特許第6261045号(P6261045)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261045
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 23/16 20060101AFI20180104BHJP
   H01H 23/30 20060101ALN20180104BHJP
【FI】
   H01H23/16 Z
   !H01H23/30
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-156905(P2014-156905)
(22)【出願日】2014年7月31日
(65)【公開番号】特開2016-33896(P2016-33896A)
(43)【公開日】2016年3月10日
【審査請求日】2017年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】特許業務法人平田国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128211
【弁理士】
【氏名又は名称】野見山 孝
(72)【発明者】
【氏名】上野 博司
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−033994(JP,A)
【文献】 特開2006−040614(JP,A)
【文献】 特開平05−041141(JP,A)
【文献】 特開2006−294322(JP,A)
【文献】 特開2001−118467(JP,A)
【文献】 特開昭62−295319(JP,A)
【文献】 実開昭61−075033(JP,U)
【文献】 実開昭61−028234(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 23/16
H01H 23/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作面の一方の端部及び他方の端部に押し込み操作がなされる操作部と、
前記操作部の前記一方の端部側において前記操作部と回転可能に連結された中間部と、
前記操作部の他方の端部側において前記中間部と回転可能に連結された本体と、
前記操作部の前記一方の端部になされた前記押し込み操作により前記操作部と前記中間部との連結部分を第1の回転軸として前記操作部が回転することでオンされる第1のスイッチ素子、及び前記操作部の前記他方の端部になされた前記押し込み操作により前記中間部と前記本体との連結部分を第2の回転軸として前記操作部が回転することでオンされる第2のスイッチ素子を有するスイッチ部と、
を備えた入力装置。
【請求項2】
前記操作部と前記第1のスイッチ素子の間に配置され、前記操作部の前記一方の端部側になされた前記押し込み操作による前記操作部の回転を直線移動に変換して前記第1のスイッチ素子をオンさせる第1の変換部材、及び前記操作部と前記第2のスイッチ素子の間に配置され、前記他方の端部側になされた前記押し込み操作による前記操作部の回転を直線移動に変換して前記第2のスイッチ素子をオンさせる第2の変換部材を有する、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記中間部は、前記第1の変換部材が貫通する第1の凹部、及び前記第2の変換部材が貫通する第2の凹部が設けられる、
請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記本体は、前記操作部の前記一方の端部及び前記他方の端部に同時になされた前記押し込み操作によって前記操作部と接触し、前記第1のスイッチ素子及び前記第2のスイッチ素子の前記オンを規制する規制部を有する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、支軸を回転軸にして支持された操作釦を有し、基板に形成された回路パターンによる固定接点、固定接点に対向して設けられた可動接点、及び操作釦と可動接点との間に配置され、操作釦になされた操作に基づいて、操作釦の移動を可動接点に伝達して可動接点と固定接点を接触させる伝達子を操作釦の両端部に備えたシーソー式スイッチが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−231103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のシーソー式スイッチは、操作釦の一方の端部に操作がなされると、操作釦の中央に位置する支軸を回転軸として操作釦が回転するので、他方の端部が持ち上がる問題がある。
【0005】
従って、本発明の目的は、操作面の一方の端部になされた押し込み操作による他方の端部の持ち上がりを抑制することができる入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、操作面の一方の端部及び他方の端部に押し込み操作がなされる操作部と、操作部の一方の端部側において操作部と回転可能に連結された中間部と、操作部の他方の端部側において中間部と回転可能に連結された本体と、操作部の一方の端部になされた押し込み操作により操作部と中間部との連結部分を第1の回転軸として操作部が回転することでオンされる第1のスイッチ素子、及び操作部の他方の端部になされた押し込み操作により中間部と本体との連結部分を第2の回転軸として操作部が回転することでオンされる第2のスイッチ素子を有するスイッチ部と、を備えた入力装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、操作面の一方の端部になされた押し込み操作による他方の端部の持ち上がりを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る入力装置の展開図である。
図2図2は、実施の形態に係る入力装置のボディ、スイングアーム及びノブを裏側から見た展開図である。
図3図3(a)は、実施の形態に係る入力装置に対して押し込み操作がなされる前の上面図であり、図3(b)は、入力装置の側面図であり、図3(c)は、図3(a)のA−A線で切断した断面を矢印方向から見た断面図であり、図3(d)は、図3(a)のB−B線で切断した断面を矢印方向から見た断面図である。
図4図4(a)は、実施の形態に係る入力装置の一方の端部に対して押し込み操作がなされた場合の上面図であり、図4(b)は、入力装置の側面図であり、図4(c)は、図4(a)のC−C線で切断した断面を矢印方向から見た断面図であり、図4(d)は、図4(a)のD−D線で切断した断面を矢印方向から見た断面図である。
図5図5(a)は、実施の形態に係る入力装置の他方の端部に対して押し込み操作がなされた場合の上面図であり、図5(b)は、入力装置の側面図であり、図5(c)は、図5(a)のE−E線で切断した断面を矢印方向から見た断面図であり、図5(d)は、図5(a)のF−F線で切断した断面を矢印方向から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る入力装置は、操作面の一方の端部及び他方の端部に押し込み操作がなされる操作部と、操作部の一方の端部側において操作部と回転可能に連結された中間部と、操作部の他方の端部側において中間部と回転可能に連結された本体と、操作部の一方の端部になされた押し込み操作により操作部と中間部との連結部分を第1の回転軸として操作部が回転することでオンされる第1のスイッチ素子、及び操作部の他方の端部になされた押し込み操作により中間部と本体との連結部分を第2の回転軸として操作部が回転することでオンされる第2のスイッチ素子を有するスイッチ部と、を備えて概略構成されている。
【0010】
この入力装置は、操作部になされた押し込み操作により、一方の端部側の第1の回転軸、又は他方の端部側の第2の回転軸を中心に回転するので、回転軸が操作部の中央にある場合と比べて、操作面の一方の端部になされた押し込み操作による他方の端部の持ち上がりを抑制することができる。
【0011】
[実施の形態]
(入力装置1の全体構成)
図1は、実施の形態に係る入力装置の展開図である。図2は、実施の形態に係る入力装置のボディ、スイングアーム及びノブを裏側から見た展開図である。図3(a)は、実施の形態に係る入力装置に対して押し込み操作がなされる前の上面図であり、図3(b)は、入力装置の側面図であり、図3(c)は、図3(a)のA−A線で切断した断面を矢印方向から見た断面図であり、図3(d)は、図3(a)のB−B線で切断した断面を矢印方向から見た断面図である。なお、以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率は、実際の比率とは異なる場合がある。また、下記に記載する上下左右は、特に断らない限り、図1の紙面における上下左右である。
【0012】
入力装置1は、例えば、車両に搭載された空調装置の温度や風量を調整するためのものである。この入力装置1は、図1及び図2に示すように、カバー2と、基板3と、スイッチ部4と、ボディ6と、スイングアーム7と、ノブ8と、を備えて概略構成されている。またこの入力装置1は、一例として、図3(a)に示すように、ベゼル9の開口90内に配置されているものとする。
【0013】
具体的には、入力装置1は、操作面800の一方の端部801及び他方の端部802に押し込み操作がなされる操作部としてのノブ8と、ノブ8の一方の端部801側においてノブ8と回転可能に連結された中間部としてのスイングアーム7と、ノブ8の他方の端部802側においてスイングアーム7と回転可能に連結された本体としてのボディ6と、ノブ8の一方の端部801になされた押し込み操作によりノブ8とスイングアーム7との連結部分を第1の回転軸としての回転軸Aとしてノブ8が回転することでオンされる第1のスイッチ素子41、及びノブ8の他方の端部802になされた押し込み操作によりスイングアーム7とボディ6との連結部分を第2の回転軸としての回転軸Bとしてノブ8が回転することでオンされる第2のスイッチ素子42を有するスイッチ部4と、を備えて概略構成されている。
【0014】
また入力装置1は、ノブ8と第1のスイッチ素子41の間に配置され、ノブ8の一方の端部801側になされた押し込み操作によるノブ8の回転を直線移動に変換して第1のスイッチ素子41をオンさせる第1の変換部材としてのプッシャー51、及びノブ8と第2のスイッチ素子42の間に配置され、他方の端部802側になされた押し込み操作によるノブ8の回転を直線移動に変換して第2のスイッチ素子42をオンさせる第2の変換部材としてのプッシャー52を有する。
【0015】
(カバー2の構成)
カバー2は、図1に示すように、長方形状の板である底部20を有し、この底部20の周囲を囲むように壁部22が設けられている。この壁部22の上面23には、基板3が配置されている。
【0016】
この壁部22の長手方向の第1の側面部24には、外側に突出すると共に上から下に向かって、つまり組み付ける方向に向かって斜面が形成された突起240及び突起241が設けられている。また第1の側面部24と対向する第2の側面部25には、外側に突出すると共に上から下に向かって斜面が形成された突起250及び突起251が設けられている。
【0017】
(基板3の構成)
基板3は、例えば、配線等が表面30に設けられたプリント配線基板である。この基板3の表面300には、スイッチ部4が配置されている。スイッチ部4は、表面30に設けられた配線と電気的に接続されている。
【0018】
(スイッチ部4の構成)
スイッチ部4は、第1のスイッチ素子41と第2のスイッチ素子42とを備えて概略構成されている。この第1のスイッチ素子41及び第2のスイッチ素子42は、例えば、微小な接点間隔、スナップアクション機構、及び規定された動きと規定された力で開閉動作する接点機構を本体(本体410及び本体420)に有すると共に、本体の外部にアクチュエータ(ボタン411及びボタン421)を備えたマイクロスイッチである。
【0019】
第1のスイッチ素子41及び第2のスイッチ素子42は、なされた押し込み操作によりボタンが本体に押し込まれて接点が閉じ(オン)、押し込む操作が解除されることにより、押し込まれたボタンが元の位置に復帰して接点が開く(オフ)ように構成されている。
【0020】
(プッシャー51及びプッシャー52の構成)
プッシャー51及びプッシャー52は、図1に示すように、円柱形状を有する円柱部510及び円柱部520と、円柱部510及び円柱部520の端部に設けられた円板形状を有する接触部511及び接触部521と、を有している。
【0021】
プッシャー51の円柱部510は、図3(c)に示すように、後述するボディ6のガイド部66のガイド孔660に挿入され、ガイド孔660から露出する端部がノブ8の後述するコンタクト87の接触部871と接触する。またプッシャー51の接触部511は、第1のスイッチ素子41のボタン411と接触する。
【0022】
従って入力装置1は、ノブ8の端部801になされた押し込み操作により、ノブ8のコンタクト87及びプッシャー51を介して、第1のスイッチ素子41のボタン411が本体410側に押し込まれてオンするように構成されている。
【0023】
プッシャー52の円柱部520は、図3(c)に示すように、ボディ6のガイド部67のガイド孔670に挿入され、ガイド孔670から露出する端部がノブ8の後述するコンタクト88の接触部881と接触する。またプッシャー52の接触部521は、第2のスイッチ素子42のボタン421と接触する。
【0024】
従って入力装置1は、ノブ8の端部802になされた押し込み操作により、ノブ8のコンタクト88及びプッシャー52を介して、第2のスイッチ素子42のボタン421が本体420側に押し込まれてオンするように構成されている。
【0025】
(ボディ6の構成)
ボディ6は、箱形状を有し、上面600の一部が開口した基部60と、基部60の上面600に設けられた壁部63と、を備えて概略構成されている。この基部60は、下側が開口してカバー2が取り付けられるように構成されている。
【0026】
基部60の長手方向の第1の側面部61には、図1に示すように、両端近傍に貫通孔610及び貫通孔611が設けられている。この貫通孔610には、カバー2の突起240が挿入される。また貫通孔611には、カバー2の突起241が挿入される。
【0027】
第1の側面部61に対向する第2の側面部62には、図2に示すように、貫通孔610に対向して貫通孔620が設けられ、貫通孔611に対向して貫通孔621が設けられている。この貫通孔620には、カバー2の突起250が挿入される。また貫通孔621には、カバー2の突起251が挿入される。なお貫通孔610、貫通孔611、貫通孔620及び貫通孔621の下側には、突起240、突起241、突起250及び突起251の挿入を容易にするための斜面が形成されている。
【0028】
また基部60の上面600には、ノブ8の一方の端部801及び他方の端部802に同時になされた押し込み操作によってノブ8と接触し、第1のスイッチ素子41及び第2のスイッチ素子42のオンを規制する規制部68及び規制部69が設けられている。
【0029】
一方の端部801側の壁部63には、対向するように支持部64及び支持部65が設けられている。この支持部64及び支持部65には、外側に突出する円柱形状の軸部640及び軸部650が設けられている。軸部640及び軸部650は、後述するスイングアーム7の軸孔711及び軸孔721に回転可能に挿入される。この軸部640及び軸部650は、上部に上から下に向かって斜面が形成され、軸孔711及び軸孔721への挿入が容易となっている。この挿入により、ノブ8は、軸部640及び軸部650を回転軸Bとして押し込む操作方向、及びその逆方向に回転する。
【0030】
また壁部63には、軸部640及び軸部650の裏側に規制突起641及び規制突起651が設けられている。規制突起641及び規制突起651は、上から下に向かって斜面が形成されている。この規制突起641は、図2に示すように、後述するノブ8の裏面805の規制部85のスリット850に挿入されている。また規制突起651は、後述する規制部86のスリット860に挿入されている。挿入された規制突起641及び規制突起651は、ノブ8をボディ6から取り外す方向に移動させてもスリット850及びスリット860と接触して抜けないように構成されている。
【0031】
従って入力装置1は、軸部640及び軸部650の軸孔711及び軸孔721への挿入と、規制突起641及び規制突起651の規制部85及び規制部86への挿入により、ボディ6からのノブ8の外れを防止している。
【0032】
さらに壁部63には、規制突起641と並んで設けられた規制突起630と、規制突起651と並んで設けられた規制突起631と、を有している。規制突起630及び規制突起631は、上から下に向かって斜面が形成されている。規制突起630は、後述するスイングアーム7の規制部75のスリット750に挿入される。また規制突起631は、後述する規制部76のスリット760に挿入される。挿入された規制突起630及び規制突起631は、ノブ8をスイングアーム7から取り外す方向に移動させてもスリット750及びスリット760と接触して抜けないように構成されている。
【0033】
ボディ6は、プッシャー51の直線移動を案内する第1の案内部としてのガイド部66、及び前記プッシャー52の直線移動を案内する第2の案内部としてのガイド部67を有している。
【0034】
ガイド部66及びガイド部67は、壁部63の短手方向の内側に対向するように設けられている。ガイド部66及びガイド部67は、円筒形状を有し、ガイド孔660及びガイド孔670が形成されている。このガイド孔660には、プッシャー51の円柱部510が挿入されている。またガイド孔670には、プッシャー52の円柱部520が挿入されている。プッシャー51及びプッシャー52は、ガイド部66及びガイド部67に案内されて直進移動を行う。
【0035】
ボディ6は、図2に示すように、貫通孔610、貫通孔611、貫通孔620及び貫通孔621の近傍に、保持部615、保持部616、保持部617及び保持部618が設けられている。
【0036】
この保持部615〜保持部618は、図3(d)に示すように、カバー2がボディ6に取り付けられた際、カバー2の上面23と共に基板3を挟んで保持するように構成されている。
【0037】
(スイングアーム7の構成)
スイングアーム7は、上面視において略H字形状を有している。スイングアーム7は、図1及び図2に示すように、板形状の基部70を有し、この基部70の長手方向から対向するように第1の側面部71及び第2の側面部72が設けられている。
【0038】
スイングアーム7は、プッシャー51が貫通する第1の凹部としての凹部73、及びプッシャー52が貫通する第2の凹部としての凹部74が設けられている。具体的には、基部70には、短手方向に凹部73及び凹部74が形成されている。この凹部73には、ボディ6のガイド部66から露出するプッシャー51の端部が貫通し、ノブ8の接触部871と接触している。また凹部74には、ガイド部67から露出するプッシャー52の端部が貫通し、ノブ8の接触部881と接触している。
【0039】
スイングアーム7の第1の側面部71の端部801側には、円形状の軸孔711が設けられている。第2の側面部72には、軸孔711と対向するように円形状の軸孔721が設けられている。軸孔711には、ボディ6の軸部640が挿入される。軸孔721には、ボディ6の軸部650が挿入される。軸孔711及び軸孔721の下側には、軸部640及び軸部650の挿入を容易とする斜面が形成されている。
【0040】
また第1の側面部71の端部802側には、第1の側面部71から突出する軸部710が設けられている。さらに第2の側面部72の端部802側には、第2の側面部72から突出する軸部720が設けられている。この軸部710及び軸部720は、上から下に向かって斜面が形成されている。
【0041】
軸部710は、ノブ8の後述する軸孔830に挿入される。また軸部720は、ノブ8の後述する軸孔840に挿入される。軸部710及び軸部720は、軸孔830及び軸孔840に挿入されることにより、ノブ8の回転軸Aとなる。従ってノブ8は、押し込み操作によって、押し込まれる方向、及び元の位置に復帰する方向に回転する。
【0042】
スイングアーム7は、凹部74側の第1の側面部71の内側に規制部75が設けられている。またスイングアーム7は、規制部75に対向して第2の側面部72の内側に規制部76が設けられている。
【0043】
規制部75は、凹部73の第1の側面部71から下向きに突出するように設けられている。この規制部75は、板形状を有し、その中央近傍に、上下方向に細長いスリット750が設けられている。同様に、規制部76は、第2の側面部72から下向きに突出するように設けられている。この規制部76は、板形状を有し、その中央近傍に、上下方向に細長いスリット760が設けられている。
【0044】
このスリット750には、ボディ6の規制突起630が挿入される。規制突起630は、スリット750に挿入された後、ノブ8をボディ6から取り外す方向には互いに接触して抜けないように構成されている。またスリット760には、ボディ6の規制突起631が挿入される。規制突起631は、スリット760に挿入された後、ノブ8をボディ6から取り外す方向には互いに接触して抜けないように構成されている。このスリット750及びスリット760の下側には、規制突起630及び規制突起631の挿入を容易にする斜面が形成されている。
【0045】
(ノブ8の構成)
ノブ8は、下面が開口した箱形状を有している。このノブ8の操作面800の周囲を囲むように、上から下に向かって傾斜する傾斜部81を有している。
【0046】
ノブ8は、操作面800を有する上部80の下向きに突出するように壁部82が設けられている。この壁部82には、長手方向の第1の壁部83に円形状の軸孔830と矩形状の開口831が形成されている。この軸孔830は、ノブ8の他方の端部802側に設けられている。また開口831は、ノブ8の一方の端部801側に設けられている。
【0047】
第2の壁部84には、円形状の軸孔840、及び矩形状の開口841が設けられている。この軸孔840は、軸孔830に対向して形成されている。開口841は、開口831に対向して形成されている。この軸孔840は、ノブ8の他方の端部802側に設けられている。また開口841は、ノブ8の一方の端部801側に設けられている。軸孔830及び軸孔840には、スイングアーム7の軸部710及び軸部720が挿入される。この軸孔830及び軸孔840の下側には、軸部710及び軸部720の挿入を容易とするための斜面が形成されている。
【0048】
開口831側の裏面805には、図2に示すように、下側に突出するように規制部85が設けられている。この規制部85には、上下方向に細長いスリット850が形成されている。また開口841側の裏面805には、下側に突出するように規制部86が設けられている。この規制部86には、上下方向に細長いスリット860が形成されている。このスリット850及びスリット860の下側には、規制突起641及び規制突起651の挿入を容易とするための斜面が形成されている。
【0049】
裏面805の短手方向の中央には、対向するようにコンタクト87及びコンタクト88が設けられている。このコンタクト87は、図2に示すように、板形状を有し、凹部870が形成されている。凹部870の壁部82から離れた端部が接触部871となり、プッシャー51と接触している。またコンタクト88は、図2に示すように、板形状を有し、凹部880が形成されている。凹部880の壁部82から離れた端部が接触部881となり、プッシャー52と接触している。
【0050】
図2に示すように、軸孔830及び軸孔840の上側には、ストッパ890及びストッパ891が設けられている。このストッパ890及びストッパ891は、ノブ8の裏面805で対向している。ストッパ890及びストッパ891は、他方の端部802に押し込み操作がなされた際、スイングアーム7と接触する。この接触により、ノブ8とスイングアーム7が一体となって回転軸Bを中心として回転する。
【0051】
なおカバー2、プッシャー51、プッシャー52、ボディ6、スイングアーム7及びノブ8は、例えば、ABS(acrylonitrile butadiene styrene copolymer)、PP(polypropylene)等の樹脂材料を用いて形成されている。しかし、ボディ6、スイングアーム7及びノブ8は、押し込み操作による摩擦により音等が発生することから、ボディ6とスイングアーム7、スイングアーム7とノブ8は、異なる材料から形成されることが好ましい。
【0052】
(ベゼル9の構成)
ベゼル9は、図3(a)及び図3(b)に示すように、入力装置1を収容する開口90を有している。この開口90の縁は、開口90の中央に向けて突出する傾斜部91となっている。この傾斜部91は、例えば、図3(a)及び図3(b)に示すように、入力装置1のノブ8の傾斜部81との間隔が一定となるように形成されている。またノブ8の操作面800は、ベゼル9の表面92より突出している。
【0053】
さらにベゼル9は、例えば、図3(a)に示すように、開口90と操作面800との間隔dが一定となるように構成されている。この間隔dは、一例として、上面から見た場合のノブ8の傾斜部81の幅よりも小さくなっている。この間隔dが当該幅よりも小さいので、ユーザがノブ8を見た際に、ノブ8の傾斜部81までしか見えず、意匠が良い。後述するように、ノブ8が一方の端部801、及び他方の端部802に押し込み操作がなされた場合であっても、ノブ8の傾斜部81までしか見えず、意匠が良い。
【0054】
以下では、入力装置1の動作について説明する。
【0055】
(動作)
・ノブ8の一方の端部801に押し込み操作がなされた場合
図4(a)は、実施の形態に係る入力装置の一方の端部に対して押し込み操作がなされた場合の上面図であり、図4(b)は、入力装置の側面図であり、図4(c)は、図4(a)のC−C線で切断した断面を矢印方向から見た断面図であり、図4(d)は、図4(a)のD−D線で切断した断面を矢印方向から見た断面図である。
【0056】
ノブ8の一方の端部801に押し込み操作がなされた場合、入力装置1は、図4(a)〜図4(d)に示すように、ノブ8が回転軸Aを中心として下向きに回転する。この回転に共なって、ノブ8の端部801側のコンタクト87の接触部871がガイド部66によりガイドされたプッシャー51を直線的に押し下げると共に、プッシャー51が第1のスイッチ素子41のボタン411を本体410側に押し込む。ボタン411が本体410に押し込まれることにより、第1のスイッチ素子41は、オンとなる。
【0057】
端部801になされた押し込み操作が終了すると、第1のスイッチ素子41のボタン411の復元力により、プッシャー51及びコンタクト87を介してノブ8が上向きの力を受けて回転軸Aを中心として上向きに回転して操作前の状態に戻る。
【0058】
なお入力装置1は、図4(a)〜図4(d)に示すように、ノブ8が回転軸Aを中心として下向きに回転した場合、押し込まれた端部801とベゼル9との高さが殆ど変わらず面一となっている。また、図4(b)に示すように、端部801の押し込み操作において、ノブ8は、規制部68及び規制部69と接触しない。
【0059】
・ノブ8の他方の端部802に押し込み操作がなされた場合
図5(a)は、実施の形態に係る入力装置の他方の端部に対して押し込み操作がなされた場合の上面図であり、図5(b)は、入力装置の側面図であり、図5(c)は、図5(a)のE−E線で切断した断面を矢印方向から見た断面図であり、図5(d)は、図5(a)のF−F線で切断した断面を矢印方向から見た断面図である。
【0060】
ノブ8の他方の端部802に押し込み操作がなされた場合、入力装置1は、図5(a)〜図5(d)に示すように、ノブ8が回転軸Bを中心として下向きに回転してストッパ890及びストッパ891がスイングアーム7と接触し、この接触によりノブ8とスイングアーム8が一体となって回転する。この回転に共なって、ノブ8の端部802側のコンタクト88の接触部881がガイド部67によりガイドされたプッシャー52を直線的に押し下げると共に、プッシャー52が第2のスイッチ素子42のボタン421を本体420側に押し込む。ボタン421が本体420に押し込まれることにより、第2のスイッチ素子42は、オンとなる。
【0061】
端部802になされた押し込み操作が終了すると、第2のスイッチ素子42のボタン421の復元力により、プッシャー52及びコンタクト88を介してノブ8が上向きの力を受けて回転軸Bを中心として上向きに回転して操作前の状態に戻る。
【0062】
なお入力装置1は、図5(a)〜図5(d)に示すように、ノブ8が回転軸Bを中心として下向きに回転した場合、押し込まれた端部802とベゼル9との高さが殆ど変わらず面一となっている。また、図5(b)に示すように、端部802の押し込み操作において、ノブ8は、規制部68及び規制部69と接触しない。
【0063】
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る入力装置1は、操作面800の一方の端部になされた押し込み操作による他方の端部の持ち上がりを抑制することができる。具体的には、入力装置1は、押し込み操作により、一方の端部801側の回転軸B、又は他方の端部802側の回転軸Aを中心に回転するので、回転軸が操作部の中央にある場合と比べて、操作面800の一方の端部になされた押し込み操作による他方の端部の持ち上がりを抑制することができる。
【0064】
入力装置1は、押し込み操作が行われた端部の反対の端部の持ち上がりが抑制されるので、ベゼル9の表面92と反対の端部との高低差が少なく、意匠が良い。
【0065】
入力装置1は、上面視において、操作の前後でノブ8の傾斜部81以外の部分が見え難いので、意匠に優れている。
【0066】
入力装置1は、プッシャー51及びプッシャー52により、ノブ8の回転を直線移動に変換して第1のスイッチ素子41及び第2のスイッチ素子42のボタン411及びボタン421を押し下げるので、操作部の回転により直接押し下げる場合と比べて、がたが少なく、安定したスイッチの切り替えができる。
【0067】
入力装置1は、プッシャー51及びプッシャー52がガイド部66及びガイド部67により案内されて直線移動するので、安定してスイッチ素子のボタンを押し下げることができる。
【0068】
入力装置1は、スイングアーム7に凹部73及び凹部74が形成されているので、プッシャー51及びプッシャー52をノブ8により押し下げることができるので、凹部がない場合と比べて、操作感が得やすい。
【0069】
入力装置1は、ノブ8の両端に回転軸A及び回転軸Bを形成する軸部が配置されているので、操作部の中央に回転軸がある場合と比べて、上下左右のがたつきが少ない。
【0070】
(他の実施の形態)
上述の実施の形態の入力装置1は、ボディ6の上面600に規制部68及び規制部69が設けられていたので、端部801及び端部802を同時に押し下げることができなかった。他の実施の形態として、入力装置1は、規制部68及び規制部69を設けず、端部801及び端部802を同時に押し下げる操作を許容する構成であっても良い。
【0071】
この入力装置1は、端部801及び端部802を同時に押し下げる操作ができるので、端部801及び端部802を押し下げた操作に割り当てた機能以外の機能を割り当てることができ、操作の範囲が広くなる。
【0072】
変形例として、入力装置1は、ボディ6とスイングアーム7とに軸部が形成されたが、これに限定されず、例えば、ボディ6とノブ8に軸部を形成しても良いし、スイングアーム7に4つの軸部を形成しても良い。
【0073】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1…入力装置、2…カバー、3…基板、4…スイッチ部、6…ボディ、7…スイングアーム、8…ノブ、9…ベゼル、20…底部、22…壁部、23…上面、24…第1の側面部、25…第2の側面部、30…表面、41…第1のスイッチ素子、42…第2のスイッチ素子、51…プッシャー、52…プッシャー、60…基部、61…第1の側面部、62…第2の側面部、63…壁部、64…支持部、65…支持部、66…ガイド部、67…ガイド部、68…規制部、69…規制部、70…基部、71…第1の側面部、72…第2の側面部、73…凹部、74…凹部、75…規制部、76…規制部、80…上部、81…傾斜部、82…壁部、83…第1の壁部、84…第2の壁部、85…規制部、86…規制部、87…コンタクト、88…コンタクト、90…開口、91…傾斜部、92…表面、240…突起、241…突起、250…突起、251…突起、300…表面、410…本体、411…ボタン、420…本体、421…ボタン、510…円柱部、511…接触部、520…円柱部、521…接触部、600…上面、610…貫通孔、611…貫通孔、615…保持部、616…保持部、617…保持部、618…保持部、620…貫通孔、621…貫通孔、630…規制突起、631…規制突起、640…軸部、641…規制突起、650…軸部、651…規制突起、660…ガイド孔、670…ガイド孔、710…軸部、711…軸孔、720…軸部、721…軸孔、750…スリット、760…スリット、800…操作面、801…端部、802…端部、805…裏面、830…軸孔、831…開口、840…軸孔、841…開口、850…スリット、860…スリット、870…凹部、871…接触部、880…凹部、881…接触部、890…ストッパ、891…ストッパ
図1
図2
図3
図4
図5