特許第6261107号(P6261107)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261107
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】放送システムおよび放送方法
(51)【国際特許分類】
   H04H 20/59 20080101AFI20180104BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20180104BHJP
   H04H 20/02 20080101ALI20180104BHJP
   H04H 60/42 20080101ALI20180104BHJP
   H04N 21/222 20110101ALI20180104BHJP
   H04N 21/2362 20110101ALI20180104BHJP
【FI】
   H04H20/59
   G08B27/00 C
   H04H20/02
   H04H60/42
   H04N21/222
   H04N21/2362
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-517861(P2017-517861)
(86)(22)【出願日】2016年4月25日
(86)【国際出願番号】JP2016062907
(87)【国際公開番号】WO2016181811
(87)【国際公開日】20161117
【審査請求日】2017年11月9日
(31)【優先権主張番号】特願2015-99318(P2015-99318)
(32)【優先日】2015年5月14日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】坂田 誠志
(72)【発明者】
【氏名】阿部 淳
【審査官】 金子 秀彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−205979(JP,A)
【文献】 特開2014−155116(JP,A)
【文献】 特開2003−032640(JP,A)
【文献】 特開2010−206485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04H 20/59
G08B 27/00
H04H 20/02
H04H 60/42
H04N 21/222
H04N 21/2362
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
演奏所と複数の放送所を有する放送システムであって、
前記演奏所は、緊急警報放送を行う場合にエリアコードを全地域指定のコードとし、TMCC起動フラグをOFFで通信エリア内の放送所に緊急警報放送を行い、
緊急警報放送を受信した放送所は、前記演奏所からリモコン指示でTMCC起動フラグをONに書き換えて通信エリア内に緊急警報放送を行い、
前記放送所から送信された緊急警報放送を受信した前記と異なる放送所は、前記演奏所からリモコン指示でTMCC起動フラグをOFFに書き換えて通信エリア内に緊急警報放送を行うことを特徴とする放送システム。
【請求項2】
演奏所と複数の放送所を有する放送システムの放送方法であって、
前記演奏所は、緊急警報放送を行う場合にエリアコードを全地域指定にするステップと、TMCC起動フラグをOFFにするステップと、緊急警報放送を送信するステップを有し、
前記放送所は、前記演奏所からリモコン指示でTMCC起動フラグをONに書き換えるステップと、通信エリア内に緊急警報放送を行うステップを有し、
前記放送所と異なる放送所は、前記演奏所からリモコン指示でTMCC起動フラグをOFFに書き換えるステップと、通信エリア内に緊急警報放送を行うステップとを有することを特徴とする放送システムの放送方法。
【請求項3】
演奏所と複数の放送所を有する放送システムであって、
前記演奏所は、緊急警報放送を行う場合にエリアコードを全地域指定のコードとし、TMCC起動フラグをOFFで送信し、
前記放送所は、前記演奏所からのリモコン指示でTMCC情報の書き換えを行い、エリア内に緊急警報放送を行うことを特徴とする放送システム。
【請求項4】
演奏所と複数の放送所を有する放送システムの放送方法であって、
前記演奏所は、緊急警報放送を行う場合にエリアコードを全地域指定にするステップと、TMCC起動フラグをOFFにするステップと、緊急警報放送を送信するステップを有し、
前記放送所は、前記演奏所からのリモコン指示でTMCC情報の書き換えるステップと、通信エリア内に緊急警報放送を行うステップとを有することを特徴とする放送システムの放送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送システムおよび放送方法に関し、特に緊急警報放送に関するものである。
【背景技術】
【0002】
緊急警報放送システム(Emergency Warning System、以下EWSと称する)は、地震や津波などの災害が発生したときに、受像機や携帯端末に災害情報を伝える。
EWSは、待機状態にある受像機等のスイッチを自動的にオンにして、災害の発生に伴う被害の予防や軽減に役立たせることを目的としている。
デジタル放送では、緊急警報信号は緊急警報識別子というデータを用いて送信される。具体的には、放送で伝送するTS(Transport Stream)信号中に含まれるPMT(Program Map Table)の緊急記述子(2種類)と、受信機または受像機の動作を補助する制御信号TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration and Control)の中の起動制御信号(緊急警報放送用起動フラグ、以下起動フラグ)を用いる(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
図7は従来のEWS伝送例を示す図である。
EWSは、演奏所701、放送所(B)702、放送所(C)703、放送所(D)704で構成されている。
演奏所701の通信範囲はサービスエリア(A)711であり、放送所(B)702の通信範囲はサービスエリア(B)712であり、放送所(C)703通信範囲はサービスエリア(C)713であり、放送所(D)704の通信範囲はサービスエリア(D)714である。
【0004】
次に、データの書式について説明する。
放送で伝送するTS信号中には、ES(Elementary Stream)と呼ばれる符号化された映像や音声データがパケット形式で入っている。TS信号に含まれるESがどのプログラムに属するのかを記した情報をPSI(Program Specific Information)とよび、PSIはPAT(Program Association Table)、PMT、CAT(Conditional Access Table)で構成され、TS信号中に挿入されている。
EWSに使用する情報はPMT中の緊急情報識別子に記述される。緊急情報記述子の概要を図2に示す。EWSの動作説明に必要な項目について説明する。
まず1つ目はEWSが運用されていることを示す、開始/終了フラグ(start_end_flag)が1bitある。このビットが「1」の場合はEWS運用中を示し、反対に「0」の場合はEWS発報していない通常時を示す。
【0005】
EWSに関する記述の2つ目は、警報の信号識別を示すsignal_levelである。信号識別は1bitが割り当てられてあり、「0」の場合、放送されるEWSが第一種開始信号であることを示す。第一種開始信号とは地震に関する警報のことをいう。一方、signal_levelが「1」の場合は、放送されるEWSが第二種開始信号であることを示す。第二種開始信号は津波に関する警報のことをいう。
EWSに関する記述の3つ目は、EWSを発報するエリアを指定する地域符号(エリアコード)である。エリアをピンポイントで指定できる他に、全エリアに対して指示することもできる仕様になっている。
もう一つEWSを実施するのに必要な信号がTMCCである。TMCCは図3に示すように204bitで構成されている信号で、起動フラグはTMCCのビット列の26番目に割り当てられている。起動フラグが「1」の時は受像機に対して緊急制御ありを示す。反対に「0」のときは起動制御なしを示し、この起動フラグのビットを基に受像機の制御を行う。
【0006】
次に、放送の中継について図4図7を用いて説明する。
図4は演奏所の概略ブロック図である。
図7の演奏所701は、送信する番組情報のTSを変調し、放送規格の電波を発射する起点とする。
番組データ、PMT、TMCCなどを含んだTS信号は変調部41に入力する。変調部41では、番組データやPMTはデータを伝送するデータキャリアに割り当て、TMCC信号はTMCCキャリアに割り当ててOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調を行う。
変調部41の出力信号は、伝送するRF(Radio Frequency)信号にアップコンバートする周波数変換部42に入力し、出力のRF信号をアンテナ43にて電波を発射する。発射された電波は図7に示す放送所(B)702に伝送される。
【0007】
図5は放送所の概略ブロック図である。
前段の演奏所701から伝送された電波を受信アンテナ51で受信し、受信変換部52でRF信号からIF(Intermediate Frequency)信号に変換し等化部53に入力する。等化部53では受信信号の等化処理をおこない送信変換部54に信号を出力する。ここで、放送所には等化部53は必ずしも使用されているわけではなく、放送所の構成の一例を示している。信号処理をするようなことがない場合には受信変換部52の出力信号を送信変換部54に直接信号を入力する。送信変換部54では再送信するRF信号に変換し、送信アンテナ56を用いて電波を発射する。
以上は図7中の放送所(B)702の動作説明をしたが、同図中放送所(C)703、(D)704についても同様の処理を行って中継が行われている。
【0008】
また、放送所には図5に示したシステムに冗長系を持たせた2台方式が多く採用されている。故障がある場合、自動または手動で現用系と予備系を切り替える。手動で切り替えるために演奏所から各放送所にリモコンの回線が用意されて故障等のトラブルの時に対応できるようになっている。
図7では、放送所(B)702、(C)703、(D)704の制御を行うリモコン回線をそれぞれリモコン回線AB、リモコン回線AC、リモコン回線ADで示している。
【0009】
次に、図7を用いてサービスエリア(C)703にEWSを発報する場合の動作を説明する。
EWSを発報する場合、演奏所701の変調部41に入力するTS中に含まれるPMTに緊急警報放送の信号を付加する。このときエリアコードはサービスエリア(C)713のコードを指定する。
TMCCは起動フラグを「0」から「1」に設定する。このようにEWSの発報準備をしたTSを図4の変調部41に入力する。変調部41は伝送するデータをテレビの送信の規格で決められたサブキャリアに配置する。
【0010】
サブキャリア配置は規格で定められており配置例を図6に示す。
図6の横軸は周波数(キャリア配置)を示し、横軸は時間(OFDMシンボル)を示している。また図中のSPはスキャッタードパイロット、Si,jはデータキャリア、TMCCはTMCC情報を専用で伝送するキャリア、ACは放送に関する付加情報信号を専用に伝送するキャリアを示している。
変調部41に入力されたTS中のPMTはデータキャリアに割り当てわれるので、図6のSi,jのキャリアに配置され、TMCC情報はTMCCの専用のキャリアに割り当てられて変調される。
【0011】
従ってPMTとTMCCは変調される段階で異なった扱いをされる。このように演奏所で変調された信号は図7のように、放送所(B)702、(C)703、(D)704の順で中継されていく。送信されたEWSに関する信号はサービスエリア(A)711〜(D)714においてみんな同じになる。
こうして緊急警報放送の入った信号を受信した図示していない受信機または受像機は、まず、TMCCの起動フラグを監視し、「0」から「1」に切り替わった後、受信して復調処理されたTS中のPMTにある緊急情報記述子を監視する。
【0012】
次に、図示していない受信機または受像機は、緊急情報記述子のstart_end_flagが「1」で、エリアコードが受信機に設定されている地域のコードに該当していれば、緊急情報記述子に記述されているサービス(Service_ID、チャンネル番号)を基に選局して受信をする。
エリアコードの設定は図示していない受信機または受像機の初期設定で地域コードを入力する。例えば、郵便番号など入力がそれに該当する。従って、サービスエリア(A)711で使用している地域の人は地域コードA、サービスエリア(B)712で使用している地域の人は地域コードBというように、図7ではサービスエリア毎に受像機の地域コードが設定されているとする。
EWSを発報するため演奏所でエリアコードCを入力したので、サービスエリア(C)713にあるエリアコードCに設定された受像機だけが緊急警報放送を受信することになる。
【0013】
特許文献としては、例えば、緊急警報放送受信システムは、緊急警報放送を検知した際に、テレビ受信機や1セグ受信携帯電話機の電源を起動させ視聴者に画面やスピーカ音声やブザーで通知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2011−101181号公報
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】ARIB STD−B31、「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式」、社団法人電波産業会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
現状の緊急警報放送システムでは、受信機が設定しているエリア外に移動すると緊急警報放送を受信することができない。
本発明の目的は、受信機が受信該当エリア外に移動しても緊急警報放送を受信できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の放送システムは、演奏所と複数の放送所を有する放送システムであって、演奏所は緊急警報放送を行う場合にエリアコードを全地域指定のコードとし、TMCC起動フラグをOFFで通信エリア内の放送所に緊急警報放送を行い、緊急警報放送を受信した放送所は演奏所からリモコン指示でTMCC起動フラグをONに書き換えて通信エリア内に緊急警報放送を行い、放送所から送信された緊急警報放送を受信した前記と異なる放送所は、演奏所からリモコン指示でTMCC起動フラグをOFFに書き換えて通信エリア内に緊急警報放送を行うことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の放送システムの放送方法は、演奏所と複数の放送所を有する放送システムの放送方法であって、演奏所は緊急警報放送を行う場合にエリアコードを全地域指定にするステップとTMCC起動フラグをOFFにするステップと緊急警報放送を送信するステップを有し、放送所は演奏所からリモコン指示でTMCC起動フラグをONに書き換えるステップと通信エリア内に緊急警報放送を行うステップを有し、前記放送所と異なる放送所は演奏所からリモコン指示でTMCC起動フラグをOFFに書き換えるステップと通信エリア内に緊急警報放送を行うステップとを有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の放送システムは、演奏所と複数の放送所を有する放送システムであって、演奏所は緊急警報放送を行う場合にエリアコードを全地域指定のコードとし、TMCC起動フラグをOFFで送信し、放送所は演奏所からのリモコン指示でTMCC情報の書き換えを行い、エリア内に緊急警報放送を行うことを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明の放送システムの放送方法は、演奏所と複数の放送所を有する放送システムの放送方法であって、演奏所は緊急警報放送を行う場合にエリアコードを全地域指定にするステップとTMCC起動フラグをOFFにするステップと緊急警報放送を送信するステップを有し、放送所は演奏所からのリモコン指示でTMCC情報の書き換えるステップと通信エリア内に緊急警報放送を行うステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、受信機が受信該当エリア外に移動しても緊急警報放送を受信できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例に係る放送システムの概要を示す図である。
図2】緊急情報記述子のデータ構造を示す図である。
図3】TMCC信号のビット列を示す図である。
図4】演奏所の概略ブロック図である。
図5】放送所の概略ブロック図である。
図6】OFDMセグメント構成の図である。
図7】従来のEWS伝送例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例に係る放送システムの概要を示す図である。
図1において、放送システムは、演奏所101、放送所(B)102、放送所(C)103、放送所(D)104で構成されている。
演奏所101の通信範囲はサービスエリア(A)111であり、放送所(B)102の通信範囲はサービスエリア(B)112であり、放送所(C)103通信範囲はサービスエリア(C)113であり、放送所(D)104の通信範囲はサービスエリア(D)114である。
受信機122は、例えば、緊急警報放送を放送所(B)102の通信範囲であるサービスエリア(B)112内で受信することができる設定である。この受信機122が、例えば、放送所(C)103通信範囲であるサービスエリア(C)113に移動した場合の動作について説明する。
【0024】
次に、本発明の一実施例に係る放送システムの詳細な動作について図1図5を用いて説明する。
図1において、演奏所101がサービスエリア(C)113に緊急警報放送を発報する一例について説明する。
演奏所101において、PMTに与えるエリアコードは全地域を指定するコードとする。start_end_flagは「1」に、その他通常EWSに必要な情報をPMTに挿入する。TMCCの起動フラグは演奏所101ではOFFのままにする。この状態にすることで、TMCCの起動フラグだけでEWSを制御可能となる。
【0025】
放送所(B)102、放送所(C)103、放送所(D)104ではTMCCの起動フラグを制御できる機器を備える。起動フラグを制御できる機器は、外部から制御されるインタフェースを有し、フラグのON/OFFの制御が可能な装置とする。例えば、図5に示した等化部53はTMCCを復調することができる。この装置に外部インタフェースを設け、リモコンでTMCCの起動フラグを制御すれば容易に実現できる。
【0026】
演奏所101、放送所(B)102と中継されてきた信号は、放送所(C)103に受信され、放送所(C)103に実装された等化部53に入力される。
また、演奏所101から放送所(C)103に設置されたリモコン回線ACを使用して、等化部53(放送所(C)103)に起動フラグを「1」にする命令を与える。
放送所(C)103の等化部53はその命令(起動フラグ「1」)を受け取ったら、TMCCのビット列の26番目のビットを「1」に設定した後、再変調してサービスエリア(C)113と放送所(D)104に電波を発射する。
このような制御を行うことで、サービスエリア(C)113内の受信機(受像機)123ではEWSを実施するために必要なPMTとTMCCの条件が揃い、EWSが実施される。
【0027】
なお、EWSの条件の揃った電波は放送所(C)103から出力されるが、放送所(D)104にも到達してしまう。そのまま再送信をおこなってしまうと、サービスエリア(D)114にもEWSが発報してしまい問題となる。そのため演奏所101から放送所(D)104の間に設置したリモコン回線ADを用いて、放送所(D)104内の等化部53に起動フラグOFFの命令を与える。
この命令を受け取った放送所(D)104内の等化部53は、起動フラグを「0」にして再変調後電波をサービスエリア(D)114に発射する。サービスエリア(D)114では、TMCCの起動フラグがないのでEWSを発報することがない。
このように演奏所101は、各放送所(放送所(B)102、放送所(C)103、放送所(D)104)のTMCCの起動フラグをON/OFFさせて緊急警報放送のエリアを形成することができる。
【0028】
本発明の緊急警報放送システムは、デジタルテレビにかかわらず、例えば、V−LOW、エリア放送などの新しいサービスを始める場合や海外の地デジなどにも応用が可能で、仮にエリアコードが決まっていない状態でも指定したエリアに対して緊急警報放送を行うことができる。
【0029】
本発明の実施形態である放送システムは、受信機が受信該当エリア外に移動しても緊急警報放送を受信できる。
演奏所は、緊急警報放送を行う場合、エリアコードを全地域指定のコードとし、TMCC起動フラグOFFで送信する。
各放送所は、順次バケツリレー的に送信を行うが、演奏所からのリモコン指示でTMCC情報の書き換えを行い、エリア内に緊急警報放送を行う。
このようにすることにより、受信機や受像機は、設定エリア外においても緊急警報放送を受信することができる。
【0030】
以上本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載された放送システムに限定されるものではなく、上記以外の放送システムに広く適用することができることは言うまでもない。
【0031】
この出願は、2015年5月14日に出願された日本出願特願2015−099318を基礎として優先権の利益を主張するものであり、その開示の全てを引用によってここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0032】
緊急放送用起動フラグを所定の通信エリアのみに送信することによって、設定エリア外に移動した受信機も緊急放送を受信できるため、受信機が設定エリア外に移動する用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0033】
101,701:演奏所、102,702:放送所(B)、103,703:放送所(C)、104,704:放送所(D)、111,711:サービスエリア(A)、112,712:サービスエリア(B)、113,713:サービスエリア(C)、114,714:サービスエリア(D)、122:受信機、41:変調部、42:周波数変換部、43:アンテナ、51:受信アンテナ、52:受信変換部、53:等化部、54:送信変換部、55:電力増幅部、56:送信アンテナ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7