(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の利用者が同時にカラオケを楽しむ場合に、各利用者が所持する携帯情報端末に記憶された楽曲のリストに基づいて、歌唱推奨楽曲を報知する歌唱推奨楽曲報知システムであって、
利用者がシステムログインした際に、当該利用者の利用者IDを取得する利用者ID取得手段と、
前記各利用者により歌唱された楽曲の楽曲IDと、当該利用者IDとを紐付けした利用者毎の歌唱履歴データを記憶して管理する歌唱履歴記憶管理手段と、
前記各利用者が所有する携帯情報端末に記憶された楽曲データの楽曲IDと当該利用者の利用者IDとを紐付けし、利用者毎の楽曲プレイリストとして取得する楽曲プレイリスト取得手段と、
前記利用者毎の楽曲プレイリストを参照して、前記システムログインしたすべての利用者に共通する楽曲IDを抽出する共通楽曲抽出手段と、
前記各利用者の歌唱履歴データに含まれる楽曲IDを参照して、前記抽出した楽曲IDの中から、所定の条件に基づき、歌唱推奨楽曲を抽出する歌唱推奨楽曲抽出手段と、
前記抽出した歌唱推奨楽曲の提示制御を行う歌唱推奨楽曲提示制御手段と、
を備えたことを特徴とする歌唱推奨楽曲報知システム。
前記歌唱履歴記憶管理手段は、各利用者の指定に基づき、各利用者が歌唱を得意とする楽曲について、得意曲識別子を付加して歌唱履歴データを記憶することが可能であり、
前記歌唱推奨楽曲抽出手段における所定の抽出条件は、前記各利用者の歌唱履歴データにおいて、得意曲識別子が付加された楽曲とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の歌唱推奨楽曲報知システム。
【背景技術】
【0002】
現在普及しているスマートフォン等の携帯情報端末は、好みの楽曲をダウンロードして記憶し、音楽再生アプリケーションソフトを用いて再生することができるようになっている。利用者により携帯情報端末にダウンロードされた楽曲は、当該利用者にとって好みの楽曲や慣れ親しんだ楽曲であり、カラオケを楽しむ際に、このような楽曲を歌唱したいという願望がある。
【0003】
しかし、カラオケ店舗では、楽曲検索用のリモコン装置等を用いて、好みの楽曲や慣れ親しんだ楽曲を検索して予約を行わなければならず、選曲予約操作が面倒であるという問題があった。このような問題に対応するため、従来より種々の技術が開発されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
【0004】
特許文献1に記載された技術は、利用者が携帯用音楽プレイヤーで常に聴いている楽曲を、カラオケ演奏装置の予約曲として設定するようにしたものである。このカラオケ演奏装置は、携帯用音楽プレイヤーの再生曲リストからリクエスト曲リストを作成し、カラオケ演奏装置に記憶されたカラオケ曲リストと曲目IDを照合する。一致する曲目IDを抽出して予約曲リストを作成し、再生曲リストの再生回数に応じて予約曲リストの曲順を並べ替える。これにより、ユーザが気に入っている曲か、カラオケで歌いたいと思って良く聞いていた曲等を、最初に歌える曲として予約することができるとしている。
【0005】
特許文献2に記載された技術は、得意曲(いわゆる十八番曲)として登録された演奏曲を歌い忘れないようにしたものである。この通信カラオケシステムは、音楽情報の管理を行う音楽情報管理システムから、利用者毎にその音楽情報の利用に関する情報を取得する利用情報取得手段と、歌唱を行う利用者に対応して利用情報取得手段により取得した情報に基づいて、その利用者の得意曲として登録されたカラオケ情報のうちから、選曲予約されていない曲を歌い忘れ曲として検出する歌い忘れ曲検出手段と、歌い忘れ曲検出手段により検出した歌い忘れ曲を提示する歌い忘れ曲提示手段とを備えている。
【0006】
特許文献3に記載された技術は、カラオケ店舗で同室した複数の利用者が、歌唱を共通に楽しむことができるようにしたものである。この技術は、カラオケ演奏装置で演奏されるカラオケ曲の候補として、複数のカラオケ曲リストに共通して含まれるカラオケ曲の情報と、複数のカラオケ曲リストに共通して含まれないカラオケ曲の情報とを区分して、利用者が選択できるように表示部に表示させるものである。
【0007】
特許文献4に記載された技術は、携帯用音楽プレイヤー等に記憶された楽曲の楽曲情報に基づいて、カラオケ演奏装置により演奏可能なカラオケ曲の演奏予約候補を利用者に提示するためのものである。この技術は、サーバ装置が情報処理装置から受信した楽曲情報に基づき抽出したカラオケ曲のカラオケ曲リストと、情報処理装置から取得されたユーザ識別情報とを対応付けて保管する。そして、サーバ装置は、カラオケ演奏装置、選曲装置、情報処理装置のいずれかから、カラオケ曲リストの取得要求と、取得要求元からユーザ識別情報とを受信した場合に、ユーザ識別情報と対応付けられたカラオケ曲リストを、カラオケ演奏装置、選曲装置、情報処理装置のいずれかへ送信する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、携帯情報端末で楽曲データのダウンロードを行ったり、携帯情報端末に記憶した楽曲データを音楽再生用のアプリケーションソフトを用いて再生したりする技術が一般的となっている現在では、カラオケ設備の利用に際して、好みのアーティストが共通しており、さらに視聴している楽曲が共通する利用者同士で、カラオケを楽しむ場合がある。このような状況に対応するため、複数のカラオケ利用者の好みに共通する楽曲を容易に選曲するシステムの開発が望まれていた。
【0010】
しかし、上述した特許文献1及び特許文献2に記載された技術は、一人の利用者が所有する携帯情報端末に記憶された楽曲データに基づいて予約リストを作成するものであり、複数の利用者の好みに共通した楽曲を容易に選曲できるものではない。
【0011】
また、上述した特許文献3及び特許文献4に記載された技術は、複数の利用者がそれぞれ所有する携帯情報端末に記憶された楽曲データに基づいて楽曲予約リストを作成するものである。しかし、ここで作成される楽曲予約リストは、単純に複数の利用者に共通する楽曲や、一部共通する楽曲をリスト化して表示するものである。すなわち、利用者の所有する携帯情報端末に楽曲データが記憶されていれば、当該楽曲を頻繁に歌唱していない場合であっても、予約候補曲としてリスト化して表示されてしまうことがある。
【0012】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、複数の利用者がカラオケシステムにログインしてカラオケを楽しむ場合に、各利用者が所有する携帯情報端末に記憶されている楽曲再生リストと、各利用者の歌唱履歴や登録された楽曲情報を用いて、すべての利用者に共通する楽曲を抽出して報知することが可能な歌唱推奨楽曲報知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の歌唱推奨楽曲報知システムは、上述した事情に鑑み提案されたもので、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明の歌唱推奨楽曲報知システムは、複数の利用者が同時にカラオケを楽しむ場合に、各利用者が所持する携帯情報端末に記憶された楽曲のリストに基づいて、歌唱推奨楽曲を報知する歌唱推奨楽曲報知システムであって、利用者ID取得手段と、歌唱履歴記憶管理手段と、楽曲プレイリスト取得手段と、共通楽曲抽出手段と、歌唱推奨楽曲抽出手段と、歌唱推奨楽曲提示制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】
利用者ID取得手段は、利用者がシステムログインした際に、当該利用者の利用者IDを取得するための手段である。歌唱履歴記憶管理手段は、各利用者により歌唱された楽曲の楽曲IDと、当該利用者IDとを紐付けした利用者毎の歌唱履歴データを記憶して管理するための手段である。
【0015】
楽曲プレイリスト取得手段は、各利用者が所有する携帯情報端末に記憶された楽曲データの楽曲IDと当該利用者の利用者IDとを紐付けし、利用者毎の楽曲プレイリストとして取得するための手段である。共通楽曲抽出手段は、利用者毎の楽曲プレイリストを参照して、システムログインしたすべての利用者に共通する楽曲IDを抽出するための手段である。
【0016】
歌唱推奨楽曲抽出手段は、各利用者の歌唱履歴データに含まれる楽曲IDを参照して、抽出した楽曲IDの中から、所定の条件に基づき、歌唱推奨楽曲を抽出するための手段である。歌唱推奨楽曲提示制御手段は、抽出した歌唱推奨楽曲の提示制御を行うための手段である。
【0017】
また、本発明の歌唱推奨楽曲報知システムは、上述した構成において、歌唱推奨楽曲抽出手段における所定の抽出条件は、各利用者の歌唱履歴データにおいて、歌唱頻度が所定値以上の楽曲とすることが可能である。
【0018】
また、本発明の歌唱推奨楽曲報知システムは、上述した構成において、歌唱推奨楽曲抽出手段における所定の抽出条件は、各利用者の歌唱履歴データにおいて、歌唱頻度が所定値未満の楽曲とすることが可能である。
【0019】
また、本発明の歌唱推奨楽曲報知システムは、上述した構成において、歌唱履歴記憶管理手段は、各利用者の指定に基づき、各利用者が歌唱を得意とする楽曲について、得意曲識別子を付加して歌唱履歴データを記憶することが可能であり、歌唱推奨楽曲抽出手段における所定の抽出条件は、各利用者の歌唱履歴データにおいて、得意曲識別子が付加された楽曲とすることが可能である。
【0020】
また、本発明の歌唱推奨楽曲報知システムは、上述した構成において、歌唱推奨
楽曲提示制御手段は、複数の利用者がシステムログインしてから所定時間経過後に歌唱推奨楽曲
の提示制御を行うことが可能である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の歌唱推奨楽曲報知システムでは、複数の利用者が同時にカラオケを楽しむ場合に、各利用者がそれぞれ携帯情報端末にダウンロードして視聴している楽曲の中から共通する楽曲を抽出し、さらに、各利用者の歌唱履歴に基づく所定の条件に従って歌唱推奨楽曲を抽出して提示するようになっている。
【0022】
したがって、各利用者が共通して視聴している楽曲であって、かつ各利用者の歌唱履歴において共通点を有する楽曲を歌唱推奨楽曲として提示するので、好みのアーティストやジャンル等が同じ利用者同士がカラオケボックスでカラオケを楽しむ時に、各利用者が好んで携帯情報端末にて聴いている楽曲であり、カラオケ演奏装置にておいても頻繁に歌唱している共通楽曲を報知ことにより、各利用者が共通して興味を持てる楽曲を歌唱推奨楽曲とすることができる。これにより、各利用者による選曲の手間を省くことができるとともに、カラオケの楽しさを高めることが可能となる。
【0023】
例えば、各利用者が携帯情報端末で視聴しており、さらに各利用者の歌唱履歴において演奏頻度が高い楽曲や、演奏頻度が高く得意曲として登録している楽曲を歌唱推奨楽曲として提示した場合には、カラオケに参加するすべての歌唱者が歌唱できる楽曲であるため、カラオケ歌唱を盛り上げることができる。
【0024】
一方、各利用者が携帯情報端末で視聴しており、さらに各利用者の歌唱履歴において演奏頻度が低い楽曲を歌唱推奨楽曲として提示した場合には、カラオケに参加するすべての歌唱者が知っているが、歌唱しなくなってしまった楽曲や、以前に得意曲として登録を行ったが、上手く歌唱できずに諦めてしまった楽曲等に対して、再度歌唱する機会を作り出すことができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面を参照して、本発明の歌唱推奨楽曲報知システムの実施形態について説明する。
図1〜
図5は本発明の実施形態に係る歌唱推奨楽曲報知システムを説明するもので、
図1は歌唱推奨楽曲報知システムの概略構成を示すブロック図、
図2は歌唱履歴データベースの構成を示す模式図、
図3は楽曲プレイリストの構成を示す模式図、
図4は歌唱推奨楽曲の提示手順を示す説明図、
図5は歌唱推奨楽曲の表示状態を示す模式図である。
【0027】
<歌唱推奨楽曲報知システムの概要>
本発明の実施形態に係る歌唱推奨楽曲報知システム100は、
図1に示すように、カラオケ演奏装置10を含むカラオケシステムに組み込まれて機能するシステムであって、利用者ID取得手段(カードリーダ12e)と、歌唱履歴記憶管理手段230と、楽曲プレイリスト取得手段240と、共通楽曲抽出手段250と、歌唱推奨楽曲抽出手段260と、歌唱推奨楽曲提示制御手段27とを備えている。本実施形態において、各手段は、カラオケ演奏装置10又は管理サーバ200の機能として実現するが、いずれの手段をカラオケ演奏装置10又は管理サーバ200の機能として実現するかは、適宜選択することができる。
【0028】
以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウェアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0029】
<カラオケ演奏装置>
本発明の実施形態に係る歌唱推奨楽曲報知システム100を適用するカラオケ演奏装置10は、
図1に示すように、カラオケ本体11、カラオケリモコン装置12、マイクロホン13、スピーカ14、表示装置15、ミキシングアンプ16を備えている。また、カラオケ演奏装置10は、ルータ50及びインターネット、専用電話回線、一般電話回線、無線通信回線等のデータ通信回線80を介して、管理サーバ200とネットワーク接続されている。
【0030】
<管理サーバ>
管理サーバ200は、複数のカラオケ演奏装置10を総合的に管理するためのサーバで、インターネット、専用電話回線、一般電話回線、無線通信回線等のデータ通信回線80を介して、カラオケ演奏装置10と接続されている。さらに、管理サーバ200は、データ通信回線80及び通信基地局70を介して、利用者が所持する携帯情報端末60とデータ通信を行うことができるようになっている。
【0031】
管理サーバ200は、
図1に示すように、サーバとして機能するための主要な機器として、CPU等を含む管理制御手段210、通信制御手段220、データ記憶手段270を備えている。また、本実施形態の管理サーバ200は、歌唱推奨楽曲報知システム100を実現するための手段として、歌唱履歴記憶管理手段230、楽曲プレイリスト取得手段240、共通楽曲抽出手段250、歌唱推奨楽曲抽出手段260を備えている。
【0032】
<歌唱履歴記憶管理手段>
歌唱履歴記憶管理手段230は、各利用者により歌唱された楽曲の楽曲IDと、当該利用者IDとを紐付けした利用者毎の歌唱履歴データを記憶して管理するためのプログラムからなる。すなわち、管理サーバ200にネットワーク接続された各カラオケ演奏装置10において、利用者がシステムログインし、当該利用者の利用者IDを付加して選曲予約を行った楽曲が演奏されると、当該楽曲の楽曲IDと、各利用者IDとを紐付けした歌唱履歴データが歌唱履歴データベース270aに登録される。
【0033】
<歌唱履歴データベース>
歌唱履歴データベース270aは、歌唱履歴記憶管理手段230により構築して管理されるデータベースであり、
図2に示すように、利用者ID毎に、歌唱した(選曲予約を行って演奏された)楽曲IDと、その演奏回数とが紐付けされている。本実施形態の歌唱履歴データベース270aは、利用者により指定された得意曲識別子を含んでいる。また、図示しないが、歌唱履歴データベース270aは、
図2に示すデータの他に、各楽曲の歌唱日(演奏日)、歌唱採点値等のデータを含んでいてもよい。
【0034】
<楽曲プレイリスト取得手段>
楽曲プレイリスト取得手段240は、各利用者が所有する携帯情報端末60に記憶された楽曲データの楽曲IDと当該利用者の利用者IDとを紐付けし、利用者毎の楽曲プレイリスト270b、270cとして取得するためのプログラムからなる。すなわち、楽曲プレイリスト取得手段240は、各利用者が所有する携帯情報端末60にアクセスし、当該携帯情報端末60に記憶された楽曲データの楽曲IDと、当該携帯情報端末60の所有者の利用者IDとを紐付けしたデータを、楽曲プレイリスト270b、270cとしてダウンロードさせる。
【0035】
なお、
図1に示す例では、2つの楽曲プレイリスト270b、270cをダウンロードさせてデータ記憶手段270に記憶しているが、その数は2つに限られず、各利用者が所有する携帯情報端末60の数に応じて変化する。この際、携帯情報端末60の機器IDと、利用者IDとを紐付けした携帯情報端末識別テーブル(図示せず)を用意しておき、携帯情報端末60の機器IDから利用者IDを特定してもよい。
【0036】
なお、楽曲プレイリスト270b、270cは、各利用者が所有する携帯情報端末60からカラオケ演奏装置10を経由して、管理サーバ200にデータを送信してもよい。
【0037】
利用者毎の楽曲プレイリスト270b、270cを取得するタイミングは、例えば、各利用者がシステムログインした時であるが、各利用者による指示入力に基づいて楽曲プレイリスト270b、270cを取得する等、その取得タイミングは特に限定されるものではない。
【0038】
<楽曲プレイリスト>
楽曲プレイリスト270b、270cは、
図3に示すように、利用者毎に、利用者IDと、当該利用者の携帯情報端末60に記憶されている楽曲の楽曲IDとを紐付けしたデータである。
図3に示す例では、利用者が所有する携帯情報端末60の識別IDを含んでいる。なお、楽曲プレイリストには、データとして各楽曲の再生回数を含めてもよい。
【0039】
<共通楽曲抽出手段>
共通楽曲抽出手段250は、利用者毎の楽曲プレイリスト270b、270cを参照して、システムログインしたすべての利用者に共通する楽曲IDを抽出するためのプログラムからなる。すなわち、同一のカラオケ演奏装置10を同時に利用する複数の利用者について、取得した楽曲プレイリスト270b、270cを参照して、共通する楽曲IDを検索して抽出する。
【0040】
<歌唱推奨楽曲抽出手段>
歌唱推奨楽曲抽出手段260は、各利用者の歌唱履歴データに含まれる楽曲IDを参照して、共通楽曲抽出手段250にて抽出した楽曲IDの中から、所定の条件に基づき、歌唱推奨楽曲を抽出するためのプログラムからなる。所定の条件とは、例えば、歌唱履歴データにおいて、歌唱頻度が所定値以上の楽曲、歌唱頻度が所定値未満の楽曲、得意曲識別子が付加された楽曲とすることができる。なお、歌唱頻度を抽出条件とする場合には、複数の利用者に共通して、所定値以上か所定値未満かを設定し、所定値は、演奏回数により導き出すことができる。また、所定値とは、各楽曲の演奏回数、記憶されているすべての楽曲の演奏回数に対する各楽曲の演奏回数の割合等、どのような値を用いてもよい。
【0041】
<データ記憶手段>
データ記憶手段270は、管理サーバ200において記憶すべきデータを格納するための手段であり、例えばHDD等により構成される。本実施形態では、データ記憶手段270に、歌唱履歴データベース270a、2つの楽曲プレイリスト270b、270cが記憶されている。
【0042】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置12は、ユーザインタフェース機能を備えており、ルータ50を介して、カラオケ本体11との間でデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置12は、楽曲検索手段12aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース12b、種々のデータを記憶するためのデータ記憶部12c、データの入出力を行うための入出力表示部12d、利用者ID取得手段として機能するカードリーダ12e等を備えている。このカラオケリモコン装置12に付帯するスイッチ類や、入出力表示部12dに表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。
【0043】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段12aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース12bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース12bは、カラオケ演奏装置10で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・アーティスト名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0044】
<カードリーダ>
カードリーダ12eは、利用者ID取得手段として機能する電子機器及びプログラムからなり、各利用者がシステムログインした際に、各利用者の利用者IDを取得する。すなわち、IDカード40に記憶された利用者IDをカードリーダ12eにより読み取ることにより、利用者IDを取得することができる。また、カラオケリモコン装置12の入出力表示部12dを用いて入力された利用者ID及びパスワードに基づいて、利用者IDを取得してもよい。また、利用者が利用者IDを所有していない場合には、カラオケ演奏装置10を使用する際に、利用者に対して一時的に利用者IDを付与してもよい。
【0045】
さらに、携帯情報端末60の機器IDと利用者IDとを予め紐付けしてデータテーブルとして管理し、利用者が所持する携帯情報端末60とカラオケ演奏装置10との間で、管理サーバ200を介してデータの送受信を行うことにより、カラオケ演奏装置10にシステムログインして、利用者IDを取得してもよい。
【0046】
<マイクロホン>
マイクロホン13は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン13から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ16により、音楽再生制御手段28から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅され、スピーカ14へ出力される。また、図示しないが、マイクロホン13からの音声入力信号をA/Dコンバータによりデジタル変換し、歌唱採点手段における歌唱採点等に使用してもよい。
【0047】
<表示装置>
表示装置15は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0048】
<カラオケ本体>
カラオケ本体11は、中央制御手段21、ROM22、RAM23、HDD24、送受信手段25、予約楽曲管理手段26、歌唱推奨楽曲提示制御手段27、音楽再生制御手段28、映像再生制御手段29を備えている。
【0049】
<中央制御手段>
中央制御手段21は、カラオケ本体11を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM22等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0050】
<ROM/RAM>
ROM22は、カラオケ本体11を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM23は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。本実施形態では、RAM23に、予約楽曲管理テーブル23aが記憶されている。
【0051】
<HDD>
HDD24は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース24a、映像データベース24bが格納されている。なお、HDD24に替えて、あるいはHDD24と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶手段を用いてもよい。
【0052】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース24aは、演奏制御データ(MIDI規格のデータ)及び歌詞描出データが同期されて構成される演奏データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。演奏制御データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース24bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0053】
<送受信手段>
送受信手段25は、カラオケ本体11とルータ50との間におけるデータの送受信を行うための電子機器及びプログラムからなる。
【0054】
<予約楽曲管理手段>
予約楽曲管理手段26は、任意の利用者がカラオケ楽曲の予約を行う際に、当該利用者の利用者IDと予約楽曲の楽曲IDとを紐付けして、予約楽曲管理テーブル23aにて管理するためのプログラムからなる。すなわち、予約楽曲管理手段26は予約楽曲管理テーブル23aを作成し、この予約楽曲管理テーブル23aをRAM23に格納して管理する。
【0055】
<予約楽曲管理テーブル>
予約楽曲管理テーブル23aは、利用者により楽曲検索手段12aの機能を用いて選曲された楽曲IDを演奏順に並べて作成したテーブルである。上述したように、予約者を特定して選曲予約を行う場合には、予約楽曲管理テーブル23aにおいて、楽曲IDと、選曲者の利用者IDとが紐付けされる。
【0056】
<歌唱推奨楽曲提示制御手段>
歌唱推奨楽曲提示制御手段27は、抽出した歌唱推奨楽曲の提示制御を行うためのプログラムからなる。例えば、同一のカラオケ演奏装置10に同時にシステムログインした複数の利用者が携帯情報端末60にて共通して鑑賞している楽曲であり、かつ、カラオケ演奏装置10にて歌唱した回数が10回以上の楽曲が歌唱推奨楽曲であるとされた場合に、
図5に示すように、歌唱推奨楽曲に関する情報を、カラオケリモコン装置12の入出力表示部12dの選曲画面に表示する。なお、歌唱推奨楽曲の提示は、表示画面への表示だけではなく、音声による報知等、利用者が認識することができれば、どのような態様であってもよい。
【0057】
<歌唱推奨楽曲の提示>
図4を参照して、本実施形態の歌唱推奨楽曲報知システム100により、歌唱推奨楽曲を提示する手順を説明する。複数の利用者(利用者1、利用者2)が同一のカラオケ演奏装置10にそれぞれシステムログインすると(S1、S2)、楽曲プレイリスト取得手段240の機能により、各利用者が所有する携帯情報端末60に記憶された楽曲データの楽曲IDと各利用者の利用者IDとを紐付けし、利用者毎の楽曲プレイリストとして取得する(S3、S4)。
【0058】
そして、共通楽曲抽出手段250の機能により、システムログインした各利用者(利用者1及び利用者2)の楽曲プレイリスト270b、270cを参照して、利用者1及び利用者2に共通する楽曲IDを抽出する(S5)。例えば、利用者1及び利用者2の楽曲プレイリスト270b、270cにおいて、「楽曲A」、「楽曲B」、「楽曲C」が共通して記憶されていたとすると、「楽曲A」、「楽曲B」、「楽曲C」を共通楽曲として抽出する。
【0059】
続いて、歌唱推奨楽曲抽出手段260の機能により、各利用者(利用者1及び利用者2)の歌唱履歴データを参照(取得)して(S6、S7)、抽出した楽曲IDの中から、所定の条件に基づき、歌唱推奨楽曲を抽出する(S8)。
【0060】
ここで、利用者1の歌唱履歴データにおいて「楽曲A」の歌唱回数が2回、「楽曲B」の歌唱回数が4回、「楽曲C」の歌唱回数が15回であったとする。一方、利用者2の歌唱履歴データにおいて「楽曲A」の歌唱回数が1回、「楽曲B」の歌唱回数が6回、「楽曲C」の歌唱回数が10回であったとする。さらに、利用者1の歌唱履歴では、楽曲「C」に得意曲識別子が設定されており、利用者2の歌唱履歴では、楽曲「C」に得意曲識別子が設定されていたとする。また、抽出条件となる所定値は、例えば10回以上、あるいは1回以上3回未満のいずれか一方に設定されていたとする。
【0061】
この場合、利用者1及び利用者2に共通する楽曲は、「楽曲A」、「楽曲B」、「楽曲C」の3曲であり、両者に共通して歌唱頻度が所定値以上の楽曲は「楽曲C」であり、両者に共通して演奏頻度が所定値未満の楽曲は「楽曲A」である。また、両者に共通して得意曲識別子が設定されている楽曲は「楽曲C」である。
【0062】
したがって、歌唱推奨楽曲を抽出する所定の条件として、歌唱回数が10回以上であることが抽出条件の場合には、「楽曲C」が抽出される(S8)。また、図示しないが、歌唱回数が3回未満であることが抽出条件の場合には、「楽曲A」が抽出され、得意曲識別子が設定されていることが抽出条件の場合には、「楽曲C」が抽出される。
【0063】
抽出された楽曲は、上述したように、カラオケリモコン装置12の入出力表示部12dの選曲画面に表示(提示)される(S9)。なお、表示タイミングは、特に限定されるものではないが、少なくとも二人目の利用者が、カラオケ演奏装置10にシステムログインした直後や所定時間(例えば30分)経過後、また、前曲の演奏終了後から所定時間(例えば3分)経過し、次曲の予約が登録されていない時等とすることが好ましい。これにより、同時に同一のカラオケ演奏装置10にシステムログインしている利用者が、共通の楽曲を知って一緒に歌唱したり、歌い忘れていた楽曲を歌唱したりすることができる。なお、抽出された歌唱推奨楽曲のうち、当該システムログイン中に既に予約あるいは歌唱されている楽曲については、提示しないような構成としてもよい。
【0064】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段28は、楽曲IDに基づいて演奏データから抽出された演奏制御データに基づいて、音源データをデジタル再生するとともにアナログ変換してミキシングアンプ16に出力するための電子回路である。また、ミキシングアンプ16は、マイクロホン13から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段28から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ14より出力するための装置である。
【0065】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段29は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース24bから抽出した背景映像データと、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づいて作成される歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置15に出力する。
【0066】
<他の実施形態>
本発明のシステム及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。