【実施例1】
【0025】
まず、本実施例1に係る遊技管理の概念について説明する。
図1は、実施例1に係る遊技管理の概念を説明するための説明図である。
図1に示すように、遊技店には複数の遊技島が設けられ、各遊技島には遊技機20が複数設置されている。さらに各遊技機20には、それぞれ台間カード処理機10が併設されている。
【0026】
各台間カード処理機10は、カード管理装置40と接続する。カード管理装置40は、台間カード処理機10に対して、遊技玉の払出に対する制限設定を行なう。
図1では、カード管理装置40は、遊技島P1に設置された台間カード処理機10に対しては、遊技玉の払出に対する制限設定を行なっていない。このため、遊技島P1に設置された台間カード処理機10では、入金、玉貸、持玉再プレイ、貯玉再プレイの全てが利用可能である。すなわち、遊技島P1は、通常の遊技島となる。
【0027】
また、カード管理装置40は、遊技島P2に設置された台間カード処理機10に対しては、入金を禁止している。このため、遊技島P2に設置された台間カード処理機10では、玉貸、持玉再プレイ、貯玉再プレイが利用可能である。すなわち、遊技島P2は、カード使用専用の遊技島となる。
【0028】
また、カード管理装置40は、遊技島P3に設置された台間カード処理機10に対しては、再プレイのみを許可している。このため、遊技島P3に設置された台間カード処理機10では、入金と玉貸が利用できず、持玉再プレイ又は貯玉再プレイが利用可能である。すなわち、遊技島P3は、再プレイ専用の遊技島となる。
【0029】
また、カード管理装置40は、遊技島P4に設置された台間カード処理機10に対しては、貯玉再プレイのみを許可している。このため、遊技島P4に設置された台間カード処理機10では、入金、玉貸及び持玉再プレイが利用できず、貯玉再プレイが利用可能である。すなわち、遊技島P4は、会員による貯玉再プレイ専用の遊技島となる。
【0030】
このように、台間カード処理機10で利用可能な遊技玉の払出方法を制限する設定を行なうことにより、遊技店における柔軟な運用が実現できる。例えば、遊技島P4で遊技するためには、会員になり、かつ貯玉を事前に預け入れる必要があるので、遊技島P4に人気のある機種を設置すれば、会員を優遇することができるとともに、会員登録への動機付けを行なうことができる。
【0031】
また、遊技島P2〜P4では、入金の受付を行なわないため、遊技島P2〜P4で遊技したい場合には、まず遊技島P1で遊技して、プリペイド価値、持玉又は貯玉が関連付けられたカードを入手することとなる。このため、遊技機の選択に戦略性を与えることができる。
【0032】
さらに、遊技島P2〜P4では、入金の受付を行なわないため、貨幣の搬送異常等によって動作を止める必要が無く、稼働率の低下を防止できる。
【0033】
次に、遊技店のシステム構成について説明する。
図2は、遊技店のシステム構成を示す図である。
図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10が設置される。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続する。通信回線には、島コントローラ30と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、景品管理装置60と、精算機80とが接続される。
【0034】
遊技機20は、遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技領域には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
【0035】
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するために入賞センサが設けられており、入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知するようになっている。また、遊技機の制御装置は、入賞領域ごとに何個の遊技玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリを有している。
【0036】
したがって、打ち込んだ遊技玉の特定の入賞領域への通過が入賞センサにより検知されると、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過した遊技玉数から付与すべき賞玉数を決定し、決定した賞玉数の遊技玉が払い出される。
【0037】
台間カード処理機10は、入金の受付、遊技玉の貸し出し並びにカード管理装置40との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、入金額を含む入金通知をカード管理装置40に送信することで、プリペイド価値をカード管理装置40が管理するプリペイド価値に加算させる。そして、所定の玉貸し操作がなされたならば、玉貸要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40が管理するプリペイド価値を減算させて、減算したプリペイド価値分に対応する数の遊技玉を払い出す。
【0038】
また、台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、カード管理装置40にカード挿入通知を送信する。また、台間カード処理機10は、カード管理装置40からプリペイド価値、持玉又は貯玉の残高を受信した場合には、該残高を記憶する。そして、持玉の残高を受信し、記憶した場合には、カード管理装置40に対して持玉減算要求を送信することで、カード管理装置40が管理する持玉の残高をゼロにクリアする。
【0039】
また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、自装置が管理する持玉数を所定数減算し、減算した持玉数に対応する数の遊技玉を払い出す。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けると、カード管理装置40に対して貯玉再プレイ要求を送信することで、会員管理装置50が管理する貯玉数を所定数減算させ、減算させた貯玉数に対応する数の遊技玉を払い出す。
【0040】
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、自装置が管理する持玉数を含む持玉加算要求をカード管理装置40に送信し、カード管理装置40に持玉を加算させた後、カード排出通知をカード管理装置40に送信し、カードを排出制御する。
【0041】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する管理装置である。
【0042】
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、挿入されたカードのカードIDと台間カード処理機10とを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉の残高を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知に示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、カード挿入通知を会員管理装置50に送信し、会員管理装置50から受信した貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0043】
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から持玉減算要求を受信した場合には、持玉口座の残高をゼロにクリアし、台間カード処理機10から持玉加算要求を受信した場合には、持玉加算要求に示された持玉数を持玉口座に加算する。
【0044】
また、カード管理装置40は、台間カード処理機10から玉貸要求を受信した場合には、対応するプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可を台間カード処理機10に送信する。そして、貯玉再プレイ要求を受信した場合には、該貯玉再プレイ要求を会員管理装置50に送信し、会員管理装置50が貯玉再プレイデータを出力した場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0045】
また、カード管理装置40は、景品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を景品管理装置60に対して通知する。さらに、精算機80からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられたプリペイド価値を精算機80に対して通知する。
【0046】
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連づけて、貯玉数、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
【0047】
会員管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、カード挿入通知に示されたカードIDに対応する貯玉口座の残高と暗証番号とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、会員管理装置50は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求を受信したならば、貯玉再プレイ要求に示されたカードIDに関連づけられた貯玉口座の残高を所定数減算し、減算後の貯玉口座の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。なお、台間カード処理機10と会員管理装置50との通信は、カード管理装置40を介して行なわれる。
【0048】
また、会員管理装置50は、景品管理装置60から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯玉口座の残高を景品管理装置60に通知する。
【0049】
景品管理装置60は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり獲得玉、貯玉及び持玉の景品交換処理を行う。この景品管理装置60には、カードのカードIDを読み取るリーダライタ及び景品を払い出す景品払出装置が接続されている。景品管理装置60は、リーダライタがカードを受け付けた場合には、リーダライタで読み出したカードのカードIDをカード管理装置40に送信して、該カードの持玉数を要求する。また、貯玉を景品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉数を要求する。
【0050】
精算機80は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、該カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
【0051】
図2に示したシステムで玉貸しを行う場合の玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機10は、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、玉貸要求とを含む。
【0052】
カード管理装置40は、玉貸要求を含む電文を受信すると、該電文内のカードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値(例えば、100円=1度数の場合に5度数)減算してカード管理データを更新し、玉貸許可を送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可を受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する数(例えば125玉)の遊技玉を払い出す。
【0053】
次に、
図2に示したシステムで持玉の再プレイを行う場合の持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けた場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
【0054】
カード管理装置40は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた各レートの持玉口座の残高を台間カード処理機10に通知する。
【0055】
台間カード処理機10は、カード管理装置40から受信した持玉の残高を記憶する。そして、カードID及びレートを特定する情報と、持玉減算要求とを含む電文をカード管理装置40に送信する。カード管理装置40は、持玉減算要求を受信した場合には、カードIDにより特定される各レートの持玉口座の残高をゼロにクリアする。台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けた場合には、記憶した持玉の残高を所定数減算し、対応する数の遊技玉を払い出す。
【0056】
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けた場合には、カード管理装置40に対して持玉加算要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、各レートの持玉の残高と持玉加算要求とを含む。
【0057】
カード管理装置40は、持玉加算要求を受け付けた場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた各レートの持玉口座の残高を受信した残高の値に更新する。
【0058】
その後、台間カード処理機10は、カード管理装置40にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。
【0059】
次に、
図2に示したシステムで貯玉の再プレイを行う場合の貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カードを挿入された場合、若しくは会員カードとして使用可能な携帯端末からカードIDに対応する識別情報を読み取った場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードID(若しくは携帯端末から読み取ったカードIDに対応する識別情報。以降、カードIDという)と、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
【0060】
カード管理装置40は、カード挿入通知の電文を会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、カード挿入通知の電文を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉口座のうち、該電文により特定されたレートの貯玉口座の残高と、を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0061】
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉口座の残高が貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数(貯玉再プレイ単位数。例えば125玉)以上である場合には貯玉再プレイ操作を受付可能とする。なお、ここでは、貯玉口座の残高が払出単位数以上である場合に貯玉再プレイ操作を受付可能とする場合について説明を行なったが、貯玉再プレイデータに貯玉再プレイ可能回数が示されているならば、貯玉再プレイ可能回数が1以上である場合に貯玉再プレイ操作を受付可能としてもよい。
【0062】
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するかを確認する。
【0063】
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、カード管理装置40のローカルアドレスを宛先として指定した電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、貯玉再プレイ要求とを含む。
【0064】
カード管理装置40は、貯玉再プレイ要求の電文を会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、貯玉再プレイ要求の電文を受信した場合には、該電文内のカードIDに関連付けられた貯玉口座のうち、該電文により特定されたレートの貯玉口座の残高を所定値減算し、減算後の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0065】
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータを受信して貯玉口座の残高を更新し、遊技玉を貯玉再プレイ単位数だけ払い出す。また、更新後の貯玉口座の残高が貯玉再プレイ単位数未満となったかを判定し、貯玉再プレイ単位数未満となったならば、貯玉再プレイ操作を受付不能とする。更新後の貯玉口座の残高が貯玉再プレイ単位数以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受付可能であり、貯玉再プレイ操作を受付た場合には貯玉再プレイ要求を送信する。2回目以降の貯玉再プレイ操作では、暗証番号の確認は不要である。なお、暗証番号の確認を毎回行なうように設定してもよい。
【0066】
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。カード管理装置40は、閉店処理時にカード管理データの持玉口座の残高を確認し、持玉の残高が「0」より大きい持玉口座が存在する場合には、該持玉口座の残高をカードID及びレートとともに会員管理装置50に通知する。会員管理装置50は、カードID及びレートにより特定される貯玉口座の残高に通知された持玉口座残高を加算して更新する。その後、カード管理装置40は、該持玉口座の残高をゼロにクリアする。
【0067】
次に、
図2に示した台間カード処理機10の外観構成について説明する。
図3は、
図2に示した台間カード処理機10の外観構成を示す図である。なお、
図3には、遊技機20に接続された台間カード処理機10の外観構成を示している。また、併設される遊技機20は、破線で図示している。また、
図3では、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受付用のユニットを設けることもできる。
【0068】
図3に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、遊技玉を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12aとを有する。また、台間カード処理機10は、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部13と、カードを受け付けるカード挿入口14aと、携帯端末等をかざすためのかざし部14bと、遊技玉を遊技機に投出するノズルユニット18aと、遊技機の下皿から落下させた遊技玉を計数する計数ユニット18bとを有する。
【0069】
次に、
図2に示した台間カード処理機10の内部構成について説明する。
図4は、
図2に示した台間カード処理機10の内部構成を示すブロック図である。
図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12と、表示操作部13と、リーダライタ14と、かざし部14bと、通信部15と、記憶部16と、制御部17と、ノズルユニット18aと、計数ユニット18bとを有する。
【0070】
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、有価価値等の各種情報の表示と、玉貸し操作等の各種操作の受付を行なうタッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。
【0071】
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを読み取る読取部である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。かざし部14bは、携帯端末等がかざされた場合に、近距離無線通信によりカードID等の各種情報を読み取るインタフェースである。
【0072】
通信部15は、遊技機20及び通信回線との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。ノズルユニット18aは、玉貸し又は再プレイにより遊技玉を払い出す際に、その一部又は全ての払出に使用される。計数ユニット18bは、遊技玉を計数するユニットである。
【0073】
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、カードID16a、有価価値データ16b、装置ID16c、遊技設定データ16d及び制限データ16eを記憶する。
【0074】
カードID16aは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。カードが挿入されていない状態で入金が行なわれたならば、図示しないカード収納部からリーダライタ14にカードが搬送され、リーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードID16aが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードID16aが更新される。
【0075】
有価価値データ16bは、遊技玉の払出を受けるために使用可能な有価価値を示すデータである。この有価価値には、玉貸しに使用可能なプリペイド価値の残高、持玉口座の残高、貯玉再プレイ用の暗証番号並びに貯玉口座の残高を含む。
【0076】
装置ID16cは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別情報である。遊技設定データ16dは、台間カード処理機10に設定された遊技種等を示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉1」、2円レートの遊技玉に「玉2」、1円レートの遊技玉に「玉3」のように、レート毎に遊技種名を設定して管理している。したがって、4円区画に設置された台間カード処理機10は、遊技設定データ16dとして「玉1」を記憶し、1円区画に設置された台間カード処理機10は、遊技設定データ16dとして「玉3」を記憶することとなる。
【0077】
さらに、遊技設定データ16dは、貨幣エラー設定と、払出設定とを有する。貨幣エラー設定は、貨幣の搬送エラーや識別機のエラー等、貨幣に関するエラーを無効化するか否かの設定である。払出設定は、プリペイド価値を用いた玉貸、持玉再プレイ又は貯玉再プレイによって遊技玉の払出を行なう際に、台間カード処理機10と遊技機20のいずれの払出機構を使用するかの設定である。
【0078】
制限データ16eは、入金、プリペイド価値を用いた玉貸、持玉再プレイ及び貯玉再プレイについて、許可又は禁止のいずれかを設定したデータである。
【0079】
制御部17は、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部17a、計数処理部17b、制限処理部17c、貨幣異常検知部17d及び異常無効化部17eを有する。
【0080】
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、カードID16a及び装置ID16cを含むカード挿入通知をカード管理装置40に送信する。また、データ管理部17aは、カード管理装置40から有価価値(プリペイド価値、持玉及び貯玉の少なくともいずれか)を含むデータを受信した場合に、受信した有価価値により有価価値データ16bを更新する。データ管理部17aは、有価価値データ16bに示されたプリペイド価値、持玉及び貯玉の値を適宜表示操作部13に表示制御する。
【0081】
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードID16a及び装置ID16cを含む玉貸要求をカード管理装置40に送信する。この玉貸要求への応答として玉貸許可を受信したならば、データ管理部17aは、所定数の遊技玉を払い出す。玉貸による遊技玉の払出は、遊技設定データ16dに示された払出設定に従って、自装置のノズルユニット18aと遊技機20の払出機能とのいずれか、又は双方を用いて行なわれる。
【0082】
また、データ管理部17aは、遊技客により持玉再プレイ操作が行なわれた場合に、有価価値データ16bに示された持玉口座の残高を所定数減算し、対応する数の遊技玉を払い出す。
【0083】
持玉再プレイによる遊技玉の払出は、遊技設定データ16dに示された払出設定に従って、自装置のノズルユニット18aと遊技機20の払出機能とのいずれか、又は双方を用いて行なわれる。
【0084】
また、データ管理部17aは、有価価値データ16bに示された貯玉口座の残高が貯玉再プレイ単位数以上である場合には、表示操作部13に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受付可能とする。データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID16a及び装置ID16cを含む貯玉再プレイ要求をカード管理装置40に送信する。この貯玉再プレイ要求への応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、貯玉口座の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数の遊技玉を払い出す。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、有価価値データ16bに示された暗証番号と一致することを貯玉再プレイ要求を送信するための条件とする。また、表示部操作部13は、使用できる価値の種別「プリペイド価値」「持玉」「貯玉」等を、制限データ16eに応じて認識可能に表示することによって、遊技者にどの価値が使用できるかを報知する機能を備えている。また、上位装置と通信が不可能であること等によって貯玉が使用できない場合には、貯玉の表示を消去するか反転表示することによって報知を行う。
【0085】
貯玉再プレイによる遊技玉の払出は、遊技設定データ16dに示された払出設定に従って、自装置のノズルユニット18aと遊技機20の払出機能とのいずれか、又は双方を用いて行なわれる。
【0086】
また、データ管理部17aは、遊技客によりカード返却操作が行なわれた場合に、カードID16a、装置ID16c並びに持玉数を含む持玉加算要求をカード管理装置40に送信して、自装置持玉口座の残高を0にクリアした後、カード排出通知をカード管理装置40に送信し、カードを排出する。
【0087】
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID16a及び装置IDを含む入金通知をカード管理装置40に送信する。
【0088】
計数処理部17bは、計数ユニット18bに遊技玉が投入された場合に、計数ユニット18bに遊技玉の計数を行わせ、計数結果を有価価値データ16bの持玉数に加算する処理を行なう。
【0089】
制限処理部17cは、カード管理装置40からの指示に基づいて、制限データ16eを設定し、設定した制限データ16eに応じてデータ管理部17aによる処理を制限する処理部である。
【0090】
制限処理部17cは、制限データ16eの入金に「禁止」が設定されている場合には、データ管理部17aによる入金の受付を禁止し、「許可」が設定されている場合に入金の受付を許可する。
【0091】
制限処理部17cは、制限データ16eのプリペイド使用に「禁止」が設定されている場合には、データ管理部17aによる玉貸を禁止し、「許可」が設定されている場合にプリペイド価値を用いた玉貸を許可する。
【0092】
制限処理部17cは、制限データ16eの持玉再プレイに「禁止」が設定されている場合には、データ管理部17aによる持玉再プレイを禁止し、「許可」が設定されている場合に持玉再プレイを許可する。
【0093】
制限処理部17cは、制限データ16eの貯玉再プレイに「禁止」が設定されている場合には、データ管理部17aによる貯玉再プレイを禁止し、「許可」が設定されている場合に貯玉再プレイを許可する。なお、入金、プリペイド使用、持玉再プレイ及び貯玉再プレイの全てが「禁止」であると、遊技玉の払出が行なわれず、遊技ができない状態となるので、少なくともいずれか一つ(通常は貯玉再プレイ)は「許可」とする。
【0094】
また、制限処理部17cは、制限データ16eの入金に「禁止」が設定された場合には、遊技設定データ16dの貨幣エラーに「無効」を設定し、制限データ16eの入金に「許可」が設定された場合には、遊技設定データ16dの貨幣エラーに「有効」を設定する。
【0095】
さらに、制限処理部17cは、遊技機20との接続状態と、制限データ16eの設定内容とに応じて、遊技設定データ16dの払出設定を決定する処理を行なう。
図5は、払出設定の決定について説明するための説明図である。
【0096】
図5(a)は、払出設定の内容を示す説明図である。
図5(a)に示すように、台間カード処理機10には、払出設定P1〜P4のいずれかを選択して設定可能である。払出設定P1が選択されたならば、再プレイでは、全数を台間カード処理機10から払い出し、貸出では全数を遊技機20に払い出させる。払出設定P2が選択されたならば、再プレイでは、25玉単位で遊技機20から払い出させ、端数を台間カード処理機10が払い出す。貸出では、全数を遊技機20に払い出させる。
【0097】
また、払出設定P3が選択されたならば、再プレイでは、25玉単位で遊技機20から払い出させ、端数を台間カード処理機10が払い出す。貸出においても、25玉単位で遊技機20から払い出させ、端数を台間カード処理機10が払い出す。そして、払出設定P4が選択されたならば、再プレイでは、全数を台間カード処理機10から払い出し、貸出でも全数を台間カード処理機10に払い出させる。
【0098】
図5(b)は、払出設定の決定条件を示す説明図である。
図5(b)に示すように、台間カード処理機10と遊技機20との接続が行なわれていなければ、遊技機20に遊技玉を払い出させることができないので、プリペイド使用や再プレイの設定にかかわらず、払出設定P4を選択する。
【0099】
台間カード処理機10と遊技機20とが接続されており、プリペイド使用が許可されているならば、デフォルト設定として払出設定P1が選択される。これは、遊技店員の操作により他の払出設定に変更することを妨げるものではなく、払出設定P1を優先して選択させることを意味する。払出設定P1を優先するのは、プリペイド使用による玉貸と、再プレイの双方が使用された場合に、玉貸により払出が行われたのか、再プレイにより払出が行われたのかを区別することができるからである。すなわち、払出設定P1が選択されていれば、自装置から払い出された遊技玉は再プレイ分であり、遊技機20から払い出された遊技玉は玉貸分であると区別することができる。
【0100】
台間カード処理機10と遊技機20とが接続されており、プリペイド使用が禁止されているならば、デフォルト設定として払出設定P2が選択される。これは、遊技店員の操作により他の払出設定に変更することを妨げるものではなく、払出設定P2を優先して選択させることを意味する。払出設定P2を優先するのは、一般に、遊技機20の入れ替え間隔は台間カード処理機10の入れ替え間隔よりも短く、遊技機20の払出機構が損耗する前に入れ替えが行なわれることを考慮し、遊技機20の払出機構を活用するためである。
【0101】
なお、ここでは、持玉再プレイと貯玉再プレイを同様に扱う場合について説明したが、プリペイド使用が禁止されている場合には、持玉再プレイについては全数を台間カード処理機10から払い出し、貯玉再プレイでは全数を遊技機20に払い出させる、などのように、持玉再プレイと貯玉再プレイについて扱いが異なる払出設定を用いてもよい。
【0102】
図4に示した貨幣異常検知部17dは、紙幣搬送部12において発生した搬送異常や、貨幣の識別時のエラーを検知した場合に、異常の報知や動作の停止を行なう処理部である。また、紙幣搬送部12が紙幣を装置の裏側に排出し、島単位で紙幣を回収する回収機構に投出する構成である場合には、この回収機構の異常についても検知する。
【0103】
異常無効化部17eは、遊技設定データ16dの貨幣エラーが「無効」である場合には、貨幣異常検知部17dの動作を無効化する。このため、貨幣異常検知部17dは、貨幣エラーが「有効」である場合にのみ動作することとなる。
【0104】
次に、台間カード処理機10の記憶部16が記憶するデータの具体例について説明する。
図6は、台間カード処理機10の記憶部16が記憶するデータを説明するための説明図である。
【0105】
図6(a)に示すカードID16aは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「2002」であることを示している。なお、ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードである。
【0106】
図6(b)に示す有価価値データ16bは、プリペイド価値が「20度数」である状態を示している。なお、ここではプリペイド価値の度数は1度数が100円相当である。また、有価価値データ16bは、玉1の持玉口座の残高が「1200玉」、玉2の持玉口座の残高が「0玉」、玉3の持玉口座の残高が「500玉」である状態を示している。また、有価価値データ16bは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「7777」であり、玉1の貯玉口座の残高が「1000玉」、玉2の貯玉口座の残高が「0玉」、玉3の貯玉口座の残高が「0玉」である状態を示している。
【0107】
図6(c)に示す装置ID16cは、台間カード処理機10のIDが「5006」である状態を示している。また、
図6(d)に示す遊技設定データ16dは、台間カード処理機10の遊技種として「玉1」が設定された状態を示している。さらに、遊技設定データ16dは、貨幣エラーが「無効」に設定され、払出設定が「P1」に設定された状態を示している。
【0108】
図6(e)に示す制限データ16eは、入金が「禁止」に設定され、プリペイド使用が「禁止」に設定され、持玉再プレイが「許可」に設定され、貯玉再プレイが「許可」に設定された状態を示している。なお、台間カード処理機10は、上位装置(カード管理装置40、会員管理装置50)との間の通信が可能かどうかを判断する機能を備えており、上位装置との間の通信が不可能である場合には、低額紙幣(例えば1000円)のみを受け付ける縮退運用に移行する。この縮退運用移行時に、貯玉再プレイが「許可」に設定され、他のプリペイド使用、持玉再プレイが「禁止」に設定されているときには、遊技に使用する媒体の使用ができない状態となる(上位装置と通信不能のときは貯玉データが使用できない)ため、エラー表示あるいはエラーダウン制御を行って店員に警告を行う。また、縮退運用に移行した際に適用する設定「禁止」「許可」を予め指定しておき、縮退運用移行時に自動的にこの設定が適用されるようにしてもよい。例えば、貯玉再プレイのみを受け付ける設定を行われた台間カード処理機10は、縮退運用に移行することによってプリペイド使用「許可」に自動的に変更されるようにしてもよい。
【0109】
次に、
図2に示したカード管理装置40の内部構成について説明する。
図7は、
図2に示したカード管理装置40の内部構成を示すブロック図である。
図7に示すように、カード管理装置40は、表示部41及び入力部42と接続され、外部ネットワーク通信部43、店舗ネットワーク通信部44、記憶部45及び制御部46を有する。
【0110】
表示部41は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。入力部42は、キーボードやマウス等である。外部ネットワーク通信部43は、遊技店外のネットワークを介してデータ通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部44は、通信回線を介して台間カード処理機10、会員管理装置50、景品管理装置60等とデータ通信するためのインタフェース部である。また、表示部41は、貯玉再プレイのみ「許可」の制限設定を行った台間カード処理機10と通信が不可能である場合には、当該台間カード処理機の稼動が不可能になることから警告表示を行って店員の対処を促す。
【0111】
記憶部45は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カード管理データ45a、制限種別データ45b及び制限設定データ45cを記憶する。
【0112】
カード管理データ45aは、カードIDに対し、プリペイド価値の残高と、各レートの持玉口座の残高と、該カードが挿入されている台間カード処理機のIDを示す使用先IDとを対応付けたデータである。
【0113】
制限種別データ45bは、台間カード処理機10に対して設定する制限の種別と、該種別が選択された場合の制限の内容とを対応付けたデータである。制限設定データ45cは、台間カード処理機10の装置IDに対し、設定された制限の種別を対応付けたデータである。
【0114】
制御部46は、カード管理装置40を全体制御する制御部であり、カード管理部46a、制限設定部46b及び通知部46cを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、カード管理部46a、制限設定部46b及び通知部46cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0115】
カード管理部46aは、カード管理データ45aの管理を行なう処理部である。具体的には、カード管理部46aは、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信した場合には、カード挿入通知に示されたカードIDの使用先を、同じくカード挿入通知に示された装置IDとする。また、カード挿入通知に示されたカードIDに関連付けられたプリペイド価値と各レートの持玉口座の残高とを有価価値として台間カード処理機10に通知する。また、挿入されたカードが会員カードである場合には、会員管理装置50に対してカード挿入通知を転送する。カード管理部46aは、台間カード処理機10から持玉減算要求を受信した場合に、持玉減算要求に示された持玉口座の残高をゼロにクリアしてカード管理データ45aを更新する。
【0116】
また、カード管理部46aは、台間カード処理機10からカードIDを含む玉貸要求を受信した場合に、該カードIDに関連付けられたプリペイド価値が所定値以上であるか否かを判定する。プリペイド価値が所定値以上である場合には、カード管理部46aは、プリペイド価値を所定値減算してカード管理データ45aを更新し、台間カード処理機10に更新後のプリペイド価値を含む玉貸許可を送信する。一方、プリペイド価値が所定値未満である場合には、カード管理部46aは、台間カード処理機10に玉貸不可を通知する。
【0117】
また、カード管理部46aは、台間カード処理機10から金額、カードID16a及び装置ID16cを含む入金通知を受信した場合に、該カードIDに関連付けられたプリペイド価値を入金通知に示された金額に対応する度数分加算して、カード管理データ45aを更新する。
【0118】
また、カード管理部46aは、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求を受信した場合には、該貯玉再プレイ要求を会員管理装置50に転送する。また、貯玉再プレイ要求に対する会員管理装置50からの応答についても、カード管理部46aが転送制御を行なう。
【0119】
また、カード管理部46aは、持玉加算要求を受信した場合には、持玉加算要求に示された持玉口座の残高に受信した持玉数を加算して、カード管理データ45aを更新する。また、カード管理部46aは、カード排出通知を受信した場合には、該カードIDの使用先について値を消去し、カード管理データ45aを更新する。
【0120】
また、カード管理部46aは、景品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応づけられた各レートの持玉口座の残高を景品管理装置60に対して通知する。
【0121】
制限設定部46bは、遊技店内の各台間カード処理機10に対して、制限を設定する処理部である。制限の設定は、台間カード処理機10に対して個別に行ってもよいし、島単位や、遊技機の機種単位など、複数の台間カード処理機10に対して一括に行ってもよい。また、台間カード処理機10に対してグループを設定し、同一グループに属する複数の台間カード処理機10に対して一括して制限設定を行ってもよい。
【0122】
制限設定部46bは、設定した制限を台間カード処理機10の装置IDに関連付けて制限設定データ45cに登録し、台間カード処理機10に対して設定内容を送信することで、台間カード処理機10に制限の設定を行なわせる。
【0123】
通知部46cは、入金又はプリペイド使用が「禁止」に設定された台間カード処理機10が存在する場合に、外部ネットワーク通信部43を用いて店舗外のサーバに対する通知を行なう処理部である。
【0124】
入金やプリペイド使用が「禁止」に設定された台間カード処理機10では、玉貸が行なわれないために、遊技に用いられても売上が生じない。通常の設定が行なわれていれば売上が生じないのは不審な状態であるので、店舗外のサーバからは異常事態と認識される。そこで、入金又はプリペイド使用が「禁止」に設定された台間カード処理機10の存在を通知することにより、かかる台間カード処理機10において売上が発生していなくとも、異常事態と認識されることを防止するのである。
【0125】
次に、カード管理装置40の記憶部45が記憶するデータの具体例について説明する。
図8は、カード管理装置40の記憶部45が記憶するデータを説明するための説明図である。
【0126】
図8(a)に示すカード管理データ45aでは、カードID「1001」にプリペイド価値「30度数」と、玉1の持玉口座の残高「2500」と、玉2の持玉口座の残高「900」と、玉3の持玉口座の残高「0」とが関連付けられている。また、使用先IDは関連付けられていない。すなわち、カードID「1001」のカードは、台間カード処理機10に挿入されておらず、持玉の管理がカード管理装置40により行われている。
【0127】
また、
図8(a)に示すカード管理データ45aでは、カードID「2002」にプリペイド価値「20度数」と、各レートの持玉口座の残高「0」と、使用先ID「5006」とが関連付けられている。すなわち、カードID「2002」のカードは、装置ID「5006」の台間カード処理機10に挿入されており、持玉については台間カード処理機10に管理が移っている。このため、各レートの持玉口座の残高はゼロである。
【0128】
図8(b)に示す制限種別データ45bは、種別「制限無し」に対して入金「許可」を関連付け、プリペイド使用「許可」を関連付け、持玉再プレイ「許可」を関連付け、貯玉再プレイ「許可」を関連付けた状態を示している。
【0129】
また、
図8(b)に示す制限種別データ45bは、種別「カード専用」に対して入金「禁止」を関連付け、プリペイド使用「許可」を関連付け、持玉再プレイ「許可」を関連付け、貯玉再プレイ「許可」を関連付けた状態を示している。
【0130】
また、
図8(b)に示す制限種別データ45bは、種別「再プレイ専用」に対して入金「禁止」を関連付け、プリペイド使用「禁止」を関連付け、持玉再プレイ「許可」を関連付け、貯玉再プレイ「許可」を関連付けた状態を示している。
【0131】
また、
図8(b)に示す制限種別データ45bは、種別「貯玉再プレイ専用」に対して入金「禁止」を関連付け、プリペイド使用「禁止」を関連付け、持玉再プレイ「禁止」を関連付け、貯玉再プレイ「許可」を関連付けた状態を示している。
【0132】
また、
図8(b)に示す制限種別データ45bは、種別「個別」に対して入金「任意」を関連付け、プリペイド使用「任意」を関連付け、持玉再プレイ「任意」を関連付け、貯玉再プレイ「任意」を関連付けた状態を示している。この種別「個別」が選択された場合には、入金、プリペイド使用、持玉再プレイ及び貯玉再プレイに対し、入力部42から「許可」又は「禁止」の入力を受け付けて設定を行なう。
【0133】
図8(c)に示す制限設定データ45cは、装置ID「5001」の台間カード処理機10に対し、種別「制限無し」を設定している。このため、装置ID「5001」の台間カード処理機10は、入金「許可」を設定し、プリペイド使用「許可」を設定し、持玉再プレイ「許可」を設定し、貯玉再プレイ「許可」を設定した状態となる。
【0134】
また、
図8(c)に示す制限設定データ45cは、装置ID「5006」の台間カード処理機10に対し、種別「再プレイ専用」を設定している。このため、装置ID「5006」の台間カード処理機10は、入金「禁止」を設定し、プリペイド使用「禁止」を設定し、持玉再プレイ「許可」を設定し、貯玉再プレイ「許可」を設定した状態となる。
【0135】
また、
図8(c)に示す制限設定データ45cは、装置ID「5020」の台間カード処理機10に対し、種別「個別」を設定している。種別「個別」の場合には、入金、プリペイド使用、持玉再プレイ及び貯玉再プレイについて許可又は禁止を指定する。
図8(c)では、入金「禁止」を設定し、プリペイド使用「許可」を設定し、持玉再プレイ「許可」を設定し、貯玉再プレイ「禁止」を指定した状態を示している。
【0136】
なお、入金、プリペイド使用、持玉再プレイ及び貯玉再プレイに対する制限と、他の機能に対する制限とを連動させてもよい。例えば、入金「禁止」である台間カード処理機10については、リモコンなどによる紙幣収納部への解錠指示を営業時間中は禁止するようにしてもよい。
【0137】
また、持玉再プレイ「許可」は、ノズルユニット18aを有する台間カード処理機10に対してのみ設定可能としてもよい。ノズルユニット18aを有さない台間カード処理機10では、遊技機20からの払出単位数(例えば25玉)未満の持玉を払い出すことができないためである。
【0138】
さらに、ノズルユニット18aを有する台間カード処理機10と、ノズルユニット18aを有さない台間カード処理機10とが遊技店内で混在する場合には、ノズルユニット18aを有する台間カード処理機10がカードを返却する際に、遊技機20からの払出単位数の倍数となるように持玉の登録を行ない、端数分を遊技媒体で払い出すように構成してもよい。
【0139】
次に、
図2に示した会員管理装置50の内部構成について説明する。
図9は、
図2に示した会員管理装置50の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、会員管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続される。表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等であり、入力部52は、キーボードやマウス等である。
【0140】
また、会員管理装置50は、店舗ネットワーク通信部54と、記憶部55と、制御部56とを有する。店舗ネットワーク通信部54は、遊技店内の通信回線を介して景品管理装置60及びカード管理装置40等とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0141】
記憶部55は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、会員管理データ55a及び景品マスタ55bを記憶する。会員管理データ55aは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに関連づけて、氏名、貯玉、携帯IDm、住所、電話番号等を関連付けたデータである。景品マスタ55bは、遊技玉を景品に交換する際に使用するデータである。
【0142】
制御部56は、会員管理装置50を全体制御する制御部であり、会員管理部56a及び景品マスタ管理部56bを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、会員管理部56a及び景品マスタ管理部56bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0143】
会員管理部56aは、会員管理データ55aの管理を行なう処理部である。会員管理部56aは、カード管理装置40及び景品管理装置60と通信して、カードIDに関連付けられた貯玉口座の残高を更新する。また、会員管理部56aは、会員登録要求を受け付けた場合には、会員管理データ55aに会員を追加する更新を行なう。
【0144】
次に、会員管理装置50の記憶部55が記憶するデータの具体例について説明する。
図10は、会員管理装置50の記憶部55が記憶するデータを説明するための説明図である。
図10(a)に示す会員管理データ55aは、カードID「2002」に対して、氏名「B C」、玉1の貯玉口座の残高「1000」、玉2の貯玉口座の残高「0」、玉3の貯玉口座の残高「0」、暗証番号「7777」等が関連付けられた状態を示している。なお、図示は省略したが会員管理データ55aには、携帯IDm、住所、連絡先、来店ポイント等を関連付けることができる。携帯IDmは、携帯電話等の携帯端末を特定可能な識別データであり、携帯端末を会員カードとして使用する際に用いられる。
【0145】
図10(b)に示す景品マスタ55bは、景品を一意に識別する景品コードに対し、景品名、群コード、景品価値及び交換玉数を関連付けたデータである。ここで、群コードは景品を分類して管理する為の識別情報である。群コード「01」は、一定の手続きを経て所定の価値で譲渡可能な特殊景品を示す。群コード「02」以降は、特殊景品以外の日用品などを含む一般景品である。
【0146】
景品マスタ55bは、景品コード「0001」に対し、景品名「大景品」、群コード「01」、景品価値「1000」、玉1の交換玉数「400」、玉2の交換玉数「625」並びに玉3の交換玉数「2000」を関連付けている。
【0147】
また、景品マスタ55bは、景品コード「0002」に対し、景品名「小景品」、群コード「01」、景品価値「100」、玉1の交換玉数「40」、玉2の交換玉数「62.5」並びに玉3の交換玉数「200」を関連付けている。
【0148】
また、景品マスタ55bは、景品コード「0100」に対し、景品名「Mセブン」、群コード「02」、景品価値「400」、玉1の交換玉数「100」、玉2の交換玉数「200」並びに玉3の交換玉数「400」を関連付けている。
【0149】
また、景品マスタ55bは、景品コード「0101」に対し、景品名「ラック」、群コード「02」、景品価値「420」、玉1の交換玉数「105」、玉2の交換玉数「210」並びに玉3の交換玉数「420」を関連付けている。
【0150】
また、景品マスタ55bは、景品コード「0600」に対し、景品名「端玉 飴」、群コード「04」、景品価値「12」、玉1の交換玉数「3」、玉2の交換玉数「6」並びに玉3の交換玉数「12」を関連付けている。
【0151】
次に、カード管理装置40による制限設定の処理手順について説明する。
図11は、カード管理装置40による制限設定の処理手順を示すフローチャートである。
図11に示すように、カード管理装置40の制限設定部46bは、入力部42が制限設定操作を受け付けたか否かを判定し(ステップS101)、制限設定操作を受け付けていなければ(ステップS101;No)、そのまま処理を終了する。
【0152】
入力部42が制限設定操作を受け付けたならば(ステップS101;Yes)、制限設定部46bは、入力部42から受け付けた内容に基づいて制限設定データ45cを更新し(ステップS102)、制限設定が更新された台間カード処理機10に対して制限設定データ45cを配信する(ステップS103)。
【0153】
通知部46cは、制限設定部46bによる制限設定データ45cの更新において、入金又はプリペイド使用についての制限に変更があったかを判定し(ステップS104)、変更がなければ(ステップS104;No)、そのまま処理を終了する。
【0154】
入金又はプリペイド使用についての制限に変更があったならば(ステップS104;Yes)、通知部46cは、外部ネットワーク通信部43を用いて店舗外のサーバに変更内容を通知して(ステップS105)、処理を終了する。
【0155】
次に、台間カード処理機10による制限設定の処理手順について説明する。
図12は、台間カード処理機10による制限設定の処理手順を示すフローチャートである。
図12に示すように、制限処理部17cは、カード管理装置40から配信された制限設定を受信したか否かを判定し(ステップS201)、制限設定を受信していなければ(ステップS201;No)、そのまま処理を終了する。
【0156】
カード管理装置40から配信された制限設定を受信したならば(ステップS201;Yes)、制限処理部17cは、受信した制限設定により制限データ16eを更新する(ステップS202)。
【0157】
更新された制限データ16eにおいて、入金が「禁止」に設定されているならば(ステップS203;Yes)、制限処理部17cは、遊技設定データ16dの貨幣エラーに「無効」を設定する(ステップS204)。
【0158】
一方、更新された制限データ16eにおいて、入金が「許可」に設定されているならば(ステップS203;No)、制限処理部17cは、遊技設定データ16dの貨幣エラーに「有効」を設定する(ステップS205)。
【0159】
ステップS204又はステップS205の後、制限処理部17cは、台間カード処理機10が遊技機20と接続されているか否かを判定する(ステップS206)。
【0160】
台間カード処理機10が遊技機20と接続されているならば(ステップS206;Yes)、制限処理部17cは、制限データ16eのプリペイド使用及び再プレイの設定に応じて、払出設定を選択し、遊技設定データ16dを更新して(ステップS207)、処理を終了する。
【0161】
一方、台間カード処理機10が遊技機20と接続されていなければ(ステップS206;No)、制限処理部17cは、払出設定P4を選択し、遊技設定データ16dを更新して(ステップS208)、処理を終了する。
【0162】
上述してきたように、本実施例1では、遊技機20に併設された台間カード処理機10に対し、遊技玉の提供方法に対する制限を設定し、台間カード処理機10が制限に従って遊技玉を提供するように構成したので、遊技店における柔軟な運用が実現できる。
【0163】
このため、持玉再プレイ専用の遊技コーナーを設けるなど、会員に対する優遇措置を簡易に行なうことができる。また、入金を禁止した台間カード処理機10では、貨幣の搬送に関するエラー検知を無効化することで、稼働率の低下を防止できる。
【0164】
さらに、持玉再プレイや貯玉再プレイのみを許可した台間カード処理機10では、再プレイの実行時に遊技玉を自装置から払い出すのではなく、遊技機20から払い出すように構成することで、払出機構の損耗が台間カード処理機10側に偏ることを防止できる。一般に、遊技機20の入れ替え間隔は台間カード処理機10の入れ替え間隔よりも短く、遊技機20の払出機構が損耗する前に入れ替えが行なわれる。そこで、遊技機20の払出機構を優先的に使用することにより、台間カード処理機10の払出機構における損耗の発生を抑制し、もって台間カード処理機10を長期間使用可能とすることができる。
【0165】
また、入金又はプリペイド使用が「禁止」に設定された台間カード処理機10の存在を店舗外のサーバに通知することにより、かかる台間カード処理機10において売上が発生していなくとも、異常事態と認識されることを防止することができる。