(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
各照明がそれぞれ点灯されて取得された複数の画像において、検査物の明暗のコントラストが大きいほど、検査物の検査精度が向上することが知られている。従って、コントラストが大きい検査物の画像を取得することができる技術が望まれている。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、コントラストが大きい検査物の画像を取得することができ、これにより、検査精度を向上させることができる検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術に係る検査装置は、上段照明と、下段照明と、撮像部と、制御部とを具備する。
前記上段照明は、検査物を有する検査面に対して光を照射する。
前記下段照明は、前記上段照明よりも浅い、15度以上25度以下の照射角度で前記検査面に対して光を照射する。
前記撮像部は、前記上段照明によって光が照射された前記検査物を撮像して第1の画像を取得し、かつ、前記下段照明によって光が照射された前記検査物を撮像して第2の画像を取得する。
前記制御部は、前記第1の画像及び第2の画像に基づいて検査物を検査する。
【0008】
本技術に係る検査装置では、下段照明により検査面に対して15度以上25度以下の照射角度で光が照射される。これにより、上段照明により光が照射されて取得された第1の画像と、下段照明により光が照射されて取得された第2の画像とにおいて、検査物の明暗のコントラストを大きくすることができる。これにより、検査物の検査精度を向上させることができる。
【0009】
上記検査装置において、前記検査物は、前記検査面上に設けられた半田であってもよい。この前記検査物としての前記半田は、半田リフロー処理後の半田であってもよい。
【0010】
本技術に係る検査装置は、検査面上に設けられた半田リフロー処理後の半田を検査する検査装置として用いられると特に有効とされる。
【0011】
上記検査装置において、前記上段照明よりも浅く、かつ、前記下段照明よりも深い照射角度で前記検査面に対して光を照射する中段照明をさらに具備していてもよい。
【0012】
上記検査装置において、前記撮像部は、前記中段照明によって光が照射された前記検査物を撮像して第3の画像を取得してもよい。
この場合、前記制御部は、前記第1の画像及び第2の画像に基づいて前記検査物を検査する第1のモードと、第1の画像及び第3の画像に基づいて前記検査物を検査する第2のモードとを切り換え可能であってもよい。
【0013】
本技術に検査装置においては、通常用いられる照射角度よりも浅い照射角度(15度以上25度以下)で、下段照明により検査面に対して光が照射されるため、影の影響が問題となる場合がある。一方、中段照明が用いられ、上記第1のモードと、上記第2のモードとを切り換えることによって、影の影響を排除することができる。
【0014】
上記検査装置は、前記撮像部の光軸と同軸で配置され、前記検査面に対して光を照射する同軸落射照明をさらに具備していてもよい。
【0015】
上記検査装置において、前記撮像部は、前記上段照明及び前記同軸落射照明の両方によって光が照射された検査物を撮像して第4の画像を取得してもよい。
この場合、前記制御部は、前記第1の画像及び第2の画像に基づいて、前記検査物としての半田を検査し、かつ、前記第4の画像に基づいて電子部品を検査してもよい。
【0016】
このように、第4の画像に基づいて電子部品を検査することで、電子部品の検査精度を向上させることができる。
【0017】
本技術に係る撮像ユニットは、上段照明と、下段照明と、撮像部とを具備する。
前記上段照明は、検査物を有する検査面に対して光を照射する。
前記下段照明は、前記上段照明よりも浅い、15度以上25度以下の照射角度で前記検査面に対して光を照射する。
前記撮像部は、前記上段照明によって光が照射された前記検査物を撮像し、かつ、前記下段照明によって光が照射された前記検査物を撮像する。
【0018】
本技術に係る検査方法は、上段照明によって、検査物を有する検査面に対して光を照射することを含む。
前記上段照明によって光が照射された前記検査物が撮像されて第1の画像が取得される。
下段照明によって、15度以上25度以下の照射角度で検査面に対して光が照射される。
前記下段照明によって光が照射された前記検査物が撮像されて第2の画像が取得される。
前記第1の画像及び第2の画像に基づいて検査物が検査される。
【0019】
本技術に係る基板の製造方法は、上段照明によって、検査物を有する基板の検査面に対して光を照射することを含む。
前記上段照明によって光が照射された前記検査物が撮像されて第1の画像が取得される。
下段照明によって、15度以上25度以下の照射角度で検査面に対して光が照射される。
前記下段照明によって光が照射された前記検査物が撮像されて第2の画像が取得される。
前記第1の画像及び第2の画像に基づいて検査物が検査される。
検査結果に基づいて、前記基板の良否が判定され、良品と判定された前記基板が次の工程へ進められる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本技術によれば、コントラストが大きい検査物の画像を取得することができ、これにより、検査精度を向上させることができる検査装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
[検査装置100の全体構成及び各部の構成]
図1は、本技術の一実施形態に係る検査装置100を示す斜視図である。
図2は、検査装置100を示す側面図である。
図3は、検査装置100を示すブロック図である。
図4及び
図5は、基板1を側方から見た一部断面図である。
【0024】
本実施形態に係る検査装置100は、2次元的に基板1を検査する検査装置100であり、基板1を製造する製造ライン内に配置される。例えば、検査装置100は、基板1上に半田4を塗布(印刷)する塗布(印刷)装置の下流側に配置されて、半田4の印刷(塗布)状態を検査する。あるいは、検査装置100は、基板1上に、抵抗、コンデンサ、インダクタ、IC(Integrated Circuit)チップなどの各種の電子部品2を実装する実装装置の下流側に配置されて、電子部品2の実装状態を検査する。あるいは、検査装置100は、リフロー処理装置の下流側に配置されて、リフロー処理後の基板1の状態を検査する。すなわち、検査装置100は、リフロー処理後における半田4の状態や、リフロー処理後における電子部品2の実装状態等を検査する。
【0025】
本技術に係る検査装置100は、製造ライン上のどこに配置されていても構わないが、検査装置100は、リフロー処理装置の下流側に配置され、リフロー処理後の基板1の状態を検査する検査装置100として用いられると特に有効である。
【0026】
図1乃至
図3を参照して、検査装置100は、基板1を搬送方向(X軸方向)に沿って搬送し、基板1が検査される位置である検査位置に位置させる搬送部10と、検査位置に位置された基板1を下方から支持するバックアップ部20とを有する。また、検査装置100は、検査位置に位置された基板1の検査面1aに対して光を照射し、光が照射された検査物(電子部品2、半田4等)を撮像する撮像ユニット30と、撮像ユニット30をXY方向に移動させる撮像ユニット移動機構50とを有する。さらに、検査装置100は、制御部9、記憶部61、表示部62、入力部63及び通信部64を有する。
【0027】
搬送部10は、2つの搬送部10を含む。本実施形態では、基板1を効率よく検査するために、搬送部10の数が2つである場合が示されているが、搬送部10の数は、1つであってもよい。
【0028】
搬送部10は、基板1を両側から挟みこむようにして基板1をX軸方向に沿ってガイド11する2つのガイド11を有する。ガイド11は、X軸方向に長い形状を有する板状の部材である。各ガイド11の下側には、それぞれ、ガイド11を下方から支持する複数の脚部12が設けられている。各ガイド11は、この脚部12を介して、検査装置100の基台(図示せず)上に取り付けられる。
【0029】
各ガイド11の内側の面には、コンベアベルト13がそれぞれ設けられる。搬送部10は、このコンベアベルト13の駆動により基板1を検査位置に搬送したり、検査が終了した基板1を排出したりすることができる。
【0030】
各ガイド11は、上端部が内側に向けて折り曲げられるように形成されており、ガイド11の上端部は、バックアップ部20によって基板1が上方に移動されたときに、基板1を上側から支持することができる。2つのガイド11のうち一方のガイド11は、Y軸方向に移動可能とされる。これにより、検査位置に位置された基板1を2つのガイド11により両側から挟みこんで固定することができる。このように、基板1が検査位置に固定された状態で基板1の状態が検査される。
【0031】
バックアップ部20は、バックアッププレート21と、このバックアッププレート21上に立設された複数の支持ピン22と、バックアッププレート21を昇降させるプレート昇降機構23とを含む。
【0032】
基板1が搬送部10によって検査位置に搬送されたとき、プレート昇降機構23によりバックアップ部20が上方に移動される。バックアップ部20の上方への移動に伴って、基板1がバックアップ部20の支持ピン22により上方に押し上げられる。これにより、基板1がガイド11の上端部及びバックアップ部20の間に挟み込まれて、基板1が上下方向で位置決めされる。
【0033】
撮像ユニット30は、基板1の検査面1aに対して光を照射する照明部31と、照明部31によって光が照射された半田4や電子部品2等の検査物を撮像する撮像部40とを含む。
【0034】
照明部31は、その頂部に開口が形成されたドーム形状のドーム部材32を有する。また、照明部31は、ドーム部材32の内側において、上段に配置された上段照明33と、中段に配置された中段照明34と、下段に配置された下段照明35とを有する。さらに、照明部31は、ドーム部材32に形成された開口の上方において、撮像部40の光軸(
図2点線参照)と同軸で配置された同軸落射照明36を有する。
【0035】
上段照明33、中段照明34及び下段照明35は、それぞれ、複数のLED基板37を有する。LED基板37は、基板上に複数のLED38(Light Emitting Diode)が実装されて構成される。各照明は、例えば、5枚〜10枚程度のLED基板37が、ドーム部材32の内部において、リング状に並べられて構成される。LED38としては、典型的には白色LEDが用いられる。
【0036】
上段照明33は、基板1の検査面1aに対して、80度以上90度以下の照射角度で光を照射するように配置される。典型的には、上段照明33を構成する各LED基板37は、そのLED基板37の中心から延びる法線が、80度以上90度以下の角度で基板1の検査面1aと交わるように配置される。
【0037】
中段照明34は、上段照明33よりも浅く、かつ、下段照明35よりも深い照射角度で基板1の検査面1aに対して光を照射するように配置される。中段照明34の検査面1aに対する照射角度は、例えば、40度以上60度以下とされる。典型的には、中段照明34を構成する各LED基板37は、そのLED基板37の中心から延びる法線が、撮像部40の光軸と検査面1aとの交点を通るように、かつ、前記法線が検査面1aに対して40度以上60度以下の角度で交わるように配置される。
【0038】
下段照明35は、上段照明33及び中段照明34より浅い照射角度で基板1の検査面1aに対して光を照射するように配置される。下段照明35の検査面1aに対する照射角度は、15度以上25度以下とされる。典型的には、下段照明35を構成する各LED基板37は、そのLED基板37の中心から延びる法線が、撮像部40の光軸と検査面1aとの交点を通るように、かつ、前記法線が検査面1aに対して15度以上25度以下の角度で交わるように配置される。
【0039】
本技術では、下段照明35の検査面1aに対する照射角度を比較的浅くする必要があるため、下段照明35を基板1側に近づける必要がある。しかしながら、下段照明35を基板1側に近づけすぎると、ドーム部材32の下端部及び下段照明35が、基板1の検査面1a上に搭載された電子部品2と干渉してしまう恐れがある。従って、ドーム部材32の下端部と基板1の検査面1aとの間に一定の間隔を開ける必要がある。この間隔は、例えば、20mm〜40mm程度とされる。
【0040】
下段照明35と基板1の検査面1aとの間に一定の間隔を開けつつ、検査面1aに対する下段照明35の照射角度を浅くするためには、ドーム部材32の下端部の内径を拡大して、リング状に形成される下段照明35の内径を拡大する必要がある。例えば、比較例として、検査面1aに対する下段照明35の照射角度が40度である場合を想定する。この場合、下段照明35の内径は、180mm程度であれば十分とされる。一方、本実施形態のように、下段照明35の検査面1aに対する照射角度が15度以上25度以下である場合を想定する。この場合、基板1の検査面1aからの距離を確保しつつ、検査面1aに対する下段照明35の照射角度を15度以上25度以下とするためには、下段照明35の内径を280mm程度とする必要がある。
【0041】
同軸落射照明36は、基板1の検査面1aに対して、90度の照射角度で光を照射するように配置される。同軸落射照明36は、直方体形状の筐体36aを有しており、この筐体36aは、その上部及び下部に撮像部40の視野を確保するための開口を有している。同軸落射照明36の筐体36aは、連結部材39を介して、ドーム部材32の上方に取り付けられる。筐体36aの内部には、水平方向に向けて光を照射する、面発光型の落射用照明36bが配置される。また、筐体36aの内部には、落射用照明36bの光の出射方向の前方側の位置に、ハーフミラー36cが斜め方向に傾斜して配置される。
【0042】
ハーフミラー36cは、落射用照明36bから出射された光を反射して、光の向きを90°変え、光を基板1側に向けて導くことができる。また、ハーフミラー36cは、基板1側から入射された光を透過させて、撮像部40側に導くことができる。ハーフミラー36cは、ビームスプリッターが用いられてもよい。ビームスプリッターを用いることにより、色収差を抑制することができる。
【0043】
撮像部40は、その光軸が基板1の検査面1aに対して垂直となるように配置され、基板1の検査面1aを上方から撮像する。撮像部40は、例えば、上段照明33及び同軸落射照明36の両方によって光照射された基板1の検査面1aを撮像して画像(第4の画像)を取得したり、上段照明33によって光が照射された基板1の検査面1aを撮像して画像(第1の画像)を取得したりする。また、中段照明34によって光が照射された基板1の検査面1aを撮像して画像(第3の画像)を取得したり、下段照明35によって光が照射された基板1の検査面1aを撮像して画像(第2の画像)を取得したりする。
【0044】
典型的には、上段照明33及び同軸落射照明36の両方が点灯されて取得された画像は、電子部品2を検査するために使用される。また、典型的には、上段照明33が点灯されて取得された画像及び下段照明35が点灯されて取得されて取得された画像は、半田4(リフロー処理後)を検査するために用いられる(第1のモード)。
【0045】
ここで、本実施形態では、上述のように、下段照明35は、通常用いられる照射角度よりも浅い照射角度で基板1の検査面1aに対して光を照射するように配置されている。従って、例えば、高さが比較的高い電子部品2が密集して配置されているような箇所では、下段照明35からの光が半田4に対して適切に照射されない可能性がある。従って、このような場合には、下段照明35が点灯された取得された画像の代わりに、中段照明34が点灯されて取得されて取得された画像が用いられる。すなわち、半田4の検査において、上段照明33が点灯されて取得された画像と、中段照明34が点灯されて取得された画像とが用いられる(第2のモード)。なお、中段照明34が点灯されて取得された画像は、色認識に基づく検査に用いられる場合もある。
【0046】
撮像部40の撮像領域は、基板1の全体の領域に対応するのではなく、基板1の一部の領域に対応する。すなわち、撮像部40は、撮像ユニット移動機構50によってXY方向に移動されつつ、検査する必要がある基板1上の領域を複数回に分けて撮像する。例えば、1枚の基板1は、20程度の検査領域に区分されており、区分された検査領域毎に画像が取得される。検査領域は、例えば、30mm×30mm程度とされる。
【0047】
撮像部40は、CCDセンサ(CCD:Charge CoupLED38 Device)、あるいはCMOSセンサ(CMOS:Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子と、結像レンズ等の光学系とを含む。
【0048】
撮像ユニット移動機構50は、撮像ユニット30をX軸方向及びY軸方向に沿って移動させる。撮像ユニット移動機構50は、例えば、ボールネジ駆動機構、あるいはラックアンドピニオン駆動機構などによって構成される。
【0049】
制御部9は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、検査装置100の各部を統括的に制御する。制御部9の処理については、後に詳述する。
【0050】
記憶部61は、制御部9の作業用の領域として用いられる不揮発性のメモリと、制御部9の処理に必要な各種のデータやプログラムが記憶された不揮発性のメモリとを含む。上記各種のプログラムは、光ディスク、半導体メモリ等の可搬性の記録媒体から読み取られてもよい。
【0051】
表示部62は、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。入力部63は、キーボード、マウス、タッチパネル等により構成され、オペレータからの各種の指示を入力する。通信部64は、製造ライン内に配置された他の装置へ情報を送信したり、他の装置から情報を受信したりする。
【0052】
図4及び
図5には、リフロー処理後の基板1が示されている。
図4及び
図5において、基板1上には、基板1上の一部を除いて基板1の全体を覆うようにソルダレジスト5が形成されている。また、基板1上には、ソルダレジスト5が形成されていない部分において、基板1の上面から露出するように電極パッド6が形成されている。
【0053】
図4及び
図5に示される電子部品2は、例えば、抵抗、コンデンサ、インダクタなどのチップ型の電子部品2であり、この電子部品2は、その両側に電極3を有している。電子部品2の2つの電極3は、半田4によって電極パッド6に対して電気的に接続されている。半田4は、リフロー処理によって一旦溶融し、その後、冷却されることによって電極3と電極パッド6とを電気的に接続する。
【0054】
図4及び
図5では、電極パッド6の大きさが異なっており、また、電極パッド6の大きさの違いに起因して半田4の形状が異なっている。
図4を参照して、
図4では、電極パッド6が比較的大きくされている。半田4は、電極3に近い部分において勾配が急になっており、電極3から遠ざかるにつれて徐々に勾配が緩くなっている。一方、近年においては、電子部品2の高集積化の要請から、
図5に示すように、電極パッド6の大きさが小さくなる傾向にある。この場合、
図5に示すように、半田4は、リフロー処理によって溶融したときの表面張力により、電極3よりも遠い側の端部が盛り上がった形状となる。
【0055】
ここで、比較例として、下段照明35が基板1の検査面1aに対して、40度程度の照射角度で光を照射するように配置されている場合を想定する。そして、上段照明33(80度〜90度)によって
図4に示す検査物に光が照射されて検査物の画像が取得され、比較例に係る下段照明35(40度)によって
図4に示す検査物に光が照射されて検査物の画像が取得された場合を想定する。
【0056】
この場合、上段照明33が点灯されて取得された画像内において、電極3に近い半田4の反りあがった部分は、暗くなり、電極3から遠い半田4の端部は明るくなる。一方、下段照明35が点灯された状態で取得された画像内において、電極3に近い半田4の反りあがった部分は、明るくなり、電極3から遠い半田4の端部は暗くなる。このような明暗が反転する2枚の画像に基づいて、半田4の輪郭が判断され、この輪郭に基づいて半田4が検査される。典型的には、2枚の画像の明暗のコントラストが大きいほど、検査精度が向上する。
【0057】
次に、上段照明33(80度〜90度)によって
図5に示す検査物に光が照射されて検査物の画像が取得され、比較例に係る下段照明35(40度)によって
図5に示す検査物に光が照射されて検査物の画像が取得された場合を想定する。この場合、上段照明33が点灯されて取得された画像内において、電極3に近い半田4の反りあがった部分は、暗くなり、電極3から遠い表面張力で盛り上がった半田4の端部も暗くなる。一方、下段照明35が点灯された状態で取得された画像内において、電極3に近い半田4の反りあがった部分は、明るくなる。しかしながら、この画像内では、電極3から遠い表面張力で盛り上がった半田4の端部は、明るくならず、薄暗くなってしまう。
【0058】
すなわち、コントラストを大きくするためには、下段照明35が点灯されて取得された画像内において、表面張力で盛り上がった半田4の端部は明るくなければならない。しかしながら、下段照明35の照射角度が40度程度の場合、半田4の端部は薄暗く写りこんでしまう。この場合、半田4の輪郭を正確に判断することができず、結果として、半田4を正確に検査することが困難になってしまう。
【0059】
そこで、本実施形態では、下段照明35の検査面1aに対する照射角度を15度以上25度以下とすることとしている。下段照明35の検査面1aに対する照射角度が15度以上25度以下とされた場合、この下段照明35が点灯されて取得された画像内において、電極3から遠い表面張力で盛り上がった半田4の端部を明るくすることができる。これにより、2枚の画像において、表面張力で盛り上がった半田4の端部のコントラストを大きくすることができる。これにより、半田4の輪郭を正確に判断することができるようになり、結果として、半田4を正確に検査することが可能となる。
【0060】
ここで、下段照明35の検査面1aに対する照射角度が25度以下とされていれば、画像内において、表面張力で盛り上がった半田4の端部を適切に明るくすることができる。一方、下段照明35の検査面1aに対する照射角度が15度よりも小さくされると、電子部品2の影が長くなり、検査に悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、下段照明35の検査面1aに対する照射角度が15度よりも小さくされると、撮像ユニット30の照明部31が大型化してしまい、撮像ユニット30の移動速度が遅くなってしまう恐れがある。このような観点から、本実施形態では、下段照明35の検査面1aに対する照射角度が15度以上25度以下とされている。
【0061】
[動作説明]
次に、検査装置100の動作について説明する。
図6A及び
図6Bは、検査装置100の処理を示すフローチャートである。
【0062】
まず、検査装置100の制御部9は、搬送部10を制御して、基板1を搬入する(ステップ101)。このとき、制御部9は、コンベアベルト13を駆動させて、検査装置100の上流側に配置された装置から受け渡された基板1を検査位置にまで移動させる。
【0063】
次に、制御部9は、バックアップ部20を上方に移動させて、バックアップ部20とガイド11の上端部との間で基板1を挟み込む。次に、制御部9は、搬送部10が有する2つのガイド11のうち、一方のガイド11をY軸方向に移動させて、2つのガイド11によって基板1を両側からクランプする(ステップ102)。これにより、基板1が検査位置に位置決めされる。
【0064】
基板1が検査位置に位置決めされると、次に、制御部9は、位置補正マークの認識処理を実行する(ステップ103)。このステップでは、まず、制御部9は、撮像ユニット移動機構50を制御して、撮像ユニット30をXY方向に移動させる。そして、制御部9は、撮像ユニット30を基板1の検査面1a上に設けられた位置補正マークの上方に移動させる。位置補正マークは、基板1の位置補正のために基板1上に特別に設けられたアライメントマークであってもよい。あるいは、位置補正マークは、配線パターン、レジスト5パターンなどの、基板1上に存在するターゲットとなり得るものが位置補正マークとして用いられてもよい。
【0065】
撮像ユニット30を位置補正マークの上方に移動させると、次に、制御部9は、同軸落射照明36及び上段照明33の両方を同時に点灯させる。そして、制御部9は、これらの照明によって光が照射された位置補正マークを撮像部40により撮像して、位置補正マークの画像を取得する。次に、制御部9は、同軸落射照明36及び上段照明33を消灯させた後、撮像ユニット30を他の位置補正マークの上方に移動させる。
【0066】
そして、制御部9は、先ほどと同様に、同軸落射照明36及び上段照明33の両方を同時に点灯させ、これらの照明によって光が照射された位置補正マークを撮像部40により撮像し、位置補正マークの画像を取得する。位置補正マークの2枚の画像を取得すると、制御部9は、撮像された2枚の画像に含まれる位置補正マークの各位置を認識する。
【0067】
次に、制御部9は、認識された位置補正マークの各位置に基づいて、基板1の位置を認識し、理論上の基板1の検査位置に対して、実際の基板1の位置がどの程度ずれているかを判定する(ステップ104)。次に、制御部9は、基板1の検査位置の補正量が所定の閾値の範囲内に収まっているかどうかを判定する(ステップ105)。
【0068】
検査位置の補正量が所定の閾値の範囲内に収まっていない場合(ステップ105のNO)、制御部9は、位置補正マークの認識処理を再実行するかどうかを判定する(ステップ106)。ステップ106では、制御部9は、位置補正マークの認識処理の再実行回数が所定回数(2、3回程度)に達したかどうかを判定し、再実行回数が所定回数に達していない場合、位置補正マークの認識処理を再実行すると判定する(ステップ106のYES)。そして、制御部9は、ステップ103へ戻って、再び、位置補正マークの認識処理を実行する。一方、再実行回数が所定回数に達した場合、制御部9は、位置補正マークの認識処理を再実行しないと判定する(ステップ106のNO)。そして、制御部9は、検査装置100の自動運転を停止し、同時に、音、光などを発することによりオペレータに対して警告を発する(ステップ107)。
【0069】
ステップ105において、基板1の検査位置の補正量が所定の閾値の範囲内に収まっている場合(ステップ105のYES)、制御部9は、基板1の検査位置を補正する(ステップ108)。このステップ108では、制御部9は、位置補正マークの2つの位置に基づいて、理論上の基板1の中心位置、傾き及び大きさと、実際の基板1の中心位置、傾き及び大きさとの間の誤差を判断し、この誤差を補正することによって、基板1の検査位置を補正する。
【0070】
基板1の検査位置を補正すると、次に、制御部9は、撮像ユニット移動機構50を制御して、最初の検査領域の上方へ撮像ユニット30を移動させる(ステップ109)。上述のように、1枚の基板1は、20程度の検査領域に区分されている。
【0071】
次に、制御部9は、その検査領域を撮像するための撮像の準備を行う(ステップ110)。ステップ110では、制御部9は、その検査領域について、同軸落射照明36、上段照明33、中段照明34及び下段照明35のうち、どの照明を点灯させて画像を取得するかを記憶部61から読み込んで認識する。検査領域と、使用される照明との関係は、予めテーブル化されて記憶部61に記憶されている。このテーブルは、入力部63を介してオペレータによって変更可能であってもよい。
【0072】
次に、制御部9は、同軸落射照明36及び上段照明33を同時に点灯させて検査領域を撮像する必要があるかどうかを判定する(ステップ111)。同軸落射照明36及び上段照明33を同時に点灯させて検査領域を撮像する必要がある場合(ステップ111のYES)、制御部9は、同軸落射照明36及び上段照明33を同時に点灯させて、撮像部40により検査領域の画像を取得する(ステップ112)。
【0073】
検査領域の画像を取得すると、制御部9は、取得された画像データを記憶部61に保存し(ステップ113)、次のステップ114へ進む。ステップ111において、同軸落射照明36及び上段照明33を同時に点灯させて検査領域を撮像する必要がない場合(ステップ111のNO)、制御部9は、その画像を取得せずに、次のステップ114へ進む。
【0074】
ステップ114では、制御部9は、上段照明33を点灯させて検査領域を撮像する必要があるかどうかを判定する。上段照明33を点灯させて検査領域を撮像する必要がある場合(ステップ114のYES)、制御部9は、上段照明33を点灯させて検査領域を撮像する(ステップ115)。検査領域の画像を取得すると、制御部9は、取得された画像データを保存し(ステップ116)、次のステップ117へ進む。ステップ114において、上段照明33を点灯させて検査領域を撮像する必要がない場合(ステップ114のNO)、制御部9は、その画像を取得せずに、次のステップ117へ進む。
【0075】
ステップ117では、制御部9は、中段照明34を点灯させて検査領域を撮像する必要があるかどうかを判定する。中段照明34を点灯させて検査領域を撮像する必要がある場合(ステップ117のYES)、制御部9は、中段照明34を点灯させて検査領域を撮像する(ステップ118)。検査領域の画像を取得すると、制御部9は、取得された画像データを保存し(ステップ119)、次のステップ120へ進む。ステップ117において、中段照明34を点灯させて検査領域を撮像する必要がない場合(ステップ117のNO)、制御部9は、その画像を取得せずに、次のステップ120へ進む。
【0076】
ステップ120では、制御部9は、下段照明35を点灯させて検査領域を撮像する必要があるかどうかを判定する。下段照明35を点灯させて検査領域を撮像する必要がある場合(ステップ120のYES)、制御部9は、下段照明35を点灯させて検査領域を撮像する(ステップ121)。検査領域の画像を取得すると、制御部9は、取得された画像データを保存し(ステップ122)、次のステップへ進む。ステップ120において、下段照明35を点灯させて検査領域を撮像する必要がない場合(ステップ120のNO)、制御部9は、その画像を取得せずに、次のステップへ進む。
【0077】
図6Bを参照して、検査に必要な画像が取得されると、次に、制御部9は、電子部品2及び半田4の検査ループを開始する(ステップ123)。検査ループでは、まず、制御部9は、同軸落射照明36及び上段照明33が同時に点灯されて取得された画像に基づいて、検査領域内に配置された特定の電子部品2をサーチする(ステップ124)。
【0078】
電子部品2のサーチ処理では、まず、制御部9は、同軸落射照明36及び上段照明33が同時に点灯されて取得された画像を所定の閾値を用いて2値化処理する。すなわち、制御部9は、画像を所定の閾値よりも明るい部分と、所定の閾値よりも暗い部分に分ける。画像内において、電子部品2の電極3は、他の部分に比べて明るくなっている。従って、上記閾値が適切に設定されていれば、制御部9は、上記2値化処理により画像内における電極3の位置を判断することができる。制御部9は、この電極3の位置から電子部品2の位置を判定する。
【0079】
制御部9は、電子部品2をサーチするとき、同時に、電子部品2が欠品していないかどうかについての検査を行う(ステップ125)。また、このとき、制御部9は、電子部品2が表裏の状態で基板1上に実装されていないかどうかについての検査を行う(ステップ126)。
【0080】
ここで、電子部品2の検査において、同軸落射照明36及び上段照明33が同時に点灯されて取得された画像が用いられる理由について説明する。例えば、上段照明33や、中段照明34などの斜方照明によって、電子部品2の電極3に対して光が照射された場合、撮像部40によって電極3を撮像すると、撮像された画像内において電極3が鏡面のように写り込み、電極3が暗くなる。従って、電極3の輝度と、基板1上の他の部分との輝度の差ができず、結果として、制御部9が電極3の位置などを正確に判断することができない。
【0081】
そこで、本実施形態では、画像内において電極3を明るく写すために、同軸落射照明36が設けられている。このように、同軸落射照明36によって電極3に対して光が照射された場合、上段照明33や、中段照明34などの斜方照明によって電極3に対して光が照射された場合に比べて、画像内における電極3の明るさを明るくすることができる。
【0082】
しかしながら、同軸落射照明36のみが点灯されて取得された画像に基づいて電子部品2が検査される場合、電子部品2を正確に検査することができない可能性がある。これは、以下の理由による。電子部品2の電極3の上面は、平坦面であるが、実際には、細かい波状の部分も含んでいる。このため、同軸落射照明36のみが点灯されて取得された画像では、この細かい波状の部分が暗くなり、電極3に細かい斑模様があるように写ってしまう。このため、その斑模様が原因で、電極3である部分が電極3ではないと誤判定されてしまう可能性がある。この場合、電子部品2が欠品していると誤判定される可能性もある。
【0083】
そこで、本実施形態では、電子部品2の検査において、同軸落射照明36及び上段照明33が同時に点灯されて取得された画像を用いることとしている。この方法によれば、画像内において、同軸落射照明36によって電極3表面の平坦面を明るくすることができ、更に、上段照明33によって電極3の細かい波状の部分を明るくすることができる。これにより、本実施形態では、電極3の全体が明るい鮮明な画像を取得することができ、結果として、電子部品2の検査精度を向上させることができる。
【0084】
電子部品2の検査では、その電子部品2が欠品せずに適切な位置にあり、かつ、表裏が適切な状態で基板1上に実装されていれば、検査結果が合格とされる。
【0085】
電子部品2の検査を行うと、次に、制御部9は、上段照明33が点灯されて取得された画像及び下段照明35が点灯されて取得された画像に基づいて、半田4の検査を行う(ステップ127)。この検査では、まず、制御部9は、上段照明33が点灯されて取得された画像を所定の閾値で2値化処理し、下段照明35が点灯されて取得された画像を所定の閾値で2値化処理する。すなわち、制御部9は、それぞれの画像を明るい部分と暗い部分とに分ける。
【0086】
そして、制御部9は、2値化処理によって得られた、2つの2値化データを減算処理(又は加算処理)し、この処理によって1つの画像データを得る。このとき得られる画像データは、上段照明33が点灯されて取得された画像で明るく、かつ、下段照明35が点灯されて取得された画像において明るい部分は排除される。同様に、上段照明33が点灯されて取得された画像で暗く、かつ、下段照明35が点灯されて取得された画像において暗い部分は排除される。
【0087】
結果として、上段照明33が点灯されて取得された画像と、下段照明35が点灯されて取得された画像との間で、コントラストが大きく、明暗が反転する部分が残る。制御部9は、この画像データに基づいて、半田4の輪郭を認識する。半田4の輪郭を認識するために、2つの画像をどのように処理するかについては、様々な方法が知られており、典型的には、どのような方法が用いられても構わない。
【0088】
本実施形態では、上述のように、下段照明35の検査面1aに対する照射角度が15度以上25度以下とされている。従って、上段照明33が点灯されて取得された画像と、下段照明35が点灯されて取得された画像とにおいて、それらの画像に写り込む半田4の輪郭のコントラストを大きくすることができる。これにより、半田4の輪郭を正確に判断することができるようになり、結果として、半田4を正確に検査することが可能となる。
【0089】
なお、下段照明35が点灯されて取得された画像内において、半田4が電子部品2の影の影響を受ける場合には、下段照明35が点灯されて取得された画像の代わりに、中段照明34が点灯されて取得された画像が用いられる。すなわち、制御部9は、上段照明33が点灯されて取得された画像及び下段照明35が点灯されて取得された画像に基づいて半田4を検査する第1のモードと、上段照明33が点灯されて取得された画像及び中段照明34が点灯されて取得された画像に基づいて半田4を検査する第2のモードとを切り換え可能である。これにより、影の影響を排除することができる。
【0090】
半田4の検査では、半田4が適切な位置にあり、また、半田4の量が適切な量であれば、検査結果が合格とされる。
【0091】
半田4の検査を行うと、次に、制御部9は、電子部品2の検査結果と、半田4の検査結果を記憶部61に保存する(ステップ128)。これにより、電子部品2及びその電子部品2に対応する半田4の検査ループが終了する(ステップ129)。
【0092】
次に、制御部9は、検査領域内において検査すべき電子部品2及び半田4が残っているかどうかを判定する(ステップ130)。検査すべき電子部品2及び半田4が残っている場合(ステップ130のYES)、制御部9は、ステップ123へ戻って、検査ループを開始する。検査領域内において検査すべき電子部品2及び半田4が残っていない場合(ステップ130のNO)、制御部9は、検査すべき検査領域が残っているかどうかを判定する(ステップ131)。
【0093】
検査すべき検査領域が残っている場合(ステップ131のYES)、制御部9は、ステップ109に戻って、次の検査領域の上方に撮像ユニット30を移動させる。そして、制御部9は、ステップ110以降の処理を実行する。検査すべき検査領域が残っていない場合(ステップ131のNO)、制御部9は、電子部品2及び半田4の検査結果に基づいて、基板1の良否を判定する(ステップ132)。
【0094】
基板1が良品ではないと判定された場合(ステップ133のYES)、制御部9は、その基板1の再検査を実行するかどうかを判定する(ステップ134)。再検査すると判定された場合(ステップ134のYES)、制御部9は、ステップ103へ戻って、その基板1を再検査する。再検査しないと判定された場合(ステップ134のNO)、制御部9は、検査装置100の自動運転を停止し、同時に、音、光などを発することによりオペレータに対して警告を発する(ステップ135)。この場合、制御部9は、電子部品2及び半田4の検査結果を表示部62の画面上に表示させる。
【0095】
基板1が良品であると判定された場合(ステップ133のYES)、制御部9は、基板1のクランプ状態を解除し、バックアップ部20を下方に移動させた後、搬送部10を制御して基板1を排出する(ステップ136)。検査装置100から排出された基板1は、検査装置100の下流側に配置された装置に受け渡され、次の工程へと進められる。
【0096】
[作用等]
以上説明したように、本実施形態では、検査面1aに対する下段照明35の照射角度が15度以上25度以下とされている。従って、上段照明33が点灯されて取得された画像と、下段照明35が点灯されて取得された画像とにおいて、それらの画像に写り込む半田4の輪郭のコントラストを大きくすることができる。これにより、半田4の輪郭を正確に判断することができるようになり、結果として、半田4を正確に検査することが可能となる。
【0097】
特に、本実施形態では、下段照明35の検査面1aに対する照射角度が15度以上25度以下とされているため、下段照明35が点灯されて取得された画像内において、表面張力によって盛り上がった半田4の端部を明るくすることも可能である(
図5参照)。従って、本実施形態に係る検査装置100は、電極パッド6が小さいことなどを原因として、電極3とは反対側の端部が表面張力により盛り上がってしまったような形状をしている半田4を検査する場合に、特に有効である。
【0098】
さらに、本実施形態では、下段照明35が点灯されて取得された画像内において、半田4が電子部品2の影の影響を受ける場合には、下段照明35が点灯されて取得された画像の代わりに、中段照明34が点灯されて取得された画像が用いられる。これにより、影の影響を排除することができる。
【0099】
さらに、本実施形態では、電子部品2の検査において、同軸落射照明36及び上段照明33が同時に点灯されて取得された画像が用いられる。これにより、画像内において、同軸落射照明36によって電極3表面の平坦面を明るくすることができ、更に、上段照明33によって電極3の細かい波状の部分を明るくすることができる。これにより、電極3の全体が明るい鮮明な画像を取得することができ、結果として、電子部品2の検査精度を向上させることができる。
【0101】
以上の説明では、上段照明33が点灯されて取得された画像と、下段照明35が点灯されて取得された画像とを含む2枚の画像に基づいて検査される検査物が半田4であるとして説明した。しかし、これらの2枚の画像に基づいて電子部品2が検査されてもよい。
【0102】
さらに、これらの2枚の画像に基づいて、位置補正マークの位置が認識されてもよい。例えば、半田槽に溜められた半田4の表面に対して、基板1の上面を浸すことによって半田4が塗布される形態の場合、アライメントマークに対して半田4が塗布されてしまう場合がある。本実施形態では、下段照明35の検査面1aに対する照射角度が15度以上25度以下とされているため、半田4が塗布されたアライメントマークの位置を正確に認識することができる。
【0103】
本技術は、以下の構成をとることもできる。
(1)、検査物を有する検査面に対して光を照射する上段照明と、
前記上段照明よりも浅い、15度以上25度以下の照射角度で前記検査面に対して光を照射する下段照明と、
前記上段照明によって光が照射された前記検査物を撮像して第1の画像を取得し、かつ、前記下段照明によって光が照射された前記検査物を撮像して第2の画像を取得する撮像部と、
前記第1の画像及び第2の画像に基づいて検査物を検査する制御部と
を具備する検査装置。
(2)、上記(1)に記載の検査装置であって、
前記検査物は、前記検査面上に設けられた半田である
検査装置。
(3)、上記(2)に記載の検査装置であって、
前記検査物としての前記半田は、半田リフロー処理後の半田である
検査装置。
(4)、上記(1)乃至(3)のうちいずれか1つに記載の検査装置であって、
前記上段照明よりも浅く、かつ、前記下段照明よりも深い照射角度で前記検査面に対して光を照射する中段照明をさらに具備する
検査装置。
(5)、上記(4)に記載の検査装置であって、
前記撮像部は、前記中段照明によって光が照射された前記検査物を撮像して第3の画像を取得し、
前記制御部は、前記第1の画像及び第2の画像に基づいて前記検査物を検査する第1のモードと、第1の画像及び第3の画像に基づいて前記検査物を検査する第2のモードとを切り換え可能である
検査装置。
(6)、上記(1)乃至(5)のうちいずれか1つに記載の検査装置であって、
前記撮像部の光軸と同軸で配置され、前記検査面に対して光を照射する同軸落射照明をさらに具備する
検査装置。
(7)、上記(6)に記載の検査装置であって、
前記撮像部は、前記上段照明及び前記同軸落射照明の両方によって光が照射された検査物を撮像して第4の画像を取得し、
前記制御部は、前記第1の画像及び第2の画像に基づいて、前記検査物としての半田を検査し、かつ、前記第4の画像に基づいて電子部品を検査する
検査装置。
(8)、検査物を有する検査面に対して光を照射する上段照明と、
前記上段照明よりも浅い、15度以上25度以下の照射角度で前記検査面に対して光を照射する下段照明と、
前記上段照明によって光が照射された前記検査物を撮像し、かつ、前記下段照明によって光が照射された前記検査物を撮像する撮像部と
を具備する撮像ユニット。
(9)、上段照明によって、検査物を有する検査面に対して光を照射し、
前記上段照明によって光が照射された前記検査物を撮像して第1の画像を取得し、
下段照明によって、15度以上25度以下の照射角度で検査面に対して光を照射し、
前記下段照明によって光が照射された前記検査物を撮像して第2の画像を取得し、
前記第1の画像及び第2の画像に基づいて検査物を検査する
検査方法。
(10)、上段照明によって、検査物を有する基板の検査面に対して光を照射し、
前記上段照明によって光が照射された前記検査物を撮像して第1の画像を取得し、
下段照明によって、15度以上25度以下の照射角度で検査面に対して光を照射し、
前記下段照明によって光が照射された前記検査物を撮像して第2の画像を取得し、
前記第1の画像及び第2の画像に基づいて検査物を検査し、
検査結果に基づいて、前記基板の良否を判定して、良品と判定された前記基板を次の工程へ進める
基板の製造方法。