストマーコンパウンドのこの追加の層の厚さは、有利には、ワーキング層の端部のところで半径方向に測定して、タイヤの子午線断面で見て半径方向最も外側のトレッド全体の厚さの15%〜25%である。
【0077】
本発明によれば、上述の厚さの測定値は、走行しておらず、従ってトレッドの摩耗が全くない新品状態のタイヤから取られている。
【0078】
本発明の別の細部及び別の有利な特徴は、
図1〜
図3を参照して行われる本発明の幾つかの実施形態の説明から以下において明らかになろう。