(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物品の搬送方向と直角方向に延伸したスラットを物品の搬送方向に連結し、物品を積載して搬送するスラットコンベヤと、前記スラットコンベヤ上を前記スラットの搬送方向と直角方向にスライド自在なスライドシューとを用いたスライドシュー式仕分けコンベヤにおいて、
A)前記スライドシューの正常移動状態におけるホイール及び支持軸の通過断面より若干大きな切り欠き形状を有する、1以上の揺動板と、
B)前記揺動板が揺動するのを検出するセンサと
を有し、前記揺動板が揺動するのを前記センサで検出することにより、前記スライドシューの異常を検知することを特徴とするスライドシュー異常検知装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照し、本発明の第一の実施形態にかかるスライドシューの異常検知装置について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0016】
図1は、本発明の第一の実施形態に係るスライドシューの異常検知装置を含む仕分けコンベヤの全体平面図である。物品6が載るスラット3を物品の搬送方向(図中矢印A方向)に走行させることによって物品の搬送を行うスラットコンベヤ1と、スラット3の走行方向と直交する方向に摺動自在にスラット3上に装備されたスライドシュー4と、各仕分けゾーンSに対応してスラットコンベヤ1の搬送路から分岐する、ローラーコンベヤからなる仕分け搬送路7が備えられている。
【0017】
更に、この仕分けコンベヤの、仕分けゾーンSよりも上流部分に、スライドシュー異常検知装置20が設けられている。このスライドシュー異常検知装置20については、詳細は後述する。
【0018】
図2は、本発明の第一の実施形態に係るスライドシューの異常検知装置を含む仕分けコンベヤの部分斜視図である。ここで、スラットコンベヤ1のスラット3は、両端部が物品の搬送方向に走行するエンドレスチェーン2によって支持されている。また、各仕分けゾーンSにおいては、スライドシュー4を直進方向または分岐方向にガイドするガイドレール5及びスライドシュー4を分岐方向に分岐するための、電磁石28、永久磁石29が設けられており、電磁石28の動作により、分岐方向のガイドレール5に導かれて、スライドシュー4は、物品6を分岐方向に向かわせる。
【0019】
更に、この図においても、仕分けコンベヤの、仕分けゾーンSよりも上流部分に、スライドシュー異常検知装置20が設けられている。このスライドシュー異常検知装置20については、詳細は後述する。
【0020】
なお、スラット3は、エンドレスチェーン2に結合しているため、物品6を上方に載置する往路の終端、すなわち、スプロケット部分から、物品6載置面が下方となる復路を通り、再び、復路の終端のスプロケット位置で、往路の始端に出現することになる。
【0021】
ここで、スライドシュー異常検知装置20は、物品6を載置する往路であって、かつ、物品6を仕分けする仕分けゾーンSに近接した場所に設けられる。
【0022】
図3は、本発明の第一の実施形態に係る仕分けコンベヤに用いられるスライドシュー4の構造図である。スラット3の走行方向と直交する方向に移動自在に支持されるシュースライド13と、このシュースライド13に装備されて仕分け搬送路7に物品を押し出す際に物品との接触部となるシューキャップ14とを具備した構成とし、前記シュースライド13には、前述したように、スラット3の下方に突出する支持軸17と、支持軸17に枢支されてガイドレール5による移動操作の際の当接部となる磁性体からなる、回転自在のホイール18が装備されている。
【0023】
なお、スライドシュー4の構成は、これに限定されず、コンベヤ上面でのスライド可能な部材と、コンベヤ下部の回転自在の部材とからなるものであればよい。
【0024】
ここで、スライドシューの異常検知装置20の詳細を、図面を用いて説明する。
図4は、本発明の第一の実施形態に係るスライドシューの異常検知装置の平面図であり、スライドシューの上部を省略し、ホイールから下方を示したものである。また、
図5は、
図4の異常検知装置部分の右側面図であり、
図6は、異常検知装置の部分斜視図である。
【0025】
ホイール18の進行方向Aに沿って、電磁石28、永久磁石29を備えた異常検知装置用の分岐部を設ける。分岐の直後に、ホイール18の正常な移動状態18aでの通過部分に極めて近接して揺動部材である揺動板21を設ける。揺動板21は、面取りした回転軸22にねじなどで固定される。
【0026】
なお、ホイール18bは、ホイール18が直進路を進行した場合の正常移動状態を示す説明用のもので、実際には、ホイール18a、18bのいずれかのみが存在する。
【0027】
揺動板21は、ホイール18の正常移動時には、ほとんど揺動することなく、ホイール18が接触した場合には、容易に揺動するように、形状、材質、重量配分などを適切に設定するものとする。
【0028】
回転軸22は、両端を、図示しない構造部分に固定されベアリングを内蔵するハウジング23、24で、回転自在に保持される。
【0029】
更に、回転軸22の一方の先端には、回転軸と直交する平面を有する検出板25が固定され、回転軸22の回転とともに回転する。また、検出板25の端部を挟むようにコの字型の光学センサ26が設けられる。
【0030】
なお、直進経路と分岐経路は、ガイド板27により、スライドシュー異常検出装置20の下流部において、合流し、単一の経路となる。その下流に、実際の仕分けを行う仕分けゾーンSが設けられる。
【0031】
このように構成された、本発明のスライドシューの異常検知装置の動作について説明する。
【0032】
仕分けコンベヤの往路の、実際に仕分けを行う直前に設けられた電磁石28を異常検知が必要な際に作動させる。すると、スライドシュー4のホイール18が、電磁石28に吸引され、直進経路から分岐経路へと導かれる。一旦、分岐方向へ向かうと、永久磁石29により、ホイール18はガイド板27に沿って進行する。
【0033】
ここで、分岐方向に向かったホイール18aは、正常状態であれば、搬送位置に近接して設けられた揺動板21に接触することなく進行する。
【0034】
もし、スライドシュー4の、スラット3上をスライドするシュースライド13に損傷があると、ホイール18の搬送状態に異常が発生する。例えば、シュースライド13の破損により、スライドシュー4の支持軸17が傾き、結果としてホイール18の一部が下降する、あるいは、ホイール18全体が下方にずれるという状況が発生する。
【0035】
ここで、
図7は、異常検知装置の動作説明図であり、
図7(1)が、ホイール18の搬送状態が正常な場合を示し、
図7(2)が、ホイール18の搬送状態が異常な場合を示す。ホイール18がA方向に進行しており、部分的に、または全体として黒矢印のごとく下降すると、
図7(2)のように、ホイール18が揺動板21に接触し、揺動板21を揺動させる。
【0036】
なお、揺動板21は、回転自在に回転軸22に保持されているため、スライドシュー4には大きな衝撃を与えたり、損傷させたりすることなく、異常検知装置20を通過することができる。
【0037】
揺動板21が揺動すると、回転軸22の回転を生じ、その回転は、回転軸の一端の検出板25を回転させる。ここで、検出板25の端部は、正常状態ではコの字形(透過型)光学センサ26の検出範囲にあるが、その回転によって、検出範囲を外れ、それによって、スライドシュー4が異常であることが検知される。
【0038】
このようにして、スライドシュー4の異常が検知された場合は、仕分けコンベヤを停止し、それらのスライドシュー4を清掃、修理または交換して、運用を再開すればよい。
【0039】
検出可能なスライドシュー4の異常としては、
図8(1)から(4)に示すごとく、(1)ホイール18全体の降下、(2)ホイール18の進行方向に対して横方向の傾き、(3)ホイール18の進行方向に対して前後方向の傾き、(4)ホイール18の進行方向に対する横方向のずれ、及びこれらの複合したものがあるが、これらに限定されず、揺動板の形状を適宜選定すれば、それ以外の異常も検知可能である。
【0040】
これまでの説明では、スライドシュー異常検知装置の分岐経路側での検知動作について説明したが、
図5に示す揺動板の形状であれば、直進経路側においてもホイール18bの異常検知の動作がなされる。ここで、適宜、分岐部を作動させることにより、スライドシュー4の分岐動作時、直進動作時における多様な異常状態を検出することができる。
【0041】
もちろん、このスライドシュー異常検知装置は、揺動板の形状を適宜選定すれば、分岐部のあとの分岐経路または直進経路の一方のみで検知動作を行うようにすることも、分岐部を有しない直進経路で検知動作を行うことも可能であり、その場合に、揺動板は、どの経路においてもスライドシュー進行方向の左右どちら側でも、また直下に設けてもよく、両側の経路で検知するよりも、構造が簡略化できる。
【0042】
更に、異常検知装置用の分岐部を設けるとして説明したが、そのような分岐部を設けなくとも、実際に仕分けを行うための分岐部の直後に、異常検知装置を設けてもよい。仕分け開始前に異常なスライドシューを検知することはできないが、全体の構成は極めて簡素になるため、検知後の対応方法を工夫すれば、効果は大きい。
【0043】
なお、
図9に揺動板の振動吸収部材の例を示す。揺動板21は、スライドシュー4の部分の接触によって揺動させられるが、その後、揺動板21は、しばらく振動状態を続けることになり、誤検知などの可能性を生ずる。そこで、
図9(1)に示すように、揺動板21の、スライドシュー4によって揺動させられる端とは逆の端の部分が接触するように、仕分けコンベヤの躯体部分に振動吸収部材31を設ける。振動吸収部材31としては、低反発素材、防振ゴム、圧縮ばねなど、振動を速やかに吸収できるものであればよい。
【0044】
また、
図9(2)に示すように、スライドシュー4によって揺動させられる端とは逆の端の部分を折り曲げた、折り曲げ揺動板32を用いて、その折り曲げ部分に接するように、振動吸収部材としての回転自在のゴムローラ33を設けるようにしてもよい。折り曲げ揺動板32の振動を、ゴムローラ33によって吸収することができる。
【0045】
更に、回転軸にコイルばねなどの弾性体を付加して、揺動板が作動する力を一定にして誤動作を防止したり、揺動板が作動した後の速やかな復帰をさせ、検知装置が作動しても仕分け作業を継続させるようにしたりしてもよい。
【0046】
また、揺動板だけでなく、回転軸または検出板の回転を規制する部材を、それ自身に、またはその外部に付加してもよい。揺動板の回り過ぎや振動によるトラブルなどを防止できる。
【0047】
ここで、スライドシューの異常を検出するのに、揺動板、回転軸、検出板、及び光学センサを用いるようにしたが、これらに限定されるものではなく、スライドシューの異常状態、特に、スライドシュー上部の破損によるホイールの降下または傾斜を、機械的に検出できる機構であれば、どのようなものでもよい。
【0048】
図10に、揺動板の変形例を示す。例えば、
図10(1)あるいは(2)に示すように、分岐路または直進路の単一の経路の場合であれば、左右どちらへの変位も検知できる形状でもよい。
【0049】
図10(3)に示すように、上下の変位については小さな変位でも検知し、一方、左右の変位については大きな変位のみを検知するように構成してもよい。これによって、後述するように、他の検知手段と組み合わせて適切な異常検知をすることができる。
【0050】
図10(4)に示すように、回転軸22を鉛直方向に設けてもよい。このようにすると、検出機構が、少ない占有面積でコンパクトに配置できる。
【0051】
図10(5)に示すように、分岐路、直進路に関して、同一回転軸上で、別の揺動板を設けるようにしてもよく、更に、この際に、各々の揺動板を分岐路・直進路の間ではなく、外側に設けるようにしてもよい。これにより、レイアウト上の自由度が増すことも考えられる。
【0052】
更に、分岐路、直進路に関して、異なる2組のスライドシュー異常検知装置を設けてもよい。これにより、スライドシュー異常の現象がより細かく把握できる。
【0053】
また、これまで、揺動部材として、揺動板21を例として説明してきたが、板状のものに限らず、線材で構成したものや、棒状や柱状のものであってもよい。
【0054】
また、検出板を設けずに、揺動板自体の回転を光学センサで検知するようにしてもよい。
【0055】
また、直接、センサで検知しなくとも、揺動板、検出板などの動作をカメラなどで撮影し、撮影した画像を分析して異常を検知するようにしてもよい。
【0056】
いずれの場合においても、検出のためのセンサについては、コの字型(透過型)光学センサだけでなく、反射型光学センサ、レーザセンサ、磁気センサ、超音波センサ、ロータリーエンコーダ、マイクロスイッチなど、種々のものが考えられ、使用条件に合わせて適宜選択すればよい。
【0057】
なお、スライドシュー4には、支持軸17の外周に、ベーンと称する、スライドシュー4の進行方向を制御する部材を追加する場合もあり、この異常検知装置において、揺動板21の形状を選定することにより、ベーンの変位をも検出するようにすることができ、更に検出できる異常を拡げることができる。
【0058】
また、これまでの説明では、スライドシュー4の部分として、コンベヤ内側にある、支持軸17、ホイール18などの変位を検知するとしたが、スライドシュー4の部分として、コンベヤ外側にあるシュースライド13、シューキャップ14などを検知するようにしてもよい。コンベヤ外側に揺動板21などの機構を設ける必要があるが、動作状態を目視しやすいなどの利点もある。
【0059】
また、これまでの説明では、検知装置を、スラット3の物品載置面が上方を向いている、仕分けコンベヤの往路に設けるとして説明したが、物品載置面が下方を向く復路に設けてもよい。復路では、スライドシュー4が実際の仕分けの状況と異なる挙動をするため検知の精度が下がる可能性もあるが、往路のスペースが有効活用できる利点もある。
【0060】
次に、本発明の第二の実施形態にかかるスライドシューの異常検知装置について、図面を参照し説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。また、第一の実施形態と共通する部分については、図面上で同一番号とし、その説明を省略する場合もある。
【0061】
図11は、本発明の第二の実施形態に係るスライドシューの異常検知装置を含む仕分けコンベヤの部分斜視図である。ここで、仕分けコンベヤの、仕分けゾーンSよりも上流部分に、スライドシュー異常検知装置50が設けられている。
【0062】
このスライドシュー異常検知装置50は、第一の実施形態で述べたスライドシュー異常検知装置20に、更に、追加の検知装置を設けたものである。
【0063】
図12は、本発明の第二の実施形態に係るスライドシューの異常検知装置の平面図であり、スライドシュー4が、第一の実施形態で説明した揺動板21を過ぎた直後のあたりで検出できるように、仕分けコンベヤ1の躯体部分9に、反射型センサ41を設けたものである。そのセンサの検出対象は、シューキャップ14の、反射型センサ側の面である。反射型センサ41としては、検出範囲などの点から、LED反射型センサが好ましい。
【0064】
このように構成された、本発明のスライドシューの異常検知装置の動作について説明する。
【0065】
仕分けコンベヤの往路の、実際に仕分けを行う直前に設けられた電磁石28を異常検知が必要な際に作動させる。すると、スライドシュー4のホイール18が、電磁石28に吸引され、直進経路から分岐経路へと導かれる。一旦、分岐方向へ向かうと、永久磁石29により、ホイール18はガイド板27に沿って進行し、シュースライドも、それに対応した位置で進行する。
【0066】
ここで、第一の実施形態で説明したように、分岐方向に向かったホイール18aは、正常状態であれば、搬送位置に近接して設けられた揺動板21に接触することなく進行する。
【0067】
もし、スライドシュー4に損傷があると、ホイール18の搬送状態に異常が発生し、揺動板21が揺動する。
【0068】
揺動板21が揺動すると、回転軸22の回転を生じ、その回転は、回転軸の一端の検出板25を回転させる。ここで、検出板25の端部は、正常状態ではコの字形(透過型)光学センサ26の検出範囲にあるが、その回転によって、検出範囲を外れ、それによって、スライドシュー4が異常であることが検知される。
【0069】
更に、揺動板21による検知がされてもされなくても、スライドシュー4は分岐路を進行し、スライドシュー4とスラット3との間の摺動抵抗が大きすぎると、
図11に示すように、ホイール18が電磁石28または永久磁石29の磁力に抗してガイド板27から離反した位置を進行することになる。
【0070】
ここで、摺動抵抗が大きくなる原因としては、スライドシュー4のシュースライド13、シューキャップ14、ホイール18などの損傷による場合、スラット3の損傷や湾曲の場合、スライドシュー4とスラット3の間に被搬送物から漏れ出した液体・粘性体・粉体などがスラット3やスライドシュー4に固着することによる場合などが考えられる。
【0071】
仕分けコンベヤ1の躯体部分9に設けられた反射型センサ41は、スライドシュー4が、分岐路において、最大に摺動する位置で、スライドシュー4の位置を検出している。この位置において変位が最大となるため、検出が確実である。
【0072】
反射型センサ41としては、距離を測定できる測距センサがより好ましく、距離の程度によって、スライドシューの異常の程度が把握できるが、単純には、所定の検出距離を有するセンサを用いて、正常に進行する場合は検出範囲外で検出せず、異常の場合のみ検出範囲に入って検出できるような構成でもよい。
【0073】
なお、反射型センサ41はスライドシュー4が最大に摺動する位置でスライドシュー4を検出しているとしたが、この位置には限定されず、分岐を開始してから合流するまでの間であればよい。反射型センサ41の設置場所を自由に選択できる利点がある。
【0074】
このようにして、スライドシュー4の摺動異常が検知された場合は、仕分けコンベヤを停止し、該当するスライドシュー4やスラット3を清掃、修理または交換して、運用を再開すればよい。
【0075】
ここで、スライドシューの摺動異常を検出する反射型センサとして、LEDによるものとして説明したが、これに限定されず、レーザー、超音波などを用いた反射型センサであってもよい。精度や外乱の影響の低減などの効果が考えられる。
【0076】
なお、反射型センサ41の検出対象をスライドシュー4のシューキャップ14部分としたが、これに限定されるものではなく、スライドシュー4の、コンベヤ外側にあるシュースライド13、コンベヤ内側にある支持軸17、ホイール18を検出するようにしてもよく、更に、スライドシュー4に検出を容易にするための反射板のような部材を付加しそれを検出するようにしてもよい。
【0077】
また、スライドシュー4には、支持軸17の外周に、ベーンと称する、スライドシュー4の進行方向を制御する部材を追加する場合もあり、これを検知するようにしてもよい。
【0078】
更に、第二の実施形態でも、異常検知装置用の分岐部を設けるとして説明したが、このような分岐部を設けなくとも、実際に仕分けを行うための分岐部の直後に、異常検知装置を設けてもよい。仕分け開始前に異常なスライドシューを検知することはできないが、全体の構成は極めて簡素になるため、検知後の対応方法を工夫すれば、効果は大きい。
【0079】
ここで、第二の実施形態として、揺動板によるホイールの変位の検知と、スライドシューの摺動状態の検知とを併用することで、検知結果の組み合わせが生じ、次のような効果が得られる。
【0080】
例えば、揺動板による変位が検知されたが、スライドシューの摺動状況は正常であった場合は、ホイールの下方のみへの変位と考えられ、スライドシューの摺動に関わらない部分の損傷や、ホイールのガイドレール部分の損傷・摩耗などが原因と考えられ、損傷個所の発見や、交換部品の特定に役立つ。
【0081】
また、揺動板による変位とスライドシューの摺動異常のいずれもが検知された場合は、スライドシューやスラットの損傷であることもあるが、単に、汚れによる摺動抵抗の増加である場合もあり、その場合は部品交換をしなくても、清掃のみによって回復できる場合もあり、メンテナンス作業が容易に、かつ、安価に実施できるという効果が生じる。
【0082】
更に、例えば、
図10(3)のごとき形状の揺動板を用いて、揺動板による検知を、上下方向の変位を主に行うようにすると、スライドシューの摺動異常のみが検知され、揺動板の検知がなされない場合が想定され、その場合は、スライドシューの損傷よりも、スライドシューやスラットの汚れ、あるいはスラット側の変形の場合が多いと推測し得る。
【0083】
なお、本発明の第一の実施形態、第二の実施形態とも、スライドシュー異常検知装置を、仕分けコンベヤの往路の、実際に仕分けを行う直前に設けるとした。復路に設ける場合に比べると、重力の影響などに関してスライドシューの実際の仕分け動作に近い状態で検知がなされるので、精度が高いという利点がある。
【0084】
一方、この異常検知装置を、復路に設けるようにしてもよい。スペースに余裕があり、検知のための時間・距離が十分取れ、かつ、往路の機構部に影響を与えない利点はある。
【0085】
また、第二の実施形態において、揺動板による検知装置を往路に、反射型センサによる検知装置を復路に、(あるいはその逆に、)と分離して設置してもよい。シュースライドの異常状態を詳細に把握することができる。
【0086】
また、本発明の第一の実施形態、第二の実施形態とも、異常検知が必要な際に、分岐路へ向かう電磁石28を作動させるとして説明したが、常時、分岐路へ向かわせるようにしてもよい。その場合は、電磁石28の代わりに、永久磁石を用いてもよい。その際に、異常を検知することは、常時行っても、必要な場合のみ行ってもよい。
【0087】
なお、これまでの説明では、異常を検知するために、揺動する部材あるいは板を用いるとしたが、揺動には、軸を中心に両方向に回転する回動も含まれるものとする。