特許第6261114号(P6261114)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6261114トレンチバイアを有するマイクロ電子パッケージおよびその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261114
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】トレンチバイアを有するマイクロ電子パッケージおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20180104BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20180104BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20180104BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20180104BHJP
【FI】
   H01L21/88 T
   H01L23/12 501P
【請求項の数】19
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-178981(P2013-178981)
(22)【出願日】2013年8月30日
(65)【公開番号】特開2014-57058(P2014-57058A)
(43)【公開日】2014年3月27日
【審査請求日】2016年8月22日
(31)【優先権主張番号】13/610,488
(32)【優先日】2012年9月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504199127
【氏名又は名称】エヌエックスピー ユーエスエイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NXP USA,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ビー ビンセント
(72)【発明者】
【氏名】ジーウェイ ゴン
(72)【発明者】
【氏名】スコット エム ヘイズ
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス ミッチェル
【審査官】 佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−167191(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0240660(US,A1)
【文献】 特開2010−232408(JP,A)
【文献】 特開2003−060031(JP,A)
【文献】 特開2001−135722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205
H01L 21/768
H01L 23/12
H01L 23/522
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ電子パッケージを作製するための方法において、
複数のコンタクトパッドを有する第1のマイクロ電子デバイスの上に絶縁体層を堆積するステップであって、該絶縁体層は前記複数のコンタクトパッドを被覆する、絶縁体層を堆積するステップと、
前記絶縁体層内にトレンチバイアを形成するステップであって、前記トレンチバイアを通じて前記複数のコンタクトパッドを露出させ、前記トレンチバイアは、対向する小円鋸歯状側壁を含んでなり、前記小円鋸歯状側壁は内部に複数の中空部を有するように形成される、トレンチバイアを形成するステップと、
前記トレンチバイアを通じて露出される前記複数のコンタクトパッドをスパッタエッチングするステップと、
前記絶縁体層の上に、各々前記複数のコンタクトパッドのうちの異なるものに電気的に結合される複数の相互接続線を形成するステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記絶縁体を堆積するステップは、各々が複数のコンタクトパッドを有する第1のマイクロ電子デバイスおよび第2のマイクロ電子デバイスの上に絶縁体層を堆積するステップを含み、前記第1のマイクロ電子デバイス内に含まれる前記コンタクトパッドは、前記第2のマイクロ電子デバイス内に含まれる前記コンタクトパッドとは異なる材料から形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のマイクロ電子デバイス内に含まれる前記コンタクトパッドは、パラジウム、金、銅、スズ、銀、およびリードから成る群のうちの1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のマイクロ電子デバイスおよび前記第2のマイクロ電子デバイスをシステム・イン・パッケージとして結合するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のマイクロ電子デバイスはファンアウト・ウェハ・レベル・パッケージ内に含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のマイクロ電子デバイスは、該第1のマイクロ電子デバイスがそれを通じて露出されるデバイス表面を有するパッケージ本体内に封入され、前記方法は、
前記デバイス表面の上に、前記複数のコンタクトパッドと抵抗接触する再配線層を形成するステップであって、該再配線層は前記絶縁体層および前記複数の相互接続線を含む、再配線層を形成するステップと、
前記再配線層を通じて前記複数のコンタクトパッドに電気的に結合されるコンタクトアレイを生成するステップとをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のコンタクトパッドのうちの少なくとも1つは、パラジウムおよび金から成る群のうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記対向する小円鋸歯状側壁は、側方で前記複数の相互接続線のうちの隣接するもの同士の間に位置する中空部を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
絶縁体層を形成するステップは、上方に前記複数の相互接続線が形成される、前記絶縁体層の無傷の部分を残しながら、前記コンタクトパッドを露出させるトレンチを形成するために前記絶縁体層の選択される部分を除去するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記絶縁体層の無傷のまま残される前記部分は、前記絶縁体層の本体から内向きに伸張して前記コンタクトパッドに隣接して終端する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記中空部は各々、実質的に長方形の平面図幾何形状、実質的に楕円形の平面図幾何形状、および、実質的に鳩尾型の平面図幾何形状から成る群のうちの1つを付与される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のコンタクトパッドはコンタクトパッドの行を含み、前記中空部は前記コンタクトパッドの行内の1つおきのコンタクトパッドに隣接して形成され、前記複数の相互接続線は、前記複数の相互接続線のうちの異なるものが、前記対向する小円鋸歯状側壁の少なくとも1つの中に含まれる前記複数の中空部の各々にわたって伸張するように形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記トレンチバイアは、前記複数の中空部が各々、前記複数のコンタクトパッド内に含まれる前記コンタクトパッドの各々からそこまでの直接の見通し線が遮断される影の領域を備えるように形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
複数のコンタクトパッドを有する第1のマイクロ電子デバイスと、
前記第1のマイクロ電子デバイスの上に重なり、その中に形成されるトレンチバイアを有する絶縁体層であって、前記トレンチバイアは前記複数のコンタクトパッドの上に延在し、対向する小円鋸歯状側壁を有する、絶縁体層と、
前記トレンチバイア内に伸張し、各々が前記トレンチバイア内の前記複数のコンタクトパッドのうちの異なるものに電気的に結合される、前記絶縁体層の上に堆積される複数の相互接続線とを備える、マイクロ電子パッケージ。
【請求項15】
前記第のマイクロ電子デバイスとともにパッケージングされる第2のマイクロ電子デバイスをさらに備え、前記第2のマイクロ電子デバイスは、前記第1のマイクロ電子デバイス内に含まれる前記複数のコンタクトパッドとは異なる材料から形成される複数のコンタクトパッドを有する、請求項14に記載のマイクロ電子パッケージ。
【請求項16】
前記複数のコンタクトパッドは、パラジウムおよび金から成る群から選択される金属を含む、請求項14に記載のマイクロ電子パッケージ。
【請求項17】
前記対向する小円鋸歯状側壁は、各々が実質的に長方形の平面図幾何形状を有する複数の中空部を備える、請求項14に記載のマイクロ電子パッケージ。
【請求項18】
前記対向する小円鋸歯状側壁は、各々が実質的に楕円形の平面図幾何形状を有する複数の中空部を備える、請求項14に記載のマイクロ電子パッケージ。
【請求項19】
前記対向する小円鋸歯状側壁は、各々が実質的に鳩尾型の平面図幾何形状を有する複数の中空部を備え、該複数の中空部の各々は、前記複数のコンタクトパッドからの距離が増大するに連れて幅が増大する、請求項14に記載のマイクロ電子パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にはマイクロ電子パッケージに関し、より詳細には、改善されたトレンチバイアベースの相互接続構造を有するマイクロ電子パッケージおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ファンアウト・ウェハ・レベル・パッケージング(「FOWLP」)工程は、集積回路(「IC」)を担持する1つまたは複数の半導体ダイが埋め込まれる成形パッケージ本体を含んでなるダイパッケージの表面に、再配線層を形成することを伴うことが多い。再配線層は、ICダイ上に位置するコンタクトパッドと、完成したダイパッケージの表面の上に形成される、ボール・グリッド・アレイのなどのコンタクトアレイとの間に電気的相互接続を提供する。このようにして、再配線層は、コンタクトアレイが分散または展開されることができる有意に大きい表面積を提供しながら、コンタクトパッドが相対的に密なパッド同士の間隔またはピッチを有することを可能にする。再配線層を生成するために、絶縁体またはパッシベーション材料の1つまたは複数の層が、最初にICダイの上に堆積され、コンタクトパッドを被覆する。1つの従来の手法では、各コンタクトパッドの部分を露出させるために絶縁体層を通じて別個のバイアがエッチングされ、次いで、コンタクトパッドとのオーミックコンタクトを設けるために各バイア内に金属プラグまたは他の導体が形成され、次いで、回路または相互接続線が各導体に接続するように形成される。つい最近では、上に重なっている絶縁体を貫通して複数のコンタクトパッドを同時に露出させるために「トレンチバイア」と称する単一の細長いバイアを形成し、続いて相互接続線を、トレンチバイア内に延在してその中に位置するコンタクトパッドに直接に接するように形成する、改善された手法が導入されてきている。そのような手法は、ファインピッチ相互接続構造が、再配線層内に効率的かつ信頼性があるように生成されることを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7528069号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
システム・イン・パッケージなどの、高密度のトレンチバイアベースの相互接続構造を有する少なくとも1つのマイクロ電子デバイスを含むマイクロ電子パッケージを提供する。本発明のμ電子パッケージは、コンタクトパッドのうちの1つまたは複数がスパッタエッチ排除に対して脆弱な材料から作製され、作製工程中に高エネルギースパッタエッチが実行される場合であっても、望ましくない漏電経路の形成が阻害される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、マイクロ電子パッケージを作製するための方法において、複数のコンタクトパッドを有する第1のマイクロ電子デバイスの上に絶縁体層を堆積するステップであって、該絶縁体層は前記複数のコンタクトパッドを被覆する、絶縁体層を堆積するステップと、前記絶縁体層内にトレンチバイアを形成するステップであって、前記トレンチバイアを通じて前記複数のコンタクトパッドを露出させ、前記トレンチバイアは、対向する小円鋸歯状側壁を含んでなり、前記小円鋸歯状側壁は内部に複数の中空部を有するように形成される、トレンチバイアを形成するステップと、前記トレンチバイアを通じて露出される前記複数のコンタクトパッドをスパッタエッチングするステップと、前記絶縁体層の上に、各々前記複数のコンタクトパッドのうちの異なるものに電気的に結合される複数の相互接続線を形成するステップとを備える、方法を要旨とする。
【0006】
第2の態様において、前記堆積するステップは、各々が複数のコンタクトパッドを有する第1のマイクロ電子デバイスおよび第2のマイクロ電子デバイスの上に絶縁体層を堆積するステップを含み、前記第1のマイクロ電子デバイス内に含まれる前記コンタクトパッドは、前記第2のマイクロ電子デバイス内に含まれる前記コンタクトパッドとは異なる材料から形成されるものであってもよい。
【0007】
第3の態様は、第2の態様において、前記第1のマイクロ電子デバイス内に含まれる前記コンタクトパッドは、パラジウム、金、銅、スズ、銀、およびリードから成る群のうちの1つを含む。
【0008】
第4の態様は、第2の態様において、前記第1のマイクロ電子デバイスおよび前記第2のマイクロ電子デバイスをシステム・イン・パッケージとして結合するステップをさらに含む。
【0009】
第5の態様は、前記マイクロ電子デバイスはファンアウト・ウェハ・レベル・パッケージ内に含まれる。
第6の態様は、第1の態様において、前記第1のマイクロ電子デバイスは、該第1のマイクロ電子デバイスがそれを通じて露出されるデバイス表面を有するパッケージ本体内に封入され、前記方法は、前記デバイス表面の上に、前記複数のコンタクトパッドと抵抗接触する再配線層を形成するステップであって、該再配線層は前記絶縁体層および前記複数の相互接続線を含む、形成するステップと、前記再配線層を通じて前記複数のコンタクトパッドに電気的に結合されるコンタクトアレイを生成するステップとをさらに備える。
【0010】
第7の態様は、第1の態様において、前記複数のコンタクトパッドのうちの少なくとも1つは、パラジウムおよび金から成る群のうちの1つを含む。
第8の態様は、第1の態様において、前記対向する小円鋸歯状側壁は、側方で前記複数の相互接続線のうちの隣接するもの同士の間に位置する中空部を備える。
【0011】
第9の態様は、第1の態様において、絶縁体層を形成するステップは、上方に前記複数の相互接続線が形成される、前記絶縁体層の無傷の部分を残しながら、前記コンタクトパッドを露出させるトレンチを形成するために前記絶縁体層の選択される部分を除去するステップを含む。
【0012】
第10の態様は、第9の態様において、前記絶縁体層の無傷のまま残される前記部分は、前記絶縁体層の本体から内向きに伸張して前記コンタクトパッドに隣接して終端する。
第11の態様は、第1の態様において、前記中空部は各々、実質的に長方形の平面図幾何形状、実質的に楕円形の平面図幾何形状、および、実質的に鳩尾型の平面図幾何形状から成る群のうちの1つを付与される。
【0013】
第12の態様は、第1の態様において、前記複数のコンタクトパッドはコンタクトパッドの行を含み、前記中空部は前記コンタクトパッドの行内の1つおきのコンタクトパッドに隣接して形成され、前記複数の相互接続線は、前記複数の相互接続線のうちの異なるものが、前記対向する小円鋸歯状側壁の少なくとも1つの中に含まれる前記複数の中空部の各々にわたって伸張するように形成される。
【0014】
第13の態様は、第1の態様において、前記トレンチバイアは、前記複数の中空部が各々、前記複数のコンタクトパッド内に含まれる前記コンタクトパッドの各々からそこまでの直接の見通し線が遮断される影の領域を備えるように形成される。
【0015】
第14の態様は、マイクロ電子パッケージを作製するための方法において、複数のコンタクトパッドを有する第1のマイクロ電子デバイスの上に絶縁体層を堆積するステップであって、該絶縁体層は前記複数のコンタクトパッドを被覆する、絶縁体層を堆積するステップと、前記絶縁体層を通じて前記複数のコンタクトパッドを露出させるトレンチバイアを形成するために前記絶縁体層の選択される部分を除去するステップであって、前記トレンチバイアは、前記複数のコンタクトパッドから側方間隙によってずれた少なくとも1つのセグメントを有する、対向する側壁を含むように形成される、前記絶縁体層の選択される部分を除去するステップと、前記トレンチを通じて露出される前記複数のコンタクトパッドをスパッタエッチングするステップと、前記絶縁体層の上に、前記トレンチバイア内に位置する前記複数のコンタクトパッドに接続するために前記トレンチバイア内へ、また前記側方間隙にわたって延在する複数の相互接続線を形成するステップとを備える、方法を要旨とする。
【0016】
第15の態様は、複数のコンタクトパッドを有する第1のマイクロ電子デバイスと、前記第1のマイクロ電子デバイスの上に重なり、その中に形成されるトレンチバイアを有する絶縁体層であって、前記トレンチバイアは前記複数のコンタクトパッドの上に延在し、対向する小円鋸歯状側壁を有する、絶縁体層と、前記トレンチバイア内に伸張し、各々が前記トレンチバイア内の前記複数のコンタクトパッドのうちの異なるものに電気的に結合される、前記絶縁体層の上に堆積される複数の相互接続線とを備える、マイクロ電子パッケージを要旨とする。
【0017】
第16の態様は、第15の態様において、前記第2のマイクロ電子デバイスとともにパッケージングされる第2のマイクロ電子デバイスをさらに備え、前記第2のマイクロ電子デバイスは、前記第1のマイクロ電子デバイス内に含まれる前記複数のコンタクトパッドとは異なる材料から形成される複数のコンタクトパッドを有する。
【0018】
第17の態様は、第15の態様において、前記複数のコンタクトパッドは、パラジウムおよび金から成る群から選択される金属を含む。
第18の態様は、第15の態様において、前記対向する小円鋸歯状側壁は、各々が実質的に長方形の平面図幾何形状を有する複数の中空部を備える。
【0019】
第19の態様は、第15の態様において、前記対向する小円鋸歯状側壁は、各々が実質的に楕円形の平面図幾何形状を有する複数の中空部を備える。
第20の態様は、第15の態様において、前記対向する小円鋸歯状側壁は、各々が実質的に鳩尾型の平面図幾何形状を有する複数の中空部を備え、該複数の中空部の各々は、前記複数のコンタクトパッドからの距離が増大するに連れて幅が増大する。
【0020】
以下、添付の図面とともに本発明の少なくとも1つの例を説明する。図面において同様の参照符号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】トレンチバイアを含み、従来技術の教示にしたがって製造される例示的なマイクロ電子パッケージ(部分的に図示)の上面斜視図。
図2】完成の一段階における全体が小円鋸歯状の(crenulated through)トレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図3】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図4】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図5】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図6】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図7】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図8】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図9】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図10】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図11】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図12】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図13】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図14】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図15】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図16】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図17】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図18】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図19】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図20】完成の一段階における全体が小円鋸歯状のトレンチバイアを含み、本明細書に記載の例示的な作製方法の一実施形態にしたがって製造される、例示的なマイクロ電子パッケージを示す図。
図21】本発明のさらなる例示的な実施形態による、全体が小円鋸歯状のトレンチバイアに与えられることができる1つの平面図幾何形状を示す部分的に完成したマイクロ電子パッケージ(そのうち限られた部分のみ図示)の上面図。
図22】本発明のさらなる例示的な実施形態による、全体が小円鋸歯状のトレンチバイアに与えられることができる1つの平面図幾何形状を示す部分的に完成したマイクロ電子パッケージ(そのうち限られた部分のみ図示)の上面図。
図23】本発明のさらなる例示的な実施形態による、全体が小円鋸歯状のトレンチバイアに与えられることができる1つの平面図幾何形状を示す部分的に完成したマイクロ電子パッケージ(そのうち限られた部分のみ図示)の上面図。
図24】本発明のさらなる例示的な実施形態による、全体が小円鋸歯状のトレンチバイアに与えられることができる1つの平面図幾何形状を示す部分的に完成したマイクロ電子パッケージ(そのうち限られた部分のみ図示)の上面図。
図25】本発明のさらなる例示的な実施形態による、全体が小円鋸歯状のトレンチバイアに与えられることができる1つの平面図幾何形状を示す部分的に完成したマイクロ電子パッケージ(そのうち限られた部分のみ図示)の上面図。
図26】本発明のさらなる例示的な実施形態にしたがって示される、側方オフセットトレンチバイアを有する部分的に完成したマイクロ電子パッケージの上面図。
図27】本発明のさらなる例示的な実施形態にしたがって示される、側方オフセットトレンチバイアを有する部分的に完成したマイクロ電子パッケージの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
簡潔かつ明瞭な説明のために、図面は一般的な構築様式を示し、既知の特徴および技法の説明および詳細を、後続の詳細な説明に記載の本発明の例示的で非限定的な実施形態を不必要に曖昧にすることを回避するために省略する場合がある。さらに、添付の図面に見られる特徴または要素は、別途記載されない限り、原寸に比例して描かれてはいないことを理解されたい。たとえば、本発明の実施形態の理解の向上のために、図面内のいくつかの要素または領域の寸法は他の要素または領域に対して誇張されている場合がある。
【0023】
下記の詳細な記載は本質的に例示に過ぎず、本発明または本発明の適用および使用を限定することは意図されていない。例示として本明細書に記載されるすべての実施例は、必ずしも他の実施例よりも好適であるまたは優位であるとは解釈されない。さらに、上記背景技術、または以下の詳細な説明で提示される、いかなる理論によっても束縛されることは意図されていない。
【0024】
本記載および特許請求の範囲に見られる場合、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などの用語は、同様の要素間で区別するために使用されることができ、必ずしも特定の連続する、または経時的な順序を示すためのものではない。したがって、そのような用語は交換可能に使用されることができ、本発明のその実施形態は、本明細書に図示または他の様態で記載されている以外の順序で動作することが可能である。さらに、「備える(comprise)」、「含む(include)」、「有する(have)」などの用語は非排他的な包含をカバーするように意図され、それによって、要素のリストを含む工程、方法、製品、または装置は必ずしもそれらの要素に限定されず、明示的に列挙されていないまたはこのような工程、方法、製品、または装置に内在する他の要素を含むことができる。本明細書に見られる「結合される(coupled)」という用語は、電気的または非電気的な様式で直接的または間接的に接続されるものとして定義される。さらに、「実質的な」および「実質的にという用語は、特定の特徴または状態が、記載されている目的を実際的な様式で達成するのに十分であること、および、わずかな欠陥または差異がある場合、それらは記載されている目的にとって重大でないことを示すために利用される。
【0025】
本明細書に見られる場合、「マイクロ電子デバイス」という用語は、相対的に小型に製造され、下記の様式でパッケージングするのに適した電子デバイス、要素、または構成要素を指すために広い意味で利用される。マイクロ電子デバイスは、半導体ダイ上に形成されるIC、微小電気機械システム(「MEMS」)、受動電子構成要素、光学デバイス、および、ほんの数例を上げると、処理、メモリ、検知、無線周波数、光学、およびアクチュエータの機能を提供することが可能な他の小型電子デバイスを含むが、これらには限定されない。「マイクロ電子パッケージ」という用語は、電気的に相互接続されている場合もあるし、されていない場合もある、少なくとも1つ、一般的には2つ以上のマイクロ電子デバイスを含む構造またはアセンブリを指す。同様に、「システム・イン・パッケージ」またはより単純に「SiP」という用語は、構造および/または機能が異なる2つのマイクロ電子デバイスを含むマイクロ電子パッケージを指すのに利用される。さらに本明細書に見られる場合、「コンタクトパッド」という用語は、前に定義されたマイクロ電子デバイスの導電性要素または接触点を指すのに利用される。最後に、「〜から作製される(fabricated from)」、「〜から形成される(formed from)」という語句ならびに類似の用語および語句は、コンタクトまたはダイパッドのような特定の構造要素の少なくとも一部が、パラジウムまたは金のような、挙げられている材料を主成分として含むことを示すのに利用され、必ずしも、特定の構造要素の全体が挙げられている材料から作製されることを示すものではない。
【0026】
図1は、一部が完成した状態を示す、従来技術にしたがって製造されたマイクロ電子パッケージ30の一部の上面図(わずかな傾き角度をつけた斜視図で示す)である。マイクロ電子パッケージ30において図示した部分は、集積回路ダイ(図1からは視認できない)の上に形成された絶縁体材料32の1つまたは複数の層を含む。ICダイは、行を成すコンタクトパッド34を含んでなり、そのうちのいくらかは細長いトレンチバイア36によって絶縁体材料32から露出している。金属トレースなどの相互接続線38が絶縁体材料32の上に形成され、トレンチバイア36内へコンタクトパッド34に向かって伸張する。各相互接続線38は、種々のコンタクトパッド34と接触して、コンタクトパッドとの電気通信を提供し、たとえば、相互接続線38は、各コンタクトパッド34を、マイクロ電子パッケージ30の上面の上に後に形成されるコンタクトアレイナンバーに含まれる種々のコンタクトに電気的に結合し得る。複数の整列したコンタクトパッド34を露出させる細長いトレンチバイア36をこのように形成することによって、複数の別個のバイアが形成されて各個々の導電性パッドが露出され金属プラグのような導体が各バイア内に形成される他の従来の作製技法と比較して、相対的に狭いパッド間の間隔、すなわち精細なピッチが達成されることができる。このタイプのファイン・ピッチ・トレンチ・バイアベースの相互接続構造を生成するのに適した例示的な作製技法のさらなる説明は、本出願の譲受人に譲受される、2009年5月5日に発行された「ファインピッチ相互接続および作成方法(FINE PITCH INTERCONNECT AND METHOD OF MAKING)」と題する米国特許第7,528,069号明細書に見ることができる。
【0027】
マイクロ電子パッケージ30の製造中、たとえば、トレンチバイア36の形成後にそこから任意の塵、酸化物、パッシベーション材料、または他の汚染物を除去するために、コンタクトパッド34の上面をスパッタエッチングすることが望ましい場合がある。コンタクトパッド34は、アルミニウムまたは相対的に低いスパッタレートを有する類似の材料、すなわち、高エネルギースパッタエッチの存在下でコンタクトパッド材料の排除またはスパッタリングに対して相対的に耐性のある材料から形成されることが多い。したがって、スパッタエッチのパラメータは、コンタクトパッド34の上面上に存在する任意の汚染物が完全に除去されることを確実にするために、相対的に積極的であるように調整され得る。本件の発明者らは、各々が複数のマイクロ電子デバイスを含み、したがって各々がトレンチバイアによって露出されるいくつかのコンタクトパッドを含む1つまたは複数のマイクロ電子パッケージを同時に処理する必要があると認識するに至った。いくつかの事例において、コンタクトパッド材料は、1つのマイクロ電子デバイスのコンタクトパッドがアルミニウムのような、スパッタエッチ排除に対して耐性のある第1の材料から形成され、一方で第2のマイクロ電子デバイスのコンタクトパッドは、相対的に高いスパッタレートを有し、高エネルギースパッタエッチの存在下での排除に対して脆弱である異なる材料から形成されるように、マイクロ電子デバイスの間で異なっている場合がある。相対的に高いスパッタレートを有し、第2のマイクロ電子デバイスのコンタクトパッドのうちの1つまたは複数が形成され得る材料には、パラジウム、金、銅、スズ、銀、およびリードが含まれるが、これらの限定されない。結果として、両方のデバイスにおいて高エネルギースパッタエッチが同時に実行される場合、第2のマイクロ電子デバイスからの望ましくない大量のコンタクトパッド材料がコンタクトパッドから排除されてトレンチバイアの対向する側壁に再堆積される場合がある。各コンタクトパッドを個々に露出させるために離散したバイアが形成されるより従来的な相互接続構造では、そのような排除およびバイア側壁上への再堆積は、一般的に、隣接するバイア同士が本質的に隔壁によって分離され、したがって、隣接するパッド間に延在する連続平面をもたらさないため、許容可能であるが、バイアトレンチベースの相互接続構造の場合は、トレンチバイアの対向する側方側壁(図1において参照符号「40」で識別される)が隣接するパッド34と相互接続線38との間に延在する連続平面をもたらす。その結果として、また図1に破線42によって示されるように、また、従来技術におけるこの問題の認識に関する暗黙の了解はないため、トレンチバイア側壁40上にパッド材料が再堆積される結果として、隣接するパッド34および/または相互接続線38の間に漏電経路が形成され、それによって、マイクロ電子パッケージ30の性能に悪影響を及ぼす可能性がある。スパッタエッチのパラメータを、積極的なスパッタエッチの存在下での排除に対して脆弱であるコンタクトパッド材料の排除および再堆積を最小限に抑えるように調整することが可能であり得るが、これによって、一般的に、そのような問題の影響をより受けにくい材料から作製されるコンタクトパッドからの汚染物の除去においてスパッタエッチの効率が低下する。
【0028】
非限定的な例として、以下は、システム・イン・パッケージのような、高密のトレンチバイアベースの相互接続構造を有する少なくとも1つのマイクロ電子デバイスを含むマイクロ電子パッケージを製造するための作製方法であって、コンタクトパッドのうちの1つまたは複数がスパッタエッチ排除に対して脆弱な材料から作製され、作製工程中に高エネルギースパッタエッチが実行される場合であっても、望ましくない漏電経路の形成が阻害される、作製方法の例示的な実施形態を説明する。特定の実施形態において、これは、コンタクトパッド材料がトレンチ側壁上に再堆積されることによって隣接するコンタクトパッドまたは相互接続線の間に連続した漏れ経路が形成されることを防止するために、一般的にトレンチバイア側壁によってもたらされる連続平面を分離する、小円鋸歯状の、起伏のある、またはポケット状の側壁をトレンチバイアに付与することによって達成される。加えて、小円鋸歯状トレンチバイア側壁内に形成される中空部またはポケットは、コンタクトパッドから排除されるより大きい割合のコンタクトパッド材料粒子が、スパッタエッチ行程中に側壁に衝突することを回避することを可能にすることによって、側壁上に堆積されるコンタクトパッド材料の量を最小限に抑えることもできる。小円鋸歯状側壁を有するトレンチバイア、および、そのような小円鋸歯状トレンチバイアを形成するのに適した工程の例を、図2図25に関連して下記に説明する。トレンチバイア側壁に小円鋸歯状平面図形状を付与するのに加えて、またはその代替として、図26および図27に関連して下記により十分に説明されるように、コンタクトパッドとトレンチ側壁の下端との間に側方空隙が設けられて、高エネルギースパッタエッチ中に側壁上に堆積されるコンタクトパッド材料の量がさらに最小限に抑えられ得る。
【0029】
図2は、本発明の例示的で非限定的な実施形態にしたがって示される、部分的に完成したマイクロ電子パッケージ50の一部分の簡略断面図である。マイクロ電子パッケージ50の示される部分は、パッケージ本体56内に並びあった関係で埋め込まれる第1のマイクロ電子デバイス52および第2のマイクロ電子デバイス54を含む。マイクロ電子パッケージ50は、マイクロ電子デバイス52および54の機能または構造が異なる実施形態では「システム・イン・パッケージ」と称される場合もある。マイクロ電子デバイス52および54は各々、1つまたは複数の行を成すコンタクトパッド(マイクロ電子デバイス52および54がICダイの形態をとる実施形態では「ランドパッド」または「ダイパッド」とも一般的に称される)を含む。たとえば、また各行内の1つのみのコンタクトパッドが示された断面図に見えていると理解した上で)、マイクロ電子デバイス52は、第1の行のコンタクトパッド58および第2の行のコンタクトパッド60を含み得、これらは、実質的に平行な軸に沿って(示されている方向において紙面中に)伸張し得る。同様に、マイクロ電子デバイス54は、同様に実質的に平行な軸に沿って伸張する、第1の行のコンタクトパッド62および第2の行のコンタクトパッド64を含み得る。図2にさらに示すように、マイクロ電子デバイス52および54は、パッケージ本体56の表面66(本明細書において「デバイス表面66」と称する)を通じて露出され、それによって、行58、60、62、および64内に含まれるコンタクトはマイクロ電子パッケージ50の外側から露出する。
【0030】
パッケージ本体56は必須ではないが好都合には、再分配チップパッケージング(「RCP」)製造工程を利用して製造される。そのような工程を利用して製造される場合、マイクロ電子パッケージ50は、製造工程のこの段階においてRCPデバイスパネルとして接合または相互接続される、いくつかの他のマイクロ電子パッケージ(図示せず)に接続され得る。そのような実施形態では、RCPデバイスパネルは以下のように製造され得る。最初に、いくつかのマイクロ電子デバイス(デバイス52および54はその中に含まれる)が、支持基板またはキャリアの表面の上に所望の空間的配置に分散される。もう1つの剥離層が、マイクロ電子デバイスを位置付ける前にキャリアの晩餐表面の上に被着または形成されてもよい。貫通する中央空洞または開口を有する成形フレームが、キャリアの上およびマイクロ電子デバイスのアレイの周囲に位置付けられる。その後、シリカ充填エポキシ樹脂のような封入材料が、成形フレームの空洞内に注入され、マイクロ電子デバイスの上に流れ出る。封入材料がデバイスの最上面またはコンタクト非保持面の上に流れ出ることを可能にするために、十分な量の封入材料が一般的にマイクロ電子デバイスの上に注入される。封入材料はその後、マイクロ電子デバイスが埋め込まれる固体パネル本体をもたらすために、たとえば、オーブン硬化によって固められ得る。パネル本体は選択される封入材料に応じて剛性であってもよく、または可撓性であってもよい。パネル本体は、その後キャリアから剥離されて、デバイスが露出されるパネル本体の裏面、たとえば、図2のデバイス表面66を暴露する。所望される場合、パネル本体の正面は、パネル本体をキャリアから剥離する前に、デバイスパネルを所望の厚さにするために研磨または研削されてよい。代替的な実施形態では、パネル本体は、たとえば、圧縮成形およびラミネート工程を含む、他の既知の作製技法を利用して製造されてもよい。下記に記載する再配線層の作製およびコンタクトの形成の後、複数の別個のマイクロ電子パッケージをもたらすために、RCPデバイスパネルは後に単離される。
【0031】
1つまたは複数の再配線層が部分的に完成したマイクロ電子パッケージ50のデバイス表面66の上に構築されて、パッド行58、60、62、および64内に含まれるコンタクトパッドと、ボール・グリッド・アレイのような、最上の再配線層の上に作製される、続いて製造されるコンタクト構成内に含まれる対応するコンタクトとの間の電気的接続がもたらされる。再配線層は一般的に、絶縁体材料の少なくとも1つの層を含み、その中、またはその上に複数の相互接続線が形成される。相互接続線は、銅トレースのような金属トレースとして作製され得、複数の連続して形成される再配線層が存在する実施形態では、相互接続線は異なるレベルに形成され、充填バイア、めっきバイア、金属プラグなどによって電気的に接続され得る。説明を容易にするために、以下では主に、いくつかの相互接続線がデバイス表面66の上に形成され、マイクロ電子デバイス52のコンタクトパッド行60内に含まれるいくつかのコンタクトパッドと抵抗接触する様式を説明する。しかしながら、マイクロ電子デバイス52のコンタクトパッド行58内に含まれるコンタクトパッドおよびマイクロ電子デバイス54のコンタクトパッド行62および64内に含まれるコンタクトパッドと抵抗接触する相互接続線を形成するために、類似の工程が同様に利用されることができることは了解されよう。下記に記載の相互接続作製工程は、有利には、マイクロ電子デバイス52およびマイクロ電子デバイス54の両方の中に含まれるコンタクトパッド、ならびに、パッケージ50内に含まれ得る任意の他のマイクロ電子デバイスについて同時に実行される。さらに、部分的に完成したパッケージ50が事前に単離されたRCPデバイスパネル内に含まれる他の部分的に完成したパッケージのうちのいくつかに接合される実施形態では、以下の工程は作製効率およびスループットを向上させるために、RCPデバイスパネル内に含まれるすべてのデバイスに対して全体的に実行されることができる(いわゆる「パネルレベル処理」)。
【0032】
図3は、マイクロ電子デバイス52の一部分の上面図であり、図4は、図3の線4−4に沿ってとられた、マイクロ電子デバイス52の一部分の断面図である。基準枠を提供するために、図3および図4に示すマイクロ電子デバイス52の部分は、一般的に、図2において破線の円68によって識別されるデバイス52の部分に対応する。図3から最も容易にわかるように、コンタクト行60は、少なくとも3つのコンタクト、すなわち、コンタクト60(a)、コンタクト60(b)、および60(c)を含む。図3において省略記号70によって示すように、コンタクト行60は、明瞭にするために図示されていないいくつかの追加のコンタクトをも含んでもよい。コンタクトパッド60(a)〜(c)およびコンタクトパッド行60内に含まれる任意の他のコンタクトパッドは、実質的に直線的配置に位置付けられ、実質的に一定の間隔をおいて長手方向軸72(図3)に沿って離間されるが、常にこの通りである必要はない。再び簡単に図2を参照すると、コンタクトパッド行58、62、および64も、同様に直線的に分散されたグループ分けのコンタクトパッドを含んでもよく、これらのコンタクトパッドは軸72に実質的に平行な軸に沿って離間されてもよい。
【0033】
上記のように、また図2図4をまとめて参照すると、コンタクトパッド行58、60、62、および64内に含まれるコンタクトは、実質的に類似の形状、サイズ、ピッチ、および向きを有してもよいし、有しなくてもよい。しかしながら、特定の実施形態では、コンタクトパッド行60内に含まれるコンタクトパッド(および、同様にコンタクトパッド行58内に含まれるコンタクトパッドも)は、行62および64内に含まれるコンタクトパッドとは、少なくとも1つの顕著な点において異なっている場合があり、すなわち、行60内に含まれるコンタクトパッドの少なくとも1つ、一般的にすべては、行62および64内に含まれるコンタクトパッドとは異なる材料から作製される場合がある。特に、行60内に含まれるコンタクトパッドの少なくとも1つ、一般的にはすべて(図2図4)は、図7および図8に関連して下記に説明するタイプの積極的なスパッタエッチを受けるときに排除に対して脆弱である第1の材料(たとえば、パラジウム、金、銅、スズ、銀、またはリード、好ましくはパラジウムおよび金)から作製され得、一方で行62および64(図2)内に含まれるコンタクトパッドは、そのような高エネルギースパッタエッチの存在下での排除の影響をより受けにくい、アルミニウムのような第2の材料から作成され得る。この理由から、下記に説明する作製工程の実施形態は、行60(および、適切な場合は行58も)内に含まれるコンタクトパッドを露出させるために、下記に説明するスパッタエッチ行程中に漏電経路の形成を防止または少なくとも最小限に抑える、小円鋸歯状トレンチバイアを形成することを含む。可能性は決して除外されるわけではないが、小円鋸歯状トレンチバイアは一般的に、コンタクトパッド行62および64内に含まれるコンタクトが下記に説明するスパッタエッチ行程中の排除に耐性がある材料から作製される実施形態では、当該コンタクトパッド行の相互接続中に形成される必要はない。
【0034】
図3および図4に示すように、次に、絶縁体材料74がマイクロ電子デバイス52の上面の上に堆積される。絶縁体材料74は、電気的に絶縁性の、および/またはパッシベーション材料の1つまたは複数の層として堆積され得るが、説明を容易にするために、絶縁体材料74は単一の層として図3および図4に示され、下記でそのように参照される。絶縁体層74は、コンタクト行60(図3に点線で示す)内に含まれるコンタクトパッド60(a)〜(c)を被覆する。一実施形態では、絶縁体層74は、スピンオンコーティング技法を利用して堆積される、エポキシ樹脂のような有機ポリマーから形成される。さらなる実施形態では、他の既知の技法を利用してマイクロ電子デバイス52の上面の上に堆積または他の様態で形成される様々な他の電気的に絶縁性の材料。非限定的な例として、絶縁体層74は約5〜約30マイクロメートル(ミクロン)の厚さまで堆積されてもよい。
【0035】
図5および図6を参照すると、次に、コンタクトパッド60(a)〜(c)を露出させるために、トレンチバイア76が絶縁体層74内に形成される。図5に最も明瞭に示されるように、トレンチバイア76は、コンタクトパッド60(a)〜(c)がそれに沿って分散される軸(再び、図3において破線72によって識別される)に実質的に平行であり、好ましくは一般的に同一直線上にある軸に沿って伸張する。トレンチバイア76は、小円鋸歯平面形状を有する対向する側壁78を含む、すなわち、側壁78は、側方でコンタクトパッド60(a)〜(c)の外方かつスパッタ軌道(後述)の外方の方向において絶縁体層74の残りの部分内に伸張するいくつかのポケットまたは中空部80を含むように形成される。図5において最も明瞭にわかるように、隣接するまたは向き合う中空部80は、トレンチバイア76の長手方向軸に沿って整列し、それによって、バイア76は、最大幅(図5において「WMAX」として識別される)と最小幅(図5において「WMIN」として識別される)との間で変化する横幅を有する。図示の例において、小円鋸歯状トレンチバイア76の狭い区画は、一般的にコンタクトパッド60(a)〜(c)と整列し、一方でトレンチバイア76のより広い区画はパッド60(a)〜(c)とずれているか、またはそれらの間に散在しているが、さらなる実施形態では、小円鋸歯状トレンチバイア76は、トレンチバイア76のより広い区画(「WMAX」)が代わりにコンタクトパッド60(a)〜(c)と整列するように形成されてもよい。各中空部80は、図5および図6に示す実施形態では一般的に丸みを帯びた長方形の平面図形状を有するように形成されるが、中空部80は、その上に再堆積されるエッチパッド材料の量を最小限に抑えるのに、かつ/または隣接するコンタクトパッド60(a)〜(c)または相互接続線(後述)の間に不連続な堆積面をもたらすのに適した任意の幾何形状を有するように形成されることができる。中空部80は、絶縁体層74の残りの部分から形成される複数の側方突起、突出部、または指状部82を画定し、それらの間に散在する。指状部82は、残りの絶縁体層74の本体からトレンチバイア76によって露出されるコンタクトパッド60(a)〜(c)に向かって伸張する。図示の例では、指状部82は各々、コンタクトパッド60(a)〜(c)に隣接して終端し、それによって、指状部の端壁は、(図5の紙面内に向かう)マイクロ電子デバイス50の厚さを通じてとられるコンタクトパッド側壁と実質的に整列する。指状部82の最下端は、コンタクトパッド62の上面に接してもよく、または代わりに側方空隙または間隙によってそれから離間してもよい。
【0036】
小円鋸歯状トレンチバイア76は、たとえば、フォトリソグラフィおよびレーザアブレーション工程を含む、任意の適切な材料除去工程を利用して形成されることができる。たとえば、図6に示すように、トレンチバイア76の対向する側壁78は、これが意図的に行われるか、またはトレンチバイア76を作成するために利用される材料除去工程によるものかにかかわらず、傾斜した断面プロファイルを付与され得る。さらなる実施形態では、側壁78は、特に、トレンチバイア76を生成するために反応性イオンエッチングまたは他の乾式異方性エッチングが採用される実施形態において、垂直に近い断面プロファイルを付与され得る。またさらなる実施形態では、トレンチバイア76の対向する側壁78は曲線を有するまたは傾斜した断面プロファイルを付与されてもよい。さらに、本明細書において小円鋸歯状トレンチバイア76が単一の行60のコンタクトパッドを露出させるものとして図示および説明されているが、小円鋸歯状トレンチバイア76の幅および/または長さは、単一の小円鋸歯状バイアが複数の隣接する行のコンタクトパッドを露出させるように、代替的な実施形態においては増大されることができることは了解されよう。
【0037】
小円鋸歯状トレンチバイア76の形成後、スパッタエッチが実行されて、コンタクトパッド60(a)〜(c)の表面の上に存在し得る任意の酸化物、塵芥、パッシベーション材料、または他の汚染物が除去される。上記のように、スパッタエッチは、マイクロ電子デバイス54内に含まれるコンタクトパッド(図2)のような、低スパッタレートを有し、したがって、スパッタ・エッチ・アブレーションまたは排除に対する耐性の高い材料から作製されるコンタクトパッドからの汚染物の除去に最適化された工程条件下で実行され得る。たとえば、相対的に積極的な無線周波数(RF)スパッタエッチ工程は、真空下で実行され得、その間、コンタクトパッドは、アルゴンイオンのような選択されるタイプのイオンを含む電気またはマイクロ波誘導プラズマを受ける。しかしながら、さらに上記で述べたように、そのような積極的なスパッタエッチによって、コンタクトパッド行58(図2)および/またはコンタクトパッド行60(図2図6)内に含まれるコンタクトパッドがそのような問題を受けやすい材料から作製される実施形態では、マイクロ電子デバイス54(図2図6)内に含まれるコンタクトパッドの部分が排除されるか、または跳ね飛ばされることになり得る。さらにこの点を強調すると、図7および図8は、それぞれ、スパッタエッチ行程中のコンタクトパッド60(b)からのコンタクトパッド材料の排除を概念的に示すマイクロ電子デバイス52の上面図および断面図である。選択されるイオン種が(図8において矢印84によって表されるように)照射される結果として、コンタクトパッド材料の原子または粒子が(図8においてコンタクトパッド60(b)について矢印86によって表されるように)コンタクトパッド60(a)〜(c)から射出またはスパッタリングされる。一般的に、排除された金属粒子は様々な速度において様々な異なる軌道に沿って進むが、粒子の進行の平均軌道は一般的に、図8を参照することによって了解され得るような、トレンチバイア76の床から外方の上向きとなる。
【0038】
トレンチバイア76の対向する小円鋸歯状側壁78に設けられる側方中空部またはポケット80は、図15および図16に関連して後述されるように、隣接するコンタクトパッド60(a)〜(c)、またはトレンチバイア76およびコンタクトパッド60(a)〜(c)の上に後に形成される、隣接する相互接続線の間に延在する漏れ導電路が形成されるのを阻害する。中空部80は、2つの様式のうちの少なくとも1つにおいて、そのような漏れ導電路が形成されるのを阻害する。第1に、中空部80は、コンタクトパッド60(a)〜(c)から排除されるより大きい割合のコンタクトパッド材料粒子が、排除される粒子の上向きの軌道に起因して側壁に衝突するのを回避することを可能にすることによって、小円鋸歯状側壁78上に堆積されるコンタクトパッド材料の量を最小限に抑える。第2に、中空部80は、そうでなければ、トレンチバイア76が概して長方形の幾何形状を有し真っ直ぐな側壁を有するように形成された場合にコンタクトパッド60(a)〜(c)間にもたらされることになる連続した側壁表面の可能性をなくす。結果として、たとえ相当量のコンタクトパッド材料が中空部80内、または指状部82の内側末端部上に(図7において矢印87によって表わされるように)堆積される場合であっても、概して、隣接するコンタクトパッド60(a)〜(c)の間またはコンタクトパッドに隣接して位置するトレンチ側壁の領域の間に連続したまたは破断のない導電路が形成される可能性はない。さらに、図7において円形領域88によって示されるように、各中空部80内に影の領域が作成され、これらは、指状部82の内側末端部によって近傍のコンタクトパッドの少なくとも1つから放出される排除された粒子から遮蔽される。したがって、図7に示す例示的な事例において、特にコンタクトパッド60(b)を参照して、コンタクトパッド60(b)に隣接して位置付けられる対向する指状部82は、小円鋸歯状トレンチ側壁78内に設けられる各隣接中空部80の領域に対する直接の見通し線上に入ることを阻止または防止する。隣接するコンタクトパッド60(a)および60(c)からスパッタリングされる材料は、依然としてスパッタエッチング中に中空部80内の影の領域88に達する可能性があり得るが、中空部80内の影の領域88のそのような部分的な遮蔽は、コンタクトパッド材料が過剰に再堆積されることに起因して、コンタクトパッド60(a)〜(c)または続いて形成される相互接続線の間に連続したまたは破断のない導電路が形成される可能性をなお低減することに留意されたい。図22図25に関連して後述するようなさらなる実施形態では、中空部80は、種々の平面図幾何形状を付与されて、影の領域の完全な遮蔽がもたらされ得、コンタクトパッド60(a)〜60(c)のいずれによってもその領域に対する直接の見通し線がもたらされず、それゆえ、コンタクトパッド材料は概してスパッタエッチング中にその中に再堆積され得ない。
【0039】
ここで、コンタクトパッド60(a)〜(c)(図2図7)から、およびコンタクトパッド行58、62、および64(図2)内に含まれるコンタクトパッドから汚染物が除去されて、ここで追加の処理段階が実行されて、ファインピッチ相互接続構造の形成を完了し、より一般的には、マイクロ電子パッケージ50(図2)のデバイス表面66(図2)の上への再配線層の生成を完了することができる。たとえば、非限定的な解説として、シード層90が、図9および図10に示すように、絶縁体層74の上面の上で小円鋸歯状トレンチバイア76内に、および、コンタクトパッド60(a)〜(c)の上に堆積され得る。シード層は、たとえば、無電解めっきのようなブランケット堆積工程を利用して堆積されるチタン、タングステン、銅、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。次に、図11および図12に示すように、フォトレジストのようなフォトイメージャブルまたは感光性材料の層92がシード層90の上に堆積され得る。その後、フォトレジスト層92は既知のフォトリソグラフィ工程を利用してパターニングされて、層92内に続いて形成される相互接続線の所望のレイアウトを有する相互接続開口94が形成され得る。結果としての構造を図13および図14に示す。図13からわかるように、各相互接続開口94の末端部は、指状部82の1つおよび隣接するコンタクトパッド60にわたって延在し得る。図13に示すように、相互接続開口94は各コンタクトパッド60の全体にわたって延在し得、したがって、整列している指状部82間の間隙を架橋しているが、これは常にその通りである必要はない。
【0040】
図15および図16に進むと、次に、導電性材料が各相互接続開口94内に堆積される。1つの実施形態では、開口94を通じて露出したシード層90の部分を電解めっきすることによって金属が形成されるが、たとえば、無電解めっきを含む任意の適切な堆積または金属化工程が利用されることができる。この結果として、絶縁体層74の上で、指状部82にわたって、小円鋸歯状トレンチバイア76内に伸張する相互接続線96(たとえば、金属トレース)が形成されることになり、シード層90を通じてコンタクトパッド60(a)〜(c)との抵抗接触が成される。各相互接続線96は種々のコンタクトパッド60(a)〜(c)に接するように形成されるが、相互接続線96は下部にあるシード層90によって電気的に架橋されたままである。したがって、相互接続線96を電気的に絶縁するために、フォトレジスト層92および下部にあるシード層90が、たとえば、それぞれ化学的ストリッピングおよびエッチング工程を利用して除去される。結果としての構造を図17および図18に示す。最後に、絶縁体および/またはパッシベーション材料の1つまたは複数の層98がマイクロ電子パッケージ50の上に、具体的には相互接続線96、絶縁体層74、およびマイクロ電子デバイス52のトレンチバイア76の床の上に堆積されて、図19および図20に示す構造がもたらされ得る。その後、たとえば、追加の再配線層の作製(必要とされる場合)、ボール・グリッド・アレイ、リードアレイ、または他のコンタクトアレイの最上の再配線層の上への形成を含む、既知の処理段階が実行されてマイクロ電子パッケージ50の作製が完了され得、マイクロ電子パッケージ50がRCP製造工程を利用して製造され、かつパッケージ本体56(図2)が、RCPデバイスパネルを構成する、隣接するパッケージの隣接する本体に接合したままである場合、RCPデバイスパネルは、たとえば、ダイシングソーを使用して単離されて、マイクロ電子パッケージ50と他のパッケージとが別個のユニットへと分離され得る。
【0041】
上記は、このように少なくとも1つの小円鋸歯状トレンチバイアを含むマイクロ電子パッケージを製造するための作製方法の実施形態を提供した。上記の例示的な実施形態において、トレンチバイアの対向する小円鋸歯状側壁は各々、概して丸みを帯びた長方形の平面図幾何形状を有する一連の離間されたポケットすなわち中空部を含むように作製された。しかしながら、小円鋸歯状側壁内に設けられる凹みすなわち中空部は、限定ではないが、長方形の平面図幾何形状(その一例を図21に示し、同様の構造要素を識別するのに同様の参照符号が利用されている)、丸みを帯びたまたは楕円の平面図幾何形状(その例を図22および図23に示す)、および、各中空部の幅が、それに沿ってコンタクトパッドが離間される中心線または軸から離れるにつれて増大する、台形または鳩尾型の幾何形状(その例を図24および図25に示す)を含む、様々な他の幾何形状を付与されることができることは了解されよう。さらに、具体的には図25に示す例示的な実施形態を参照して、中空部は各コンタクトパッドの間に散在する必要はなく、代わりに、図25に示すように、中空部または小円鋸歯は、概してコンタクトパッドの行内の1つおきのコンタクトパッドと整列するように形成されてもよく、複数の相互接続線のうちの異なるものは、複数の中空部の各々にわたって伸張し得る。そのような構成は、コンタクトパッドのピッチに対する中空部の特徴部サイズを増大させ、したがって、そうでなければフォトリソグラフィ分解能に固有の制限に起因して形成が困難であり得る、ファインピッチ相互接続特徴部の形成に特に有用であり得る。最後に、特に図22図25に示す例示的な実施形態を参照して、またこれらの図面において円形領域99によって示すように、トレンチバイア76の小円鋸歯状側壁が、スパッタエッチ工程の間にコンタクトパッド60(a)〜(c)から放出される、排除される粒子または原子から完全に遮蔽する影の領域が、各中空部80内に作成される。言い換えれば、スパッタエッチング中に小円鋸歯状トレンチ側壁上にコンタクトパッド材料が再堆積されるのを可能にすることになる、コンタクトパッド60(a)〜60(c)のいずれかから、影の領域99内に位置する小円鋸歯状トレンチ側壁または中空部80の領域への直接の見通し線はもたらされない。これによって、コンタクトパッド材料が再堆積されることに起因してコンタクトパッド60(a)〜(c)または続いて形成される相互接続線の間に連続したまたは破断のない導電路が形成されることが防止される。
【0042】
上述の例示的な実施形態においては、1つまたは複数のトレンチバイアが小円鋸歯状壁を含むように形成されたが、トレンチバイア側壁に小円鋸歯状の平面図形状を付与するのに加えて、またはその代替として、本発明のさらなる実施形態では、高エネルギースパッタエッチ中に側壁上に堆積されるコンタクトパッド材料の量を最小限に抑えるために、コンタクトパッドとトレンチ側壁の下端との間に側方空隙が設けられてもよい。この構想をさらに例示すると、図26は、マイクロ電子デバイスの一部分の上面図であり、同様の構造要素を示すために同様の参照符号が利用され、図示のマイクロ電子デバイスは部分的に完成した状態で示される。以前の事例と同様に、図26に示すマイクロ電子デバイスは、絶縁体層74を通じていくつかのコンタクトパッド60を露出させるトレンチバイア76を含むように形成される。しかしながら、この実施形態では、トレンチバイア76の対向する側壁78は小円鋸歯状の幾何形状を有せず、代わりに、実質的に真っ直ぐな、または直線上の平面図形状を有するように形成される。図26において破線100によって示すように、トレンチバイア側壁78の下端は各々、側方間隙によってコンタクトパッド60から後退しているかまたはずれており、スパッタエッチ行程中にその上に再堆積されるコンタクトパッドの量が最小限に抑えられる。相互接続線は、形成されると、この間隙にわたって伸張して、コンタクトパッド60との抵抗接触を成し得る。これは、図27を参照することによってより十分に了解され得、この図は、スパッタエッチング中の排除される金属粒子または原子の進行(図27において矢印102によって表される)を示す。非限定的な例として、トレンチバイア側壁78の下端100とコンタクトパッド60の外側端部との間の側方ずれまたは空隙(図27において双頭矢印104によって表される)は、約5〜約100マイクロメートル(ミクロン)幅であり得る。図27に最も明瞭に示されるように、トレンチ側壁78は、スパッタエッチング中にその上に堆積されるコンタクトパッド材料の量をさらに最小限に抑えるために、相対的になだらかな勾配または傾斜を有するようにも形成され得る。
【0043】
このように、上記において、システム・イン・パッケージなどの、高密のトレンチバイアベースの相互接続構造を有する少なくとも1つのマイクロ電子デバイスを含むマイクロ電子パッケージであって、コンタクトパッドのうちの1つまたは複数がスパッタエッチ排除に対して脆弱な材料から作製され、作製工程中に高エネルギースパッタエッチが実行される場合であっても、望ましくない漏電経路の形成が阻害される、マイクロ電子パッケージの実施形態が提供された。特定の実施形態において、これは、コンタクトパッド材料がトレンチ側壁上に再堆積されることによって隣接するコンタクトパッドまたは相互接続線の間に連続した漏れ経路が形成されることを防止するために、粒子から遮蔽される影の領域を形成し、かつ/または他の様態で一般的にトレンチバイア側壁によってもたらされる連続平面を分離する、小円鋸歯状の、起伏のある、またはポケット状の側壁をトレンチバイアに付与することによって達成される。加えて、小円鋸歯状トレンチバイア側壁内に形成される中空部またはポケットは、コンタクトパッドから排除されるより大きい割合のコンタクトパッド材料原子または粒子が、スパッタエッチ行程中に側壁に衝突することを回避することを可能にすることによって、側壁上に堆積されるコンタクトパッド材料の量を最小限に抑えることもできる。
【0044】
上記において、そのようなマイクロ電子パッケージを作製するための方法の実施形態がさらに提供された。一実施形態では、方法は、複数のコンタクトパッドを有する第1のマイクロ電子デバイスの上に絶縁体層を堆積するステップを含み、コンタクトパッドは絶縁体層によって被覆される。複数のコンタクトパッドを絶縁体層を通じて露出させるトレンチバイアを形成するために、絶縁体層がエッチングされる。トレンチバイアは、複数の中空部をその中に有する、対向する小円鋸歯状側壁を含むように形成される。その後、トレンチバイアを通じて露出される複数のコンタクトパッドがスパッタエッチングされる。絶縁体層の上に複数の相互接続線が形成され、その各々が複数のコンタクトパッドのうちの異なるものに電気的に結合される。たとえば、各相互接続線は、トレンチバイア内へ伸張して、複数のコンタクトパッドのうちの異なるものに接触するように形成され得る。
【0045】
さらなる実施形態では、上記の作製方法は、複数のコンタクトパッドを有する第1のマイクロ電子デバイスの上に絶縁体層を堆積するステップを含み、コンタクトパッドは絶縁体層によって被覆される。複数のコンタクトパッドを絶縁体層を通じて露出させるトレンチバイアを形成するために、絶縁体層の選択される部分が(たとえば、エッチングまたはフォトリソグラフィパターニングを介して)除去される。トレンチバイアは、側方間隙によって複数のコンタクトパッドからずれた少なくとも1つのセグメントを有する、対向する側壁を含むように形成される。トレンチバイアを通じて露出される複数のコンタクトパッドがスパッタエッチングされる。トレンチバイア内に位置する複数のコンタクトパッドに接触するために、絶縁体層の上で、トレンチバイア内へ側方間隙にわたって伸張する複数の相互接続線が形成される。
【0046】
マイクロ電子パッケージの実施形態も提供された。一実施形態では、マイクロ電子パッケージは、複数のコンタクトパッドを有する第1のマイクロ電子デバイスを含む。絶縁体層が、第1のマイクロ電子デバイスの上に重なる。トレンチバイアは、対向する小円鋸歯状側壁を有し、複数のコンタクトパッドの上に延在する。複数の相互接続線が、絶縁体層の上で、トレンチバイア内へ伸張し、各々がトレンチバイア内の複数のコンタクトパッドのうちの異なるものに接触するか、または他の様態で電気的に結合されて形成される。
【0047】
複数の例示的な実施形態の文脈において上述されたが、すべてではないにせよ、上記で開示された特徴のほとんどは、マイクロ電子パッケージの追加の実施形態をもたらすために結合されることができることを強調しておく。たとえば、マイクロ電子パッケージが、第2の平面図幾何形状(たとえば、図5図20図21図22図23図24、または図25に示す平面図幾何形状のうちの第2のもの)の小円鋸歯に加えて第1の平面図幾何形状(たとえば、図5図20図21図22図23図24、または図25に示す平面図幾何形状のうちの第1のもの)のいくつかの小円鋸歯または中空部を有する小円鋸歯状側壁を有する少なくとも1つのトレンチバイアを含む、マイクロ電子パッケージの一実施形態が製造されることができる。これを考慮して、第1の形状(たとえば、図5図20または図21に示すものと類似の実質的に長方形の平面図幾何形状)の小円鋸歯または中空部を有するものとして記載されている小円鋸歯状側壁は、小円鋸歯状側壁が、たとえば、交互の関係で第1の形状の小円鋸歯の間に散在し得る、第2の異なる形状(たとえば、それぞれ図22図23、および図24に示すものと類似の実質的に円形、楕円形、または鳩尾型の平面図幾何形状)の中空部をも含み得ることを阻害するものではないことを了解されたい。それゆえ、そのような特徴は、本開示の文脈においては相互に排他的ではない。
【0048】
前述の詳細な説明の中で少なくとも1つの例示的な実施形態を提示してきたが、膨大な数の変形形態が存在することが理解されるべきである。1つ以上の例示的な実施形態は例に過ぎず、本発明の範囲、適用性または構成を限定することは決して意図されていないことも理解されるべきである。そうではなく、前述の詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を実行するための有意義な指針を当業者に提供するものである。添付の特許請求項に記載されている本発明の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に記載されている要素の機能および構成にさまざまな変更を行うことができることが理解される。
【符号の説明】
【0049】
30,50…マイクロ電子パッケージ、34,58,60,62,64…コンタクトパッド、52…第1のマイクロ電子デバイス、54…第2のマイクロ電子デバイス、74…絶縁体層、76…トレンチバイア、78…側壁、80…中空部。
図1
図2
図3
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図5
図6
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