(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術が対象とする臀部は、あくまで下肢部の基端部分にすぎない。このため、その歩行運動の模擬化により得られる疲労感の軽減効果もまた、自ずと限定的なものにならざるを得ないのが実情であり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、より効果的に乗員の疲労を軽減することのできるシート装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するシート装置は、シート座面の下方において該シート座面の前後方向に延びる複数のエアバッグと、前記各エアバッグを複数の制御ブロックに区分して該制御ブロック毎に前記エアバッグの内圧を制御可能な内圧制御装置と、を備え、前記各制御ブロックは、前記シート座面に着座する乗員の各大腿部について、それぞれ、該各大腿部の下方に異なる制御ブロックに属した複数の前記エアバッグがシート幅方向に並ぶように設定されるものであって、前記内圧制御装置は、少なくとも一つの制御ブロックについて該制御ブロックに属するエアバッグが他の制御ブロックに属するエアバッグとは反対の拡縮状態となるように制御するとともに、該反対の拡縮制御が適用される制御ブロックを時間の経過とともに遷移させることが好ましい。
【0008】
即ち、大腿部下方の支持圧を全体的に変化させたとしても、その静脈の圧迫を有効に緩和することはできない。しかしながら、上記構成によれば、拡張状態に制御された各エアバッグによってシート座面に着座する乗員の各大腿部を支持しつつ、収縮状態に制御された各エアバッグの上方においては、その減圧制御に基づいて、部分的にシート座面の支持圧を低下させることができる。そして、この支持圧低下部位において、効率よく、その静脈の圧迫を緩和することができる。特に、各エアバッグが静脈の延伸方向に沿うようにシート座面の前後方向に延在していることによって、より効果的に、その静脈の圧迫を緩和することができる。更に、その静脈の圧迫と緩和とを繰り返すことでポンプ作用を生じさせることができる。そして、これにより、大腿部を含む下肢部の血流を促進させることで、その疲労感を軽減することができる。加えて、そのマッサージ効果によっても、疲労感の軽減を図ることができる。
【0009】
上記各エアバッグは、周縁部が隣り合うエアバッグと重なるように配置される構成によれば、簡素な構成にて、その各エアバッグの拡縮によりシート座面の支持圧分布に影響を与える際の分解能を高めることができる。
上記課題を解決するシート装置は、前記各エアバッグは、前記シート座面の後方側から前方側に向かって拡開するように放射状に配列されることが好ましい。
即ち、多くの場合、シート座面に着座する乗員の両大腿部は、その前方に位置する膝側が開くように略ハの字状に配置される。従って、上記構成によれば、より効果的に血流を促進することができる。
【0011】
上記課題を解決するシート装置は、前記内圧制御装置は、シート幅方向に隣り合う前記各制御ブロックについて、該各制御ブロックに属する前記エアバッグが交互に拡縮するように制御することが好ましい。
【0012】
上記課題を解決するシート装置は、前記内圧制御装置は、前記反対の拡縮制御が適用される制御ブロックをシート幅方向に隣り合う制御ブロックに遷移させることが好ましい。
上記各構成によれば、効果的に血流を促進することができる。加えて、高いマッサージ効果を得ることができる。
【0013】
上記課題を解決するシート装置は、前記内圧制御装置は、前記反対の拡縮制御が適用される制御ブロックを遷移させる前に、前記各大腿部の下方に配置された前記各エアバッグについて、全ての拡縮状態が等しくなるように制御することが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、より安定的に、そのシート座面に着座する乗員の各大腿部を支持することができる。そして、これにより、良好な保持性能を確保することで、着座フィーリングの向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、より効果的に乗員の疲労を軽減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、シート装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両用のシート1は、シートクッション2と、このシートクッション2の後端部に対して傾動自在に設けられたシートバック3と、を備えている。そして、そのシートバック3の上端には、ヘッドレスト4が設けられている。
【0018】
また、
図1、
図2及び
図3(a)〜(c)に示すように、本実施形態のシート1において、シート座面Sの下方、当該シート座面Sを構成するシート表皮5とシートクッション本体6との間には、エアバッグ10が設けられている。そして、本実施形態では、このエアバッグ10の内圧を制御して拡縮状態を変化させることにより、そのシート座面Sが当該シート座面Sに着座する乗員を下方から持ち上げる支持圧を調節可能なシート装置11が形成されている。
【0019】
詳述すると、
図2に示すように、本実施形態のシート装置11は、上記エアバッグ10に空気を圧送するポンプ12を備えている。また、エアバッグ10とポンプ12との間を接続するエア供給路Lの途中には、複数の弁装置13が設けられている。更に、ポンプ12近傍のエア供給路Lには、圧力センサ14が設けられている。そして、本実施形態では、これらポンプ12及び各弁装置13の作動をECU(電子制御装置)15が制御することにより、そのエアバッグ10の内圧を制御可能な内圧制御装置20が形成されている。
【0020】
さらに詳述すると、シート座面Sの下方には、略長袋形状を有して前後方向(
図2中、左右方向)に延びる複数のエアバッグ10(10a〜10h)が設けられている。具体的には、シート幅方向(
図2中、上下方向)に二分する中央線Nを挟んで、それぞれ4本ずつ、合わせて8本のエアバッグ10(10a〜10h)がシート幅方向に並んで設けられている。
【0021】
また、本実施形態では、ポンプ12が圧送する空気(エア)は、二系統のエア供給路L1,L2を介して各エアバッグ10に供給される。そして、これらの各エア供給路L1,L2には、それぞれ、そのポンプ12による空気の供給を遮断する止め弁13aと、各エア供給路L1,L2に連通するエアバッグ10内の空気を放出可能な開放弁13bとが設けられている。
【0022】
即ち、本実施形態のECU15は、止め弁13aを開状態とし、及び開放弁13bを閉状態とすることにより、その各エア供給路L1,L2に連通するエアバッグ10内に空気を充填する。また、開放弁13bを開状態とし、及び止め弁13aを閉状態とすることにより、その各エア供給路L1,L2に連通するエアバッグ10内の空気を放出する。尚、本実施形態のECU15は、上記圧力センサ14により検出されるエア供給路L内の圧力値が所定値に達した場合には、そのポンプ12による空気の供給を停止させる。そして、本実施形態の内圧制御装置20は、これにより、その内圧を制御して各エアバッグ10を拡縮させることが可能となっている。
【0023】
また、本実施形態では、上記各エアバッグ10(10a〜10h)は、その二系統に分かれたエア供給路L(L1,L2)の構造に基づいて、二つの制御ブロックCB1,CB2に区分されている。具体的には、本実施形態では、シート座面Sの下方には、第1の制御ブロックCB1に属する第1のエア供給路L1に連通したエアバッグ10a,10c,10e,10gと、第2の制御ブロックCB2に属する第2のエア供給路L2に連通したエアバッグ10b,10d,10f,10hとが、交互に並んで配置されている。そして、本実施形態の内圧制御装置20は、これら二つの制御ブロックCB1,CB2毎に、当該各制御ブロックCB1,CB2に属するエアバッグ10の内圧を制御することが可能となっている。
【0024】
さらに詳述すると、
図3(b)(c)に示すように、本実施形態の内圧制御装置20は、シート幅方向(
図3中、左右方向)に隣り合う第1及び第2の制御ブロックCB1,CB2について、当該各制御ブロックCB1,CB2に属するエアバッグ10が交互に拡縮するように制御する。
【0025】
具体的には、本実施形態の内圧制御装置20は、全てのエアバッグ10を拡張状態で保持する基本制御モードを有している(
図3(a)参照)。また、内圧制御装置20は、第1の制御ブロックCB1に属する各エアバッグ10a,10c,10e,10gが拡張状態となるように制御し、第2の制御ブロックCB2に属する各エアバッグ10b,10d,10f,10hが収縮状態となるように制御する第1の内圧増減モードを有している(
図3(b)参照)。そして、内圧制御装置20は、第2の制御ブロックCB2に属する各エアバッグ10b,10d,10f,10hが拡張状態となるように制御し、第1の制御ブロックCB1に属する各エアバッグ10a,10c,10e,10gが収縮状態となるように制御する第2の内圧増減モードを有している(
図3(c)参照)。
【0026】
即ち、
図3(a)に示すように、人の大腿部30においては、その主要な静脈31の多くが当該大腿部30の裏側(
図3中、大腿骨32の下方)に位置している。つまり、シート座面Sに乗員が着座することによって、これらの静脈31は、乗員の体重及びその下方から大腿部30を持ち上げるシート座面Sの支持圧により圧迫された状態になる。そして、これにより下肢部の血流が阻害されることで、その疲労感が助長されることになる。
【0027】
この点を踏まえ、本実施形態の内圧制御装置20は、上記第1及び第2の内圧増減モード(
図3(b)(c)参照)を時間の経過とともに繰り返して実行することにより、そのシート幅方向に隣り合う各エアバッグ10を交互に拡縮させる。尚、本実施形態の内圧制御装置20は、シート座面Sに対する乗員の着座が検知されてから所定時間の経過後、上記基本制御モードから上記各内圧増減モードへと、その実行する制御モードを切り替える。また、内圧制御装置20は、第1及び第2の内圧増減モードを切り替える際、基本制御モードの実行を挟んで、その内圧増減モードの切り替えを実行する。そして、本実施形態のシート装置11は、これにより生ずる支持圧分布の変化を利用してシート座面Sに着座する乗員の大腿部30を刺激することで、その血流を促進し、疲労感の軽減を図る構成となっている。
【0028】
次に、上記のように構成された本実施形態におけるシート装置11の作用について説明する。
図2及び
図3(a)〜(c)に示すように、本実施形態では、その中央線Nを挟んでシート幅方向に二分されるシート座面Sの各領域α1,α2について、それぞれ、第1及び第2の制御ブロックCB1,CB2に属するエアバッグ10が各2本ずつ交互に並んで配置されている。そして、これにより、そのシート座面Sに着座する乗員の各大腿部30について、それぞれ、当該各大腿部30の下方に、第1及び第2の制御ブロックCB1,CB2の何れかに属した複数(各2本ずつ)のエアバッグ10が配置されるようになっている。
【0029】
また、全てのエアバッグ10が拡張した状態を基準とすれば、第1及び第2の制御ブロックCB1,CB2に属した各エアバッグ10が交互に拡縮する状態とは、他のエアバッグ10とは反対の拡縮状態に制御される「収縮したエアバッグ10」が時間の経過とともに遷移する状態と言い換えることができる。
【0030】
つまり、本実施形態の内圧制御装置20は、第1の制御ブロックCB1及び第2の制御ブロックCB2について、その一方に属するエアバッグ10が他方に属するエアバッグ10とは反対の拡縮状態(収縮状態)となるように制御する(減圧制御)。そして、これにより、その収縮状態に制御される制御ブロックが時間の経過とともに遷移することで、各大腿部30を下方から持ち上げる支持圧の弱い部分が順次移動するようになっている。
【0031】
即ち、
図3(b)(c)に示すように、収縮状態となった各エアバッグ10の上方においては、その減圧制御に基づき部分的にシート座面Sの支持圧が低下することによって、当該支持圧低下部位に位置する静脈31の圧迫が緩和される。特に、本実施形態の各エアバッグ10は、その大腿部30における静脈31の延伸方向に沿うように前後方向に延びる略長袋形状を有していることから、より効果的に、その静脈31の圧迫が緩和される。そして、これにより、その大腿部30を含む下肢部の血流が促進される。
【0032】
更に、各エアバッグ10が拡縮を繰り返すことにより、当該各エアバッグ10の上方においては、そのシート座面Sの支持圧が増減することによって、静脈31の圧迫と緩和が繰り返される。そして、これにより生ずるポンプ作用によって、その血流が促進される。加えて、その筋肉を刺激することで、高いマッサージ効果が得られる。
【0033】
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)即ち、大腿部30下方の支持圧を全体的に変化させたとしても、その静脈31の圧迫を有効に緩和することはできない。しかしながら、上記構成によれば、拡張状態に制御された各エアバッグ10によってシート座面Sに着座する乗員の各大腿部30を支持しつつ、収縮状態に制御された各エアバッグ10の上方においては、その減圧制御に基づいて、部分的にシート座面Sの支持圧を低下させることができる。そして、この支持圧低下部位において、効率よく、その静脈31の圧迫を緩和することができる。加えて、その圧迫と緩和とを繰り返すことでポンプ作用を生じさせることができる。そして、これにより、大腿部30を含む下肢部の血流を促進させることで、その疲労感を軽減することができる。加えて、そのマッサージ効果によっても疲労感の軽減を図ることができる。
【0034】
(2)また、第1及び第2の内圧増減モードを切り替える際、当該各エアバッグ10を拡張状態で保持する基本制御モードの実行を挟んで、その内圧増減モードの切り替えを実行することによって、より安定的に、そのシート座面Sに着座する乗員の各大腿部30を支持することができる。そして、これにより、良好な保持性能を確保することで、着座フィーリングの向上を図ることができる。
【0035】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、内圧制御装置20は、二系統のエア供給路L1,L2を介してポンプ12が圧送する空気(エア)を各エアバッグ10に供給することとした。しかし、これに限らず、そのエア供給路L及び弁装置13の数や配置等、内圧制御装置20の構成は、任意に変更してもよい。
【0036】
・上記実施形態では、シート幅方向において、第1の制御ブロックCB1に属する各エアバッグ10(10a,10c,10e,10g)と、第2の制御ブロックCB2に属する第2のエア供給路L2に連通した各エアバッグ10(10b,10d,10f,10h)とが交互に並んで配置されることとした。しかし、これに限らず、シート座面S上の各大腿部30について、それぞれ、当該各大腿部30の下方に異なる制御ブロックに属した複数のエアバッグ10がシート幅方向に並ぶものであれば、その制御ブロックの設定は、任意に変更してもよい。
【0037】
例えば、
図4(a)(b)に示す例において、その中央線Nを挟んでシート幅方向に二分されるシート座面Sの各領域α1,α2の下方には、上記実施形態と同様、それぞれ、4本ずつ、合わせて8本のエアバッグ10が配置されている。そして、この例においては、その各領域α1,α2の両端部に位置する2本のエアバッグ10と中央部に位置する2本のエアバッグ10とに異なる制御ブロックが設定されている。
【0038】
具体的には、第1領域α1の両端部に位置する各エアバッグ10a,10dには、第1の制御ブロックCB1が設定されている。また、同じく第1領域α1の中央部に位置する各エアバッグ10b,10cには、第2の制御ブロックCB2が設定されている。更に、第2領域α2の中央部に位置する各エアバッグ10f,10gには、第3の制御ブロックCB3が設定されている。そして、第2領域α2の両端部に位置する各エアバッグ10e,10hには、第4の制御ブロックCB4が設定されている。
【0039】
また、この例においては、第3の制御ブロックCB3に属する各エアバッグ10f,10gは、第1の制御ブロックCB1に属する各エアバッグ10a,10dと同期して拡縮し、第4の制御ブロックCB4に属する各エアバッグ10e,10hは、第2の制御ブロックCB2に属する各エアバッグ10b,10cに同期して拡縮する。そして、これにより、そのシート幅方向に隣り合う各制御ブロックについて、当該各制御ブロックに属するエアバッグ10が交互に拡縮するように制御することが可能となっている。このように構成しても上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0040】
・上記実施形態では、全てのエアバッグ10が拡張した状態を基準とした場合、第1及び第2の制御ブロックCB1,CB2に属した各エアバッグ10が交互に拡縮することにより、他のエアバッグ10とは反対の拡縮状態に制御される収縮したエアバッグ10が時間の経過とともに遷移することとした。しかし、これに限らず、少なくとも一つの制御ブロックについて当該制御ブロックに属するエアバッグが他の制御ブロックに属するエアバッグとは反対の拡縮状態となるように制御され、且つその反対の拡縮制御が適用される制御ブロックが時間の経過とともに遷移するものであれば、その遷移の形態は任意に変更してもよい。
【0041】
例えば、
図5(a)〜(d)に示す例においては、その各領域α1,α2の下方に配置された各4本のエアバッグ10(10a〜10h)について、それぞれ、同図中、左側から順に第1〜第4の制御ブロックCB1〜CB4が設定されている。そして、この例では、他の制御ブロックとは反対の拡縮制御が適用される制御ブロックX、即ちその属するエアバッグ10を収縮状態とする制御ブロックが、同図中、左側から右側へ向かって順次、そのシート幅方向に隣り合う制御ブロックに遷移するように構成されている。
【0042】
このように構成しても上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。尚、領域α1,α2における反対の拡縮制御が適用される制御ブロックXの遷移タイミングは、必ずしも同期していなくともよい。また、その反対の拡縮制御が適用される制御ブロックXの遷移方向は一方向でなくともよい。更に、必ずしも隣り合う制御ブロックに遷移するものでなくともよい。そして、その反対の拡縮制御が適用される制御ブロックXがランダムに遷移する構成についてもまた、これを排除しない。このような構成としても、効果的に血流を促進することができる。そして、高いマッサージ効果を得ることもできる。
【0043】
・更に、
図6に示すように、全てのエアバッグ10が収縮した状態を基準とする。そして、その属するエアバッグ10が拡張状態に制御される制御ブロックを「反対の拡縮制御が適用される制御ブロックX」として、当該反対の拡縮制御が適用される制御ブロックXが時間の経過とともに遷移する構成としてもよい。
【0044】
即ち、シート座面Sの一部分に支持圧増加部位が形成されることによって、当該支持圧増加部位の上方に位置する静脈31に圧迫が加えられる。また、その後、上記拡張状態に制御される制御ブロックが遷移することによって、その静脈31の圧迫が緩和される。そして、これによりポンプ作用を生じさせることで、その大腿部30を含む下肢部の血流を促進させることができる。加えて、高いマッサージ効果を得ることができる。
【0045】
・シート座面Sに下方に配列されるエアバッグ10の数及びその長さは、任意に変更してもよい。例えば、
図7(a)に示すように、上記実施形態よりも細長形状のエアバッグ10Bを用いる。そして、そのシート幅方向に隣り合う複数本(この例では、2本ずつ)が同じ制御ブロックCBに属する構成としてもよい。
【0046】
また、
図7(b)に示すように、上記実施形態よりも長さの短いエアバッグ10Cを用いる。そして、そのシート座面Sの前後方向に直列配置された複数本(この例では、2本)のエアバッグ10Cが同じ制御ブロックCBに属する構成としてもよい。
【0047】
・更に、各エアバッグ10の配列形状についてもまた、任意に変更してもよい。例えば、
図7(c)に示すように、シート座面Sの後方側から前方側(同図中、右側から左側)に向かって拡開するように各エアバッグ10を放射状に配列してもよい。
【0048】
即ち、多くの場合、シート座面Sに着座する乗員の両大腿部30は、その前方に位置する膝側が開くように略ハの字状に配置される。従って、このような構成とすることで、より効果的に血流を促進して、その疲労感を軽減することができる。
【0049】
・また、
図8に示すように、その周縁部が隣り合うエアバッグ10と重なるように各エアバッグ10を配列する構成としてもよい。このような構成とすれば、簡素な構成にて、その各エアバッグ10の拡縮によりシート座面Sの支持圧分布に影響を与える際の分解能を高めることができる。
【0050】
尚、「その周縁部が隣り合うエアバッグと重なる形態」については、
図8に示す例のように、隣り合うエアバッグ10が交互に上下となるような構成の他、例えば、シート幅方向一方側の周縁部は、隣り合うエアバッグの周縁部の下方に配置され、シート幅方向他方側の周縁部は、隣り合うエアバッグの周縁部の上方に配置される構成であってもよい。
【0051】
・上記実施形態では、第1及び第2の内圧増減モードを切り替える際、全てのエアバッグ10を拡張状態で保持する基本制御モードの実行を挟んで、その内圧増減モードの切り替えを実行することとした。しかし、これに限らず、その反対の拡縮制御が適用される制御ブロックを遷移させる前に、少なくとも各大腿部30の下方に配置された各エアバッグ10について、全ての拡縮状態が等しくなるように制御する構成であればよい。そして、その反対の拡縮制御が適用される制御ブロックを遷移させる際、このような各エアバッグ10の拡縮状態が等しくなるような制御を挟まない構成としてもよい。