(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、照明器具の一例として道路灯を説明する。
図1は、本実施形態に係る道路灯を下方からみた斜視図である。
図2は
図1の道路灯を下カバー体及びグローブを省略して示す斜視図である。
図3は
図2の道路灯をレンズ体を省略して示す斜視図である。
図4は
図3の道路灯を押さえ板及び発光素子モジュールを省略して示す斜視図である。
道路灯1は、
図1に示すように、アーム型の支柱5の先端部3に器具本体10を支持したものである。アーム型の支柱5は、路肩等の道路脇の地面に立設された柱であり、柱の途中から曲がって先端部3が水平方向に水平、或いは所定角度傾いて延びている。
【0013】
器具本体10は、アルミダイカスト等で形成され、一端11Aから他端11Bにかけて長い平面視略矩形の箱型を成し、その一端11Aの近傍で上記支柱5の先端部3に支持され、他端11Bを道路側(車道側)に向けて設置される。
図1及び
図2に示すように、器具本体10の底面10Aには、一端11Aの側に照射開口12が形成され、この照射開口12がグローブ13で覆われている。
器具本体10は、背面10B(すなわち一端11A近傍の外側面)にアーム用挿入孔15が設けられている。アーム型の支柱5に支持する際には、当該支柱5の先端部3が器具本体10の背面10Bからアーム用挿入孔15に挿入される。
【0014】
器具本体10は、ベースケース体20と、下カバー体21とを備え、これらが器具本体10の略箱型のケース体を構成する。ベースケース体20は、屋外使用に十分に耐え得る耐食性があり、なおかつ、熱伝導性が高い材料(例えばアルミニウムやアルミニウム合金)を用いて形成されている。高熱伝導性の材料を用いることで、後述する光源ユニット25の発熱がベースケース体20から放熱され、光源ユニット25の光源温度が発光動作に適切な温度に維持される。下カバー体21は、屋外使用に十分に耐え得る耐食性がある材料(例えば、ステンレス鋼)を用いて形成されている。
ベースケース体20は、器具本体10の六面の外側面のうち、底面10A、背面10B、天面10C、正面側、及び左右側の外側面10D、10E、10Fを構成する。下カバー体21は、底面10Aの一部から背面10Bの一部を構成する。
【0015】
ベースケース体20には、上述したアーム用挿入孔15及び照射開口12が形成され、ベースケース体20の下面は、グローブ13及び下カバー体21がねじ止め固定されて閉じられる。グローブ13の縁部側には、シール部材としての環状のパッキン(不図示)が全周に亘って嵌め込まれている。グローブ13をベースケース体20に取り付けた際には、グローブ13とベースケース体20との間でパッキンが挟み込まれて、当該パッキンによって照射開口12がシールされる。
【0016】
ベースケース体20は、その内部が器具本体10の一端11Aの側のクランプ取付室27Bと、他端11Bの側の光源室27Aとに仕切28で仕切られている。クランプ取付室27Bは下カバー体21に、光源室27Aはグローブ13によって閉じられる。クランプ取付室27Bにはクランプユニット26が配設され、光源室27Aには光源を構成する光源ユニット25及び電源80が配設されている。
クランプユニット26は、器具本体10のアーム用挿入孔15から挿入された支柱5の先端部3に挿入されて取り付けられる支柱取付具である。電源80は、光源ユニット25に電源を供給して光源ユニット25の点灯を制御する制御装置である。
【0017】
光源ユニット25は、道路灯1の光源であり、発光素子を備えて構成されている。具体的には、
図2及び
図3に示すように、光源ユニット25は、COB型LED(発光素子モジュール)35と、モジュール基板36と、押さえ板50と、レンズ体39(光学レンズ装置)とを備え、これらの順に重ねるように組み付けて構成されている。
COB型LED35は、多数のLEDをLED基板34の上に密集配置して平面視略円形(四角形も有り得る)の面状の発光部35Aを形成したチップオンボード(COB)構造の発光デバイスである。この面状の発光部35Aは、この面に略垂直な方向(以下、単に直下方向と言う。)に光軸F(
図6及び
図7参照)を有し、この光軸Fが器具本体10の底面10Aを指向する姿勢で器具本体10の中に配置される。COB型LED35は、多数のLEDが密集配置されていることから大光量で高輝度な灯具が得られる。LED基板34は、COB型LED35の発熱を裏面に効率良く伝えるために、高熱伝導性を有する例えばセラミック等で形成されている。
【0018】
モジュール基板36は、複数(本実施形態では、2つ)のCOB型LED35を実装する矩形板状の基板であり、COB型LED35とともに発光素子ユニット37を構成している。モジュール基板36には、COB型LED35とベースケース体20の電気絶縁耐圧を得られ、かつ、放熱性を有する材料、例えば、セラミック材が使用されている。モジュール基板36はベースケース体20に接着され、LED基板34はモジュール基板36に接着されている。
押さえ板50は、モジュール基板36あるいはCOB型LED35が剥がれた場合に、COB型LED35の落下を防止するための部材であり、ベースケース体20に一体に形成されたボス42(
図4参照)に固定されている。
【0019】
レンズ体39は、COB型LED35の配光を制御する配光制御部材であり、これらの配光制御により、道路の走行方向に合わせて左右に延びた横長の配光が実現されている。具体的には、レンズ体39は、COB型LED35の発光部35Aを覆って配置されて、当該COB型LED35の光軸F近傍の光を左右方向(道路の車線方向)に配光する機能を備える。レンズ体39は、入射面61及び出射面62(
図6参照)を有する光学レンズ(本体部)60と、光学レンズ60の外側に設けられて光学レンズ60を固定する固定部39Aとを備えて構成されている。レンズ体39は、押さえ板50と共締めされてボス42に固定される。これら押さえ板50は及び光学レンズ60は、本実施形態の光学レンズユニット30を構成している。
【0020】
図3及び
図4に示すように、光源室27Aの天井を構成するベースケース体20の天井面20Aには、LED基板34の裏面と面接触して支持する台座面40が複数設けられている。各台座面40は、モジュール基板36が略水平面(照射開口12の開口面から一定の距離)に位置するように天井面20Aからの高さが設定されている。
台座面40は、ベースケース体20の天井面20Aに一体に形成されており、高熱伝導性を有するLED基板34を通じてCOB型LED35の発熱が伝えられる。台座面40の熱は、ベースケース体20の天井面20Aに伝へられ、当該ベースケース体20の天面10Cから外部に放熱され、これにより、COB型LED35の光源温度が発光動作に適切な温度に維持される。なお、COB型LED35に代えて、他の構造のLED、或いは有機EL等の他の発光素子を用いても良いことは勿論である。
【0021】
本実施形態では、ベースケース体20には、光源室27Aの側に各光源ユニット25を包囲する平面視矩形枠状の包囲壁41を設け、この包囲壁41の中を水密にすることで、光源室27Aを防水することとしている。すなわち、包囲壁41の全周に亘り、その先端41Aが、下カバー体21に担持されたグローブ13(
図1)のパッキンに密着し、これにより包囲壁41の内部が水密にシールされる。
【0022】
クランプ取付室27Bには、支柱5の中を通じて先端部3から引き出された外部からの電気配線を結線する端子台70が設けられている。
上記包囲壁41のうちクランプ取付室27Bに面する箇所は仕切28によって構成されており、この仕切28には、電源線引込孔(不図示)が開口している。この電源線引込孔を通じて電源80から延びる電源線(不図示)が光源室27Aからクランプ取付室27Bに引き込まれる。このとき電源線引込孔をシールするために、この電源線引込孔にブッシング孔(不図示)を嵌合し、このブッシングに電源線を通して配線される。ブッシングを通された電源線は、端子台70に接続される。
【0023】
次に、押さえ板50について詳細に説明する。
図5は、光源ユニット25を示す図であり、
図5(A)は底面図、
図5(B)は左側面図、
図5(C)は背面図である。
図6は
図5のVI−VI断面図であり、
図7は
図5のVII−VII断面図である。
図8は、
図5(A)の光源ユニット25を一のレンズ体39を省略して示す図である。
図9は、押さえ板50を示す図であり、
図9(A)は底面図、
図9(B)は
図9(A)のS1−S1断面図、
図9(C)は
図9(A)のS2−S2断面図である。なお、
図5(A)及び
図9(A)の底面図は道路灯1の底面側に相当する。
【0024】
押さえ板50は、モジュール基板36あるいはCOB型LED35が剥がれた際に、LED基板34を支持してCOB型LED35の落下を防止するためのプレート状部材である。押さえ板50は、
図5乃至
図7に示すように、平面視において、LED基板34より大きく、本実施形態では、2つの光学レンズ60の投影面内の略全域に延在する大きさに形成されている。押さえ板50の光学レンズ60に対向するレンズ対向面(面)51は、光拡散反射率が比較的高い材料(例えば、白色材料、又は白色に塗装した材料)で形成され、光拡散面(本実施形態では、光拡散反射面)となっている。
【0025】
押さえ板50の外形をLED基板34より大きくすることにより、光学レンズ60の入射面61や出射面62でCOB型LED35側に反射された光を押さえ板50で反射できるので、光取り出し効率を向上できる。しかも、本実施形態では、押さえ板50を光学レンズ60の投影面内の略全域に延在させているため、光学レンズ60でCOB型LED35側に反射された光を押さえ板50でより多く反射できるので、光取り出し効率を向上できる。すなわち、押さえ板50を設けることで、光学レンズ60でCOB型LED35側に反射された光を器具本体10(
図1)の外部に反射できるので、器具効率をより向上できる。さらに、光学レンズ60以外の部材、例えばグローブ13(
図1)で反射した光も器具本体10の外部に反射できるので、器具効率をさらに向上できる。これに加え、押さえ板50のレンズ対向面51を拡散面としたため、光学レンズ60において反射した光が意図しないスポット状の照射部を作り出すことを防止でき、その結果、路面での照度むらを防止できる。
【0026】
本実施形態では、押さえ板50は、正面視において、光学レンズ60の投影面よりも左右に大きく形成され、レンズ体39の固定部39Aと接触する接触面51Aを備えている。この押さえ板50は、上述したように、レンズ体39を固定するねじ等の固定手段(不図示)によって、ベースケース体20のボス42(
図4)に固定される。これにより、押さえ板50を固定するための専用の固定手段を設ける必要がなくなり、部品点数を削減し、組み立て工程を簡素化できる。また、押さえ板50は、レンズ体39の外側で固定されるため、COB型LED35の近傍のレンズ体39内に押さえ板50の固定手段が位置せず、光取り出し効率を向上できる。さらに、押さえ板50は、レンズ体39とベースケース体20(
図4)との間に挟持されて固定されるので、押さえ板50を堅固に固定できる。これに加え、押さえ板50をレンズ体39の固定部39Aとの接触面分だけより大きく形成しているため、より多くの光を反射できるので、光取り出し効率、ひいては器具効率を向上できる。
【0027】
押さえ板50は、
図8に示すように、発光部35Aが臨む開口52を備えている。この開口52は、正面視において、発光部35Aより大きく、LED基板34より小さく形成されており、開口52を構成する周壁53によってCOB型LED35の落下が防止されている。より詳細には、LED基板34は、四角形状に形成され、対向する2つの角部に配線W1を取り付ける取付部34A,34Aが形成されている。開口52は、取付部34A,34Aが設けられた2つの角部の位置において、取付部34A,34Aより外側に形成され、取付部34A,34Aが設けられない2つの角部において、LED基板34より内側に形成されている。
【0028】
モジュール基板36には、COB型LED35の間に、COB型LED35の配線W1を接続するコネクタ38が設けられており、押さえ板50には、このコネクタ38に対応する位置にコネクタ38を避けるコネクタ用孔54が形成されている。
押さえ板50は、
図6に示すように、COB型LED35間は、モジュール基板36と隙間δを空けて配置されている。また、周壁53には、LED基板34の表面に取り付けた配線W1(
図8)を押さえ板50の裏面側に通す配線孔55が形成されており、配線孔55を通された配線W1は押さえ板50の裏面側の隙間δを通ってコネクタ38に接続される。コネクタ38と電源80とは電源線W2(
図2)によって接続されている。
【0029】
COB型LED35は、図示は省略するが、多数のLED上に蛍光体を配置して構成され、LEDの発光色と、蛍光体の蛍光色の混色によって所定の混色光を出射する。本実施形態では、例えば、LEDに青色光を発光する青色発光素子を用い、蛍光体に青色光を受けて例えば黄色の蛍光光を発する蛍光体を用いている。発光素子の青色の発光色と蛍光体の黄色の蛍光色の混色によって白色光が得られる。
このように構成されたCOB型LED35においては、出射角度が光軸Fに対して大きい光は、蛍光体層の光路長が長くなるため、蛍光体の蛍光色に偏り、照射面である路面に色むらが生じる。
【0030】
そこで、周壁53は、COB型LED35から広がる傾斜面56を設け、この傾斜面56も、押さえ板50のレンズ対向面51と同様に、光拡散反射面として構成している。これにより、光軸Fに対して出射角度が大きく蛍光色に若干偏った光は傾斜面56によって拡散反射されるので、光取り出し効率を向上させつつ、色むらを低減できる。
【0031】
但し、蛍光色に偏った光の全てを傾斜面56で拡散反射させようとすると、傾斜面56が大きくなってしまう。また、拡散反射面による反射光は正反射成分が少ないため、詳細な光学設計が困難となる。
そこで、光軸Fに対して出射角度がより大きく蛍光色により偏った光は傾斜面56で拡散反射させ、残りの光は後述するレンズ体39の全反射面68,69で反射させるようにしている。これにより、傾斜面56を小さくできるとともに、詳細な光学設計が可能となる。
【0032】
レンズ体39は、上述したように、道路照明としての横長配光を実現するため、道路の短手方向(幅方向)は集光させ、長手方向向(車線方向)は拡散させるように構成されている。長手方向においては、色むら成分も拡散され遠くに飛ばされるために、路面の色むらが確認しにくい。短手方向においては、色むら成分も集光されるため、路面の色むらが確認しやすくなる。
【0033】
そこで、開口52は、道路の長手方向と短手方向において、COB型LED35の光の取り出し範囲を異ならせ、長手方向では押さえ板50による反射領域を少なくし、短手方向では押さえ板50による反射領域を多くしている。具体的には、
図9に示すように、長手方向に対向する長手傾斜面56Aは、短手方向に対向する短手傾斜面56Bより、光軸F(
図6及び
図7)に対する角度が大きくなるように形成されている。これらの長手傾斜面56Aと短手傾斜面56Bはなだらかに連続するように形成されている。ここで、長手傾斜面56A間の角度を長手方向の光取り出し範囲α1とし、短手傾斜面56B間の角度を短手方向の光取り出し範囲α2とする。換言すれば、長手方向の光取り出し範囲α1(本実施形態では130°)を短手方向の光取り出し範囲α2(本実施形態では90°)より大きくしている。これにより、長手方向においては押さえ板50によって拡散反射される光が少なくなるので光取り出し効率を高くすることができ、短手方向においては短手傾斜面56Bによって蛍光に偏った光を十分に拡散反射できるので、路面の色むらを低減できる。
このように押さえ板50を構成することで、シミュレーションの結果においても、押さえ板50が無い場合には器具効率が87%であるのに対し、押さえ板50を設けた場合には器具効率が約91%となっており、押さえ板50によって器具効率が向上している。
【0034】
次に、レンズ体39について詳細に説明する。
図10は、レンズ体39及びCOB型LED35を示す図であり、
図10(A)は底面図、
図10(B)は左側面図、
図10(C)は正面図である。
図11は、
図10のレンズ体39を示す背面図である。
図12は、光源ユニット25を
図10のXII−XII断面で示す図である。
図13は、光源ユニット25を
図10のXIII−XIII断面で示す図である。
図14は、
図10のXIV−XIV断面図である。
図15は、道路の幅と出射角度との関係を示す説明図である。
図16は、屈折部60Aの水平角度を示す図であり、
図16(A)は
図10のA−A断面図、
図16(B)は
図10のB−B断面図、
図16(C)は
図10のC−C断面図、
図16(D)は
図10のD−D断面図、
図16(E)は
図10のE−E断面図を示す。なお、
図10(A)の底面図は道路灯1の底面側に相当する。
【0035】
レンズ体39は、上述の通り、COB型LED35の発光部35Aを覆う透過型光学素子であり、
図10に示すように、光軸Fを上下(道路灯1の前後)に通る中心線Cを中心として左右対称な形状を成し、発光部35Aの光を左右の両側に配光する。具体的には、レンズ体39は、発光部35Aの直下を横断して左右両側に跨がるように弧を描くアーチ型の光学レンズ60を有し、この光学レンズ60の左右両端部に、押さえ板50にネジ止めされる固定部39Aを一体に備えて構成される。光学レンズ60のアーチ型形状により、発光部35Aの光が左右の両側の遠方に配光される。また、発光部35Aを覆う光学レンズ60がアーチ型であるから、発光部35Aとの間の距離が大きくなり発光部35Aの発熱の影響を受けに難くできる。
【0036】
ここで、屈折のみで光を横長配光に制御する場合、取り出し効率を向上させようとすると、光学レンズ60が大型化してしまう。一方、光学レンズ60を小型化するべく、発光部35Aに近づけると、光学レンズ60の温度が上昇してしまう。また、COB型LED35の直下では温度が高く、COB型LED35の側方では温度が比較的低い。
そこで、光学レンズ60を、屈折部60Aの両側に全反射体部60B,60Cを設けて形成し、屈折部60Aは発光部35Aと所定距離G(
図12参照)だけ離間させ、全反射体部60B,60Cは屈折部60Aよりも発光部35A側に近づけている。これにより、光学レンズ60を屈折部60Aのみで形成する場合に比べ、光学レンズ60を小型化できるととともに、光学レンズ60の温度上昇も抑制できる。
【0037】
光学レンズ60の入射面61は、屈折部60Aの入射面61Aと、全反射体部60B,60Cの入射面61B,61Cとで形成されている。また、光学レンズ60の出射面62は屈折部60Aの出射面62Aと、全反射体部60B,60Cの出射面62B,62Cとで構成されている。
屈折部60Aの入射面61Aは、
図11に示すように、中心線C上の中央入射部(頂面部)63Aと、中央入射部63Aの左右両側に位置する複数(本実施形態では、左右に2つずつ)の側方入射部(側面部)63Bとを備えて構成されている。各側方入射部63Bは、中心線Cに略沿って延びる段部であり、
図12に示すように、断面視で波状に延在しており、入射面61Aは段付きのレンズ形状に形成されている。入射面61Aを段付きのレンズ形状にすることで、屈折部60Aが発光部35Aから離れる方向に薄くなり、発光部35Aから屈折部60Aの入射面61Aまでの距離が大きくなるので、屈折部60Aの熱損傷を防止できる。また、入射面61Aを段付きのレンズ形状にしたことで屈折部60Aの肉厚を薄くすることができ、レンズ体39を容易かつ安価に製造できる。
【0038】
但し、入射面61Aを段付きのレンズ形状にすると、設計意図と外れる面63Cが形成されてしまい、設計意図と外れる面63Cに入射した光によって路面に照度むらが生じる場合がある。特に、COB型LED35では発光部35Aの面積が大きく、光学レンズ60への光の入射角度が一定でないため、設計意図と外れる面に入射する成分も多くなる。また、COB型LED35の発光ピークは直下にある。
そこで、
図11に示すように、発光部35Aの直下の中央入射部63Aを、平面視で発光部35A(より詳細にはLEDの実装面)の幅J以上の幅とし、本実施形態では、発光部35Aの幅Jと略同一の幅に形成するとともに、設計意図通りの面に形成している。これにより、COB型LED35の強い光は設計意図通りの中央入射部63Aに入射できるので、光学レンズ60を薄肉にしたまま、照度むらのない設計通りの配光を実現できる。
【0039】
また、側方入射部63Bの境界Tは、中心線Cと平行ではなく、光軸Fから前後方向に離れるほど中心線Cから遠ざかるような曲率を有して湾曲している。側方入射部63Bを中心線Cと平行に延在させた場合には、側方入射部63Bを通る光K1が前方に向かうが、側方入射部63Bを湾曲して延在させることで、中央入射部63A又は側方入射部63Bを通る光K2を左右方向に向かわせることができる。すなわち、前方に向かう光を光軸F側に屈折させて道路の幅方向に収めて、左右方向により遠くに照射できるので、より長い横長配光を実現できる。
【0040】
入射面61Aは、
図12に示すように、発光部35Aの直接光K3を入射可能に設定されている。なお、発光部35Aの直接光K3より外側の光(光軸Fに対して出射角度が大きい光)は、上述したように、押さえ板50の傾斜面56によって拡散反射される。
なお、本実施形態では、各側方入射部63Bは、発光部35Aからの最遠部が基準ラインNになるように形成されているが、最遠部が基準ラインN上に位置しなくともよい。
側方入射部63Bの左右両側の端部(光学レンズ60の底面)64は、押さえ板50側に突出する凸形状に形成されている。これにより、出射面62で全反射された光や押さえ板50で反射された光等の端部64から出射する光、あるいは、端部64に入射する光が意図しないスポット状の照射部を作り出すことを防止でき、その結果、路面での照度むらを防止できる。
屈折部60Aの出射面62Aは、中央部で前後に延出する中央出射部65Aと、中央出射部65Aの左右両側に位置する側方出射部65B,65Bとを備えて構成されている。左右方向において、中央出射部65Aは凹形状に形成されるとともに、側方出射部65B,65Bは凸形状に形成されている。
【0041】
また、屈折部60Aは、
図13に示すように、前後方向において、入射面61A及び出射面62Aが凸形状に形成されており、屈折部60Aの出射面62Aからの光は前方からやや後方にかけて配光される。これにより、器具本体10が路肩ではなく道路の上方に配置される、いわゆるオーバーハング設置された場合でも、器具本体10の後方に配光でき、その結果、道路の幅に亘って照射できる。
屈折部60Aは、前側の縁部66の光軸Fからの距離L1が後側の縁部67の光軸Fからの距離L2よりも長くなるように設けられており、前後方向(道路の幅方向)の中心が光軸Fと一致しない、いわゆる軸ずらしに配置されている。これにより、屈折部60Aに入射した光の多くを前方に向けて照射できるので、前方向において横長配光にできる。
【0042】
全反射体部60B,60Cは、屈折部60Aの長手方向の両側縁部66,67に非対称に設けられ、全反射面68,69を備えている。全反射面68,69はそれぞれ異なる方向に光を反射するように設けられている。具体的には、前側の全反射面68は、COB型LED35から前方に向かう光のうち道路の幅方向の最遠方に向かう光を略直下から前方に反射する角度に設定されている。後側の全反射面69は、後方に向かう光を前側からやや後方に反射する角度に設定されている。
【0043】
各全反射体部60B,60Cは、断面が3頂点P1−P3、Q1−Q3を有する略三角形状に形成されている。ここで、頂点P1、Q1は入射側、頂点P2,P3、Q2,Q3を出射側に定義する。頂点P2,Q2は全反射面68,69の下端(先端)に位置し、頂点P3,Q3は、屈折部60Aの出射側の縁部に位置している。ここで、例えば、頂点P4を頂点P2,P3を結ぶ線より大きく外側に位置させ、同様に、頂点Q4を頂点Q2,Q3を結ぶ線より大きく外側に位置させたとする。各全反射体部60B,60Cを4頂点P1−P4、Q1−Q4を有する断面略四角形状に形成する場合、屈折部60Aから出射された光が頂点P3−P4、Q3−Q4で定義される全反射体部60B,60Cの出射面62B,62Cに入射する可能性がある。本実施形態では、各全反射体部60B,60Cを断面略三角形状に形成することで、屈折部60Aから出射された光が全反射体部60B,60Cの出射面62B,62Cに入射することを防止できる。さらに、各全反射体部60B,60Cを断面略三角形状に形成することで、各全反射体部60B,60Cの肉厚を薄くできるので、レンズ体39を容易且つ安価に製造できる。また、本実施形態では、各出射面62B,62Cを、屈折部60Aから出射された光が出射面62B,62Cに入射しない角度に設定しているため、屈折部60Aから出射された光が出射面62B,62Cに入射することを確実に防止できる。
【0044】
入射側の頂点P1,Q1は、頂点P1,Q1から近い側の発光部35Aの縁部から出射される直接光K4を入射可能なように、発光部35Aからの高さH1,H2が設定されている。すなわち、前側の全反射体部60Bの頂点P1の高さH1は、後側の全反射体部60Cの頂点Q1の高さH2よりも高く設定されており、後側の全反射面69は前側の全反射面68よりも上下に長く形成されている。なお、発光部35Aの直接光より外側の光(光軸Fに対して出射角度が大きい光)は、上述したように、押さえ板50の傾斜面56によって拡散反射される。全反射面69において、頂点Q1から近い側の発光部35Aの縁部から出射される直接光K4はやや後方に反射されているが、頂点Q1から離れるほど前方に反射される(例えば、発光部35Aの中心からの光K5参照)。
また、後側の全反射面69は、前側の全反射面68よりも下側に張り出しているため、後方に向かう光を前側により多く反射できるので、光取り出し効率を向上できる。
【0045】
全反射体部60Cの外側面60C1は、
図14に示すように、長手方向の中央部69Aが凹み、端部69Bに向けてなだらかに湾曲しており、全反射面69は左右方向の線Iに対して角度βだけ傾斜して形成されている。全反射面69を左右方向の線Iと平行にした場合には、全反射面69で反射された光K6が前方に向かうが、全反射面69を角度βをつけて形成することで、全反射面69で反射された光K7を左右方向に向かわせることができる。すなわち、前方に向かう光を道路の幅方向に収めて左右方向により遠くに照射できるので、より長い横長配光を実現できる。また、この角度βを変更することで、詳細な光学設計が可能となる。なお、
図14は、後側の全反射面69を示すが、前側の全反射面68についても同様であるため、全反射体部60Bの外側面60B1についての中央部68A及び端部68Bは、図示を省略する。
【0046】
また、屈折部60Aの両側縁部66,67も、
図12に示すように、長手方向の中央部66A,67Aが凹み、端部66B,67Bに向けてなだらかに湾曲し、左右方向の線Iに対して角度γ1,γ2だけ傾斜して形成されている。すなわち、屈折部60Aに入射する光の割合と、全反射体部60B,60Cに入射する光の割合が、前後方向の断面毎に異なっており、光軸Fに対して入射角度が大きくなるにつれて、屈折部60Aに入射する光の量を多くしている。これにより、両側縁部66,67を左右方向の線Iと平行にした場合に比べ、後方に照射できるので、オーバーハング設置に対応できる。また、この角度γ1,γ2を変更することで、詳細な光学設計が可能となる。
【0047】
ここで、横長配光においては、
図15に示すように、平面視において、発光部35Aの略直下における道路Rの道幅までの出射角度θ1と、遠方での道幅までの出射角度θ2は異なり、遠くなるほど出射角度は小さくなる。
そこで、屈折部60Aは、
図16に示すように、発光部35Aの中心を基準とした各断面において、断面の形状が異なっており、詳述すると、各断面の入射面61Aの縁部66,67を繋いだ線Mの角度が異なっている。発光部35Aの直下における線Mは、
図16(A)に示すように、前側を上方に傾斜させて前方に配光し、光軸Fに対する角度が大きくなるにつれて、
図16(B)乃至
図16(E)に示すように、前側を下方に傾斜させて横乃至後方に配光するようになっている。これにより、道路に合わせて横長に配光できるので、照明率を高くすることができる。また、後方に照射できるので、オーバーハング設置に対応できる。さらに、線Mの角度を変更することで、詳細な光学設計が可能となる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態によれば、COB型LED35と対向する横長の入射面61Aの長手方向の両側縁部66,67に非対称の全反射体部60B,60Cを備える構成とした。この構成により、非対称の全反射体部60B,60Cによって入射面61Aの短手方向の一方(本実施形態では、前方)への光配光制御の自由度を向上できるので、入射面61Aの短手方向の一方において横長に配光できる。
【0049】
また、本実施形態によれば、全反射体部60B,60Cの外側面61B1,61C1は、長手方向の中央部69Aが凹み、端部69Bに向けてなだらかに湾曲する構成とした。この構成により、全反射面68,69は傾斜するので、前方に向かう光を道路の幅方向に収めて左右方向により遠くに照射できるので、より長い横長配光を実現できる。
【0050】
また、本実施形態によれば、全反射体部60B,60Cは、COB型LED35からの短手方向の距離L1,L2が異なる位置に設けられる構成とした。この構成により、屈折部60Aに入射した光の多くを前方に向けて照射できるので、前方向において横長配光にできる。
【0051】
また、本実施形態によれば、全反射体部60B,60Cは、断面略三角形状に形成される構成とした。この構成により、屈折部60Aから出射された光が全反射体部60B,60Cの出射面62B,62Cに入射してしまうことを防止できるとともに、各全反射体部60B,60Cの肉厚を薄くできる。
【0052】
但し、上述の実施形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上述の実施形態では、押さえ板50を設けていたが、押さえ板50は省略してもよい。この場合、全反射体部60B,60Cの入射側の頂点P1,Q1は、頂点P1,Q1から近い側の発光部35Aの縁部から出射される直接光K4を入射可能なように、発光部35Aからの高さH1,H2が設定すればよい。
【0053】
また、上述の実施形態では、全反射体部60B,60Cを断面略三角形状に形成することで、屈折部60Aの出射面62Aから出射した光が全反射体部60B,60C入射することを防止していた。しかしながら、全反射体部60B,60Cの形状は、このような再入射を防止できる形状であれば、断面略三角形状に限定されない。また、例えば、
図17及び
図18に示すように、断面略三角形状に形成した前側の全反射体部60Bの出射面62Bの一部に切り欠き部91,92を設けてもよい。これにより、全反射体部60Bの全反射面68で反射した光をより前方に配向できるので、直下の光量を抑えて、前方における横長配光を照度むらなく実現できる。なお、
図17及び
図18の例では、前側の全反射体部60Bの出射面62Bの一部に切り欠き部91,92を設けているが、後側の全反射体部60Cの出射面62Cの一部に切り欠き部をもよい。なお、
図17及び
図18では、
図10に示すレンズ体39と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
また、本発明は道路灯に限らず、例えば街灯等の任意の照明器具に適用可能である。また、本発明は、器具本体が支柱に限らず、例えば建物の壁等に支持される照明器具に適用可能である。