特許第6261119号(P6261119)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 岩崎電気株式会社の特許一覧

特許6261119LEDランプ用の光源支持体及びその組立体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6261119
(24)【登録日】2017年12月22日
(45)【発行日】2018年1月17日
(54)【発明の名称】LEDランプ用の光源支持体及びその組立体
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20180104BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20180104BHJP
【FI】
   F21S2/00 222
   F21S2/00 216
   F21Y101:00
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-268514(P2013-268514)
(22)【出願日】2013年12月26日
(65)【公開番号】特開2015-125849(P2015-125849A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年3月22日
【審判番号】不服2017-8803(P2017-8803/J1)
【審判請求日】2017年6月16日
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000192
【氏名又は名称】岩崎電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135965
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 要泰
(72)【発明者】
【氏名】松本 泰久
(72)【発明者】
【氏名】松本 加奈江
(72)【発明者】
【氏名】松崎 将幸
【合議体】
【審判長】 島田 信一
【審判官】 出口 昌哉
【審判官】 一ノ瀬 覚
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−156036(JP,A)
【文献】 特表2013−524412(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3163752(JP,U)
【文献】 特開2011−253782(JP,A)
【文献】 特開2009−231135(JP,A)
【文献】 特開2012−79855(JP,A)
【文献】 米国特許第7810968(US,B1)
【文献】 特開2013−122899(JP,A)
【文献】 特開2013−8721(JP,A)
【文献】 特開2006−147333(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/004798(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直点灯用LEDランプのBT管型外球内にランプ軸線に沿って配置されて使用される、複数枚n(n=3,4,…の自然数)の光源支持体で構成された光源支持体組立体であって、
前記光源支持体は、片面に複数個のLED素子が実装された所定の長手方向及び幅方向の寸法をもった矩形の外形形状の板状体であり、
複数枚n(n=3,4,…の自然数)の前記光源支持体前記長手方向の長さを揃えて、該長手方向に垂直な断面で見てn角形を形成するように該長手方向に沿って並置されて、前記光源支持体組立体は、全面的に開放された両端部の間を煙突効果により下部から上部へ流れる冷却流Caを形成し、
前記光源支持体組立体の隣接する該光源支持体は、間隙を空けて配置されて、冷却流Caに対する流入・流出の流れCbを形成し、
前記光源支持体は、隣接する前記LED素子の間に、LED素子実装面と裏面との間を貫通する通気構造が形成されて、冷却流Caに対する流入・流出の流れCcを形成すると共に、該光源支持体の長さ方向の熱伝導路aを確保しつつ、隣接する前記LED素子からの直線的な熱伝導路bを遮断又は縮小して熱的影響を少なくしている、光源支持体組立体。
【請求項2】
請求項1に記載の光源支持体組立体において、
前記光源支持体組立体は、4枚(n=4)の前記光源支持体で構成されている、光源支持体組立体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光源支持体組立体において、
前記通気構造は、スリット、矩形開口、円形開口又は複数の貫通孔のいずれかであり、隣接する前記LED素子からの直線的な熱伝導路を遮断又は縮小して熱的影響を少なくすると共に、前記冷却ガス流路に対する流入・流出口を形成している、光源支持体組立体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の光源支持体組立体において、
前記光源支持体は、メタルコア基板から形成される、光源支持体組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
照明用ランプは、概して、白熱電球、蛍光灯、HID(High Intensity Discharge)ランプ、LED(Liht Emitting Diode)ランプと順次開発され、実用化されてきた。LEDランプは、発光ダイオード素子を光源として利用したランプである。LEDランプは、青色LED素子の開発により白色の発光が可能となり、最近、照明用ランプとして利用が拡がりつつある。
【0003】
図1は、現在広く販売されているLEDランプの一例を示す図である。これらのLEDランプ100は、一般に、出力が10W以下(典型的には7W程度)のランプである。図1(A)〜(C)に示すように、ランプ形状は種々あるが、基本的に、口金102、放熱部104及びグローブ106から成っている。放熱部104は、アルミニウムのダイキャストから形成され、多くの場合、外周面に放熱フィンが形成されている。グローブ106は、透光性の樹脂から成る。
【0004】
白熱電球、蛍光灯、HIDランプ等と異なり、LED素子は、半導体素子であるため、基本的に真空雰囲気又は所定のガス雰囲気中に配置する必要性がない。従って、アルミダイキャスト部分104とグローブ106との間は、適当な接着剤で固定されている。即ち、アルミダイキャスト部分104とグローブ106とで形成される内部空間は、ランプ外部空間との間で気密封止にはなってない。
【0005】
本発明者等は、本発明に関連する次の先行特許文献が存在することを承知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-156036「LEDランプ」(公開日:2012/08/16)、出願人:岩崎電気株式会社
【特許文献2】WO2011/004798「素子搭載用セラミックス基板、LED搭載用セラミックス基板、LEDランプ及びヘッドライト並びに電子部品」(国際公開日:2011/01/13)、出願人:株式会社東芝
【特許文献3】特開2013-8721「実装基板および発光モジュール」(公開日:2013/01/10)、出願人:パナソニック株式会社
【特許文献4】特開2006-147333「LED実装用プリント基板」(公開日:2006/06/08)、出願人:豊田合成株式会社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
LED素子は、半導体素子であり、半導体の接合部の温度と素子寿命とが密接な関係にある。即ち、使用時の接合部の温度が比較的低い場合には素子寿命は長期間となるが、温度が高くなるにつれ素子寿命は急激に短くなる。従って、LEDランプは、LED素子の温度が高いとランプ寿命が短縮化し、ランプ照度も劣化する。そのため、LEDランプにおいては、冷却・放熱手段が重要事項となる。
【0008】
本出願人は、前掲特許文献1により、次のようなLEDランプを提案した。即ち、気密封止されたランプ構成において、ランプ内に冷却ガス(低分子量ガス)を封入する。ランプ内には、ランプ軸線方向に長い形状の光源支持体を配置し、その周囲に複数個のLEDを搭載する。光源支持体にはランプ軸線に沿って貫通孔を形成して冷却ガス流路とし、LEDを裏面側からも効率良く冷却する。このアイデアに関しては、一定の冷却効果が有ることが確認され、その効果が特許文献1の図6にグラフで示されている。
【0009】
前掲特許文献1の出願後、本発明者等は、このアイデアを基に、更に高い冷却・放熱手段を備えたLEDランプの構成の研究開発を継続してきた。
この研究開発の結果に基づき、本発明は、新規な冷却・放熱手段を備えたLEDランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るLEDランプは、複数個のLED素子と、各々複数個のLED素子を実装し、ランプ軸線に沿って延在する複数の光源支持体と、前記光源支持体を包囲して気密封止するガラス製密封容器とを備え、前記複数の光源支持体は、ランプ軸線に沿って両端部間を流れるガス流路を形成するように、ランプ軸線に垂直な断面で見て、n角形(n=3,4,…の自然数)を形成するように配置され、前記光源支持体は、前記ガス流路のガスに対する流入・流出の流れを形成するようにLED素子実装面と裏面との間を貫通する通気構造が形成されている。
【0011】
更に、上記LEDランプでは、前記光源支持体は、メタルコア基板であってよい。
更に、上記LEDランプでは、前記光源支持体に形成された通気構造は、溝、円形開口又は複数個の貫通孔として形成されていてもよい。
更に、上記LEDランプでは、前記光源支持体に形成された通気構造は、隣接するLED素子間の領域に形成されていてもよい。
更に、上記LEDランプでは、隣接する前記光源支持体は、前記ガス流路のガスに対する流入・流出の流れを形成するように間隙を空けて保持されていてもよい。
更に、上記LEDランプでは、前記ガスは、低分子量ガスであってよい。
更に、上記LEDランプでは、前記低分子量ガスは、少なくとも、ヘリウムと酸素とを含む混合ガスであってよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、新規な冷却・放熱手段を備えたLEDランプを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、現在広く販売されているLEDランプの一例を示す図である。
図2A図2Aは、本実施形態に係るLEDランプの正面図である。
図2B図2Bは、図2Aに示すLEDランプの右側面図である。
図3図3は、本実施形態に係るLEDランプの拡大斜視図である。
図4A図4Aは、本実施形態に係るLEDランプに使用されている光源支持体の外形図である。
図4B図4Bは、図4Cに示すX−X箇所の断面図である。
図4C図4Cは、LED素子を搭載した光源支持体を説明する図である。
図4D図4Dは、光源支持体に形成される溝の代替例である。
図5A図5Aは、本実施形態に係るLEDランプを垂直点灯した場合の冷却流の流れを説明する図である。
図5B図5Bは、LEDランプを水平点灯した場合の冷却流の流れを説明する図である。
図5C図5Cは、図5Bに示すY−Y箇所の切断面から見た冷却流の流れを説明する図であり、(A)と(B)は口金にねじ込んだランプの係止状態の相違による。
図6図6は、本実施形態に係るLEDランプの製造方法を説明するフローである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るLEDランプの実施形態に付いて、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中、同じ要素に対しては同じ参照符号を付して、重複した説明を省略する。また、以下に説明する実施形態は、例示であって、本発明の範囲を限定するものではないことを承知されたい。
【0015】
(LEDランプの全体構成)
図2Aは、本実施形態に係るLEDランプの正面図であり、図2Bは、右側面図である。このLEDランプ10は、図1で説明した現在広く宣伝・販売されている7W程度の低出力LEDランプではなく、主として高出力の20〜50Wクラス、典型的には25WのLEDランプを対象としている。このため、冷却・放熱手段が更に重要な検討事項となる。
【0016】
LEDランプ10は、一端が口金2で気密封止された外球6の内部に、複数個のLED素子18が配置されている。複数個のLED素子18は、光源支持体14に適当な間隔で搭載され固定される。
【0017】
この光源支持体14は、典型的には、メタルコア基板から成る。光源支持体14は、外球6の一端に固着されたステム8から延在する支柱20に対して上下2箇所の金属バンド28を使って、外球6の内部の適当な箇所に位置決め支持されている。そのため、光源支持体14には、金属バンド保持用の凹部14n(図4A参照)が形成されている。所望により、光源支持体14に隣接する支柱20の部分には、絶縁性チューブ(図示せず。)が被せられ、光源支持体14と支柱20との間の電気絶縁性が確保される。
【0018】
更に、口金2に近い外球6の内部には、熱遮蔽部材30(図3参照)が設けられていてもよい。熱遮蔽部材30は、例えば、セラミック、金属板、マイカ板等で形成されている。熱遮蔽部材30の機能に関しては、後で、図6に示す製造方法に関連して説明する。
【0019】
好ましくは、外球6の内部空間22には、低分子量ガスが封入されている。本出願書類で「低分子量ガス」とは、比熱が大きく、熱伝導性が良好なガスであり、典型的にはヘリウムガスである。本発明者等は、経験的に、ヘリウムガスを使用する場合は、少量の酸素を混入することによりLED素子搭載に使用する封止体(典型的にはシリコーン層)に発生する変色を抑制出来ることを知っている。従って、ヘリウムガスを使用する場合は、体積比で、ヘリウム:酸素=93:7(単位:%)の混合ガスとすることが好ましい。
【0020】
(LEDランプの各構成要素の説明)
図3は、本実施形態に係るLEDランプの拡大斜視図である。口金2は、白熱電球やHIDランプで使用されているねじ込みタイプ(E型)や差し込みタイプであってよい。
【0021】
外球6は、例えば、ホウケイ酸ガラス等の透光性の硬質ガラスから成るBT管である。しかし、任意の形状であってよい。外球6は、透明タイプ又は拡散タイプ(曇りガラスタイプ)のいずれであってもよい。
公知の白熱電球やHIDランプと同様に、口金2と外球6との間は気密封止され、外球内部空間と外部空間との間は気密封止状態となっている。
【0022】
このLEDランプ10では、4枚の光源支持体14を備え、各光源支持体に9個のLED素子18が搭載され、合計36個のLED素子により25WのLEDランプを実現している。
【0023】
4枚の光源支持体14は、ランプ軸線に対して垂直方向断面で見ると、概して矩形を形成するように配置されている。更に、好ましくは、隣接する光源支持体片の間は接続されてなく、間隙(ギャップ)26を空けて配置されている。なお、4枚の光源支持体14は、矩形を形成するように配置されているが、これに限定されない。即ち、3枚の光源支持体を、間隙を空けて三角形を形成するように配置してもよく、任意の枚数n(n=3,4,…の自然数)の光源支持体を、間隙を空けてn角形を形成するように配置してもよい。
【0024】
(光源支持体)
図4Aは、本実施形態に係るLEDランプに使用されている光源支持体14の外形図であり、図4Bは、図4Cに示すX−X箇所の断面図であり、図4Cは、LED素子を搭載した光源支持体を説明する図であり、図4Dは、光源支持体に形成される溝(スリット)の代替例である。
【0025】
図4Aに示す光源支持体14は、好ましくは、メタルコア基板であり、例えば、長さ100mm×幅20mm×厚さ2mm程度の板状体である。LED素子の搭載箇所を符号18aで示している。光源支持体14には、隣接するLED素子搭載箇所18aの間を切断するように、端部から切り込まれた溝(スリット)14bが形成されている。
【0026】
図4Bに示すように、光源支持体14には、比較的厚い本体部14aの上に薄い絶縁層14iが形成され、更に絶縁層の上に、典型的には銅から成る導体パターン14g,14eが形成され、更にその上に、樹脂等から成る薄いレジスト層14jが形成されている。本体部14aは、熱伝導性の良好な材質から成り、例えば、銅、アルミニウム、熱伝導樹脂等から成る。熱伝導樹脂は、樹脂に金属粉・金属片を混入して熱伝導係数を高くしたものである。ここで、光源支持体14として最も熱伝導性、加工性、経済性等に優れた部材は、アルミニウムである。
【0027】
図4Cに示すように、導体パターン14gは、図で見て第1の電極14dから左方向に上側パターンに14eによりLED素子18を順次直列に接続し、上下接続パターン14fを介して、右方向に下側パターンに14gによりLED素子18を順次直列に接続して電極14hに至る。4枚の光源支持体14は、リード線により、順次直列に接続されている(図示せず。)。従って、36個のLED素子は、全て直列接続されている。
【0028】
図4Dを参照されたい。図4Aでは、光源支持体14の溝(スリット)14bは、端部から切り込まれた形状と説明したが、これに限定されない。光源支持体14を貫通する通気構造(通気孔)であればよい。
従って、溝(スリット)14bの代わりに、矩形開口14kであってもよい。矩形開口14kの場合、隣接するLED素子18の間の領域に形成すると更に好ましい。
或いは、円形の開口14lであってもよい。円形の開口14lの場合、隣接するLED素子18の間の領域に形成すると更に好ましい。この場合、複数個の貫通孔14mを隣接するLED素子18の間の領域に形成してもよい。
【0029】
(LEDランプの製造方法)
図6は、本実施形態に係るLEDランプの製造方法を説明するフローである。
【0030】
ステップS1のマウント組立工程で、LED素子18を光源支持体14に固定し、光源支持体を支柱20に取り付けてマウントを形成して、ステム8に取り付ける。
ステップS2の封止工程で、マウントを外球6の外球内部に挿入し、マウントが取り付けられたステム8と外球6とをバーナーで熱して封着し、気密封止する。
ステップS3の排気工程で、封止済みの外球内部から排気管を通じて一度真空状態に排気する。その後、ヘリウムと酸素の混合ガスを封入し、チップオフ(排気管をバーナーで溶かして封着すること)する。
ステップS4の口金付け工程で、口金2のトップ部及びサイド部を半田付けする。
ステップS5の点灯試験、検査を経て、LEDランプ10が完成する。
【0031】
ここで、ステップS2〜S4では、 外球の取り付け部、ステム等がバーナーによって1000℃近くの高温に熱せられる。この熱が、外球内部のLED素子18に伝わって損傷しないようにするため、熱遮蔽部材30(図3参照)が、外球の口金取り付け部分とLED素子18との間に設けられている。
【0032】
(本実施形態の利点・効果)
本実施例に係るLEDランプ10は、次のような利点・効果を有している。
【0033】
(1) 図4Dに関連して説明したように、光源支持体14を貫通する通気構造(通気孔)を形成することにより、光源支持体14の軽量化が図れる。その結果、LEDランプ10の軽量化が図れる。
(2) 光源支持体14を貫通する通気孔を形成することにより、光源支持体14の表面積が増加して放熱効果が向上する。即ち、LED素子18の冷却効果が向上する。
(3) 冷却効果の詳細
図5A図5Cを参照しながら、ランプの点灯方向(垂直点灯,水平点灯)を考慮した冷却効果に関して説明する。尚、図5Aに示す垂直点灯では口金が上側に位置する場合となっているが、口金が下側に位置する場合も同様の効果が期待できる。
【0034】
図5Aに示すように、4枚の光源支持体14が形成するランプ軸線に沿って延在する矩形空間は、煙突効果により下部から上部への冷却流Caを形成する。更に、光源支持体間の間隙(ギャップ)26は、冷却流Caに対する流入・流出の流れCbを形成し、冷却効果を高めている。
【0035】
更に、図4Aに示す光源支持体14に形成された溝(スリット)14b,図4Dに示す隣接LED素子間の領域に形成された矩形開口14k、円形開口14l、複数の貫通孔14m(以下、「溝14b等」という。)について説明する。図4Aに示すように、溝14b等により、光源支持体の長さ方向の熱伝導路(矢印a)を確保しつつ、隣接するLED素子からの直線的な熱伝導路(矢印b)を遮断又は縮小して、熱的影響を少なくしている。
【0036】
図5Aに示す垂直点灯のLEDランプに於いて、光源支持体14の溝14b等は、光源支持体14の間隙26と同様に冷却流Caに対する流入・流出の流れCcを形成すると共に、光源支持体の長さ方向の熱伝導路を確保しつつ、隣接するLED素子からの直線的な熱伝導路を遮断又は減少して、熱的影響を少なくしている。
【0037】
図5Bは、水平点灯の場合であり、図5Cは、Y−Y線切断面であり、(A)と(B)は口金にねじ込んだランプの係止状態の相違による。即ち、(A)は4枚の光源支持体が正方形を形成するように位置した場合、(B)は4枚の光源支持体が菱形を形成するように位置した場合を示す図である。
水平点灯の場合、図5Aで説明した煙突効果による冷却流Caは相対的に少ない。しかし、光源支持体間の間隙26を通過する冷却流Cbは相対的に多くなる。更に、光源支持体14の溝14b等は、冷却流Ccの流路を形成すると共に、光源支持体の長さ方向の熱伝導路を確保しつつ、隣接するLED素子からの直線的な熱伝導路を遮断又は減少して、熱的影響を少なくしている。
【0038】
これらにより、高出力のLEDランプに関して、水平点灯でも十分な冷却効果を確認している。
【0039】
(まとめ)
以上により、本発明に係るLEDランプの実施形態に付いて説明したが、これらは例示であって、本発明を限定するものではない。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載によって定められる。
【符号の説明】
【0040】
2:口金、 6:外球、 8:ステム、 10:LEDランプ,ランプ、 14:光源支持体、 14a:本体部、 14b:溝,スリット、 14d:電極、 14f:上下接続パターン、 14h:電極、 14i:絶縁層、 14j:レジスト層、 14k:開口、 14k:矩形開口、 14l:円形開口,開口、 14m:貫通孔、 14n:凹部、 18:LED素子、 18a:素子搭載箇所、 20:支柱、 22:内部空間、 26:間隙、 28:金属バンド、 30:熱遮蔽部材、 100:LEDランプ,ランプ、 102:口金、 104:アルミダイキャスト部分,放熱部、 106:グローブ
a:矢印、 b:矢印、 Ca,Cb,Cc:冷却流、
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6