(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6261106
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】スリッタ
(51)【国際特許分類】
B26D 1/24 20060101AFI20180104BHJP
B26D 7/18 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
B26D1/24 E
B26D7/18 E
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-108381(P2017-108381)
(22)【出願日】2017年5月31日
【審査請求日】2017年6月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592162966
【氏名又は名称】株式会社ゴードーキコー
(74)【代理人】
【識別番号】100120226
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 知浩
(74)【代理人】
【識別番号】100080126
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 惇逸
(72)【発明者】
【氏名】沖野 重知
(72)【発明者】
【氏名】辻本 睦夫
【審査官】
豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭61−012696(JP,U)
【文献】
特開2016−032848(JP,A)
【文献】
特開2015−208830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/14 − 1/24
B26D 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1刃軸上に1又は2以上の第1丸刃が配設されると共に第1刃軸と平行又は略平行な第2刃軸上に1又は2以上の第2丸刃が各第1丸刃と各々組を成して対向配設され、各組の第1丸刃と第2丸刃が、所要側圧の付加下に両丸刃の刃先で噛合しつつ各々の刃軸を中心として互いに逆方向に回転させられると共に、それによって、両丸刃間に挿通されたウエブ材料が、互いに噛合する両丸刃の刃先の間でシアーカットによりスリットされるとともに、両丸刃の刃先間の噛合に由来して生じる金属粉をマグネットに吸引、磁着させるようにしたスリッタであって、
前記第1丸刃を支持する刃物ホルダー本体と、
前記第2丸刃を前記第2刃軸上の所定位置に保持する位置保持部材と、
をさらに有し、
前記マグネットは、前記第1丸刃と同心の円周上に所要間隔で又は連続的に前記第1丸刃の刃先に近接するようにして前記刃物ホルダー本体に取り付けられ、かつ、前記第2丸刃と同心の円周上に所要間隔で又は連続的に前記第2丸刃の刃先に近接するようにして前記位置保持部材に取り付けられた、
ことを特徴とするスリッタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙、プラスチックフイルム等のウエブ材料を剪断によりスリットするためのスリッタに関する。
【背景技術】
【0002】
紙、プラスチックフイルム等のウエブ材料のスリット加工に際しては、コスト、作業性、品質等の面から、シアーカット(剪断)によるスリットが一般的に採用されている。
【0003】
従来、剪断によりスリットするようにしたスリッタとして、第1刃軸上に1又は2以上の第1丸刃が配設されると共に第1刃軸と平行又は略平行な第2刃軸上に1又は2以上の第2丸刃が各第1丸刃と各々組を成して対向配設され、各組の第1丸刃と第2丸刃が、所要側圧の付加下に両丸刃の刃先で噛合しつつ各々の刃軸を中心として互いに逆方向に回転させられると共に、それによって、両丸刃間に挿通されたウエブ材料が、互いに噛合する両丸刃の刃先の間でシアーカットによりスリットされるようにした構造のものが周知である(特許文献1〜2)。
【0004】
しかしながら、前記シアーカットでは、ウエブ材料のスリットに際して、両丸刃がそれらの刃先で側圧の付加下に噛合しつつ互いに逆方向に回転するため、前記両丸刃の刃先間の噛合に由来する金属粉が発生し、この金属粉が、スリットされたウエブ材料であるウエブ製品に付着すると共にこれが製品の品質に悪影響を及ぼすことになる。例えば、金属粉で汚染されたフイルム等のウエブは、特に厳しい電気絶縁性が要求される電池関連や電気資材関連等の用途には使用することができない。
【0005】
前記問題については、ウエブ製品上の金属粉の除去のために、スリッタの下流側に、前記ウエブ製品に沿って例えば吸引装置、マグネットバー等を設置するという対策が従来講じられていたが、これらの対策には、装置の大型化やウエブ製品の損傷を招く等の二次的な問題があった。また、ウエブ材料のスリットにより発生する裁断微粉を粘着ローラにより粘着除去することも知られているが(特許文献3)、これも、前記と同様に本問題の十分な解決にはなっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3195597号公報
【特許文献2】特開平8−318494号公報(
図3)
【特許文献3】特開平6−269753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、前記問題に鑑み、シアーカットによるウエブ材料のスリットに際して、両丸刃の刃先間の噛合に由来する金属粉がウエブ製品に付着することを防止し、或いはウエブ製品に付着した金属粉を除去することができるようにしたスリッタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るスリッタは、第1刃軸上に1又は2以上の第1丸刃が配設されると共に第1刃軸と平行又は略平行な第2刃軸上に1又は2以上の第2丸刃が各第1丸刃と各々組を成して対向配設され、各組の第1丸刃と第2丸刃が、所要側圧の付加下に両丸刃の刃先で噛合しつつ各々の刃軸を中心として互いに逆方向に回転させられると共に、それによって、両丸刃間に挿通されたウエブ材料が、互いに噛合する両丸刃の刃先の間でシアーカットによりスリットされる
とともに、両丸刃の刃先間の噛合に由来して生じる金属粉をマグネットに吸引、磁着させるようにしたスリッタ
であって、
前記第1丸刃を支持する刃物ホルダー本体と、前記第2丸刃を前記第2刃軸上の所定位置に保持する位置保持部材と、をさらに有し、前記マグネットは、前記第1丸刃と同心の円周上に所要間隔で又は連続的に前記第1丸刃の刃先に近接するようにして前記刃物ホルダー本体に取り付けられ、かつ、前記第2丸刃と同心の円周上に所要間隔で又は連続的に前記第2丸刃の刃先に近接するようにして前記位置保持部材に取り付けられたことを特徴とする。
【0009】
また、前記側圧付加機構として、例えば、第1丸刃及び第2丸刃の一方を他方に付勢するリングばねや皿ばね等の公知のばね機構や流体圧等が使用されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、ウエブ材料のシアーカットによるスリットに際して、両丸刃がそれらの刃先で側圧の付加下に噛合しつつ互いに逆方向に回転することにより発生する金属粉は、前記第1丸刃及び第2丸刃の少なくとも一方の丸刃、好ましくは各丸刃の刃先に近接して配備されたマグネットにより吸引、磁着され、それによって、シアーカットによるウエブ材料のスリットにおける両丸刃の刃先間の噛合に由来して発生する金属粉を前記マグネットに吸引、磁着させることで該金属粉がウエブ製品に付着することを防止し、或いは両丸刃の噛合部付近においてウエブ製品に付着した金属粉を前記マグネットに吸引、磁着させることで除去することが可能である。なお、ある程度の金属粉を吸引、磁着したマグネットについては、例えば、必要に応じて金属粉の除去が行われ、金属粉が未磁着のマグネットとの交換が行われ、或いは未磁着のマグネットが取り付けられ刃物ホルダやスペーサごとの交換等が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1(A)及び(B)は、本発明の実施例1に係るスリッタの各々側面概略図及び正面概略図である。
【
図2】
図2(A)及び(B)は、本発明の実施例2に係るスリッタの各々側面概略図及び正面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明を、マグネットの配備態様の異なる実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
【実施例1】
【0016】
図1(A)及び(B)に示すスリッタにおいて、第1刃軸11上に薄く弾力性のある複数の第1丸刃12が、各々刃軸方向に変位可能に刃物ホルダ本体13に支持された状態で配設されると共に、第1刃軸11と平行な第2刃軸21上に厚く剛性度の高い複数の第2丸刃22が、各第1丸刃12と各々組を成して、位置保持部材としてのスペーサ24を介して対向配設されている。なお、前記第2丸刃22がスペーサと一体化されていてもよい。
【0017】
各組の互いに対向する第1丸刃12と第2丸刃22は、第1丸刃12とそれを支持する刃物ホルダ本体13の蓋部材15との間に介設されたリングばね31からなる側圧付加機構による側圧の付加下に、両丸刃の刃先で噛合しつつ各々の刃軸を中心として互いに逆方向に回転させられ、前記両丸刃間に挿通されたウエブ材料Wは、互いに噛合する両丸刃の刃先の間でシアーカットによりスリットされることになる。前記側圧付加機構としてのリングばね31は、第1丸刃12と同心の円周上に配置されている。なお、
図1では、説明の都合上、1組の第1丸刃12及び第2丸刃22のみ図示される。
【0018】
さらに、第1丸刃12の刃物ホルダ本体13に、第1丸刃12と同心の円周上に所要間隔で、該第1丸刃12の刃先に近接して複数のマグネット41が脱着可能に嵌め込まれている。また、第2刃軸21上における第2丸刃22と隣接するスペーサ24に、該第2丸刃22と同心の円周上に所要間隔で、該第2丸刃22の刃先に近接して複数のマグネット51が脱着可能に嵌め込まれている。
【0019】
前記構成によれば、シアーカットによるウエブ材料Wのスリットにおける両丸刃の刃先間の噛合に由来して発生する金属粉を前記マグネット41、51に吸引、磁着させることで該金属粉がウエブ製品に付着することを防止し、或いは両丸刃の噛合部付近においてウエブ製品に付着した金属粉を前記マグネット41、51に吸引、磁着させることで除去することが可能である。
【実施例2】
【0020】
図2(A)及び(B)に示す、実施例2に係るスリッタは、実施例1と同様の基本構成を有し、実施例1と同様に、第1丸刃12の刃物ホルダ本体13に、第1丸刃12と同心の円周上に所要間隔で、該第1丸刃12の刃先に近接して複数のマグネット41が脱着可能に嵌め込まれている。
【0021】
他方、実施例1では、第2刃軸21上における第2丸刃22と隣接するスペーサ24に、該第2丸刃22の刃先に近接して複数のマグネット51が脱着可能に嵌め込まれているのに対して、実施例2では、
図2(A)及び(B)に示すように、第2刃軸21上における第2丸刃22自体にその刃先に近接して複数のマグネット61が脱着可能に嵌め込まれている。
【0022】
前記構成によれば、シアーカットによるウエブ材料Wのスリットにおける両丸刃の刃先間の噛合に由来して発生する金属粉を前記マグネット41、61に吸引、磁着させることで該金属粉がウエブ製品に付着することを防止し、或いは両丸刃の噛合部付近においてウエブ製品に付着した金属粉を前記マグネット41、61に吸引、磁着させることで除去することが可能である。
【0023】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的と特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形、組合せ等による前記以外の多くの広範な実施態様が実施可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0024】
W ウエブ材料
11 第1刃軸
12 第1丸刃
13 刃物ホルダ本体
15 蓋部材
21 第2刃軸
22 第2丸刃
24 スペーサ
31 リングばね
41 マグネット
51 マグネット
61 マグネット
【要約】 (修正有)
【課題】シアーカットによるウエブ材料のスリットにおける刃物間の噛合に由来する金属粉がウエブ製品に付着することを防止し、或いはウエブ製品に付着した金属粉を除去することができるスリッタを提供する。
【解決手段】第1刃軸11上に第1丸刃12が配設されると共に第2刃軸21上に第2丸刃22が第1丸刃12と組を成して対向配設されている。両丸刃は、互いに逆方向に回転しつつ、それらの刃先で側圧の付加下に噛合させられ、両丸刃間に挿通されたウエブ材料Wは、互いに噛合する両丸刃の刃先の間でシアーカットによりスリットされる。前記第1丸刃12及び第2丸刃22の少なくとも一方の丸刃の刃先に近接して、マグネット41、51が配備される。
【選択図】
図1